JP2006181656A - 小口径孔あけ加工用エントリーボードと小口径孔あけ加工方法 - Google Patents

小口径孔あけ加工用エントリーボードと小口径孔あけ加工方法 Download PDF

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【課題】 小口径孔あけ加工において、エントリーボードに設けた潤滑層による充分な潤滑作用を継続的に発揮させ、ドリルの折損を少なくし、孔の位置精度を向上でき、潤滑成分の垂れ落ちによる被加工物の汚れを回避できる手段を提供する。
【解決手段】 アルミニウム製基板2の少なくとも片面に形成された潤滑層4が、数平均分子量100以上1000未満のポリエチレングリコール、数平均分子量10000以上のポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールのケン化物及びトリメチロールプロパンを含有した混合組成物からなる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、プリント配線板におけるスルーホール等、被加工物に小口径の孔を形成する際の当て板として用いるエントリーボードと、このエントリーボードを用いた小口径孔あけ加工方法に関する。
この明細書において、「アルミニウム」という語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。また、「板」という語には、箔を含むものとする。
近年、通信機器、OA機器、家電製品等の急速な高性能化に伴い、これら機器の制御中枢を担うプリント配線板においては、配線パターンの微細化、高密度化、多層化が進行すると共に、スルーホールの小口径化と位置精度の向上が要求されている。
従来、プリント配線板のスルーホールの孔あけ加工では、その加工能率を高めるために、すて板上に複数枚のプリント配線用素板を積み重ね、その最上位の素板上にアルミニウム製のエントリーボードを配し、この状態でドリルによって上方から該エントリーボードを貫通してプリント配線用素板の孔あけを行うことにより、積み重ねた全部の素板に一挙にスルーホールを形成する方法が採用されている。しかして、エントリーボードは、当て板として、ドリルの食いつきをよくすると共に、素板表面の加工時の損傷や孔周縁でのバリやカエリの発生を防止する目的で使用される。
ところが、スルーホールの小口径化によって孔あけのドリル径が小さくなるが、特に径0.3mm以下の小径ドリルによる孔あけ加工では、エントリーボードに単なるアルミニウム板を用いた場合、ドリルがエントリーボード表面で横滑りすることから、孔あけの位置精度が悪化すると共に、ドリルの折損が多発し、しかも孔の内周面の荒れを生じることに加え、ドリルの折損を抑える上でプリント配線用素板の積み重ね枚数を多くできず、加工能率を充分に高められないという問題があった。
そこで、エントリーボードとして、アルミニウム製基板の少なくとも片面に、ポリエチレングリコールを主成分とする潤滑層を設けたものを用いることが提案されている。例えば、特許文献1で提示された潤滑層は、平均分子量20000〜50000のポリエチレングリコールと、平均分子量100000以上のポリエチレングリコールと、トリメチロールプロパンと、ポリビニルピロリドン又はポリ酢酸ビニルの部分ケン化物とからなるものとしている。また、特許文献2で提示された潤滑層は、平均分子量1000以上15000未満のものと、平均分子量15000以上50000未満のものと、平均分子量50000以上200000以下のものとの3種のポリエチレングリコールと、要すれば任意成分のトリメチロールプロパンとを含む樹脂組成物からなるものとしている。更に、特許文献3で提示された潤滑層は、平均分子量3000以上で10000未満のポリエチレングリコールと、平均分子量10000以上のポリエチレングリコールと、トリメチロールプロパンとの混合物からなるものとしている。
しかるに、これら潤滑層を有するエントリーボードを用いた孔あけ加工では、潤滑層のポリエチレングリコールの融点が60℃以下と低く、穿孔に伴う摩擦熱で溶融した潤滑成分の粘度が著しく低下することから、流動性過多になった該潤滑成分が切削部位から逸散して充分な潤滑作用を発揮できなくなり、ドリルの折損多発と孔の位置精度の悪化を招来すると共に、ドリルに付着堆積した潤滑成分の垂れ落ちによってプリント配線用素板が汚れるといった新たな問題を生じていた。
特開2001−47307号公報 特開2004−9193号公報 特表2004−516149号公報
