JP2006184306A - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水系媒体中で結着樹脂を含有してなる一次粒子を凝集させる工程(凝集工程)及び得られる凝集粒子を合一させる工程(合一工程)を有する電子写真用トナーの製造方法であって、さらに、前記一次粒子を、体積平均分子量が1,000〜90,000のアクリル酸系ポリマー塩の存在下で分散させる工程(分散工程)を有する電子写真用トナーの製造方法並びに該製造方法により得られうる、変動係数が26%以下、体積中位粒径が1〜10μmである電子写真用トナー。
【選択図】なし
Description
〔1〕 水系媒体中で結着樹脂を含有してなる一次粒子を凝集させる工程(凝集工程)及び得られる凝集粒子を合一させる工程(合一工程)を有する電子写真用トナーの製造方法であって、さらに、前記一次粒子を、体積平均分子量が1,000〜90,000のアクリル酸系ポリマー塩の存在下で分散させる工程(分散工程)を有する電子写真用トナーの製造方法、並びに
〔2〕 前記〔1〕記載の製造方法により得られうる、変動係数が26%以下、体積中位粒径が1〜10μmである電子写真用トナー
に関する。
JIS K0070に従って測定する。
(1)軟化点
高化式フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量(流れ値)をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で測定する。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とする(ただし、ピークを形成しない場合は、最も高温側のベースラインを形成しはじめた温度を読み取る)。最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば融点とし、軟化点との差が20℃を超えるピークはガラス転移に起因するピークとする。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で測定する。結着樹脂が結晶性ポリエステルの他に非晶質樹脂を含むか、あるいは結晶性ポリエステルが非晶質部分を含む場合は、吸熱の最高ピーク温度より低い温度で観測されるピーク温度を、あるいは吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線と、該ピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移点として読み取る。なお、ガラス転移点は、樹脂の非晶質部分に特有の物性であり、一般には非晶質ポリエステルで観測されるが、結晶性ポリエステルでも非晶質部分が存在する場合には観測されることがある。
上記に従って測定した軟化点及び吸熱の最高ピーク温度を用い、下記式から、結晶性の度合いとして結晶性指数を算出する。
結晶性指数=軟化点/吸熱の最高ピーク温度
以下の方法により、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分子量分布を測定し、数平均分子量を算出する。
(1)試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、結晶性ポリエステルはクロロホルムに、非晶質ポリエステルはテトラヒドロフランに、溶解させる。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター(住友電気工業(株)製、FP-200)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2)分子量分布測定
溶解液として、結晶性ポリエステルを測定する場合はクロロホルムを、非晶質ポリエステルを測定する場合はテトラヒドロフランを、毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレンを標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:CO-8010(東ソー社製)
分析カラム:GMHLX+G3000HXL(東ソー社製)
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、下記条件で測定する。
カラム:TSK PWXL+G4000PWXL+G2500PWXL(いずれも東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
検出器:RI又はUV(210nm)
溶離液:0.2mol/L リン酸緩衝液/アセトニトリル(9/1)
流速:1.0mL/min
注入量:0.1mL
試料の分子量は、標準物質にポリエチレングリコールを用いあらかじめ作成した検量線に基づき算出する。
(1)測定装置:レーザー回折型粒径測定機(島津製作所製、SALD-2000J)
(2)測定条件:測定用セルに蒸留水を加え、吸光度を適正範囲になる濃度で体積中位粒径(D50)を測定する。
(1)分散液の調製:分散液(エマルゲン 109P(花王製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5重量%水溶液)5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液(アイソトンII(ベックマンコールター社製))25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させ分散液を得る。
