JP2006169507A - ビニルピロリドン重合体、及びその製造方法 - Google Patents

ビニルピロリドン重合体、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ビニルピロリドン重合体を製造するに際し、残存するN−ビニル−2−ピロリドン等のモノマーを円滑にかつ簡便に低減し、高純度なビニルピロリドン重合体を製造する。
【解決手段】 有機溶媒中で、該有機溶媒に可溶なラジカル開始剤の存在下、少なくともN−ビニル−2−ピロリドンをモノマーとして用いて溶液重合する重合工程と、得られた重合体溶液に水を添加し、並びに酸性条件下にして揮発性有機成分を蒸留、除去する留去工程とを有するものとした。
【選択図】 なし

Description

本発明は、モノマー残渣物の少ないビニルピロリドン重合体の製造方法に関するものである。
構成単位としてN−ビニル−2−ピロリドンを有するポリマー(ビニルピロリドン重合体)は、生体適合性、安全性、親水性等の利点があることから、医薬品や化粧品、食品等の添加剤、コンタクトレンズ、医療用器具、及び、それらの表面改質剤として、また、粘接着剤、塗料、分散剤、インキ、電子部品等としても有用であり、その品質や安全性を向上させるための研究がなされている。
特に、ビニルピロリドン重合体を医薬品、化粧品、食品用添加剤やコンタクトレンズ、医療用器具、医療用具などの表面改質剤として使用する際には、不純物をできるだけ少なくすることが必要である。
一般に、ビニルピロリドン重合体においては、重合に用いたN−ビニル−2−ピロリドンモノマーが残存する可能性があり、残存N−ビニル−2−ピロリドンモノマーの低減処理が必要である。
一般に、ビニルピロリドン重合体を製造して得られる組成物から残存モノマーを除く方法として、得られた高分子溶液を吸着剤にて後処理する、モノマーを事前に吸着剤にて前処理する、などの物理的処理を施す事例が報告されている。しかし、これらの手法は操作が煩雑でかつ時間がかかるために現実的ではない(例えば、特許文献1参照)。
また、重合体の製造において、ラジカル形成化合物を添加する前に予めモノマー溶液のpHを3〜8に調整して、残存モノマーを低減する技術が報告されている。しかし、この手法では、N−ビニル−2−ピロリドンは酸性条件下で分解反応を受けやすく、共重合組成が変化する懸念がある(例えば、特許文献2参照)。
あるいは、N−ビニル−2−ピロリドンモノマーを他のモノマーとともに共重合反応を施した後、特定の条件下にて特定の開始剤を後添加して高温処理することで重合反応を促進させて残存モノマーを低減する手法が報告されている。しかし、これらの手法は、本来重合に必要な量以上の開始剤を加えることとなり、開始剤分解物由来の夾雑物を増やすことにもなる。さらに求める共重合組成とは異なる組成の共重合体が生じることが懸念される(例えば、特許文献3参照)。
また、N−ビニル−2−ピロリドンモノマーが水溶液中、酸性条件下にて加水分解する反応を利用して、残存N−ビニル−2−ピロリドンモノマーを低減させる手法が報告されている。しかし、これらの手法は、分解反応によって生じるアセトアルデヒドや2−ピロリドン等の分解物は残存するという不具合がある(例えば、特許文献4参照)。
特開2001−354723号公報 特開平9−110912号公報 特許第2974747号公報 特開2003−40928号公報
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、ビニルピロリドン重合体を製造するに際し、残存するN−ビニル−2−ピロリドン等のモノマーを円滑にかつ簡便に低減し、高純度なビニルピロリドン重合体を得ることを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、N−ビニル−2−ピロリドンを有する重合体を重合反応によって得た後、水及び酸を添加、あるいは添加しながら有機溶媒及び他の成分の蒸留分離することで、残存モノマーを低減できることを見出した。特に、N−ビニル−2−ピロリドンと疎水性モノマーの共重合反応において、有機溶媒中、溶媒に可溶なラジカル開始剤を用いることで、円滑な重合反応が実施でき、さらに水及び酸を加えてから、あるいは加えながら溶媒置換作業を行い、高分子の溶媒を水へと置換することで、すみやかに有機溶媒と残存モノマー及び、モノマーの分解反応によって生じた不純物を取り除くことが可能となることを見出した。
すなわち本発明のビニルピロリドン重合体の製造方法は、有機溶媒中で、該有機溶媒に可溶なラジカル開始剤の存在下、少なくともN−ビニル−2−ピロリドンをモノマーとして用いて溶液重合する重合工程と、得られた重合体溶液に水を添加し、並びに酸性条件下にして揮発性有機成分を蒸留、除去する留去工程とを有することを特徴とするものである。
ここで、前記有機溶媒は、沸点が水の沸点よりも低いこと、及び/又は、水と均一に混合可能であることが望ましい。
