JP2006181116A - ヘッドレストの高さ調整装置及び該装置を備えた子供座席 - Google Patents

ヘッドレストの高さ調整装置及び該装置を備えた子供座席 Download PDF

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Abstract

【課題】ヘッドレストの高さ調整をワンタッチで平行姿勢(傾きのない状態)で安定状態に固定できるヘッドレストの高さ調整装置。
【解決手段】ガイド部とヘッドレストのステム部との間には、スライド方向に沿って平行に配置された一対の係止レール30、30と、該一対の係止レール30、30間に設置され長径部31aと短径部31bとを有する回転カム31と、該回転カム31と前記一対の係止レール30、30との間で回転カム31の外周を取り巻くように設置された押圧部材32とからなる高さ調整機構33が設置されており、該高さ調整機構33は、1個の調整ハンドルの回動操作により、回転カム31の長径部31aで押圧部材32を回転カム31の両側に拡張して前記一対の係止レール30、30に圧接係止させ、また、回転カム31の短径部31bで押圧部材32による前記一対の係止レール30、30への圧接係止を解除させるように構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ヘッドレストの高さ調整装置及び該装置を備えた子供座席に関するものである。なお、本発明において、ヘッドレストとは、座席の背凭れの上部に設けられる部材であって、後頭部を支持する部材に限らず、背凭れを上下に分割し下部背凭れに対して上部背凭れを高さ調整可能にした場合の上部背凭れをも含むものである。
従来、子供座席の背凭れの上部にヘッドレストを高さ調整可能とする装置として、上下方向のガイド部材に対してヘッドレストを左右2カ所でクランプ部材を介してネジとナットで締結するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
登録実用新案第3058842号公報
上記従来の装置では、ヘッドレストの高さ調整時、左右2カ所のネジとナットを別々に回動操作して締結を解除し、ヘッドレストの高さを所望高さに片手で保持して他方の手で一方のネジを締め、次に、他方のネジを締めることになるため、調整操作に手間がかかるだけでなく、ヘッドレストがガイド部の摺動スキマ分だけガタツキを生じるため斜めに傾いた状態(偏倚状態)で係止される場合が多くなる等の問題があった。
また、ヘッドレストのステム部を背凭れのガイド溝に対して1個の調整ハンドルで締め付けて所望高さに固定させるものも椅子等に採用されているが、この場合では、調整ハンドルがネジ軸で構成され、このネジ軸をガイド溝に設けたネジ穴内で移動させてネジ軸先端をヘッドレストのステム部に押し付けて摩擦力で止める構造であるため、ヘッドレストを1点で止めているだけとなり、ヘッドレストの係止が不安定となるのみならず、傾いて係止される場合があり、ガタツキも生じ易い等の問題があった。
そこで、本発明は、ヘッドレストの高さ調整をワンタッチで平行姿勢(傾きのない状態)で安定状態に固定できるようにしたヘッドレストの高さ調整装置及び該装置を備えた子供座席を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために本発明は、背凭れ部となる部材と、この部材に形成されたガイド部に沿ってヘッドレストのステム部が上下方向にスライド可能に装着されたヘッドレストにおいて、
前記ガイド部とヘッドレストのステム部との間には、
スライド方向に沿って平行に配置された一対の係止レールと、
該一対の係止レール間に設置され長径部と短径部とを有する回転カムと、
該回転カムと前記一対の係止レールとの間で回転カムの外周を取り巻くように設置された押圧部材とからなる高さ調整機構が設置されており、
