JP2003286311A - ビニルラクタム系重合体の製造方法 - Google Patents
ビニルラクタム系重合体の製造方法Info
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Abstract
安定性に優れたビニルラクタム系重合体の製造方法を提
供する。 【解決手段】 ビニルラクタム系単量体を必須成分とす
る重合性単量体を重合させた後に、有機酸を添加して残
存ビニルラクタム系単量体量を低減する工程を含むビニ
ルラクタム系重合体の製造方法において、有機酸とし
て、カルボキシル基の第1解離定数が3.0以下であ
り、かつカルシウム塩の20℃での水への溶解度が0.
1重量%以上である多価カルボン酸を用いる。
Description
合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、ビニルラク
タム系重合体中の残留ビニルラクタム系単量体低減化方
法に関する。
ロラクタムなどのビニルラクタム系重合体は、生体適合
性、安全性、親水性等の長所、利点があることから、様
々な用途で利用されており、特にポリビニルピロリドン
はフィッケンチャー法によるK値約10〜100の幅広
い分子量の重合体が合成され、医薬品、化粧品、粘接着
剤、塗料、分散剤、インキ、電子部品等の種々の分野で
広く用いられている。
製品にはしばしば未重合のビニルラクタム系単量体が残
留することがある。残留する単量体の量は通常1%〜数
100ppmのレベルであるが、このような少量の残留単量体
でも 特に毒性の懸念および臭気の点で問題となり、近
年、特に医薬品、化粧品用途を中心に、残留単量体低減
の要望が増加しつつある。
除去する方法として、特公平7−59606号にはビニ
ルピロリドン重合体水溶液を吸着剤で処理する方法が提
案されている。しかしながら、このような方法は、高粘
度を有する重合体水溶液に対しては適用が困難であるば
かりでなく、使用した吸着材の再生や廃棄といった処理
が必要になり、コストアップの要因となっていた。
領域で加水分解しやすいという性質を利用して、ビニル
ラクタム系重合体水溶液に酸を添加し、残留単量体を低
減する方法が提案されている。たとえば、特表平7−5
03749号にはビニルラクタム系重合体水溶液に炭
酸、ギ酸、酢酸、リン酸、硫酸を添加して50〜150
℃で加熱する方法が記載されている。
揮発性酸を用いた場合、反応温度を80℃以上とする
と、上記酸が揮発し、系外に逃げるかもしくは気相部に
移行してしまい、液中のpHを希望の値に保つことができ
ず、残留単量体を速やかに低減させることが困難であっ
た。一方、反応温度を80℃以下とすると酸の揮発は少
なくなるが、残留単量体を速やかに低減させることが困
難であった。また、重合体溶液を乾燥させる際にこれら
の酸が揮発し、所望のpH値の乾燥物が得られない場合が
あった。さらに、リン酸、硫酸等の無機酸を用いた場
合、得られた水溶液中あるいは乾燥した後の固体中の灰
分が増加するという問題点があった。
特願2001−235831ではシュウ酸やコハク酸等
の多価カルボン酸を用いて残留単量体を低減する方法が
提案されている。しかしながら、シュウ酸等の一部の酸
はカルシウムやマグネシウムと塩を形成するが、この塩
は水に難溶である。すなわち、シュウ酸等の一部の酸を
ビニルラクタム系重合体の残留単量体の低減剤として使
用すると、得られるビニルラクタム系重合体を硬水に溶
解させた際に、濁りが生じるという問題があることが明
らかになった。また、コハク酸等の酸を用いた場合に
は、得られるビニルラクタム系重合体の保存安定性が悪
くなるといった問題があることが判明した。
速やかに低減することができ、しかも保存安定性が良
く、上記の欠点を持たない、ビニルラクタム系重合体の
製造方法を提供することにある。
解決すべく鋭意検討を行った結果、ビニルラクタム系単
量体を必須成分とする重合性単量体を重合させた後、有
機酸を添加して残存ビニルラクタム系単量体量を低減す
る工程を含むビニルラクタム系重合体の製造方法におい
て、特定の有機酸を用いるにより前記課題が解決される
ことを見出した。そして、本発明により得られるビニル
ラクタム系重合体は、カルシウムイオンやマグネシウム
イオンを多く含有するような硬水に溶解した際にも、透
明清澄な水溶液が得られるばかりでなく、保存時の分子
量の低下が抑制された、品質の安定したものである。
量体を必須成分とする重合性単量体を重合させた後、有
機酸を添加して残存ビニルラクタム系単量体量を低減す
る工程を含むビニルラクタム系重合体の製造方法におい
て、該有機酸が多価カルボン酸で、該有機酸のカルボキ
シル基の第1解離定数が3.0以下で、かつそのカルシ
ウム塩の20℃での水への溶解度が0.1重量%以上で
あることを特徴とするビニルラクタム系重合体の製造方
法に関するものである。
ついて詳しく説明する。
タム系単量体を必須成分とする重合性単量体成分を重合
する工程を含む。
般式(1);
