JP4644414B2 - 着色された孔あけ用滑剤シート - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、プリント配線板を製造する際に銅張板の表面に配置して金属ドリルで孔あけする時に使用する滑剤シートに関するものであり、これを用いて得られた貫通孔は主として小型プリント配線板のスルーホールとして使用され、小径スルーホールを有する半導体プラスチックパッケージ、マザーボード等として使用される。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体プラスチックパッケージ等に用いられる高密度のプリント配線板は、スルーホール用の貫通孔を金属ドリルであけていた。近年、ますますドリルの径は小径となり、孔径は0.315mm以下となってきており、このような小径の孔をあける場合、アルミニウム箔単体が使用されていたが、これではドリルの摩耗を少なくできない、孔位置精度が向上しない、孔壁粗さが大きい等の問題が発生してきている。これに対応して、近年はアルミニウム等の金属箔の片面に滑剤樹脂を付着させて使用し、ドリルの寿命長期化、孔位置精度の向上、孔壁の粗さの改善を行うようになってきている。この改善において、金属箔の片面に樹脂組成物層を厚さ0.1〜3.0mm付着させる(例えば、特許文献1参照。)が、樹脂が透明なものを使用しており、更に樹脂層厚みが薄い場合、滑剤シート使用時に銅張板の最上面に置く時に、本来は滑剤樹脂が付着した面を上にして配置するのを裏返しに使用する問題が多発してきており、これによって孔品質が悪いものが発生していた。
【0003】
【特許文献1】
特開平5-169400号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の問題点を解決した、樹脂組成物中に好ましくはノンハロゲンの水溶性の着色剤を添加して滑剤シートの表裏が明確にわかるようにする。
【0005】
【発明が解決するための手段】
本発明は、以上の問題点を解決するために、金属箔の片面に樹脂組成物層が付着した積層板又はプラスチック板の孔あけ用滑剤シートにおいて、滑剤樹脂組成物に好適にはノンハロゲンの着色剤を配合して表裏を明確にし、孔あけ時の配置間違いをなくす。又、ノンハロゲンの着色剤を配合することにより、環境に優しい孔あけ用滑剤シートを得ることができる。加えて滑剤樹脂層は水に溶解しない樹脂を使用するものもあるが、アルミニウムのリサイクル上、更に樹脂が銅張板に付着した場合に容易に溶解できるように水溶性の樹脂を使用するものが多く、この場合は該着色剤が水溶性のものを好適に使用する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、金属箔の少なくとも片面に着色剤入り樹脂組成物樹脂層を付着した孔あけ用滑剤シートに関し、好適にはノンハロゲン着色剤を使用した滑材シートであり、表裏の区別を明確にした孔あけ用滑材シートに関するものである。本発明の滑材シートの樹脂は一般に公知のものが使用される。これは一般の熱硬化性樹脂を使用したもの、水溶性樹脂を使用したもの等があり、それぞれの樹脂の種類に応じて着色料を選択し、添加する。孔あけした貫通孔内に残存しないためには、水溶性樹脂を使用した滑材シートが好適に使用される。この水溶性樹脂は、仮に孔内に残存しても温水で洗浄することにより溶解除去でき、孔の信頼性に優れたものが得られる。
【0007】
本発明で使用する滑材シートに使用する樹脂は特に限定はなく、例えば特開平13-347493号等に示される熱硬化製樹脂、特開平13-146600号、特開平13-347602号等に示される熱可塑性樹脂、特開平5-16940号、特許第2855819号、特許第2855820号、特許第2855821号、特許第2855823号、特許第2855824号、特許第2828129号、特許第3169026号等に使用されている水溶性樹脂等が使用できる。更に公知に熱硬化性樹脂組成物、熱可塑性樹脂組成物、光硬化性、その他の樹脂組成物が使用でき、又これらの混合物も使用できる。この樹脂組成物中には各種添加剤が添加可能であり、具体的には、各種有機、無機充填剤等が目的に合わせて適宜添加されている。又、金属箔と密着力を高めるために、金属箔の上に薄いプライマー層を付着し、その上に滑剤樹脂層を付着させることも可能である。
【0008】