該高さ調整機構は、1個の調整ハンドルの回動操作により、回転カムの長径部で押圧部材を拡張して前記一対の係止レールに圧接係止させ、また、回転カムの短径部で押圧部材による前記一対の係止レールへの圧接係止を解除させるように構成されていることを特徴としている。
上記構成によれば、ヘッドレストの高さを調整する場合、1個の調整ハンドルを片方の手で回して回転カムの短径部で押圧部材による一対の係止レールへの圧接係止を一旦解除し、他方の手でヘッドレストを所望の高さに引き上げ(又は、引き下げ)て保持し、その状態で前記片方の手で調整ハンドルを回して回転カムの長径部で押圧部材を一対の係止レールに圧接係止させることができる。この場合、1個の調整ハンドルを回すだけでよいため、ヘッドレストの高さ調整操作が容易であり、しかも、回転カムで押圧部材を拡張して一対の係止レールに圧接係止させているため、ヘッドレストの係止が2カ所で同時に行われ、安定した係止保持ができ、ガタツキを少なくすることができる。
前記一対の係止レールは、押圧部材の圧接面に係止用凹凸部をスライド方向に沿って連続的かつ対峙して形成された歯形部材で構成されており、
前記押圧部材は、回転カムの外周を取り巻く弾性変形可能な円弧状腕部を有し該円弧状腕部の外周に前記係止用凹凸部に係脱する一対の係止部が対設されていることを特徴としている。
上記構成によれば、押圧部材の一対の係止部を一対の係止レールの係止用凹凸部に係止させてヘッドレストの係止を行うことができるため、ヘッドレストの係止保持が一層安定する。しかも、一対の係止レールの係止用凹凸部は、対峙して形成されているため、ヘッドレストを傾きのない平行姿勢で係止保持させることができる。
前記一対の係止レールがヘッドレストのステム側に取り付けられており、前記回転カムと押圧部材とが背凭れ部となる部材のガイド部側に取り付けられていることを特徴としている。
上記構成によれば、回転カムの回動操作を行う調整ハンドルが背凭れ部となる部材のガイド部側に設けられるため、ヘッドレストの高さ調整を常に同じ高さ位置で行うことができる。
前記回転カムの調整ハンドルと背凭れ部となる部材のガイド部との間には、回転カムの位置決め部材が設けられていることを特徴としている。
上記構成によれば、回転カムの回転方向位置をガイド部に対して常に位置決め保持させることができ、ヘッドレストの高さが走行振動等で変化することを防止することができる。
また、本発明は、前記ヘッドレストの高さ調整装置を備えた子供座席を提供するものである。
本発明によれば、ヘッドレストの高さ調整をワンタッチで平行姿勢(傾きのない状態)で安定状態に固定できるようにしたヘッドレストの高さ調整装置及び該装置を備えた子供座席を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態は、本発明を荷籠兼用子供同乗席に適用した場合を例示している。
荷籠兼用子供同乗席1は、図1に示すように、主籠部材2に形成された前部下方空間3を副籠部材4で閉鎖した荷籠姿勢P1と、主籠部材2に対して副籠部材4を前下方に傾倒して副籠部材4の前壁4aを子供の足載せ部とする基本座席姿勢P2とに姿勢変更可能とされており、前記主籠部材2と副籠部材4との間には、前記基本座席姿勢P2から主籠部材2に対して副籠部材4を更に前方にスライドした伸張座席姿勢P3とするスライド機構5が設けられている。
主籠部材2は、図11に示すように、前壁2aと後壁2bと左右側壁2c、2cで周囲を囲まれ、底部に底壁2dを有し、上部が開放した略方形容器形状をなしている。そして、前壁2aの下部、左右側壁2c、2cの前部下方及び底壁2dの略前半部を切欠部として前部下方空間3が形成されている。
左右側壁2c、2cには、図1、図11に示すように、自転車のハンドルバーの立ち上がり部(図示省略)に嵌合装着する縦方向の嵌合溝2e、2eが前後方向の略中央部に形成され、その前後に網目部2f、2fが形成されている。
また、図1に示すように、左右側壁2c、2cの前部付近上端には、着座した子供が握る子供用ハンドル(図示省略)の取付部2g、2gが形成されており、後壁2bには、ヘッドレスト6のステム部6aを高さ調整可能に装着するガイド部7が縦方向に形成されている。