表わす。mは、1〜3の整数を表わす。)で表わされる
化合物であり、たとえば、ビニルピロリドン、ビニルピ
ペリドン、ビニルカプロラクタム等が挙げられ、それら
の1種または2種以上を用いることができる。
用性が高いことから、ビニルピロリドンが好ましい。
する重合性単量体成分においては、ビニルラクタム系単
量体以外の単量体を含んでいてもいなくてもよいが、ビ
ニルラクタム系単量体の使用量としては、たとえば、単
量体成分全量に対して、1.0モル%以上であることが
好ましい。1.0モル%未満であると、得られるビニル
ラクタム系重合体が、ビニルラクタム構造に由来する種
々の特性を発現しないおそれがある。より好ましくは、
10モル%以上であり、さらに好ましくは、20モル%
以上である。
単量体としては、ビニルラクタム系単量体と共重合可能
な重合性単量体であれば特に限定されず、たとえば以下
の1)〜13)の化合物の1種または2種以上を用いる
ことができる。
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;
2)(メタ)アクリルアミドおよびN−メチル(メタ)
アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)
アクリルアミド誘導体類;3)ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリル酸エステル、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、2−ビニル
イミダゾール等の塩基性不飽和単量体およびその塩また
は第4級化物;4)ビニルホルムアミド、ビニルアセト
アミド、ビニルオキサゾリドン等のビニルアミド類;
5)(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フ
マル酸等のカルボキシル基含有不飽和単量体およびその
塩;6)無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和酸
無水物類;7)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビ
ニルエステル類;8)ビニルエチレンカーボネートおよ
びその誘導体;9)スチレンおよびその誘導体;10)
(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチルエステルお
よびその誘導体;11)ビニルスルホン酸およびその誘
導体;12)メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;1
3)エチレン、プロピレン、オクテン、ブタジエン等の
オレフィン類;等が挙げられる。これらの中でも、前記
ビニルラクタム系単量体との共重合性等の点からは、上
記1)〜8)が好適である。
おいては、後述の任意の溶媒を用いることができるし、
用いなくてもよい。該重合体中の残留ビニルラクタム系
単量体を低減する工程において用いる溶媒または分散媒
は、水を含有してなる水系溶媒である。前記水系溶媒中
には、水以外の溶媒が入っていてもよく、その種類につ
いては特に制限されないが、たとえば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ジエ
チレングリコール等のアルコール類;プロピレングリコ
ールモノメチルアセテート、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールの
エーテル(アセテート)類;ジメチルホルムアミド、N
−メチルピロリドン等のアミド類;酢酸エチル、酢酸ブ
チル、γ―ブチロラクトン等のエステル類;ヘキサン、
オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン等の脂
環式飽和炭化水素類;シクロヘキセン等の脂環式不飽和
炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類;ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハ
ロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジオキサン、
テトラヒドロフラン等のエーテル類;ジメチルスルホキ
シド等のスルホン酸エステル類;ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート等の炭酸エステル類;エチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート等の脂環式炭
酸エステル類;等が挙げられる。
ト)類およびアミド類が好ましく、アルコール類および
水のみでの使用がさらに好ましい。これらの溶媒は、単
独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
