JP2006183680A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 液圧吸収機構を構成する可動板の収容スペース内面への打ち当たりに際しての衝撃が軽減されて、かかる打ち当たりに起因する異音等の発生を高度に低減することの出来る、液圧吸収機構を備えた流体封入式防振装置を提供すること。
【解決手段】 仕切部材42に形成された収容スペース69に対して、可動板66を、その一方の面に受圧室46の圧力が作用せしめられると共に、他方の面に平衡室48の圧力が作用せしめられるように収容配置して、受圧室46と平衡室48との相対的な圧力変動による可動板66の変位方向が複数方向となるようにすることにより、かかる可動板66の変位方向を示すベクトルが相互に打ち消しあう方向となるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば自動車用エンジンマウント等として用いられる防振装置に係り、特に内部に封入された非圧縮性流体の流動作用を利用して防振効果を得るようにした流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に装着される防振連結体や防振支持体の一種として、例えば実公平4−33478号公報(特許文献1)等に記載されているような流体封入式の防振装置が知られている。このような防振装置は、一般に、第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結せしめた防振装置において、本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室と、変形容易な可撓性膜で壁部の一部が構成された平衡室を設けて、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入した構造とされている。そして、第一の取付部材と第二の取付部材の間への振動入力時に受圧室と平衡室の間に惹起される相対的な圧力変動に基づいて、それら受圧室と平衡室を相互に連通するようにして形成されたオリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて防振効果を発揮し得るようになっている。
ところで、オリフィス通路を通じて流動せしめられる非圧縮性流体の共振作用に基づく防振効果は、予めチューニングされた特定の周波数域でしか有効に発揮され難い。そこで、特にオリフィス通路のチューニング周波数域よりも高周波数域の振動入力時における著しい高動ばね化を回避して防振性能を向上するために、可動板による液圧吸収機構が提案されている。この液圧吸収機構は、一般に、受圧室と平衡室を仕切る仕切部材に収容スペースを形成し、この収容スペースに対して微小変位可能に可動板を収容配置せしめた構造となっている。収容スペースは、受圧室と平衡室にそれぞれ通孔を通じて接続されており、それらの通孔を通じて、可動板の一方の面に受圧室の圧力が及ぼされ且つ他方の面に平衡室の圧力が及ぼされるようになっている。
そして、受圧室と平衡室の圧力差に基づく可動板の変位によって、高周波数域の振動入力時における受圧室の微小圧力変動を平衡室に逃がして吸収するようにされている。一方、オリフィス通路がチューニングされた低周波数域の振動入力時には、かかる振動の振幅が大きいことから、可動板が収容スペースの内面に当接して重ね合わされた状態となって通孔を実質的に閉塞することとなる。これにより、液圧吸収機構による受圧室の圧力吸収が回避されて、受圧室と平衡室の相対的な圧力変動が有効に生ぜしめられることとなり、それら両室間でのオリフィス通路を通じての流体流動量が十分に確保されて、オリフィス通路による防振効果が発揮されるようにされる。
ところが、このような液圧吸収機構では、大振幅振動が入力されて受圧室に急激な圧力変動が生ぜしめられた際、可動板が収容スペースの内面に勢い良く打ち当たる。そのために、可動板の収容スペース内面への打ち当たりの衝撃が振動となって車両ボデーに伝達して部材の共振現象で騒音が発生し易いという問題があった。例えば、自動車用のエンジンマウントとして採用する場合には、エンジンのクランキング時や段差乗り越えの際、運転者に聞こえる程の異音等となって、乗車フィーリングを低下させる原因の一つとなるおそれもあったのである。
なお、このような問題に対処するために、例えば実公平4−33478号公報(特許文献1)には、可動板をゴム弾性板で構成すると共に、その表面にリップ状の小突起を一体形成し、この小突起で打ち当たりの際の衝撃を吸収することも提案されている。しかしながら、このような小突起は、小さなエネルギーでの打ち当たりに対して効果が認められるものの、受圧室の圧力変動が急激で大きい場合には、未だ十分な効果が発揮され難く、更なる対策が切望されていたのである。
実公平4−33478号公報
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、液圧吸収機構を構成する可動板の収容スペース内面への打ち当たりに際しての衝撃が軽減されて、かかる打ち当たりに起因する異音等の発生を高度に低減することの出来る、液圧吸収機構を備えた流体封入式防振装置を提供することにある。
以下、前述の如き課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面の記載、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
(本発明の第1の態様)