前記ガイド部7とヘッドレスト6のステム部6aとの間には、図2、図3に示すように、スライド方向に沿って平行に配置された一対の係止レール30、30と、該一対の係止レール30、30間に設置され長径部31aと短径部31bとを有する回転カム31と、該回転カム31と前記一対の係止レール30、30との間で回転カム31の外周を取り巻くように設置された押圧部材32とからなる高さ調整機構33が設置されており、該高さ調整機構33は、1個の調整ハンドル34の回動操作により、回転カム31の長径部31aで押圧部材32を拡張して前記一対の係止レール30、30に圧接係止させ、また、回転カム31の短径部31bで押圧部材32による前記一対の係止レール30、30への圧接係止を解除させるように構成されている。
上記構成によれば、ヘッドレスト6の高さを調整する場合、1個の調整ハンドル34を片方の手で図2の矢印範囲で回して回転カム31の短径部31bで押圧部材32による一対の係止レール30、30への圧接係止を一旦解除し、他方の手でヘッドレスト6を所望の高さに引き上げ(又は、引き下げ)て保持し、その状態で前記片方の手で調整ハンドル34を回して回転カム31の長径部31aで押圧部材32を一対の係止レール30、30に圧接係止させることができる。
前記一対の係止レール30、30は、図4(A)(B)に示すように、押圧部材32の圧接面に係止用凹凸部30a、30aをスライド方向に沿って連続的かつ対峙して形成された歯形部材で構成されている。
また、前記押圧部材32は、図5(A)〜(C)に示すように、回転カム31の外周を取り巻く弾性変形可能な円弧状腕部32aを有し該円弧状腕部32aの外周に前記係止用凹凸部30a、30aに係脱する一対の係止部32b、32bが対設されている。
上記構成によれば、押圧部材32の一対の係止部32b、32bを一対の係止レール30、30の係止用凹凸部30a,30aに係止させてヘッドレスト6の係止を行うことができるため、ヘッドレスト6の係止保持が一層安定する。しかも、一対の係止レール30、30の係止用凹凸部30a,30aは、対峙して形成されているため、ヘッドレスト6を傾きのない平行姿勢で係止保持させることができる。
前記一対の係止レール30、30は、ヘッドレスト6のステム部6a側に取り付けられており、前記回転カム31と押圧部材32とが背凭れ部となる部材(主籠部材2の後壁2b)のガイド部7側に取り付けられている。
上記構成によれば、回転カム31の回動操作を行う調整ハンドル34が背凭れ部となる部材(主籠部材2の後壁2b)のガイド部7側に設けられるため、ヘッドレスト6の高さ調整を常に同じ高さ位置で行うことができる。
前記回転カム31の調整ハンドル34と背凭れ部となる部材(主籠部材2の後壁2b)のガイド部7との間には、図3、図6(A)(B)に示すように、回転カム31の位置決め部材35が設けられている。
上記構成によれば、回転カム31の回転方向位置をガイド部7に対して常に位置決め保持させることができ、ヘッドレスト6の高さが走行振動等で変化することを防止することができる。
一対の係止レール30、30は、図4に示すように、ヘッドレスト6のステム部6aに一体的に設けられており、その間(中央部)にスライド方向に長い長孔36が形成され、この長孔36の両側にガイドレール37、37がスライド方向に平行に形成されている。
前記長孔36は、調整ハンドル34の角軸筒部34aを回転自在に挿通する孔幅で形成されている。また、ガイドレール37、37は、押圧部材32のベース部32cの回り止めを行わせるために設けられている。
回転カム31は、図7(A)〜(C)に示すように、ボス部31cの回りに径外方向に円盤状に張り出して短径部31bが形成され、この短径部31bに対して、長径部31aが径外方向両側に張り出して形成されており、ボス部31cの上面中央に大径円穴31dと小径円孔31eが同芯状に形成されている。また、ボス部31cの下面側には小径筒部31fが形成され、この小径筒部31fには、小径円穴31gが形成され、この小径円穴31gの天井部に半円切欠凹部31hが形成されている。
