JP2007321785A - 液体封入式防振マウント - Google Patents

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Abstract

【課題】液体封入式防振マウントにおいて、減衰特性を高いレベルで維持しながら、異音の発生を抑制する。
【解決手段】防振マウント装置1は、車体及びパワープラントにそれぞれ連結される2つの取付部材と、該両取付部材を連結するゴム弾性体13と、該ゴム弾性体13との間に液室33を形成するダイヤフラム40と、該液室33を受圧室33a及び平衡室33bに区画し、内部に可動板用凹部31cが形成され、該可動板用凹部31cの上下壁部に貫通孔31d,31eがそれぞれ形成されたオリフィス盤31と、上記受圧室33a及び平衡室33bを連通するオリフィス通路34と、上記可動板用凹部31cに収容された可動板35とを備えている。オリフィス盤31の上下壁部と可動板35の上下面とがそれぞれ接触している。可動板35は、上記取付部材への振動の入力に応じて径方向に変形可能に構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体封入式防振マウントに関するものである。
従来から、支持体側及び被支持体側にそれぞれ連結される2つの取付部材と、これらの両取付部材を連結する弾性体と、この弾性体との間に液室を形成するダイヤフラムと、その液室を受圧室及び平衡室に区画し、内部に収容室が形成され、この収容室の上下壁部に貫通孔がそれぞれ形成された区画部材と、受圧室及び平衡室を連通するオリフィス通路と、収容室に収容された可動板とを備えた液体封入式防振マウントが知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、そのオリフィス通路を介して受圧室及び平衡室の間を液体(緩衝液)が流動することにより、エンジンシェイクなどの低周波・大振幅振動が吸収、減衰され、その可動板がその収容室で動くことにより、アイドル振動などの高周波・低振幅振動が吸収、減衰されるようになっている。
ところで、一般に、液体封入式防振マウントには、減衰特性の高いことが求められている。それは特に、エンジンを1個の液体封入式防振マウントを含む3個のエンジンマウントで支持する場合に顕著である。そして、減衰特性を向上させるため、弾性体の主ばねの形状を、受圧室及び平衡室のうち一方の室の液体をオリフィス通路を介して他方の室に押し出す効果、いわゆるピストン効果の高いものにしたり、オリフィス通路を十分に長くしたりしている。
特開2003−176848号公報
しかしながら、上記のような構成では、ピストン効果によって液室内の中央側(ピストン断面に相当する部分)と外周側に大きな圧力差(急激な圧力勾配)が発生したり(つまり、液室内の中央側の圧力が大きくなったり)、減衰特性のピーク付近で可動板周辺に乱流が生じたりしやすい。このため、可動板への振動の入力が大きくなり、この結果、可動板が区画部材の上下壁部に衝突し、異音が発生するおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、減衰特性を高いレベルで維持しながら、異音の発生を抑制する液体封入式防振マウントを提供することにある。
第1の発明は、支持体側及び被支持体側にそれぞれ連結される2つの取付部材と、該両取付部材を連結する弾性体と、該弾性体との間に液室を形成するダイヤフラムと、該液室を受圧室及び平衡室に区画し、内部に収容室が形成され、該収容室の上下壁部に貫通孔がそれぞれ形成された区画部材と、上記受圧室及び平衡室を連通するオリフィス通路と、上記収容室に収容された可動板とを備えた液体封入式防振マウントであって、上記区画部材の上下壁部と上記可動板の上下面とがそれぞれ接触し、上記可動板は、上記取付部材への振動の入力に応じて径方向に変形可能に構成されていることを特徴とするものである。
