JP7129030B2 - ドリル孔あけ用エントリーシート及びそれを用いたドリル孔あけ加工方法 - Google Patents

ドリル孔あけ用エントリーシート及びそれを用いたドリル孔あけ加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、ドリル孔あけ用エントリーシート及びそれを用いたドリル孔あけ加工方法に関する。
プリント配線板材料に使用される積層板や多層板のドリル孔あけ加工方法としては、一般的に積層板又は多層板を1枚又は複数枚重ねて、その最上部に当て板としてアルミニウム箔単体又はアルミニウム箔表面に樹脂組成物の層を形成したシート(以下、本明細書ではこの「シート」を「ドリル孔あけ用エントリーシート」という)を配置して孔あけ加工を行う方法が採用されている。
近年、プリント配線板に対する信頼性向上の要求や高密度化の進展に伴い、積層板又は多層板のドリル孔あけ加工に対して、ドリル孔あけ加工時の内壁粗さの低減や孔位置精度の向上など、高品質なドリル孔あけ加工が要求されている。
上述したドリル孔あけ加工時の内壁粗さの低減や孔位置精度の向上などの要求に対応すべく、例えば、特許文献1には、熱硬化性樹脂薄膜を形成したアルミニウム箔に水溶性樹脂層を形成したドリル孔あけ用エントリーシートが開示されている。また、特許文献2には、樹脂組成物にノンハロゲンの着色剤を配合した孔あけ用滑剤シートが開示されている。
更に、固体潤滑剤を使用したドリル孔あけ用エントリーシートも開示されている。例えば、特許文献3には、潤滑層と、二硫化タングステンなどのナノ構造粉と高伝熱化合物である固体の耐摩耗潤滑層が含まれる複合材と、支持体とからなる孔あけ用補助板が開示されている。また、特許文献4には、水溶性樹脂、水溶性滑剤と炭素粉とを混合した樹脂組成物の層を含むドリル孔あけ用エントリーシートが開示されている。さらに、特許文献5には、複合材中に無機充填剤としてグラファイトを含む穿孔用放熱潤滑アルミニウムカバーが開示されている。
特開2003-136485号公報 特開2004-230470号公報 特開2007-281404号公報 特開2008-222762号公報 特開2006-346912号公報
ところで、半導体技術の進展にともなって、プリント配線板に対する高密度化及び信頼性向上の要求は、益々高度化している。量産におけるドリルビット径の使用範囲は、0.5mmから0.105mmが多くを占めている。具体的には0.5mm、0.45mm、0.4mm、0.35mm、0.3mm、0.25mm、0.2mm、0.15mm、0.105mmなどがある。また最小ドリルビット径も0.105mmから0.075mmに移行しつつあり、レーザー孔あけ技術に対抗して、ごく一部では、0.05mmのドリル孔あけが試みられている。また、0.2mm、0.15mmのドリルビット径でのプリント配線板加工においても、孔位置精度の向上への要求が強い。更には、グローバル化による競争と新興国需要の取り込みの為、生産性向上及びコスト低減要求もまた、とどまることを知らない。
従来のドリル孔あけ用エントリーシートを用いた加工においては、ドリルビットと積層板又は多層板との摩擦熱によって、ドリルビット周囲の水溶性樹脂などを含む樹脂組成物が溶融することで、潤滑性が発現する。しかし、従来のドリル孔あけ用エントリーシートにおいては、樹脂組成物の層の潤滑性の効果は必ずしも十分でなく、孔位置精度の向上への要求に十分に応えられていない。すなわち、より高度な孔位置精度の要求に応えるドリル孔あけ用エントリーシートの開発が望まれている。
また一方で、生産性向上及びコスト低減要求の観点からは、上記のとおり、ドリルビット径が小さいドリルを用いた場合においても、耐ドリルビット折損性に優れることが求められ、その他、ドリルビットに対してドリル孔あけ用エントリーシート由来の屑が付着しにくいことも求められる。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、ドリルビット径が小さいドリルを用いた場合においても、耐ドリルビット折損性及び孔位置精度に優れ、ドリル孔あけ用エントリーシート由来の屑の巻き付きが少ないドリル孔あけ用エントリーシート、及びそれを用いたドリル孔あけ加工方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するため種々の検討を行った結果、樹脂組成物層のせん断貯蔵弾性率を調整することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
金属箔と、該金属箔上の少なくとも片面に形成された樹脂組成物層と、を有し、
該樹脂組成物層のせん断貯蔵弾性率が、下記式(i)、(ii)で表される関係を満たす、
