JP2006181776A - 成形用繊維強化難燃樹脂混合物および成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】
機械特性、難燃性、射出成形時の流動性に優れた成形用繊維強化難燃樹脂混合物および射出成形品を提供することを目的とする。
【解決手段】
次の構成要素(A)〜(C)を含む成形用繊維強化難燃樹脂混合物。
(A)ペレットと実質的に同一長さの強化繊維を含む長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット
(B)重量平均繊維長が0.1〜0.5mmの強化繊維を含む短繊維強化熱可塑性樹脂ペレット
(C)難燃剤

Description

本発明は、種々の機械特性、難燃性および射出成形性に優れた成形用繊維強化難燃樹脂混合物と該混合物を射出成形して得られる成形品に関する。
熱可塑性樹脂は、その成形品が優れた機械的性質を有することから、産業界で広く射出成形品に利用されている。また、その機械的特性をさらに向上させるために、ガラス繊維、炭素繊維などを使用した材料が提案されており、特に
炭素繊維強化熱可塑性樹脂は導電性付与による電磁波シールド性も期待できることから、電気・電子機器の筐体用途として好ましく使用されている。中でもペレットと実質的に同一長さの繊維を少なくとも含む長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットは、その繊維長から種々の機械特性、電磁波シールド性にさらに優れた特性を示し、より好ましく使用されている(例えば特許文献1)。一方、電気・電子機器筐体用途には高度な難燃性が要求され、難燃性を有した繊維強化熱可塑性材料に関しても提案がなされている(例えば特許文献2)。しかし、長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットは特性面で優れる半面、射出成形時の流動性の悪さが課題であり、機械特性、難燃性、射出成形時の流動性を兼ね備えた成形材料が望まれていた。
特開平10−138379号公報 特開昭63−243158号公報
そこで、本発明では、優れた機械特性、難燃性、射出成形時の流動性に優れた成形用繊維強化難燃樹脂混合物および射出成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明の成形用繊維強化難燃樹脂混合物および射出成形品に到達した。すなわち、
(1)次の構成要素(A)〜(C)を含む成形用繊維強化難燃樹脂混合物。
(A)ペレットと実質的に同一長さの強化繊維を含む長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット
(B)重量平均繊維長が0.1〜0.5mmの強化繊維を含む短繊維強化熱可塑性樹脂ペレット
(C)難燃剤
(2)構成要素(A)が、直径1〜5mm、長さ3〜15mmの円柱形状、構成要素(B)が、直径1〜5mm、長さ2〜7mmの円柱形状である(1)に記載の成形用繊維強化難燃樹脂混合物。
(3)構成要素(B)の配合量が構成要素(A)100重量部に対して5〜60重量部である(1)または(2)のいずれかに記載の成形用繊維強化難燃樹脂混合物。
(4)構成要素(B)の配合量が構成要素(A)100重量部に対して10〜40重量部である(1)〜(3)のいずれかに記載の成形用繊維強化難燃樹脂混合物。
(5)構成要素(D)として熱可塑性樹脂ペレットを含む(1)〜(4)のいずれかに記載の成形用繊維強化難燃樹脂混合物
(6)構成要素(A)の強化繊維含有率が、5〜45重量%、構成要素(B)の強化繊維含有率が、5〜60重量%である(1)〜(5)のいずれかに記載の成形用繊維強化難燃樹脂混合物。
(7)構成要素(A)および/または(B)の強化繊維が炭素繊維である(1)〜(6)のいずれかに記載の成形用繊維強化難燃樹脂混合物。
(8)構成要素(B)が回収材である(1)〜(7)のいずれかに記載の成形用繊維強化難燃樹脂混合物。
(9)構成要素(A)、(B)に含まれる熱可塑性樹脂のSP値(溶解度パラメーター)の差が0〜3である(1)〜(8)のいずれかに記載の成形用繊維強化難燃樹脂混合物。
(10)構成要素(A)、(B)に含まれる熱可塑性樹脂がそれぞれ独立して、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂およびABS樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む熱可塑性樹脂である(1)〜(9)のいずれかに記載の成形用繊維強化難燃樹脂混合物。
(11)難燃剤が赤燐、燐酸エステルのいずれかを含む(1)〜(10)のいずれかに記載の成形用繊維強化難燃樹脂混合物。
(12)(1)〜(11)のいずれかの混合物を射出成形して得られる繊維強化難燃樹脂成形品。
(13)1〜5mmの強化繊維数が全強化繊維中2.5〜15%、0.01〜0.2mmの強化繊維数が全強化繊維中2.5〜10%含有されている繊維強化難燃樹脂成形品。
本発明により、機械特性、難燃性、射出成形時の流動性に優れた成形用繊維強化難燃樹脂混合物および射出成形品を提供することが可能となる。