(2)測定装置:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
測定粒径範囲:2〜60μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
(3)測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子について、体積中位粒径(D50)を求める。
1,5-ペンタンジオール1456g、1,6-ヘキサンジオール2478g、テレフタル酸5926g及びジブチル錫オキサイド19.7gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、攪拌しながら200℃でテレフタル酸の粒が観測されなくなるまで反応させた後、さらに8.3kPaにて1時間反応させて樹脂Aを得た。樹脂Aの軟化点は95.3℃、吸熱の最高ピーク温度(融点)は99.5℃、結晶性指数は0.96、酸価は17.5mgKOH/g、数平均分子量は7,140であった。
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン3500g、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン3250g、イソドデセニル無水コハク酸322g、テレフタル酸2291g、及びジブチル錫オキサイド20gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、攪拌しながら220℃で8時間かけて反応させた後、8.3kPaにて1時間反応させた。さらに、210℃で無水トリメリット酸960gを添加し、所望の軟化点に達するまで反応させて樹脂Bを得た。樹脂Bの軟化点は124℃、吸熱の最高ピーク温度は73℃、結晶性指数は1.70、ガラス転移点66℃、酸価は21.0mgKOH/g、数平均分子量は3,390であった。
5リットル容のステンレス釜で、樹脂A 300g、着色剤「ECB-301」(大日精化社製、銅フタロシアニン、個数平均粒径:60nm)15g、非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO=11.7モル付加)、曇点:98℃、HLB=14.6)60gをカイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、120℃で溶融させた。内容物を98℃で安定させ、カイ型の攪拌機で500r/minの攪拌下、中和剤として水酸化ナトリウム水溶液(濃度:5重量%)75gを4g/分で滴下した。続いて、カイ型の攪拌機で300r/minの攪拌下、脱イオン水を5g/分で滴下し、計1200gを添加した。この間、系の温度を98℃に保持し、一次粒子(体積中位粒径(D50):0.56μm)を含む分散液を得た。分散液を200メッシュ(目開き:105μm)の金網に通しても金網上には何も残らなかった。このとき、系内のpHは7.2であった。
5リットル容のステンレス釜で、樹脂B 200g、着色剤「ECB-301」(大日精化社製、銅フタロシアニン、個数平均粒径:60nm)10g、非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO=11.7モル付加)、曇点:98℃、HLB=14.6)80gをカイ型の攪拌機で300r/minの攪拌下、120℃で溶融させた。内容物を98℃で安定させ、カイ型の攪拌機で300r/minの攪拌下、中和剤として水酸化ナトリウム水溶液(濃度:5重量%)60gを4g/分で滴下した。続いて、カイ型の攪拌機で300r/minの攪拌下、脱イオン水を5g/分で滴下し、計800gを添加した。この間、系の温度を98℃に保持し、一次粒子(体積中位粒径(D50):0.38μm)を得た。分散液を200メッシュ(目開き:105μm)の金網に通しても金網上には何も残らなかった。このとき、系内のpHは7.3であった。
分散剤(ポリアクリル酸ナトリウム)を使用しない以外は、実施例1と同様にしてトナーの製造を試みた。しかしながら、凝集粒子の生成過程において、分散液の温度が94℃になった時点で著しい凝集を起こしたため、トナーの製造を中止した。
Claims (6)
- 水系媒体中で結着樹脂を含有してなる一次粒子を凝集させる工程(凝集工程)及び得られる凝集粒子を合一させる工程(合一工程)を有する電子写真用トナーの製造方法であって、さらに、前記一次粒子を、体積平均分子量が1,000〜90,000のアクリル酸系ポリマー塩の存在下で分散させる工程(分散工程)を有する電子写真用トナーの製造方法。
- 分散工程が凝集工程よりも前に行われる請求項1記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 分散工程におけるアクリル酸系ポリマー塩の存在量が0.01〜5重量%である請求項1又は2記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 凝集工程における一次粒子の濃度が10〜50重量%である請求項1〜3いずれか記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 結着樹脂がポリエステルを含有してなる請求項1〜4いずれか記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 請求項1〜5いずれか記載の製造方法により得られうる、変動係数が26%以下、体積中位粒径が1〜10μmである電子写真用トナー。
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