すなわち、本発明の第1の態様は、壁部の一部が本体ゴム弾性体で構成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる受圧室を形成すると共に、壁部の一部が可撓性ゴム膜によって構成されて容積変化が許容される平衡室を形成して、それら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路を設ける一方、所定量だけ変位可能に可動板を配して、該可動板の一方の面に該受圧室の圧力が作用せしめられると共に該可動板の他方の面に該平衡室の圧力が作用せしめられるようにして、該受圧室と該平衡室との相対的な圧力差による該可動板の変位によって該可動板が当接せしめられる当接部材を該可動板の変位方向の少なくとも一方に設けた流体封入式防振装置において、前記受圧室と前記平衡室との相対的な圧力差による前記可動板の変位方向が複数方向となるようにして、該可動板の変位方向を表すベクトルが相互にキャンセルし合う向きとなるようにしたことを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、入力振動によって受圧室と平衡室の間に惹起される相対的な圧力変動によって変位せしめられる可動板の変位方向を表すベクトルが、相互にキャンセルし合う向きとされていることにより、可動板の当接部材への当接に伴って生じる衝撃力が相互に打ち消しあう向きとなる。それ故、可動板の当接部材への打ち当たりによる衝撃力が相殺的に軽減されて、かかる衝撃力による異音や騒音の発生を低減乃至は回避することが可能となる。
(本発明の第2の態様)
また、本発明の第2の態様は、前記第1の態様に係る流体封入式防振装置において、防振連結される一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と、防振連結される他方の部材に取り付けられる第二の取付部材を本体ゴム弾性体で弾性連結せしめた構造とされていると共に、該第二の取付部材によって仕切部材が固定的に支持されており、該仕切部材を挟んだ一方の側に前記受圧室が形成されていると共に、該仕切部材を挟んだ他方の側に前記平衡室が形成されている一方、該仕切部材によって収容ハウジングが形成されて該収容ハウジング内に前記可動板が所定量だけ変位可能に収容配置されていることを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、受圧室と平衡室を画成する仕切部材によって可動板を収容する収容ハウジングが形成されている。また、当接部材も、特別な別部材を組み付けることなく、収容ハウジングによって形成することも可能となる。それ故、可動板を容易に流体封入式防振装置に対して組み付けることが出来て、良好な防振性能を有する流体封入式防振装置を容易に製造することが可能となる。
(本発明の第3の態様)
また、本発明の第3の態様は、前記第1又は第2の態様に係る流体封入式防振装置において、前記可動板がゴム材料によって形成された円筒形状とされており、該可動板の内周面と外周面の一方に前記受圧室の圧力が作用せしめられると共に、該可動板の内周面と外周面の他方に前記平衡室の圧力が作用せしめられるようになっており、該可動板の拡径及び/又は縮径方向の弾性変形によって円筒形状を有する該可動板の変位が許容されるようになっていることを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、円筒形状とされた可動板の拡径及び/又は縮径方向の弾性変形によって可動板の変位が許容されている。それ故、高精度な位置合わせ等を必要とすることなく、少ない数の可動板によって、その変位方向を相互にキャンセルし合う向きに容易に且つ精度良く設定することが出来る。
(本発明の第4の態様)
また、本発明の第4の態様は、前記第3の態様に係る流体封入式防振装置において、前記可動板が、軸方向一方の側から他方の側に向かって次第に拡開するテーパ付きの円筒形状とされていることを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、限られた配設領域内のスペースを有効に利用して、圧力作用面積が一層大きな円筒形状の可動板を採用することが出来る。それ故、受圧室と平衡室との相対的な圧力変動をより効率的に可動板に伝達することが出来て、可動板の変位に基づく防振性能の向上効果が一層期待できる。
(本発明の第5の態様)
また、本発明の第5の態様は、前記第1又は第2の態様に係る流体封入式防振装置において、前記可動板が、相互に独立した複数の分割可動板によって構成されており、それら分割可動板が略一つの周上で相互に離隔位置するように配設されていると共に、各該分割可動板の内周側と外周側に、前記受圧室と前記平衡室の各一方の圧力が作用せしめられて、それらの分割可動板が内周側と外周側に変位せしめられるようになっていることを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、複数の分割可動板を採用することにより、可動板の配設位置や形状等の設計自由度が大きくなる。また、前述の如き円筒形状の可動板に比して、可動板の変位が、可動板の弾性変形を伴うことなく生ぜしめられることから、可動板の材料の選択自由度も大きくなるし、受圧室と平衡室の圧力差によって容易に変位可能となる。それ故、比較的小さな力によって、可動板を変位させることが可能となって、小さな圧力変動による小振幅振動に対して一層良好な防振性能を得ることも可能となる。
(本発明の第6の態様)
また、本発明の第6の態様は、前記第5の態様に係る流体封入式防振装置において、前記分割可動板が、前記受圧室と前記平衡室との相対的な圧力差による該分割可動板の変位方向において互いに対向位置するようにして複数対配設されていることを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、分割可動板の当接部材への当接時の衝撃を一層効率的に抑えることが出来る。なお、対向位置する可動板は、互いの大きさや形状等を略同じにすることが望ましい。
(本発明の第7の態様)