これにより、区画部材の上下壁部と可動板の上下面とをそれぞれ接触させているので、可動板が取付部材への振動の入力時において区画部材の上下壁部に衝突することを抑制することができる。また、可動板を取付部材への振動の入力に応じて径方向に変形可能に構成しているので、ピストン効果によって液室内の中央側と外周側に大きな圧力差が発生したり、減衰特性のピーク付近で可動板周辺に乱流が生じたりしても、その変形によって可動板へ入力された振動を吸収、減衰し、液室内の中央側と外周側の圧力差を緩和することができる。以上から、減衰特性を高いレベルで維持しながら、異音の発生を抑制することができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記可動板の中央部及び外周部の間の中間部と該外周部とには、上記区画部材の上下壁部のうち一方の壁部の貫通孔と連通する孔がそれぞれ形成されていることを特徴とするものである。
これにより、ピストン効果によって発生した、液室内の中央側の大きい圧力が、区画部材の貫通孔を介して可動板の中間部の孔へ入力される。ここで、可動板の外周部に孔を形成しているので、可動板の外周部の剛性が低くなる。そのため、その圧力が入力された可動板は径方向に変形し、この変形によって可動板へ入力された振動を吸収、減衰し、液室内の中央側と外周側の圧力差を緩和することができる。したがって、減衰特性を高いレベルで維持しながら、異音の発生を抑制することができる。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記可動板の中間部の厚みが中央部及び外周部の厚みよりも薄いことを特徴とするものである。
これにより、可動板の中間部の厚みを中央部及び外周部の厚みよりも薄くしているので、可動板の中間部の剛性が低くなる。そのため、可動板が径方向に容易に変形し、この変形によって可動板へ入力された振動を十分吸収、減衰し、液室内の中央側と外周側の圧力差を十分緩和することができる。
第4の発明は、上記第2又は第3の発明において、上記可動板の中間部及び外周部の各孔は貫通孔であることを特徴とするものである。
これにより、可動板の中間部の孔が貫通孔なので、液室内の中央側の大きい圧力を受ける面積が大きくなる。また、可動板の外周部の孔が貫通孔なので、可動板の外周部の剛性がより低くなる。以上から、その圧力が入力された可動板は径方向に十分変形し、この変形によって可動板へ入力された振動を十分吸収、減衰し、液室内の中央側と外周側の圧力差を十分緩和することができる。
第5の発明は、上記第2〜第4の発明のいずれか1つにおいて、上記可動板の外周部の孔の数が中間部の孔の数よりも多いことを特徴とするものである。
これにより、可動板の外周部の孔の数が中間部の孔の数よりも多いので、可動板の外周部の剛性が低くなる。そのため、可動板が径方向に容易に変形し、この変形によって可動板へ入力された振動を十分吸収、減衰し、液室内の中央側と外周側の圧力差を十分緩和することができる。
第6の発明は、上記第2〜第5の発明のいずれか1つにおいて、上記可動板の中間部及び外周部の各孔は、複数で構成されていて、周方向に並べて配置されていることを特徴とするものである。
これにより、可動板の中間部及び外周部の各孔を、複数で構成していて、周方向に並べて配置しているので、圧力が入力された可動板は全周に亘って径方向に変形し、この変形によって可動板へ入力された振動を効果的に吸収、減衰し、液室内の中央側と外周側の圧力差を効果的に緩和することができる。
第7の発明は、上記第2〜第6の発明のいずれか1つにおいて、上記可動板の中間部の孔は、上記区画部材の貫通孔よりも径方向外側に配置されていることを特徴とするものである。
これにより、可動板の中間部の孔を区画部材の貫通孔よりも径方向外側に配置しているので、区画部材の貫通孔を介して可動板の中間部の孔へ入力される、液室内の中央側の大きい圧力が、径方向外側に向く。そのため、その圧力が入力された可動板は径方向に十分変形し、この変形によって可動板へ入力された振動を十分吸収、減衰し、液室内の中央側と外周側の圧力差を十分緩和することができる。
