JP2006167771A - プレス加工装置及びプレス加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】上型を備えるプレス機を用いずにリストライク成形とピアス加工とを行うことができるようにした小型簡易なプレス加工装置を提供する。
【解決手段】駆動源により進退される駆動板4と、駆動板4にワークW側に付勢した状態で支持されるリストライク成形用の押え板5と、駆動板4に固定され、押え板5に形成した貫通孔5bに挿通されるピアス加工用のパンチ8と、駆動板4と押え板5との間に進入自在なスペーサ9とを備える。駆動板4と押え板5との間にスペーサ9を進入させた状態で駆動板4を前進させ、ワークWに押え板5を押し当ててリストライク成形を行った後、駆動板4と押え板5との間からスペーサ9を退避させた状態で駆動板4を前進させ、パンチ8を押え板5から突出させてピアス加工を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、ワークのリストライク成形(部分成形)を行うと共に、リストライク成形されたワークの部分にピアス加工を行うプレス加工装置及びこの装置を用いたプレス加工方法に関する。
従来、この種のプレス加工装置は、下型と上下動する上型とを備えるプレス機で構成されている。下型には、リストライク成形用のスライドカムが配置され、スライドカムに、ピアス加工用のパンチが挿通されると共に、パンチに連結される副スライドカムが支持されている。そして、上型の下降により、先ず、上型に垂設したドライブカムを介してスライドカムをワーク側に前進させて予備的なリストライク成形を行い、引き続く上型の下降により、上型に垂設した副ドライブカムを介して副スライドカム、即ち、パンチをワーク側に前進させてピアス加工を行うと共に、ドライブカムによりスライドカムを更に前進させて最終的なリストライク成形を行うようにしている(例えば、特許文献1参照)。
このように上記従来のプレス加工装置では、ピアス加工と最終的なリストライク成形とが同時に行われるため、成形負荷が大きくなる。このような大きな成形負荷に耐えるには、大型の加圧装置で上下動される上型を備えるプレス機を用いざるを得ず、装置が大掛かりなものになって、設備費が嵩む不具合がある。
特開昭58−138527号公報(第2頁、第3,4図)
本発明は、以上の点に鑑み、プレス機を用いずにリストライク成形とピアス加工とを行うことができるようにした小型簡易なプレス加工装置及びこの装置を用いたプレス加工方法を提供することをその課題としている。
上記課題を解決するために、本発明のプレス加工装置は、リストライク成形及びピアス加工に際してのワークの加圧方向をX軸方向として、駆動源によりX軸方向に進退される駆動板と、駆動板にワーク側たるX軸方向先方に付勢した状態で支持されるリストライク成形用の押え板と、駆動板に固定され、押え板に形成したX軸方向の貫通孔に挿通されるピアス加工用のパンチと、駆動板と押え板との間に進入自在なスペーサとを備え、スペーサを駆動板と押え板との間から退避させて、押え板に対し駆動板をX軸方向先方に相対移動させたとき、パンチが貫通孔を通して押え板からX軸方向先方に突出するように構成されていることを特徴とする。
また、本発明のプレス加工方法は、上記本発明のプレス加工装置を用いて、ワークにリストライク成形を行うと共に、リストライク成形されたワークの部分にピアス加工を行う方法であって、上記駆動板と上記押え板との間に上記スペーサを進入させた状態で駆動板をX軸方向先方に前進させ、ワークに押え板を押し当ててリストライク成形を行う工程と、駆動板と押え板との間からスペーサを退避させた状態で駆動板をX軸方向先方に前進させ、パンチを押え板からX軸方向先方に突出させてピアス加工を行う工程とを順に実行することを特徴とする。
本発明によれば、駆動板と押え板との間にスペーサを進入させることで、駆動板からの押圧力がスペーサを介して押え板に伝達されるようになり、また、押え板に対する駆動板のX軸方向先方への相対移動が規制されるため、パンチは押え板から突出しない。従って、駆動板と押え板との間にスペーサを進入させた状態で駆動板をX軸方向先方に前進させるリストライク成形工程では、駆動板からの押圧力により押え板がワークに押し当てられて、リストライク成形のみが行われる。次のピアス加工工程では、駆動板と押え板との間からスペーサが退避されるため、押え板がワークに当接すると、押え板に対し駆動板がX軸方向先方に相対移動し、パンチが押え板からX軸方向先方に突出して、ピアス加工が行われる。