得られるビニルピロリドン重合体は、その構成単位として、
(A)N−ビニル−2−ピロリドン:20〜99.89質量%
(B)疎水性モノマー:0.11〜80質量%
(C)上記(A)、(B)以外の共重合可能なモノマー:0〜50質量%
を有するものであることが望ましい。
さらに、留去工程後に、該留去工程にて得られるポリマー溶液を乾燥する乾燥工程を有することが望ましい。
また、重合工程にて、N−ビニル−2−ピロリドンをその使用量の15質量%以下になるように消費することが望ましい。
また、pHを2〜6にして蒸留することが望ましい。
本発明のビニルピロリドン重合体は、上記製法により製造されたものであり、ビニルピロリドンの単独重合体、及び他の単量体との共重合体が包含される。
本発明によれば、N−ビニル−2−ピロリドン等の残存モノマーの少ない高純度なビニルピロリドン重合体を得ることができる。そのため、例えば医薬品、化粧品、食品用添加剤やコンタクトレンズ、医療用器具、及び、それらの表面改質剤として使用する際に、特別な前処理等を必要とせず、得られたポリマー水溶液をそのまま配合することが可能となる。あるいは、得られた重合体の乾燥物を予め水又は他の成分に再溶解させて配合することも可能である。
本発明では、少なくともN−ビニル−2−ピロリドンをモノマーとして用いて溶液重合を行う(重合工程)。
この溶液重合は、有機溶媒中で行う。
この重合用有機溶媒としては、重合させる全てのモノマーを均一に溶解させることができること、ならびに、水と溶媒置換する後工程に対応できるように水と均一に混合可能であり、水よりも低い沸点を持つことが好ましい。ここで、水と均一に混合可能とは、25℃で当該溶媒50gを1Lの水に混合したときに目視判定で均一透明となる溶解性を示すことである。具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノールのような炭素数1〜4のアルコール、アセトン、又はテトラヒドロフランを使用することができる。この中でも、使用性、安全性、操作性の点から、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトンが好ましく、特に、エタノール、イソプロパノールが好ましい。
尚、溶液重合は、上述したような有機溶媒中で行うが、その反応性を損なわない範囲内であれば、重合溶媒中に水分が含まれていてもかまわない。
重合に際してはラジカル開始剤を用いる。ラジカル開始剤としては、用いる重合溶媒に均一に溶解することが必須であり、油溶性アゾ系ラジカル開始剤が好適である。具体的には、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2'−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドキシム)、4,4'−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッド)、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)などが挙げられる。特に好適には、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が用いられる。開始剤の使用濃度は、通常、使用するモノマーの総質量に対して0.1〜5質量%で使用するのが好ましい。
有機溶媒中での重合反応は、常圧で行い、また、保護ガスとして、例えば窒素などの不活性ガスを用いるのが好適である。また、通常、60〜130℃の温度で行うが、用いる溶媒の沸点で重合を行うのが、重合温度を一定に保つ上で好ましい。
重合反応は、予め調製したモノマー溶液及び開始剤溶液を、重合反応の間、有利に常にほぼ一定の濃度で重合溶媒中に連続的に添加することが望ましい。通常1〜5時間、好ましくは1〜4時間かけて、連続滴下するのが望ましい。重合反応は、モノマー全量が10〜50質量%、好ましくは15〜40質量%、さらに好ましくは20〜35質量%になるように行うのが好適である。
また、あらかじめモノマー溶液の一部、および開始剤溶液の一部を、溶媒の沸点にまで加熱するとともに窒素置換した反応機(重合容器)に一括あるいは分割添加してから、開始剤溶液とモノマー溶液を連続滴下により加えても良い。特に、共重合性の低いN−ビニル−2−ピロリドンモノマーの一部を先に反応機(重合容器)へ添加するのが望ましい。
また、N−ビニル−2−ピロリドンモノマーは酸に対して反応しやすいので、重合時のpHは、例えばモノマーと重合溶媒の混合溶液を水で10倍に希釈した際のpHに換算して、8より大きいpHであることが一般に好ましい。
モノマー溶液及び開始剤溶液の添加が終了後、引き続き熟成のために加熱を継続することが好ましい。熟成時間は1〜20時間、好ましくは2〜10時間行うのが好適である。
この重合工程にて、モノマーとして使用するN−ビニル−2−ピロリドンは、その使用量の15質量%以下になるように重合させて消費することが望ましい。これよりも残存モノマー量が多くなると、後に留去工程を施すとしても、その処理負担が大きいからである。
