JPH09192751A - 複合成形型および複合成形方法 - Google Patents

複合成形型および複合成形方法

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JPH09192751A
JPH09192751A JP8025870A JP2587096A JPH09192751A JP H09192751 A JPH09192751 A JP H09192751A JP 8025870 A JP8025870 A JP 8025870A JP 2587096 A JP2587096 A JP 2587096A JP H09192751 A JPH09192751 A JP H09192751A
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bending
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Toshitaka Miyaki
利孝 宮木
Shinichi Iwagami
眞市 岩上
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Kanto Jidosha Kogyo KK
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Kanto Jidosha Kogyo KK
Toyota Motor Corp
Kanto Auto Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレス成形による少量生産部品の、単価の低
減を図る。 【解決手段】 絞り成形完了状態にある上型2、下型3
の内部で、縦方向に相対移動可能なように、成形パット
6と抜曲げ刃11とを上型2に設ける。下型3にはポンチ
14を設ける。そして、成形パット6とポンチ14とでワー
クWに絞り加工を施す。さらに、抜曲げ刃11のみを下降
させて、絞り成形済のワークに抜き、曲げ成形を行う。
抜曲げ刃11の所定位置には横方向に出没自在な加工工具
12を内蔵し、ポンチ14の所定位置には加工工具12と対を
なす受け工具19を形成しているので、曲げ成形を完了し
たワークに対して加工工具12を突出させて、受け工具19
と共に寄せ加工を施す。絞り、抜き、曲げ、寄せの各加
工工程を、複合成形型1で連続的に行うことを可能と
し、金型の種類を1つにまとめる。よって、金型コスト
が減少するので、部品単価の低減につながる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄板状のワークに
プレス成形加工を施すための金型構造および成形方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車工業のような大量生産を行う分野
においても、近年の多種多様化した需要に対応すべく、
他車種少量生産が実施されている。この場合、ある車種
に限って用いられる専用部品を一定量製造する必要があ
るが、これらの部品単価はおのずと高くなる。その顕著
な例としては、ボンネットやルーフ等の外装部品が挙げ
られる。1枚の薄板からこれら外装部品を形成する場
合、外装部品自体が比較的大型であることから、成形金
型はそれ以上のボリュームを必要とする。したがって金
型コストは必然的に高くなるが、部品の生産数量が少な
い場合には、1つの部品単価に上乗せされる金型コスト
の割合が非常に大きくなる。したがって、部品単価を下
げることが容易ではなかった。
【0003】しかも、外装部品の形状は、近年ではより
複雑化が進み、その加工工程は複数に亙っている。これ
らの加工工程ごとに専用の金型を用いると、金型コスト
はその加工工程の数と共に増大することとなる。そこ
で、1つの金型で出来るだけ多くの加工工程を行う工夫
がなされるようになり、これを可能とする金型が、複合
成形型として提案されている。この複合成形型の従来例
として、特開昭64− 22420号公報、特開昭64− 22421号
公報等にその詳細が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例では、1つ
の金型で、薄板状のワークに対して絞り、抜きおよび曲
げの各工程を連続して行うことが可能である。ところ
で、このような複合成形型は型構造が複雑になり、1つ
の金型としてのコストは上昇する。また、1つの部品が
完成するまでの成形サイクルも長くなる。しかしなが
ら、外装部品用等の大型の成形金型の場合には、型構造
が単純な2種類の金型を製造するよりも、型構造が複雑
な1つの金型の方が金型コストは小さくなり、なおか
つ、生産量が少ない場合には成形に要する時間の増加が
大きく悪影響を及ぼすこともない。すなわち、外装パー
ツ等の大型部品を少量生産する場合には、1つでも多く
の加工工程を同一の金型で連続して行うことが、より高
効率化、低コスト化を図ることになる。したがって、1
つの成形金型における更なる加工工程の集約化が、かね
てから望まれていた。
【0005】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、1つの成形金型におけ
る成型工程の集約化を更に進め、所望の形状への成形に
必要な金型の種類を減少させ、少量生産部品の単価の低
減を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明に係る手段は、薄板状のワークにプレス成形加
工を施すための成形型に、相対動可能に設けられた成形
パットおよび抜曲げ刃を駆動して、ワークに絞り、抜