この発明は、上述の事情に鑑みて、小口径孔あけ加工において、エントリーボードに設けた潤滑層の潤滑成分がドリルによる切削部位に終始途切れることなく行き渡って充分な潤滑作用を発揮でき、もってドリルの折損を少なくすると共に孔の位置精度を向上でき、また潤滑成分の垂れ落ちによる被加工物の汚れを回避できる手段を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、この発明の請求項1に係る小口径孔あけ加工用エントリーボードは、アルミニウム製基板の少なくとも片面に潤滑層が形成され、この潤滑層が、数平均分子量100以上1000未満のポリエチレングリコール、数平均分子量10000以上のポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールのケン化物、及びトリメチロールプロパンを含有した混合組成物からなることを特徴としている。
請求項2の発明では、上記請求項1の小口径孔あけ加工用エントリーボードにおける潤滑層は、数平均分子量100以上1000未満のポリエチレングリコール5〜30質量%と、数平均分子量10000以上のポリエチレングリコール20〜90質量%と、ポリビニルアルコールのケン化物5〜50質量%とからなるベース組成物100質量部に対し、トリメチロールプロパン0.5〜20質量部が混合された混合組成物からなる構成としている。
また、請求項3の発明は、上記請求項1又は2の小口径孔あけ加工用エントリーボードの潤滑層におけるポリビニルアルコールのケン化物のケン化度が15〜90モル%である構成としている。
更に、請求項4の発明は、上記請求項1〜3のいずれかの小口径孔あけ加工用エントリーボードにおける潤滑層の厚さが10〜100μmである構成としている。
請求項5の発明は、上記請求項1〜4のいずれかの小口径孔あけ加工用エントリーボードにおけるアルミニウム基板と前記潤滑層の間に、ポリビニルアルコールのケン化物を含有する下塗り層が介在してなる構成を採用している。
一方、この発明の請求項6に係る小口径孔あけ加工方法は、積み重ねた複数枚のプリント配線用素板の上に、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエントリーボードを配置し、この状態でドリルを用いて上方から該エントリーボード及びプリント配線用素板に口径0.3mm以下の孔を形成することを特徴としている。
請求項1の発明によれば、小口径孔あけ加工用エントリーボードの潤滑層は、融点60℃以下のポリエチレングリコールに対し、トリメチロールプロパンと共に融点180〜190℃であるポリビニルアルコールのケン化物が混合されていることから、該エントリーボードを用いた孔あけ加工の際、切削の摩擦熱で溶融してもある程度の粘度を保持して流動性過多にならず、もってドリルによる切削部位へ潤滑成分を終始途切れなく供給して、安定した潤滑作用を発揮できる。従って、このエントリーボードの使用により、ドリルの折損頻度が大幅に低減すると共に、孔の位置精度が向上し、またドリルからの潤滑成分の垂れ落ちによる被加工物の汚れも回避される。
請求項2の発明によれば、前記エントリーボードの潤滑層を構成する各成分の比率が特定範囲に設定されるため、前記のドリルの折損頻度の低減、孔の位置精度の向上、潤滑成分の垂れ落ち防止等の作用効果がより確実に発揮されると共に、潤滑層の膜強度、均一性、水溶性等も良好になる。
請求項3の発明によれば、前記エントリーボードの潤滑層に含まれるポリビニルアルコールのケン化度が特定範囲にあるため、ポリエチレングリコールとの良好な相溶性によって均一な潤滑層を形成できると共に、潤滑成分に充分な水溶性が付与されることから、孔あけ後のプリント配線素板やドリルに付着した潤滑成分を水洗で簡単に除去できる。
請求項4の発明によれば、前記潤滑層が特定範囲の厚さを有するから、充分な潤滑性を発揮できると共に、良好な塗工性を確保して生産性の低下を回避できる。
請求項5の発明によれば、前記アルミニウム製基板と前記潤滑層との間に介在する下塗り層によって潤滑層の剥離や割れが防止されることに加え、該下塗り層を構成するポリビニルアルコールのケン化物が孔あけ加工時に潤滑成分中に混ざり込み、切削の摩擦熱による潤滑成分の粘度低下を抑制するため、良好な潤滑作用が得られると共に、ドリルからの潤滑成分の垂れ落ちもより生じにくくなる。
請求項6の発明に係る小口径孔あけ加工方法によれば、積み重ねた複数枚のプリント配線用素板に対し、口径0.3mm以下の小口径孔を一挙に形成する際、ドリルの折損を生じにくく、且つ孔の位置精度を高く設定できる。
