JP2006180661A - 放電負荷用電源装置 - Google Patents
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Abstract
【構成】 放電負荷の放電開始時に定常放電電圧よりも高いトリガ電圧を前記放電負荷に印加する放電負荷用電源装置において、 前記全波整流回路の正極側直流端子は、逆流防止用素子を介して一方の出力側端子に接続され、前記全波整流回路の一方の交流入力端子と前記一方の出力側端子との間に、前記フィルタ用コンデンサのキャパシタンスCfよりも小さなキャパシタンスCtを有するブースト用コンデンサが接続され、前記一方の出力側端子と他方の出力側端子との間に、前記フィルタ用コンデンサのキャパシタンスCfよりも小さなキャパシタンスを有するトリガ用コンデンサが接続され、放電負荷の放電開始時には、前記トリガ用コンデンサの電圧を放電負荷に供給する放電負荷用電源装置。
【選択図】 図1
Description
前記第1の発明によれば、非常に簡単な回路構成で電源電圧の2倍程度の電圧をトリガ電圧として放電負荷に印加して、確実に放電させることができる。フィルタ用コンデンサに比べてキャパシタンスが大幅に小さいトリガ用コンデンサからトリガ電圧を与えるので、アーク放電に移行し難い。また、整流素子や逆流防止用素子には交流入力端子間の電圧が印加される程度なので、耐圧の低いダイオードを用いることができる。
先ず、本発明を実施するための最良の実施形態1について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態である放電用電源装置100を示す。図1によって放電用電源装置100を説明すると、入力側整流回路1は3相交流電圧を整流して直流電力に変換する一般的な3相フルブリッジ構成のものである。インバータ回路2はその直流電圧を数kHz〜数10kHzの高周波交流電圧に変換する。インバータ回路2は、MOSFET又はIGBTのようなスイッチング半導体素子を周知のフルブリッジ構成、又はハーフブリッジ構成にしたものなどであり、パルス幅制御(オン時間比率制御)されて、直流電力を単相の高周波電力に変換する。トランス3は、インバータ回路2から1次巻線3aに印加された高周波交流電圧を所定の変圧比で昇圧された交流電圧を2次巻線3bに現出する。2次巻線3bの交流電圧は、4個の整流素子4A〜4Dをブリッジに接続してなるブリッジ整流回路4によって全波整流され、フィルタ用コンデンサ5で平滑化される。ここで、ブリッジ整流回路4とフィルタ用コンデンサ5とは一般的な回路構成の全波整流回路6を構成する。
次に、図2によって第2の実施形態である放電負荷用電源装置200について説明する。図2において、図1で用いた記号と同じ記号は同一の名称の部材を示すものとする。放電負荷用電源装置200では、出力側端子T1とT2との間にトリガ用コンデンサ15が接続されている。図1のコンデンサ9は、この回路では倍電圧用、すなわち昇圧するためのブースト用コンデンサ9’として機能する。ブースト用コンデンサ9’及びトリガ用コンデンサ15のキャパシタンスCtは、フィルタ用コンデンサ5のキャパシタンスCfに比べて十分に小さい値、好ましくはキャパシタンスCfの数十分の1から数百分の1の範囲内で選定される。また、前述式から、キャパシタンスCtはIt×T/Eよりも大きくなければならない。
この放電負荷用電源装置200にあっても、トリガ時での最初のトリガエネルギーがキャパシタンスの小さなブースト用コンデンサ9’、トリガ用コンデンサ15から供給されるので、トリガエネルギーを小さくでき、アーク放電に移行し難いにもかかわらず、フィルタ用コンデンサ5のキャパシタンスを必要十分な大きさにでき、かつ電圧Eに保持できるので、リプル電圧を抑制することができる。また、この放電負荷用電源装置200では、ブリッジ整流回路4の整流素子4A〜4Dは勿論のこと、逆流防止用素子7にも交流入力端子A−B間の電圧Eが印加されるだけであるので、特別に高耐圧のダイオードを用いる必要はなく、その順方向電圧降下の比較的小さいものを使用することができ、電力損失の軽減が可能である。また、この実施形態では逆流防止用素子の必要個数を最小限にできる。
