JPH08164431A - プレス孔明け装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 円筒状のワークに上下２段に孔を明けるにつ
いて、ワークの長さが異なることにより孔の上下間の距
離が異なるものでも、１つの型でそれを行なうことがで
きるようにする。 【構成】 着座スペーサ１８の高さの選択と、芯金１５
に対するワーク１３の上下反転とにより、孔を、個数，
形状、並びにワーク１３のそれぞれ両端部からの距離が
同じで、上下間の距離のみが異なるように明けることが
できる。又、ワーク１３の下部に孔を明けるように構成
することにより、着座スペーサ１８の高さの選択をする
までもなく、芯金１５に対するワーク１３の上下反転を
するだけで、孔を、個数，形状、並びにワーク１３のそ
れぞれ両端部からの距離が同じで、上下間の距離のみが
異なるように明けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、円筒状のワークにプレ
スにより孔を明けるプレス孔明け装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、例えばモータのフレームには
鋼板を丸めて円筒状に形成したものがあり、このような
円筒状のワークに、例えば通風のための孔を上下２段に
明ける場合、図１３及び図１４に示すように、孔１の個
数，形状、並びにワーク２，３のそれぞれ両端部から孔
１までの距離が同じでも、ワーク２，３の長さが異なる
ことにより、孔１の上下間の距離が異なるものについて
は、ポンチ，ダイ等をその違いに合わせて有する異なる
型によりその孔明けを行なっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようにポンチ，ダイ等を孔１の位置の違いに合わせて有
する異なる型により孔明けを行なう従来のものでは、型
費や段取り時間等を多く必要としてしまう。

【０００４】本発明は上述の事情に鑑みてなされたもの
であり、従ってその目的は、円筒状のワークに上下２段
に孔を明けるにつき、その孔の上下間の距離が異なるも
のについても、１つの型でそれを行なうことのできるプ
レス孔明け装置を提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のプレス孔明け装置においては、第１に、ワ
ークが上下いずれの状態でもセット可能な芯金と、高さ
寸法の異なるものとの交換が可能で上記芯金にセットし
たワークが載置される着座スペーサと、上記芯金に設け
られワークの上部に臨むダイと、このダイと対応するポ
ンチとを具える下型と、この下型に対して上下動し、そ
の降下により上記ポンチをダイ側に移動させてワークを
打ち抜かせるカムを具える上型と、を具備して成ること
を特徴とする。

【０００６】本発明のプレス孔明け装置においては、第
２に、ワークが上下いずれの状態でもセット可能な芯金
と、この芯金に設けられワークの下部に臨むダイと、こ
のダイと対応するポンチとを具える下型と、この下型に
対して上下動し、その降下により上記ポンチをダイ側に
移動させてワークを打ち抜かせるカムを具える上型と、
を具備して成ることを特徴とする。

【０００７】

【作用】上記第１の手段によれば、着座スペーサを高さ
寸法の異なるものと交換し、そして、ワークの上下を反
転させることにより、ワークの上部において、個数，形
状、並びにワークのそれぞれ両端部からの距離が同じ
で、上下間の距離が異なる孔を明けることができる。

【０００８】又、第２の手段によれば、ワークの上下を
反転させるだけで、ワークの下部において、個数，形
状、並びにワークのそれぞれ両端部からの距離が同じ
で、上下間の距離が異なる孔を明けることができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の第１実施例につき、図１ない
し図８参照して説明する。まず図１には下型１１と上型
１２及び円筒状のワーク１３を示している。これらのう
ち、下型１１は下型プレート１４を基体としており、こ
の下型プレート１４の上面部の中央に芯金１５を立設し
ている。この芯金１５は周壁に厚みのある円筒状で、そ
の上部の外周部に複数個（１個のみ図示）のダイ１６と
受けブロック１７とを配置しており、この状態で、芯金
１５は、例えば鋼板を丸めてその両端部を溶接すること
により円筒状に形成したワーク（モータのフレームな
ど）１３が上下いずれの状態でもセット可能となってい
る。

【００１０】芯金１５の根元部には着座スペーサ１８を
配置している。この着座スペーサ１８はリング状で、そ
の高さはｈ1 であるが、図７及び図８に示す高さがｈ2
の着座スペーサ１９と交換可能となっている。

【００１１】又、芯金１５の周囲にはスライドベース２
０を、下型プレート１４から複数本の支柱２１により支
持して配設している。このスライドベース２０上には前
記ダイ１６と内受けブロック１７とに対応して固定ブロ
ック２２，２３を配置すると共に、この固定ブロック２
２，２３からそれぞれダイ１６及び受けブロック１７方
向に移動可能に可動ブロック２４，２５を配設してい
る。