ドリル孔あけ用エントリーシート。
-3.0≦△G’≦-1.0…(i)
4.5×10≦G’(56)≦100×10…(ii)
(上記式中、△G’=log10(G’(62))-log10(G’(56))であり、G’(56)、G’(62)は、それぞれ、前記樹脂組成物の56℃、62℃におけるせん断貯蔵弾性率(単位:Pa)を示す。)
〔2〕
前記樹脂組成物層が、下記式(iii)で表される関係をさらに満たす、
〔1〕に記載のドリル孔あけ用エントリーシート。
0.005×10≦G’(70)≦80×10…(iii)
(上記式中、G’(70)は前記樹脂組成物の70℃におけるせん断貯蔵弾性率(単位:Pa)を示す。)
〔3〕
前記樹脂組成物が、水溶性樹脂(A)を含有する、
〔1〕又は〔2〕に記載のドリル孔あけ用エントリーシート。
〔4〕
前記樹脂組成物が、充填材(B)を含有する、
〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載のドリル孔あけ用エントリーシート。
〔5〕
前記充填材(B)が、タルク及び/又は二硫化モリブデンである、
〔4〕に記載のドリル孔あけ用エントリーシート。
〔6〕
前記水溶性樹脂(A)が、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンのモノエーテル化合物、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリグリセリンモノステアレート化合物、及びポリオキシエチレンプロピレン共重合体からなる群より選択される1種類又は2種類以上である、
〔3〕~〔5〕のいずれか一項に記載のドリル孔あけ用エントリーシート。
〔7〕
前記樹脂組成物層が、0.02~0.3mmの範囲の厚さを有する、
〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載のドリル孔あけ用エントリーシート。
〔8〕
前記金属箔が、0.05~0.5mmの範囲の厚さを有する、
〔1〕~〔7〕のいずれか一項に記載のドリル孔あけ用エントリーシート。
〔9〕
〔1〕~〔8〕のいずれか一項に記載のドリル孔あけ用エントリーシートを用いて、積層板又は多層板に孔を形成する孔形成工程を有する、
ドリル孔あけ加工方法。
本発明によれば、ドリルビット径が小さいドリルを用いた場合においても、耐ドリルビット折損性及び孔位置精度に優れ、ドリル孔あけ用エントリーシート由来の屑の巻き付きが少ないドリル孔あけ用エントリーシート、及びそれを用いたドリル孔あけ加工方法を提供することができる。
実施例2、3及び5、並びに、比較例1、2、及び3のせん断貯蔵弾性率の測定結果を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
[ドリル孔あけ用エントリーシート]
本実施形態のドリル孔あけ用エントリーシート(以下、単に「エントリーシート」ともいう。)は、金属箔と、該金属箔上の少なくとも片面に形成された樹脂組成物層と、を有し、該樹脂組成物層のせん断貯蔵弾性率が、下記式(i)、(ii)で表される関係を満たすものである。
-3.0≦△G’≦-1.0…(i)
4.5×10≦G’(56)≦100×10…(ii)
(上記式中、△G’=log10(G’(62))-log10(G’(56))であり、G’(56)、G’(62)は、それぞれ、前記樹脂組成物の56℃、62℃におけるせん断貯蔵弾性率(単位:Pa)を示す。)
樹脂組成物層は、金属箔の片面に形成された形態であってよく、両面に形成された形態であってもよい。両面に樹脂組成物層を形成する場合、層の樹脂組成物の組成は同じであっても異なっていてもよい。
[樹脂組成物層]
本実施形態における樹脂組成物層は、せん断貯蔵弾性率が、上記式(i)、(ii)で表される関係を満たす層である。本実施形態のエントリーシートは、切削の際に被加工物の切削部分と切削工具とが接触する部分において、潤滑性の付与や、切削工具への過度な負担の軽減による耐ドリルビット折損性の向上、切削性の向上による孔位置精度の向上といったような機能を果たすことが期待され、また、樹脂組成物層の屑が切削工具に巻き付かないことが望ましい。エントリーシートが機能する切削加工は動的なプロセスであり、使用時において樹脂組成物層は高速回転するドリルの刃に接触している状態である。このような状態において諸機能が発揮される構成を特定する観点から、本実施形態においては、貯蔵弾性率の中でも、せん断貯蔵弾性率を規定する。特に、温度を上げた際に貯蔵弾性率が急降下するところでは、樹脂組成物層が固体状態からゲル状態となり、ゲル状態の樹脂組成物層がエントリーシートの諸機能の発揮に寄与しているものと考えられる。