調整ハンドル34は、図8(A)〜(D)に示すように、頭部中心部に大径円穴34bと小径円孔34cが同芯状に形成され、これらの周囲に円筒ボス部34dが形成され、この円筒ボス部34dの下面に角軸筒部34aが形成され、この角軸筒部34aの下端に小径円筒部34eが形成され、この小径円筒部34eの下端に半円切欠凸部34fが形成されている。
位置決め部材35は、図6(A)(B)に示すように、円盤状をなし、その中心部に角ボス孔35aを有し、周囲に切り目35bを介して十字状腕部35cを有し、この十字状腕部35cの先端上面に係止凸部35dが形成されている。
上記位置決め部材35は、図3に示すように、角ボス孔35aを調整ハンドル34の角軸筒部34aに嵌合させて一体的に回転するように組み合わされる。
ガイド部7には図1、図3に示すように、調整ハンドル34の角軸筒部34aを回転自在に挿通する円孔38が形成され、この円孔38の周囲には、位置決め部材35の十字状腕部35cの係止凸部35dと対応する係止凹部39が形成されている。
回転カム31と調整ハンドル34とは、図3に示すように、組み合わされており、相互の中心部を貫通する締付ボルト39と締付ナット40によって軸方向に締め付けられている。回転カム31の半円切欠凹部31hと調整ハンドル34の半円切欠凸部34fとが噛み合わされることによって、調整ハンドル34と回転カム31とは一体的に回転する。
押圧部材32は、図2、図3、図5(A)〜(C)に示すように、矩形板状のベース部32cの一端上面に円弧状腕部32aが一連に形成されており、該円弧状腕部32aはベース部32cの両側に張り出して形成され、この円弧状腕部32aの略中心部に相当する位置のベース部32cに円孔32dが形成され、この円孔32dは、図3に示すように回転カム31の下面の小径筒部31fが回転自在に挿通される。
上記構造によって、押圧部材32は、回転せず、回転カム31によって円弧状腕部32aを両側の係止レール30、30に向けて拡張・収縮する。
ガイド部7の両側面には、図1、図3、図9に示すように、スライド方向に沿ってレール溝41が形成されており、このレール溝41に係合するローラ42がヘッドレスト6のステム部6aに取り付けられている。
次に、本発明を適用した荷籠兼用子供同乗席の構成を説明する。
主籠部材2の前部下方空間3には、図10、図11に示すように、前壁2aの下端部から底壁2dの前端部にかけて側面視で略L字形ステー8が主籠部材2の左右方向中央部に架設されている。
底壁2dには、図1、図11に示すように、主籠部材2を自転車のハンドルステム(図示省略)に載置して取付金具で固定するための取付孔2hが適宜形成されている。
また、底壁2dの前端には、図10、図11、図14(B)に示すように、ヒンジ取付部9が形成され、このヒンジ取付部9の直後の位置に副籠部材4の開放角度αを規制するストッパー面10が一体に形成されている。
副籠部材4は、図1、図12(A)に示すように、主籠部材2の前部下方空間3を閉鎖しうる大きさと形状の前壁4a、底壁4b、左右側壁4c、4cを有しており、前壁4aから底壁4bにかけて補強リブ4dが左右方向に適宜間隔を置いて形成され、また、前壁4aと底壁4bの境界部には、図12(B)に示すように、水抜き孔4eが補強リブ4dの形成位置に対応して形成されている。この水抜き孔4eは、補強リブ4dによって上部から直接見えないように隠されている。
スライド機構5は、図10に示すように、主籠部材2のヒンジ取付部9にヒンジ部11をヒンジピン12で枢着されたスライドベース13と、該スライドベース13に対して副籠部材4を前後方向にスライド移動可能に支持するスライドガイド14、14(図16参照)と、前記スライドベース13に対する副籠部材4のスライド移動を規制するロック機構15とを備えている。