本発明によれば、区画部材の上下壁部と可動板の上下面とをそれぞれ接触させているので、可動板が取付部材への振動の入力時において区画部材の上下壁部に衝突することを抑制することができ、また、可動板を取付部材への振動の入力に応じて径方向に変形可能に構成しているので、ピストン効果によって液室内の中央側と外周側に大きな圧力差が発生したり、減衰特性のピーク付近で可動板周辺に乱流が生じたりしても、その変形によって可動板へ入力された振動を吸収、減衰し、液室内の中央側と外周側の圧力差を緩和することができ、以上から、減衰特性を高いレベルで維持しながら、異音の発生を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態1に係る防振マウント装置1(液体封入式防振マウントに相当)は、例えばエンジン等からなるパワープラント(被支持体側に相当)と車体(支持体側に相当)との間に配設されるもので、上記防振マウント装置1のケース2内には、車体側に下端で連結される連結金具12(取付部材に相当)を備えたマウント本体部10が収納されている。なお、上記防振マウント装置1は、ケース2に一体形成された連結部(取付部材に相当。図示省略)によってパワープラント側に連結されている。
具体的には、図1に示すように、上記マウント本体部10は、ケース2にかしめられて連結される金属製の円筒部材11と上記連結金具12とがゴム弾性体13によって連結されたものである。上記円筒部材11は、上下方向に延びるように配置された円筒状の本体部11aと、その上側が径方向外方に折り曲げられて延びるフランジ部11bとを有している。
上記連結金具12は、その上部が上すぼまりの略円錐形状で下部が略円柱状に形成されたもので、その上部と下部との間には、図1に示すように、略全周に亘って径方向外方に膨出する膨出部12aが形成されている。
ここで、上記連結金具12に形成された膨出部12aには、該膨出部12aを覆うようにストッパゴム21が上記ゴム弾性体13と連繋して設けられている。このストッパゴム21は、上記膨出部12aの外周面側及び下面側の厚みが上面側に比べて厚くなるように形成されていて、パワープラント側に連結されたケース2が水平方向及び上方向にそれぞれ大きく変位した場合に、これらのゴムが該ケース2の内周面や底部に当接することで該ケース2の変位を規制するようになっている。
なお、図1は、マウント本体部10に荷重が作用していない状態を示しており、この状態では該マウント本体部10のストッパゴム21とケース2の底部とが近接しているが、防振マウント装置1が車体に取り付けられて、マウント本体部10にパワープラントの静荷重が加わる1G状態では、図示しないが、ゴム弾性体13が撓んでケース2が下方に変位するので、その底部と上記ストッパゴム21との間には所定の間隔が形成されることになる。
上記連結金具12の上端部は、上記円筒部材11の下方で且つ下端開口部の略中心に位置するように略同軸に配置されていて、上すぼまりの側面部にはゴム弾性体13が設けられている。一方、上記連結金具12の下部は、ケース2の底部に形成された該連結金具12の下部よりも径の大きい穴部2bを挿通していて、該連結金具12の下端面は、車体側に連結される接続部材の上面にボルトによって接合されている(図示省略)。
上記ゴム弾性体13は、その下部内周側にすり鉢状の凹部が形成されていて、この凹部の周面が上記連結金具12のテーパ状側面部に被着されている。また、上記ゴム弾性体13は連結金具12の全周から外方に向かって放射状に拡がり、且つ斜め上方向に延びるように略円錐台状に形成されていて、その上側部分は上方に向かって開口している。
そして、上記ゴム弾性体13の上側部分には、上記円筒部材11の本体部11aが埋設されている一方、該円筒部材11のフランジ部11bは、上記ゴム弾性体13の全周に亘って径方向外方に突出しており、上記マウント本体部10を下方から覆うように配設される有底円筒状のケース1の開口端部に設けられたフランジ部2aにかしめられている。