この際に、ゲル状態になる温度が高すぎる場合には、エントリーシートの潤滑性の発揮の前に、切削工具に負荷がかかり、連続加工においては孔位置精度、ドリルビット折損にも影響するものと考えられる。また、ゲル状態になったとしても、ゲル状態時の貯蔵弾性率が高ければ潤滑性が乏しくなり、ゲル状態時の貯蔵弾性率が低すぎれば潤滑膜が形成され難くなり、いずれの場合も潤滑性や、ドリルビット折損などをもたらす切削工具の負担、及び孔位置精度の観点から好ましくないものと考えられる。また、固体状態時の貯蔵弾性率が低いほど樹脂組成物層の屑が切削工具に巻きつきやすくなるものと考えられる。但し、作用機序については上記観点に制限されるものではない。
式(i)における△G’は、62℃におけるせん断貯蔵弾性率(G’(62))の常用対数(log10(G’(62)))と56℃におけるせん断貯蔵弾性率(G’(56))の常用対数(log10(G’(56)))との差を示すものであり、式(i)は△G’の範囲を規定するものである。一般に、せん断貯蔵弾性率は、温度上昇とともに減少する傾向を示すが、式(i)は、log10(G’(62))と(log10(G’(56))の差によりせん断貯蔵弾性率が所定の傾向を示すことを規定するものである。
△G’は、-3.0~-1.0であり、好ましくは-2.8~-1.0であり、より好ましくは-2.6~-1.0であり、さらに好ましくは-2.4~-1.0であり、特に好ましくは-2.2~-1.0である。△G’が-3.0以上であることにより、樹脂組成物層の屑の切削工具への巻き付きがより抑制される。また、△G’が-1.0以下であることにより、耐ドリルビット折損性及び孔位置精度がより向上する。
式(ii)はG’(56)の範囲を示すものである。G’(56)は、4.5×10~100×10であり、好ましくは20×10~100×10であり、より好ましくは30×10~100×10であり、さらに好ましくは35×10~100×10であり、特に好ましくは40×10~100×10である。G’(56)が4.5×10以上であることにより、樹脂組成物層の屑の切削工具への巻き付きがより抑制される。また、G’(56)が100×10以下であることにより、耐ドリルビット折損性及び孔位置精度がより向上する。
また、G’(62)は、好ましくは0.010×10~4.4×10であり、より好ましくは0.10×10~4.4×10であり、さらに好ましくは0.20×10~4.4×10であり、特に好ましくは0.40×10~4.4×10である。G’(62)が0.010×10以上であることにより、樹脂組成物層の屑の切削工具への巻き付きがより抑制される傾向にある。また、G’(62)が4.4×10以下であることにより、耐ドリルビット折損性及び孔位置精度がより向上する傾向にある。
樹脂組成物層は、下記式(iii)で表される関係をさらに満たすことが好ましい。
0.005×10≦G’(70)≦80×10…(iii)
(上記式中、G’(70)は樹脂組成物の70℃におけるせん断貯蔵弾性率(単位:Pa)を示す。)
式(iii)はG’(70)の範囲を示すものである。G’(70)は、好ましくは0.005×10~80×10であり、より好ましくは0.020×10~40×10であり、さらに好ましくは0.150×10~10×10である。G’(70)が0.005×10以上であることにより、樹脂組成物層の屑の切削工具への巻き付きがより抑制される傾向にある。また、G’(70)が80×10以下であることにより、耐ドリルビット折損性及び孔位置精度より向上する傾向にある。
△G’の値は、G’(56)及びG’(62)の値を制御することにより、調整することができる。また、G’(56)、G’(62)、及びG’(70)は、用いる樹脂の種類及び含有量、並びに、充填材の種類及び含有量により、調整することができる。例えば、充填材を含む場合と含まない場合とで比較すると、充填材を含むことにより、全体的にせん断貯蔵弾性率が向上する。また、充填剤の含有量が多くなるにつれ、全体的にせん断貯蔵弾性率が向上するが、特に、高温側のせん断貯蔵弾性率の上昇率が高くなる傾向にある。また、充填剤の含有量を変えずにその粒子径を小さくすると、粒子径が大きい場合と比較して、全体的にせん断貯蔵弾性率が低くなるが、その低下率は高温側の方が高くなる傾向にある。
本実施形態においてせん断貯蔵弾性率の測定は、実施例に記載の方法により行うことができる。
〔樹脂組成物層の組成〕
樹脂組成物層を構成する成分としては、水溶性樹脂(A)が好ましく、必要に応じて、充填材(B)が含まれてもよい。以下、各成分について詳説する。
(水溶性樹脂(A))
