JP2006165136A - エッチング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライエッチング処理の前後の工程を簡単、安価に済ませることができるエッチング方法を提供する。
【解決手段】エッチング対象基板4、4’をドライエッチング装置10、10’を用いてドライエッチング処理するエッチング方法であり、基板4、4’を支持するための支持基板6及び弾性材料からなる放熱シート(放熱シリコーンゴムシート5、5’、導電性シリコーンゴムシート50等)を準備し、放熱シート(5、5’、50等)を基板4、4’と支持基板6との間に挟着して基板4、4’と支持基板6に密着させた積層体を形成し、該積層体を、装置10、10’における基板支持電極3にセットし、基板4、4’にドライエッチング処理を施す。
【選択図】 図2

Description

本発明は、エッチング対象基板をプラズマによるドライエッチング装置を用いてドライエッチング処理するエッチング方法に関する。
今日、半導体デバイス等の微細加エデバイスの作製にあっては、シリコンウェハー等の基板を、エッチングパターンを形成した膜(例えば、エッチングパターンを形成したSiO2 膜のような誘電体膜)をマスクにしてエッチング加工する工程が実施され、このエッチング加工には、誘導結合プラズマ等のプラズマを用いたドライエッチング加工が広く利用されている。
プラズマを用いたドライエッチング処理では、通常、減圧雰囲気中でプラズマを発生させ、発生したプラズマによってエッチング対象基板をエッチング加工する。
このドライエッチングの際に、プラズマとの化学反応熱やプラズマ粒子の衝突エネルギー等によって基板が加熱され過ぎると、例えば酸化シリコン膜のようなマスクのエッチングレートが加速されたり、エッチング対象基板のアンダーエッチングが大きくなったりして所望の加工ができなくなる。
そこで、プラズマによるドライエッチング装置においては、冷却用媒体としての不活性ガスをエッチング対象基板とその支持部材との間に供給して基板を冷却することで、安定した加工を行えるようにすることが提案されている(例えば、特開平2003−133286号公報参照)。
また、例えば、厚みが300μmより薄い基板の加工や、基板への貫通加工、さらには、一般的なシリコンウェハーのような基板とは異なる片状の基板を加工する場合等においては、かかる冷媒用不活性ガスが薄い基板の割れ等によりエッチング装置内に漏れ出て加工が不安定とならないように、エッチング対象基板に放熱用の流動性媒質(例えば導電性グリス)を塗り、これをシリコンウエハーのような支持基板上に載せて貼り付けたうえで、該支持基板を気密シール材を介してドライエッチング装置内のエッチング対象基板支持部材にセットし、該支持基板と支持部材との間に冷媒用不活性ガスを流しつつドライエッチング加工することも提案されている(例えば、特開平2003−332303号公報参照)。
流動性媒質、例えばグリスでエッチング対象基板を支持基板に貼り付けるにあたっては、必要に応じて支持基板が室温より高温(例えば60℃)に加熱される。また、エッチング加工後は、アセトンなどの溶剤につけてグリスを溶かし、加工した基板を支持基板から剥がすようにしている。
このように、エッチング対象基板に放熱用の流動性媒質を塗って支持基板に貼り付けたうえで、ドライエッチング加工する場合のエッチング加工前後の工程例を示すと次のとおりである。エッチング対象基板がシリコン(Si)基板(シリコンウェハー)、流動性媒質がグリス、支持基板がシリコンウェハーの場合について説明する。
図7に示すように、SiO2 膜からなるマスクを設けたSi基板の裏面にグリスを塗布する一方(ステップS1)、ホットプレートで支持基板を60℃に加熱し(S2)、加熱した支持基板にグリスでSi基板を貼りつける(S3)。この積層体をドライエッチング装置に搬入してSi基板にドライエッチング加工を施す(S4)。その後、該積層体を装置から取り出し、Si基板をアセトンにつけてグリスを溶かし(S5)、支持基板からはずす(S6)。さらに、Si基板の裏面をアセトンに浸したコットンで拭き(S7)、Si基板を超音波洗浄し(S8)、ここでグリスが略除去できれば(S9)、ひき続き硫酸過水洗浄処理を行う(S11)が、グリスが十分除去できなければ、綿棒でSi基板裏面をこすった後(S10)、再びSi基板を超音波洗浄し、グリスが略除去できると、硫酸過水洗浄処理を行う(S11)。
特開平2003−133286号公報 特開平2003−332303号公報
しかしながら、エッチング対象基板に放熱用の流動性媒質を塗って支持基板に貼り付けたうえで、ドライエッチング加工するエッチング方法では、流動性媒質を用いてエッチング対象基板を支持基板に貼りつけるのに手間がかかり、支持基板を加熱するためにホットプレート等の器具も必要である。また、エッチング加工後の後処理において、溶剤で溶けた流動性媒質が加工した基板のいたるところに付着して、洗浄しても、結局十分取り難く、流動性媒質の洗浄除去に手間を要する。
