JP2006175913A - 車両用懸架装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 部品点数を増大させることなく、通常用いられているスタビライザバーおよびスタビリンクの形状に変更を加えずに操舵感を向上させ得る車両用懸架装置を提供する。
【解決手段】 車両用懸架装置は、ストラット装置10、スタビライザバー31およびスタビリンク32を備える。スタビライザバー31は、車両の幅方向に延設される中間軸部31aをブラケット33およびゴムブッシュ34(取付部材)を介して車体に回転可能に取り付けられ、各外側部31bをスタビリンク32を介してストラット装置10のアブソーバ11(車輪支持部材)に取り付けられる。ゴムブッシュ34は、その外周面にてブラケット33の内周面に加硫接着されるとともに、その内周面にてスタビライザバー31の中間軸部31aの外周面に加硫接着される。スタビライザバー31が車両に組み付けられた状態では、ゴムブッシュ34が軸線 回りに所定角度弾性的に捩られている。
【選択図】 図3
【解決手段】 車両用懸架装置は、ストラット装置10、スタビライザバー31およびスタビリンク32を備える。スタビライザバー31は、車両の幅方向に延設される中間軸部31aをブラケット33およびゴムブッシュ34(取付部材)を介して車体に回転可能に取り付けられ、各外側部31bをスタビリンク32を介してストラット装置10のアブソーバ11(車輪支持部材)に取り付けられる。ゴムブッシュ34は、その外周面にてブラケット33の内周面に加硫接着されるとともに、その内周面にてスタビライザバー31の中間軸部31aの外周面に加硫接着される。スタビライザバー31が車両に組み付けられた状態では、ゴムブッシュ34が軸線 回りに所定角度弾性的に捩られている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、スタビライザバーを備えた車両用懸架装置に関する。
車両用懸架装置には、例えば下記特許文献1に記載されているように、スタビライザバーが、車両の幅方向に延設される中間軸部を取付部材を介して車体に回転可能に取り付けられ、左右両端部を左右のスタビリンクを介して左右の車輪支持部材にそれぞれ取り付けられて構成されているものがある。
特開平7−137522号公報
上記した特許文献1に記載されている車両用懸架装置では、操舵感が向上するように、具体的には車輪支持部材が動作位置(旋回走行位置)から中立位置(直進走行位置)に戻されるときの復元力が得られるように、スタビライザバーとスタビリンク間にゴムブッシュが介装されていて、車両の旋回時に車輪側支持部材およびスタビリンクのキングピン軸回りの回転変位に伴ってゴムブッシュが弾性的に捩られ、このゴムブッシュの弾性復帰力により車輪側支持部材にモーメントが付与される。
ところで、上記した特許文献1に記載されている車両用懸架装置において、スタビライザバーとスタビリンク間に介装したゴムブッシュは新設するものであるため、操舵感を向上させるための部品点数が増大するという問題がある。また、ゴムブッシュをスタビライザバーとスタビリンク間に介装するためには、スタビライザバーおよびスタビリンクの端部の形状を特殊な形状に変更しなければならず、通常用いられているスタビライザバーおよびスタビリンクをそのまま使用できないことから、車両用懸架装置が高価になるという問題もある。
したがって、本発明では、上記した問題に対処するために、部品点数を増大させることなく、通常用いられているスタビライザバーおよびスタビリンクの形状に変更を加えずに操舵感を向上させることが可能な車両用懸架装置を提供することをその目的をしている。
上記目的を達成するために、本発明においては、スタビライザバーが、車両の幅方向に延設される中間軸部を取付部材を介して車体に軸回りに回転可能に取り付けられ、左右両端部を左右のスタビリンクを介して左右の車輪支持部材にそれぞれ取り付けられてなる車両用懸架装置において、前記取付部材は、車体に固定されるブラケットと、このブラケットと前記スタビライザバーの中間軸部間に組み付けられるゴムブッシュとを備えており、同ゴムブッシュはその外周面にて前記ブラケットに固着されるとともにその内周面にて前記スタビライザバーの中間軸部に固着されていて、前記スタビライザバーが車両に組み付けられた状態では、前記ゴムブッシュが軸線回りに所定角度弾性的に捩られるように構成したことに特徴がある。