【００１２】上記可動ブロック２４の芯金１５側部分に
はポンチ２６とストリッパ２７とを取着しており、可動
ブロック２５の芯金１５側部分には外受けブロック２８
を取着している。又、可動ブロック２４の反芯金１５側
部分には斜面２９，３０を形成しており、可動ブロック
２５の反芯金１５側部分には斜面３１，３２を形成して
いる。更に、それら可動ブロック２４，２５に対して、
前記固定ブロック２２，２３には移動したそれら可動ブ
ロック２４，２５を引き戻す戻し機構３３，３４を設け
ている。

【００１３】これらに対して、上型１２は上型プレート
３５を基体としており、この上型プレート３５の下面部
の中央には前記芯金１５に嵌まるガイドロッド３６を設
けており、その周囲部にワーク押さえ３７を設け、更に
その周囲部には上記可動ブロック２４，２５の各斜面３
０，３２にそれぞれ対応する斜面３８，３９を有するカ
ム４０，４１を設けると共に、斜面２９，３１にそれぞ
れ対応する斜面４２，４３を有するカム４４，４５を設
けている。

【００１４】次に、上記構成のものの作用を述べる。ワ
ーク１３は加工前は図２に示すように無孔状であり、こ
のワーク１３を芯金１５の外周に嵌め着座スペーサ１８
上に載置してセットする。このセット状態で、ダイ１６
はワーク１３の上部に臨む。

【００１５】次いで、プレス作動を開始させると、上型
プレート３５が降下することにより、ガイドロッド３
６，ワーク押さえ３７，カム４０，４１，及びカム４
４，４５も降下する。降下したカム４４，４５は斜面４
２，４３を可動ブロック２４，２５の斜面２９，３１に
摺接させて可動ブロック２４，２５を芯金１５側に移動
させ、次に、カム４０，４１が斜面３８，３９を可動ブ
ロック２４，２５の斜面３０，３２に摺接させて可動ブ
ロック２４，２５を更に芯金１５側に移動させる。

【００１６】又、このときには、ガイドロッド３６が芯
金１５内に入りつつ、ワーク押さえ３７がワーク１３を
上方より押さえ、この状態で、可動ブロック２４の移動
により芯金１５側に移動されたポンチ２６がワーク１３
の上部を打ち抜いてダイ１６内に進入し、かくしてワー
ク１３の上部に孔４６が明けられる（図３及び図４参
照）。

【００１７】打ち抜き後、上型プレート３５は上昇する
ので、ガイドロッド３６，ワーク押さえ３７，カム４
０，４１，及びカム４４，４５も上昇し、それによっ
て、可動ブロック２４，２５はカム４０，４１，及びカ
ム４４，４５による押圧から解放され、戻し機構３３，
３４の働きで元位置に戻されるから、ポンチ２６もダイ
１６から抜かれて戻る。

【００１８】そして、その後、ワーク１３の上下を反転
させ、このワーク１３を上述同様にセットして、上述同
様にプレス作動させることにより、ワーク１３のこの場
合の上部（上述の場合の下部）に孔４６が明けられる
（図５及び図６参照）。

【００１９】一方、ワーク１３と長さが異なることによ
り、孔４６の上下間の距離が異なるワークについては、
その上下間の距離の差の分だけ高さが異なる着座スペー
サを使用する。図７に示す着座スペーサ１９はその着座
スペーサであり、その高さはｈ2 である（ｈ2 ＜ｈ1
）。この着座スペーサ１９を前述の着座スペーサ１８
に代えて芯金１５の根元部に配置し、その上で、ワーク
１３と長さが異なり（Ｅ2＜Ｅ1 ）、明ける孔４６の上
下間の距離が異なる（Ｆ2 ＜Ｆ1 ）ワーク４７を前述同
様にセットし、前述同様にプレス作動させることによっ
て、ワーク４７の上部に孔４６が明けられる（図７参
照）。

【００２０】そして、その後、ワーク４７の上下を反転
させ、このワーク４７を上述同様にセットして、上述同
様にプレス作動させることにより、ワーク４７のこの場
合の上部（上述の場合の下部）に孔４６が明けられる
（図８参照）。

【００２１】このようにしてワーク４７に明けられた孔
４６は、個数，形状、並びにワーク４７の両端部から孔
４６までの距離がワーク１３のそれと同じで、孔４６の
上下間の距離のみが異なる。

【００２２】このように本構成のものでは、着座スペー
サを高さ寸法の異なるものと交換し、そして、ワークの
上下を反転させることにより、個数，形状、並びにワー
クのそれぞれ両端部からの距離が同じで、上下間の距離
が異なる孔を明けることができるもので、１つの型でそ
れを行なうことができることにより、複数の型を要した
従来のものに比し、型費や段取り時間等を削減すること
ができる。