ビニルラクタム系単量体を含有する重合性単量体を重合
させた後に、反応液中に残存するビニルラクタム系単量
体を加水分解して低減できる量があれば特に制限される
ことはなく、好ましくは0.1重量%以上であり、さら
に好ましくは1.0重量%以上であり、最も好ましくは
10重量%以上である。
ましくは1〜99重量%、さらに好ましくは5〜70重
量%、最も好ましくは10〜60重量%となるように用
いることが好ましい。前記水系溶媒中の水は、後述する
任意の重合方法での重合工程後、反応液に添加してもよ
いし、重合工程中から配合しておいてもよい。
て、従来公知の重合開始剤、具体的には、例えば、2,
2‘−アゾビスイソブチロニトリルや2,2‘−アゾビ
ス(ジメチルブチロニトリル)や2,2’−アゾビス
(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩等のアゾ化
合物、ベンゾイルパーオキシドや過酸化水素等の過酸化
物等のラジカル重合系開始剤;三フッ化ホウ素またはそ
の錯体、塩化鉄(II)、ジエチル塩化アルミニウム、ジ
エチル亜鉛、ヘテロポリ酸、活性白土等のカチオン重合
系重合開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、
過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類;アスコルビン酸と過
酸化水素、スルホキシル酸ナトリウムとt−ブチルヒド
ロパーオキシド、過硫酸塩と金属塩等の、酸化剤と還元
剤とを組み合わせてラジカルを発生させる酸化還元型開
始剤;等を用いて行なうことができる。
ては、特に限定されないが、単量体成分に対して0.0
01〜10重量%が好ましく、0.005〜5重量%が
さらに好ましく、0.01〜3重量%が最も好ましい。
重合反応を行なう際には、重合開始剤の他に、適宜必要
に応じて任意の連鎖移動剤、pH調節剤、緩衝剤等を用
いることもできる。
ば、バルク重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、沈殿
重合等任意の方法によって行なうことができる。
の条件に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは0〜
250℃、さらに好ましくは20〜150℃、最も好ま
しくは40〜100℃である。
意の条件であって良いが、高温反応の場合は常圧または
加圧が、厳密な温度制御を必要とする場合には常圧が好
ましい。
体のK値については時に限定されるものではないが、K
値が経時的に低下しやすい高分子量の重合体の製造に本
発明の製造方法を適用すると、より効果を発揮する。す
なわち、K値が50〜150の重合体に適用するのが好
ましく、K値が60〜120の重合体に適用するのがさ
らに好ましい。
って得られる重合体に対して、重合反応液に直接、後述
の有機酸を添加してもよいし、重合体を前述の水系溶媒
に希釈・溶解したり、水を添加した後、有機酸を添加し
てもよい。以下、ビニルラクタム系単量体量を低減する
工程の反応系のことを反応液ということがある。
の反応液中に残留するビニルラクタム系単量体量を低減
するために使用する有機酸は、多価カルボン酸であり、
かつカルボキシル基の第1解離定数が3.0以下であ
り、かつカルシウム塩の20℃での水への溶解度が0.
1重量%以上である。多価カルボン酸とは、1分子内に
2つ以上のカルボキシル基を有してなるものである。カ
ルボキシル基の第1解離定数とは、多価カルボン酸中の
一番最初に解離するカルボキシル基の25℃での解離定
数である。カルシウム塩とは、前記有機酸と、有機酸の
カルボキシル基に対して0.5モルに相当するカルシウ
ムとからなる塩である。前記カルシウム塩の水への溶解
度は、水100gに対する、カルシウム塩の20℃にお
ける飽和溶解量(g)のことを指す。前記の条件を満た
す有機酸としては、マロン酸、エチルマロン酸、エチル
メチルマロン酸、エチルプロピルマロン酸等が挙げら
れ、中でもマロン酸が好ましい。
いて、特に制限はないが、反応液のpHが5以下になる
ように配合することが好ましく、pHが3〜4になるよ
うに配合することがさらに好ましい。具体的には、重合
反応前のビニルラクタム系単量体量に対し、100〜1
0000ppmが好ましく、500〜5000ppmが
さらに好ましい。
は、ビニルラクタム系重合体の反応液中に残留するビニ
ルラクタム系単量体量を低減するために使用されるもの
である。有機酸を反応液に添加するタイミングについて
は特に制限されるものではないが、有機酸を添加する際
にビニルラクタム系単量体の転化率(重合率)が十分で
ないと、ビニルラクタム系単量体の加水分解物であるア
ルデヒドやラクタム量が多くなり、最終製品のビニルラ
クタム系重合体中に残留することがあるので好ましくな
い。
以上となった時点で、反応液に有機酸を添加するのが好
ましく、前記転化率が99.5%以上となった時点で添
加するのがさらに好ましい。