水溶性樹脂(A)としては、その分子量の違いによりさらに、重量平均分子量が1.0×10~2.0×10である高分子水溶性樹脂、重量平均分子量が3.0×10~7.0×10である中分子水溶性樹脂、及び重量平均分子量が1.0×10~2.5×10である低分子水溶性樹脂に分類できる。高分子水溶性樹脂は、樹脂組成物層の成形性、せん断貯蔵弾性率の全体的な向上に寄与し、被切削物との密着性の向上と、それによる孔位置精度の向上に寄与し得る。また、中分子水溶性樹脂及び低分子水溶性樹脂は、潤滑性や、切削屑の排出性、孔位置精度の向上に寄与し得る。なお、本実施形態において、「水溶性」とは、25℃、1気圧において、水100gに対し、1g以上溶解する性質をいう。
水溶性樹脂(A)としては、特に制限されないが、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンのモノエーテル化合物、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリグリセリンモノステアレート化合物、及びポリオキシエチレンプロピレン共重合体からなる群より選択される1種類又は2種類以上が挙げられる。このような水溶性樹脂(A)を用いることにより、耐ドリルビット折損性及び孔位置精度がより向上し、巻き付きが抑制される傾向にある。
(高分子水溶性樹脂(a-1))
高分子水溶性樹脂(a-1)としては、特に制限されないが、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドが挙げられる。高分子水溶性樹脂(a-1)は、1種単独で用いてもよく、又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
高分子水溶性樹脂(a-1)の重量平均分子量は、1.0×10~2.0×10であり、好ましくは1.0×10~1.0×10であり、より好ましくは1.0×10~6.0×10である。高分子水溶性樹脂(a-1)の重量平均分子量が上記範囲内であることにより、耐ドリルビット折損性及び孔位置精度がより向上し、巻き付きが抑制される傾向にある。
高分子水溶性樹脂(a-1)の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対して、好ましくは3~15質量部であり、より好ましくは5~12質量部であり、さらに好ましくは7~10質量部である。高分子水溶性樹脂(a-1)の含有量が上記範囲内であることにより、樹脂組成物層の製膜性及び孔位置精度がより向上する傾向にある。
(中分子水溶性樹脂(a-2))
中分子水溶性樹脂(a-2)としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のグリコール化合物;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンのモノエーテル化合物;ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリグリセリンモノステアレート化合物、ポリオキシエチレンプロピレン共重合体などが挙げられる。このなかでも、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールが好ましい。中分子水溶性樹脂(a-2)は、1種単独で用いてもよく、又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
中分子水溶性樹脂(a-2)の重量平均分子量は、3.0×10~7.0×10であり、好ましくは3.0×10~3.0×10であり、より好ましくは3.0×10~1.0×10である。中分子水溶性樹脂(a-2)の重量平均分子量が上記範囲内であることにより、耐ドリルビット折損性及び孔位置精度がより向上し、巻き付きが抑制される傾向にある。
中分子水溶性樹脂(a-2)の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対して、好ましくは40~85質量部であり、より好ましくは55~85質量部であり、さらに好ましくは65~80質量部である。中分子水溶性樹脂(a-2)の含有量が上記範囲内であることにより、樹脂組成物層の及び孔位置精度がより向上する傾向にある。
(低分子水溶性樹脂(a-3))