本発明の着色剤は、一般に公知の有機、無機顔料又は染料が使用できる。具体的には、有機顔料としては、レーキレッド、ハンザイエロー、β-ナフトール、ナフトールAS、ベンズイミダゾロン、ジスアゾイエロー、ピラゾロン等のアゾ系顔料、フタロシアニン、キナクリドン、ジオキサジン、ペリレン、チオインジゴ、アンサンスロン、イソインドリン、イソインドリノン、インダンスレン、キノフタロン、金属錯体、ピロロピロール、等の多環式顔料が、フタロシアニングリーン、銅フタロシアニンブルー、ニッケルフタロシアニンブルー、アルミフタロシアニンブルー、アルカリブルー、スカイブルー、紺青、群青、インジゴ、モノアゾイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、アントラキノンイエロー挙げられ、1種或いは2種以上が組み合わせて目的とする色調として使用される。
【0009】
有機染料としては、食用色素が好適に使用される。これは殆どが水溶性であり、毒性が極めて低く、この点からも好ましい。具体的には、1H-ピラゾール-3-カルボン酸,4,5-ジハイドロ-5-オキシ-1-(4-スルホニル)-4-[(4-スルホニル)アゾ]-, トリナトリウム塩(黄色4号)、2-ナフタレンスルホン酸,6-ヒドロキシ-5-[(4-スルホニル)アゾ]-, ジナトリウム塩(黄色5号)等の黄色色素類;2,7-ナフタレンジスルホン酸,3-ヒドロキシ-4-[(4-スルホ-1-ナフタレン)アゾ]- , トリナトリウム塩(赤色2号)、スピロ-[イソベンゾフラン- 1(3H), 9' - [9H]キサントン]-3-ワン-3',6' - ジヒドロキシ- 2',4',5',7'-テトライオド-、ジナトリウム塩(赤色3号)、6-ヒドロキシ- 5-[(2-メトキシ- 5-メチル-4-スルホフェニル)アゾ]-2-ナフタレンスルホン酸ジナトリウム塩(赤色40号)、1,3-ナフタレンジスルホン酸, 7-ヒドロキシ-8-[(4-スルホ-1-ナフタレン)アゾ]-, トリナトリウム塩(赤色102号)、スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),9-[9H]キサンセン]-3-ワン,2',4',5',7'-テトラブロム-4,5,6,7- テトラコロロ-3', 6'-ジヒドロキシ-, ジナトリウム塩(赤色104号)、スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),9'-[9H]キサンセン]-3- ワン,4,5,6,7-テトラクロロ-3',6'-ジヒドロキシ-2',4',5',7'-テトライオド-,ジカリウム塩(赤色105号)等の赤色色素類;ベンゼンメタナミニウム,N-エチル-N-[4-[[4-[エチル[(3-スルフェニル)メチル]アミノ]フェニル](2-スルホフェニル)メチレン]-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリジン]-3-スルホ-,ヒドロキシド,分子内塩,ジナトリウム塩(青色1号)、1H-インドール-5-スルホン酸, 2-(1,3-ジヒロドキシ-3-オキソ-5-スルホ-2H-インドール-2-イリジン)-2,3-ジハイドロ-3-オキソ-,ジナトリウム塩類等の青色色素類が挙げられる。これらの着色剤はハロゲン含有物、ノンハロゲンのものいずれも使用可能であるが、この中でも、環境面からはハロゲンを含まない顔料が好ましい。又、水溶性のものが孔部に残存した場合に温水で洗浄除去できるので好ましい。添加量は特に限定はないが、好適には樹脂中の0.1〜5重量%を添加する。
【0010】
無機顔料としては、酸化チタン等が挙げられる。もちろん、有機、無機顔料の混合物も使用し得る。又、公知の染料も使用できる。
【0011】
金属箔の片面或いは両面に樹脂層を形成しても良い。金属箔の両面に樹脂層を形成した場合、片面だけ着色する方法、両面それぞれ色調の異なる着色剤を配合する等の方法で表裏の区別ができるようにする。
【0012】
もちろん、(1)滑剤樹脂として、水溶性でない熱硬化性樹脂及び/又は熱可塑性樹脂を使用し、着色剤は水溶性でないもの又は水溶性のものを使用する方法、(2)滑剤樹脂として、水溶性樹脂を使用し、これに好ましくは水溶性着色剤を添加するが、水溶性でない着色剤も使用可能である。(3)滑剤樹脂として、これらの樹脂の混合物を使用し、着色剤は水溶性でないもの又は水溶性のものを使用する方法等、いろいろな組み合わせが考えられ、限定するものではない。しかしながら、使用後の金属箔の回収、リサイクル等の点からは水溶性樹脂と水溶性着色剤の組み合わせが好ましい。本発明でノンハロゲンとは、JPCA規格(JPCA-ES-01-1999)記載の測定法で塩素、臭素それぞれのハロゲン含有量が0.09%(900ppm)以下のものを言う。
【0013】