本発明の繊維強化難燃樹脂混合物は、長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットに特定の短繊維強化熱可塑性樹脂ペレットと難燃剤を配合することにより、優れた機械特性、難燃性、薄肉成形性(射出成形時の流動性)を有することを特徴とするものである。
本発明に使用する長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットはペレットと実質的に同一長さの強化繊維と熱可塑性樹脂を含む。長繊維を含有することで射出成形品にしたときの機械特性、難燃性を向上させることができる。
ペレットの形態は特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂が強化繊維の周囲を被覆するように配置されてなるペレットであることが好ましい。このようなペレットを得る手段としては、強化繊維の束を押出機の先端に取り付けた電線被覆用のコーティグダイの中に通し、熱可塑性樹脂を押出被覆させ電線状のガットを得る方法が一般的である。このガットをストランドカッターで所定の長さにカットすることで、強化繊維長がペレットの長さと実質的に同一の長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットが得られる。
その形状は、特に限定されるものではないが、直径1〜5mm、ペレット長3〜15mmの円柱形状であることが好ましい。直径がこれより小さすぎると製造が困難であり、大きすぎると射出成形時に成形機へのカミコミが難しく供給が困難なる場合がある。ペレット長は強化繊維長でもあるため、短かすぎると本発明の特性が十分に得られない場合があり、長すぎるとやはり成形機への供給性が難しくなることが考えられる。
長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット中の強化繊維含有率は、5〜45重量%であることが好ましく、より好ましくは10〜30重量%である。含有率が少なすぎると強化繊維による機械特性等の向上効果が小さく、多すぎるとペレットの製造が困難であることに加え、射出成形材料として流動性が悪い点が問題となる場合がある。
本発明に使用する短繊維強化熱可塑性樹脂ペレットは、熱可塑性樹脂と強化繊維を押出機にて溶融混合し、溶融ガットを冷却後にカッティングするような一般的な方法で得られる。その重量平均繊維長は0.1〜0.5mmであることが必要である。長すぎると本発明における成形性の効果が十分に得られず、短すぎると機械特性や難燃性などの特性面で効果が不十分となるためである。
使用される押出機は特に限定されるものではなく、単軸スクリュータイプ、2軸スクリュータイプいずれでも良く、スクリュー形状も汎用のフルフライトやダブルフライトタイプ、さらにダルメージ、マドック等の高分散サブフライトを備えたものを使用しても良い。

短繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの形状は特に限定されるものではないが、直径1〜5mm、長さ2〜7mmの円柱形状のものが好ましい。小さすぎると、長繊維強化熱可塑性樹脂との混合が不均一になる場合があり、大きすぎるとそれに加えて射出成形機へのカミコミが悪く供給性に問題が生じる。
また、短繊維強化熱可塑性樹脂ペレットとしては、回収材を使用することも好ましい。回収材とは射出成形時に不要な部分として得られるスプルーランナーや製品となった後に不要となったものをいい、これを使用することは、排棄物が削減できることや資源の再利用促進を図れることから、環境面やコスト面において好ましいものである。これらの回収材は粉砕後、押出機にて再ペレット化して用いることができる。特に長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを射出成形して得られた成形品やスプルーランナーの再利用は、元の強化繊維長が長いことから本発明に使用するのにより好ましいものである。
短繊維強化熱可塑性樹脂中の強化繊維含有率は、5〜60重量%であることが好ましく、より好ましくは10〜40重量%である。含有率が少なすぎると炭素繊維混入による機械特性向上の効果が小さく、含有率が多すぎると製造が困難になるとともに得られた混合物の成形性が悪くなることがある。
短繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの配合量は長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット100重量部に対して5〜60重量部であることが好ましい。さらに好ましくは長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット100重量部に対して10〜40重量部である。配合量が少なすぎると本発明の成形性向上効果が得られないことがあり、多すぎると機械特性や難燃性が不十分になる場合がある。