低分子水溶性樹脂(a-3)としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のグリコール化合物;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンのモノエーテル化合物;ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリグリセリンモノステアレート化合物、ポリオキシエチレンプロピレン共重合体などが挙げられる。このなかでも、ポリオキシエチレンのモノエーテル化合物、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリグリセリンモノステアレート化合物、及びポリオキシエチレンプロピレン共重合体が好ましい。低分子水溶性樹脂(a-3)は、1種単独で用いてもよく、又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
低分子水溶性樹脂(a-3)の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対して、好ましくは3~25質量部であり、より好ましくは5~20質量部であり、さらに好ましくは10~20質量部である。低分子水溶性樹脂(a-3)の含有量が上記範囲内であることにより、樹脂組成物層の潤滑性及び孔位置精度がより向上する傾向にある。
(充填材(B))
充填材(B)としては、特に制限されないが、例えば、シリカ、タルク、カオリン、マイカ、ベーマイト、モリブデン化合物(二硫化モリブデン、酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛)が挙げられる。このなかでも、タルク及び/又は二硫化モリブデンが好ましい。このような充填材を用いることにより、耐ドリルビット折損性及び孔位置精度がより向上し、巻き付きが抑制される傾向にある。
充填材(B)のメディアン径(平均粒子径)は、好ましくは0.3μm以上10μm以下であり、より好ましくは0.3μm以上8μm以下であり、さらに好ましくは0.5μm以上6μm以下である。充填材(B)のメディアン径が上記範囲内であることにより、耐ドリルビット折損性及び孔位置精度がより向上し、巻き付きが抑制される傾向にある。ここで、メディアン径とは、例えば、レーザー回折法などの粒子径の測定方法で測定される、粒子径の累積分布曲線(個数基準)において、50%の高さとなる粒子直径(D50)のことである。
充填材(B)の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対して、好ましくは10~150質量部であり、より好ましくは30~125質量部であり、さらに好ましくは50~100質量部である。充填材(B)の含有量が上記範囲内であることにより、耐ドリルビット折損性及び孔位置精度がより向上し、巻き付きが抑制される傾向にある。
充填材(B)の形状は、特に制限されないが、例えば、板状であることが好ましい。シリコーンレジンパウダーなどの略球形を有するものと比較して、板状の充填材(B)は、せん断時の抵抗が大きくなる。そのため、充填剤(B)の含有量を上記範囲とすることにより、△G’等を本実施形態の範囲に調整することが可能となる。一方で、充填剤(B)の形状が球形に近いほど、せん断時の抵抗が小さく、△G’等を調整しにくい傾向にある。
このような観点から、充填材(B)としては板状を有するタルク及び/又は二硫化モリブデンが好ましく、これらの含有量を上記範囲とすることにより、耐ドリルビット折損性がさらに向上する傾向にある。
(その他の成分)
樹脂組成物層は、必要に応じて、添加剤を含有していてもよい。添加剤の種類は、特に限定されないが、例えば、表面調整剤、レベリング剤、帯電防止剤、乳化剤、消泡剤、ワックス添加剤、カップリング剤、レオロジーコントロール剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、光安定剤、ギ酸Naなどの核剤、熱安定化剤、および着色剤が挙げられる
樹脂組成物層の厚さは、ドリル孔あけ加工する際に使用するドリルビット径や、加工する孔あけ対象物(例えば、積層板または多層板などのプリント配線板材料)の構成などによって適宜選択される。このなかでも、樹脂組成物層の厚さは、好ましくは0.02~0.3mmであり、より好ましくは0.02~0.2mmであり、さらに好ましくは0.02~0.1mmである。樹脂組成物層の厚さが0.02mm以上であることにより、より十分な潤滑効果が得られ、ドリルビットへの負荷が軽減されるので、ドリルビットの折損をさらに抑制することができる傾向にある。また、樹脂組成物層の厚さが0.3mm以下であることにより、ドリルビットへの樹脂組成物の巻き付きを抑制することができる傾向にある。
〔金属箔〕