また、本発明の第7の態様は、前記第5又は第6の態様に係る流体封入式防振装置において、前記分割可動板が、略一つの円周上に配設されており、かかる一つの円周方向に延びるように湾曲せしめられた湾曲板形状とされていることを、特徴とする。
(本発明の第8の態様)
また、本発明の第8の態様は、前記第1乃至第7の何れかの態様に係る流体封入式防振装置において、前記第二の取付部材を略円筒形状として、該第二の取付部材の一方の開口部側に前記第一の取付部材を離隔配置せしめて、それら第一の取付部材と第二の取付部材を連結する前記本体ゴム弾性体で該第二の取付部材の一方の開口部を流体密に覆蓋すると共に、該第二の取付部材の他方の開口部を前記可撓性膜で流体密に覆蓋せしめる一方、前記仕切部材を該第二の取付部材で固定的に支持せしめて該本体ゴム弾性体と該可撓性膜の対向面間で該第二の取付部材の軸直角方向に広がるように配設することにより、該仕切部材を挟んだ両側に前記受圧室と前記平衡室を形成すると共に、該仕切部材の内部に前記収容スペースを形成して、該収容スペースに前記可動板を収容配置せしめたことを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、優れた防振性能を実現する液圧吸収機構を備えた流体封入式防振装置を実現することが出来る。
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置にあっては、可動板を備えた流体封入式防振装置において、大振幅振動の入力時における可動板の変位に伴う衝撃を軽減して、かかる衝撃の伝達によって生じる異音等を低減乃至は回避することが出来る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1には、本発明の第一の実施形態として、流体封入式防振装置の一種である自動車用エンジンマウント10が示されている。かかるエンジンマウント10は、互いに離隔して位置せしめられた第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16によって連結されて構成されており、第一の取付金具12が図示しない自動車のパワーユニット側に取り付けられる一方、第二の取付金具14が図示しない自動車の車両ボデー側に対して取り付けられることにより、パワーユニットがボデーに対して防振支持されるようになっている。また、そのような装着状態下、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間には、パワーユニットの分担荷重と、防振すべき主たる振動が、何れも、エンジンマウント10の略軸方向(図1中、上下方向)に入力されるようになっている。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として図1における上下方向をいうものとする。
より詳細には、第一の取付金具12は、逆向きの略円錐台形状を有する金属材によって形成されている。かかる第一の取付金具12の上端部には、大径部18が形成されており、全周に亘って径方向外方に突出せしめられている。また、第一の取付金具12の上端面には、その中央にボルト孔20が形成されており、図示しないパワーユニット側のボルトによって第一の取付金具12をパワーユニットに対してボルト固定することが可能となっている。
一方、第二の取付金具14は、略円環板形状のフランジ部22に対して、その内周縁部から軸方向下方に向かって突出する嵌着筒部24が一体形成された構造とされており、全体として大径の略円筒形状とされている。そして、第一の取付金具12と略同一中心軸上で第一の取付金具12の下方(図1中の下側)に離隔配置されている。
また、本体ゴム弾性体16は、全体として大径の円錐台形状を有しており、軸方向下方の大径側端面には、その中央部分に大きな肉抜き状の円形凹所26が形成されている。この円形凹所26は、下方に向かって次第に拡径して大径側端面に開口する有底の円形穴であって、この円形凹所26が形成されることにより、本体ゴム弾性体16が、全体として厚肉の逆カップ形状とされている。
そして、本体ゴム弾性体16の小径側端部上面に対して、第一の取付金具12が同軸的に配されて加硫接着されていると共に、本体ゴム弾性体16の大径側端部外周面に対して第二の取付金具14の内周面が重ね合わせられて加硫接着されている。これによって、本体ゴム弾性体16が、上述の如き第一の取付金具12および第二の取付金具14を備えた一体加硫成形品として形成されているのである。なお、第二の取付金具14における嵌着筒部24の内周面は、略全面が本体ゴム弾性体16と一体的に形成されたシールゴム層28によって覆われている。
上述の如く第一及び第二の取付金具12,14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品には、第二の取付金具14の軸方向下側の開口部から可撓性ゴム膜としてのダイヤフラム30が組み付けられている。
ダイヤフラム30は、中央部分に十分な弛みをもたせて変形容易とした略円板形状のゴム膜によって形成されており、外周縁部において、嵌着金具32に加硫接着されている。この嵌着金具32は、円環板形状の支持部34に対して、支持部34の外周縁部から上方に突出する円筒形状の固定筒部36と、支持部34の内周縁部から下方に突出する円筒形状の被着筒部38とが一体形成された構造とされており、被着筒部38の内周面に対して、ダイヤフラム30の外周縁部が加硫接着されている。また、嵌着金具32における固定筒部36が、第二の取付金具14の嵌着筒部24に外挿されて、八方絞り等の縮径加工が施されるようになっている。これにより、嵌着金具32の固定筒部36が第二の取付金具14の嵌着筒部24に外嵌固定されている。なお、本実施形態において、固定筒部36と嵌着筒部24の嵌着面間は、固定筒部36に被着形成されたシールゴム層40で流体密に封止されている。