また本発明の成形用繊維強化難燃樹脂混合物には、構成要素(D)として、熱可塑性樹脂ペレットを含むことも可能であり、使用目的や構成要素(A)、(B)の組成に応じて、全混合物中の強化繊維含有率を調整することができる。
本発明で使用する強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、あるいは金属繊維等があり、適宜所望の目的に応じて用いることができる。
中でも、射出成形品の機械特性を考慮した場合、ガラス繊維あるいは炭素繊維が好ましく、さらに耐衝撃特性や導電性付与による電磁波シールド性も期待できるので炭素繊維はより好ましく使用される。
また、炭素繊維を用いる場合、該炭素繊維の密度は、1.65〜1.95のものが好ましく、さらには1.70〜1.85のものがより好ましい。また炭素繊維の太さ(直径)は、一本当たり5〜8μmのものが好ましく、さらには6.5〜7.5μmのものが最も好ましい。
本発明における構成要素(A)、(B)、(D)に使用する熱可塑性樹脂としては特に限定されず、それぞれ独立して、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニールアルコール樹脂、EVA樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、フッ素系樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、非晶ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアニルエーテエルニトリル樹脂、ポリベンゾイミダール樹脂などを使用することができる。
中でも、射出成形品の各種機械特性を考慮した場合、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂などが好ましく、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂であれば、より好ましい。
これら熱可塑性樹脂は、単独で使用しても良く、あるいは混合物でも、また共重合体であっても良い。混合物の場合には、相溶化剤が併用されていても良い。
長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットと短繊維強化熱可塑性樹脂に使用する熱可塑性樹脂は同一樹脂であることが好ましく、具体的には溶解度パラメータδ(SP値)の差として0〜3であることが好ましい。より好ましくは0〜1である。
溶解度パラメータδ(SP値)は、フェダーズ(Fedors)の方法により決定される25℃におけるポリマーの繰り返し単位から算出される値を指す。該方法は文献1、2に記載されている。即ち、求める化合物の構造式において、原子および原子団の蒸発エネルギーとモル体積のデータより次式により決定される。
溶解度パラメータδ(SP値)=(ΣΔei/ΣΔvi)1/2
ただし、式中、ΔeiおよびΔviは、それぞれ原子または原子団の蒸発エネルギーおよびモル体積を表す。求める化合物の構造式はIR、NMR、マススペクトルなどの通常の構造分析手法を用いて決定する。
(文献1)R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.,14(2),147(1974)
(文献2)向井淳二及び金城徳幸著「技術者のための実学高分子」
本発明における難燃剤としては、水和金属化合物、金属酸化物等の無機系難燃剤、臭素系に代表されるハロゲン系難燃剤、赤燐、燐酸エステル等の燐系難燃剤、その他シリコン系難燃剤等を使用する。これらの難燃剤は単独で使用しても良いし2種以上組み合わせて使用しても良い。ハロゲン系難燃剤はダイオキシン発生の問題があるため、避けることが好ましく非ハロゲン系難燃剤、中でも赤燐、燐酸エステルが好ましく使用される。
難燃剤の配合方法としては、そのままの状態で使用しても良いし、熱可塑性樹脂との溶融混合物としてマスターペレット化して使用しても良い。また、長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット、短繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの熱可塑性樹脂部分に予め配合して使用することも可能である。
また、本発明の成形用繊維強化難燃樹脂混合物に、射出成形時に良好な成形特性ならびに良好な製品外観を得ることなどを目的として、種々の添加剤(フィラー)を加えることも好ましいものである。
このような添加剤としては、炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、クレー、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、アルミナ、水酸化マグネシウムのような無定形フィラー、タルク、マイカ、ガラスフレークなどの板状フィラー、ワラステナイト、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグネシウム、セピオライト、ゾノトライト、ホウ酸アルミニウムなどの針状フィラー、ビーズ、バルーンなどの球状フィラー、金属粉、金属フレーク、カーボンブラックなどの導電性フィラーなどが適宜好ましく用いられる。