き、曲げ加工を施し、さらに、ワークの被曲げ加工面に
寄せ加工を施す加工工具を備えることを特徴とする。
【0007】本発明は上記構成をなし、成形パットおよ
び抜曲げ刃を用いてワークに絞り、抜き、曲げ加工を施
し、さらに、ワークの被曲げ加工面に寄せ加工を施す工
程を、1つの複合成形型で連続して行う。
【0008】本発明においては、前記加工工具を前記抜
曲げ刃内に設けることが望ましい。すなわち、前記加工
工具を前記抜曲げ刃内に設けることにより、抜曲げ刃に
よって、曲げ加工を完了したワークの被加工面に対し、
さらに、抜曲げ刃から前記加工工具を突出させて寄せ加
工を施す。また、前記被加工面に対して寄せ加工を施す
位置は、抜曲げ刃における前記加工工具の位置や、抜曲
げ刃自体の移動位置により任意に設定する。
【0009】また、前記加工工具と対をなす受け工具を
有し、これらを寄せ加工により形成されるワークの負角
部に対して離間させる格納手段を有することが望まし
い。すなわち、格納手段によって寄せ工具をワークの負
角部から離間させることにより、ワークの離型を行なう
際に、金型とワークとの干渉を防止する。
【0010】さらに、前記格納手段として、前記受け工
具をロータリーカム構造とすることが望ましい。このロ
ータリーカム構造により、前記格納手段を構成し、前記
受け工具の離間作動を確実に行うと共に、寄せ加工の形
状変更も容易とする。
【0011】また、上記課題を解決するための本発明に
係る手段として、薄板状のワークにプレス成形加工を施
すための成形方法であって、成形型に相対動可能に設け
られた成形パットおよび抜曲げ刃を駆動して、ワークに
絞り、抜き、曲げ加工を施したワークの被曲げ加工面
に、さらに寄せ加工を施すことを特徴とする。
【0012】この構成によって、絞り加工、抜き加工お
よび曲げ加工の各工程を、前記成形パットおよび抜曲げ
刃を駆動することにより行い、さらに寄せ加工工程も連
続して1工程で行う。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
複合成形型および複合成形方法を、図1ないし図16に基
づいて説明する。以下の説明において、各図の上下方向
を上下と、左右方向を左右とする。また、図1ないし図
7および図9ないし図15において、中心線Cを境にし
て、右半分は後述する加工工具ドライバ部断面を、左半
分は後述する一般部断面を示している。
【0014】図1には、本発明の第1の実施の形態にか
かる複合成形型の構造を示している。複合成形型1は上
型2と下型3とを有する。上型2は、上型枠2aをスラ
イド4に対して据付けている。そして、成形パット6お
よびブランクホルダ7を一体に、上型枠2aに対して上
下方向(縦方向)に相対移動可能に設ける。成形パット
6と上型枠2aとの間には、コイルバネ等の弾性体8を
介在させている。また、成形パット6、ブランクホルダ
7共に、その上面には高さh1 のブロック6a、7aを
突出させている。さらに、上型枠2aと、成形パット6
およびブランクホルダ7との間には、高さh2 の打ち分
けカム9を設け、アクチュエータ10により左右方向に摺
動可能に支持している。また、打ち分けカム9の下面
と、ブロック6a、7aとの間には、所定隙間αを設け
ている。ところで、アクチュエータ10は1つのみ示され
ているが、全ての打ち分けカム9が、左右方向に駆動さ
れるものとする。
【0015】さらに、成形パット6とブランクホルダ7
との間隙には、上型枠2aに固定されて一体に上下動す
る抜曲げ刃11を配置している。この抜曲げ刃11および後
述する下抜刃16とは、ワークWに所望の抜線を形成する
ように配置されている。また、抜曲げ刃11は、通常は成
形パット6およびブランクホルダ7の間に隠れている
が、後述する抜き加工、曲げ加工および寄せ加工の各工
程では、抜曲げ刃11に対して、成形パット6およびブラ
ンクホルダ7が相対的に引込み、抜曲げ刃11が突出する
ようになっている。また、抜曲げ刃11の先端から所定距
離を置いた部分には、加工工具12が内蔵されている。加
工工具12は、型の左右方向中心部に面する部分が加工面
12aとなっている。ところで、抜曲げ刃11の下方には開
口11aを穿孔している。これは、後述する加工工具ドラ
イバ13を挿通して、加工工具12の加工面12aと反対面に
形成された傾斜面12bに押し当て、加工面12aを抜曲げ
刃11から突出させるためのものである。
【0016】下型3はボルスタ5に据付けられている。
また、下型3はポンチ14を有し、その周囲にはクッショ
ンピン15aに支えられたクッションリング15を配してい
る。ところで、ポンチ14は、中心線Cを境にして右半分
が、加工工具ドライバ13を配置した部分(加工工具ドラ
イバ部という)を示しており、左半分は、上型2に設け
た抜曲げ刃11と対をなす下抜刃16を配した部分(一般部
という)を示している。加工工具ドライバ13は、ポンチ
14に形成した抜曲げ刃11の受け溝14aに配置され、加工
工具12の傾斜面12bに対応する傾斜面13aを有し、油圧
シリンダ17により上下方向に駆動することができる。ま
た、下抜刃16も受け溝14aに配置され、油圧シリンダ18
により上下方向に駆動することができる。
【0017】さらに、ポンチ14には、上型2の抜曲げ刃
11に内蔵された加工工具12と対をなす受け工具19を、受
け溝14aの内部に露出するように設けている。受け工具
19の設置高さは、後述する寄せ加工工程において、受け
工具19の加工面19aが加工工具12の加工面12aと対向す
るように合わせる。そして、受け工具19はポンチ14の外
周部としての役割も担っており、後述する曲げ加工工程