図1は、この発明に係る小口径孔あけ加工用エントリーボードの一実施形態を示す。このエントリーボード1は、アルミニウム製基板2の片面に、下塗り層3を介して潤滑層4が形成されたものである。
このエントリーボード1のアルミニウム製基板2としては、例えばJIS A1100−H18材、JIS A1N30−H18材、JIS A1050−H18材、JIS A3003−H18材、JIS A3004−H18材等よりなる厚さ0.1〜0.25mm程度のアルミニウム単板、もしくはビッカーズ硬さ(Hv)が20〜50で厚さ5〜100μmの軟質アルミニウム板とビッカーズ硬さ(Hv)が50〜140で厚さ30〜200μmの硬質アルミニウム板とを貼り合わせたものが好適に用いられる。なお、後者の軟硬質アルミニウム板を貼り合わせたものを用いる場合は、その軟質アルミニウム板側の面に下塗り層3を介して潤滑層4を形成する。
下塗り層3は、ケン化度15〜90モル%で重合度100〜800程度のポリビニルアルコールからなり、厚さが0.1〜5.0μm程度に設定されている。
潤滑層4は、数平均分子量100以上1000未満のポリエチレングリコール、数平均分子量10000以上のポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールのケン化物、及びトリメチロールプロパンを含有する混合組成物からなり、その厚さが10〜100μm程度に設定されている。
このエントリーボード1を用いて例えばプリント配線用素板にスルーホールの孔あけ加工を施す場合、まずすて板上に複数枚のプリント配線用素板を積み重ね、この積み重ねた最上部にエントリーボード1を潤滑層4側が上向きになるように配置する。そして、この状態で、上方からドリルによって該エントリーボード1からすて板に達する孔あけを行い、もって一度の穿孔作業で積み重ねた全部のプリント配線用素板に一挙にスルーホールを形成する。
このような孔あけ加工では、プリント配線用素板を積み重ねた状態で最上位に配したエントリーボード1を通して孔開けを行うため、各プリント配線用素板のスルーホールの孔縁にはバリやカエリが発生せず、これら素板の後加工が容易になると共に、これら素板から作製されるプリント配線の金属層のバリやカエリに起因した損傷が未然に防止される。また、一度の孔あけ加工時に積み重ねる素板の枚数を多くして、プリント配線板の生産性を高めることができる。
しかも、このエントリーボード1を使用した場合、径0.3mm以下といった小口径の孔を形成する場合でも、潤滑層4による良好な潤滑作用が加工終了まで継続的に発揮されるため、ドリルがエントリーボード表面で横滑りせず、孔あけの位置精度が高められると共に、ドリルの折損が少なくなり、しかも孔の内周面の荒れが防止される上、ドリルに付着堆積した潤滑成分の垂れ落ちを生じにくく、この垂れ落ちによる素板の汚れが回避される。これは、該潤滑層4の潤滑成分が既述の組成を有することにより、加工時の摩擦熱で溶融しても、その粘度がさほど低下せず、潤滑成分の流動性過多による逸散が防止され、ドリルによる切削部位へ潤滑成分が終始途切れなく供給され、もって安定した良好な潤滑作用が持続することによる。
また、このエントリーボード1では、潤滑層4を構成する潤滑成分が水に対する溶解性に優れるため、孔あけ加工によってプリント配線用素板に付着した潤滑成分を水洗によって簡単に除去することが可能となる。
ここで、エントリーボード1の潤滑層4に用いるポリビニルアルコールのケン化物は、潤滑層全体の耐熱性を向上させ、孔あけ時の摩擦熱による潤滑性低下を抑制する機能を果たす。すなわち、潤滑層4に用いる数平均分子量の異なる2種のポリエチレングリコールの融点が60℃以下であるのに対し、このポリビニルアルコールのケン化物の融点は180〜190℃であるため、これを配合した潤滑層では孔あけ時の摩擦熱で溶融した潤滑成分の粘度がさほど低下せず、潤滑成分の流動性過多による逸散が防止される。
このようなポリビニルアルコールのケン化物は、そのケン化度が15〜90モル%であるものが好適である。このケン化度が低過ぎるものでは水溶性に劣るため、孔あけ後に付着した潤滑成分を水洗によって容易に除去できなくなる。逆にケン化度が高過ぎては、潤滑性を低下させると共に、ポリエチレングリコールとの相溶性の悪化で均一な潤滑層の形成が困難になる。
また、ポリビニルアルコールのケン化物の配合量は、このポリビニルアルコールのケン化物と前記の数平均分子量が異なる2種のポリエチレングリコールとをベース組成物として、該ベース組成物の5〜50質量%を占める範囲が好適である。この配合量が、ベース組成物の5質量%未満になると耐熱性の向上効果が充分に発現せず、逆に50質量%を越える場合はポリエチレングリコールとの相溶性が得られず、潤滑層4の品質が低下すると共に、塗工性も低下してエントリーボードの生産能率が落ちることになる。