次に、図3によって第3の実施形態である放電負荷用電源装置300について説明する。図3において、図1、図2で用いた記号と同じ記号は同一の名称の部材を示すものとする。放電負荷用電源装置300では、4個の整流素子4A〜4Dをブリッジに接続してなるブリッジ整流回路4とフィルタ用コンデンサ5とからなる全波整流回路6の正極側直流端子aと出力側端子T1との間に、互いに直列接続された逆流防止用素子7と8’とが接続されると共に、逆流防止用素子7と8’との接続点と交流入力端子Aとの間にブースト用コンデンサ9’が接続され、出力側端子T1とT2との間にはトリガ用コンデンサ15が接続されている。ブースト用コンデンサ9’及びトリガ用コンデンサ15のキャパシタンスCtは、フィルタ用コンデンサ5のキャパシタンスCfに比べて十分に小さい値、好ましくはキャパシタンスCfの数十分の1から数百分の1の範囲内で選定される。また、前述式から、キャパシタンスCtはIt×T/Eよりも大きくなければならない。そして、逆流防止用素子7と8’とに跨ってバイパス用素子16が接続されている。
次に、図4によって第4の実施形態である放電負荷用電源装置400について説明する。図4において、図1〜図3で用いた記号と同じ記号は同一の名称の部材を示すものとする。放電負荷用電源装置400では、インバータ回路2は直流電力を高周波の3相交流電力に変換する3相のインバータ回路であり、MOSFET又はIGBTのようなスイッチング素子を3相ブリッジ構成に接続してなる一般的なものである。インバータ回路2の交流電力は、3相の変圧器3によって所望の電圧に変換される。変圧器3は一般的な構成のものであり、例えば、1次巻線と2次巻線とがスター結線(Y−Y結線)されたものである。ブリッジ整流回路4は、6個の整流素子4A〜4Fをブリッジに接続してなる通常の回路構成のものである。ブリッジ整流回路4とフィルタ用コンデンサ5とは3相の全波整流回路6を構成する。全波整流回路6は3相の交流入力端子A、B、Cを備えると共に、正極側直流端子aと負極側直流端子bとを有する。
次に、図5によって第5の実施形態である放電負荷用電源装置500について説明する。図5において、図1〜図3で用いた記号と同じ記号は同一の名称の部材を示すものとする。放電負荷用電源装置500では、図3、図4同様な単相のブリッジ整流回路4の負極側直流端子bと出力側端子T2との間に、逆流防止用素子8とトリガ用コンデンサ15とが接続されている。また、出力側端子T1と交流入力端子Bとの間にブースト用コンデンサ10’が接続されている。したがって、トリガ用コンデンサ15はフィルタ用コンデンサ5と直列に接続されている。更に、フィルタ用コンデンサ5の電圧を検出する第2の電圧検出器17が接続されている。出力側端子T1−T2間の電圧を検出する第1の電圧検出器11は、互いに直列接続された抵抗R1とR2とからなり、第2の電圧検出器17は互いに直列接続された抵抗R3とR4とからなる。この実施形態でも、ブースト用コンデンサ10’及びトリガ用コンデンサ15のキャパシタンスCtは、フィルタ用コンデンサ5のキャパシタンスCfに比べて十分に小さい値、好ましくはキャパシタンスCfの数十分の1から数百分の1の範囲内で選定される。また、前述式から、キャパシタンスCtはIt×T/Eよりも大きくなければならない。
2・・・インバータ回路
3・・・トランス
4・・・ブリッジ整流回路
5・・・フィルタ用コンデンサ
6・・・全波整流回路
7、8、8’・・・逆流防止用素子
9、10・・・トリガ用コンデンサ
9’、10’・・・ブースト用コンデンサ
11・・・電圧検出回路
12・・・インバータ回路2の制御回路
13・・・放電負荷
14・・・電流検出回路
15・・・トリガ用コンデンサ
16・・・バイパス用素子
17・・・第2の電圧検出回路
18、19・・・第1、第2の極性反転回路
20、21・・・第1、第2の誤差増幅回路
22、23・・・第1、第2の基準回路
24・・・OR回路
25・・・抵抗
26・・・制御電源
Claims (8)
- 複数個の整流素子をフルブリッジ構成に接続してなり、交流源からの交流電力を直流電力に変換するブリッジ整流回路と、該ブリッジ整流回路の正極側直流端子と負極側直流端子との間に接続されたフィルタ用コンデンサとから構成される全波整流回路を備えて、放電負荷の放電開始時に定常放電電圧よりも高いトリガ電圧を前記放電負荷に印加する放電負荷用電源装置において、
前記全波整流回路の正極側直流端子は、第1の逆流防止用素子を介して一方の出力側端子に接続され、
前記全波整流回路の負極側直流端子は、第2の逆流防止用素子を介して他方の出力側端子に接続され、
前記全波整流回路の一方の交流入力端子と双方の前記出力側端子との間に、前記フィルタ用コンデンサのキャパシタンスCfよりも小さなキャパシタンスCtを有する第1、第2のトリガ用コンデンサがそれぞれ接続され、
前記放電負荷の放電開始時には、前記第1と第2のトリガ用コンデンサとの電圧を重畳してなるトリガ電圧を前記放電負荷に供給することを特徴とする放電負荷用電源装置。 - 複数個の整流素子をフルブリッジ構成に接続してなり、交流源からの交流電力を直流電力に変換するブリッジ整流回路と、該ブリッジ整流回路の正極側直流端子と負極側直流端子との間に接続されたフィルタ用コンデンサとから構成される全波整流回路を備えて、放電負荷の放電開始時に定常放電電圧よりも高いトリガ電圧を前記放電負荷に印加する放電負荷用電源装置において、