では、ワークWに所望の製品形状を与えるものである。
【0018】また、後述するワーク取り出し工程におい
て、受け工具19をワークWの成形面に対して離間させる
格納手段として、下記のスライドカム構造を有してい
る。このスライドカム構造とは、カムすなわち受け工具
19が、文字通り左右方向にスライドするものである。こ
の左右方向のスライド作動を行うために、受け工具19の
加工面19aの反対面には、傾斜面19bを形成し、コイル
バネ等の弾性体20の付勢力により、ポンチ14内部に配置
された受け工具ドライバ21の傾斜面21aと摺接させてい
る。また、受け工具ドライバ21は油圧シリンダ22によ
り、受け工具19のポンチ中心方向への付勢力に対抗して
いる。
【0019】ところで、加工面19aは凹状に形成され、
凹内部には加工工具12の格納用駆動手段であるプレッシ
ャパット23を配置している。プレッシャパット23は、受
け工具19との間に介在させたコイルバネ等の弾性体24に
よって、後述するワーク取り出し工程において、抜曲げ
刃11から突出した加工工具12の加工面12aに対し、再び
格納する方向への圧力を加えることができる。また、図
1においては加工前の平坦なワークWが示されている。
【0020】ここで、上記複合成形型の構成をまとめる
と、該複合成形型は、薄板状のワークにプレス成形加工
を施すためのものであって、絞り成形完了状態にある上
・下型の内部で、縦方向に相対移動可能な成形パットと
抜曲げ刃とを前記上・下型の一方に設け、該抜曲げ刃の
所定位置には横方向に出没自在な加工工具を内蔵し、他
方の型にはポンチを設け、該ポンチの所定位置には、前
記加工工具と対をなす受け工具を形成している。すなわ
ち、絞り成形完了状態にある上・下型の内部で、縦方向
に相対移動可能な成形パットと抜曲げ刃とを前記上・下
型の一方に設け、他方の型にはポンチを設けることによ
り、前記成形パットとポンチとでワークに絞り加工を施
し、さらに、前記抜曲げ刃のみを下降させて、絞り成形
済のワークに抜き、曲げ成形を行う。さらに、前記抜曲
げ刃の所定位置には横方向に出没自在な加工工具を内蔵
し、前記ポンチの所定位置には、前記加工工具と対をな
す受け工具を形成したことにより、曲げ成形を完了した
ワークに対して、前記加工工具を突出させて、前記受け
工具と共に寄せ加工を施す。また、ワークに対して寄せ
加工を施す位置は、前記加工工具の位置により決定す
る。
【0021】また、前記加工工具を前記抜曲げ刃に対し
て出没させる駆動手段を、前記他方の型に設ける。すな
わち、前記加工工具の駆動手段を、前記他方の型に分担
して配置し、前記抜曲げ刃の構造および前記一方の型の
構造を単純化し、型全体としての小型化を図る。さら
に、前記加工工具と対をなす受け工具を、寄せ加工によ
り形成されるワークの負角部に対して離間させる格納手
段を有する。本発明において寄せ加工は、前記加工工具
を突出させて、ワークの被加工面を該加工工具と前記受
け工具とで挟み込むことにより行い、ここで形成された
ワークの負角をなす面から、前記格納手段による前記受
け工具の離間を行うことにより、ワークの離型を可能と
する。さらに、前記格納手段として、前記受け工具には
スライドカム構造を有し、該スライドカム構造により前
記格納手段を構成し、前記受け工具の離間作動を確実に
行う。
【0022】次に、本発明の第1の実施の形態にかかる
プレス加工工程の各工程を、図2ないし図8に示して説
明する。プレス加工工程は、ワークの投入工程(図
2)、絞り加工工程(図3)、抜き加工工程(図
4)、曲げ加工工程(図5)、寄せ加工工程(図
6)、ワーク取り出し工程(図7)の順で進行する。
以下に、順を追って上記加工工程を説明する。
【0023】まず、図2に示す第1の工程であるワーク
の投入工程の説明をする。この状態では、スライド4は
上死点に位置し、上・下型2、3は型開している。上型
2の打ち分けカム9は、成形パット6およびブランクホ
ルダ7のブロック6a、7aの真上に位置し、上型枠2
aの下面と、成形パット6およびブランクホルダ7との
距離Hは、H=H1 =h1 +h2 +α(図1参照)とな
っている。また、下型3のクッションリング15、下抜刃
16および受け工具ドライバ21は、いずれも上死点に位置
し、加工工具ドライバ13は下死点に位置する。そして、
受け工具19は突出位置にある。この状態で、平板状のワ
ークWを上・下型2、3の間に投入する。
【0024】次に、図3に示す第2の工程である絞り加
工工程の説明をする。上死点にあるスライド4を下降さ
せ、上型2のブランクホルダ7と下型3のクッションリ
ング15とでワークWを挟持する。さらにスライド4を下
降させて、ブランクホルダ7のブロック7aに打ち分け
カム9を突き当てて、ワークWに加える荷重を増加さ
せ、ワークWのシワ押えを確実に行うと共に、成形パッ
ト6のブロック6aに、打ち分けカム9を突き当てて、
成形パット6をワークWに当接させる。そして、クッシ
ョンリング15を下死点まで押し下げると共に、成形パッ
ト6とポンチ14とでワークWを挟持して絞り成形を施
す。このとき、ワークWは上死点に位置する下抜刃16に
密着する。以上でワークWへの絞り加工工程が完了す
る。このとき上型枠2aの下面と、成形パット6および
ブランクホルダ7との距離Hは、H=H2 =h1 +h2
(図1参照)となっている。
【0025】次に、図4に示す第3の工程である抜き加
工工程の説明をする。まず、図3に示す状態から、スラ
イド4を若干上昇させて、再び成形パット6およびブラ
ンクホルダ7のブロック6a、7aと、打ち分けカム9
との間に所定の隙間を開け、一時的に荷重を抜く。この
とき、成形パット6およびブランクホルダ7は、いずれ