これらフィラーは、単体もしくは複数の組み合わせで使用しても良いし、その表面に炭素被覆またはシランカップリング処理などを施したものを単体もしくは複数の組合せて使用してもよい。
これらのフィラーの配合方法としては、そのままの状態で使用しても良いし、熱可塑性樹脂との混合物としてマスターペレット化して使用しても良い。また、長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット、短繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの熱可塑性樹脂部分に予め配合して使用することも可能である。
本発明の成形用繊維強化難燃樹脂混合物は、主に射出成形によって必要な形状の成形品とすることができる。使用される射出成形機は、特に限定されるものではなく、インライン式、プリプラ式いずれでも良く、スクリュータイプにおいても汎用スクリューであっても特殊なミキシングピースを備えたものであってもよい。さらには、射出圧縮機構や種々の付帯機構を備えたものであっても良い。
射出成形品中の強化繊維長の分布は、1〜5mmの強化繊維数が全強化繊維中2.5〜15%、0.01〜0.2mmの強化繊維数が全強化繊維中2.5〜10%含有されているのが好ましい。1〜5mmの強化繊維数が全強化繊維中5〜15%、0.01〜0.2mmの強化繊維数が全強化繊維中5〜10%含有されていればさらに好ましい。1〜5mmの強化繊維数が少なすぎる場合、0.01〜0.2mmの強化繊維数が多すぎる場合は、十分な機械物性、難燃性を得ることができないことがあり、1〜5mmの強化繊維数が多すぎる場合、0.01〜0.2mmの強化繊維数が少なすぎる場合は、十分な成形性が得られないことがある。
本発明の射出成形品の用途としては、強度、剛性、耐衝撃性に加えて薄肉成形性が求められる電子・電気機器用部品、特に携帯用の電子・電気機器のハウジング、ケーシングなどに好ましく用いることができる。
より具体的には、ノート型パソコン、携帯用電話機、PHS(ピー・エイチ・エス)、PDA(ピー・ディー・エー)、ビデオカメラ、デジタルカメラなどのハウジング、ケーシングなどに特に好適に用いられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例、比較例で得られた成形用繊維強化難燃樹脂混合物の評価項目および評価方法を以下に示す。
評価用試験片の作成は、射出成形機として名機製作所製50M(50t)、金型としてはそれぞれ以下規格に準じたキャビティー形状を有したものを使用し、シリンダ温度280℃、金型温度80℃で行った。
(引張強度)ASTM D638規格に準じた引張試験にて評価した。用いた試験片の肉厚は3.2mm(1/8インチ)とした。
(衝撃強度)ASTM D256規格に準じたモールドノッチ有りIZOD衝撃強度にて評価した。用いた試験片の肉厚は3.2mm(1/8インチ)とした。
(難燃性)UL−94規格に準拠した難燃性試験にて評価した。用いた試験片の板厚は0.75mm(1/32インチ)とした。難燃性の判断基準としては、高い難燃レベルであるV−0判定が得られるかどうかを評価した。

射出成形時の流動性(薄肉成形性)は、成形機として日本製鋼所J350EII−SP、金型として200mm×200mm×1.0mmの角板金型(ファンゲート)を使用し、シリンダ温度280℃、金型温度50℃にて、射出成形時の射出圧力で評価した。充填することが第一条件であるが、射出圧力が低いほど流動性に優れ、成形条件幅が広がるとともに薄肉成形品に対応できる。
(実施例1〜3)
構成要素(A)
熱可塑性樹脂として東レ製ポリアミド樹脂「アミラン」(登録商標)CM1001を260℃のφ50mm単軸押出機にて、その先端に取り付けたクロスヘッドダイ中に十分溶融された状態で押し出し、同時に強化繊維として東レ製炭素繊維「トレカ」(登録商標)T700S(フィラメント数12000本)を前期クロスヘッドダイ中に連続的に供給することによって、強化繊維を熱可塑性樹脂で被覆したストラウンドを得た。強化繊維比率は熱可塑性樹脂の押出量を調整することで、25重量%とした。ストラウンドは冷却後、カッターにて長さ7mmに切断し、長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット(A−1)を得た。
構成要素(B)
熱可塑性樹脂として東レ製ポリアミド樹脂「アミラン」(登録商標)CM1001と平均繊維長6mmの東レ製炭素繊維を強化繊維比率25重量%になるように秤量し、ドライブレンドした。ブレンド物をφ30mmの2軸押出機でシリンダ温度280℃の条件で溶融混練し、重量平均繊維長0.30mmの強化繊維を含む短繊維強化熱可塑性樹脂ペレット(B−1)を得た。
また、炭素繊維含有量25重量%の長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを射出成形した際に発生したスプルーランナーを回収し、粉砕機後、φ30mm単軸押出機を使用し、シリンダ温度280℃で再ペレット化し、重量平均繊維長0.35mmの強化繊維を含む短繊維強化熱可塑性樹脂ペレット(B−2)を得た。