上記マウント本体部10の上部には、上記ゴム弾性体13の上側部分の開口部を覆うように金属製のオリフィス盤31(区画部材に相当)が配設されるとともに、その上方を覆うようにダイヤフラム40が配設されていて、上記ゴム弾性体13とダイヤフラム40とによって緩衝液の封入される液室33が構成されている。
上記ダイヤフラム40の外周部には、略ハット状に形成され、その中央部分に貫通孔の設けられた環状金具37の内周部が連結されている。詳しくは、この環状金具37は、上記貫通孔の形成された天板部37aと、該天板部37aの外周端から下方に湾曲して延びる筒状の側壁部37bと、該側壁部37bの下端から周方向外方に向かって延びる鍔部37cとからなる。そして、上記天板部37cの内周部がダイヤフラム40に埋設されているとともに、上記鍔部37cの外周端部が、ケース2のフランジ部2aにマウント本体部10の円筒部材11のフランジ部11bとともにかしめられている。
また、上記環状金具37によってマウント本体部10の上方に形成される空間内には、上記オリフィス盤31がその外周側で上記金具37とゴム弾性体13の開口端部との間に挟まれるように配設されていて、これにより、上記液室33は、ゴム弾性体13側の受圧室33aとダイヤフラム40側の平衡室33bとに区画されている。
上記オリフィス盤31によって区画される上記両液室33a,33bは、該オリフィス盤31の周縁に螺旋状に形成されたオリフィス通路34によって連通している。そして、それら受圧室33a及び平衡室33bの緩衝液がオリフィス通路34を介して相互に流通することによって、ゴム弾性体13から受圧室33aに作用する低周波・大振幅の振動が減衰されるようになっている。このとき、上記ダイヤフラム40は、緩衝液の流通に伴う平衡室33bの容積変化を吸収するように変形を生じる。
ここで、上記ダイヤフラム40は、図1に示すように、その上方を略ハット状のカバー部材36によって覆われていて、該ダイヤフラム40が損傷を受けたり該ダイヤフラム40に水や埃等の異物が付着したりするのを防止するとともに、該ダイヤフラム40とカバー部材36との間で且つ防振マウント装置1の軸心付近に、該ダイヤフラム40の変形を吸収するための空間部が形成されるようになっている。
図1及び図2に示すように、上記オリフィス盤31は、螺旋状のオリフィス通路34を形成する本体部31aと、該本体部31aの上面に接触するように配設された円盤状の蓋部31bとからなる。この本体部31aの上面側中央部分には開口断面円状の可動板用凹部31cが形成されている。該可動板用凹部31cが蓋部31bによって塞がれることで収容室が形成される。可動板用凹部31cの底部(区画部材の下壁部に相当)には、その中央部分に厚み方向に貫通して可動板用凹部31c及び受圧室33aを連通する開口断面円状の貫通孔31dが形成されている。上記蓋部31bの可動板用凹部31cに対応する部分(区画部材の上壁部に相当)には、厚み方向に貫通して可動板用凹部31c及び平衡室33bを連通する複数の貫通孔31eが形成されている。これらの貫通孔31eは、同心円状に2列配列されており、各列の貫通孔31eは、周方向に等間隔に並べて配置されている。内側列の貫通孔31eは、開口断面が円状のものである。外側列の貫通孔31eには、開口断面が円状のものと開口断面が長孔状のものとが含まれており、これらが交互に並べて配置されている。
図1〜図3に示すように、上記可動板用凹部31cには高周波・小振幅振動吸収用の可動板35が嵌入収容され、上記蓋部31bによって脱落防止が図られている。該可動板35は、円盤状のゴム製のものである。
可動板35は、上面が蓋部31bの下面と密接し、下面が可動板用凹部31cの底部の上面と密接し、側面が可動板用凹部31cの内周面と密接している。このため、可動板35が連結金具12又はケース2に一体形成された連結部への振動の入力時において蓋部31bや可動板用凹部31cに衝突することを抑制することができる。
可動板35は、連結金具12又はケース2に一体形成された連結部への振動の入力に応じて径方向(該可動板35への振動(圧力)の入力方向と垂直な方向)に変形可能に構成されている。以下、この構成の詳細について説明する。
