JP2006176675A - 洗浄剤用消臭性配合剤及び洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の洗浄剤用消臭性配合剤は、炭酸亜鉛及び/又は酸化亜鉛と、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、グルタミン酸塩及びサルコシンの群から選ばれる少なくとも1種のアミノ酸との混合物からなる。炭酸亜鉛及び/又は酸化亜鉛とアミノ酸との併用割合は重量比で1:2〜1:50の範囲にある。消臭性配合剤は、水性溶液の形態にあることが好ましい。また、本発明の洗浄剤組成物は、上記消臭性配合剤を洗浄剤に配合した組成物からなる。
【選択図】 なし
Description
例えば、身体からの分泌物の分解による不快な臭気成分の生成やフケの発生には、バクテリア等の微生物が関与するので、殺菌剤や抗菌剤がシャンプーに配合されている。
微生物の繁殖を防ぐ有機系抗菌防黴剤としては、第四級アンモニウム塩,安息香酸塩,パラベン等が知られている。しかし、これらの有機系抗菌防黴剤は、人体への安全性に問題があり、経時安定性にも問題がある。また、無機系抗菌剤として実際に使用され、抗菌効果を有する金属には、銀(Ag),銅(Cu),亜鉛(Zn)がある。このうち、銀は、抗菌効果及び安全性が高いことから、無機系抗菌剤において高い使用割合を占めている。しかし、銀の欠点として、光,塩素,熱に弱く、変色したり抗菌活性の低下がみられる。銅は有害性の問題があり、亜鉛は、人体に対して無毒であるものの、水等の溶媒に溶解させることが難しいという問題がある。
特許文献1には、酸化亜鉛を主成分としてアルカリ金属塩を含有する抗菌防黴剤が開示されている。この抗菌防黴剤は、固体ないしは粉末状であり、シャンプー,リンス,化粧水に添加した場合には懸濁状となり、使用形態に一定の制限がある。
特許文献2には、粒状炭酸亜鉛を脱臭活性物質とする水性懸濁液からなり、汗の分泌を抑制することなく液窩の臭気を減少させる脱臭剤組成物が開示されている。この脱臭剤組成物は、炭酸亜鉛が水性媒体に溶解していないため、特許文献1と同様に、使用形態に制限を受ける。
特許文献3は、塩基性炭酸亜鉛又は酸化亜鉛の溶解性の向上を目的とし、抗菌・消臭剤成分が塩基性炭酸亜鉛及び/又は酸化亜鉛とオキシカルボン酸とからなり、pH調整剤によってpHを4〜9に調整した溶液型の抗菌・消臭剤組成物が開示されている。この組成物は、オキシカルボン酸が比較的酸性の強い有機酸であり、水溶液のpHを中性領域に調整するためにpH調整剤の使用量が多いという欠点がある。また、上記組成物は主として家庭内において発生する悪臭を除去するものである。
特許文献5には、水に難溶性もしくは不溶性で炭素数17以上のヒドロキシ不飽和高級脂肪酸塩、特にその亜鉛塩、あるいは、この脂肪酸塩とポリヒドロキシ高級脂肪酸塩もしくはそのエステル、又はジテルペンカルボン酸塩との混合物を含有する消臭防臭剤が開示されている。特許文献5の消臭防臭剤は、駆かび作用を有し、皮膚に対して刺激作用がなく長時間定着するというものであって、石鹸,クリーム,乳液,足保護剤,頭髪保護剤等の皮膚保護剤に使用される。
特許文献6には、有機酸亜鉛塩からなり、施術時に用いられるパーマネントウェーブ薬液(チオグリコール酸等の還元性水溶液をpH調整した1剤と、臭素酸ナトリウム等の酸化剤水溶液の2剤)の不快臭を軽減するためのパーマネントウェーブ用毛髪消臭処理剤が開示されている。特許文献6では、グリコール酸,乳酸,リンゴ酸等のオキシカルボン酸の亜鉛塩が好ましいとしている。