スライドベース13は、図10、図13(A)、図14(A)に示すように、主籠部材2の底壁2dの前半部の底壁切欠部を略補填する略矩形板形状とされ、この板形状の前部の左右両端部は、円弧状とされている。また、スライドベース13の後端部中央には、ヒンジ部11が後方に向けて突設されており、このヒンジ部11には、ヒンジピン12の挿通孔11aが左右方向に貫通して形成されている。
スライドガイド14,14は、図13(A)(B)、図16に示すように、スライドベース13の左右両側に形成されたガイド溝14a、14aと、これに嵌合するガイドピン16、16とからなり、ガイド溝14a、14aは前後方向に延びる長孔としてスライドベース13に形成されている。ガイドピン16、16は、副籠部材4の底壁4bに垂設されている。ガイド溝14a、14aの前後方向の長さは、スライドベース13に対する副籠部材4の前後方向のスライド移動距離Lに相当する長さとされている。
ロック機構15は、図10に示すように、前記スライドベース13に回動可能に設置された鍵軸17と、前記副籠部材4に形成された第一鍵穴18と、該第一鍵穴18内で回動して副籠部材4のスライド移動を許容若しくは阻止するべく前記鍵軸17に設けられた制御翼片19とを備えている。
スライドベース13の左右方向中央部上面には、図10、図13(A)、図14(A)に示すように、前後方向に延びる凹部13aが形成され、この凹部13aの後方寄りの位置には、鍵軸17を回動可能に挿通保持する円形の貫通孔13bが形成されている。
なお、スライドベース13の後端部下面には、ストッパー部13cが形成されている。このストッパー部13cは、図10に鎖線で示すように、スライドベース13をヒンジピン12を中心として前下方に傾倒させたときに、主籠部材2の底壁2dの前端に形成してあるストッパー面10に当接して副籠部材4を基本座席姿勢P2に保持させるためのものである。このストッパー部13cは、図示例では、スライドベース13の左右方向に適宜間隔で補強リブ状に形成しているが、この形状に制約されず、ブロック形状であってもよい。
スライドベース13の凹部13aは、第一鍵穴18と対応している。第一鍵穴18は、図12(A)、図13(B)、図15(B)に示すように、副籠部材4の底壁4dの下面に突設した2つの円形周壁18a、18bと、これら2つの円形周壁18a、18bの間を繋ぐ直線周壁18c、18cとで囲繞形成されている。2つの円形周壁18a、18bは、副籠部材4の前後方向にスライド移動距離だけ離隔して形成されている。2つの円形周壁18a、18bの間を繋いでいる直線周壁18c、18cの間の幅間隔は、円形周壁18a、18bの直径よりも小さく形成されている。これら2つの円形周壁18a、18bの中心部間には、直線周壁18c、18cの幅間隔よりも小さい幅の長孔18dが形成されている。
この長孔18dには、鍵軸17が挿通される。また、円形周壁18a、18bで囲繞された第一鍵穴18には、制御翼片19が回動可能に収容される。制御翼片19は、図18(A)〜(C)に示すように、長辺部19a、19aと短辺部19b、19bとからなる平面視で略小判形の板片からなり、上下方向に貫通する角穴19cが中心部に形成してある。
制御翼片19は、図15(B)に示すように、長辺部19a、19aの方向(長径方向)を円形周壁18a、18b内で、二点鎖線に示すようにスライド移動方向と直交させると、制御翼片19と円形周壁18a、18bとのスライド方向の相対移動が阻止される。また、上記長辺部19a、19aの方向を円形周壁18a、18b内で、一点鎖線に示すようにスライド移動方向と一致させると、制御翼片19と円形周壁18a、18bとのスライド方向の相対移動が許容され、制御翼片19の短辺部19b、19bが直線周壁18c、18c間を自由に通過できる。
上記構造によって、スライドベース13に対して、副籠部材4のスライド移動を阻止したり、許容させたりすることができる。
鍵軸17は、図17(A)〜(E)に示すように、上端に平面視で略長円形の鍵部材17aを有し、この鍵部材17aの下部に大径円筒部17bが形成され、その下部に小径円筒部17cが形成され、更にその下部に小径角筒部17dが形成されている。