このように嵌着金具32の固定筒部36が嵌着筒部24に外嵌固定されることによって、本体ゴム弾性体16に形成された円形凹所26における、第二の取付金具14の中央孔を通じて下方に開口せしめられた開口部分が、ダイヤフラム30によって流体密に覆蓋されている。そして、この円形凹所26を利用して形成されて、外部空間に密閉された、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム30の対向面間の領域には、非圧縮性流体が封入されており、流体封入領域が画成されている。かかる流体封入領域に封入されている非圧縮性流体としては、例えば水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等が採用されるが、特に流体の流動作用に基づく防振効果を有効に得るためには、0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。また、非圧縮性流体の封入は、例えば第一及び第二の取付金具12,14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に対するダイヤフラム30の組み付けを非圧縮性流体中で行うこと等によって実現される。
また、かかる流体封入領域には、軸直角方向に広がるようにして、仕切部材としての仕切金具42が配設されている。仕切金具42は、全体として厚肉の略円板形状とされており、第二の取付金具14の嵌着筒部24に嵌め入れられている。そして、仕切金具42の外周部分の上面が、本体ゴム弾性体16の下面によって覆われていると共に、仕切金具42の外周面が、シールゴム層28を介して第二の取付金具14の嵌着筒部24に対して流体密に重ね合わせられている。また、嵌着金具32の支持部34上面には、ダイヤフラム30と一体形成されたシールゴム層44が形成されており、仕切金具42の外周部底面がシールゴム層44を介して嵌着金具32の支持部に対して流体密に重ね合わせられている。
このような仕切金具42が流体封入領域内部において軸方向に広がるように配設されていることによって、流体封入領域が上下に二分されている。これに伴い、仕切金具42を挟んで軸方向一方(図1中、上)の側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間への振動入力時に、本体ゴム弾性体16の弾性変形に伴って圧力変動が生ぜしめられる受圧室46が形成されている。一方、仕切金具42を挟んだ軸方向他方の側には、壁部の一部がダイヤフラム30で構成されて、ダイヤフラム30の弾性変形に基づいて容積変化が容易に許容される平衡室48が形成されている。
さらに、仕切金具42には、その外周部分において上面に開口して周方向に所定の長さで連続して延びる凹溝50が形成されており、この凹溝50が、本体ゴム弾性体16の下面でその開口部を流体密に覆蓋されることによってトンネル状の通路形態とされている。
また、凹溝50の一方の端部は、仕切金具42上面に開口して形成されて、仕切金具42の径方向内方に延び出したオリフィス連通溝52に接続されており、かかるオリフィス連通溝52の開口部が本体ゴム弾性体16に形成された円形凹所26に開口せしめられることによって、凹溝50が受圧室46に連通せしめられている。更に、凹溝50の他方の端部には、その底壁にオリフィス連通孔54が形成されており、かかるオリフィス連通孔54を通じて凹溝50が平衡室48に連通せしめられている。これにより、仕切金具42の凹溝50を利用してオリフィス通路56が形成されており、このオリフィス通路56を通じて受圧室46と平衡室48が相互に連通されている。なお、このオリフィス通路56は、常時、受圧室46と平衡室48を接続する連通状態に維持されている。
したがって、振動入力時には、圧力変動が惹起される受圧室46と、ダイヤフラム30の変形に基づいて容積変化が許容される平衡室48の間に、相対的な圧力変動が惹起されることとなり、それら両室46,48間でオリフィス通路56を通じての流体流動が生ぜしめられる。その結果、受圧室46と平衡室48の間でオリフィス通路56を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果が、防振すべき軸方向(図1中の上下方向)の振動に対して発揮されるようになっている。
特に本実施形態では、オリフィス通路56を流動せしめられる流体の共振周波数が、該流体の共振作用に基づいてシェイク等の10Hz程度の低周波大振幅振動に対して有効な防振効果が発揮されるようにチューニングされている。かかる共振周波数のチューニングは、受圧室46と平衡室48の各壁ばね剛性等を考慮しつつ、例えばオリフィス通路56の流路断面積や長さ等を設定変更することにより実現される。
また、仕切金具42の上面には、上方に開口して凹溝50と同心円状に延びる受圧室側連通溝58が形成されている。かかる受圧室側連通溝58は、仕切金具42の上面において、凹溝50よりも径方向内側に形成されて、周方向全周に亘って延びる凹溝であって、全周に亘って受圧室46に開口せしめられている。特に、本実施形態においては、オリフィス連通溝52によってオリフィス通路56の一方の端部が受圧室側連通溝58の一部に接続されている。更に、仕切金具42の中央部分には、図1,図2に示されているように、仕切金具42を軸方向に貫通して延びる平衡室側連通孔60が形成されている。かかる平衡室側連通孔60は、仕切金具42の中央に形成された小径の貫通孔によって形成されている。
また、これら受圧室側連通溝58と平衡室側連通孔60とは、図2に示されているように、仕切金具42の径方向に延びる連通溝62によって相互に連通されている。連通溝62は、仕切金具42の径方向に延びる溝であって、本実施形態においては、隣り合う連通溝62同士が互いに略45度の角度を為す径方向にそれぞれ形成されている。即ち、連通溝62は、互いに同じだけ離隔せしめられた仕切金具42の径方向8方向に向かって放射状に延出せしめられている。