これらの顔料、染料を樹脂と混合する方法は公知の方法が使用し得る。上記顔料、染料と樹脂からなる組成物層を作製する方法は、特に限定しないが、例えばニーダー等で無溶剤にて高温で練り、シート状に押し出す方法、溶剤或いは水に溶解する樹脂組成物を用い、これに粉体を加え、均一に攪拌混合し、塗料として金属箔表面に塗布、乾燥して皮膜とする方法、スプレーで金属箔面に直接吹きかける方法、フィルムに塗布、乾燥してシート状にする方法、有機、無機基材に含浸、乾燥して基材入りシートとする方法等、一般に公知の方法が使用し得る。顔料は微粒子のものを使用し、滑剤樹脂組成物中に分散或いは溶解して使用する。染料は溶剤及び/又は水に溶解或いは分散させて滑剤樹脂に添加するか、滑剤樹脂組成物中に直接添加して分散或いは溶解して使用する。滑剤樹脂層の厚さは、特に限定はないが、好適には5〜100μmとなるようにする。
【0014】
滑剤樹脂組成物を塗布する金属箔は、特に制限はなく、例えば上記特許で使用されているものが使用され得る、好適には厚さ50〜500μm、更に好適には80〜200μmの硬質、軟質、焼鈍、又はこの組み合わせのアルミニウム箔(特開平11-48196号等)が使用される。具体的には、硬質アルミニウム、軟質アルミニウム、焼鈍アルミニウム、高純度アルミニウム、軟鉄、ニッケル、銅等、及びそれらの合金が使用できる。価格、作業性等の点から、好適にはアルミニウム類を使用する。金属箔表面はプライマー処理を行っていても良い。更にアルミニウムの表面を物理的、化学的処理等の公知の方法で好ましくは0.5〜3μmの凹凸を付けたものも使用される。
【0015】
本発明の滑剤シートは、積層板又はプラスチック板の少なくとも最上面に配置し、該最上面側から金属ドリルで孔あけを行う。この孔あけに使用する積層板又はプラスチック板は、銅箔を張っていない積層板、片面或いは両面に銅箔を張った銅張積層板、これを用いて得られた多層板、銅張フレキシブルシート、リジットフレキ板、ポリカーボネート板、アクリル板等が挙げられる。
【0016】
本発明で使用する積層板は一般に公知のものが使用される。基材としては、一般に公知の無機、有機の繊維の織布、不織布が使用できる。具体的には、無機繊維としては、E、A、C、L、M、S、D、N、C、NE、クオーツ、高誘電率セラミック等が挙げられ、単独或いは、混抄で用いられる。有機繊維としては、全芳香族ポリアミド、液晶ポリエステル等が挙げられる。もちろん、無機、有機繊維の混抄基材も使用できる。
【0017】
本発明で積層板に使用される熱硬化性樹脂組成物の樹脂としては、一般に公知の熱硬化性樹脂が使用される。具体的には、エポキシ樹脂、多官能性シアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミドーシアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミド樹脂、不飽和基含有ポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられ、1種或いは2種類以上が組み合わせて使用される。孔形状の点からは、炭酸ガスレーザーでは耐熱性の高い、ガラス転移温度150℃以上の樹脂組成物が好ましい。更に無機充填剤を配合するのが好ましい。耐熱性、耐湿性、耐マイグレーション性、吸湿後の電気的特性等の点から多官能性シアン酸エステル樹脂組成物が好適である。
【0018】
本発明の好適な熱硬化性樹脂分である多官能性シアン酸エステル化合物とは、分子内に2個以上のシアナト基を有する化合物である。具体的に例示すると、1,3-又は1,4-ジシアナトベンゼン、1,3,5-トリシアナトベンゼン、1,3-、1,4-、1,6-、1,8-、2,6-又は2,7-ジシアナトナフタレン、1,3,6-トリシアナトナフタレン、4,4-ジシアナトビフェニル、ビス(4-ジシアナトフェニル)メタン、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジブロモー4-シアナトフェニル)プロパン、ビス(4-シアナトフェニル)エーテル、ビス(4-シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4-シアナトフェニル)スルホン、トリス(4-シアナトフェニル)ホスファイト、トリス(4-シアナトフェニル)ホスフェート、およびノボラックとハロゲン化シアンとの反応により得られるシアネート類などである。
【0019】