特許文献5の消臭防臭剤も、固形状であって水に難溶性であり、同様に、利便性に劣るという問題がある。また、特許文献4に記載のように、高級有機酸亜鉛塩を製造するためには幾つかの工程が必要であり、亜鉛塩が高価である。
特許文献6の毛髪消臭処理剤では、パーマネントウェーブ薬液の不快臭は軽減されるものの、薬液と共に毛髪消臭処理剤を頭髪に塗布し、施術後に頭髪を洗っても、硫黄系化合物等の薬液に由来する不快臭が依然として残存するという問題がある。
他方、従来の洗浄剤を用いて身体及び毛髪を洗浄すると、洗浄剤の構成成分が使用後に身体表面や毛髪上に残留することがある。例えば、エタノールアミンを配合したシャンプーでは、これを使用後に完全に除去することは困難であった。
そこで、本発明の目的は、上述の従来技術の問題点を解消することにあり、水に難溶性の亜鉛化合物を消臭成分としても水性溶媒に均一に溶解し、洗浄剤中に添加剤としてに含まれる臭気成分を除去する作用があり、低価格でかつ人体に安全な洗浄剤用消臭性配合剤及び同配合剤含有の洗浄剤組成物を提供することにある。
また、本発明の洗浄剤組成物は、洗浄剤と上記消臭性配合剤とからなる。
本発明においては、上記混合物が水性溶液の状態にあることが好ましい。
本発明の洗浄剤用消臭性配合剤を配合した洗浄剤組成物においては、消臭・抗菌作用の他に、次のような効果がある。例えば、シャンプーの場合は、アミノ酸によるリンス効果が期待できる。ボディシャンプーの場合は、アミノ酸の配合により、肌に潤いを持たせることが可能である。ハンドソープの場合は、亜鉛化合物による消炎効果やアミノ酸による手荒れ防止効果がある。リンスやトリートメントの場合は、アミノ酸の配合により、毛髪を形成するケラチンと馴染みが良くなる。
本発明の洗浄剤用消臭性配合剤は、炭酸亜鉛及び酸化亜鉛の少なくとも1種(以下、亜鉛化合物ということがある)と特定のアミノ酸とを構成成分とする。消臭性配合剤は、主として、頭髪又は皮膚上に存在又は発生する臭気成分であるアンモニア,アミン類等の塩基性窒素化合物、硫化水素,メルカプタン類等の硫黄系化合物、中級脂肪酸,高級脂肪酸等の脂肪酸、高級アルデヒド類の同時除去に有効である。勿論、これらの臭気成分と一緒に捕捉される他の臭気物質の除去を排除するものではない。
アミノ酸は、アンモニア,アミン類,イソ吉草酸等の中級脂肪酸,高級脂肪酸,高級アルデヒド類の臭気成分に対して有効な消臭成分である。中級脂肪酸,高級脂肪酸等の脂肪酸は、炭酸亜鉛及び/又は酸化亜鉛によっても捕捉される。そして、亜鉛化合物をアミノ酸と併用することにより、硫化水素,メルカプタン類を除去することができる。
他方の消臭成分のアミノ酸は、D−体,L−体又はラセミ体のいずれの異性体でも使用可能であり、グリシン,アラニン,フェニルアラニン,グルタミン酸塩及びサルコシンの1種又は2種以上が用いられる。中でも、グリシン,アラニン,サルコシンが好ましい。グルタミン酸塩としては、入手の容易さからL−グルタミン酸モノナトリウム塩が好適である。アミノ酸は、食品添加剤,化粧品原料,医薬品原料等に使用されており、安価でかつ人体に無害である。これらのアミノ酸は、手荒れ防止効果、毛髪に対するリンス効果及びコンディショニング効果がある。
亜鉛化合物とアミノ酸の併用割合は50倍を上限とする。アミノ酸の割合が50倍より高くなると、硫化水素,メルカプタン等の硫黄系化合物の捕捉効率が低下し、アミノ酸の使用量が相対的に増加するので経済的でない。上記併用割合は、重量比で1:3〜1:40の範囲、更に1:5〜1:40の範囲にあることが好ましい。この範囲内では、頭髪又は身体上に存在又は発生する臭気成分がバランス良く捕捉される。一般に、消臭性配合剤中のアミノ酸の割合が高いほど(例えば1:6〜1:20)、塩基性窒素化合物及び高級アルデヒド類の除去効率に優れ、亜鉛化合物の割合が高いほど(例えば1:3〜1:9)、硫黄系化合物の除去効率に優れる。