本実施形態のドリル孔あけ用エントリーシートに使用される金属箔は、特に限定されないが、上記樹脂組成物層との密着性が高く、ドリルビットによる衝撃に耐え得る金属材料であると好ましい。金属箔の金属種としては、入手性、コストおよび加工性の観点から、例えばアルミニウムが挙げられる。アルミニウム箔の材質としては、純度95%以上のアルミニウムが好ましい、そのようなアルミニウム箔としては、例えば、JIS-H4160に規定される、5052、3004、3003、1N30、1N99、1050、1070、1085、8021が挙げられる。金属箔にアルミニウム純度95%以上のアルミニウム箔を用いることによって、ドリルビットによる衝撃の緩和、およびドリルビット先端部との食いつき性が向上し、樹脂組成物によるドリルビットの潤滑効果と相俟って、加工孔の孔位置精度を一層高めることができる。
金属箔の厚さは、好ましくは0.05~0.5mmであり、より好ましくは0.05~0.3mmであり、さらに好ましくは0.05~0.2mmである。金属箔の厚さが0.05mm以上であることにより、ドリル孔あけ加工時の孔あけ対象物(例えば、積層板)のバリの発生をより抑制することができる傾向にある。また、金属箔の厚さが0.5mm以下であることにより、ドリル孔あけ加工時に発生する切り粉の排出がより容易になる傾向にある。
本実施形態のドリル孔あけ用エントリーシートを構成する各層の厚さは、次のようにして測定する。まず、クロスセクションポリッシャー(日本電子データム株式会社製、商品名「CROSS-SECTIONPOLISHERSM-09010」)、またはウルトラミクロトーム(Leica社製、品番「EMUC7」)を用いて、エントリーシートを、各層の積層方向に切断する。その後、SEM(走査型電子顕微鏡(ScanningElectronMicroscope)、KEYENCE社製品番「VE-7800」)を用いて、切断して現れた断面に対して垂直方向からその断面を観察し、構成する各層、例えば、金属箔及び樹脂組成物層の厚さを測定する。1視野に対して、5箇所の厚さを測定し、その平均値を各層の厚さとする。
〔ドリル孔あけ用エントリーシートの製造方法〕
本実施形態のドリル孔あけ用エントリーシートの製造方法は、特に限定されず、例えば、金属箔の少なくとも片面上に樹脂組成物層を形成して製造される。金属箔上に樹脂組成物層を形成させる方法は特に限定されず、公知の方法が使用できる。そのような方法としては、例えば、樹脂等を溶媒に溶解又は分散させた樹脂組成物の溶液を、コーティング法などの方法で、金属箔上に塗工して、更に乾燥させる及び/又は冷却固化させる方法が挙げられる。
コーティング法などによって、樹脂組成物の溶液を金属箔上に塗工して、乾燥させて樹脂組成物層を形成する場合、樹脂組成物の溶液に用いる溶媒は、水と水よりも沸点が低い溶媒とからなる混合溶液であることが好ましい。水と水よりも沸点が低い溶媒からなる混合溶液を用いることは、樹脂組成物層中の残留気泡の低減に寄与する。水よりも沸点が低い溶媒の種類は、特に限定されないが、例えば、エタノール、メタノールやイソプロピルアルコールなどのアルコール化合物が挙げられ、メチルエチルケトンやアセトンなどの低沸点溶剤も用いることが可能である。その他の溶媒として、水やアルコール化合物に樹脂組成物との相溶性が高いテトラヒドロフランやアセトニトリルを一部混合させた溶媒などを用いることが可能である。
〔ドリル孔あけ加工方法〕
本実施形態のドリル孔あけ加工方法は、上記ドリル孔あけ用エントリーシートを用いて、積層板又は多層板に孔を形成する孔形成工程を有する。また、そのドリル孔あけ加工に用いるドリルビットの直径(ドリルビット径)は、好ましくは0.10mmφ以下であり、より好ましくは0.080mmφ以下である。このようなドリルビットは、細いため特に折損しやすく、また、孔位置精度も必要とされる。これに対して、本実施形態のエントリーシートを用いることにより、特に、耐ドリルビット折損性及び孔位置精度、並びに、樹脂組成物層の屑の切削工具への巻き付きの抑制効果がより効果的に発揮される。なお、直径0.30mmφ超のドリルビットを用いるドリル孔あけ加工に、本実施形態のドリル孔あけ用エントリーシートを採用しても問題ない。
本実施形態のドリル孔あけ用エントリーシートは、例えば、プリント配線板材料、より具体的には、積層板又は多層板をドリル孔あけ加工する際に好適に用いることができる。具体的には、積層板又は多層板を1枚又は複数枚重ねたもの(プリント配線板材料)の少なくとも最上面に、金属箔側がプリント配線板材料に接するようにドリル孔あけ用エントリーシートを配置し、そのエントリーシートの上面(樹脂組成物層側)から、ドリル孔あけ加工を行うことができる。
以下に、本発明の実施例の効果を、本発明の範囲から外れる比較例と比較して説明する。
<せん断貯蔵弾性率>