さらに、連通溝62の延出方向の略中央には、可動板配設溝64が全周に亘って形成されている。かかる可動板配設溝64は、仕切金具42の周方向に延びる溝状の領域であって、連通溝62に比して僅かに深く形成された矩形断面を有している。また、可動板配設溝64を挟んで連通溝62が径方向に2分割されて、仕切金具42の径方向内側が内側連通溝65とされていると共に、径方向外側が外側連通溝66とされており、可動板配設溝64が、内側連通溝65によって受圧室46側に連通せしめられていると共に、外側連通溝66によって平衡室48側に連通せしめられている。
そして、図2に示されているように、この可動板配設溝64に、可動板としての円筒可動板67が配設される。かかる円筒可動板67は、略薄肉円筒形状を有するゴム材によって形成されており、可動板配設溝64内に仕切金具42と略同一中心軸上で配設されて、その外周面に対して受圧室側連通溝58及び外側連通溝65を介して受圧室46の圧力が作用せしめられるようにされていると共に、その内周面に対して平衡室側連通孔60及び内側連通溝66を介して平衡室48の圧力が作用せしめられるようにされている。また、少なくとも仕切金具42の径方向に位置せしめられる円筒可動板67の外周面及び内周面が、少なくともその一部において可動板配設溝64の内面から離隔位置せしめられている。特に、本実施形態においては、円筒可動板67の径方向の肉厚寸法が可動板配設溝64の径方向の幅寸法より小さくされて、円筒可動板67の径方向への拡径/縮径変形が所定量だけ許容されている。
かかる可動板配設溝64への円筒可動板67の配設状態において、蓋板金具68が仕切金具42の中央に上面に流体密に重ね合わせられて固定される。蓋板金具68は、略円板形状であって、その外径が、受圧室側連通溝58の内径と略同じ寸法とされて、外周縁部が外側連通溝66上に重ね合わせられている。また、蓋板金具68によって平衡室側連通孔60の受圧室側の開口が流体密に覆蓋されている。更に、連通溝62の受圧室46側の開口が蓋板金具68によって流体密に覆蓋されて、仕切金具42の径方向に延びるトンネル状の孔とされていると共に、可動板配設溝64の受圧室側の開口が蓋板金具68によって流体密に覆蓋されて、仕切金具42の周方向に延びるトンネル状とされた収容スペースとしての可動板収容領域69が形成されている。
さらに、本実施形態においては、蓋板金具68の下面において外周部分を周方向に全周に亘って延びる突条が2条形成されている。これらの突条は、蓋板金具68の軸方向下方に突出して形成されており、蓋板金具68を仕切金具42に重ね合わせた状態で内側連通溝65と外側連通溝66上に位置するように形成されている。これにより、上述の如く、円筒可動板67の径方向の肉厚寸法が可動板収容領域69の径方向の幅寸法より小さくされて、円筒可動板67の径方向への拡径/縮径変形が所定量だけ許容されている一方、円筒可動板67の軸方向寸法が可動板収容領域69の軸方向寸法より僅かに小さくされると共に円筒可動板67の軸方向寸法が連通溝62の軸方向寸法に比して僅かに小さくされている。これにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間への中乃至高周波数域の小振幅振動の入力時には、受圧室46と平衡室48が可動板収容領域69の内面と円筒可動板67との間に設けられた隙間を通じて連通状態とされていると共に、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間への低周波数域の大振幅振動の入力時には、円筒可動板67の拡径/縮径変形によって連通溝62の可動板収容領域69側の開口が円筒可動板67の外周面/内周面によって閉塞されるようにされている。つまり、本実施形態における当接部材が仕切金具42によって構成されているのである。
上述の如き構造とされた本実施形態のエンジンマウント10においては、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間への入力振動がオリフィス通路56が実質的に閉塞状態となる高周波小振幅振動である場合には、円筒可動板67の弾性変形に基づく液圧吸収作用が発揮される。即ち、そのような中乃至高周波数域の小振幅振動の入力時には、円筒可動板67が可動板収容領域69との間に設けられた隙間で許容される可動範囲内において実質的にフローティング状態に維持されて自由に拡径変形/縮径変形せしめられることに基づき、受圧室側連通溝58及び平衡室側連通孔60,連通溝62を通じての受圧室46と平衡室48の間での実質的な流体流動が、可動板収容領域69を介して、許容されることにより、受圧室46の圧力変動が平衡室48へ逃がされる。これにより、オリフィス通路56の反共振現象としての目詰まり起因する著しい高動ばね化が回避されて、良好な防振性能が発揮されることとなる。
一方、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に入力される振動が、低周波数域の比較的に大きな振幅の場合、例えば±0.5〜1.0mmの通常走行時シェイクの場合や、±1.0〜2.0mm程度の段差乗り越え時等のシェイクの場合には、円筒可動板67が著しく拡径変形又は縮径変形せしめられて、円筒可動板67の内周面及び外周面が、可動板収容領域69内で当接部材としての仕切金具42に対して当接(打ち当たり)を繰り返すこととなる。そして、このように円筒可動板67が可動板収容領域69内で仕切金具42に打ち当たると、そこに開口形成された連通溝62が円筒可動板67で狭窄乃至は実質的に閉塞されることとなる。その結果、受圧室46と平衡室48の間には、相対的な圧力変動が有効に惹起されて、かかる相対的な圧力変動に基づいてオリフィス通路56を通じての流体流動が生ぜしめられることとなる。以て、オリフィス通路56を流動せしめられる流体の共振作用に基づく所期の防振効果が発揮されるのである。