アルコールとしては、エタノール,イソプロパノール,ブタノール等が用いられる。また、グリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール等が用いられる。グリコールモノエーテルとしては、これらグリコールの低級アルキルエーテルが用いられる。混合溶媒における有機溶媒の混合割合は、1〜50重量%、好ましくは5〜20重量%、更に好ましくは5〜10重量%である。
中でも、亜硫酸又は酸性亜硫酸のナトリウム塩,カリウム塩,アンモニウム塩を選択することが好ましい。これらの塩は、アルデヒド類の消臭効果が高いので、配合剤水性溶液のpH調整を離れて使用することができる。しかも、亜硫酸又は酸性亜硫酸の塩は、アミノ酸と併用すると、アルデヒド類以外の臭気成分も同時に除去する作用がある。亜硫酸及び/又は酸性亜硫酸の塩を消臭成分として使用する場合、これらの塩とアミノ酸の併用割合が重量比で1:20〜10:1の範囲にあれば、臭気成分の消臭効果を充分に発揮することができる。
本発明の洗浄剤組成物は、洗浄基剤と前記消臭性配合剤を必須成分とし、フケ防止剤,防黴剤・殺菌剤,香料等の添加剤とからなる。洗浄剤に本発明の消臭性配合剤を配合しても、肌や毛髪に対して刺激性が低く、手荒れがなく使用感も良好である。
洗浄基剤は、身体に付着した汚れを落とすために組成物に配合される。また、補助洗浄基剤は、洗浄基剤単独の場合、皮脂汚れが少ない時は良く泡立つが、汚れが多いと泡立ち難くなるので、洗浄基剤の汚れ落としと泡立ちを補完するために組成物に配合される。きめ細かい泡立ちは良好なシャンプーの欠かせない条件であり、特にシャンプーは洗浄基剤と補助洗浄基剤を主成分とする。
例えば、シャンプーには、アニオン性界面活性剤,両性界面活性剤,ノニオン性界面活性剤が用いられる。リンス及びトリートメントには、カチオン性界面活性剤,ノニオン性界面活性剤が用いられる。ボディシャンプーには、アニオン性界面活性剤,ノニオン性界面活性剤が用いられる。ハンドソープには、アニオン性界面活性剤,両性界面活性剤,ノニオン性界面活性剤が用いられる。台所用洗剤には、アニオン性界面活性剤が用いられる。これらの界面活性剤は、一般に1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%の範囲で洗浄剤組成物に配合される。
これらの添加剤は、用途に応じて選択され、洗浄作用及び消臭作用を阻害しない範囲内で適宜の量配合することができる。
消臭成分の炭酸亜鉛及び/又は酸化亜鉛は、消臭作用の他に抗菌・防黴作用を有しており、必要に応じて亜鉛化合物の含量を高めて抗菌・防黴活性を強化することができる。また、防黴剤や抗菌剤を添加剤として使用する場合、亜鉛化合物含量に応じて、添加剤の量をより低減することも可能である。なお、保存安定性を向上させるために、洗浄剤組成物の用途に応じて選択される界面活性剤を前述の消臭性配合剤に0.01〜40重量%程度添加してもよい。その場合、洗浄剤組成物中の界面活性剤の割合をその分低減することができる。
塩基性窒素化合物については、アミノ酸のカルボキシル基とイオン性のアンモニウム塩を形成するものと推測される。硫黄系化合物については、亜鉛化合物とアミノ酸が反応してアミノ酸の亜鉛錯体が一部生成し、亜鉛イオンに硫黄系化合物が反応するものと推測される。脂肪酸については、アミノ酸のアミノ基との反応により消臭されるものと推測される。また、アルデヒド類については、アルデヒド基がアミノ酸のアミノ基に付加し、N−メチロール基(-NH-CH(R)OH, R:アルデヒド残基)に変換されて除去されるものと推測される。
