JP2009167270A - 乾式混合物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械的強度と難燃性とを高いレベルで両立できる成形品を形成できる組成物及びその製造方法、並びに前記成形品の製造方法及びその成形品を提供する。
【解決手段】本発明の組成物は、少なくとも(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットと、(B)難燃剤ペレットと、(C)滑剤とを乾式混合した組成物であって、前記(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットが、(A1)熱可塑性樹脂及び(A2)長繊維で構成された柱状ペレットであり、前記(C)滑剤の含有量が、前記組成物全体に対し、0.005〜0.15重量%である。
【選択図】なし

Description

本発明は、長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットと、難燃剤ペレットと、滑剤とを含む組成物に関し、難燃剤を添加しても、前記組成物中の長繊維濃度の低下を大きく抑制でき、機械的強度及び難燃性を高いレベルで両立可能な成形品を形成できる組成物及びその製造方法、並びに前記成形品の製造方法及びその成形品に関する。
熱可塑性樹脂に繊維を添加することにより、機械的強度が付与された樹脂組成物(繊維強化熱可塑性樹脂組成物)が得られることが知られている。繊維強化熱可塑性樹脂組成物は、優れた機械的強度を有するため、高強度が必要とされる種々の製品の材料(又は成形材料)に利用されている。なお、繊維強化熱可塑性樹脂組成物は、その優れた機械的強度を活かし、従来、自動車部品、機械部品、スポーツ用品などの用途に多く利用されていたが、近年、電子・電気製品などの難燃性が必要とされる用途への利用が検討され始めている。
例えば、特許第3399234号公報(特許文献1)には、基材樹脂であるポリオレフィン結晶性樹脂90〜20重量%と長繊維強化材10〜80重量%とから形成されると共に前記長繊維強化材が実質的に平行に整列された平均長3〜50mmの長繊維強化ポリオレフィン結晶性樹脂柱状物に、前記柱状物の重量に対して0.0015〜0.15重量%のステアリン酸カルシウム類が外部添加された組成物が開示されている。この文献には、前記組成物は、前記長繊維強化ポリオレフィン結晶性樹脂柱状物にステアリン酸カルシウムを外部添加(後添加)した混合物をタンブラーミキサーに装入して均一に振混ぜ混合して前記組成物を作製したことも記載されている。また、この文献には、前記組成物は、高強度製品(例えば、自動車用のバンパー、サイドモールなどの自動車部品、家庭電器部品など)に利用できることも記載されている。
また、特開平5−9380号公報(特許文献2)には、(A)ポリアミド樹脂に(B)長さ3mm以上の繊維状強化材5〜80重量%(組成物中)及び(C)炭素数22〜32の脂肪酸の金属塩0.01〜3重量%(組成物中)を配合してなる長繊維強化ポリアミド樹脂組成物が開示されている。この文献には、前記長繊維強化ポリアミド樹脂組成物は、長さ3〜50mmのペレット状であることも記載されている。また、この文献には、射出成形により、前記長繊維強化ポリアミド樹脂組成物が、種々の成形品を形成できることが記載されている。しかし、特許文献1及び2の組成物は、長繊維強化材が使用され、優れた機械的強度を有しているものの、難燃性に劣るため、難燃性が必要とされる用途(又は成形品)には、不向きである。
また、特開2006−181776号公報(特許文献3)には、(A)ペレットと実質的に同一長さの強化繊維を含む長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット、(B)重量平均繊維長が0.1〜0.5mmの強化繊維を含む短繊維強化熱可塑性樹脂ペレット及び(C)難燃剤を含む成形用繊維強化難燃樹脂混合物が開示されている。また、この文献には、前記成形用繊維強化難燃樹脂混合物に、射出成形時に良好な成形特性ならびに良好な製品外観を得ることなどを目的として、添加剤(フィラー)を加えることが好ましいとも記載されている。
前記成形用繊維強化難燃樹脂混合物は、繊維強化熱可塑性樹脂ペレット(A)(B)及び難燃剤(C)を用いて、機械的強度を向上させ、かつ難燃性を付与しているが、両者が分離し易く、両者の混和性(又は分散性)に劣るため、優れた機械的強度及び難燃性を有する成形品を得るのが難しい。また、前記成形用繊維強化難燃樹脂混合物は、繊維を含有する異形状のペレットであるため、射出成形機(又はそのスクリュー)に対する食い込み性に劣り、前記成形用繊維強化難燃樹脂混合物では、機械的強度及び難燃性を安定して高いレベルで両立できる成形品を形成できない。
さらに、特開2006−193551号公報(特許文献4)には、(A)ポリアミド樹脂50〜100重量部、及び(B)−20℃以下のガラス転移温度を有する弾性重合体0〜50重量部の合計100重量部に対して、(E)平均繊維長が3.0mm以上の長繊維状強化材を30〜250重量部含有する長繊維強化樹脂組成物ペレット(a)と、(A)ポリアミド樹脂50〜100重量部、及び(B)−20℃以下のガラス転移温度を有する弾性重合体0〜50重量部の合計100重量部に対して、(C)臭素系難燃剤10〜100重量部、(D)アンチモン化合物及び硼酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種を5〜50重量部含有する難燃樹脂組成物ペレット(b)とを、ペレット(a)/ペレット(b)の比が1〜12(重量比)の範囲となるよう混合したポリアミド樹脂組成物のブレンド物が開示されている。この文献には、前記ブレンド物には、周知の添加剤をペレット(a)又は(b)に配合し混練してもよいことが記載されている。
特許文献4のブレンド物も、長繊維強化樹脂組成物ペレット(a)と難燃樹脂組成物ペレット(b)とを用いて、機械的強度を向上させ、かつ難燃性を付与している。しかし、前記難燃樹脂組成物ペレット(b)に含まれる(C)臭素系難燃剤の割合が少ない。そのため、前記ブレンド物に十分な難燃性を付与するには、前記難燃樹脂組成物ペレット(b)を多量に添加する必要があるが、前記難燃樹脂組成物ペレット(b)の添加量の増加に伴って、長繊維状強化材の含有割合(又は濃度)が減少する。さらに、前記ブレンド物では、長繊維強化樹脂組成物ペレット(a)と難燃樹脂組成物ペレット(b)とが分離しやすく、両者の混和性(又は分散性)に劣るとともに、前記長繊維強化樹脂組成物ペレット(a)は、繊維を含有する異形状のペレットであるため、射出成形機(又はそのスクリュー)と良好に噛み合わず、前記ブレンド物でも、機械的強度及び難燃性を安定して高いレベルで両立できる成形品を形成できない。
特許第3399234号公報(請求項1、段落[0027][0037]) 特開平5−9380号公報(請求項1、請求項3) 特開2006−181776号公報(請求項1、段落[0028]) 特開2006−193551号公報(請求項1、段落[0046])
従って、本発明の目的は、機械的強度と難燃性とを高いレベルで両立できる成形品を形成できる組成物及びその製造方法、並びに前記成形品の製造方法及びその成形品を提供することにある。
本発明の他の目的は、繊維を含有する異形状のペレットであっても、ペレット間の空隙が低減され、高い嵩密度の組成物及びその製造方法、並びに前記成形品の製造方法及びその成形品を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ペレットの混合性及び均質性に優れるとともに、長期に亘って均質性を維持できる組成物及びその製造方法、並びに前記成形品の製造方法及びその成形品を提供することにある。
本発明の別の目的は、繊維を含有する異形状のペレットであっても、射出成形機などの溶融成形機(又はそのスクリュー)に対する食い込み性に優れる組成物及びその製造方法、並びに前記成形品の製造方法及びその成形品を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、輸送コスト、保管スペースなどを有効に削減するため、組成物の嵩密度を増大させる方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、特定の長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット及び難燃剤ペレットを用い、さらに、滑剤を特定の割合で乾式混合すると、前記長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットが異形状(例えば、柱状)のペレットであっても、難燃剤ペレットとの混合性に優れ、機械的強度及び難燃性を高いレベルで両立できる成形品を形成できる組成物(均一ブレンド物)が得られることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の組成物は、少なくとも(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットと、(B)難燃剤ペレットと、(C)滑剤とを乾式混合した組成物(又は乾式混合物)であって、前記(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットが、(A1)熱可塑性樹脂及び(A2)長繊維で構成された柱状ペレットであり、前記(C)滑剤の含有量が、前記組成物全体に対し、0.005〜0.15重量%である。
前記(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットは、前記(A2)長繊維がペレットと略同じ長さで長さ方向に略平行して含有されているペレットであってもよい。また、前記組成物は、さらに、(D)熱可塑性樹脂ペレットを含んでいてもよく、前記(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットと前記(D)熱可塑性樹脂ペレットとの割合は、前者/後者(重量比)=99/1〜40/60程度であってもよい。前記(B)難燃剤ペレットは、(B1)難燃剤と、(B2)熱可塑性樹脂とで構成されるマスターバッチで構成され、(B1)難燃剤の含有量が、(B)難燃剤ペレット全体に対し、70〜99重量%程度であってもよい。
