JP2006167773A - トランスファ加工用送り装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 フィンガー開時のストリッパへの影響を低減し、トランスファプレス機による孔明加工精度を高めること。
【解決手段】 一対のフィードバーのそれぞれに互いに対向してばねを介して取り付けたフィンガーを有し、対向するフィンガー間を加工工程の下降する上金型の外側面に当接して前記ばねのばね力に抗して押し広げ、前記対向するフィンガーで挟み持った被加工物を開放してなるトランスファプレス加工用送り装置において、仕上げ孔明け加工工程へ被加工物を挟んで送るフィンガー２ａ３，２ｂ３の長さを長くし、仕上げ孔明け加工工程に隣接する加工工程の上金型４ｈ、４ｊの外側面に当接してフィンガー２ａ３，２ｂ３間を押し広げる。これによりストリッパーへのばね３ａのばね力の作用をなくし、パンチはストリッパーに拘束されず、常に精度の高い孔を形成することができる。
【選択図】 図１

Description

本発明は、トランスファ加工用送り装置に関するものである。

たとえば絞り加工・段差部成形加工・天成形加工・ツバ成形加工・ツバたたき加工・トリミング加工・平面修正加工・仕上げ孔明加工・側面孔明け加工など複数の加工工程を並設し、被加工物を前記絞り加工工程から側面孔明け加工工程まで順次送ってたとえば電子銃の電極などを作成する、トランスファプレス機によるトランスファプレス加工は良く知られている。

この場合、被加工物を各加工工程に順次送る送り装置として、図４に示すように各加工工程（図４は、トリミング工程、平面修正工程、仕上げ孔明け工程、アイドル工程、アイドル工程の部分を示している。）の両側に位置し、各加工工程に沿って伸び、図示しない移動機構により前加工工程から次加工工程に往復移動する一対のフィードバー１ａ、１ｂを有し、この一対のフィードバー１ａ、１ｂの各加工工程と対応する位置のそれぞれにフィンガー２ａ、２ｂがばね３ａ、３ｂを介して取り付けたものがある。なお、４ｇ〜４ｋは各工程における上金型である。

この送り装置では、たとえば平面修正加工工程で加工された被加工物（図示なし）をフィンガー２ａ、２ｂで挟み持って仕上げ孔明け加工工程に移動し、この加工工程での加工に際して下降移動する上金型４ｉの外側面（仕上げ孔明け加工工程ではストリッパーの外側面）に当接してフィンガー２ａ、２ｂ間を押し広げて被加工物を開放し、仕上げ孔明け加工を行い、被加工物を挟み持って仕上げ孔明け加工工程に移動したフィンガー２ａ、２ｂは元の平面修正加工工程の位置に戻る。

図５は、仕上げ孔明工程におけるトランスファプレス機の下死点時の構成を示すもので、上金型４はパンチ５、パンチホルダー６、ストリッパー７で構成され、パンチホルダー６は図ししないプレス機の上型ホルダーに取付けられている。８は下型ホルダー、９はダイ（下金型）、１０は被加工物、２ａ、２ｂは図４に示すフィンガーである。すなわち、フィンガー２ａ、２ｂで挟み持った被加工物１０は孔明工程の所定の位置に運ばれ、上型４の下降移動によりストリッパー７が下降し、ストリッパー７がフィンガー２ａ、２ｂ間に割り込んでフィンガー２ａ、２ｂ間を押し広げ、これにより被加工物１０をフィンガー２ａ、２ｂから開放する。ほぼ同時にパンチ５が下降し、被加工物１０に所定の孔を形成する。

ところで、上記の被加工物送り装置では、各加工工程の各上金型によりフィンガー２ａ、２ｂを押し広げているため、特に孔明け加工工程においては、フィンガー２a、２bを取付けているばね３a、３ｂの力がストリッパー７に作用し、その作用でパンチ５が傾いて拘束された状態で孔明加工が施される場合がある。そのために孔明け加工の加工精度が安定せず、また、孔明け加工用の金型の寿命が短いといった問題があった。

本発明が解決しようとする課題は、特に高い加工精度が要求される仕上げ孔明け加工工程では、フィンガーを取付けているばねの力のストリッパーへの作用を低減し、もって斯かる問題を解消する点にある。

本発明は、一対のフィードバーのそれぞれに互いに対向してばねを介して取り付けたフィンガーを有し、対向するフィンガー間を加工工程の下降する上金型の外側面に当接して前記ばねのばね力に抗して押し広げ、前記対向するフィンガーで挟み持った被加工物を開放してなるトランスファプレス加工用送り装置において、孔明け加工工程へ送るフィンガーの長さを前記孔明け加工工程に隣接する加工工程の下降する上金型の外側面に到達する長さとしてなることを特徴とする。

本発明によれば、仕上げ孔明工程ではフィンガー間の押し広げを、その加工工程に隣接する加工工程の金型の移動により行うので、仕上げ孔明加工に際し、フィンガーの開放によるストリッパーに作用する力はなくなるので、パンチはストリッパーで拘束されず、これにより孔明け加工の加工精度を常に高めることができるとともに、孔明用金型の寿命を延ばすことができる。