一方、潤滑層4に用いる数平均分子量100以上1000未満のポリエチレングリコールは、潤滑性と潤滑層の水溶性を向上させると共に、前記ポリビニルアルコールのケン化物と数平均分子量10000以上のポリエチレングリコールとの相溶性を向上させる機能を果たす。この低分子量のポリエチレングリコールの配合量は、前記ベース組成物の5〜30質量%を占める範囲が好適であり、5質量%未満では前記機能が不充分になり、30質量%を越えると潤滑層4にべたつきを生じることになる。
更に、潤滑層4に用いる数平均分子量10000以上のポリエチレングリコールは、潤滑層4の膜強度を高める機能を持つが、その配合量が前記ベース組成物の20質量%未満であると該機能を充分に発揮できず、同90質量%を越えると潤滑層4が硬く脆いものになる。従って、この高分子量ポリエチレングリコールの配合量は、前記ベース組成物の20〜90質量%を占める範囲とするのがよい。なお、この高分子量ポリエチレングリコールの数平均分子量の上限は100000程度である。
トリメチロールプロパンは、潤滑層4の水に対する溶解性を高め、もって孔あけ加工後の洗浄を水洗で行うことを可能にするものである。しかして、このトリメチロールプロパンの配合量は、前記の数平均分子量が異なる2種のポリエチレングリコールとポリビニルアルコールのケン化物とからなるベース組成物100質量部に対し、0.5〜20質量部の範囲が好適であり、少な過ぎては前記溶解性を充分に高められず、逆に多過ぎては潤滑層4にべたつきを生じることになる。
なお、潤滑層4の厚みは、10μm未満では充分な潤滑性が得られず、100μmを越える場合は塗工性の低下で生産能率が悪化すると共に材料コストも高くなる。
また、下塗り層3は、アルミニウム製基板2に対する潤滑層4の密着性を高め、もって該潤滑層4の剥離や割れを防止する機能を果たす。しかして、この下塗り層3に用いられるポリビニルアルコールのケン化物は、孔あけ加工時に潤滑成分中に混ざり込み、潤滑層4中に配合されていたポリビニルアルコールのケン化物と同じく切削の摩擦熱による潤滑成分の粘度低下を抑制し、より良好な潤滑作用を発揮させると共に、ドリルからの潤滑成分の垂れ落ちもより生じにくくする。また、当該下塗り層3と潤滑層4とが共通成分を含むことになるから、両層が高い親和性を示して強固に密着する。更に、このポリビニルアルコールのケン化物は水溶性であるため、孔あけで切削された該下塗り層の一部が潤滑成分と共に被加工物に付着しても、水洗で簡単に除去できるという利点がある。
この発明の小口径孔あけ加工用エントリーボードは、アルミニウム製基板2の両面に潤滑層4を設けた構成、下塗り層がポリビニルアルコールのケン化物以外の樹脂成分からなる構成、潤滑層4を下塗り層3を介さずにアルミニウム製基板2の表面に直接に形成した構成のいずれをも包含するが、特に前記実施形態のようにアルミニウム製基板2の片面にポリビニルアルコールのケン化物からなる下塗り層3を介して潤滑層4を設けたものが性能及びコストの両面から最も好適である。また、この発明のエントリーボードは、種々の被加工物に対する小口径孔あけ加工に適用できるが、この発明の小口径孔あけ加工方法のように、プリント配線用素板に対する孔あけ加工に最適である。
実施例1
JIS A3004−H18材からなる厚さ150μmの基板の片面に、ケン化度80モル%のポリビニルアルコール70質量部とケン化度73.5モル%のポリビニルアルコール30質量部との混合物を、厚さ3μmとなるように塗工して下塗り層を形成した。次に、この下塗り層上に、数平均分子量400のポリエチレングリコール20質量部、数平均分子量20000のポリエチレングリコール60質量部、ケン化度80モル%のポリビニルアルコール20質量部、及びトリメチロールプロパン5質量部の混合組成物を、厚さ30μmとなるように塗工して潤滑層を形成し、小口径孔あけ加工用エントリーボードを作製した。
実施例2
潤滑層の厚さを80μmとした以外は、実施例1と同様にした小口径孔あけ加工用エントリーボードを作製した。
実施例3
潤滑層形成用として、数平均分子量400のポリエチレングリコール15質量部、数平均分子量50000のポリエチレングリコール60質量部、ケン化度70モル%のポリビニルアルコール25質量部、及びトリメチロールプロパン5質量部の混合組成物を用いた以外は、実施例1と同様にした小口径孔あけ加工用エントリーボードを作製した。
実施例4
