JP2006180819A - エクストルーダ茶葉加工品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】茶葉を80〜150℃、0.2〜30MPa、及び5〜600秒の条件下において、水を茶葉100重量に対し1〜100重量で供給しながらエクストルーダで加工し、出口より噴出することなく安定して茶葉加工品を製造する。この茶葉加工品から抽出した茶は、加工前の茶葉から抽出した茶と比べ、有意に味が向上している。
【選択図】図1
Description
以上の記載から明らかなとおり、本発明の茶葉加工品には、エクストルージョン処理の間に分解した茶葉の水不溶性たんぱく質が水溶性成分となって含まれるため、これから抽出した茶飲料の味が向上するのである。したがって、本発明の別の観点によれば、温度80〜150℃において、圧力0.2〜22Mpaの状態において、水と茶葉又は茶原料とを混練することにより、該混練前に比べて茶葉又は茶原料に含まれる水溶性たんぱく質量を高め、しかる後に該茶葉又は茶原料からから水などの溶媒で茶を抽出することにより、該加熱処理しない茶葉から抽出するよりも旨味が向上した茶を製造する方法も提供される。水などの溶媒とは、茶の抽出に適する任意の溶媒、好ましくは水性溶媒である。その温度は、茶の抽出が可能な限りいかなる温度であってもよい。
〔参考例1〕
国産茎茶を原料茶葉として本発明のエクストルーダ加工を行った。エクストルーダは日本製鋼社製 食品用二軸押出機 TEX30FC-18.5PPW-V を用いた。具体的には、エクストルーダ加工として、シリンダ上部の原料ホッパより粉砕した茶葉を供給し、50kg/Hの一定速度でシリンダに供給した。一方、別の供給口より、純水を10kg/Hの一定速度で同じシリンダへ供給した。シリンダ内部の出口付近の温度が160℃になるように、シリンダ外部に取り付けられている電熱ヒータをコントロールし、また、シリンダ内部の出口付近の圧力が2MPaとなるようスクリューの構造と回転速度を調整した。上記の加工条件で運転して間もなく、シリンダ出口より、水蒸気と茶葉が激しく噴出したため、操作を中止した。
〔実施例1〕
茶葉のエクストルーダ加工における、温度、圧力および加水量の各条件を検討した。
(1) 加工実験1 (温度条件)
エクストルーダの加工圧力を1.0MPa、加水重量を原料100重量に対し30重量に固定した上で、出口温度を75〜140℃の間において任意に水準を設けて、茶葉の加工を行った。
(2) 加工実験2 (圧力条件)
エクストルーダの加工温度を110℃、加水重量を原料100重量に対し30重量に固定した上で、出口圧力を0.1〜2MPaの間において任意に水準を設けて、茶葉の加工を行った。
(3) 加工実験3 (加水量)
エクストルーダの加工温度を110℃、加水圧力を1.0MPaに固定した上で、原料100重量に対する加水重量を1〜100重量において任意に水準を設けて、茶葉の加工を行った。
結果
加工実験1、2、3により得られたサンプルの分析結果を、それぞれ図1、図2および図3に示す。なお、これらの図における縦軸の数値は、分析により得られた加工条件毎の水溶性タンパク濃度を未加工品の水溶性タンパク濃度からの増加分(パーセンテージ)として算出したものである。
〔実施例2〕
静岡産緑茶を原料茶葉として本発明のエクストルーダ加工を行った。具体的には、エクストルーダ加工として、シリンダ上部の原料ホッパより茶葉を粉砕せずに供給し、50kg/Hの一定速度でシリンダに供給した。一方、別の供給口より、純水を10kg/Hの一定速度で同じシリンダへ供給した。シリンダ内部の出口付近の温度が120℃になるように、シリンダ外部に取り付けられている電熱ヒータをコントロールし、また、シリンダ内部の出口付近の圧力が15MPaとなるようスクリューの構造と回転速度を調整した。さらに、食品添加物である赤色着色剤を用いて、シリンダ内の滞留時間を測定したところ、45秒であった。上記の加工条件を数時間連続運転し、各測定値のばらつきが一定となり、定常運転状態となったところで、出口に取り付けた刃を800rpmで回転させ、出口加工物を裁断し、粒状の茶葉加工物を得た。
中国産緑茶を原料茶葉として本発明のエクストルーダ加工を行った。具体的には、エクストルーダ加工として、シリンダ上部の原料ホッパより粉砕した茶葉を供給し、40kg/Hの一定速度でシリンダに供給した。一方、別の供給口より、窒素バブリングにより十分に脱気された純水を、10kg/Hの一定速度で同じシリンダへ供給した。シリンダ内部の出口付近の品温が150℃になるように、シリンダ外部に取り付けられている電熱ヒータをコントロールし、また、シリンダ内部の出口付近の圧力が10MPaとなるようスクリューの構造と回転速度を調整した。さらに、食品添加物である赤色着色剤を用いて、シリンダ内の滞留時間を測定したところ、52秒であった。上記の加工条件を数時間連続運転し、各測定値のばらつきが一定となり、定常運転状態となったところで、出口に取り付けた刃を1500rpmで回転させ、出口加工物を裁断し、粒状の茶葉加工物を得た。