も絞り成形済のワークWに密着した状態にある。そし
て、アクチュエータ10を作動させて、打ち分けカム9を
ブロック6a、7aから逃げる位置に移動する。そし
て、再びスライド4を下降させることにより、上型枠2
aのみが、図3に示す絞り加工工程の状態よりさらに下
降し、抜曲げ刃11は、成形パット6およびブランクホル
ダ7の間隙から下方に突出する。そして、抜曲げ刃11と
下抜刃16とでワークWを剪断し、抜き成形を施す。
【0026】次に、図5に示す第4の工程である曲げ加
工工程の説明をする。前記抜き加工工程で説明したよう
に、打ち分けカム9はブロック6a、7aを避けた位置
にあるので、上型2の上型枠2aはさらに下降を続ける
ことが可能となり、スライド4の下死点に至るまで下降
を続ける。そして、弾性体8を押し縮めて、ワークWに
成形パット6の自重プラス弾性体8の弾性力を与えなが
ら、打ち分けカム9を成形パット6およびブランクホル
ダ7の上面に対して直に接触し得る位置まで接近させ
る。このとき、上型枠2aの下面と、成形パット6およ
びブランクホルダ7との距離Hは、H=H3 =h2 +β
(β:所定隙間)となる。また、抜曲げ刃11は上型枠2
aと一体に下降して、前記抜き加工工程で形成した抜き
線に沿ってワークWに曲げ加工を加えながら、下抜刃16
と共にポンチ14の受け溝14a内を下降する。このとき、
下抜刃16を支持する油圧シリンダ18は、下死点まで移動
する。この抜曲げ刃11および下抜刃16の動作により、ワ
ークWは、受け溝14aに一部突出する受け工具19にそっ
て、曲げ加工が施される。同時に、受け溝14aに設けた
加工工具ドライバ13が、抜曲げ刃11の開口11a(図1参
照)に侵入し、加工工具12に加工工具ドライバ13が当接
する。
【0027】次に、図6に示す第5の工程である寄せ加
工工程の説明をする。また図8には、図6で表されない
左半分の加工工具ドライバ部を拡大して示している。な
お、図8ではワークWは省略している。これまで、下死
点に位置していた加工工具ドライバ13を支持する油圧シ
リンダ17を、上死点に向けて上昇させる。そして、加工
工具12の傾斜面12bを加工工具ドライバ13の傾斜面13a
で押圧し、傾斜面同士を摺動させることにより、加工工
具ドライバ13の上昇変移を加工工具12の横移動に変換す
る。加工工具12はポンチ14の左右方向中心部に向けて突
出し、加工面12aと受け工具19の加工面19aとでワーク
Wに寄せ加工を施す。また、加工工具12の突出によっ
て、加工面19aの内部に設けたプレッシャパット23を押
圧し、弾性体24を押し縮める。寄せ加工が完了すると、
油圧シリンダ17を再び下死点に向けて移動させ、加工工
具ドライバ13を下降させる。すると、突出した加工工具
12は、プレッシャパット23によって受け工具19の加工面
19aの外側へ向けて押し戻され、再び抜曲げ刃11内部に
格納される。
【0028】次に、図7に示す第6の工程であるワーク
取り出し工程の説明をする。これまで、上死点に位置し
ていた受け工具ドライバ21を支持する油圧シリンダ22
を、下死点に向けて移動させる。すると、弾性体20の付
勢力により、受け工具ドライバ21の傾斜面21aと、受け
工具19の傾斜面19bとが摺動し、受け工具19はポンチ14
内部の格納位置に移動する。よって、受け工具19はワー
クWの寄せ加工を施した成形面、すなわちワークWの負
角をなす面から離間し、所望のパネル形状に成形された
ワークWを離型させることが可能となる。そして、スラ
イド4を上死点に向けて上昇させて型開すると共に、ク
ッションリング15も上昇させて、スクラップW’とワー
クWとを回収し、複合成型工程を終了する。
【0029】ところで、図6および図8に示す寄せ加工
工程において、ワークWに寄せ加工を施す位置は、抜曲
げ刃11における加工工具12の設置位置を変えることによ
り、自由に変更することができる。このとき、受け工具
19の位置も、加工工具12に合わせて変更する。また、寄
せ加工の代わりに寄せ穴抜き加工を施すことも可能であ
り、この場合には、加工工具12および受け工具19は寄せ
穴抜き加工用の形状を持たせる。さらに、加工工具12を
抜曲げ刃11から突出させる駆動手段である加工工具ドラ
イバ13は、曲げ位置によっては、上記の例のように可動
式とせず位置固定タイプとすることも可能である。この
場合には、加工工具ドライバ13の固定位置を工夫するこ
とにより、スライド4の下降に伴って加工工具12の傾斜
面12aと加工工具ドライバ13の傾斜面13bとを摺接さ
せ、加工工具12をポンチ14の左右方向中心部に向けて突
出させるものである。また、寄せ加工は必ずしもワーク
Wの左右両方で行うものではなく、片方のみに施すこと
も可能である。
【0030】さて、本発明の第1の実施の形態における
成形方法をまとめると、以下のようになる。薄板状のワ
ークにプレス成形加工を施すための成形方法であって、
絞り加工、抜き加工、曲げ加工、寄せ加工およびワーク
取り出しの順に行う各工程を有し、前記絞り加工工程で
は、成形パットと抜曲げ刃とを相対移動可能に保持する
一方の型(上型)を、ポンチを有する他方の型(下型)
に対して近接させて絞り成形を行い、前記抜きおよび曲
げ加工工程では、ワークを剪断するべく前記一方の型の
抜曲げ刃のみを成形パットに対して相対移動させて、抜
き成形および曲げ成形を行い、前記寄せ加工工程では、
曲げ加工工程を終えた状態にある前記抜曲げ刃の所定位
置に格納した加工工具を、前記他方の型に対する一方の
型の近接方向と交差する方向に突出させ、ポンチに設け
た前記加工工具と対をなす受け工具と共に、ワークの曲
げ成形を施した部分に寄せ成形を施し、前記ワーク取り