潤滑層の厚さを80μmとした以外は、実施例3と同様にした小口径孔あけ加工用エントリーボードを作製した。
実施例5
潤滑層形成用として、数平均分子量800のポリエチレングリコール15質量部、数平均分子量20000のポリエチレングリコール60質量部、ケン化度80モル%のポリビニルアルコール25質量部、及びトリメチロールプロパン5質量部の混合組成物を用いた以外は、実施例1と同様にした小口径孔あけ加工用エントリーボードを作製した。
比較例1
JIS A3004−H18材からなる厚さ150μmの基板の片面に、ケン化度35モル%のポリ酢酸ビニルからなる厚さ3μmの下塗り層を形成した。次に、この下塗り層上に、数平均分子量400のポリエチレングリコール20質量部と数平均分子量20000のポリエチレングリコール80質量部及びトリメチロールプロパン10質量部の混合組成物を、厚さ30μmとなるように塗工して潤滑層を形成し、小口径孔あけ加工用エントリーボードを作製した。
比較例2
潤滑層の厚さを80μmとした以外は、比較例1と同様にした小口径孔あけ加工用エントリーボードを作製した。
評価試験
厚さ1.5mmのベークライニング製のすて板上に、両面に厚さ12μmの銅板を積層した総厚0.1mmのエポキシ樹脂製プリント配線用素板を4枚積み重ね、最上位の素板上に、実施例1〜5及び比較例1〜3のいずれかの小口径孔あけ加工用エントリーボードを潤滑層側を上向きにして配置し、上方から径0.1mmのドリルにより、該エントリーボードからすて板に達する2000ヒットの孔あけ加工を行った。そして、孔あけ加工の各素板について2000ヒットの孔位置を座標測定機で測定して設定位置からのずれを調べると共に、各孔あけ加工後の最上位の素板上に潤滑成分の垂れ落ちがないか否かを調べた。その結果を表1に示す。
Figure 2006181656
上表の結果から明らかなように、この発明に係る実施例1〜5のエントリーボードを用いれば、ドリル径0.1mmといった極めて小口径の孔あけ加工でも、非常に高い位置精度で孔を形成できると共に、加工中の潤滑成分の垂れ落ちによる汚れを防止できる。これに対し、この発明のものとは潤滑層の組成が異なる比較例1、2のエントリーボードを用いた同様の孔あけ加工では、形成される孔の位置精度に劣る上、加工中の潤滑成分の垂れ落ちによる汚れを生じ易いことが判る。
この発明の一実施形態に係る小口径孔あけ加工用エントリーボードの拡大断面図である。
符号の説明
1・・・小口径孔あけ加工用エントリーボード
2・・・アルミニウム製基板
3・・・下塗り層
4・・・潤滑層

Claims (6)

  1. アルミニウム製基板の少なくとも片面に潤滑層が形成され、
    この潤滑層が、数平均分子量100以上1000未満のポリエチレングリコール、数平均分子量10000以上のポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールのケン化物、及びトリメチロールプロパンを含有した混合組成物からなることを特徴とする小口径孔あけ加工用エントリーボード。
  2. 前記潤滑層は、数平均分子量100以上1000未満のポリエチレングリコール5〜30質量%と、数平均分子量10000以上のポリエチレングリコール20〜90質量%と、ポリビニルアルコールのケン化物5〜50質量%とからなるベース組成物100質量部に対し、トリメチロールプロパン0.5〜20質量部が混合された混合組成物からなる請求項1記載の小口径孔あけ加工用エントリーボード。
  3. 前記ポリビニルアルコールのケン化物のケン化度が15〜90モル%である請求項1又は2に記載の小口径孔あけ加工用エントリーボード。
  4. 前記潤滑層の厚さが10〜100μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の小口径孔あけ加工用エントリーボード。
  5. 前記アルミニウム製基板と前記潤滑層の間に、ポリビニルアルコールのケン化物を含有する下塗り層が介在してなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の小口径孔あけ加工用エントリーボード。
  6. 積み重ねた複数枚のプリント配線用素板の上に、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエントリーボードを配置し、この状態でドリルを用いて上方から該エントリーボード及びプリント配線用素板に口径0.3mm以下の孔を形成することを特徴とする小口径孔あけ加工方法。
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