これらのほかに特公昭41-1928、同43-18468、同44-4791、同45-11712、同46-41112、同47-26853及び特開昭51-63149等に記載の多官能性シアン酸エステル化合物類、シアナト化ポリフェニレンエーテル樹脂等も用いられ得る。また、これら多官能性シアン酸エステル化合物のシアナト基の三量化によって形成されるトリアジン環を有する分子量400〜6,000 のプレポリマーが使用される。このプレポリマーは、上記の多官能性シアン酸エステルモノマーを、例えば鉱酸、ルイス酸等の酸類;ナトリウムアルコラート等、第三級アミン類等の塩基;炭酸ナトリウム等の塩類等を触媒として重合させることにより得られる。このプレポリマー中には一部未反応のモノマーも含まれており、モノマーとプレポリマーとの混合物の形態をしており、このような原料は本発明の用途に好適に使用される。一般には可溶な有機溶剤に溶解させて使用する。
【0020】
エポキシ樹脂としては特に制限はなく、一般に公知のものが使用できる。具体的には、液状或いは固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂;ブタジエン、ペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、ジシクロペンチルエーテル等の二重結合をエポキシ化したポリエポキシ化合物類;ポリオール、水酸基含有シリコン樹脂類とエポハロヒドリンとの反応によって得られるポリグリシジル化合物、エポキシ化ポリフェニレンエーテル樹脂類等が挙げられる。これらは1種或いは2種類以上が組み合わせて使用され得る。
【0021】
ポリイミド樹脂としては、一般に公知のものが使用され得る。具体的には、多官能性マレイミド類とポリアミン類との反応物、特公昭57-005406 に記載の末端三重結合のポリイミド類が挙げられる。
【0022】
これらの熱硬化性樹脂は、単独でも使用されるが、特性のバランスを考え、適宜組み合わせて使用するのが良い。
【0023】
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、組成物本来の特性が損なわれない範囲で、所望に応じて種々の添加物を配合することができる。これらの添加物としては、不飽和ポリエステル等の重合性二重結合含有モノマー類及びそのプレポリマー類;ポリブタジエン、エポキシ化ブタジエン、マレイン化ブタジエン、ブタジエン-アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ブタジエン-スチレン共重合体、ポリイソプレン、ブチルゴム、フッ素ゴム、天然ゴム等の低分子量液状〜高分子量のelasticなゴム類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ-4-メチルペンテン、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、スチレン-イソプレンゴム、ポリエチレン-プロピレン共重合体、4-フッ化エチレン-6-フッ化エチレン共重合体類;ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド等の高分子量プレポリマー若しくはオリゴマー;ポリウレタン等が例示され、適宜使用される。また、その他、公知の有機、無機の充填剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、光増感剤、難燃剤、光沢剤、重合禁止剤、チキソ性付与剤等の各種添加剤が、所望に応じて適宜組み合わせて用いられる。必要により、反応基を有する化合物はその硬化剤、触媒が適宜配合される。
【0024】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、それ自体は加熱により硬化するが硬化速度が遅く、作業性、経済性等に劣るため使用した熱硬化性樹脂に対して公知の熱硬化触媒を用い得る。使用量は、熱硬化性樹脂100重量部に対して0.005〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。
【0025】
基材補強銅張積層板は、まず上記基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸、乾燥させてBステージとし、プリプレグを作製する。次に、このプリプレグを所定枚数用い、上下に銅箔を配置して、加熱、加圧下に積層成形し、両面銅張積層板とする。
【0026】
ポリイミドフィルム等の銅張板は、ポリイミドフィルム基材等に接着剤を使用して銅箔を接着するか、或いは直接銅層を付着させる一般に公知の方法で作製される。
【0027】
熱可塑性樹脂は、一般に公知のものが使用される。具体的には、ポリカーボネート板、ポリフェニレンエーテル板等があるが、基材補強の有るもの、無いものいずれも使用可能である。プリント配線板とする場合、熱加工の点からは熱硬化性樹脂の方が好ましい。