得られる重合体は、通常、重量平均分子量が5,000〜1,000,000であり、好ましくは、10,000〜500,000、より好ましくは、10,000〜400,000である。
有機溶媒中での重合・熟成後、水の添加並びに酸性条件下にして有機溶媒ならびに他の揮発性成分を、例えば、常圧又は減圧下で蒸留、除去する(留去工程)。
なお、本発明での「酸性条件」とはpH6以下(25℃)を指す。pHの測定は、反応液をサンプリングし、イオン交換水にて10倍(質量比)に希釈し、25℃とした試料で行う。
ここで、水の添加並びに酸性条件下にするには、重合工程にて得られた重合体溶液を酸性の水溶液に溶媒置換できればよく、酸の水溶液を添加する場合の他、酸と水を別々に添加する場合を含む。
水は蒸留操作の初期に添加してもよく、また攪拌に支障が生じない程度まで、有機溶媒を除去した後に加えても良いが、好ましくは留去操作初期に加えるか、又は留去しながら徐々に滴下あるいは分割して加えるのが良い。添加する水の量は重合体溶液量の30〜300質量%、好ましくは40〜250質量%、特に好ましくは50〜200質量%が用いられる。水を予め添加することで粘度の増大による留出速度の低下を防ぐことができるため好適である。
また、溶媒留去操作の初期あるいは途中で酸を加えてpHを2〜6、好ましくは3〜5の範囲に調整して、さらに留去操作を継続することが好適である。これは、残存N−ビニル−2−ピロリドンモノマーを分解する効果があり、pHが低すぎると使用時に中性付近までpH調整する必要が生じるので不適であり、逆にpHが高く中性付近では残存N−ビニル−2−ピロリドンモノマーの分解反応が進まず不適である。酸の添加は、溶媒留去操作の初期でもよく、途中で酸水溶液として連続あるいは分割して滴下してもよく、操作の途中で加熱を中断して酸水溶液の添加を行うこともできる。好ましくは、留去操作の初期に酸水溶液として一括添加する、あるいは、酸水溶液として連続滴下するのが好適である。酸水溶液の添加を溶媒留去操作の初期あるいは途中で行うことで、N−ビニル−2−ピロリドンの分解によって生じるアルデヒド等の分解物を分解反応後に留出除去できる。
酸としては、特に限定されない。具体的には、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、炭酸等の無機酸が挙げられる。また、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、グリコール酸、サリチル酸、乳酸、L−アスコルビン酸、安息香酸などの分子内に1つのカルボキシル基を有する有機酸を用いても良い。あるいはまた、シュウ酸、コハク酸、アスパラギン酸、クエン酸、グルタミン酸、フマル酸、リンゴ酸等の1分子内に2つ以上のカルボキシル基を有する有機酸、これらの有機酸の水和物等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。
本発明のビニルピロリドン重合体は、その構成単位としてビニルピロリドンを有するものであるが、共重合体であってもよく、(A)N−ビニル−2−ピロリドン単位、(B)疎水性モノマー単位、(C)上記(A)、(B)以外の共重合可能なモノマー単位、からなる重合体であることが好ましい。ただし(C)のモノマー単位は任意成分である。
従って、重合に際してのモノマー溶液の調製は、目的とする重合体の構成組成を考慮して行う。
(A)N−ビニル−2−ピロリドンは共重合体中、20〜99.89質量%含有することが好ましい。さらに好ましくは、N−ビニル−2−ピロリドンを25〜99質量%、さらに好ましくは、30〜95質量%含有することが好適である。N−ビニル−2−ピロリドンの含有量が少ないと、本方法を適用する効果が少ないからである。
(B)疎水性モノマーは共重合体中、0.11〜80質量%、好ましくは1〜70質量%、より好ましくは5〜60質量%含有することが好ましい。得られた重合体の溶媒置換後の水溶性を確保するために、疎水性モノマーの含有量が多すぎないことが好ましい。具体的には、下記一般式(1)で表される少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルモノマーが挙げられる(以下、(メタ)アクリルは、アクリルとメタクリルを表す。)。
CH=C(R)COOR ・・・一般式(1)
一般式(1)において、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を表す。
(B)疎水性モノマーとして、より具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等が挙げられる。この中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、が好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルがさらに好ましい。これらは、1単独又は2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。