出し工程では、前記加工工具を抜曲げ刃に再び格納した
後に、前記寄せ加工により形成されたワークの負角部分
から前記受け工具を離間させ、前記一方の型を他方の型
から遠退させて所望のパネル状に形成されたワークを取
り出すことを特徴とする。
【0031】この構成によって、絞り加工、抜き加工お
よび曲げ加工の各工程を、一方の型(上型)を他方の型
(下型)に近接させる動作に伴って行い、寄せ加工工程
を、前記一方の型の近接方向と交差する方向に突出する
加工工具の動作と、該加工工具と対をなす受け工具とに
よって行い、さらに、ワーク取り出し工程を、前記寄せ
加工工程で形成されたワークの負角部分から前記受け工
具を離間させることによって、ワークを所望のパネル形
状にプレス成形するための複合成形を連続的に行う。
【0032】上記構成をなす本発明の第1の実施の形態
から得られる作用効果は、以下の通りである。上型2の
上型枠2aには抜曲げ刃11を固定し、成形パット6を上
型枠2aに対して相対移動可能に設けている。そして、
絞り加工工程では、打ち分けカム9と成形パット6およ
びブランクホルダ7のブロック6a、7aとを当接させ
ることにより、上型枠2aの下面と、成形パット6およ
びブランクホルダ7との距離Hを、H=H2 =h1 +h
2 として絞り成形を行う。そして、絞り成形完了状態に
ある上型2および下型3の内部で、打ち分けカム9をブ
ロック6a、7aから逃れる位置に移動させ、成形パッ
ト6を変移させないで、上型枠2aを、すなわち抜曲げ
刃11をさらに下降させることにより、抜曲げ刃11と下抜
刃16とでワークWに抜き成形を施すことができる。そし
て抜曲げ刃11の下降を継続して、打ち分けカム9を成形
パット6およびブランクホルダ7の上面に対して直に接
触し得る位置まで接近させる(H=H3 =h2 +β)こ
とにより、ワークWに密着する成形パット6に相対し
て、抜曲げ刃11のみがワークWを抜線に沿って押し下げ
るべく下降し、ワークWに曲げ成形を施すことができ
る。
【0033】さらに、抜曲げ刃11に内蔵した加工工具12
を、ポンチ14の受け溝14aに設けた加工工具ドライバ13
で押圧することにより、加工工具をポンチ14の左右方向
中心部へ向けて突出させ、ポンチ14に設けた受け工具19
と共に、ワークWに寄せ成形を施すことができる。最後
に、加工工具ドライバ13を下降させると共に、受け工具
19の下降面19aに設けたプレッシャパット23によって、
加工工具13を再び抜曲げ刃11内に収納し、さらに受け工
具19にはスライドカム構造を持たせて、ポンチ14内部へ
の格納を可能としたことにより、寄せ加工により形成さ
れたワークWの負角をなす面から加工工具19を離間させ
た後に、型開を行ってワークWを離することができる。
このようにして、1つの複合成形金型1で、薄板状のワ
ークWに対して絞り、抜き、曲げおよび寄せ加工の各工
程を連続して行うことが可能となる。しかも、寄せ加工
位置は、抜曲げ刃11における加工工具12の位置を変える
ことにより変更することができる。
【0034】また、加工工具12を、抜曲げ刃11に対して
出没させる駆動手段として、加工工具ドライバ13と、プ
レッシャパット23とを、下型3の側に分散して設けたこ
とにより、抜曲げ刃11の構造および上型2の構造を単純
化し、複合成形型1全体としての小型化を図ることがで
きる。
【0035】次に、本発明の第2の実施の形態について
を、図9ないし図14を基にして説明する。ここで第1の
実施の形態と同一部分若しくは相当する部分について
は、同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0036】図9には、本発明の第2の実施の形態にか
かる複合成形型の構造を示している。この複合成形型1
における、第2の実施の形態と第1の実施の形態との主
たる相違点は、抜曲げ刃11に出没自在に格納された加工
工具12の形状と、ポンチ14に設けた受け工具19の形状お
よび格納手段の構造にある。図示のごとく、加工工具12
の加工面12aは、所定の頂角を有する突起形状をなして
いる。また、受け工具19は、その加工面19aが加工工具
12の加工面12aに対応する形状をなしている。そして、
後述するワーク取り出し工程において、受け工具19をワ
ークWの成形面に対して離間させる格納手段として、下
記のロータリーカム構造を有している。このロータリー
カム構造とは、カムすなわち受け工具19が、文字通り所
定角度だけ回転するものである。
【0037】この、受け工具19の回転作動を行うため
に、受け工具19には、所定半径を有する円弧状の当接面
19cを形成し、当接面19cに対応する形状をなすポンチ
14の案内面14bに摺接している。また、受け工具19は下
方に開口する位置決め孔19dを有し、位置決めキー25を
係合させている。位置決めキー25は、油圧シリンダ26に
支持されており、位置決めキー25を下降させて、位置決
め孔19dとの係合を解除することにより、受け工具19の
自重、若しくは図示しない付勢手段によって、案内面14
bに対して当接面19cを下方に摺動させ、受け工具19を
回転させる。また、受け工具19はポンチ14の外周部とし
ての役割も担っており、後述する寄せ加工工程において
は、ワークWに所望の製品形状を与えるものである。と
ころで、加工工具12の格納用駆動手段については、後述
するワーク取り出し工程で詳述する。
【0038】次に、本発明の第2の実施の形態にかかる
プレス加工工程の各工程を、図10ないし図16に示して説
明する。第2の実施の形態におけるプレス加工工程は、
第1の実施の形態における加工工程と同様に、ワーク