また、前記(B1)難燃剤の含有量は、前記組成物全体に対し、1〜40重量%程度であり、前記(A2)長繊維の含有量は、前記組成物全体に対し、30〜70重量%程度であってもよい。前記(C)滑剤は、飽和C12−30脂肪酸、飽和C12−30脂肪酸金属塩、飽和C12−30脂肪酸エステル及び飽和C12−30脂肪酸アミドから選択された少なくとも一種であってもよい。
前記組成物において、(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットは、平均径0.5〜5mm程度、平均長3〜20mm程度であってもよい。また、前記(C)滑剤は、平均粒径5〜500μmの粒状体物であってもよい。
本発明には、(A1)熱可塑性樹脂がポリアミド系樹脂であり、(C)滑剤が飽和C16−22脂肪酸のアルカリ土類金属塩であり、組成物全体に対し、前記(C)滑剤の含有量が、0.01〜0.1重量%であり、(B1)難燃剤の含有量が、5〜30重量%であり、かつ(A2)長繊維の含有量が、35〜65重量%である組成物も含まれる。
また、本発明は、少なくとも(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットと、(B)難燃剤ペレットと、(C)滑剤とを乾式混合して前記組成物を製造する方法も包含する。前記製造方法において、さらに、(D)熱可塑性樹脂ペレットを乾式混合してもよい。なお、本発明には、少なくとも柱状の長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット(A)と(B)難燃剤ペレットとを含む混合物に(C)滑剤を含有させて、前記混合物の嵩密度を増大させる方法も含まれる。
さらに、本発明は、前記組成物を溶融成形して成形品を製造する方法も包含する。前記方法において、溶融成形は射出成形であってもよい。さらにまた、本発明は、前記の方法で得られる成形品も包含する。
本発明の組成物は、特定の(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット、特定の(B)難燃剤ペレット及び特定の(C)滑剤で構成され、かつ前記滑剤を特定の割合で含有させるため、機械的強度と難燃性とを高いレベルで両立できる成形品を形成できる。前記組成物では、前記(C)滑剤を特定の割合で含有させているためか、前記長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットが異形状(例えば、柱状)であるにも拘わらず、ペレット間の空隙が低減され、嵩密度が増大する。そのため、輸送コスト、保管スペースなどを削減することができる。また、前記長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット及び難燃剤ペレットの混合性が向上され、両者が均一に混合されるため、前記組成物は、均質であり、長期に亘って均質性を維持できる。そのため、前記組成物を成形して得られる成形品は、優れた機械的強度及び難燃性を安定して発揮できる。なお、前記組成物は、繊維を含む異形状(例えば、柱状)のペレットを含有しているにも拘わらず、射出成形機などの溶融成形機(又はそのスクリュー)に対する食い込み性に優れ、高い混練効果を示す。また、容易に可塑化されるため、成形に適しており、成形に供しても、機械的強度に優れ、かつ成形品全体に亘って難燃性が均一である。そのため、種々の成形品(例えば、難燃性を必要とする成形品など)に有用である。
[組成物]
本発明の組成物(乾式混合物)は、少なくとも(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットと、(B)難燃剤ペレットと、(C)滑剤とで構成されている。
((A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット)
(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットは、(A1)熱可塑性樹脂と(A2)長繊維とで構成されている。
((A1)熱可塑性樹脂)
(A1)熱可塑性樹脂は、慣用の熱可塑性樹脂が利用でき、例えば、オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、メチルペンテン系樹脂などのα−C2−20鎖状オレフィン系樹脂;環状オレフィン系樹脂など)、ポリスチレン系樹脂[例えば、ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)、スチレン−メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(MBS樹脂)など]、塩化ビニル系樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体など)、酢酸ビニル系樹脂[例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)など]、ポリビニルアルコール系樹脂[例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH樹脂)など]、アクリル系樹脂[例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)など]などのラジカル重合系樹脂;ポリエステル系樹脂[例えば、ポリアルキレンアリレート(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)など)など]、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑型ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)系樹脂などの縮重合系樹脂;(変性)ポリフェニレンエーテル(PPE)系樹脂、ポリアセタール系樹脂;熱可塑性エラストマー(例えば、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマーなど)などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。前記熱可塑性樹脂のうち、成形性などの点から、オレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)系樹脂などが好ましく、得られる成形品の耐熱性、耐薬品性、機械的特性などの点から、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂などがさらに好ましい。本発明では、特に、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂が好適に使用される。
具体的に、ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンの単独重合体であってもよく、プロピレンと他の共重合性単量体との共重合体であってもよい。他の共重合性単量体としては、例えば、オレフィン系単量体(例えば、エチレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−C2−20鎖状オレフィン、環状オレフィンなど)、ビニルエステル系単量体(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど)、(メタ)アクリル系単量体[例えば、(メタ)アクリル酸、アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル系モノマーなど]、ジエン系単量体(例えば、ブタジエンなど)、不飽和多価カルボン酸又はその酸無水物(例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸又はその酸無水物など)、イミド系単量体[例えば、マレイミド、N−アルキルマレイミド(例えば、N−C1-4アルキルマレイミドなど)などのN−置換マレイミド]などが挙げられる。これらの共重合性単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
より詳細には、ポリプロピレン系樹脂としては、単独重合体であるポリプロピレンの他、共重合体として、例えば、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体などのプロピレン含有量が80重量%以上のプロピレン−α2−20鎖状オレフィン共重合体(ランダム共重合体、ブロック共重合体など)などが挙げられる。これらのポリプロピレン系樹脂のうち、ポリプロピレン、プロピレン−α2−6鎖状オレフィン共重合体が好ましく、さらに好ましいポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体である。これらのポリプロピレン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
ポリスチレン系樹脂としては、例えば、芳香族ビニル単量体を主構成単位として形成される単独又は共重合体が挙げられる。ポリスチレン系樹脂を形成するための芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、アルキル置換スチレン(例えば、ビニルトルエン、ビニルキシレン、p−エチルスチレン、ブチルスチレンなど)、ハロゲン置換スチレン(例えば、ブロモスチレンなど)、α−アルキル置換スチレン(例えば、α−メチルスチレンなど)などが例示できる。これらの芳香族ビニル単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの単量体のうち、通常、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなど、特にスチレンが使用される。
なお、軟質成分を付与し、剛性、耐衝撃性などを改善するため、前記芳香族ビニル単量体は、共重合可能な単量体と組み合わせて使用してもよい。共重合可能な単量体としては、例えば、(A1)熱可塑性樹脂の項で例示の共重合性単量体などが挙げられる。これらの共重合性単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。全単量体中の共重合性単量体の使用量は、通常、1〜50モル%、好ましくは3〜40モル%、さらに好ましくは5〜30モル%程度の範囲から選択できる。