なお、下記の洗浄剤用消臭性配合剤水溶液の調製において、実施例及び比較例で使用する酸化亜鉛及び塩基性炭酸亜鉛はいずれも化粧品グレードであり、アミノ酸はいずれも食品添加物グレードである。
(酸化亜鉛−グリシン水溶液の調製)
酸化亜鉛5gとグリシン15gを300cc三口フラスコに入れ、イオン交換水200mlを添加した。この水性混合物を攪拌下に70℃の温浴で30分間加温して、無色透明な水溶液を調製した。水溶液のpHは6.7であった。
(シャンプー)
シャンプー原液(カネボウ製:海のうるおい藻)90mlに濃度約9.1重量%の上記酸化亜鉛−グリシン水溶液10mlを添加した。
得られた酸化亜鉛−グリシン添加シャンプー5mlを水道水95mlで希釈して、後記の消臭試験に供する供試用液とした。
(炭酸亜鉛−グリシン水溶液の調製)
塩基性炭酸亜鉛5gとグリシン15gを300cc三口フラスコに入れ、イオン交換水200mlを添加した。この水性混合物を攪拌下に70℃の温浴で加温して、無色透明な水溶液を調製した。水溶液のpHは6.6であった。
(ハンドソープ)
ハンドソープ原液(エフティ資生堂製:薬用ハンドソープ)90mlに濃度約9.1重量%の上記炭酸亜鉛−グリシン水溶液10mlを添加した。
得られた炭酸亜鉛−グリシン添加ハンドソープ5mlを水道水95mlで希釈して、消臭試験に供する供試用液とした。
(酸化亜鉛−グリシン水溶液の調製)
酸化亜鉛1gとグリシン6gを200ccビーカーに入れ、イオン交換水93gを添加した。水性混合物を室温で攪拌して無色透明の水溶液を調製した。水溶液のpHは6.6であった。
(ボディシャンプー)
ボディシャンプー原液(ロゼット製:無添加石鹸ボディソープアロエ)95mlに濃度7重量%の上記酸化亜鉛−グリシン水溶液5mlを添加した。
得られた酸化亜鉛−グリシン添加ボディシャンプー5mlを水道水95mlで希釈して、消臭試験に供する供試用液とした。
(炭酸亜鉛−アラニン水溶液の調製)
塩基性炭酸亜鉛1gとL−アラニン9gを200ccビーカーに入れ、イオン交換水90gを添加した。水性混合物を室温で攪拌して無色透明の水溶液を調製した。水溶液のpHは6.5であった。
(台所用合成洗剤)
台所用合成洗剤原液(カネヨ石鹸製:ソープンフレッシュ)98mlに濃度10重量%の上記炭酸亜鉛−アラニン水溶液2mlを添加した。
得られた炭酸亜鉛−アラニン添加台所用合成洗剤5mlをイオン交換水95mlで希釈して、消臭試験に供する供試用液とした。
(シャンプーの処方)
ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム 20重量%
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 5重量%
炭酸亜鉛−グリシン水溶液(実施例2) 10重量%
グリセリン 4重量%
水 残部
上記処方で得られたシャンプー5mlをイオン交換水95mlで希釈して、消臭試験に供する供試用液とした。
(酸化亜鉛−グリシン水溶液の調製)
酸化亜鉛1gとグリシン9gを200ccビーカーに入れ、イオン交換水90gを添加した。水性混合物を室温で攪拌して無色透明の水溶液を調製した。
(リンスの処方)
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2重量%
プロピレングリコール 5重量%
濃度10重量%の上記炭酸亜鉛−グリシン水溶液 5重量%
水 残部
上記処方で得られたリンスを実施例5と同様にイオン交換水で希釈して、消臭試験に供する供試用液を調製した。