上記大径円筒部17bは、鍵部材17aの短径部と同一径とされている。また、小径円筒部17cは、前記副籠部材4の長孔18dと同一径とされ、該長孔18dに回動自在でスライド方向に相対移動可能に嵌合されている。更に小径角筒部17dは、制御翼片19の角穴19cと同一径とされ、該角穴19cに一体回転可能に嵌合されている。制御翼片19の角穴19cの内周面と、鍵軸17の小径角筒部17dの外周面とには、凸部19dと凸部17eとが形成されており、これらによって、鍵軸17に対する制御翼片19の嵌合位相を一義的に決定するようにしている。例えば、図示例では、鍵部材17aの長径方向と制御翼片19の長径方向とが一致するようにした場合を示しているが、これらが直交するようにしてもよい。
鍵軸17の上端の鍵部材17aは、主籠部材2の前部下方空間3に架設された略L字形ステー8の第二鍵穴20に係止して副籠部材4を閉鎖状態に保持するために設けられている。上記第二鍵穴20は、鍵部材17aよりも大径の円形凹部20aとこの円形凹部20aの中心部に上下方向に貫通して形成された貫通孔20bとを有する。この貫通孔20bは、平面視で略長円形とされ、鍵部材17aと同一形状ないし若干大きめとされている。
上記構造によって、鍵部材17aと第二鍵穴20は、図15(A)に示すように、該第二鍵穴20の円形凹部20a内で鍵軸17を略90度回動させることによって、該円形凹部20aの貫通孔20bの長径方向に対して鍵部材17aの長径方向を直交させると係止させることが可能とされ、両長径方向を一致させると離脱させることが可能とされている。
上記鍵軸17の小径角筒部17dには、略90度ごとの回動位置で該鍵軸17を回動方向に位置決めする回動方向位置決め部材21が図10に示すように嵌合されている。この回動方向位置決め部材21は、図19(A)〜(C)に示すように、中心ボス部21aと、この中心ボス部21aから径方向外方に張り出して形成された円盤部21bと、この円盤部21bの十字方向に切り目21cを入れて弾性変形を容易にされた十字腕部21dとからなり、十字腕部21dの先端部上面に位置決め凸部21eを形成している。この位置決め凸部21eに対応して、スライドベース13の貫通孔13bの下面周囲には、図13(A)、図14(A)に示すように、位置決め凹部13dが形成されている。
中心ボス部21aの外径は、スライドベース13の貫通孔13bと同径若しくは若干小径とされている。また、中心ボス部21aの中心部には、角穴21fが形成され、この角穴21fの中心部に小径円孔21gが形成されている。
鍵軸17は、図10に示すように、副籠部材4の長孔18dに上方から挿通され、次に、鍵軸17の角筒部17dに制御翼片19が嵌合され、この状態で鍵軸17がスライドベース13の貫通孔13bに挿通され、次に、回動方向位置決め部材21が鍵軸17の角筒部17dに下方から嵌合され、このとき、回動方向位置決め部材21の中心ボス部21aの外周部をスライドベース13の貫通孔13bに嵌合させ、最後に、締付ボルト22を鍵軸17の中心孔17fに挿通し、該締付ボルト22の下端に締付ナット23をゴム座金24を介して装着して全体を締付固定する。
本発明を適用する荷籠兼用子供同乗席の実施形態は、以上の構成からなり、次に、全体の動作を説明する。
荷籠として使用する場合には、図1及び図10の実線で示すように、副籠部材4を引き上げて主籠部材2の前部下方空間3を閉鎖状態とし、鍵軸17を回動させて、上端の鍵部材17aの長径方向を、図15(A)に示すように、略L字形ステー8の第二鍵穴20の円形凹部20a内で、貫通孔20bの長径方向と直交させると、鍵部材17aが円形凹部20a内で係止され、副籠部材4の閉鎖状態を保持する。この時の鍵軸17の回転方向位置は、回転方向位置決め部材21の十字腕部21dの先端の位置決め凸部21eがスライドベース13の位置決め凹部13dに嵌合することによって固定状態に保持される。その結果、荷籠として使用中に、自転車の走行振動等が伝わっても、鍵軸17が回動せず、副籠部材4の閉鎖状態が維持される。