ポリスチレン系樹脂には、ゴム含有スチレン系樹脂も含まれる。ゴム含有スチレン系樹脂は、機械的特性及び緩衝性を改善するために使用され、共重合(グラフト重合など)などにより、前記スチレン系樹脂で構成されたマトリックス中にゴム状重合体が粒子状に分散した重合体であってもよく、通常、ゴム状重合体の存在下、少なくとも芳香族ビニル単量体を、慣用の方法(塊状重合、塊状懸濁重合、溶液重合、乳化重合など)で重合することにより得られるグラフト共重合体(ゴムグラフトポリスチレン系重合体)である。
ゴム状重合体としては、例えば、ジエン系ゴム[ポリブタジエン(低シス型又は高シス型ポリブタジエン)、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソブチレン−ブタジエン系共重合ゴムなど]、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリルゴム(ポリアクリル酸C2−8アルキルエステルを主成分とする共重合エラストマーなど)、エチレン−α−オレフィン系共重合体[エチレン−プロピレンゴム(EPR)など]、エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体[エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)など]、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、水添ジエン系ゴム(水素化スチレン−ブタジエン共重合体、水素化ブタジエン系重合体など)などが挙げられる。なお、前記共重合体はランダム又はブロック共重合体であってもよく、ブロック共重合体には、AB型、ABA型、テーパー型、ラジアルテレブロック型の構造を有する共重合体等が含まれる。これらのゴム状重合体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましいゴム状重合体は、共役1,3−ジエン又はその誘導体の重合体、特にジエン系ゴム[ポリブタジエン(ブタジエンゴム)、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体など]である。
ゴム含有スチレン系樹脂において、ゴム状重合体の含有量は2〜50重量%程度の範囲から選択でき、例えば、3〜15重量%、好ましくは4〜15重量%、さらに好ましくは5〜15重量%程度であってもよい。
ポリスチレン系樹脂としては、具体的には、ポリスチレン(GPPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、アクリロニトリル−スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体(SMA樹脂)などの非ゴム含有スチレン系樹脂(ゴム成分を含有しないスチレン系樹脂や非ゴム強化スチレン系樹脂など)や、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)、α−メチルスチレン変性ABS樹脂、イミド変性ABS樹脂、スチレン−メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(MBS樹脂)、ゴム成分X(アクリルゴム、塩素化ポリエチレン、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)にアクリロニトリルAとスチレンSとがグラフト重合したAXS樹脂などのゴム変性スチレン系樹脂が挙げられる。これらのポリスチレン系樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのポリスチレン系樹脂のうち、耐衝撃性や相溶性などの点から、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)などのゴム含有スチレン系樹脂(ゴム成分に少なくとも芳香族ビニル単量体がグラフトした共重合体)が好ましい。
ポリカーボネート系樹脂は、通常、ジヒドロキシ化合物と、ホスゲン又はジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとの反応により得られる樹脂である。ジヒドロキシ化合物は、脂環族化合物などであってもよいが、好ましくは芳香族化合物(特にビスフェノール化合物)である。ビスフェノール化合物としては、例えば、ビス(ヒドロキシアリール)C1−6アルカン;ビス(ヒドロキシアリール)C4−10シクロアルカン;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド;4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトンなどが挙げられる。好ましいポリカーボネート系樹脂には、ビスフェノールA型ポリカーボネートが含まれる。
また、ポリアミド系樹脂としては、ジアミンとジカルボン酸とを重合成分とする重縮合により得られるポリアミド;アミノカルボン酸、必要に応じてジアミン及び/又はジカルボン酸を併用した重縮合により得られるポリアミド;ラクタムの開環重合により得られるポリアミドなどが挙げられる。また、ポリアミドは、コポリアミドであってもよい。
前記ジアミンには、例えば、脂肪族ジアミン(例えば、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミンなどのC3−10アルキレンジアミンなど);脂環族ジアミン(例えば、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタンなど);芳香族ジアミン(例えば、フェニレンジアミン、メタキシリレンジアミンなど)などが含まれる。これらのジアミンは、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
前記ジカルボン酸には、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えば、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、オクタデカン二酸などの炭素数4〜20程度のアルカンジカルボン酸など);脂環族ジカルボン酸(例えば、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸など);芳香族ジカルボン酸(例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸)またはこれらの酸無水物(例えば、無水フタル酸など)などが含まれる。これらのジカルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
前記アミノカルボン酸には、アミノヘプタン酸、アミノノナン酸、アミノウンデカン酸、アミノドデカン酸などの炭素数4〜20程度のアミノカルボン酸などが含まれる。これらのアミノカルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
前記ラクタムには、例えば、ブチロラクタム、ピバロラクタム、カプロラクタム、カプリルラクタム、エナントラクタム、ウンデカノラクタム、ドデカノラクタムなどの炭素数4〜20程度のラクタムなどが含まれる。これらのラクタムは、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
代表的なポリアミド系樹脂には、ポリアミド46、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12などの脂肪族ポリアミド;テレフタル酸及び/又はイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとから得られるポリアミド、アジピン酸とメタキシリレンジアミンとから得られるポリアミド(MXD−6)、テレフタル酸とアジピン酸とヘキサメチレンジアミンとから得られるポリアミドなどの芳香族ポリアミド;これらのポリアミドのうち少なくとも二種の異なったポリアミド成分により形成されるコポリアミド(例えば、ポリアミド6/11,ポリアミド6/12など)などが含まれる。これらのポリアミドは単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。これらのポリアミド系樹脂のうち、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12などが好適に使用される。
((A2)長繊維)
(A2)長繊維(又は強化繊維)は、慣用の繊維で構成され、かつ特定の長さ(又は繊維長)を有する繊維であってもよい。前記(A2)長繊維の平均繊維長は、前記(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットにおいて、機械的強度を十分に発揮させる点から、3mm以上(例えば、3〜20mm程度)、好ましくは5mm以上(例えば、5〜18mm程度)、さらに好ましくは7mm以上(例えば、7〜15mm程度)であってもよい。また、前記(A2)長繊維の平均径は、例えば、3〜50μm、好ましくは5〜40μm、さらに好ましくは7〜30μm程度であってもよい。