(C)上記(A)、(B)モノマー以外であって、これらと共重合可能なモノマーを0〜50質量%含有しても良い。(C)モノマーとしては、上記(A)、(B)モノマーと共重合可能であれば、特に制限されず、1単独又は2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。一般的には各種の水溶性モノマーが挙げられる。例えば、後述するようなアニオン性モノマー、カチオン性モノマー、ノニオン性モノマーが挙げられる。
アニオン性モノマーとして、カルボン酸、リン酸、スルホン酸などの官能基を有するモノマー、具体的には、(メタ)アクリル酸及びその塩、無水マレイン酸及びその加水分解物、及び加アルコール分解物、及びハーフエステル、及びそれらの塩、クロトン酸及びその塩、アシッドホスホオキシ(アルキル)(メタ)アクリレート及びその塩、アシッドホスホオキシ(ポリオキシアルキレン)(メタ)アクリレート及びその塩、アクリルアミドプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸及びその塩、アリルスルホン酸及びその塩、メタリルスルホン酸及びその塩、スチレンスルホン酸及びその塩などが挙げられる。
カチオン性モノマーとして、3級及び4級アミンを有するモノマー、具体的には、下記一般式(2)及び/又は下記一般式(3)で表される、少なくとも1種のカチオン性の及び/又はカチオン化可能な官能基を有する、少なくとも1種のモノエチレン性不飽和モノマーである。
CH=C(R)CO−Y−A−N(R)(R) ・・・一般式(2)
一般式(2)において、Rは水素原子又はメチル基、Yは酸素原子又はNHを示し、Aは炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐状アルキル基を示し、水酸基を1つ以上含んでも良く、R及びRは独立に炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示す。
一般式(2)で示すモノマーとしては、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジプロピルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル化合物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド化合物等が挙げられる。一般式(2)で表されるモノマーは、重合前或いは重合後に他の化合物と反応させても良い。反応事例としては、臭化ブロムなどのハロゲン化アルキルによるカチオン化、モノクロロ酢酸などのハロゲン化カルボン酸によるカルボキシベタイン化、1,3−プロパンサルトンなどのアルキルサルトンによるスルホベタイン化などが挙げられる。
CH=C(R)CO−Y−A−N+(R)(R)(R)・X- ・・・一般式(3)
一般式(3)において、Rは水素原子又はメチル基、Yは酸素原子又はNHを示し、Aは炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐状アルキル基を示し、水酸基を1つ以上含んでも良く、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を、Xは、ハロゲン、OH、1/2HSO、1/3PO、HCO又はCHCOを表す。
一般式(3)で示すモノマーとして、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエチルクロライド、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエチル硫酸、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルリン酸、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエチルリン酸、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルメチルクロライド、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエチルクロライド、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエチル硫酸、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルメチルリン酸、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエチルリン酸、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドメチルクロライド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドエチルクロライド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドエチル硫酸、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドメチルリン酸、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドエチルリン酸などが挙げられる。