はなく、有機酸を直接反応液中に投入してもよいし、水
等の任意の溶媒に希釈溶解して添加してもよく、一括添
加または、分割添加や逐次添加等の任意の方法で行うこ
とができる。
ニルラクタム系単量体を低減するには40℃以上で加熱
するのが好ましく、50℃〜100℃がさらに好まし
い。さらに攪拌しながら行うのがより好ましいが、室温
で静置させておいてもよく、任意の処置にて取り扱うこ
とができる。
時間は特に制限はないが、5分〜24時間が好ましく、
10分〜6時間がさらに好ましい。5分未満だと、残留
単量体低減の効果が不十分である場合があり、24時間
を超えると、重合体の分子量の低下が起こったり、着色
が起こる場合がある。
において、酸素の影響を受けて分子量が低下しやすくな
る。従って、有機酸を添加した後は、窒素ガス等を反応
装置内に循環させる等により、反応装置内の気相部の酸
素濃度を5%以下にしておくことが好ましく、重合工程
において反応系内を不活性ガス雰囲気に調整した後、引
き続いて前記の有機酸を添加してもよい。
系単量体量については特に限定はないが、最終製品のビ
ニルラクタム系重合体に対して100ppm以下とする
のが好ましく、10ppm以下とするのがさらに好まし
く、1ppm以下とするのが最も好ましい。
任意の方法でpH調整することができる。反応液に任意
の塩基を添加することにより、pHを5以上とすること
が好ましく、6〜10とすることがさらに好ましく、7
〜9とするのが最も好ましい。前記の塩基の具体例とし
ては炭酸グアニジン、トリエタノールアミン、アジピン
酸ジヒドラジドが、pH調整が容易である、着色が少な
い、安定した品質のものが得られる等の理由で好まし
い。
系重合体の水系溶液または水系分散体は、そのまま製品
とすることができるが、従来公知の任意の乾燥方法、す
なわちスプレー乾燥やドラム乾燥にて、フレーク状、シ
ート状、スティック状、粉体等の形状に加工してもよ
い。
系重合体に対し、必要に応じて、たとえば、加工安定
剤、可塑剤、分散剤、充填剤、老化防止剤、顔料、硬化
剤等の各種添加剤を含ませておいても良い。
機酸の添加でビニルラクタム系重合体に残存するビニル
ラクタム系単量体を低減でき、さらには硬水に溶解した
際にも透明清澄な溶液を与え、保存安定性に優れたビニ
ルラクタム系重合体を得ることができる。
ついて説明するが、本発明は該実施例により何ら制限さ
れるものではない。合成例および実施例のK値について
は、ビニルラクタム系重合体の1重量%水溶液を用いて
25℃で毛細管粘度計により相対粘度を測定する方法で
測定した粘度を、次のフィッケンチャーの式に当てはめ
て計算した。
3c)+(300clogηrel +(c+1.5clogη
rel )2)1/2/(0.15c+0.003c 2) ηrel : ビニルラクタム系重合体水溶液の水に対す
る相対粘度 c : ビニルラクタム系重合体水溶液中のビニルラク
タム系重合体濃度(%) 合成例1 攪拌翼を備えた攪拌機、モノマー供給槽、温度計、冷却
管および窒素ガス導入管を備えた2Lのフラスコに、水
1280gを入れ、窒素ガスを導入し、攪拌しながら、
フラスコ内温が70℃になるように加熱した。このフラ
スコ内に、ビニルピロリドン320gおよび2,2‘−
アゾビス(ジメチルブチロニトリル)0.48gを2時
間かけて系内に供給し、重合させた。同温度で2時間加
熱した後、内温を90℃まで昇温し、さらに30分加熱
して重合を完了させ、ポリビニルピロリドン水溶液を得
た。得られたポリビニルピロリドン水溶液に含まれる未
反応のビニルピロリドン残存量は、供給した全ビニルピ
ロリドン量に対して600ppmであった。また、得ら
れたポリビニルピロリドン水溶液のK値は92であっ
た。
ニトリル)の代わりに2,2’−アゾビス(2−メチル
プロピオンアミジン)二塩酸塩0.48gを用いる以外
は合成例1と同様にして、ポリビニルピロリドン水溶液
を得た。得られたポリビニルピロリドン水溶液に含まれ
る未反応のビニルピロリドン残存量は、供給した全ビニ
ルピロリドン量に対して800ppmであった。また、
得られたポリビニルピロリドン水溶液のK値は94であ
った。
ニルピロリドン水溶液に、マロン酸(第1解離定数:
2.8、20℃におけるカルシウム塩の溶解度:0.3
6重量%)0.48gを水4.5gに溶解した水溶液を
加えた。得られたポリビニルピロリドン水溶液のpHは
3.7であった。90℃で2時間攪拌した後、含まれる
未反応のビニルピロリドン残存量は4ppmであった。
さらに炭酸グアニジン0.32gおよびトリエタノール
アミン0.85gを加え、30分間攪拌し、pH7.6
とした。冷却後、140℃でドラム乾燥し、粉砕してK
値が91のポリビニルピロリドンの粉末を得た。この粉
末を、カルシウムを1000ppm含有する硬水に5%
濃度で溶解したところ、溶液は透明であった。この粉末
を酸素濃度0.5%の容器中に密閉し、40℃で1ヶ月
保存した後のK値は90であった。
ニルピロリドン水溶液に、マロン酸0.64gを水5.