【００２３】以上に対して、図９ないし図１２は本発明
の第２実施例を示すもので、芯金４８を前述の芯金１５
より高さの小さなものとすることによって、ダイ１６を
ワーク１３の下部に臨むようにし、そして、それに合わ
せ、スライドベース２０を下型プレート１４上に直に配
設することによって、ポンチ２６がワーク１３の下部に
孔４６を明けるようにしたものを示している。なお、こ
の場合の着座スペーサ４９は高さｈ3 をストリッパ２７
直下までの大きさとして固定している。又、ガイドロッ
ド５０やカム５１，５２及びカム５３，５４は、ワーク
１３の芯金４８より上方に位置する部分の大きさに合わ
せて、前述のガイドロッド３６やカム４０，４１及びカ
ム４４，４５より長さの大きなものを使用している。

【００２４】このようにしたものの場合、ワーク１３の
上下を反転させて、ワーク１３の上下部に孔４６を明け
ることができる（図９及び１０参照）のは勿論で、ワー
ク１３と長さが異なり（Ｅ2 ＜Ｅ1 ）、明ける孔４６の
上下間の距離が異なる（Ｇ2＜Ｇ1 ）ワーク４７につい
ても、その上下を反転させるのみで、ワーク４７の上下
部に孔４６を明けることができる（図１１及び１２参
照）ものであり、特にこの場合、着座スペーサ４９を交
換する必要がないので、段取り時間を一段と削減するこ
とができる。

【００２５】

【発明の効果】本発明のプレス孔明け装置は以上説明し
たとおりのもので、下記の効果を奏する。第１に、ワー
クが上下いずれの状態でもセット可能な芯金と、高さ寸
法の異なるものとの交換が可能で上記芯金にセットした
ワークが載置される着座スペーサと、上記芯金に設けら
れワークの上部に臨むダイと、このダイと対応するポン
チとを具える下型と、この下型に対して上下動し、その
降下により上記ポンチをダイ側に移動させてワークを打
ち抜かせるカムを具える上型と、を具備して成ることに
より、着座スペーサを高さ寸法の異なるものと交換し、
そして、ワークの上下を反転させることにより、ワーク
の上部において、個数，形状、並びにワークのそれぞれ
両端部からの距離が同じで、上下間の距離が異なる孔を
明けることができ、１つの型でそれを行なうことができ
ることから、型費や段取り時間等を削減することができ
る。

【００２６】第２に、ワークが上下いずれの状態でもセ
ット可能な芯金と、この芯金に設けられワークの下部に
臨むダイと、このダイと対応するポンチとを具える下型
と、この下型に対して上下動し、その降下により上記ポ
ンチをダイ側に移動させてワークを打ち抜かせるカムを
具える上型と、を具備して成ることにより、ワークの上
下を反転させるだけで、ワークの下部において、個数，
形状、並びにワークのそれぞれ両端部からの距離が同じ
で、上下間の距離が異なる孔を明けることができ、やは
り、１つの型でそれを行なうことができることから、型
費や段取り時間等を削減することができ、特に段取り時
間は、着座スペーサの交換を要しない分、上述以上に削
減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す全体の加工前状態の
縦断面図

【図２】ワークの加工前状態の正面図

【図３】全体の第１加工状態の縦断面図

【図４】ワークの第１加工状態の正面図

【図５】全体の第２加工状態の縦断面図

【図６】ワークの第２加工状態の正面図

【図７】全体の異なるワークについての第１加工状態の
正面図

【図８】全体の異なるワークについての第２加工状態の
正面図

【図９】本発明の第２実施例を示す図３相当図

【図１０】図５相当図

【図１１】図７相当図

【図１２】図８相当図

【図１３】従来例を示す図６相当図

【図１４】異なるワークの図６相当図

【符号の説明】

１１は下型、１２は上型、１３はワーク、１５は芯金、
１６はダイ、１８，１９は着座スペーサ、２４，２５は
可動ブロック、２６はポンチ、４０，４１，４４，４５
はカム、４６は孔、４７はワーク、４８は芯金、５１，
５２，５３，５４はカムを示す。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒状のワークにプレスにより孔を明け
   るものにおいて、 ワークが上下いずれの状態でもセット可能な芯金と、高
   さ寸法の異なるものとの交換が可能で前記芯金にセット
   したワークが載置される着座スペーサと、前記芯金に設
   けられワークの上部に臨むダイと、このダイと対応する
   ポンチとを具える下型と、 この下型に対して上下動し、その降下により前記ポンチ
   をダイ側に移動させてワークを打ち抜かせるカムを具え
   る上型と、を具備して成ることを特徴とするプレス孔明
   け装置。
2. 【請求項２】 円筒状のワークにプレスにより孔を明け
   るものにおいて、 ワークが上下いずれの状態でもセット可能な芯金と、こ
   の芯金に設けられワークの下部に臨むダイと、このダイ
   と対応するポンチとを具える下型と、 この下型に対して上下動し、その降下により前記ポンチ
   をダイ側に移動させてワークを打ち抜かせるカムを具え
   る上型と、を具備して成ることを特徴とするプレス孔明
   け装置。