の投入工程(図10)、絞り加工工程(図11)、抜き
加工工程(図12)、曲げ加工工程(図13)、寄せ加
工工程(図14)、ワーク取り出し工程(図15)の順で
進行する。以下に、順を追って上記加工工程を説明す
る。
【0039】まず、図10に示す第1の工程であるワーク
の投入工程の説明をする。この状態では、スライド4は
上死点に位置し、上・下型2、3は型開している。上型
2の打ち分けカム9は、成形パット6およびブランクホ
ルダ7のブロック6a、7aの真上に位置し、上型枠2
aの下面と、成形パット6およびブランクホルダ7との
距離Hは、H=H1 =h1 +h2 +α(図9参照)とな
っている。また、下型3のクッションリング15および下
抜刃16は上死点に位置し、加工工具ドライバ13は下死点
に位置する。そして、油圧シリンダ26は上死点に位置
し、受け工具19の位置決め孔19dに、位置決めキー25を
係合させている。したがって、受け工具19は突出位置に
固定され、ポンチ14と面一となってポンチ14の外周部を
なしている。この状態で、平板状のワークWを上・下型
2、3の間に投入する。
【0040】次に、図11に示す第2の工程である絞り加
工工程の説明をする。上死点にあるスライド4を下降さ
せ、上型2のブランクホルダ7と下型3のクッションリ
ング15とでワークWを挟持する。さらにスライド4を下
降させて、ブランクホルダ7のブロック7aに打ち分け
カム9を突き当てて、ワークWに加える荷重を増加さ
せ、ワークWのシワ押えを確実に行うと共に、成形パッ
ト6のブロック6aに、打ち分けカム9を突き当てて、
成形パット6をワークWに当接させる。そして、クッシ
ョンリング15を下死点まで押し下げると共に、成形パッ
ト6とポンチ14とでワークWを挟持して絞り成形を施
す。以上でワークWへの絞り加工工程が完了する。この
とき上型枠2aの下面と、成形パット6およびブランク
ホルダ7との距離Hは、H=H2 =h1 +h2 (図9参
照)となっている。
【0041】次に、図12に示す第3の工程である抜き加
工工程の説明をする。まず、図11に示す状態から、スラ
イド4を若干上昇させて、再び成形パット6およびブラ
ンクホルダ7のブロック6a、7aと、打ち分けカム9
との間に所定の隙間を開け、一時的に荷重を抜く。この
とき、成形パット6およびブランクホルダ7は、いずれ
も絞り成形済のワークWに密着した状態にある。そし
て、アクチュエータ10を作動させて、打ち分けカム9を
ブロック6a、7aから逃げる位置に移動する。そし
て、再びスライド4を下降させることにより、上型枠2
aが図11に示す絞り加工工程の状態よりさらに下降し、
抜曲げ刃11は、成形パット6およびブランクホルダ7の
間隙から下方に突出する。そして、抜曲げ刃11と下抜刃
16とでワークWを剪断し、抜き成形を施す。
【0042】次に、図13に示す第4の工程である曲げ加
工工程の説明をする。前記抜き加工工程で説明したよう
に、打ち分けカム9はブロック6a、7aを避けた位置
にあるので、上型2の上型枠2aはさらに下降を続ける
ことが可能となり、スライド4の下死点に至るまで下降
を続ける。そして、弾性体8を押し縮めて、ワークWに
成形パット6の自重プラス弾性体8の弾性力を与えなが
ら、打ち分けカム9を成形パット6およびブランクホル
ダ7の上面に対して直に接触し得る位置まで接近させ
る。このとき、上型枠2aの下面と、成形パット6およ
びブランクホルダ7との距離Hは、H=H3 =h2 +β
(β:所定隙間)となる。そして、抜曲げ刃11は、前記
抜き加工工程で形成した抜き線に沿ってワークWに曲げ
加工を加えながら、ポンチ14の受け溝14a内を下降す
る。このとき、下抜刃16を支持する油圧シリンダ18も、
下死点まで下降する。この抜曲げ刃11および下抜刃16の
動作により、ワークWは受け工具19の外周部(肩R部)
に沿って曲げ加工が施される。同時に、受け溝14aに設
けた加工工具ドライバ13が、抜曲げ刃11の開口11a(図
9参照)に侵入し、加工工具12と加工工具ドライバ13と
が当接する。
【0043】次に、図14に示す第5の工程である寄せ加
工工程の説明をする。また図16には、図14で表されない
左半分の加工工具ドライバ部を、拡大して示している。
なお、図16ではワークWを省略している。これまで、下
死点に位置していた加工工具ドライバ13を支持する油圧
シリンダ17を、上死点に向けて上昇させる。そして、加
工工具12の傾斜面12bを加工工具ドライバ13の傾斜面13
aで押圧し、傾斜面同士を摺動させることにより、加工
工具ドライバ13の上昇変移を加工工具12の横移動に変換
する。加工工具12はポンチ14の左右方向中心部に向けて
突出し、加工面12aと受け工具19の加工面19aとでワー
クWに寄せ加工を施す。寄せ加工が完了すると、油圧シ
リンダ17を再び下死点に向けて移動させ、加工工具ドラ
イバ13を下降させる。
【0044】次に、図15に示す第6の工程であるワーク
取り出し工程の説明をする。これまで、上死点に位置し
ていた位置決めキー25を支持する油圧シリンダ26を、下
死点に向けて移動させる。そして、位置決め孔19dと位
置決めキー25との係合を解除すると、受け工具19の自重
により、若しくは図示しない付勢手段によって、ポンチ
14の案内面14bに対して受け工具19の当接面19cが下方
に摺動し、受け工具19が回転する。よって、受け工具19
はワークWの寄せ加工を施した成形面、すなわちワーク
Wの負角をなす面から離間し、所望のパネル形状に成形
されたワークWを離型させることが可能となる。そし
て、スライド4を上死点に向けて上昇させ、型開する際
に、突出した加工工具12は、ワークWに成形された負角