可動板35の中央部35a及び外周部35cの間の中間部35bの上下面には、溝が全周に亘ってそれぞれ形成されている。このため、可動板35の中間部35bの厚みが中央部35a及び外周部35cの厚みよりも薄くなっている。これにより、可動板35の中央部35aの剛性が低くなる。
可動板35の中間部35b及び外周部35cには、厚み方向に貫通する開口断面円状の複数の貫通孔35d,35eが周方向に等間隔に並べてそれぞれ形成されている。
可動板35の中間部35bの貫通孔35dは、蓋部31bの内側列及び外側列の貫通孔31eと連通していて、少なくとも一部が軸方向視で蓋部31bの内側列の貫通孔31eの少なくとも1つと重なり合っている。また、可動板35の中間部35bの貫通孔35dは、蓋部31bの内側列の貫通孔31eよりも径方向外側に配置されている。このため、蓋部31bの内側列の貫通孔31eを介して可動板35の中間部35bの貫通孔35dへ入力される、液室33(平衡室33b)内の中央側の大きい圧力が、径方向外側に向く(図4の矢印参照)。
可動板35の外周部35cの貫通孔35eは、蓋部31bの外側列の貫通孔31eの少なくとも1つと連通していて、少なくとも一部が軸方向視で蓋部31bの外側列の貫通孔31eの少なくとも1つと重なり合っている。
可動板35の外周部35cの貫通孔35eの数が中間部35bの貫通孔35dの数よりも多くなっている。このため、可動板35の外周部35cの剛性が低くなる。本実施形態では、可動板35の外周部35cの貫通孔35eの数が16個、中間部35bの貫通孔35dの数が8個である。
可動板35の中央部35aの下面には、本体部31aの貫通孔31dに対応する部分に下側に向かって突起する円柱状の突起部35fが設けられている。この突起部35fは、該貫通孔31dに嵌め込み固定されている。
そして、図4に示すように、連結金具12又はケース2に一体形成された連結部へ振動が入力されると、ピストン効果によって発生した、液室33内の中央側(ピストン断面に相当する部分)の大きい圧力が、蓋部31bの貫通孔31eを介して可動板35の中間部35bの貫通孔35dへ入力される。ここで、可動板35の外周部35cに貫通孔35eを形成しているので、可動板35の外周部35cの剛性が低くなる。そのため、その圧力が入力された可動板35は径方向に変形し、この変形によってその入力された振動が吸収、減衰され、液室33内の中央側と外周側の圧力差(圧力勾配)が緩和される。なお、図4に示す矢印が圧力の流れる方向を表している。
−効果−
以上により、本実施形態によれば、オリフィス盤31の蓋部31b及び可動板用凹部31cの底部と可動板35の上下面とをそれぞれ接触させているので、可動板35が連結金具12又はケース2に一体形成された連結部への振動の入力時においてオリフィス盤31の蓋部31b及び可動板用凹部31cの底部に衝突することを抑制することができる。また、可動板35を連結金具12又はケース2に一体形成された連結部への振動の入力に応じて径方向に変形可能に構成しているので、ピストン効果によって液室33内の中央側と外周側に大きな圧力差が発生したり、減衰特性のピーク付近で可動板35周辺に乱流が生じたりしても、その変形によって可動板35へ入力された振動を吸収、減衰し、液室33内の中央側と外周側の圧力差を緩和することができる。以上から、減衰特性を高いレベルで維持しながら、異音の発生を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、ピストン効果によって発生した、液室33内の中央側の大きい圧力が、オリフィス盤31の貫通孔31eを介して可動板35の中間部35bの孔35dへ入力される。ここで、可動板35の外周部35cに孔35eを形成しているので、可動板35の外周部35cの剛性が低くなる。そのため、その圧力が入力された可動板35は径方向に変形し、この変形によって可動板35へ入力された振動を吸収、減衰し、液室33内の中央側と外周側の圧力差を緩和することができる。したがって、減衰特性を高いレベルで維持しながら、異音の発生を抑制することができる。