この場合には、スタビライザバーを車体に回転可能に取り付けるための取付部材の一構成要素であるゴムブッシュを利用して、このゴムブッシュを所定角度弾性的に捩らせた状態でブラケットとスタビライザバーの中間軸部間に組み付けることにより、スタビライザバーに対してゴムブッシュの弾性復帰力によるモーメントが付与される。これにより、操舵感を向上させるための部品点数の増大が抑えられる。また、ゴムブッシュは、通常用いられているようにブラケットとスタビライザバーの中間軸部間に組み付けられているものであるため、スタビライザバーおよびスタビリンクの形状を特殊な形状に変更する必要がなく、通常用いられているスタビライザバーおよびスタビリンクをそのまま使用できるため、車両用懸架装置を安価に構成することが可能である。
また、本発明の実施に際して、前記車輪支持部材が中立位置にあるとき、前記ゴムブッシュの弾性復帰力により前記スタビライザバーから前記スタビリンクを介して前記車輪支持部材に作用する力の作用線とキングピン軸の軸線とが交差しないように前記スタビリンクが配置されているように実施することも可能である。
ゴムブッシュの弾性復帰力によりスタビライザバーからスタビリンクを介して車輪支持部材に作用する力の作用線とキングピン軸の軸線(回転中心線)とが交差しないようにスタビリンクを配置することにより、例えば、車両用懸架装置の設計上のレイアウトに起因して中立位置にある車輪支持部材に対してキングピン軸回りの過大なモーメントが作用する場合には、このモーメントを打ち消す向きのモーメントを車輪支持部材に付与することができる。これにより、操舵ハンドルの過大な手ごたえ感を減らすことができ、操舵感を向上させることが可能である。また、車輪支持部材に対してキングピン軸回りの過小なモーメントが作用する場合には、このモーメントを増大させる向きのモーメントを車輪支持部材に付与することができる。これにより、操舵ハンドルの過小な手ごたえ感を増やすことができ、操舵感を向上させることが可能である。
また、本発明の実施に際して、前記車輪支持部材が中立位置にあるとき、前記ゴムブッシュの弾性復帰力により前記スタビライザバーから前記スタビリンクを介して前記車輪支持部材に作用する力の作用線とキングピン軸の軸線とが交差するように前記スタビリンクが配置されているように実施することも可能である。
ゴムブッシュの弾性復帰力によりスタビライザバーからスタビリンクを介して車輪支持部材に作用する力の作用線とキングピン軸の軸線とが交差するようにスタビリンクを配置することにより、中立位置にある車輪支持部材に対してはキングピン軸回りのモーメントが付与されないが、動作位置にある車輪支持部に対してはキングピン軸回りのモーメントが付与されるようにすることができる。これにより、車両の旋回時において、車輪支持部材が動作位置から中立位置に戻されるときの復元力が得られることになって、操舵感を向上させることが可能である。
以下、本発明の各実施形態を図面を用いて説明する。図1〜図3は、本発明に係る車両用懸架装置の第1実施形態を概略的に示していて、この第1実施形態の車両用懸架装置は、左右一対のストラット装置10、スタビライザバー31および左右一対のスタビリンク32を備えている。
各ストラット装置10は、アブソーバ11およびコイルスプリング12を備えている。アブソーバ11は、車輪支持部材として機能するものであり、図示を省略するピストンロッドの上端にてコイルスプリング12を介在させた状態で車体40に連結されており、その下端にはステアリングナックル21が固定されている。
ステアリングナックル21は、その上部にてアブソーバ11に固定されていて、一方のアームにてボールジョイント22を介してロアアーム23に回転可能に連結されるとともに、他方のアームにてボールジョイント24を介してタイロッドエンド25に回転可能に連結されている。また、ステアリングナックル21は、中央部にて図示を省略するハブを介して左右輪50をそれぞれ回転可能に支持している。
