JP2006182628A - 耐火被覆材用骨材および該骨材を用いた耐火被覆用モルタル組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 粒径が0.6〜5.0mmの骨材であって、次の式(2)で算出した遠心脱水後の骨材吸水率が170〜250%である耐火被覆材用骨材。[式(2):遠心脱水後の骨材吸水率(%)=(遠心脱水後の骨材吸水量)/(絶乾状態の骨材質量)×100]
上記耐火被覆材用骨材と、セメントを含む粒子とを含有する耐火被覆用モルタル組成物であって、耐火被覆材用骨材の含有率が10〜40重量%であり、セメントを含む粒子の粒径が0.15mm以下であって、該粒子の含有率が50〜80重量%である耐火被覆用モルタル組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、上記問題点に鑑み成されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、耐火被覆用モルタルがポンプ圧送中にホース内で閉塞することを抑制し、壁面や天端に吹付け施工された当該モルタルがダレや剥落を生じさせないことができる、耐火被覆材用骨材および該骨材を用いた耐火被覆用モルタル組成物を提供することである。
[絶乾状態の骨材の質量を計量し(これを「絶乾状態の骨材質量」とする)、該骨材を通水性袋に入れた後、清水に浸ける。次に、清水に浸けた状態で、骨材中から空気泡が出なくなるまで充分に吸水させた後、吸水させた骨材を通水性袋に入った状態のまま水中から取り出し、そのまま、脱水機により1分間脱水させる(注)。脱水された骨材の質量を測定する(これを「遠心脱水後の骨材質量」とする)。
(注):ここで用いる脱水機とは、電動モーターの軸上に配置した金属製メッシュで底板のある円筒状の籠が付いた構造の脱水機であり(籠の寸法:直径110mm,高さ127mm)、この籠の中に脱水させる骨材を入れ、電動モーターの回転数を1100rpmとして、1分間脱水させる。]
式(1):遠心脱水後の骨材吸水量=
(遠心脱水後の骨材質量)−(絶乾状態の骨材質量)
式(2):遠心脱水後の骨材吸水率(%)=
(遠心脱水後の骨材吸水量)/(絶乾状態の骨材質量)×100
そして、本発明に係る耐火被覆用モルタル組成物は、「前記耐火被覆材用骨材の含有率が10〜40重量%であり、前記セメントを含む粒子の粒径が0.15mm以下であって、該粒子の含有率が50〜80重量%である」ことを本発明に係る耐火被覆用モルタル組成物の好ましい実施形態とするものである(請求項4)。
絶乾状態の骨材を適量計量し、その質量を「絶乾状態の骨材」とする。計量した骨材を不織布や樹脂製のメッシュなどの通水性袋に入れ、骨材が該袋から漏れでないようにし、その後、該袋に骨材を入れた状態で清水に浸ける。清水に浸けた状態で、骨材中から空気泡が出なくなるまで充分に吸水させる。吸水させた骨材を通水性袋に入った状態のまま水中から取り出し、そのまま、脱水機により1分間脱水させる。脱水された骨材の質量を測定し、これを「遠心脱水後の骨材質量」とする。
ここで用いる脱水機とは、電動モーターの軸上に配置した金属製メッシュで底板のある円筒状の籠が付いた構造であり、この籠の中に脱水させる骨材を入れ、電動モーターの回転力により生じる遠心力により、骨材の表面に付着した水分を脱水させる。脱水に用いる遠心力は、電動モーターの回転数と金属製メッシュの籠の寸法により決まり、ここでは、電動モーターの回転数を1100rpm,金属製メッシュの籠の寸法を直径110mm,高さ127mmとする。
(遠心脱水後の骨材質量)−(絶乾状態の骨材質量)
式(2):遠心脱水後の骨材吸水率(%)=
(遠心脱水後の骨材吸水量)/(絶乾状態の骨材質量)×100
本発明に係る耐火被覆材用骨材は、上記手順で求めた遠心脱水後の骨材吸水率が170〜250%であることを特徴とする。該吸水率が170%未満では、耐火被覆材中の水分を吸水する量が少なくなり、吹き付けた時の耐火被覆材の粘度が小さくなるため、ダレや剥落が生じ、好ましくない。一方、該吸水率が250%を超えると、耐火被覆材中の水分を吸水する量が過剰となり、ポンプ圧送時のモルタルの流動性が低下するため、ホース内で閉塞を生じるので好ましくない。好ましくは、180〜220%である。
また、上記従来法で得られた骨材のうち、遠心脱水後の骨材吸水率を測定し、所定内の吸水率の骨材のみを選別して、“前記遠心脱水後の骨材吸水率170〜250%を有する骨材”を得ることもできる。
本発明に係る耐火被覆用モルタル組成物は、前記本発明に係る耐火被覆材用骨材(以下単に“耐火被覆材用骨材”という)とセメントを含む粒子とを、少なくとも含有してなることを特徴とする。
その好ましい実施形態としては、上記耐火被覆材用骨材として、粒径0.6〜5.0mmのものを使用することが好ましい。また、その含有率は10〜40重量%が好ましく、より好ましくは15〜35重量%である。一方、上記セメントを含む粒子としては、その粒径が0.15mm以下であって、その含有率が50〜80重量%であることが好ましく、より好ましくは55〜75重量%である。