前記(A2)長繊維を構成する繊維は、用途などに応じて適宜選択でき、例えば、セルロース繊維、タンパク繊維などの天然繊維であってもよいが、天然繊維は、通常、短繊維であるため、前記(A2)長繊維は、化学繊維(又は人造繊維)であるのが好ましい。前記化学繊維には、例えば、無機繊維(例えば、ガラス繊維;PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、カーボンナノファイバーなどの炭素繊維;金・銀糸、スチール繊維、アルミニウム繊維、鉛繊維、ステンレス繊維などの金属繊維;アルミナ繊維;シリコンカーバイド繊維;ボロン繊維;チラノ繊維;セラミック繊維;岩石繊維;バサルト繊維など);有機繊維[例えば、再生セルロース繊維(例えば、レーヨンなど)、再生タンパク繊維などの再生繊維;酢酸セルロース繊維などの半合成繊維;合成繊維(例えば、ナイロン、アラミドなどのポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、フッ素繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、複素環含有繊維(例えば、ポリイミド繊維など)など)など]が含まれる。これらの(A2)長繊維は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。これらの(A2)長繊維のうち、(A1)熱可塑性樹脂の種々の特性(例えば、機械的特性など)を効率よく向上できる観点から、前記(A2)長繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維などの無機繊維、酢酸セルロース繊維などの半合成繊維;アラミドなどのポリアミド繊維(全芳香族ポリアミド系樹脂)、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維などの有機繊維が好ましく、特に、高強度、低コストの点から、特に、ガラス繊維、炭素繊維などが好ましい。なお、前記(A2)長繊維として、金属繊維、炭素繊維などの導電性繊維を用いると、組成物に導電性をも付与できる。
(A1)熱可塑性樹脂と(A2)長繊維との割合は、前者/後者(重量比)=20/80〜70/30、好ましくは25/75〜65/35、さらに好ましくは30/70〜60/40程度であってもよい。また、前記(A2)長繊維は、種類にもよるが、(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット全体に対し、30〜80重量%、好ましくは32〜78重量%、さらに好ましくは35〜75重量%、特に、37〜72重量%(例えば、40〜70重量%)程度の割合で含まれていてもよい。前記(A2)長繊維の含有割合が大きすぎると、後述する(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの調製が難しく、一方、前記(A2)長繊維の含有割合が小さすぎると、十分な機械的強度が得られない。
このような(A1)熱可塑性樹脂と(A2)長繊維とで構成される(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットは、異形状、例えば、柱状(円柱状、角柱状など)、棒状、板状、帯状(又はテープ状)などの長形状;楕円球状、扁平状、不定形状などの種々の形状のペレットであってもよい。なかでも、前記(A2)長繊維を有効に利用できることから、(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットは、例えば、柱状(円柱状、角柱状など)、帯状(又はテープ状)などであるのが好ましい。特に、(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットは、柱状(円柱状、角柱状など)であってもよい。
前記柱状の長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット(A)において、(A2)長繊維は、(A1)熱可塑性樹脂で被覆され、かつペレットの長さ方向に略平行に含有されていてもよい。なお、前記(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット中に含まれる(A2)長繊維は、少数(例えば、1〜50本程度)であってもよいが、通常、50本以上(例えば、100〜50000本)、好ましくは500〜30000本、さらに好ましくは1000〜25000本程度であってもよい。複数本の(A2)長繊維が配列されている場合、各繊維は、前記(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットにおいて、間隔をおいて平行に配列されていてもよい。
このような(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットには、例えば、後述の通り、ロービング(繊維束)を引き取りつつ開繊して得られる複数本のフィラメント糸に、溶融状態の(A1)熱可塑性樹脂を連続的に含浸して得られるストランド状ペレットを、適宜カットして得られるペレットなどが含まれる。このような(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットでは、通常、(A2)長繊維は、ペレットと略同じ長さで(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットに含有されている場合が多い。
前記(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの平均長(ペレット長)は、組成物においてペレット同士の分離(又は剥離)を抑制する観点から、例えば、3〜20mm、好ましくは5〜18mm、さらに好ましくは7〜15mm程度であってもよい。また、前記(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの平均径は、例えば、0.5〜5mm、好ましくは0.6〜4.5mm、さらに好ましくは0.8〜4mm程度であってもよい。なお、(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットが、非円柱状の柱状(例えば、角柱状など)である場合には、底面の辺の平均長を前記平均径とする。
このような(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットは、慣用の方法を利用(又は応用)して製造でき、例えば、特開2006−167982号公報、特開平6−107944号公報などを参照して製造できる。例えば、(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットは、(A2)長繊維の原料を溶融、紡糸して得られるフィラメント糸に、溶融状態の(A1)熱可塑性樹脂を含浸してペレット化し、所望のペレット長にカットして製造してもよいが、複数本の(A2)長繊維を含有する(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを製造する場合などでは、前記フィラメント糸を、撚りをかけることなく集束させて合糸したロービング(繊維束)を用いて製造するのが好ましい。すなわち、前記ロービングを引き取りつつ開繊して得られる複数本のフィラメント糸に、溶融状態の(A1)熱可塑性樹脂を連続的に含浸してストランド状にペレット化し、所望のペレット長にカットして製造すると、製造工程数を低減でき、有効である。なお、このような(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットは、例えば、ダイセル化学工業(株)から商品名「プラストロン」として入手できる。
((B)難燃剤ペレット)
(B)難燃剤ペレットは、(B1)難燃剤単独で構成されるペレットであってもよいが、前記(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットとの混和性、成形性などの点から、通常、(B1)難燃剤と、(B2)熱可塑性樹脂とで構成されるマスターバッチで構成されている場合が多い。
((B1)難燃剤)
(B1)難燃剤は、慣用の難燃剤が使用でき、例えば、ハロゲン系難燃剤;リン系難燃剤;有機系難燃剤{例えば、ハロゲン非含有有機酸金属塩系難燃剤[ジフェニルスルホン−ジスルホン酸金属塩、ジフェニルスルホンスルホン酸金属塩などの有機カルボン酸又は有機スルホン酸のアルカリ金属(Na、Kなど)塩、アルカリ土類金属塩など]など};無機系難燃剤[例えば、シリコーン系難燃剤、ホスファゼン系難燃剤、金属酸化物、金属水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなど)、トリアジン系難燃剤などの窒素含有難燃剤など]などが挙げられる。これらの難燃剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの難燃剤のうち、難燃性が高い点から、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤が好適に使用される。
ハロゲン系難燃剤としては、例えば、ハロゲン含有スチレン系樹脂[ハロゲン化ポリスチレン(臭素化ポリスチレン、塩素化ポリスチレンなどのスチレン系樹脂をハロゲン化処理したハロゲン化物、ハロゲン化スチレン系単量体の単独又は共重合体など)など]、ハロゲン含有ポリカーボネート系樹脂(臭素化ポリカーボネート、塩素化ポリカーボネートなどハロゲン化ポリカーボネートなど)、ハロゲン含有アクリル系樹脂などのハロゲン含有(又はハロゲン化)熱可塑性樹脂;ハロゲン含有エポキシ化合物[臭素含有エポキシ樹脂(臭素化エポキシ樹脂など)、塩素化エポキシ樹脂などのハロゲン含有エポキシ樹脂(ハロゲン化エポキシ樹脂など);臭素含有フェノキシ樹脂(臭素化フェノキシ樹脂など)などのハロゲン含有フェノキシ樹脂(ハロゲン化フェノキシ樹脂など)など]、ハロゲン含有トリアジン化合物(例えば、トリス(トリブロモフェノキシ)トリアジンなどの臭素含有トリアジン化合物など)、ハロゲン含有イソシアヌル酸化合物[例えば、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートなどの臭素含有イソシアヌル酸化合物など]、ハロゲン化芳香族イミド化合物[例えば、エチレンビス臭素化フタルイミドなどの臭素化芳香族イミド化合物(例えば、ビスイミド化合物など)など]、ハロゲン化脂環族炭化水素(架橋環式飽和又は不飽和ハロゲン化脂環族炭化水素、例えば、ドデカクロロペンタシクロオクタデカ−7,15−ジエンなどのハロゲン化ポリシクロアルカジエンなど)などが挙げられる。ハロゲン系難燃剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
リン系難燃剤としては、無機リン系難燃剤(赤リン系難燃剤、例えば、赤リンなど)などであってもよく、汎用性の点から、有機リン系難燃剤であってもよい。有機リン系難燃剤としては、例えば、リン酸エステル類;ジアミン及び/又はトリアジン誘導体と(ポリ又はピロ)リン酸とで構成されるリン酸アミン塩類が挙げられる。これらの有機リン系難燃剤は単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。