ロアアーム23は、図2に示すように、その内側端にて車体40に略前後方向の軸線回りに回転可能に取り付けられている。タイロッドエンド25は、その内側端にてタイロッド26にねじ結合されている。タイロッド26は、ボールジョイント27を介してステアリングラック28に回転可能に連結されている。
これにより、アブソーバ11およびステアリングナックル21は、操舵ハンドルの操舵によるステアリングラック28、タイロッド26およびタイロッドエンド25の車両幅方向の変位に応じて、キングピンKP軸回りに回転変位する。ここで、キングピンKP軸は、アブソーバ11と車体40との連結中心と、ステアリングナックル21とロアアーム23とを連結するボールジョイント22の回転中心とを結んだ回転中心線によって規定されている。
なお、この第1実施形態においては、アブソーバ11およびステアリングナックル21の設計上のレイアウトにより、アブソーバ11が中立位置(直進走行位置)にあるときに、例えばタイヤに働く車両重量の反力、予め調整されるトー角、キャンバ角などに起因してアブソーバ11にトーイン方向の過大なモーメントMoが作用するようになっている。
スタビライザバー31は、略コ字状に形成されていて、中間軸部31aおよび左右の外側部31bを有している。中間軸部31aは、車両の幅方向に延在していて、その左右端近傍にて取付部材としてのブラケット33およびゴムブッシュ34を介して車体40の上面に回転可能に取り付けられている。各外側部31bは、車両の前後方向に延在していて、前端にてスタビリンク32を介してアブソーバ11に取り付けられている。
各スタビリンク32は、直線状に形成されていて、略上下方向に配置されており、上端にてボールジョイント35を介してアブソーバ11に回転可能に連結されるとともに、下端にてボールジョイント36を介してスタビライザバー31の外側部31bの前端に回転可能に連結されている。各スタビリンク32は、その軸線が上端から下端に向かうに従って車両前方および内方に傾斜し、かつキングピン軸KPと交差しない位置に配置されている。また、各スタビリンク32の上端すなわちスタビリンク32とアブソーバ11とを連結するボールジョイント35の回転中心は、キングピン軸KPに対して車両幅方向内方に位置している。
ところで、この第1実施形態においては、ゴムブッシュ34がその外周面にてブラケット33の内周面に加硫接着されるとともに、その内周面にてスタビライザバー31の中間軸部31aの外周面に加硫接着されていて、ブラケット33およびゴムブッシュ34が組み付けられたスタビライザバー31の自由状態では、図3の二点鎖線で示すように、車両が標準車高(例えば、前席に2名乗車している状態の車高)にあるときのブラケット33の車体40への取付け面を基準として、スタビライザバー31の両外側部31bが前記取付け面よりも所定角度(例えば10°以上の角度)だけ下方に位置するようになっている。
このため、スタビライザバー31が、図1〜図3に示すように車両に組み付けられた状態では、ゴムブッシュ34が軸線回りに所定角度弾性的に捩られており、ゴムブッシュ34の弾性復帰力によりスタビライザバー31に対して車両下方へのモーメントMbが付与された状態になっている。このモーメントMbに応じてスタビライザリンク32には、図2および図3に示すように、その軸線方向に引張力Flが作用している。
そして、引張力Flの作用線とキングピン軸KPの軸線とが交差しないようにスタビリンク32が配置されているため、この引張力Flの水平成分を受けて、アブソーバ11にはキングピンKP軸回りにトーアウト方向のモーメントMkが付与される。このモーメントMkは、上記したアブソーバ11およびステアリングナックル21の設計上のレイアウトに起因して中立位置にあるアブソーバ11に作用しているトーイン方向のモーメントMoを打ち消すように作用する。