ここにおいて、第一の取付金具12と第二の取付金具14との間に振動が入力されると、受圧室46と平衡室48との相対的な圧力変動が生じて、円筒可動板67の内周面と外周面に作用せしめられるそれら両室46,48の圧力に相対的な差が生ずる。これによって、円筒可動板67が径方向に拡縮変形せしめられる。即ち、本実施形態においては、円筒可動板67の全径方向(中心軸回りの360度において全ての軸直角方向)に向かって可動板の変位が生じることとなり、可動板において互いに逆向きの径方向変位が中心軸回りの全ての径方向においてそれぞれ生じている。つまり、可動板の変位方向を表すベクトルが円筒可動板67の全径方向において生じており、各径方向においてはそれぞれ中心軸を挟んだ両側で逆向きの一対のベクトルが発生している。そして、それら一対のベクトルは相互にキャンセルし合う向きとされている。
従って、かかる円筒可動板67の拡径/縮径変形に基づいて生じる衝撃力(円筒可動板67の各部位の径方向変位の結果、可動板収容領域69の内面に打ち当たることに伴う衝撃力)も全ての径方向に向かって放射状に発生すると共に、各径方向において互いに径方向逆向きとされて対を為す衝撃力が、略同時に発生するようになっている。それ故、振動入力時において、可動板の変位に伴って生じる衝撃力を、複数の衝撃力を互いに打ち消し合わせることにより軽減して、かかる衝撃力によって発生する異音や騒音等を低減乃至は回避することが可能となる。
特に、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に入力される振動が比較的大きな振幅を有する場合には、円筒可動板67が可動板収容領域69内で径方向に比較的強く打ち当てられるため、かかる打ち当たりに基づく比較的大きな衝撃力が仕切金具42に加えられることとなる。ここにおいて、本実施形態に従う構造とされたエンジンマウント10においては、可動板を円筒形状としたことにより、上述の如く、仕切金具42に対して全周に亘って径方向に衝撃力が加えられて、各径方向において、互いに逆方向に作用する一対の衝撃力がそれぞれ生じることとなる。
したがって、比較的大きな振幅を有する振動が入力された場合により顕著に発生する異音や騒音の一因とされる可動板の仕切金具42に対する当接による衝撃を、可動板を円筒形状を有する円筒可動板67とすることにより、互いに逆向きとされた複数対の衝撃力によって構成することが出来て、それらが互いに打ち消しあうことにより、車両ボデーに伝達される衝撃力が軽減されるため、かかる衝撃力を原因として発生する異音や騒音等を有利に低減乃至は回避することが出来る。
しかも、本実施形態に従う構造とされたエンジンマウント10においては、連通溝62を互いに略均等に離隔する8方向に形成したことにより、受圧室46や平衡室48から円筒可動板67の内外周面に作用せしめられる圧力を、円筒可動板67において、その合力として一層高度にキャンセルさせることが可能となる。それ故、円筒可動板67の仕切金具42への打ち当たりに起因する衝撃力の相殺がより高度に実現されて、打ち当たりによる衝撃力ひいてはイオン等をより高度に低減乃至回避することが出来る。
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、図3,図4には、本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウントの要部が示されている。なお、以下の説明において、第一の実施形態と実質的に同一の部材乃至部位については、図1,図2と同一の符号を図中に付すことにより、詳細な説明を省略する。
すなわち、第二の実施形態に従う構造とされたエンジンマウントにおいては、可動板が下方に向かって次第に拡開する傾斜面で構成された略薄肉円筒形状のテーパ円筒可動板70とされている。このような本実施形態に従う構造とされたエンジンマウントにおいては、限られた可動板収容領域69のスペースを有効に使って、可動板の側面積を大きく取ることが可能となる。それ故、受圧室46と平衡室48との相対的な圧力変動が効率的にテーパ円筒可動板70に対して作用することとなり、容易にテーパ円筒可動板70が変形せしめられて、良好な防振性能を感度良く実現することが出来る。
また、図5,図6には、本発明の第三の実施形態としてのエンジンマウントの要部が示されている。本実施形態における可動板は、略丁字断面を有して全周に亘って延びる変形円筒可動板72とされている。即ち、変形円筒可動板72は、固定部74と可変部76によって構成されている。固定部74は、略円環板形状であって、径方向の幅が可動板収容領域69の径方向幅と略同一とされており、可動板収容領域69内において、連通溝62の上端より上方の領域に固着されている。そして、その幅方向の略中央から下方に向かって可変部76が一体的に形成されている。かかる可変部76は、略薄肉円筒形状であって、外部からの振動入力がない状態下において、可動板収容領域69の内面から離隔して位置せしめられている。本実施形態においては、固定部74と可変部76の境界部分、即ち、可変部76の上端は、可変部76の他の部分に比して僅かに薄肉とされている。
このような本実施形態に従う構造とされたエンジンマウントにおいては、可動板として剛性の異なる固定部74と可変部76とを有する変形円筒可動板72を採用することにより、固定部74が可動板収容領域69内で固定的に保持されると共に、可変部76が受圧室46と平衡室48との相対的な圧力変動によって容易に変形/変位されるようになっている。それ故、可動板全体を拡径/縮径変形せしめるよりも、容易に可動板を変形せしめることが可能となり、特に小振幅の振動が入力時における液圧吸収効果を有利に発揮することが出来て、防振性能の向上を実現できる。