構成要素(C)
燐化学工業製赤燐「ノーバエクセル」(登録商標)140、協和化学製水酸化マグネシウム「キスマ」(登録商標)5E、東レ製ポリアミド樹脂「アミラン」(登録商標)CM1001をドライブレンド後、φ30mmの2軸押出機にて溶融混練し、赤燐配合量30重量%,水酸化マグネシウム配合量6重量%の難燃剤(C−1)を得た。
それぞれの構成要素(A)〜(C)を表1の配合量でドライブレンドし、各種評価を実施した。評価結果を表1に合わせて示した。
(比較例1〜3)
強化繊維含有量を20重量%にした以外はA−1同様の方法でペレット長7mmの長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット(A−2)を、また同様に強化繊維含有量を20重量%にした以外はB−1同様の方法で重量平均繊維長0.3mmの強化繊維を含む短繊維強化熱可塑性樹脂ペレット(B−3)を得た。それぞれの構成要素A〜Cを表1の配合量でブレンドすることにより、長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットのみを難燃剤と混合した場合、短繊維強化熱可塑性樹脂ペレットのみを難燃剤と混合した場合、難燃剤を使用しなかった場合の各種混合品を得た。評価結果を表1に合わせて示した。
表1の通り、本発明によれば、引張強度、衝撃特性に代表される機械特性、0.75mmV−0という高い難燃性、および射出成形性に優れた繊維強化難燃樹脂成形品を得ることができた。一方、短繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを含まない比較例1の混合物は射出成形性が悪く、長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを含まない比較例2の混合物は機械特性、難燃性が劣り、難燃剤を含まない比較例3の混合物は明らかに難燃性が得られなかった。
Figure 2006181776
本発明の成形用繊維強化難燃樹脂混合物を用いれば、強度、耐衝撃性、および難燃性を兼ね備えた薄肉成形品が得られ、パソコン、OA機器、AV機器、家電製品などの電気・電子機器の部品や筐体に広く利用することができるが、その応用範囲は、これらに限られるものではない。

Claims (13)

  1. 次の構成要素(A)〜(C)を含む成形用繊維強化難燃樹脂混合物。
    (A)ペレットと実質的に同一長さの強化繊維を含む長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット
    (B)重量平均繊維長が0.1〜0.5mmの強化繊維を含む短繊維強化熱可塑性樹脂ペレット
    (C)難燃剤
  2. 構成要素(A)が、直径1〜5mm、長さ3〜15mmの円柱形状、構成要素(B)が、直径1〜5mm、長さ2〜7mmの円柱形状である請求項1に記載の成形用繊維強化難燃樹脂混合物。
  3. 構成要素(B)の配合量が構成要素(A)100重量部に対して5〜60重量部である請求項1または2のいずれかに記載の成形用繊維強化難燃樹脂混合物。
  4. 構成要素(B)の配合量が構成要素(A)100重量部に対して10〜40重量部である請求項1〜3のいずれかに記載の成形用繊維強化難燃樹脂混合物。
  5. 構成要素(D)として熱可塑性樹脂ペレットを含む請求項1〜4のいずれかに記載の成形用繊維強化難燃樹脂混合物
  6. 構成要素(A)の強化繊維含有率が、5〜45重量%構成要素、(B)の強化繊維含有率が、5〜60重量%である請求項1〜5のいずれかに記載の成形用繊維強化難燃樹脂混合物。
  7. 構成要素(A)および/または(B)の強化繊維が炭素繊維である請求項1〜6のいずれかに記載の成形用繊維強化難燃樹脂混合物。
  8. 構成要素(B)が回収材である請求項1〜7のいずれかに記載の成形用繊維強化難燃樹脂混合物。
  9. 構成要素(A)、(B)に含まれる熱可塑性樹脂のSP値(溶解度パラメーター)の差が0〜3である請求項1〜8のいずれかに記載の成形用繊維強化難燃樹脂混合物。
  10. 構成要素(A)、(B)に含まれる熱可塑性樹脂がそれぞれ独立して、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂およびABS樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む熱可塑性樹脂である請求項1〜9のいずれかに記載の成形用繊維強化難燃樹脂混合物。
  11. 難燃剤が赤燐、燐酸エステルのいずれかを含む請求項1〜10のいずれかに記載の成形用繊維強化難燃樹脂混合物。
  12. 請求項1〜11のいずれかの混合物を射出成形して得られる繊維強化難燃樹脂成形品。
  13. 1〜5mmの強化繊維数が全強化繊維中2.5〜15%、0.01〜0.2mmの強化繊維数が全強化繊維中2.5〜10%含有されている繊維強化難燃樹脂成形品。
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