実施例及び比較例における樹脂組成物層のせん断貯蔵弾性率は、TAインスツルメンツ社製の動的粘弾性測定装置「DISCOVER HR-2」を用いて測定した。以下に測定試料の準備方法について記載する。実施例1に記載の方法で作製したドリル孔あけ用エントリーシートを、170℃で樹脂組成物層を軟化させて樹脂組成物層のみを取り出した後に、冷却し固化させたものを測定試料とした。また動的粘弾性測定装置の測定前準備方法として、前記動的粘弾性測定装置の測定台上に測定試料を設置し、測定台を170℃に加温した後、動的粘弾性測定装置付属の直径20mmパラレルプレートと測定台とで、該パラレルプレートと測定台間のギャップが0.2mmとなるまで樹脂組成物層を挟み込み、測定台を30℃まで冷却し温度が安定した後に測定した。測定条件として下記測定条件にて測定を行った。
〔測定条件〕
モード :せん断モード
昇温速度 :10℃/分
温度範囲 :30~150℃
周波数 :1.0Hz
歪 :0.01%
〔孔位置精度、平均折損孔数(耐ドリルビット折損性)の評価における加工条件〕
厚さ0.04mmの銅張積層板(商品名:HL832NS-L、銅箔厚さ5μm、両面板、三菱ガス化学株式会社製)を6枚積み重ねた銅張積層板の上面に、実施例及び比較例で作製したドリル孔あけ用エントリーシートをその樹脂組成物層側が上面になるように配置し、積み重ねた銅張積層板の最下板の裏面(下面)に厚さ1.5mmの当て板(紙フェノール積層板PS1160-G、利昌株式会社製)を配置した。そして、0.060mmφドリルビット(ユニオンツール株式会社製)5本を用いて、下記加工条件でドリルビット1本につき10,000孔の設定で、下記の条件で各ドリルビットが折損するまで孔あけ加工を行った。
回転数 :330,000rpm
送り速度 :2.94m/min
ドリルビット1本の孔あけ回数:10,000孔設定
〔孔位置精度の評価方法〕
ドリル1本分の加工孔につき、積み重ねた銅張積層板の最下板の裏面(下面)における孔位置と指定座標とのズレを、ホールアナライザー(型番:HA-1AM、日立ビアメカニクス株式会社製)を用いて測定した。ドリルビット1本分ごとに、そのズレについて、平均値及び標準偏差(σ)を計算し、「平均値+3σ」を算出した。その後、ドリル孔あけ加工全体の孔位置精度として、使用した5本のドリルビットについてそれぞれの「平均値+3σ」の値に対する平均値を算出し、下記評価基準により孔位置精度を評価した。孔位置精度の算出に用いた式は、下記のとおりである。
Figure 0007129030000001
(3)
(ここで、nは使用したドリルビットの本数を示す。)
(評価基準)
5:孔位置精度が、15μm未満
4:孔位置精度が、15μm以上17μm未満
3:孔位置精度が、17μm以上25μm未満
2:孔位置精度が、25μm以上35μm未満
1:孔位置精度が、35μm以上
〔平均折損孔数(耐ドリルビット折損性)の評価方法〕
前記加工条件にて、各ドリルビットが折損するまでの孔あけ回数をカウントし、5本の平均値を算出し、得られた平均値(平均折損孔数)に基づき、下記基準により耐ドリルビット折損性を評価した。
(評価基準)
5:平均折損孔数が、8000以上
4:平均折損孔数が、7000以上8000未満
3:平均折損孔数が、6000以上7000未満
2:平均折損孔数が、5000以上6000未満
1:平均折損孔数が、5000未満
〔巻き付き〕
厚さ0.06mmの銅張積層板(商品名:HL832NS-L、銅箔厚さ3μm、両面板、三菱ガス化学株式会社製)を8枚積み重ねた銅張積層板の上面に、実施例及び比較例で作製したドリル孔あけ用エントリーシートをその樹脂組成物層側が上面になるように配置し、積み重ねた銅張積層板の最下板の裏面(下面)に厚さ1.5mmの当て板(紙フェノール積層板SPB-W、日本デコラック株式会社製)を配置した。そして、0.080mmφドリルビット(商品名:KMWM476EWU、ユニオンツール株式会社製)3本を用いて、下記条件でドリルビット1本につき10,000孔、計30,000孔のドリル孔あけ加工を行った。
回転数 :280,000rpm
送り速度 :1.4m/min
ドリルビット1本の孔あけ回数:10,000孔
回収したドリルビットを、倍率100倍の顕微鏡にて観察した。ドリルビットに樹脂組成物層の屑が巻き付いた状態の部分について、ドリルビット径方向で最も大きな径(以下、「加工屑巻き付きの最大径」という。)を求め、下記基準により巻き付きを評価した。
(評価基準)
3:樹脂組成物層の巻き付きの最大径が、ドリルビット径の1.2倍未満
2:樹脂組成物層の巻き付きの最大径が、ドリルビット径の1.2倍以上2.0倍未満
1:樹脂組成物層の巻き付きの最大径が、ドリルビット径の2.0倍以上
<原材料>
表1に、実施例及び比較例のドリル孔あけ用エントリーシートの製造に用いた原材料を示した。
Figure 0007129030000002
〔実施例1〕