(酸化亜鉛−サルコシン水溶液の調製)
酸化亜鉛0.25gとサルコシン10.0gを200ccビーカーに入れ、イオン交換水90gを添加した。水性混合物を室温で攪拌して無色透明の水溶液を調製した。水溶液のpHは6.6であった。
(リンスの処方)
炭酸亜鉛−グリシン水溶液に代えて、濃度約10重量%の上記酸化亜鉛−サルコシン水溶液を用いた以外は、実施例6と同様にしてリンスを調製した。
上記処方で得られたリンスを実施例5と同様にイオン交換水で希釈して、消臭試験に供する供試用液を調製した。
酸化亜鉛0.5g、グリシン6.0g 及びL−グルタミン酸ソーダ2.0gを混合して、イオン交換水91gに溶解させた。得られた水溶液のpHは6.9であった。
(台所用洗剤の処方)
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20重量%
上記酸化亜鉛−グリシン−グルタミン酸ソーダ水溶液 10重量%
水 残部
上記処方で得られた台所用洗剤5mlを水道水95mlで希釈して、消臭試験に供する供試用液とした。
酸化亜鉛2gとL−フェニルアラニン8gを200ccビーカーに入れ、イオン交換水90gを添加した。水性混合物を室温で15分間攪拌して、無色透明の水溶液を調製した。水溶液のpHは6.7であった。
(シャンプーの処方)
ラウリル硫酸トリエタノールアミン 15重量%
ラウリン酸ジエタノールアミド 5重量%
上記亜鉛−フェニルアラニン水溶液 15重量%
水 残部
上記処方で得られたシャンプー5mlを水道水95mlで希釈して、消臭試験に供する供試用液とした。
実施例1〜4で用いた市販の各洗浄剤原液(消臭性配合剤の水溶液を添加しない)5mlをイオン交換水100mlで希釈して、後記の消臭試験に供する供試用液とした。
比較例5
実施例5のシャンプーの処方のうち、炭酸亜鉛−グリシン水溶液10重量%に代えてメチルパラベン0.2重量%を添加した。このシャンプー5mlをイオン交換水100mlで希釈して、消臭試験に供する供試用液とした。
比較例6
実施例6のリンスの処方のうち、酸化亜鉛−グリシン水溶液を添加しなかった。このリンス5mlをイオン交換水100mlで希釈して、消臭試験に供する供試用液とした。
比較例7
実施例7のリンスの処方のうち、酸化亜鉛−サルコシン水溶液を添加しなかった。このリンス5mlをイオン交換水100mlで希釈して、消臭試験に供する供試用液とした。
比較例8
実施例8の台所用洗剤の処方のうち、酸化亜鉛−グリシン−グルタミン酸ソーダ水溶液を添加しなかった。この台所用洗剤5mlをイオン交換水100mlで希釈して、消臭試験に供する供試用液とした。
比較例9
実施例9のシャンプーの処方のうち、酸化亜鉛−フェニルアラニン水溶液を添加しなかった。このシャンプー5mlをイオン交換水100mlで希釈して、消臭試験に供する供試用液とした。
対照例
イオン交換水のみで消臭試験を実施した。
除去対象物注入口、圧力調整口、検知管測定口及び予備口を備えた容量3リッターのガラス製セパラブルフラスコを3個用意し、それぞれの注入口から注射器を用いてアンモニア,硫化水素及び酢酸の3種の臭気物質を所定の初期濃度になるように個別に注入し、30秒間攪拌した。その後、10分間静置して各臭気物質の初期濃度をガステック検知管から測定した。
臭気物質の初期濃度
アンモニア 80 ppm
硫化水素 40 ppm
酢酸 50 ppm
次いで、予備口から注射器を用いて各実施例で調製した供試用液3mlを各フラスコ内に注入した。そして、3種の除去対象物について、静置後から30分経過した時のそれぞれのフラスコ内に残存する濃度をガステック検知管から測定して、30分経過後の消臭率を算出した。