【0028】
【実施例】
以下に実施例、比較例で本発明を具体的に説明する。尚、特に断らない限り、『部』は重量部を表す。
(実施例1)
滑剤用樹脂として分子量50万のポリエチレンオキサイド 35部、分子量900のポリグリセリンモノステアレート 65部を用い、ハロゲンを含まない青色の水溶性染料(食用色素青色1号)を1部添加し、これらを130℃のニーダーを用いて窒素ガスシール下に1時間混練して粘度16万ポイズの混合物を得た。これを用い、130℃の加熱ロールを通して厚さ0.05mmのシートAを得た。
【0029】
一方、厚さ100μmの硬質アルミニウム箔の片面に、分子量 20,000〜25,000、800ポイズ(at200℃)である末端水酸基の飽和ポリエステル樹脂10部とヘキサメチレンジイソシアネート 3部とをトルエン/メチルエチルケトン=3/1の混合溶剤に溶解して濃度10wt%とした後、この溶液を塗布し、100℃で1時間乾燥して厚さ5μmの皮膜を形成した。上記で得た皮膜形成アルミニウム箔の皮膜の上に上記シートAを重ね、熱ロールで圧着して一体化し、片面青色着色した滑剤シートBを得た。表裏の区別は明白である。この滑剤シートBを厚さ1.6mmのビスマレイミド-多官能性シアン酸エステル樹脂系6層板2枚の上側に滑剤樹脂層が上を向くように配置し、下側には厚さ1.6mmの紙フェノール積層板を配置し、ドリルビット0.25mmφ、回転数15万r.p.m.、送り速度25μm/rev.にて孔あけを行い、孔の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0030】
(実施例2)
ポリビニルアセタール樹脂200部、エポキシ樹脂400部、フェノール樹脂400部に潤滑剤としてポリエチレングリコール10部を加え、更にこれに着色剤として食用色素黄色5号)を2部添加した熱硬化成樹脂組成物を厚さ100μmとなるように、厚さ100μmで両面凹凸(凹凸平均1.6μm、Max.2.7μm)硬質アルミニウム箔の片面に張り合わせて孔あけ用滑剤シートを作製した。厚さ1.6mmのガラスエポキシ銅張り積層板を2枚重ね、この最上層に上記孔あけ滑剤シートを、樹脂層が上側を向くように配置し、裏面には厚さ1.5mmの紙基材フェノール樹脂積層板を置き、ドリル径300μm、回転数8万r.p.m.、送り速度20μm/rev.にて孔あけを行い、孔の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0031】
(比較例1、2)
実施例1、2において、着色剤を使用せずに、滑剤シートをアルミニウムが上を向く配置で孔あけを同一の条件で行った。評価結果を表1に示す。
【0032】
(比較例3)
実施例1において、滑剤シートを使用せずに同一条件で孔あけを行い、評価を実施した。評価結果を表1に示す。
【0033】
(比較例4)
実施例1において、アルミニウム箔だけを使用して同一条件で孔あけを行った。評価結果を表1に示す。
【0034】
【0035】
<測定方法>
1) ハロー : 3000ヒット孔あけ後、6層板を4N-HCl に25℃で5分間浸漬し、内層のブラックオキサイド部に発生したハロー発生の最大距離を測定した。
2)スミア : 孔あけ2000,5000ヒット後の10孔のスミア発せ状況を孔断面で観察した。10孔の平均値であり、( )内は最低点を示した。評価方法は、スミア0を10点、全スミアを0点として評価した。
3)孔位置精度及び孔壁粗度 : 2枚重ねの6層板の下側の6層板について、3000ヒット後の孔位置の設定位置とのズレを測定し、その最大値を示した。又、孔壁の粗度も3000ヒット後の孔10孔の孔壁の粗さを測定し、最大値を示した。
4)表裏識別 : 滑剤シートの表裏を目視で観察した。
【0036】
【発明の効果】
本発明の滑剤シートを用いることにより、表裏の間違いもなく配置でき、水溶性樹脂を使用したものは孔壁に樹脂が付着した場合にもその後の工程で水洗除去でき、工業的に実用性の高いものが得られた。
Claims (3)
- 金属箔の少なくとも片面に樹脂組成物層が付着した積層板又はプラスチック板の孔あけ用滑剤シートの樹脂組成物に水溶性着色剤を配合し、樹脂組成物層の厚さを5〜100μmとし、その樹脂組成物層の側を上に向けて配置して穿孔することを特徴とする着色された孔あけ用滑剤シート。
- 該着色剤がノンハロゲンの着色剤である請求項1に記載の着色された孔あけ用滑剤シート。
- 該滑剤シートの樹脂が水溶性樹脂である請求項1または2に記載の着色された孔あけ用滑剤シート。
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