代表的なリン酸エステル類としては、芳香族リン酸エステル類{例えば、(a)トリ(アリール)ホスフェート及びトリ(アルキル置換アリール)ホスフェート[例えば、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリス(トリル)ホスフェートなど]、(b)アリーレンビス(アリール)ホスフェート及びアリーレンビス(アルキル置換アリール)ホスフェート[例えば、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ハイドロキノンビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)など]、(c)ビスフェノールビス(アリール)ホスフェート及びビスフェノールビス(アルキル置換アリール)ホスフェート[例えば、4,4’−ビフェノールビス(ジフェニルホスフェート)、4,4’−ビフェノールビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)のビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)のビス(ジキシレニルホスフェート)など]などが挙げられる。前記リン酸エステル類は、ハロゲン含有リン酸エステル類を含んでいてもよい。前記ハロゲン含有リン酸エステル類には、前記リン酸エステル類のハロゲン化物が含まれ、例えば、トリス(4−ブロモフェニル)ホスフェート、トリス(2,4−ジブロモフェニル)ホスフェートなどが例示できる。また、ジアミン及び/又はトリアジン誘導体と(ポリ又はピロ)リン酸とで構成されるリン酸アミン塩類としては、通常用いられるジアミン及び/又はトリアジン誘導体と(ポリ又はピロ)リン酸とを適宜組み合わせて構成することができる。例えば、前記リン酸アミン塩類には、ジアミンがピペラジン類(例えば、ピペラジン、1,4−ビス(2−アミノエチル)ピペラジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンなど)などの複素環式アミン類であり、トリアジン誘導体がメラミン類(例えば、メラミン、縮合メラミン、メラム、メレムなど)であるリン酸アミン塩類(例えば、リン酸メラミン、リン酸メラミンピペラジンなど)も含まれる。リン系難燃剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの(B1)難燃剤のうち、難燃性の点から、ハロゲン系難燃剤が好ましく、特に、後述する(B2)熱可塑性樹脂とマスターバッチを形成し易いという観点から、ハロゲン含有(又はハロゲン化)熱可塑性樹脂が好ましい。
また、(B1)難燃剤は、必要に応じて慣用の難燃助剤と組み合わせて用いてもよい。例えば、ハロゲン系難燃剤と組み合わせるのに好適な難燃助剤は、アンチモン含有化合物である。アンチモン含有化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどの酸化アンチモン;アンチモン酸ナトリウムなどのアンチモン酸金属塩などが挙げられる。これらのアンチモン含有化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。好ましい難燃助剤は、酸化アンチモン(特に三酸化アンチモン)である。難燃助剤の割合は、(B1)難燃剤1重量部に対し、例えば、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部、さらに好ましくは0.07〜1重量部(特に、0.1〜0.5重量部)程度であってもよい。
((B2)熱可塑性樹脂)
(B)難燃剤ペレットを構成する(B2)熱可塑性樹脂も、慣用の熱可塑性樹脂、例えば、(A1)熱可塑性樹脂の項で例示の熱可塑性樹脂であってもよく、前記(B1)難燃剤の種類に応じて適宜選択できる。具体的には、(B2)熱可塑性樹脂としては、(B1)難燃剤と親和性の高い熱可塑性樹脂を選択するのが好ましく、例えば、前記(B1)難燃剤がハロゲン含有(又はハロゲン化)熱可塑性樹脂である場合、(B2)熱可塑性樹脂は、前記ハロゲン含有熱可塑性樹脂と同系統の熱可塑性樹脂(例えば、前記ハロゲン含有熱可塑性樹脂を脱ハロゲン化した熱可塑性樹脂など)であることが好ましい。
より詳細には、一例として、前記(B1)難燃剤が、ハロゲン含有スチレン系樹脂(例えば、臭素化ポリスチレンなど)である場合、(B2)熱可塑性樹脂は、例えば、ハロゲン含有スチレン系樹脂と同系統の熱可塑性樹脂(例えば、ポリスチレン系樹脂など)であることが好ましく、特に、ポリスチレン系樹脂が好適に使用される。(B2)熱可塑性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。
ポリスチレン系樹脂としては、(A1)熱可塑性樹脂の項で例示のポリスチレン系樹脂(又はゴム含有スチレン系樹脂)などが例示できる。これらのポリスチレン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。前記ポリスチレン系樹脂のうち、スチレン又はアルキル置換スチレンの単独重合体(例えば、ポリスチレンなど)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)などのゴム含有スチレン系樹脂が好ましく、特にポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)が好適に使用される。
なお、前記ポリスチレン系樹脂は、耐衝撃性、流動性などを改善するため、軟質樹脂などの軟質成分(例えば、オレフィン系樹脂又はオレフィン系ワックスなど)を含んでいてもよい。
オレフィン系樹脂(又はオレフィン系ワックス)としては、オレフィン系単量体の単独又は共重合体などが挙げられる。オレフィン系単量体は、鎖状オレフィン単量体であってもよく、環状オレフィン単量体であってもよいが、通常、鎖状オレフィン単量体(例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−C2−20鎖状オレフィン、特に、α−C2−4鎖状オレフィン)を用いる。これらのオレフィン系単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
より具体的に、オレフィン系単量体の単独又は共重合体としては、例えば、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンなどのポリエチレン)、ポリプロピレンなどのα−C2−20鎖状オレフィン(特に、α−C2−4鎖状オレフィン)単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体などのα−C2−20鎖状オレフィン(特に、α−C2−4鎖状オレフィン)共重合体が例示できる。
なお、前記オレフィン系樹脂(又はオレフィン系ワックス)もまた、他の共重合性単量体との共重合体であってもよい。共重合性単量体としては、例えば、(A1)熱可塑性樹脂の項で例示の共重合性単量体などが挙げられる。これらの共重合性単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。全単量体中の共重合性単量体の使用量は、通常、1〜50モル%、好ましくは3〜40モル%、さらに好ましくは5〜30モル%程度の範囲から選択できる。
前記オレフィン系樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのオレフィン系樹脂のうち、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンなどのポリエチレン)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのα−C2−4鎖状オレフィン単独又は共重合体(又はそのワックス)などが好ましい。
なお、前記の通り、(B2)熱可塑性樹脂は、(B1)難燃剤の種類に応じて適宜選択でき、(B1)難燃剤と(B2)熱可塑性樹脂との組合せは、ハロゲン含有スチレン系樹脂とスチレン系樹脂との組合せに限られず、他の組合せであってもよい。なお、(B2)熱可塑性樹脂と(A1)熱可塑性樹脂とは、混和性の点から同一であってもよく、種々の特性を付与する観点から異なっていてもよい。
(B1)難燃剤と(B2)熱可塑性樹脂との割合(含有割合)は、前者/後者(重量比)=99.9/0.1〜60/40、好ましくは99.7/0.3〜65/35、さらに好ましくは99.5/0.5〜70/30程度であってもよい。また、前記(B1)難燃剤は、種類にもよるが、(B)難燃剤ペレット全体に対し、65〜99.5重量%、好ましくは70〜99重量%、さらに好ましくは75〜97重量%、特に78〜96重量%(例えば、80〜95重量%)程度の割合で含まれていてもよい。前記(B1)難燃剤の割合(又は濃度)が、前記の通り、高濃度であるため、(B)難燃剤ペレットの添加量が少量であっても、有効に難燃性を付与できる。
このような(B1)難燃剤と(B2)熱可塑性樹脂とで構成される(B)難燃剤ペレットの形状もまた、特に制限されず、球状(又は真球状)、異形状(柱状(円柱状、角柱状など)、棒状、板状、帯状、楕円球状、扁平状、不定形状など)などであってもよい。なお、(B)難燃剤ペレットの形状は、前記(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの形状と同じ形状(すなわち、柱状(円柱状、角柱状など)、帯状など)であってもよく、異なる形状(例えば、球状、楕円球状など)であってもよい。前記(B)難燃剤ペレットが、柱状(円柱状、角柱状など)である場合、前記(B)難燃剤ペレットの平均長(ペレット長)は、例えば、0.5〜20mm、好ましくは1〜18mm、さらに好ましくは1.5〜15mm程度であってもよい。また、前記(B)難燃剤ペレットの平均径は、例えば、0.5〜10mm、好ましくは1〜8mm、さらに好ましくは2〜5mm程度であってもよい。なお、(B)難燃剤ペレットが、非円柱状の柱状(例えば、角柱状など)である場合には、底面の辺の平均長を前記平均径とする。