したがって、モーメントMoに応じてタイロッドエンド25およびタイロッド26に付与されている引張力Ftが、モーメントMkに応じてタイロッドエンド25およびタイロッド26に付与される圧縮力Fcにより小さくされる。その結果、ステアリングナックル21とタイロッドエンド25間のボールジョイント24やタイロッド26とステアリングラック28間のボールジョイント27に作用する摩擦力が減少するため、操舵ハンドルの過大な手ごたえ感を減らすことができ、操舵感を向上させることが可能である。また、ボールジョイント24および27の耐久性を向上させることも可能である。
上記した第1実施形態においては、ゴムブッシュ34の弾性復帰力によりスタビライザバー31に対して車両下方へのモーメントMbが付与されるように実施したが、アブソーバ11およびステアリングナックル21の設計上のレイアウトにより、中立位置にあるアブソーバ11に対してトーイン方向の過小なモーメントMoが作用している場合には、図4および図5に示すように、スタビライザバー31に対して車両上方への回転モーメントMbが付与されるように実施することも可能である。なお、図4および図5に示したこの第2実施形態の他の構成は、上記第1実施形態と同じであるため、同一の部材には同一の符号を付して、説明は省略する。
この第2実施形態においても、上記した第1実施形態と同様に、ゴムブッシュ34がその外周面にてブラケット33の内周面に加硫接着されるとともに、その内周面にてスタビライザバー31の中間軸部31aの外周面に加硫接着されているが、ブラケット33およびゴムブッシュ34が組み付けられたスタビライザバー31の自由状態では、図5の二点鎖線で示すように、車両が標準車高にあるときのブラケット33の車体40への取付け面を基準として、スタビライザバー31の両外側部31bが前記取付け面よりも所定角度(例えば10°以上の角度)だけ上方に位置するようになっている。
このため、スタビライザバー31が、図4および図5に示すように車両に組み付けられた状態では、ゴムブッシュ34が軸線回りに所定角度弾性的に捩られており、スタビライザバー31に対してゴムブッシュ34の弾性復帰力による車両上方へのモーメントMbが付与された状態になっている。このモーメントMbに応じてスタビライザリンク32には、その軸線方向に圧縮力Flが作用している。
そして、圧縮力Flの作用線とキングピン軸KPの軸線とが交差しないようにスタビリンク32が配置されているため、この圧縮力Flの水平成分を受けて、アブソーバ11にはキングピンKP軸回りにトーイン方向のモーメントMkが付与される。このモーメントMkは、上記したアブソーバ11およびステアリングナックル21の設計上のレイアウトに起因して中立位置にあるアブソーバ11に作用しているトーイン方向のモーメントMoを増大させるように作用する。
したがって、モーメントMoに応じてタイロッドエンド25およびタイロッド26に付与されている引張力Ftが、モーメントMkに応じてタイロッドエンド25およびタイロッド26に付与される引張力Ft2により大きくされる。その結果、ステアリングナックル21とタイロッドエンド25間のボールジョイント24やタイロッド26とステアリングラック28間のボールジョイント27に作用する摩擦力が増大するため、操舵ハンドルの過小な手ごたえ感を増やすことができ、操舵感を向上させることが可能である。すなわち、ステアリング系の摩擦は車両全体で適切に管理する項目であり、車両によっては他の部品の摩擦が少ないために、操舵ハンドルの手ごたえ感が過小となる場合があるが、この場合には、ボールジョイント24および27に作用する摩擦力を増大させて、操舵ハンドルの手ごたえ感を過大にすることが望まれるからである。
上記した第1および第2実施形態においては、アブソーバ11およびステアリングナックル21の設計上のレイアウトにより、中立位置にあるアブソーバ11に対してトーイン方向の過大および過小なモーメントMoがそれぞれ作用している場合について実施したが、中立位置にあるアブソーバ11に対してトーアウト方向の過大および過小なモーメントMoがそれぞれ作用している場合に本発明を実施することも可能である。