また、可動板35の中間部35bの厚みを中央部35a及び外周部35cの厚みよりも薄くしているので、可動板35の中間部35bの剛性が低くなる。そのため、可動板35が径方向に容易に変形し、この変形によって可動板35へ入力された振動を十分吸収、減衰し、液室33内の中央側と外周側の圧力差を十分緩和することができる。
また、可動板35の中間部35bの孔35dが貫通孔なので、液室33内の中央側の大きい圧力を受ける面積が大きくなる。また、可動板35の外周部35cの孔35eが貫通孔なので、可動板35の外周部35cの剛性がより低くなる。以上から、その圧力が入力された可動板35は径方向に十分変形し、この変形によって可動板35へ入力された振動を十分吸収、減衰し、液室33内の中央側と外周側の圧力差を十分緩和することができる。
また、可動板35の外周部35cの孔35eの数が中間部35bの孔35dの数よりも多いので、可動板35の外周部35cの剛性が低くなる。そのため、可動板35が径方向に容易に変形し、この変形によって可動板35へ入力された振動を十分吸収、減衰し、液室33内の中央側と外周側の圧力差を十分緩和することができる。
また、可動板35の中間部35b及び外周部35cの各孔35d,35eを、複数で構成していて、周方向に並べて配置しているので、圧力が入力された可動板35は全周に亘って径方向に変形し、この変形によって可動板35へ入力された振動を効果的に吸収、減衰し、液室33内の中央側と外周側の圧力差を効果的に緩和することができる。
また、可動板35の中間部35bの孔35dをオリフィス盤31の貫通孔31eよりも径方向外側に配置しているので、オリフィス盤31の貫通孔31eを介して可動板35の中間部35bの孔35dへ入力される、液室33内の中央側の大きい圧力が、径方向外側に向く。そのため、その圧力が入力された可動板35は径方向に十分変形し、この変形によって可動板35へ入力された振動を十分吸収、減衰し、液室33内の中央側と外周側の圧力差を十分緩和することができる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、可動板35を上述のように構成しているが、上面が蓋部31bの下面と密接し、下面が可動板用凹部31cの底部の上面と密接し、かつ、連結金具12又はケース2に一体形成された連結部への振動の入力に応じて径方向に変形可能な限り、可動板35は如何なる構成であっても良い。例えば、外周部に貫通孔を形成し、側面を可動板用凹部31cの内周面との間に間隔を開けて設けた可動板35であっても良い。
また、上記実施形態では、可動板35の中間部35b及び外周部35cの貫通孔35d,35eを蓋部31bの貫通孔31eと連通させているが、可動板用凹部31cの底部の貫通孔と連通させても良い。
また、上記実施形態では、可動板35の中間部35bの厚みを中央部35a及び外周部35cの厚みよりも薄くしているが、薄くしなくても良い。但し、可動板35へ入力された振動を十分吸収、減衰するためには、薄くするのが望ましい。
また、上記実施形態では、可動板35の中間部35b及び外周部35cに貫通孔35d,35eをそれぞれ形成しているが、これに限らず、例えば、蓋部31bの貫通孔31eと連通する凹部や溝などを形成しても良い。但し、可動板35へ入力された振動を十分吸収、減衰するためには、貫通孔35d,35eを形成するのが望ましい。
また、上記実施形態では、可動板35の外周部35cの貫通孔35eの数が16個、中間部35bの貫通孔35dの数が8個であるが、これら以外の数であっても良い。
また、上記実施形態では、可動板35の中間部35b及び外周部35cの貫通孔35d,35eを周方向に並べて配置しているが、周方向に並べて配置しなくても良い。但し、可動板35へ入力された振動を効果的に吸収、減衰するためには、周方向に並べて配置するのが望ましい。
また、上記実施形態では、可動板35の外周部35cの貫通孔35eの数を中間部35bの貫通孔35dの数よりも多くしているが、これと同じ又はこれよりも少なくしても良い。但し、可動板35へ入力された振動を十分吸収、減衰するためには、多くするのが望ましい。