ノニオン性水溶性モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、アルキルビニルエーテル、糖類縁基含有モノマー、ポリアルキレンオキシド基含有モノマー等が挙げられる。
上述した本発明による製造方法によって得られるビニルピロリドン重合体は、残存モノマーが少なく、ポリマー水溶液としてそのまま製品配合に用いることが可能である。また、乾燥して、フレーク状、シート状、スティック状、粉体等の形状で供給してもよい。この場合の乾燥方法としては、通常の方法を適用でき、ドラム乾燥、棚段式乾燥やベルトドライヤー等の加熱面密着型乾燥や、スプレー乾燥、熱風乾燥などの間接式乾燥、フリーズドライ等の非加熱式乾燥法などが挙げられる。加熱密着型乾燥での伝熱面温度は、水溶液からの乾燥であることから、90℃〜180℃が好ましく、より好ましくは100℃から170℃、より好ましくは、110℃〜160℃の範囲で行われる。
本発明によるビニルピロリドン重合体は、残存モノマー及び残存モノマー分解物などの揮発性有機成分が少なく、有機溶媒も除去されることから、生体適合性、安全性、親水性等の特性が向上し、医療用具や人体に接触する器具等の表面改質剤として、また、医薬品、医薬部外品や毛髪セット剤等の化粧品、食品などの人体に適用する製品の添加剤として、また、粘接着剤、塗料、分散剤、インキ、電子部品等の製造原料として好適に用いることができるものである。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
下記のようにして各種のビニルピロリドン重合体を製造した。
尚、重合反応の可否は反応容器を観察して目視により判定した。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで、臭化リチウム10mmol/L混合したジメチルホルムアミド(以下、DMFと略す)を移動相とし、ポリスチレンを標準として換算した。
水溶液中のN−ビニル−2−ピロリドンの残存量はヨウ素滴定法により分析した。具体的には次の通りである。まず、得られた各ポリマー水溶液について、固形分換算で10gとなるようにサンプリングし、酢酸ナトリウム1.0gを加え、水を加えて全量を80mLとしたものを試料とする。ヨウ素の色が退色してなくなるまで0.1mol/Lヨウ素液で滴定する。さらに、0.1mol/Lヨウ素液3.0mLを正確に加え、10分間暗所に放置した後、0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定する。(指示薬:デンプン試液3mL)。同様の方法で空試験を行う。0.1mol/Lヨウ素液の消費量が3.6mL未満である場合(実質的に検出されないことを意味する)を「○」、3.6mL以上消費した場合を「×」として判定した(参考:ポリビニルピロリドンK30純度試験ビニルピロリドン 日本薬局方解説書 D−895)。
[実施例1]
1.重合
冷却還流管、滴下ロート、温度計、窒素導入管、及び攪拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに、エタノール140gとN−ビニル−2−ピロリドン(以下、VPと略す)45gを仕込み、攪拌しながら窒素ガスを導入して、78℃に加熱し、メチルメタクリレート(以下、MMAと略す)10g、VP45g及びエタノール70gの混合溶液と、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.52g及びエタノール30gの混合溶液とを連続的に3時間かけて加え、さらに3時間かけて加熱し続けて、重合体のエタノール溶液を得た。
2.留去
得られた重合体のエタノール溶液に、30質量%塩酸水溶液にて10倍希釈時のpHが4となるように調整し、水100gを加え、留出液を系外に除去しながらオイルバス中(温度120℃)で加熱を継続した。1時間後、留出液量が100gになった時点で再び水を100g添加し、さらに加熱及び留出液の除去を継続した。リフラックス温度が100℃に到達した時点で加熱を終了し、ビニルピロリドン重合体の水溶液を製造した。
生成物の分子量は12万、残存VP量はヨウ素滴定法によって非検出レベルであった。
3.粉末化