次に、子供同乗席として使用する場合には、鍵軸17を90度回動させて、鍵部材17aの長径方向を略L字形ステー8の第二鍵穴20の貫通孔20bの長径方向と一致させる。これにより、鍵部材17aは第二鍵穴20の貫通孔20bから離脱可能となり、副籠部材4がスライドベース13と一体的にヒンジピン12を中心として下方に自重で回動し、ストッパー部13cがストッパー面10に当接して図1及び図10の鎖線状態、即ち、基本座席姿勢P2に保持される。
この際、鍵軸17の鍵部材17aの長径方向と制御翼片19の長径方向とを直交関係に設定しておくと、制御翼片19は、スライドベース13に対する副籠部材4のスライド移動を阻止する状態とすることができる。なお、第二鍵穴20の貫通孔20bの長径方向を副籠部材4のスライド方向と直交方向に設定した場合では、鍵軸17の鍵部材17aの長径方向と制御翼片19の長径方向とを一致させておくことにより、上記と同様の関係が形成できる。
子供が小さい間は、基本座席姿勢P2のままで使用する。しかし、子供が大きくなってくると、伸張座席姿勢P3にするため、鍵軸17を90度回動させて、制御翼片19の長径方向をスライド方向に一致(平行)させる。これによって、制御翼片19と第一鍵穴18とによる副籠部材4のスライド移動の阻止が解除され、副籠部材4をスライドベース13から前方に引き出して伸張座席姿勢P3とすることができる。この状態で、鍵軸17を90度回動させることにより、制御翼片19は、前方の円形周壁18b内で長径方向がスライド方向と直交し、副籠部材4のスライド移動を阻止する状態となる。鍵軸17は、回動方向位置決め部材21によって位置決め保持され、自転車の走行振動等によって鍵軸17が回動することはなく、副籠部材4を伸張座席姿勢P3に安定保持させることができる。
荷籠として使用する場合には、鍵軸17を90度回動させて副籠部材4を後方に押し入れて基本座席姿勢P2に戻し、鍵軸17を90度回動させて副籠部材4のスライド移動を阻止し、この状態で副籠部材4を上方に回動させて鍵部材17aを略L字形ステー8の第二鍵穴20の貫通孔20bを通過させ、この状態で鍵軸17を90度回動させればよい。これにより、副籠部材4は、主籠部材2の前部下方空間3を閉鎖した状態となり、荷籠姿勢P1となる。
以上のように、鍵軸17は、第一鍵穴18と第二鍵穴20の両方を貫通しており、鍵軸17の回動操作により、荷籠姿勢を保持するロック状態と、副籠部材を傾倒して基本座席姿勢を保持したロック状態と、副籠部材を前方にスライドした伸張座席姿勢を保持したロック状態の何れもとることができる。なお、鍵軸17の鍵部材17aは、第二鍵穴20と契合する役割の他、操作ハンドルとしての役割をも果たすことができる。
本発明の実施形態は、以上の構成及び動作からなるものであるが、本発明は、この実施形態のみに制約されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で自由に変更して実施してもよい。例えば、一般の椅子や、荷籠と兼用しない子供座席専用のものに適用しても良い。更に、主籠部材は、前部が全部開放する構造に適用してもよい。また、主籠部材2、副籠部材4、ヘッドレスト6,スライドベース13、鍵軸17、制御翼片19、回動方向位置決め部材21、係止レール30、回転カム31、押圧部材32、調整ハンドル34、位置決め部材36は樹脂製としているが、他の材料で構成しても良い。なお、第一鍵穴18は、図20に示すように、円形周壁を3つ設けて副籠部材4の前方への伸張を2段階調整可能としてもよい。