さらに、図7,図8には、本発明の第四の実施形態としてのエンジンマウントの要部が示されている。本実施形態における可動板は、円筒形状の可動板を径方向一方向で略2分割した形状を有する分割可動板78,78によって構成されている。即ち、本実施形態においては、可動板収容領域69の径方向一方向において分割隔壁80,80が形成されており、可動板収容領域69が2分割されて、それぞれ分割可動板収容領域82とされている。そして、分割可動板収容領域82,82に対して平面視略半円形状の分割可動板78,78がそれぞれ配設されている。分割可動板78は、分割可動板収容領域82の内周面に沿って湾曲せしめられた湾曲板形状であって、径方向一方向において互いに対向位置するように2つの分割可動板78,78が配設されている。このような本実施形態に従う構造とされたエンジンマウントにおいては、可動板収容領域69が分割隔壁80,80によって径方向一方向で均等に2分割された形状を有する分割可動板収容領域82,82内に配設された湾曲板材によって構成された分割可動板78を採用している。それ故、可動板の弾性変形による変位に加えて、互いに対向位置せしめられて対を成す分割可動板78,78同士が、分割可動板収容領域82,82内で相互に接近/離隔方向に変位せしめられることとなって、液圧吸収効果を有利に発揮することが出来るため、良好な防振性能を一層有利に得ることが出来る。
また、図9,図10には、本発明の第五の実施形態としてのエンジンマウントの要部が示されている。本実施形態における可動板は、4つの湾曲板形状を有する分割可動板84によって構成されている。即ち、可動板収容領域69の互いに直交する径方向2方向に配設された4つの分割隔壁80,80,80,80によって、可動板収容領域69が4分割されて、それぞれ分割可動板収容領域86とされていると共に、分割可動板収容領域86の内面に沿って湾曲せしめられた分割可動板84が各分割可動板収容領域86,86,86,86内にそれぞれ配設されている。
このような本実施形態に従う構造とされたエンジンマウントにおいては、可動板として、分割可動板収容領域86,86,86,86に対して、それぞれ収容配置された分割可動板84,84,84,84を採用している。それ故、可動板の弾性変形による変位に加えて、互いに対向位置せしめられて対を成す分割可動板84同士が、分割可動板収容領域86,86内で相互に接近/離隔方向に変位せしめられることとなって、液圧吸収効果を有利に発揮することが出来るため、高い防振性能を更に有利に得ることが出来る。しかも、4分割と可動板を比較的小さく分割することにより、各分割可動板84の重量を小さくすることが可能となって、分割可動板84が比較的小さな力で容易に変位せしめられる。それ故、より感度良く作動する液圧吸収機構を備えた高性能な流体封入式防振装置を実現することが出来る。
また、前記第一乃至第五の実施形態においては、形状の異なる5種類の可動板がそれぞれ例示されているが、可動板の形状は、前記実施形態によって何等限定されない。具体的には、例えば、具体的には、例えば、平板形状とされた複数の分割可動板を略周方向に広がるように並べて配置することにより可動板を構成することも可能であるし、可動板を互いに対向位置する一対の平板形状の可動板によって構成することも出来る。
さらに、可動板の形状を異ならせるさせるだけでなく、可動板の材料であるゴムの配合や材料を変更することによって、可動板の剛性等の性質を適宜に変化させて、様々な要求性能に対応する各種可動板を実現することが可能となる。また、複数の分割可動板を採用する場合には、形状や材料,大きさ等が異なる複数種類の分割可動板を組み合わせて採用しても良い。円筒可動板を採用する場合にも、配設スペース等を考慮して、複数配設することも可能である。
さらに、可動板収容領域の形態も、前記実施形態によって何等限定されるものではない。具体的には、例えば、直線的に延びる複数の可動板収容領域を周方向に並べて配設することなども可能である。また、可動板収容領域の断面形状も必ずしも矩形である必要はない。
また、前記第一乃至第五の実施形態においては、本発明をお椀型のエンジンマウント10に採用した例を示したが、本発明は、例えば、特公平2−31255に示されているような、筒形の防振ブッシュや筒形の防振マウントなどの流体封入式筒形防振装置等にも適用することが可能である。
また、前記第四及び第五の実施形態において、2つ及び4つの分割可動板78,84によって可動板を構成した例を示したが、このような分割可動板を採用する場合には、必ずしも対を成す偶数個の分割可動板を採用する必要はなく、可動板の変位方向を示すベクトルが相殺されるようになっていれば、3つ等奇数個の分割可動板を採用することも可能である。
前記第一乃至第五の実施形態においては、仕切金具42の中央下面に平衡室48に連通された平衡室側連通孔60が形成されていると共に、仕切金具42の上面において、かかる平衡室側連通孔60よりも径方向外周側に受圧室側連通溝58が形成されており、これら平衡室側連通孔60と受圧室側連通溝58が連通溝62によって連通されることにより、受圧室46と平衡室48とがこれら平衡室側連通孔60と受圧室側連通溝58更には、連通溝62を通じて連通されている。しかし、例えば、仕切金具42の上面中央に円形貫通孔形状の受圧室側連通孔を形成すると共に、仕切金具42の下面において、かかる受圧室側連通孔よりも径方向外方に平衡室側連通溝が形成されていても良い。