部分に摺動案内されて、抜曲げ刃11内部に格納される。
すなわち、ロータリーカム構造を有する本実施の形態で
は、加工工具12の格納用駆動手段を特に設けずに、加工
工具12の格納を行うことができる。そして、クッション
リング15を上昇させて、スクラップW’とワークWとを
回収し、複合成型工程を終了する。
【0045】さらに、次のプレス成形を行う準備工程と
して、油圧シリンダ18を上昇させて下抜刃16を上死点ま
で移動させる。この下抜刃16の動作と共に、受け工具19
を突出位置に向けて回転させることが可能となってお
り、再びポンチ14と面一となってポンチ14の外周部を形
成する。そして、油圧シリンダ26を上昇させて、位置決
めキー25を受け工具19の位置決め孔19dに係合させる。
【0046】ところで、図14および図16に示す寄せ加工
工程において、ワークWに施す寄せ加工の角度は、加工
工具12の加工面12aの形状を変更することによって、自
由に設定することができる。このとき、受け工具19の加
工面19aの角度も、加工工具12に合わせて変更する。ま
た、加工工具12を抜曲げ刃11から突出させる駆動手段で
ある加工工具ドライバ13は、曲げ位置によっては、上記
の例のように可動式とせず位置固定タイプとすることも
可能である。この場合には、加工工具ドライバ13の固定
位置を工夫することにより、スライド4の下降に伴って
加工工具12の傾斜面12aと加工工具ドライバ13の傾斜面
13bとを当接させ、加工工具12をポンチ14の左右方向中
心部に向けて突出させるものである。また、寄せ加工は
必ずしもワークWの左右両方で行うものではなく、片方
のみに施すことも可能である。
【0047】上記構成をなす本発明の第2の実施の形態
によると、寄せ加工によりワークWに形成する面の角度
を自由に設定することが可能となる。よって、製品に要
求される特性に応じて、第1の実施の形態と第2の実施
の形態とを選択することが望ましい。また、受け工具19
にはロータリーカム構造を持たせて、寄せ加工により形
成されたワークWの負角をなす面から加工工具19を離間
させることを可能としたので、ワークWの離型を障害な
く行うことができる。その他、第1の実施の形態と同様
の作用効果については、ここでの説明を省略する。
【0048】
【発明の効果】本発明はこのように構成したので、以下
のような効果を有する。すなわち、成形パットおよび抜
曲げ刃を用いて薄板状のワークに絞り、抜き、曲げ加工
を施し、さらに、ワークの被曲げ加工面に寄せ加工を施
す工程を、1つの複合成形型で連続して行うことが可能
となり、自動車の外装パーツ等の大型部品を生産するた
めの成形型における金型コストの低減を図ることができ
る。
【0049】また、前記加工工具を前記抜曲げ刃内に設
けることにより、抜曲げ刃によって、曲げ加工を完了し
たワークの被加工面に対し、さらに、抜曲げ刃から前記
加工工具を突出させて寄せ加工を施すことができる。そ
して、前記被加工面に対して寄せ加工を施す位置は、抜
曲げ刃における前記加工工具の位置や、抜曲げ刃自体の
移動位置により任意に設定することができるので、さま
ざまな製品形状に対応することが可能となる。
【0050】また、前記加工工具と対をなす受け工具
を、寄せ加工により形成されるワークの負角部に対して
離間させる格納手段を有し、格納手段によって寄せ工具
をワークの負角部から離間させることにより、ワークの
離型を行なう際の、金型とワークとの干渉を防止し、絞
り、抜き、曲げ、寄せ加工を連続して行った後に、ワー
ク取り出し工程を連続して行うことが可能となる。
【0051】さらに、本発明では絞り成形完了状態にあ
る上・下型の内部で、縦方向に相対移動可能な成形パッ
トと抜曲げ刃とを前記上・下型の一方に設け、他方の型
にはポンチを設け、前記成形パットとポンチとでワーク
に絞り加工を施し、さらに前記抜曲げ刃のみを下降させ
て、絞り成形済のワークに抜き、曲げ成形を施す。続い
て、曲げ成形が完了した状態で、前記抜曲げ刃の所定位
置に内蔵した加工工具と、前記ポンチの所定位置に設け
た前記加工工具と対をなす受け工具とで、曲げ成形を完
了したワークに寄せ加工を施す。このようにして、1つ
の成形金型で、薄板状のワークに対して絞り、抜き、曲
げおよび寄せ加工の各工程を連続して行うことが可能と
なる。
【0052】従来に比べて、同一の金型で連続して行う
ことが可能な成形工程が増し、外装パーツ等の大型部品
を少量生産する場合に、高効率化、低コスト化を図るこ
とができる。しかも、各工程毎に位置決めを行う必要が
ないので、製品の精度の安定化を図ることができる。さ
らに複数の工程を別個の金型で加工する場合に必要であ
った工程間のワークの移送が不要となるので、ワークを
移送することに伴う当てキズや変形等の品質劣化を生じ
させることもない。また、ワークに対して寄せ加工を施
す位置は、前記加工工具の位置によって決定されるの
で、加工工具の位置を変更することにより、さまざまな
製品形状に対応することができる。よって他品種少量生
産部品に対する適応性が高い。
【0053】本発明においては、前記抜曲げ刃に対して
前記加工工具を出没させる駆動手段を前記他方の型に分
担して配置しているので、前記抜曲げ刃の構造および前
記一方の型の構造を単純化し、型全体としての小型化を
図ることができる。特に、自動車の外装部品用等の大型
の成形金型の場合には、少しでも金型を小さくすること
により、金型コストを大きく下げることにつながり、本
複合成形型の、1つの成形金型で、薄板状のワークに対
して絞り、抜き、曲げおよび寄せの各工程を連続して行
うことによる金型コストの減少効果を、さらに促進する
ことができる。