このような(B)難燃剤ペレットは、慣用の方法を利用(又は応用)して製造できる。例えば、(B)難燃剤ペレットは、(B1)難燃剤と(B2)熱可塑性樹脂とを、慣用の溶融混練機(例えば、ロール、ニーダー、一軸押出機、二軸押出機など)を用いて溶融混練し、種々の形状(例えば、板状、ストランド状など)に押出し、所望の形状に裁断して調製してもよい。なお、(B)難燃剤ペレットは、(B1)難燃剤と(B2)熱可塑性樹脂とを予め、慣用の混合機(例えば、タンブラー、ミキサーなど)を用いて混合した後、前記の通り、溶融混練に供して調製してもよい。
((C)滑剤)
(C)滑剤には、慣用の滑剤、例えば、脂質類、ワックス類、シリコーン樹脂類などが含まれる。
脂質類としては、例えば、高級脂肪酸(例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸などの飽和C8−35脂肪酸(好ましくは飽和C12−30脂肪酸、さらに好ましくは飽和C16−22脂肪酸)、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エルカ酸などの不飽和C10−35脂肪酸など)又はこれらの誘導体[例えば、高級脂肪酸塩(例えば、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛などのC8−35脂肪酸金属塩など);高級脂肪酸エステル[例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールなどの前記高級脂肪酸と一価アルコールとのエステル;ショ糖脂肪酸エステル(例えば、ショ糖モノ乃至ヘキサステアリン酸エステルなどのショ糖と前記高級脂肪酸とのエステル)、グリセリン脂肪酸エステル(例えば、グリセリンモノ乃至トリステアリン酸エステルなどのグリセリンと前記高級脂肪酸とのエステル)、ペンタエリスリトールと前記高級脂肪酸とのエステル、ジグリセリンと前記高級脂肪酸とのエステル、ポリグリセリンと前記高級脂肪酸とのエステルなどの前記高級脂肪酸と多価アルコールとのエステルなど];高級脂肪酸アミド(例えば、ステアリン酸アミドなどのC8−35脂肪酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミドなどのアルキレンビス脂肪酸アミドなど)などが挙げられる。これらの脂質類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ワックス類としては、例えば、脂肪族炭化水素系ワックス(ポリエチレンワックス、エチレン共重合体ワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリC2−4オレフィン系ワックス、パラフィン系ワックス、マイクロクリスタリンワックスなど)、植物性又は動物性ワックス(カルナウバワックス、ミツロウ、セラックワックス、モンタンワックスなど)などが挙げられる。これらのワックス類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
シリコーン樹脂類としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、トリフルオロプロピルポリシロキサンなどのアルキルポリシロキサン;ジフェニルポリシロキサンなどのアリールポリシロキサン;メチルフェニルポリシロキサンなどのアルキルアリールポリシロキサンなどが挙げられる。シリコーン樹脂は、鎖状ポリシロキサンであってもよく、環状ポリシロキサンであってもよい。これらのシリコーン樹脂類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの滑剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの滑剤のうち、常温(例えば、5〜35℃程度)において、固体(又は固形状)の滑剤が好ましい。滑剤としては、例えば、脂質類、特に、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの飽和C12−30脂肪酸、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸マグネシウムなどの飽和C12−30脂肪酸金属塩、グリセリンモノ乃至トリステアリン酸エステルなどのグリセリンモノ乃至トリ飽和C12−30脂肪酸エステル、エチレンビスステアリン酸アミドなどのアルキレンビス飽和C12−30脂肪酸アミドなどが好ましく、特に、パルミチン酸、ステアリン酸などの飽和C16−22脂肪酸、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸マグネシウムなどの飽和C16−22脂肪酸アルカリ土類金属塩などが好適に使用される。
前記(C)滑剤の形状は特に制限されず、例えば、粉末状、粒状(又は顆粒状)、ストランド状、棒状、板状、管状、ブロック状などであってもよいが、前記組成物において、前記(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット及び(B)難燃剤ペレットに付着することにより、両者を均一に混合させることができる点から、粉末状、粒状であるのが好ましい。前記(C)滑剤が粒状体物である場合、平均粒径は、例えば、0.5〜1000μm、好ましくは1〜800μm、さらに好ましくは5〜500μm程度であってもよい。
前記組成物は、前記組成物中の(A2)長繊維の割合を調整し、所望の機械的強度、成形性などを獲得するため、必要に応じて、さらに(D)熱可塑性樹脂ペレットを含んでいてもよい。
(D)熱可塑性樹脂ペレットを構成する熱可塑性樹脂(又は対応する熱可塑性樹脂)も、慣用の熱可塑性樹脂であってもよく、例えば、(A1)熱可塑性樹脂の項で例示の熱可塑性樹脂であってもよい。前記対応する熱可塑性樹脂は、成形性などの点から、オレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)系樹脂などが好ましく、得られる成形品の耐熱性、耐薬品性、機械的特性などの点から、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂などがさらに好ましい。なお、前記対応する熱可塑性樹脂と(A1)熱可塑性樹脂とは、異なっていてもよいが、混和性(又は親和性)の点から同一であることが好ましい。
(D)熱可塑性樹脂ペレットの形状もまた、特に制限されず、(B)難燃剤ペレットの項で例示の形状などであってもよい。なお、(D)熱可塑性樹脂ペレットの形状も、前記(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット及び(B)難燃剤ペレットの形状と同じ形状(すなわち、柱状(円柱状、角柱状など)、帯状など)であってもよく、異なる形状(例えば、球状、楕円球状など)であってもよい。なお、前記(D)熱可塑性樹脂ペレットの形状は、前記対応する熱可塑性樹脂の種類に応じて適宜選択してもよい。例えば、前記(D)熱可塑性樹脂ペレットが、柱状(円柱状、角柱状など)である場合、前記(D)熱可塑性樹脂ペレットの平均長(ペレット長)は、例えば、0.5〜20mm、好ましくは1〜18mm、さらに好ましくは1.5〜15mm程度であってもよい。また、前記(D)熱可塑性樹脂ペレットの平均径は、例えば、0.5〜10mm、好ましくは1〜8mm、さらに好ましくは2〜5mm程度であってもよい。なお、(D)熱可塑性樹脂ペレットが、非円柱状の柱状(例えば、角柱状など)である場合には、底面の辺の平均長を前記平均径とする。
なお、(D)熱可塑性樹脂ペレットも、慣用の方法を利用(又は応用)して製造でき、例えば、前記(B)難燃剤ペレットと同様(又は類似)の方法を利用(又は応用)して製造してもよい。
(組成物における各成分の割合)
(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットは、(B)難燃剤ペレット100重量部に対し、100〜1500重量部、好ましくは200〜1400重量部、さらに好ましくは250〜1300重量部、特に300〜1200重量部程度であってもよい。また、前記組成物が(D)熱可塑性樹脂ペレットを含む場合、(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットと(D)熱可塑性樹脂ペレットとの割合は、前者/後者(重量比)=99/1〜40/60、好ましくは95/5〜50/50、さらに好ましくは90/10〜60/40程度であってもよい。前記(B)難燃剤ペレット(又は(D)熱可塑性樹脂ペレット)に対する(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの割合(含有割合)が、前記範囲より大きいと、組成物の成形性が低下し、一方、前記範囲より小さいと、組成物を成形して得られる成形品の機械的強度が低下する。
(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの含有量は、組成物全体に対し、50〜95重量%、好ましくは60〜90重量%、さらに好ましくは70〜85重量%程度であってもよい。また、(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットに含まれる(A2)長繊維の含有量は、組成物全体に対し、25〜75重量%、好ましくは30〜70重量%、さらに好ましくは35〜65重量%、特に40〜60重量%程度であってもよい。
(B)難燃剤ペレットの含有量は、組成物全体に対し、5〜40重量%、好ましくは7〜35重量%、さらに好ましくは10〜30重量%、特に12〜25重量%程度であってもよい。また、(B)難燃剤ペレットに含まれる(B1)難燃剤の含有量は、組成物全体に対し、1〜40重量%、好ましくは3〜35重量%、さらに好ましくは5〜30重量%、特に7〜25重量%程度であってもよい。
本発明の特色は、少量の(C)滑剤を用いることにより、前記長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット及び難燃剤ペレットの混合性を向上して前記組成物の均質性、成形性などを高める点にある。(C)滑剤は、(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット、(B)難燃剤ペレット及び(D)熱可塑性樹脂ペレット((D)熱可塑性樹脂ペレットを含まない場合は、(D)熱可塑性樹脂ペレットは0重量部である)の合計100重量部に対し、0.005〜0.15重量部、好ましくは0.007〜0.12重量部、さらに好ましくは0.01〜0.1重量部、特に0.015〜0.08重量部程度であってもよい。また、(C)滑剤の含有量は、組成物全体に対し、0.005〜0.15重量%、好ましくは0.007〜0.12重量%、さらに好ましくは0.01〜0.1重量%、特に0.015〜0.08重量%程度であってもよい。