また、前記第一乃至第五の実施形態においては、連通溝62として、仕切金具42の径方向において互いに45度の角度で離隔して8方向に放射状に延びる形態を例示したが、連通溝62は、前記実施形態の如き態様でなくてもよい。具体的には、例えば、180度の角度で離隔せしめられて、径方向一方向において一直線上を反対向きに延びるように形成することも出来る。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図である。 図1に示されたエンジンマウントの要部を示す要部横断面図である。 本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウントの要部を示す要部縦断面図である。 図3に示されたエンジンマウントの要部を示す要部横断面図である。 本発明の第三の実施形態としてのエンジンマウントの要部を示す要部縦断面図である。 図5に示されたエンジンマウントの要部を示す要部横断面図である。 本発明の第四の実施形態としてのエンジンマウントの要部を示す要部縦断面図である。 図7に示されたエンジンマウントの要部を示す要部横断面図である。 本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウントの要部を示す要部縦断面図である。 図9に示されたエンジンマウントの要部を示す要部横断面図である。
符号の説明
10 エンジンマウント
12 第一の取付金具
14 第二の取付金具
16 本体ゴム弾性体
30 ダイヤフラム
42 仕切金具
46 受圧室
48 平衡室
56 オリフィス通路
66 円筒可動板
69 可動板収容領域

Claims (8)

  1. 壁部の一部が本体ゴム弾性体で構成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる受圧室を形成すると共に、壁部の一部が可撓性ゴム膜によって構成されて容積変化が許容される平衡室を形成して、それら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路を設ける一方、所定量だけ変位可能に可動板を配して、該可動板の一方の面に該受圧室の圧力が作用せしめられると共に該可動板の他方の面に該平衡室の圧力が作用せしめられるようにして、該受圧室と該平衡室との相対的な圧力差による該可動板の変位によって該可動板が当接せしめられる当接部材を該可動板の変位方向の少なくとも一方に設けた流体封入式防振装置において、
    前記受圧室と前記平衡室との相対的な圧力差による前記可動板の変位方向が複数方向となるようにして、該可動板の変位方向を表すベクトルが相互にキャンセルし合う向きとなるようにしたことを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 防振連結される一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と、防振連結される他方の部材に取り付けられる第二の取付部材を本体ゴム弾性体で弾性連結せしめた構造とされていると共に、該第二の取付部材によって仕切部材が固定的に支持されており、該仕切部材を挟んだ一方の側に前記受圧室が形成されていると共に、該仕切部材を挟んだ他方の側に前記平衡室が形成されている一方、該仕切部材によって収容ハウジングが形成されて該収容ハウジング内に前記可動板が所定量だけ変位可能に収容配置されている請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記可動板がゴム材料によって形成された円筒形状とされており、該可動板の内周面と外周面の一方に前記受圧室の圧力が作用せしめられると共に、該可動板の内周面と外周面の他方に前記平衡室の圧力が作用せしめられるようになっており、該可動板の拡径及び/又は縮径方向の弾性変形によって円筒形状を有する該可動板の変位が許容されるようになっている請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記可動板が、軸方向一方の側から他方の側に向かって次第に拡開するテーパ付きの円筒形状とされている請求項3に記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記可動板が、相互に独立した複数の分割可動板によって構成されており、それら分割可動板が略一つの周上で相互に離隔位置するように配設されていると共に、各該分割可動板の内周側と外周側に、前記受圧室と前記平衡室の各一方の圧力が作用せしめられて、それらの分割可動板が内周側と外周側に変位せしめられるようになっている請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  6. 前記複数の分割可動板が、前記受圧室と前記平衡室との相対的な圧力差による該分割可動板の変位方向において互いに対向位置するようにして複数対配設されている請求項5に記載の流体封入式防振装置。
  7. 前記分割可動板が、略一つの円周上に配設されており、かかる一つの円周方向に延びるように湾曲せしめられた湾曲板形状とされている請求項6又は7に記載の流体封入式防振装置。
  8. 前記第二の取付部材を略円筒形状として、該第二の取付部材の一方の開口部側に前記第一の取付部材を離隔配置せしめて、それら第一の取付部材と第二の取付部材を連結する前記本体ゴム弾性体で該第二の取付部材の一方の開口部を流体密に覆蓋すると共に、該第二の取付部材の他方の開口部を前記可撓性膜で流体密に覆蓋せしめる一方、前記仕切部材を該第二の取付部材で固定的に支持せしめて該本体ゴム弾性体と該可撓性膜の対向面間で該第二の取付部材の軸直角方向に広がるように配設することにより、該仕切部材を挟んだ両側に前記受圧室と前記平衡室を形成すると共に、該仕切部材の内部に前記収容スペースを形成して、該収容スペースに前記可動板を収容配置せしめた請求項1乃至7の何れかに記載の流体封入式防振装置。
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