【0054】また、本発明においては、寄せ加工を行う
ために、横方向に出没自在な前記加工工具と、該加工工
具と対をなす受け工具とを設けており、これら工具によ
って寄せ加工の際にワークの被加工面を挟み込むので、
寄せ加工終了時点では、ワークに形成される負角をなす
面に前記受け工具が封じ込まれる状態となる。よって、
該負角をなす面から前記受け工具を離間させることを可
能とする前記格納手段を設けたことによって、ワークを
離型する際の前記受け工具との干渉を無くし、1つの成
形金型で、薄板状のワークに対して絞り、抜きの各工程
を行った後に、ワークの離型すなわちワークの取り出し
工程を連続して行うことが可能となる。
【0055】さらに、前記格納手段として、前記受け工
具にはスライドカム構造またはロータリーカム構造を持
たせることにより、寄せ加工工程でワークに形成される
負角をなす面からの、前記受け工具の離間作動を確実に
行い、ワークの離型を確実に行うことが可能となる。特
に、スライドカム構造の場合には、寄せ位置の変更が容
易となる。また、ロータリーカム構造の場合には、寄せ
角度の変更が容易となるので、異なる形状をなす製品へ
の流用が可能となり、いずれの場合も少量生産に適した
金型構造となる。
【0056】また、本発明では、絞り加工、抜き加工お
よび曲げ加工の各工程を、一方の型を他方の型に近接さ
せる動作に伴って行い、寄せ加工工程を、前記一方の型
の近接方向と交差する方向に突出する加工工具の動作
と、該加工工具と対をなす受け工具とによって行い、さ
らに、ワーク取り出し工程を、前記寄せ加工工程で形成
されたワークの負角部分から前記受け工具を離間させる
ことによって、ワークを所望のパネル形状にプレス成形
するための複合成形を連続的に行うことが可能となる。
したがって、1つの成形金型における成型工程の集約化
をさらに促進し、自動車の外装パネル等の大型部品を少
量生産した場合の、製品単価を減少させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る複合成形型で
あって、右半分は加工工具ドライバ部を、左半分は一般
部を示す断面図である。
【図2】図1に示す複合成形型を用いたプレス成形加工
におけるワークの投入工程を示す断面図である。
【図3】図1に示す複合成形型を用いたプレス成形加工
における絞り加工工程を示す断面図である。
【図4】図1に示す複合成形型を用いたプレス成形加工
における抜き加工工程を示す断面図である。
【図5】図1に示す複合成形型を用いたプレス成形加工
における曲げ加工工程を示す断面図である。
【図6】図1に示す複合成形型を用いたプレス成形加工
における寄せ加工工程を示す断面図である。
【図7】図1に示す複合成形型を用いたプレス成形加工
におけるワーク取り出し工程を示す断面図である。
【図8】図6に示す複合成形型の寄せ加工工程における
加工工具ドライバ部を示す拡大図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る複合成形型で
あって、右半分は加工工具ドライバ部を、左半分は一般
部を示す断面図である。
【図10】図9に示す複合成形型を用いたプレス成形加工
におけるワークの投入工程を示す断面図である。
【図11】図9に示す複合成形型を用いたプレス成形加工
における絞り加工工程を示す断面図である。
【図12】図9に示す複合成形型を用いたプレス成形加工
における抜き加工工程を示す断面図である。
【図13】図9に示す複合成形型を用いたプレス成形加工
における曲げ加工工程を示す断面図である。
【図14】図9に示す複合成形型を用いたプレス成形加工
における寄せ加工工程を示す断面図である。
【図15】図9に示す複合成形型を用いたプレス成形加工
におけるワーク取り出し工程を示す断面図である。
【図16】図14に示す複合成形型の寄せ加工工程における
加工工具ドライバ部を示す拡大図である。
【符号の説明】
1 複合成形型 2 上型 2a 上型枠 3 下型 6 成形パット 11 抜曲げ刃 12 加工工具 13 加工工具ドライバ 14 ポンチ 19 受け工具 21 受け工具ドライバ 23 プレッシャパット W ワーク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄板状のワークにプレス成形加工を施す
    ための成形型に、相対動可能に設けられた成形パットお
    よび抜曲げ刃を駆動して、ワークに絞り、抜き、曲げ加
    工を施し、さらに、ワークの被曲げ加工面に寄せ加工を
    施す加工工具を備えることを特徴とする複合成形型。
  2. 【請求項2】 前記加工工具を前記抜曲げ刃内に設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載の複合成形型。
  3. 【請求項3】 前記加工工具と対をなす受け工具を有
    し、これらを寄せ加工により形成されるワークの負角部
    に対して離間させる格納手段を有することを特徴とする
    請求項1に記載の複合成形型。
  4. 【請求項4】 前記格納手段として、前記受け工具をロ
    ータリーカム構造としたことを特徴とする請求項3に記
    載の複合成形型。
  5. 【請求項5】 薄板状のワークにプレス成形加工を施す
    ための成形方法であって、成形型に相対動可能に設けら
    れた成形パットおよび抜曲げ刃を駆動して、ワークに絞
    り、抜き、曲げ加工を施したワークの被曲げ加工面に、
    さらに寄せ加工を施すことを特徴とする複合成形方法。
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