得られたビニルピロリドン重合体の水溶液を濃度20質量%に調整し、加熱ドラム及び塗布ロールを有するシングルドラムドライヤーに供給し、加熱ドラムに蒸気を導入して加熱面の表面温度を140℃にした後に、1rpmの速度で定速回転させ、塗布ロールの外周部の周速を加熱ドラムの外周部の周速となるように塗布ロールを回転させシート状の乾燥物を得た。当該ポリマー水溶液の供給速度は、200g/分であった。上記のシート状乾燥物を、パドル型粉砕機にてフレーク状にした後、ハンマーミルにて粉砕し、当該重合体の粉砕物を得た。
得られた粉体10gをサンプリングし、酢酸ナトリウム1.0gを加え、水を加えて全量を80mLとした試料をヨウ素滴定法にて評価した結果、残存VP量はヨウ素滴定法によって非検出レベルであった。
[実施例2]
上記実施例1と同様の操作により、重合体のエタノール溶液を得た。ここに、30質量%塩酸水溶液にて10倍希釈時のpHが4となるように調整し、水100gを加え、さらに300gの水を滴下しながらオイルバス中(温度120℃)で加熱して、溶媒除去を継続した。リフラックス温度が100℃に到達した時点で加熱を終了し、当該ポリマー水溶液を得た。
残存VP量はヨウ素滴定法によって非検出レベルであった。
得られたポリマー水溶液を用いて、上記実施例1と同様にして粉末化した。
[実施例3]
上記実施例1と同様の操作により、重合体のエタノール溶液を得た。ここに、10質量%硫酸水溶液にて10倍希釈時のpHが4となるように調整し、水200gを添加した後、オイルバス中(温度120℃)で加熱して、溶媒除去を継続した。リフラックス温度が100℃に到達した時点で加熱を終了し、当該ポリマー水溶液を得た。
残存VP量はヨウ素滴定法によって非検出レベルであった。
得られたポリマー水溶液を用いて、上記実施例1と同様にして粉末化した。
[実施例4〜30]
用いたモノマーの種類、配合割合(質量%)を表1の通りとした以外は実施例1〜3と同様にして、それぞれ実施例4〜6、7〜9、・・・、28〜30を行った。
実施例4〜30のいずれにおいても、残存VPは非検出レベルであった。
尚、得られたビニルピロリドン重合体の共重合組成は、重合反応終了時のVP反応率を補正した仕込組成に対応するものであった。
Figure 2006169507
[比較例1]
上記実施例1と同様にして重合体の重合操作を行った後、溶媒留去を行い、エタノールを100g留去した時点で実施例1と同量の水のみを添加(pHは7であった)して処理した。
ヨウ素滴定によりVPが検出された。
[比較例2]
重合溶媒に水を用いた以外は実施例1と同様にして重合体の重合操作を試みた。しかしながら、モノマーが均一に溶解しないため重合反応はすみやかに進行せず当該重合体溶液は得られなかった。

Claims (8)

  1. 有機溶媒中で、該有機溶媒に可溶なラジカル開始剤の存在下、少なくともN−ビニル−2−ピロリドンをモノマーとして用いて溶液重合する重合工程と、
    得られた重合体溶液に水を添加し、並びに酸性条件下にして揮発性有機成分を蒸留、除去する留去工程とを有することを特徴とするビニルピロリドン重合体の製造方法。
  2. 前記有機溶媒は、沸点が水の沸点よりも低いことを特徴とする請求項1に記載のビニルピロリドン重合体の製造方法。
  3. 前記有機溶媒は、水と均一に混合可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のビニルピロリドン重合体の製造方法。
  4. 得られるビニルピロリドン重合体が、その構成単位として、
    (A)N−ビニル−2−ピロリドン:20〜99.89質量%
    (B)疎水性モノマー:0.11〜80質量%
    (C)上記(A)、(B)以外の共重合可能なモノマー:0〜50質量%
    を有することを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載のビニルピロリドン重合体の製造方法。
  5. 前記留去工程後に、該留去工程にて得られるポリマー溶液を乾燥する乾燥工程を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のビニルピロリドン重合体の製造方法。
  6. 前記重合工程にて、N−ビニル−2−ピロリドンをその使用量の15質量%以下になるように消費することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のビニルピロリドン重合体の製造方法。
  7. pHを2〜6にして蒸留することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のビニルピロリドン重合体の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法により製造されたことを特徴とするビニルピロリドン重合体。


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