前記全波整流回路の正極側直流端子は、逆流防止用素子を介して一方の出力側端子に接続され、
前記全波整流回路の一方の交流入力端子と前記一方の出力側端子との間に、前記フィルタ用コンデンサのキャパシタンスCfよりも小さなキャパシタンスCtを有するブースト用コンデンサが接続され、
前記一方の出力側端子と他方の出力側端子との間に、前記フィルタ用コンデンサのキャパシタンスCfよりも小さなキャパシタンスを有するトリガ用コンデンサが接続され、
前記トリガ用コンデンサは、前記全波整流回路の交流入力端子間の電圧の2倍程度の電圧に充電され、前記放電負荷の放電開始時には、前記トリガ用コンデンサの電圧をトリガ電圧として前記放電負荷に供給することを特徴とする放電負荷用電源装置。 - 複数個の整流素子をフルブリッジ構成に接続してなり、交流源からの交流電力を直流電力に変換するブリッジ整流回路と、該ブリッジ整流回路の正極側直流端子と負極側直流端子との間に接続されたフィルタ用コンデンサとから構成される全波整流回路を備えて、放電負荷の放電開始時に定常放電電圧よりも高い電圧を前記放電負荷に印加する放電負荷用電源装置において、
前記全波整流回路の正極側直流端子又は負極側直流端子の一方は、互いに直列接続された第1、第2の逆流防止用素子を介して一方の出力側端子に接続され、
前記第1の逆流防止用素子と第2の逆流防止用素子との接続点と、前記全波整流回路の一方の交流入力端子との間に、前記フィルタ用コンデンサのキャパシタンスCfよりも小さなキャパシタンスCtを有するブースト用コンデンサを備え、
前記一方の出力側端子と他方の出力側端子との間に、前記フィルタ用コンデンサのキャパシタンスCfよりも小さなキャパシタンスを有するトリガ用コンデンサが接続され、
前記トリガ用コンデンサは、前記全波整流回路の交流入力端子間の電圧の2倍程度の電圧に充電され、前記放電負荷の放電開始時には、前記トリガ用コンデンサの電圧をトリガ電圧として前記放電負荷に供給することを特徴とする放電負荷用電源装置。 - 請求項3において、
前記互いに直列になるように接続された2個の逆流防止用素子に跨って並列にバイパス用素子を接続したことを特徴とする放電負荷用電源装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかにおいて、
前記ブリッジ整流回路は、単相又は多相のブリッジ回路構成であることを特徴とする放電負荷用電源装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれかにおいて、
前記交流源を構成するインバータ回路とその制御回路と、
前記フィルタ用コンデンサの電圧を検出する電圧検出器と、
前記電圧検出器による検出電圧と基準電圧とを比較してその差に対応する誤差増幅信号を出力する誤差増幅器と、
前記誤差増幅器の出力を前記制御回路の入力とし、前記フィルタ用コンデンサの電圧の最大設定電圧を越えないように、前記制御回路が前記インバータ回路を制御することを特徴とする放電負荷用電源装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれかにおいて、
前記交流源を構成するインバータ回路とその制御回路と、
前記放電負荷の電圧を検出する第1の電圧検出器と、
前記フィルタ用コンデンサの電圧を検出する第2の電圧検出器と、
前記第1の電圧検出器による第1の検出電圧と第1の基準電圧とを比較してその差に対応する第1の誤差増幅信号を出力する第1の誤差増幅器と、
前記第2の電圧検出器による第2の検出電圧と前記第1の基準電圧よりも低い第2の基準電圧とを比較してその差に対応する第2の誤差増幅信号を出力する第2の誤差増幅器と、
前記第1の誤差増幅器と前記第2の誤差増幅器との出力のOR論理を行うOR回路とを備え、
前記OR回路の出力を前記制御回路の入力とし、前記放電負荷の電圧と前記フィルタ用コンデンサの電圧の両方とも最大設定電圧を越えないように、前記制御回路が前記インバータ回路を制御することを特徴とする放電負荷用電源装置。 - 請求項1ないし請求項7のいずれかにおいて、
放電開始前の前記放電負荷の漏れ電流をItとし、前記交流入力端子AとBとの間の交流電圧の値をE、その1周期をTとするとき、前記トリガ用コンデンサのキャパシタンスCtは、Ct>It×T/Eを満足する値を有することを特徴とする放電負荷用電源装置。
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