このように、リストライク成形とピアス加工とが順に行われるため、ピアス加工に必要な押圧力にリストライク成形に必要な押圧力を更に加えた押圧力を駆動板に付与する必要がなく、駆動板用の駆動源は小型のもので足りる。そして、従来の上型を備えるプレス機を用いるものに比し、プレス加工装置が小型簡素化され、設備費の大幅な削減を図ることができる。更に、プレス加工装置が小型であるため、場所をとらず、既存の生産ラインへの組み込みが容易になり、汎用性が高くなる。
以下、図1に示すワークW、即ち、アルミニウム合金等の金属で形成された閉断面形状のフレーム部材であって、下面部にバルジ成形等で上方への凹入部Waを形成したワークWに、凹入部Waの側壁部Wbにおいてリストライク成形とピアス加工とを施すプレス加工装置に本発明を適用した実施形態について説明する。尚、側壁部Wbは、図3(a)に示す如く、内外2重板構造で、内板と外板との間に隙間が空いているため、側壁部Wbに単純にピアス加工を行うと、側壁部Wb内に異物が侵入する可能性があり、また、ピアス加工時に外板が撓んでうまく孔を明けられなくなる。そこで、ピアス加工の前に側壁部Wbをその内板と外板との間の隙間が無くなるように押し潰すリストライク成形を行う必要がある。
プレス加工装置は、図2に示す如く、ベース板1を備えており、ベース板1上に、凹入部Waに嵌合してワークWを支持する支持ブロック2が固定されている。以下、支持ブロック2に支持されるワークWの側壁部Wbに対するリストライク成形及びピアス加工に際してのワークWの加圧方向をX軸方向、X軸方向に直交する方向をY軸方向としてプレス加工装置について更に説明する。
ベース板1上には、駆動源たる油圧シリンダ3のピストンロッド3aに連結されてX軸方向に進退される駆動板4が配置されると共に、支持ブロック2と駆動板4との間に位置させてリストライク成形用の押え板5が配置されている。押え板5は、駆動板4に、四隅のガイドバー6を介してX軸方向に移動自在に、且つ、ガイドバー6に外挿したばね7により支持ブロック2側(ワーク側)たるX軸方向先方に付勢した状態で支持されている。各ガイドバー6は、押え板5に固定されており、駆動板4を貫通してその背面側に突出するガイドバー6の部分に、図3に示す如くストッパ6aが固定されている。そして、押え板5がばね7の付勢力で駆動板4からX軸方向先方に所定距離離れたとき、ストッパ6aが駆動板4の背面に当接して、押え板5がそれ以上駆動板4から離れないようにしている。ここで、上記所定距離は、後述するスペーサ9を駆動板4と押え板5との間にY軸方向から進入し得るような値に設定されている。尚、図2では、支持ブロック2に対しX軸方向片側に位置する駆動板4及び押え板5が示されているが、支持ブロック2に対しX軸方向反対側に位置する部分にも同様に駆動板及び押え板が配置され、ワークWの凹入部Waの両側の側壁部Wbに対しリストライク成形とピアス加工とが行われるようになっている。
押え板5のX軸方向先方を向く前面には、リストライク成形用の型部5aが固設され、また、押え板5には、図3に示す如く、X軸方向に貫通する貫通孔5bが型部5aに亘って形成されている。そして、駆動板4に、貫通孔5bに挿通されるピアス加工用のパンチ8を固設している。尚、支持ブロック2には、パンチ8と同一軸線上に位置する打抜き用の孔2aが形成されている。
また、駆動板4と押え板5との間にはスペーサ9が配置されている。スペーサ9は、駆動板4からY軸方向外方に張り出すブラケット10の外端部に取付けたシリンダ11によりY軸方向に進退される。スペーサ9には、パンチ8に対する逃げ溝9aが形成され、また、押え板5のY軸方向の側部には、スペーサ9をX軸方向から受け入れ可能な凹欠部5cが形成されている。そして、スペーサ9を、逃げ溝9aにパンチ8が入り込むY軸方向内方の進入位置と、凹欠部5cにスペーサ9が臨むY軸方向外方の退避位置との間で進退自在としている。そして、スペーサ9が進入位置に存するときは、駆動板4と押え板5との間にスペーサ9が挟まれて、押え板5に対する駆動板4のX軸方向先方への相対移動が規制され、パンチ8は押え板5から突出しないが、スペーサ9が退避位置に存するときは、押え板5に対する駆動板4のX軸方向先方への相対移動が許容され、この相対移動でパンチ8が貫通孔5bを通して押え板5からX軸方向先方に突出される。
尚、押え板5に凹欠部5cを形成しなくても、スペーサ9を押え板5のY軸方向の外側縁より外方に移動させれば、押え板5に対する駆動板4のX軸方向先方への相対移動を許容できる。然し、これではスペーサ9の進退ストロークを長くする必要があり、装置の大型化を招く。これに対し、本実施形態の如く押え板5に凹欠部5cを形成すれば、スペーサ9の進退ストロークを短くすることができ、装置の小型化を図る上で有利である。また、本実施形態では、スペーサ9をシリンダ11で進退させているが、シリンダ11以外の手段でスペーサ9を進退させるようにしても良い。