また、上記体臭以外に、洗浄剤の使用後に人体表面に残留する添加剤(例えば、エタノールアミン)も、同様の理由から有効に除去できるものと考えられる。
(1)手荒れ試験
各実施例の消臭性配合剤を濃度5重量%に調整した供試用液を40℃に加温し、この供試用液中に10名のパネラーの手を2分間浸した。これを1日2回行い、かつ連続3日間実施した。表1に示すように、全てのパネラーに手荒れは認められなかった。
(2)使用感
実施例1〜4で調製した洗浄剤組成物と、比較例1〜4の市販品との使用を10名のパネラーに依頼し、肌に対する使用時の不快感、即ち皮膚刺激性があるかヒリヒリ感が感じられるか否かを評価してもらった。表1に示すように、実施例1〜4の洗浄剤組成物は、対応する各市販品と遜色がないとの評価を得た。また、泡立ち性も市販品と遜色ないことが判明した。
更に、実施例5〜9で調製した洗浄剤組成物についても、同様の評価が得られた。
(洗浄剤組成物)
ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム 10重量%
酸化亜鉛−グリシン水溶液(実施例1) 40重量%
水 残部
<パーマネントウェーブ用毛髪消臭処理剤の消臭試験>
長さ20cmで重量10gの人毛2束を用い、下記のパーマネントウェーブ第1剤100ml中に15分間浸透してパーマネント処理を施した。次いで、毛束を取り出して軽く絞り、上記洗浄剤組成物50ml中に10分間浸漬した後水洗した。洗浄剤組成物の消臭結果を5名のパネラーに官能評価してもらった。
(パーマネントウェーブ第1剤)
チオグリコール酸アンモニウム 7.0重量%
EDTA−二ナトリウム塩 0.5重量%
28%アンモニア水 (pH9に調整)
モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.0重量%
水 残部
官能評価の結果、実施例10の洗浄剤組成物で処理を施した毛髪は、パネラー全員がチオグリコール酸臭及びアンモニア臭とも感じなかった。一方、コントロールとして、洗浄剤組成物を使用せずに流水で10秒間洗浄した毛髪については、パネラー全員がチオグリコール酸臭及びアンモニア臭を強く感じた。
Claims (4)
- 炭酸亜鉛及び酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種の亜鉛化合物と、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、グルタミン酸塩及びサルコシンの群から選ばれる少なくとも1種のアミノ酸との混合物からなり、上記亜鉛化合物とアミノ酸の併用割合が重量比で1:2〜1:50の範囲にあることを特徴とする洗浄剤用消臭性配合剤。
- 前記混合物が水性溶液の状態にあることを特徴とする請求項1記載の洗浄剤用消臭性配合剤。
- 洗浄剤と消臭性配合剤とからなり、該消臭性配合剤が、炭酸亜鉛及び酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種の亜鉛化合物と、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、グルタミン酸塩及びサルコシンの群から選ばれる少なくとも1種のアミノ酸とを含有すると共に、亜鉛化合物とアミノ酸の併用割合が重量比で1:2〜1:50の範囲にあることを特徴とする洗浄剤組成物。
- シャンプー、リンス、ボディシャンプー、ハンドソープ又はトリートメントとして使用される請求項3記載の洗浄剤組成物。
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