本発明に係る荷籠兼用子供同乗席の側面図である。 高さ調整機構の正面図である。 図2のA−A線断面図である。 (A)はヘッドレストのステム部に形成される係止レール部の拡大正面図、(B)はそのB−B線断面図である。 (A)は押圧部材の平面図、(B)はその左側面図、(C)はその正面図で右半分は断面で示している。 (A)は位置決め部材の平面図、(B)は側面図で、左半分は断面で示している。 (A)は回転カムの底面図と平面図を中心線の左右で半分ずつ表しており、(B)はその正面図で左半分は縦断面で示している。(C)はそのボス部の半円切欠部の形状を示す断面図である。 (A)は調整ハンドルの平面図と底面図を中心線の左右で半分ずつ表しており、(B)は調整ハンドルの正面図で右半分を縦断面で示している。(C)はその側面図、(D)は(B)のD−D断面図である。 ヘッドレストの側面図である。 主籠部材と副籠部材との取付部の詳細を示す要部拡大縦断側面図である。 主籠部材の平面図である。 (A)は副籠部材の縦断側面図、(B)は(A)のB−B線断面図である。 (A)はスライドベースの平面図、(B)は副籠部材の平面図である。 (A)はスライドベースの縦断側面図、(B)は主籠部材の略L字形ステー部付近の拡大縦断側面図である。 (A)は略L字形ステーの第二鍵穴と鍵軸の鍵部材との関係を示す平面図、(B)は副籠部材のロック機構の第一鍵穴と制御翼片との関係を示す底面図である。 スライドベースと副籠部材のスライドガイド部における縦断側面図である。 (A)は鍵軸の平面図、(B)(C)は鍵軸の側面図と正面図で左半分は縦断面で示している。(D)は鍵軸の底面図、(E)は(C)のE−E断面図である。 (A)は制御翼片の平面図、(B)はその縦断側面図、(C)はその正面図である。 (A)は回動方向位置決め部材の平面図、(B)はその側面図で右半分は縦断面で示している。(C)はその部分底面図である。 副籠部材のロック機構の第一鍵穴の別の実施形態を示す底面図である。
符号の説明
1 荷籠兼用子供同乗席
2 主籠部材
3 前部下方空間
4 副籠部材
5 スライド機構
6 ヘッドレスト
6a ステム部
7 ガイド部
30 係止レール
31 回転カム
32 押圧部材
33 高さ調整機構
34 調整ハンドル
35 位置決め部材

Claims (5)

  1. 背凭れ部となる部材と、この部材に形成されたガイド部に沿ってヘッドレストのステム部が上下方向にスライド可能に装着されたヘッドレストにおいて、
    前記ガイド部とヘッドレストのステム部との間には、
    スライド方向に沿って平行に配置された一対の係止レールと、
    該一対の係止レール間に設置され長径部と短径部とを有する回転カムと、
    該回転カムと前記一対の係止レールとの間で回転カムの外周を取り巻くように設置された押圧部材とからなる高さ調整機構が設置されており、
    該高さ調整機構は、1個の調整ハンドルの回動操作により、回転カムの長径部で押圧部材を拡張して前記一対の係止レールに圧接係止させ、また、回転カムの短径部で押圧部材による前記一対の係止レールへの圧接係止を解除させるように構成されていることを特徴とするヘッドレストの高さ調整装置。
  2. 前記一対の係止レールは、押圧部材の圧接面に係止用凹凸部をスライド方向に沿って連続的かつ対峙して形成された歯形部材で構成されており、
    前記押圧部材は、回転カムの外周を取り巻く弾性変形可能な円弧状腕部を有し該円弧状腕部の外周に前記係止用凹凸部に係脱する一対の係止部が対設されていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドレストの高さ調整装置。
  3. 前記一対の係止レールがヘッドレストのステム部側に取り付けられており、前記回転カムと押圧部材とが背凭れ部となる部材のガイド部側に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のヘッドレストの高さ調整装置。
  4. 前記回転カムの調整ハンドルと背凭れ部となる部材のガイド部との間には、回転カムの位置決め部材が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のヘッドレストの高さ調整装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1つのヘッドレストの高さ調整装置を備えた子供座席。
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