特に高い加工精度が要求される仕上げ孔明け加工工程では、フィンガーを取付けているばねの力のストリッパーへの作用を低減する目的を、仕上げ孔明け加工工程では、その工程に位置するフィンガーをその工程に隣接する加工工程の上金型の外側面（シンブルの外側面）に到達する長さとすることで実現した。

図１は本発明の実施例に係るトランスファプレス加工用送り装置の構成をフィンガー間を押し広げた状態で示す平面図である。なお、図４に示すトランスファプレス加工用送り装置と同一の部分には同一の符号を付している。図１において、２ａおよび２ａ１〜２ａ４は、一対のフィードバー１ａ、１ｂの一方のフィードバー１ａにばね３ａを介して取り付けたフィンガー、２ｂおよび２ｂ１〜２ｂ４は一対のフィードバー１ａ、１ｂの他方のフィードバー１ｂにばね３ａを介して取り付けたフィンガーで、フィンガー２ａと２ｂ、フィンガー２ａ１と２ｂ１、フィンガー２ａ２と２ｂ２、フィンガー２ａ３と２ｂ３、フィンガー２ａ４と２ｂ４はそれぞれ対向している。

仕上げ孔明け工程に位置した一対のフィンガー２ａ３と２ｂ３の一方の端部は、図１に示すように仕上げ孔明け工程の前工程である平面修正工程の上金型４ｈの外側面に当接し、他方の端部は、仕上げ孔明け工程の後工程であるアイドル工程の上金型４ｊの外側面に当接している。すなわち、仕上げ孔明け工程に位置した一対のフィンガー２ａ３と２ｂ３の長さは、仕上げ孔明け工程の両側に隣接する 工程の上金型に到達する長さとしている。そして、フィンガー２ａ３と２ｂ３の長さを長くした分隣接する工程に位置した一対のフィンガー２ａ２と２ｂ２および一対のフィンガー２ａ４と２ｂ４の長さを短くしている。

以上のように構成したトランスファ加工用送り装置では、各一対のフィンガー２ａ１と２ｂ１、２ａ２と２ｂ２、２ａ３と２ｂ３、２ａ４と２ｂ４、２ａと２ｂは図１に示す工程の前工程に位置し、その工程で加工された被加工物（図示なし）をそれぞれの一対のフィンガーで挟み持って次の工程に移動する。移動後各工程の上金型４ｇ〜４ｋが一斉に下降し、各上金型４ｇ、４ｈ、４ｊ、４ｋの外側面で各一対のフィンガーをばね３ａのばね力に抗して一対のフィンガー間を押し広げて被加工物を開放する。

このとき平面修正加工工程で加工された被加工物を挟み持つフィンガー２ａ３と２ｂ３は両側に隣接する工程の上金型に到達する長さとしているため、図２に示すように仕上げ孔明け工程のストリッパー７に当接せず、図３に示すように隣接する工程の上金型４ｈと４ｊ（図３に図示なし）の外側面（通常シンブルの外側面）に当接して一対のフィンガー２ａ３と２ｂ３間を押し広げて被加工物１０を開放する。この押し広げによりストリッパー７にはばね３ａのばね力が加わらなくなり、パンチ５はストリッパー７に拘束されず、常に精度の高い孔を形成することができる。なお、図２は図５と対応し、図５に示すトランスファプレス機と同一部分には同一の符号を付している。

本発明の実施例に係るトランスファ加工用送り装置の構成を、フィンガー間を押し広げた状態で示す平面図である。 本発明の実施例に係るトランスファ加工用送り装置による仕上げ孔明工程におけるトランスファプレス機の下死点時の構成を示す正面図である。 本発明の実施例に係るトランスファ加工用送り装置による仕上げ孔明工程におけるトランスファプレス機の下死点時の動作説明図である。 従来のトランスファ加工用送り装置の構成を、フィンガー間を押し広げた状態で示す平面図である。 トランスファ加工用送り装置による仕上げ孔明工程におけるトランスファプレス機の正面図である。

符号の説明

１a、１b フィードバー
２a、２ａ１〜２ａ４、２ｂ、２ｂ１〜２ｂ４ フィンガー
３ａ、３ｂ ばね
４、４ｇ、４ｈ、４ｉ、４ｊ、４ｋ 上金型
５ パンチ
６ パンチホルダー
７ ストリッパー
８ 下型ホルダー
９ ダイ（下金型）
１０ 被加工物

Claims (1)

1. 一対のフィードバーのそれぞれに互いに対向してばねを介して取り付けたフィンガーを有し、対向するフィンガー間を加工工程の下降する上金型の外側面に当接して前記ばねのばね力に抗して押し広げ、前記対向するフィンガーで挟み持った被加工物を開放してなるトランスファプレス加工用送り装置において、孔明け加工工程へ送るフィンガーの長さを前記孔明け加工工程に隣接する加工工程の下降する上金型の外側面に到達する長さとしてなることを特徴とするトランスファプレス加工用送り装置。

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