中立位置にあるアブソーバ11に対してトーアウト方向の過大なモーメントMoが作用している場合には、上記した第2実施形態のように、ゴムブッシュ34の弾性復帰力によりスタビライザバー31に対して車両上方へのモーメントMbが付与されるように実施することにより、アブソーバ11にはキングピンKP軸回りにトーイン方向のモーメントMkが付与される。このモーメントMkは、モーメントMoを打ち消すように作用するため、モーメントMoに応じてタイロッドエンド25およびタイロッド26に付与されている圧縮力が、モーメントMkに応じてタイロッドエンド25およびタイロッド26に付与される引張力により小さくされる。
その結果、ステアリングナックル21とタイロッドエンド25間のボールジョイント24やタイロッド26とステアリングラック28間のボールジョイント27に作用する摩擦力が減少するため、操舵ハンドルの過大な手ごたえ感を減らすことができ、操舵感を向上させることが可能である。また、ボールジョイント24および27の耐久性を向上させることも可能である。
一方、中立位置にあるアブソーバ11に対してトーアウト方向の過小なモーメントMoが作用している場合には、上記した第1実施形態のように、ゴムブッシュ34の弾性復帰力によりスタビライザバー31に対して車両下方へのモーメントMbが付与されるように実施することにより、アブソーバ11にはキングピンKP軸回りにトーアウト方向のモーメントMkが付与される。このモーメントMkは、モーメントMoを増大させるように作用するため、モーメントMoに応じてタイロッドエンド25およびタイロッド26に付与されている圧縮力が、モーメントMkに応じてタイロッドエンド25およびタイロッド26に付与される圧縮力により大きくされる。
その結果、ステアリングナックル21とタイロッドエンド25間のボールジョイント24やタイロッド26とステアリングラック28間のボールジョイント27に作用する摩擦力が増大するため、操舵ハンドルの過小な手ごたえ感を増やすことができ、操舵感を向上させることが可能である。
上記第1および第2実施形態ないし各変形実施形態においては、スタビライザリンク32に作用する力の作用線とキングピン軸KPの軸線とが交差しないようにスタビリンク32が配置されるように実施したが、図6および図7(A)に示すように、スタビライザリンク32に作用する力の作用線とキングピン軸KPの軸線とが交差するようにスタビリンク32が配置されるように実施することも可能である。なお、図6に示したこの第3実施形態の他の構成は、上記第1実施形態と同じであるため、同一の部材には同一の符号を付して、説明は省略する。
この第3実施形態においては、上記した第1実施形態と同様に、ゴムブッシュ34の弾性復帰力によりスタビライザバー31に対して車両下方へのモーメントMbが付与された状態にあり、このモーメントMbに応じてスタビライザリンク32には引張力Flが作用している。ただし、上記した第1実施形態とは異なり、引張力Flの作用線がキングピンKP軸の軸線と交差するようにスタビライザリンク32が配置されているため、中立位置にあるアブソーバ11に対してはキングピンKP軸回りのモーメントMkが付与されないようになっている。
この場合、例えば車両の右旋回時には、図7(B)に示すようにアブソーバ11のキングピンKP軸回りの回転変位に伴って前記引張力Flの作用線とキングピンKP軸の軸線とが交差しなくなり、動作位置(旋回走行位置)にあるアブソーバ11に対してキングピンKP軸回りの反時計回りのモーメントMkが付与されるようになる。その結果、車両の右旋回時において、アブソーバ11が動作位置から中立位置に戻されるときの復元力が得られることになって、操舵感を向上させることが可能である。
一方、例えば車両の左旋回時には、動作位置(旋回走行位置)にあるアブソーバ11に対してキングピンKP軸回りの時計回りのモーメントMkが付与されるようになる。その結果、車両の右旋回時の場合と同様に、アブソーバ11が動作位置から中立位置に戻されるときの復元力が得られることになって、操舵感を向上させることが可能である。