また、上記実施形態では、可動板35の中間部35bの貫通孔35dを蓋部31bの内側列の貫通孔31eよりも径方向外側に配置しているが、これと同じ位置又はこれよりも径方向内側に配置しても良い。但し、可動板35へ入力された振動を十分吸収、減衰するためには、径方向外側に配置するのが望ましい。
また、上記実施形態では、可動板35の中間部35b及び外周部35cの貫通孔35d,35eの開口断面を円状にしているが、これに限らず、例えば長軸が周方向に延びる楕円状にしても良い。この場合、動ばね定数を調整することができる。
また、上記実施形態では、オリフィス盤31を金属で構成しているが、これに限らず、例えば樹脂で構成しても良い。
また、上記実施形態では、可動板35の中央部35aの下面に突起部35fを設けているが、可動板35の側面が可動板用凹部31cの内周面と密接している限り、突起部35fを設ける必要はない。
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る液体封入式防振マウントは、減衰特性を高いレベルで維持しながら、異音の発生を抑制する用途等に適用できる。
本発明の実施形態に係る防振マウント装置の断面図である。 オリフィス盤の上面図である。 可動板の上面図である。 連結金具又はケースに一体形成された連結部への振動の入力時におけるオリフィス盤の断面図である。
符号の説明
1 防振マウント装置(液体封入式防振マウント)
12 連結金具(取付部材)
13 ゴム弾性体
31 オリフィス盤(区画部材)
31a 本体部
31b 蓋部(区画部材の上壁部)
31c 可動板用凹部
31d 貫通孔
31e 貫通孔
33 液室
33a 受圧室
33b 平衡室
34 オリフィス通路
35 可動板
35a 中央部
35b 中間部
35c 外周部
35d 貫通孔
35e 貫通孔
40 ダイヤフラム

Claims (7)

  1. 支持体側及び被支持体側にそれぞれ連結される2つの取付部材と、該両取付部材を連結する弾性体と、該弾性体との間に液室を形成するダイヤフラムと、該液室を受圧室及び平衡室に区画し、内部に収容室が形成され、該収容室の上下壁部に貫通孔がそれぞれ形成された区画部材と、上記受圧室及び平衡室を連通するオリフィス通路と、上記収容室に収容された可動板とを備えた液体封入式防振マウントであって、
    上記区画部材の上下壁部と上記可動板の上下面とがそれぞれ接触し、
    上記可動板は、上記取付部材への振動の入力に応じて径方向に変形可能に構成されていることを特徴とする液体封入式防振マウント。
  2. 請求項1記載の液体封入式防振マウントにおいて、
    上記可動板の中央部及び外周部の間の中間部と該外周部とには、上記区画部材の上下壁部のうち一方の壁部の貫通孔と連通する孔がそれぞれ形成されていることを特徴とする液体封入式防振マウント。
  3. 請求項2記載の液体封入式防振マウントにおいて、
    上記可動板の中間部の厚みが中央部及び外周部の厚みよりも薄いことを特徴とする液体封入式防振マウント。
  4. 請求項2又は3記載の液体封入式防振マウントにおいて、
    上記可動板の中間部及び外周部の各孔は貫通孔であることを特徴とする液体封入式防振マウント。
  5. 請求項2〜4のいずれか1つに記載の液体封入式防振マウントにおいて、
    上記可動板の外周部の孔の数が中間部の孔の数よりも多いことを特徴とする液体封入式防振マウント。
  6. 請求項2〜5のいずれか1つに記載の液体封入式防振マウントにおいて、
    上記可動板の中間部及び外周部の各孔は、複数で構成されていて、周方向に並べて配置されていることを特徴とする液体封入式防振マウント。
  7. 請求項2〜6のいずれか1つに記載の液体封入式防振マウントにおいて、
    上記可動板の中間部の孔は、上記区画部材の貫通孔よりも径方向外側に配置されていることを特徴とする液体封入式防振マウント。
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