JP2011244675A

JP2011244675A - 分割型ステータの製造方法及び分割型ステータ

Info

Publication number: JP2011244675A
Application number: JP2010117359A
Authority: JP
Inventors: Narifumi Tojima; 成文遠嶋; Hiroyuki Taira; 裕行平
Original assignee: IHI Corp
Current assignee: IHI Corp
Priority date: 2010-05-21
Filing date: 2010-05-21
Publication date: 2011-12-01

Abstract

【課題】電動機の出力低下及び鉄損の増大を回避することの可能な分割型ステータの製造方法を提供する。
【解決手段】ヨーク部とティース部とが嵌合されてなる分割型ステータの製造方法として、前記ヨーク部と前記ティース部との嵌合部に隙間が形成されるように両者を嵌合する嵌合工程と、前記ヨーク部と前記ティース部との嵌合部に形成された隙間に圧粉磁性材を含む接着剤を充填する接着工程とを実施する。
【選択図】図１

Description

本発明は、分割型ステータの製造方法及び分割型ステータに関する。

従来から、電動機の巻線占積率の向上を目的として、ステータコアをヨーク部とティース部とに分割し、ティース部に巻線を巻回した後に、ヨーク部とティース部とを嵌合することで両者を接合してステータを構成する技術が知られている（下記特許文献１参照）。

特開２００７−２０９０７０号公報

上記のように構成されたステータ（以下、分割型ステータと称す）は、その構造上、以下のような２つの問題点を抱えている。
（１）図２（ａ）に示すように、円環状のヨーク部１１の径方向内側に複数のティース部１２が嵌合されてなる分割型ステータにおいて、ヨーク部１１とティース部１２との嵌合部１３に隙間が生じている場合、この隙間の空気層の影響によって嵌合部１３の磁気抵抗が大きくなるため電動機の出力が低下する。
（２）図２（ｂ）に示すように、嵌合部１３に隙間がなく、ヨーク部１１とティース部１２とが接触している場合、両者の層間短絡による渦電流が発生するため鉄損が大きくなる。

本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、電動機の出力低下及び鉄損の増大を回避することの可能な分割型ステータの製造方法及び分割型ステータを提供することを目的とする。

上記課題を解決するために、本発明では、分割型ステータの製造方法に係る解決手段として、ヨーク部とティース部とが嵌合されてなる分割型ステータの組み立て方法であって、嵌合部に隙間が形成されるように寸法設定された前記ヨーク部と前記ティース部とを嵌合する嵌合工程と、前記ヨーク部と前記ティース部との嵌合部に形成された隙間に圧粉磁性材を含む接着剤を充填する接着工程とを有することを特徴とする。

また、本発明では、分割型ステータに係る解決手段として、ヨーク部とティース部とが嵌合されてなる分割型ステータであって、前記ヨーク部と前記ティース部との嵌合部に形成された隙間に圧粉磁性材を含む接着剤が充填されていることを特徴とする。

本発明によると、ヨーク部とティース部との層間短絡を回避しつつ、嵌合部に形成された隙間の磁気抵抗を下げることができるため、その結果、電動機の出力低下及び鉄損の増大を回避することが可能となる。

本実施形態における分割型ステータの製造方法の各工程を表す模式図である。従来の分割型ステータの問題点を説明するために使用する摸式図である。

以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図１は、本実施形態における分割型ステータの製造方法の各工程を表す模式図である。まず、図１（ａ）に示すように、分割型ステータの製造方法における嵌合工程として、円環状のヨーク部１の径方向内側に複数のティース部２を一定間隔で嵌合する。これらヨーク部１及びティース部２は、珪素鋼等からなる電磁鋼板を積層することで独立に形成された分割コア部材であり、互いに組み合わされて１体のステータコアを形成する。

具体的には、ヨーク部１の径方向内側には複数の嵌合雌部１ａが一定間隔で設けられている一方、各ティース部２の一端には嵌合雄部２ａが設けられており、ヨーク部１の各嵌合雌部１ａに各ティース部２の嵌合雄部２ａを嵌合することにより、２種類の分割コア部材が互いに組み合わされて１体のステータコアが形成される。

また、図１（ａ）に示すように、これらヨーク部１及びティース部２は、嵌合雌部１ａと嵌合雄部２ａとの嵌合部３に隙間（ギャップ）が形成されるように寸法設定されている。このギャップは、ヨーク部１とティース部２との層間短絡を防ぐために意図的に設けられたものであり、そのギャップ長を数百μｍ程度に設定することが好ましい。なお、各ティース部２は、それぞれ巻線を巻回された後にヨーク部１に嵌合されるものであるが、図１（ａ）では巻線の図示を省略している。

次に、図１（ｂ）に示すように、分割型ステータの製造方法における接着工程として、ヨーク部１とティース部２との嵌合部３に形成されたギャップに圧粉磁性材を含む接着剤４を充填することで、ヨーク部１とティース部２とを接着する。この圧粉磁性材とは、固体の磁性材を破砕及び圧粉して得られる粉末状の磁性材であり、粉末間の電気抵抗が大きく、渦電流損（鉄損）が小さいという特徴を有している。

このような圧粉磁性材を含む接着剤４を嵌合部３に形成されたギャップに充填することで、ヨーク部１とティース部２との層間短絡を回避しつつ、嵌合部３に形成された隙間の磁気抵抗を下げることができる。つまり、上述した本実施形態における嵌合工程及び接着工程を実施することによって、電動機の出力低下及び鉄損の増大を回避することの可能な分割型ステータを得ることができる。

なお、上記実施形態では、円環状のヨーク部１の径方向内側に複数のティース部２を一定間隔で嵌合してなる分割型ステータを例示して説明したが、ヨーク部１が周方向に沿って複数のヨーク片に分割されたタイプの分割型ステータであっても本発明を適用することができる。この場合、１つのヨーク片に対して１つ或いは複数のティース部２が嵌合されることになるが、上記実施形態と同様に、両者の嵌合部３に形成されたギャップに圧粉磁性材を含む接着剤４を充填すれば良い。

また、ヨーク部１の径方向内側には設けられた嵌合雌部１ａと、各ティース部２の一端に設けられた嵌合雄部２ａの形状は図１に示した形状に限定されず、両者を嵌合可能な形状であればどのような形状に設定しても良い。

１…ヨーク部、１ａ…嵌合雌部、２…ティース部、２ａ…嵌合雄部、３…嵌合部、４…接着剤

Claims

ヨーク部とティース部とが嵌合されてなる分割型ステータの製造方法であって、
前記ヨーク部と前記ティース部との嵌合部に隙間が形成されるように両者を嵌合する嵌
合工程と、
前記ヨーク部と前記ティース部との嵌合部に形成された隙間に圧粉磁性材を含む接着剤を充填する接着工程と、
を有することを特徴とする分割型ステータの製造方法。
ヨーク部とティース部とが嵌合されてなる分割型ステータであって、
前記ヨーク部と前記ティース部との嵌合部に形成された隙間に圧粉磁性材を含む接着剤が充填されていることを特徴とする分割型ステータ。