8gに溶解した水溶液を加えた。得られたポリビニルピ
ロリドン水溶液のpHは3.5であった。90℃で2時
間攪拌した後、含まれる未反応のビニルピロリドン残存
量は1ppmであった。さらに炭酸グアニジン0.32
gおよびトリエタノールアミン0.85gを加え、30
分間攪拌し、pH7.4とした。冷却後、140℃でド
ラム乾燥し、粉砕してK値が93のポリビニルピロリド
ンの粉末を得た。この粉末を、カルシウムを1000p
pm含有する硬水に5%濃度で溶解したところ、溶液は
透明であった。この粉末を酸素濃度0.5%の容器中に
密閉し、40℃で1ヶ月保存した後のK値は92であっ
た。
ニルピロリドン水溶液に、シュウ酸(第1解離定数:
1.3、20℃におけるカルシウム塩の溶解度:0.0
006重量%)0.48gを水4.5gに溶解した水溶
液を加えた。得られたポリビニルピロリドン水溶液のp
Hは3.4であった。90℃で2時間攪拌した後、含ま
れる未反応のビニルピロリドン残存量は3ppmであっ
た。さらに炭酸グアニジン0.32gおよびトリエタノ
ールアミン0.85gを加え、30分間攪拌し、pH
7.6とした。冷却後、140℃でドラム乾燥し、粉砕
してK値が91のポリビニルピロリドンの粉末を得た。
この粉末を、カルシウムを1000ppm含有する硬水
に5%濃度で溶解し、室温で24時間攪拌を続けたが、
溶液は白濁したままであった。この粉末を酸素濃度0.
5%の容器中に密閉し、40℃で1ヶ月保存した後のK
値は90であった。
ニルピロリドン水溶液に、コハク酸(第1解離定数:
4.2、20℃におけるカルシウム塩の溶解度:1.3
重量%)0.48gを水4.5gに溶解した水溶液を加
えた。得られたポリビニルピロリドン水溶液のpHは
4.3であった。90℃で2時間攪拌した後、含まれる
未反応のビニルピロリドン残存量は15ppmであっ
た。さらに炭酸グアニジン0.32gおよびトリエタノ
ールアミン0.85gを加え、30分間攪拌し、pH
8.1とした。冷却後、140℃でドラム乾燥し、粉砕
してK値が91のポリビニルピロリドンの粉末を得た。
この粉末を、カルシウムを1000ppm含有する硬水
に5%濃度で溶解したところ、溶液は透明であった。こ
の粉末を酸素濃度0.5%の容器中に密閉し、40℃で
1ヶ月保存すると、K値は88まで低下した。
ニルピロリドン水溶液に、ギ酸(解離定数:3.8、2
0℃におけるカルシウム塩の溶解度:16.7重量%)
0.48gを水4.5gに溶解した水溶液を加えた。得
られたポリビニルピロリドン水溶液のpHは3.6であ
った。90℃で2時間攪拌した後、含まれる未反応のビ
ニルピロリドン残存量は4ppmであった。さらに炭酸
グアニジン0.32gおよびトリエタノールアミン0.
85gを加え、30分間攪拌し、pH7.6とした。冷
却後、140℃でドラム乾燥し、粉砕してK値が90の
ポリビニルピロリドンの粉末を得た。この粉末を、カル
シウムを1000ppm含有する硬水に5%濃度で溶解
したところ、溶液は透明であった。この粉末を酸素濃度
0.5%の容器中に密閉し、40℃で1ヶ月保存する
と、K値は84まで低下した。
Claims (3)
- 【請求項1】ビニルラクタム系単量体を必須成分とする
重合性単量体を重合させた後、有機酸を添加して残存ビ
ニルラクタム系単量体量を低減する工程を含むビニルラ
クタム系重合体の製造方法において、該有機酸が多価カ
ルボン酸で、該有機酸のカルボキシル基の第1解離定数
が3.0以下で、かつそのカルシウム塩の20℃での水
への溶解度が0.1重量%以上であることを特徴とする
ビニルラクタム系重合体の製造方法。 - 【請求項2】有機酸がマロン酸である請求項1記載のビ
ニルラクタム系重合体の製造方法。 - 【請求項3】ビニルラクタム系単量体がビニルピロリド
ンである請求項1または2記載のビニルラクタム系重合
体の製造方法。
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