なお、上記第3実施形態において、スタビライザバー31を車両に組み付ける際に、各スタビリンク32の取付け位置が多少ずれたとしても、各アブソーバ11にはキングピンKP軸回りに互いに反対回りのモーメントが付与され、またステアリングナックル21がタイロッド26等によりキングピンKP軸回りの独立した回転変位を規制されているために、取付け位置のずれに起因したモーメントは互いに打ち消し合うこととなって、左右輪50は中立位置に留まる。したがって、スタビリンク32のアブソーバ11に対する上記取付け位置からのある程度のずれは許容される。
上記した各実施形態および各変形実施形態によれば、スタビライザバー31を車体40に回転可能に取り付けるための取付部材の一構成要素であるゴムブッシュ34を利用して、このゴムブッシュ34を所定角度弾性的に捩らせた状態でブラケット33とスタビライザバー31の中間軸部31a間に組み付けることにより、スタビライザバー31に対してゴムブッシュ34の弾性復帰力によるモーメントが付与される。これにより、操舵感を向上させるための部品点数の増大が抑えられる。また、ゴムブッシュ34は、通常用いられているようにブラケット33とスタビライザバー31の中間軸部31a間に組み付けられているものであるため、スタビライザバー31およびスタビリンク32の形状を特殊な形状に変更する必要がなく、通常用いられているスタビライザバー31およびスタビリンク32をそのまま使用できるため、車両用懸架装置を安価に構成することが可能である。
上記した各実施形態および各変形実施形態においては、各スタビリンク32が、その軸線を上端から下端に向かうに従って車両前方および内方に傾斜した状態で配置されるように実施したが、その軸線を上端から下端に向かうに従って車両後方および内方に傾斜した状態で配置されるように実施することも可能である。この場合には、アブソーバ11に対して、上記した説明とは逆回りのキングピンKP軸回りのモーメントMkが付与されることになる。
また、スタビリンクの配置、スタビリンクに作用する力の方向、懸架装置のレイアウトにより中立位置においてアブソーバおよびステアリングナックルに付与されるキングピン軸回りのモーメントの向きの設定などは、上記各実施形態および各変形実施形態に限らず、種々に組み合わせて実施することが可能である。
10…ストラット装置、11…アブソーバ、12…コイルスプリング、21…ステアリングナックル、23…ロアアーム、24…タイロッドエンド、26…タイロッド、28…ステアリングラック、22,24,27…ボールジョイント、31…スタビライザバー、31a…中間軸部、31b…外側部、32…スタビリンク、33…ブラケット、34…ゴムブッシュ、35,36…ボールジョイント、40…車体、50…左右輪
Claims (3)
- スタビライザバーが、車両の幅方向に延設される中間軸部を取付部材を介して車体に回転可能に取り付けられ、左右両端部を左右のスタビリンクを介して左右の車輪支持部材にそれぞれ取り付けられてなる車両用懸架装置において、
前記取付部材は、車体に固定されるブラケットと、このブラケットと前記スタビライザバーの中間軸部間に組み付けられるゴムブッシュとを備えており、同ゴムブッシュはその外周面にて前記ブラケットに固着されるとともにその内周面にて前記スタビライザバーの中間軸部に固着されていて、前記スタビライザバーが車両に組み付けられた状態では、前記ゴムブッシュが軸線回りに所定角度弾性的に捩られるように構成したことを特徴とする車両用懸架装置。 - 請求項1に記載した車両用懸架装置において、
前記車輪支持部材が中立位置にあるとき、前記ゴムブッシュの弾性復帰力により前記スタビライザバーから前記スタビリンクを介して前記車輪支持部材に作用する力の作用線とキングピン軸の軸線とが交差しないように前記スタビリンクが配置されていることを特徴とする車両用懸架装置。 - 請求項1に記載した車両用懸架装置において、
前記車輪支持部材が中立位置にあるとき、前記ゴムブッシュの弾性復帰力により前記スタビライザバーから前記スタビリンクを介して前記車輪支持部材に作用する力の作用線とキングピン軸の軸線とが交差するように前記スタビリンクが配置されていることを特徴とする車両用懸架装置。
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