耐火被覆材用骨材の含有率が10重量%未満では、充分な断熱性(耐火性)を得ることができず、該含有率が40重量%を超えると、ポンプ圧送性や必要な強度が得られ難くなるので、好ましくない。
セメントを含む粒子の含有率が50重量%未満では、モルタル混練物を圧送する際に、水を充分に保持することができず、材料分離が大きくなるので、ホース内でモルタル混練物の閉塞が起こり易い。該含有率が80重量%を超えると、微粒分が多くなり過ぎて、モルタル混練物の流動性が低下し、充分なポンプ圧送性を得ることができないので、好ましくない。
また、本発明において、セメントを含む粒径0.15mm以下の粒子として、上記セメント以外に、例えば、石灰石粉末,高炉スラグ粉末,石英粉末,フライアッシュ,シリカフューム,細砂,ガラス微粒等の粒子を含むことができる。
減水剤としては、液状と粉末状のいずれの形態を有するものであっても、使用することができる。なお、粉末状の減水剤は、本明細書中の「固体分」の中には含めないものとする。
実施例1〜5および比較例1,2で使用した材料は、次のとおりである。
・普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製、密度:3.2g/cm3)
・炭酸カルシウム(日東粉化工業社製、ブレーン比表面積:4,000cm2/g、密度:2.7g/cm3)
・バーミキュライト1(遠心脱水後の吸水率:170%、嵩密度:0.116 g/cm3)
・バーミキュライト2(遠心脱水後の吸水率:190%、嵩密度:0.113 g/cm3)
・バーミキュライト3(遠心脱水後の吸水率:210%、嵩密度:0.097 g/cm3)
・バーミキュライト4(遠心脱水後の吸水率:230%、嵩密度:0.090 g/cm3)
・バーミキュライト5(遠心脱水後の吸水率:250%、嵩密度:0.083 g/cm3)
・バーミキュライト6(遠心脱水後の吸水率:130%、嵩密度:0.130 g/cm3)
・バーミキュライト7(遠心脱水後の吸水率:270%、嵩密度:0.072 g/cm3)
・マイカ(商品名:マスコバイトマイカC−20、カナダマイカ社製、嵩密度:0.20
〜0.30g/cm3、粒径:0.6〜5mm)
・AE減水剤(エヌエムビー社製、商品名:ポゾリスNo.70)
すなわち、鉱物の種類として、パラボラ産のバーミキュライト原石を使用した。このバーミキュライト原石を粉砕し、粒径1.5〜2.5mmに分級した後、表1に示す条件で焼成した。焼成炉としては、斜炉を用い、加熱時間は5秒で行った。
その後、スネークポンプ(新明和DM−10)を用いて、吹付けノズルまで混練物(耐火被覆用モルタル)を圧送し、圧縮空気により吹付けノズルの先端から吹き付けた。吹き付ける対象としては、垂直方向に設置した木製板(50×50×3cm)とした。その際の「吹付け性(ダレ・剥落の有無)」を目視にて評価し、表3に示した。また、「ポンプ圧送性」の評価結果を「〇:良好」「×:劣る(閉塞あり)」として、同じく表3に示した。
Claims (4)
- 耐火被覆材に用いる骨材であって、下記測定手順で求めた結果を下記式(1)および式(2)に適用して算出した遠心脱水後の骨材吸水率が170〜250%である、ことを特徴とする耐火被覆材用骨材。
[絶乾状態の骨材の質量を計量し(これを「絶乾状態の骨材質量」とする)、該骨材を通水性袋に入れた後、清水に浸ける。次に、清水に浸けた状態で、骨材中から空気泡が出なくなるまで充分に吸水させた後、吸水させた骨材を通水性袋に入った状態のまま水中から取り出し、そのまま、脱水機により1分間脱水させる(注)。脱水された骨材の質量を測定する(これを「遠心脱水後の骨材質量」とする)。
(注):ここで用いる脱水機とは、電動モーターの軸上に配置した金属製メッシュで底板のある円筒状の籠が付いた構造の脱水機であり(籠の寸法:直径110mm,高さ127mm)、この籠の中に脱水させる骨材を入れ、電動モーターの回転数を1100rpmとして、1分間脱水させる。]
式(1):遠心脱水後の骨材吸水量=
(遠心脱水後の骨材質量)−(絶乾状態の骨材質量)
式(2):遠心脱水後の骨材吸水率(%)=
(遠心脱水後の骨材吸水量)/(絶乾状態の骨材質量)×100 - 前記耐火被覆材用骨材の粒径が0.6〜5.0mmである、請求項1に記載の耐火被覆材用骨材。
- 耐火被覆用モルタル組成物であって、請求項1または請求項2に記載の耐火被覆材用骨材およびセメントを含む粒子を含有してなることを特徴とする耐火被覆用モルタル組成物。
- 前記耐火被覆材用骨材の含有率が10〜40重量%であり、前記セメントを含む粒子の粒径が0.15mm以下であって、該粒子の含有率が50〜80重量%である、請求項3に記載の耐火被覆用モルタル組成物。
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