なお、(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット、(B)難燃剤ペレット、(C)滑剤及び(D)熱可塑性樹脂ペレット((D)熱可塑性樹脂ペレットを含まない場合は、(D)熱可塑性樹脂ペレットは0重量部である)の合計の含有量は、組成物全体に対し、85〜100重量%、好ましくは90〜100重量%、さらに好ましくは95〜99.9重量%(例えば、96〜99.8重量%)程度であってもよい。
このような(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット、(B)難燃剤ペレット、(C)滑剤及び、必要に応じて(D)熱可塑性樹脂ペレットで構成される組成物は、機械的強度と難燃性とを高いレベルで両立可能な成形品を形成できる。より詳細には、本発明では、(B)難燃剤ペレットとして、高濃度で(B1)難燃剤を含む(B)難燃剤ペレットを用いるため、添加量が少量であっても有効に難燃性を付与できるとともに、(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットとの混和性が高い。さらに、(B)難燃剤ペレットの添加量が少量であるため、(A2)長繊維((A2)長繊維が切断された繊維も含む)の含有割合(又は濃度)の減少を抑制でき、組成物において、機械的強度を十分に発揮できる。例えば、本発明の組成物では、例えば、(B1)難燃剤を、組成物全体に対し、1〜40重量%(特に、5〜30重量%)程度の高い割合で含有させても、(A2)長繊維((A2)長繊維が切断された繊維も含む)の割合(又は濃度)の低下を抑制でき、高濃度(例えば、組成物全体に対し、25〜75重量%(特に、40〜60重量%)程度)を維持できる。
また、前記組成物は、前記(C)滑剤を特定の割合で含んでいるためか、前記長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットが異形状(特に、柱状)であるにも拘わらず、前記長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット及び難燃剤ペレットが容易に混合されて均質化される。また、前記組成物では、前記(C)滑剤を特定の割合で含んでいるため、ペレット間の空隙が低減(又は縮小)し、嵩密度が増大し、輸送コスト、保管スペースなどを有効に削減できる。具体的には、(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット、(B)難燃剤ペレット及び(C)滑剤で構成される本発明の組成物の嵩密度は、(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット及び(B)難燃剤ペレットの混合物(又は、前記組成物に対応する(C)滑剤非含有の組成物)の嵩密度に比べて、5〜20%、好ましくは6〜18%、さらに好ましくは7〜15%程度大きくてもよい。なお、前記嵩密度は、一定体積(mL)の組成物の重量(g)を測定し、下記式
嵩密度(g/mL)=組成物の重量(g)/組成物の体積(mL)
を用いて算出される。さらに、前記の通り、前記組成物では、均質化されるとともに、ペレット間の空隙が低減(又は縮小)しているため、ペレットが分離(又は剥離)することなく、形態安定性に優れる。従って、前記組成物は、長期に亘って、均質性を維持でき、保存性にも優れる。
さらには、前記組成物は、後述の通り、繊維を含む異形状のペレットを含有しているにも拘わらず、射出成形機などの溶融成形機(又はそのスクリュー)との食い込み性に優れるため、成形に適している。このような組成物は、成形に供しても優れた機械的強度及び難燃性が安定して得られるため、種々の成形品(例えば、難燃性を必要とする成形品など)に有用である。
なお、前記組成物は、必要に応じて、慣用の添加剤、例えば、可塑剤、軟化剤、着色剤、分散剤、離型剤、安定化剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などの酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定化剤など)、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、結晶核成長剤、充填剤(シリカやタルクなどの粒状充填剤など)などを含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。前記添加剤の割合は、種類に応じて適宜選択でき、例えば、前記組成物100重量部に対し、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.05〜3重量部程度であってもよい。なお、前記添加剤は、(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット、(B)難燃剤ペレット、(C)滑剤及び/又は(D)熱可塑性樹脂ペレットに含まれていてもよく、前記組成物中に独立して含まれていてもよい。
[組成物の調製方法]
前記組成物は、(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット、(B)難燃剤ペレット及び(C)滑剤、必要に応じて(D)熱可塑性樹脂ペレット(以下、これらを「材料」と総称する場合がある)を、乾式混合(又はドライブレンド)して調製できる。前記材料を乾式混合(又はドライブレンド)すると、(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット及び(B)難燃剤ペレットが均一に混合されるとともに、ペレット間の空隙(又は空孔)が低減(又は縮小)されたブレンド物が得られる。なお、本発明では、(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット及び(B)難燃剤ペレットの混合性が向上されているため、ペレットの形状を変形又は消失させるような機械的操作(例えば、溶融混練など)を経ずとも、嵩密度が増大された均一なブレンド物が得られる。そのため、各種成形に供しても、(A2)長繊維の過度な破砕を防止することができる。
具体的には、前記組成物は、慣用の混合機(例えば、慣用のタンブラー、ミキサーなど)を用いて混合(乾式混合)して調製する場合が多い。なお、前記組成物は、前記材料を一度に混合して調製してもよく、各材料を効率よく混合するため、前記各材料を段階的(又は個別)に混合して調製してもよい。
なお、前記添加剤を含む組成物を調製する方法は、前記各材料の製造過程において、前記(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット、(B)難燃剤ペレット、(C)滑剤及び(D)熱可塑性樹脂ペレットから選択される少なくとも1種に添加剤を含有させた材料を乾式混合(又はドライブレンド)する方法であってもよく、前記材料と、前記材料とは独立した添加剤とを乾式混合(又はドライブレンド)する方法であってもよい。
[成形品]
前記組成物は、慣用の成形法を利用して種々の成形品を形成できる。前記成形法には、例えば、圧縮(又はトランスファ)成形、射出成形、押出成形、中空成形(ブロー成形)、カレンダー成形などの溶融成形(又は一次成形)が含まれる。なかでも、前記組成物がスクリューと良好に絡み合い、高い混練効果で容易に可塑化される(本明細書では「食い込み性に優れる」という)点を利用し、前記組成物(又はその成形品)の均一性(又は均質性)をさらに向上させるため、溶融混練を経る成形法、例えば、射出成形、押出成形、カレンダー成形などを利用するのが好ましい。特に、生産性、品質安定性(又は寸法精度)に優れ、複雑な形状であっても容易に成形できる点から、射出成形を利用するのが好ましい。なお、使用できる射出成形機は特に制限されず、慣用の射出成形機、例えば、可塑化工程と射出工程とが別工程であるプリプラプランジャー方式射出成形機、可塑化工程と射出工程とが1工程であるスクリューインライン方式射出成形機などが利用できる。
具体的には、スクリューインライン式の射出成形機を用い、前記組成物を射出成形する場合において、供給された前記組成物を、加熱溶融するとともに、スクリューを回転、進退動させて、前記組成物を混練しつつ可塑化し、得られる樹脂組成物を金型に向けて射出し、冷却、硬化させて種々の成形品を形成してもよい。
なお、加熱温度は、240〜320℃、好ましくは260〜310℃、さらに好ましくは280〜300℃程度であってもよい。また、冷却温度(又は金型温度)は、70〜150℃、好ましくは80〜135℃、さらに好ましくは90〜120℃程度であってもよい。
本発明では、成形材料として均一性(又は均質性)の高い前記組成物を用いるのに加え、前記組成物は、射出成形機などの溶融成形機(又はそのスクリュー)に対する食い込み性に優れ、高い混練効果を示し、容易に可塑化されるため、可塑化工程において、さらに均一性が改善された樹脂組成物が得られる。そのため、前記組成物(又は樹脂組成物)を成形して得られる成形品では、(A2)長繊維が切断された繊維及び(B1)難燃剤が均質に分散されるため、成形品全体に亘って機械的強度及び難燃性が偏ることなく均一に発揮される。
なお、本発明では、前記の通り、3mm以上(特に7〜20mm程度)の平均繊維長の(A2)長繊維を含む(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを使用し、さらに、乾式混合(ドライブレンド)により、前記組成物を調製しているため、成形(例えば、射出成形)に供しても、前記(A2)長繊維が過度に切断されず、得られる成形品には比較的大きな繊維長の繊維が残存する。前記組成物の製造条件、成形条件などにもよるが、得られる成形品には、例えば、平均繊維長が0.5〜5mm、好ましくは0.7〜4mm、さらに好ましくは1〜3mm(例えば、1.2〜2mm)程度に切断された繊維が含まれていてもよい。