高分子水溶性樹脂(a-1)として重量平均分子量560,000のポリエチレンオキサイド(明成化学工業株式会社製、アルコックスE-45)8質量部と、中分子水溶性樹脂(a-2)として重量平均分子量3,300のポリエチレングリコール(三洋化成工業株式会社製、PEG4000S)77質量部と、低分子水溶性樹脂(a-3)として重量平均分子量1,540のポリエチレングリコ-ル-モノステアリン酸エステル(日油株式会社製、ノニオンS15.4)15質量部とを、樹脂組成物溶液の固形分濃度が30%となるように水/メタノール混合溶媒に溶解させた。水/メタノール混合溶媒の混合割合は50/50とした。この樹脂組成物溶液をアルミニウム箔(使用アルミニウム箔:JIS-A1100H、厚さ0.07mm、三菱アルミニウム株式会社製)の片面に、バーコーターを用いて乾燥後の樹脂組成物の層の厚さが50μmとなるように塗布し、乾燥機にて90℃、5分間乾燥させ、常温まで冷却して、ドリル孔あけ用エントリーシートを作製した。
<実施例2~6、比較例1~4>
用いた原料を表2に示す通りに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ドリル孔あけ用エントリーシートを作製した。
表2に各評価結果を示し、図1に実施例2、3及び5、並びに、比較例1、2、及び3のせん断貯蔵弾性率の測定結果を示す。
Figure 0007129030000003
本出願は、2018年3月30日に日本国特許庁へ出願された日本特許出願(特願2018-69169)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明は、積層板や多層板のドリル孔あけ加工等の際に使用されるドリル孔あけ用エントリーシートとして産業上の利用可能性を有する。特に、本発明によれば、従来のドリル孔あけ用エントリーシートに比べて、孔位置精度に優れ、金属箔と樹脂組成物層との剥離によるドリル折損が少なく、従来必要であった接着層が不要なため経済性にも優れたドリル孔あけ用エントリーシートを提供できる。

Claims (9)

  1. 金属箔と、該金属箔上の少なくとも片面に形成された樹脂組成物層と、を有し、
    該樹脂組成物層のせん断貯蔵弾性率が、下記式(i)、(ii)で表される関係を満たす、
    ドリル孔あけ用エントリーシート。
    -3.0≦△G’≦-1.0…(i)
    4.5×10≦G’(56)≦100×10…(ii)
    (上記式中、△G’=log10(G’(62))-log10(G’(56))であり、G’(56)、G’(62)は、それぞれ、前記樹脂組成物の56℃、62℃におけるせん断貯蔵弾性率(単位:Pa)を示す。)
  2. 前記樹脂組成物層が、下記式(iii)で表される関係をさらに満たす、
    請求項1に記載のドリル孔あけ用エントリーシート。
    0.005×10≦G’(70)≦80×10…(iii)
    (上記式中、G’(70)は前記樹脂組成物の70℃におけるせん断貯蔵弾性率(単位:Pa)を示す。)
  3. 前記樹脂組成物が、水溶性樹脂(A)を含有する、
    請求項1又は2に記載のドリル孔あけ用エントリーシート。
  4. 前記樹脂組成物が、充填材(B)を含有する、
    請求項1~3のいずれか一項に記載のドリル孔あけ用エントリーシート。
  5. 前記充填材(B)が、タルク及び/又は二硫化モリブデンである、
    請求項4に記載のドリル孔あけ用エントリーシート。
  6. 前記水溶性樹脂(A)が、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンのモノエーテル化合物、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリグリセリンモノステアレート化合物、及びポリオキシエチレンプロピレン共重合体からなる群より選択される1種類又は2種類以上である、
    請求項3~5のいずれか一項に記載のドリル孔あけ用エントリーシート。
  7. 前記樹脂組成物層が、0.02~0.3mmの範囲の厚さを有する、
    請求項1~6のいずれか一項に記載のドリル孔あけ用エントリーシート。
  8. 前記金属箔が、0.05~0.5mmの範囲の厚さを有する、
    請求項1~7のいずれか一項に記載のドリル孔あけ用エントリーシート。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載のドリル孔あけ用エントリーシートを用いて、積層板又は多層板に孔を形成する孔形成工程を有する、
    ドリル孔あけ加工方法。
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