次いで、それぞれの抽出液の水溶性糖質量(g/g−原料)を評価した。なお、水溶性糖質量*は、抽出液のBrix(B)、回収液量(A)、茶葉重量(C)から、以下の式に従って計算した。Brixの測定はATAGO社RX−5000αを用い、測定皿に抽出液約0.5mlを滴下して測定した。
結果を表2に示す。表から明らかなとおり、本加工品抽出液と未加工品抽出液の水溶性糖質量はほとんど変化しなかった。
〔実施例4〕
国産抹茶を原料茶葉として本発明のエクストルーダ加工を行った。具体的には、シリンダ上部の原料ホッパより茶葉を供給し、30kg/Hの一定速度でシリンダに供給した。一方、別の供給口より、純水を3kg/Hの一定速度で同じシリンダへ供給した。シリンダ内部の出口付近の温度が100℃になるように、シリンダ外部に取り付けられている電熱ヒータをコントロールし、また、シリンダ内部の出口付近の圧力が5MPaとなるようスクリューの構造と回転速度を調整した。さらに、食品添加物である赤色着色剤を用いて、シリンダ内の滞留時間を測定したところ、10秒であった。上記の加工条件を数時間連続運転し、各測定値のばらつきが一定となり,定常運転状態となったところで、出口加工物を定期的に人手で裁断し、スティック状の茶葉加工物を得た。
Claims (19)
- 茶葉又は茶原料をエクストルージョン加工して、茶葉加工品を製造する方法。
- エクストルージョン加工時の、シリンダー内の最高温度が80℃〜150℃であることを特徴とする請求項1記載の方法。
- エクストルージョン加工時の、シリンダー内の最高温度が85℃〜120℃であることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 茶葉又は茶原料100重量に対し加水重量を1〜100重量としてエクストルージョン加工することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
- 茶葉又は茶原料100重量に対し加水重量を5〜55重量としてエクストルージョン加工することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
- 茶葉又は茶原料100重量に対し加水重量を10〜45重量としてエクストルージョン加工することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
- エクストルージョン加工時の、シリンダー内の最大圧力が0.2Mpa以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
- エクストルージョン加工時の、シリンダー内の最大圧力が0.3Mpa以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
- エクストルージョン加工時の、シリンダー内の最大圧力が0.6Mpa以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
- エクストルージョン加工を行わない茶葉又は茶原料と比較して、水溶性たんぱく質含有量が5%以上高い加工物が得られることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
- エクストルージョン加工を行わない茶葉又は茶原料と比較して、水溶性たんぱく質含有量が10%以上高い加工物が得られることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
- エクストルージョン加工前の茶葉又は茶原料と比較して、茶葉加工品の体積が小さくなることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
- 茶葉又は茶原料に含まれる成分のうち、繊維質の重量%がでんぷん質の重量%より大きいことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法で製造された茶葉加工品。
- 請求項14の茶葉加工品を水などの溶媒で抽出して茶飲料を製造する方法。
- 請求項15の方法で製造された茶飲料。
- 請求項14の茶葉加工品又はその水などによる溶媒抽出物を含有する飲食物。
- アルコール飲料である請求項17に記載の飲食物。
- 温度80〜150℃において、圧力0.2〜22Mpaの状態において、水と茶葉又は茶原料とを混練することにより、該混練前に比べて茶葉又は茶原料に含まれる水溶性たんぱく質量を高め、しかる後に該茶葉又は茶原料からから水などの溶媒で茶を抽出することにより、該加熱処理しない茶葉から抽出するよりも旨味が向上した茶を製造する方法。
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