ワークWの凹入部Waの側壁部Wbに対する加工に際しては、先ず、図3(a)に示す如く、支持ブロック2にワークWをセットし、次に、スペーサ9を進入位置にシフトさせた状態で、駆動板4を油圧シリンダ3によりX軸方向先方に前進させる。これによれば、駆動板4からの押圧力がスペーサ9を介して押え板5に伝達され、図3(b)に示す如く、押え板5の前面の型部5aがワークWの側壁部Wbに押し付けられ、側壁部Wbのリストライク成形が行われる。
次に、駆動板4及び押え板5を一旦最初の位置に戻し、スペーサ9を退避位置にシフトさせた状態で駆動板4を油圧シリンダ3により再度X軸方向先方に前進させる。この場合、押え板3が図3(c)に示す如くワークWの側壁部Wbに当接すると、以後、駆動板4のみがばね7を圧縮しつつ前進する。即ち、押え板5に対し駆動板4がX軸方向先方に相対移動し、この相対移動で図3(d)に示す如くパンチ8が押え板5からX軸方向先方に突出して、リストライク成形された側壁部Wbの部分のピアス加工(孔明け加工)が行われる。
このようにしてリストライク成形とピアス加工とが順に行われるため、ピアス加工に必要な押圧力にリストライク成形に必要な押圧力を更に加えた押圧力を駆動板4に付与する必要がなく、駆動板4用の駆動源たる油圧シリンダ3は小型のもので足りる。そして、従来の上型を備えるプレス機を用いるものに比し、プレス加工装置が小型簡素化され、設備費の大幅な削減を図ることができる。更に、プレス加工装置が小型であるため、場所をとらず、既存の生産ラインへの組み込みが容易になり、汎用性が高くなる。
尚、リストライク成形後、駆動板4を最初の位置に戻さなくても、油圧シリンダ3による駆動板4の押圧を解除すれば、スペーサ9を進入位置から退避位置にシフトできる。従って、駆動板4を最初の位置に戻さずにスペーサ9を退避位置にシフトし、その後油圧シリンダ3による駆動板4の押圧を再開して、ピアス加工を行うことも可能である。但し、駆動板4を一旦最初の位置に戻してから前進させた方がパンチ8に勢いを付けることができ、有利である。
以上、閉断面形状のフレーム部材から成るワークWの下面部に形成した上方への凹入部Waの側壁部Wbに対するリストライク成形とピアス加工とを行うプレス加工装置に本発明を適用した実施形態について説明したが、このようなフレーム部材以外のワーク、例えば、折返し部を有するフランジ部が形成された板状のワークに、フランジ部と折返し部との間の隙間を無くすようにリストライク成形し、その後ピアス加工を行う場合にも、同様に本発明を適用できる。
ワークの一例を示す斜視図。 本発明の実施形態のプレス加工装置を示す斜視図。 図2のプレス加工装置を用いたプレス加工の手順を示す説明図。
符号の説明
W…ワーク、3…油圧シリンダ(駆動源)、4…駆動板、5…押え板、5b…貫通孔、8…パンチ、9…スペーサ。

Claims (2)

  1. ワークのリストライク成形を行うと共に、リストライク成形されたワークの部分にピアス加工を行うプレス加工装置であって、
    リストライク成形及びピアス加工に際してのワークの加圧方向をX軸方向として、
    駆動源によりX軸方向に進退される駆動板と、
    駆動板にワーク側たるX軸方向先方に付勢した状態で支持されるリストライク成形用の押え板と、
    駆動板に固定され、押え板に形成したX軸方向の貫通孔に挿通されるピアス加工用のパンチと、
    駆動板と押え板との間に進入自在なスペーサとを備え、
    スペーサを駆動板と押え板との間から退避させて、押え板に対し駆動板をX軸方向先方に相対移動させたとき、パンチが貫通孔を通して押え板からX軸方向先方に突出するように構成されていることを特徴とするプレス加工装置。
  2. 請求項1記載のプレス加工装置を用いて、ワークのリストライク成形を行うと共に、リストライク成形されたワークの部分にピアス加工を行うプレス加工方法であって、
    前記駆動板と前記押え板との間に前記スペーサを進入させた状態で駆動板をX軸方向先方に前進させ、ワークに押え板を押し当ててリストライク成形を行う工程と、
    駆動板と押え板との間からスペーサを退避させた状態で駆動板をX軸方向先方に前進させ、前記パンチを押え板からX軸方向先方に突出させてピアス加工を行う工程とを順に実行することを特徴とするプレス加工方法。
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