本発明の組成物は、前記の通り、成形品(特に、射出成形品)として有用であり、特に、機械的強度及び難燃性が必要とされる各種工業製品(又はその部品)に有用である。例えば、本発明の組成物は、例えば、洗濯機、洗濯乾燥機、食洗機などの家電製品又はその部品(例えば、外装部材など);電気・電子部品(例えば、パーソナルコンピューター、携帯電話、デジタルカメラなどのオフィスオートメーション(OA)機器、ブレーカーなどの電気・電子機器のケーシング、ハウジングなど)などとして有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例、比較例及び参考例における各評価方法及び略号は以下の通りである。
[評価方法]
(引張強さ)
引張強さは、ISO527−1に準拠して測定した。なお、測定は、絶乾状態のサンプルに対して行った。
(シャルピー衝撃強度)
シャルピー衝撃強度は、ISO179/1eA(エッジワイズ)に準拠して測定した。なお、測定は、絶乾状態のサンプルに対して行った。
(荷重たわみ温度)
荷重たわみ温度は、ISO75/Aに準拠し、1.80MPaの条件下で測定した。
(難燃性)
難燃性は、UL94V規格に基づいて評価した。短冊試験片(厚み1.6mm)を30本作成し、無作為に選択された5本の試験片について難燃性を評価した。試験片の下端にバーナーを用いて10秒間接炎(1回目の接炎)した後の有炎燃焼持続時間(X秒)、次いで、1回目の接炎による炎が消えた時点で、再度バーナーを用いて10秒間接炎(2回目の接炎)した後の有炎燃焼持続時間(Y秒)を測定し、UL94V規格に基づいて難燃性の判定を行った。なお、難燃性のバラツキを観察するため、無作為に選択された別の5本の試験片について同様に前記判定を行った。
(平均繊維長)
成形品(ISO多目的試験片)から約5gの試料を切り出し、650℃で灰化して成形品に含まれる繊維を取り出した。取り出した繊維から無作為に選ばれた500本の繊維長から重量平均繊維長を算出した。
[略号の説明]
(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット
長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット1:ダイセルポリマー(株)製、「プラストロンPA66−GF60−01」[60重量%ガラス繊維強化ポリアミド66樹脂(ペレット長11mm、ペレット径2.5mm)]
長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット2:ダイセルポリマー(株)製、「プラストロンPP−GF40−02」[40重量%ガラス繊維強化ポリプロピレン系樹脂(ペレット長11mm、ペレット径2.9mm)]
(B)難燃剤ペレット:「ヒロマスターPC−80G」(鈴裕化学製、臭素化ポリスチレン/三酸化アンチモン90%マスターバッチ)と、熱可塑性樹脂(ポリスチレン及びポリエチレンワックスの混合物)を混合し、さらに溶融混練して調製したペレット(円柱状:ペレット長3mm、ペレット径4.2mm、(B1)難燃剤濃度90重量%、(B2)熱可塑性樹脂濃度10重量%)
(C)滑剤
滑剤1:ステアリン酸カルシウム[堺化学工業(株)製、「SC−100」]
滑剤2:ステアリン酸マグネシウム[堺化学工業(株)製、「SM−1000」]
(D)熱可塑性樹脂ペレット:ポリアミド66(宇部興産(株)製、「UBEナイロン 2020U」)、円柱状(ペレット長2mm、ペレット径2.7mm)
着色剤:ポリアミド66用黒色マスターバッチ(住化カラー(株)製、「ブラックPAM−8A1649」)
チョップドストランドガラス繊維:日東紡製、「CSX 3J 451S」。
(実施例1〜4及び比較例1〜3)
(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット、(B)難燃剤ペレット、(C)滑剤及び(D)熱可塑性樹脂ペレットを表1に示す割合で、乾式混合(又はドライブレンド)し、組成物を調製した。得られた組成物を射出成形機(日本製鋼所製、「J150EII」 シリンダー径φ50mm)を用い、成形温度290℃、金型温度100℃の条件下で射出成形した。得られた射出成形品について、引張強さ、シャルピー衝撃強度、荷重たわみ温度、難燃性及び成形品の平均繊維長について評価した。
なお、比較例3では、(B)難燃剤ペレット、(D)熱可塑性樹脂ペレット及びチョップドストランドガラス繊維を表1に示す割合で、二軸押出機(日本製鋼所製、「TEX30α」)を用いて溶融混練して予めペレット化(押出温度260℃)し、得られたペレット(ペレット長3mm、ペレット径3.5mm)を、実施例と同様に射出成形した。得られた射出成形品について、引張強さ、シャルピー衝撃強度、荷重たわみ温度、難燃性及び成形品の平均繊維長について評価した。
結果を表1に示す。なお、表中、「長繊維濃度」は、組成物全体に対する長繊維の含有量を示し、「難燃性」の項のX/Yについて、X及びYは、それぞれ前記評価方法の項に記載の通り、1回目及び2回目の接炎後の有炎燃焼持続時間を示す。
Figure 2009167270
表1から明らかなように、実施例の組成物は、特定の(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット、特定の(B)難燃剤ペレット及び特定の(C)滑剤で構成され、前記(C)滑剤を特定の割合で含有しているため、優れた機械的強度及び難燃性の成形品を形成できた。なお、比較例2では、(C)滑剤の含有量が高いため、材料が射出成形機に食い込まず、滑ってしまい成形することができなかった。
(実施例5、参考例1及び比較例4〜5)
(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット、(B)難燃剤ペレット、(C)滑剤及び(D)熱可塑性樹脂ペレットを表2に示す割合で、乾式混合(又はドライブレンド)し、組成物を調製した。得られた組成物を100mLメスシリンダーに充填し、充填した組成物の重量(Wg)及び体積(VmL)を測定し、
嵩密度(g/mL)=W(g)/V(mL)
で表される式に基づいて嵩密度を算出した。結果を表2に示す。
Figure 2009167270
表2から明らかなように、(C)滑剤を含有する実施例5では、比較例4に比べて約9%嵩密度が増大されていた。なお、参考例1でも、比較例5に比べ約9%嵩密度が増大され、(C)滑剤の有用性が示された。

Claims (14)

  1. 少なくとも(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットと、(B)難燃剤ペレットと、(C)滑剤とを乾式混合した組成物であって、前記(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットが、(A1)熱可塑性樹脂及び(A2)長繊維で構成された柱状ペレットであり、前記(C)滑剤の含有量が、前記組成物全体に対し、0.005〜0.15重量%である組成物。
  2. (A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットが、(A2)長繊維がペレットと略同じ長さで長さ方向に略平行して含有されているペレットである請求項1記載の組成物。
  3. さらに、(D)熱可塑性樹脂ペレットを含み、(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットと(D)熱可塑性樹脂ペレットとの割合が、前者/後者(重量比)=99/1〜40/60である請求項1又は2記載の組成物。
  4. (B)難燃剤ペレットが、(B1)難燃剤と、(B2)熱可塑性樹脂とで構成されるマスターバッチで構成され、(B1)難燃剤の含有量が、(B)難燃剤ペレット全体に対し、70〜99重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. (B1)難燃剤の含有量が、組成物全体に対し、1〜40重量%であり、(A2)長繊維の含有量が、組成物全体に対し、30〜70重量%である請求項4記載の組成物。
  6. (C)滑剤が、飽和C12−30脂肪酸、飽和C12−30脂肪酸金属塩、飽和C12−30脂肪酸エステル及び飽和C12−30脂肪酸アミドから選択された少なくとも一種である請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. (A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットが、平均径0.5〜5mm、平均長3〜20mmであり、かつ(C)滑剤が平均粒径5〜500μmの粒状体物である請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
  8. (A1)熱可塑性樹脂がポリアミド系樹脂であり、(C)滑剤が飽和C16−22脂肪酸のアルカリ土類金属塩であり、組成物全体に対し、前記(C)滑剤の含有量が、0.01〜0.1重量%であり、(B1)難燃剤の含有量が、5〜30重量%であり、かつ(A2)長繊維の含有量が、35〜65重量%である請求項4〜7のいずれかに記載の組成物。
  9. 少なくとも(A)長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットと、(B)難燃剤ペレットと、(C)滑剤とを乾式混合して請求項1〜8のいずれかに記載の組成物を製造する方法。
  10. さらに、(D)熱可塑性樹脂ペレットを乾式混合する請求項9記載の方法。
  11. 少なくとも柱状の長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット(A)と(B)難燃剤ペレットとを含む混合物に、(C)滑剤を含有させて、前記混合物の嵩密度を増大させる方法。
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載の組成物を溶融成形して成形品を製造する方法。
  13. 溶融成形が射出成形である請求項12記載の方法。
  14. 請求項12又は13記載の方法で得られた成形品。
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