このように、ドライエッチング装置におけるエッチング加工の前後の工程に手間がかかり、また、ホットプレート等の器具を必要とするなど、エッチング処理全体としてみれば、手間のかかる、コスト高なものとなる。
そこで本発明は、エッチング対象基板をプラズマによるドライエッチング装置を用いて、エッチング対象基板の過度の昇温を抑制しつつ、ドライエッチング処理するエッチング方法であって、ドライエッチング装置によるドライエッチング処理の前後の工程を簡単、安価に済ませることができるエッチング方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため本発明は、エッチング対象基板をプラズマによるドライエッチング装置を用いてドライエッチング処理するエッチング方法であって、該エッチング対象基板を支持するための支持基板及び弾性材料からなる放熱シートを準備し、該放熱シートを該エッチング対象基板と支持基板との間に挟着してエッチング対象基板と支持基板に密着させた積層体を形成し、該積層体を、前記ドライエッチング装置における基板支持部材に、該積層体における支持基板を該基板支持部材に向けてセットし、該エッチング対象基板にドライエッチング処理を施すエッチング方法を提供する。
本発明に係るエッチング方法によると、エッチング対象基板は弾性材料からなる放熱シートを介して支持基板に密着配置され、このようにして形成されたエッチング対象基板、放熱シート及び支持基板の積層体がドライエッチング装置に搬入され、該装置内のエッチング対象基板の支持部材にセットされてエッチング加工が施される。
エッチング対象基板は放熱シートを介して支持基板に支持されているので、エッチング加工中、該基板から放熱シートを介して放熱でき、該基板の過度の昇温を抑制して、それだけ良好なエッチング加工を行える。
かかる積層体は、エッチング対象基板を、扱い易いシートの形態の、弾性材料からなる放熱シートを介して支持基板に密着配置して形成でき、従来のように、グリスのような、あちこちに付着し易く、それだけ扱い難い流動性媒質を用いて、また、支持基板をホットプレート等で加熱しておいて形成するものではないので、それだけ、ドライエッチング装置によるドライエッチング加工の前工程が簡単、安価に済む。
また、ドライエッチング装置によるドライエッチング加工後は、前記積層体を装置外に取り出し、加工されたエッチング対象基板を放熱シート及び支持基板から外せばよく、その作業は、従来のように、溶剤で溶かした流動性媒質があちこちに付着してその洗浄除去に手間を要する場合と比べると簡単、容易であり、かくして、後工程も簡単、安価に済む。
エッチング対象基板は、通常そうであるように、エッチングパターンを形成した膜(例えば、エッチングパターンを形成したSiO2 膜のような誘電体膜)がマスクとして設けられたものでもよい。
エッチング対象基板の材質としては、例えば、シリコンウェハーを挙げることができるが、これに限定されない。
支持基板としては、例えば、シリコンウェハーのようなシリコン基板を挙げることができる。
ドランイエッチング装置としては、誘導結合プラズマによるドライエッチング装置、容量結合プラズマによるドライエッチング装置等の各種のプラズマによるドライエッチング装置を採用できる。
前記「放熱シート」とは放熱性を示すシートのことである。市場における入手の可能性、コスト等の点からして、熱伝動率が概ね0.6W/(m・K)〜5.6W/(m・K)程度ものを例示できる。
また、放熱シートは弾性材料からなるものであるが、その弾性が弱粘着性(自己吸着性)を示すほどのもの、換言すれば、自己吸着性を示すほどに柔らかいものであれば、エッチング対象基板と支持基板との間に該放熱シートを挟着することで、該放熱シートがエッチング対象基板及び支持基板の双方に密着した積層体を簡単、容易に得ることができる。
かかる自己吸着性を示す放熱シートの代表例として、放熱シリコーンゴムシート(例えば熱伝導率1.1W/(m・K)〜5.6W/(m・K)程度、硬度20〜40程度、厚み0.2mm〜 1.0mm程度)を挙げることができる。
また、放熱シートの例として、放熱シリコーンゴムシートのような粘着性は示さないが、導電性シリコーンゴムからなるシートも挙げることができる。例えば熱伝導率0.63W/(m・K)〜1.0W/(m・K)程度、厚み0.2〜1.0mm程度の導電性シリコーンゴムからなるシートである。
かかる導電性シリコーンゴムからなる放熱シートを採用する場合、エッチング対象基板と支持基板との間に該放熱シートを挟着し、テープ等で仮固定する等して、該放熱シートがエッチング対象基板及び支持基板の双方に密着した積層体を簡単、容易に得ることができる。
いずれにしても、それが可能であるなら、前記エッチング対象基板と放熱シートの密着性及び前記支持基板と該放熱シートの密着性を、ドライエッチング処理における減圧雰囲気下で、それらの積層体を適当なクランプ機構により支持部材にクランプして増大させるようにしてもよい。
以上説明したように本発明によると、エッチング対象基板をプラズマによるドライエッチング装置を用いて、エッチング対象基板の過度の昇温を抑制しつつ、ドライエッチング処理するエッチング方法であって、ドライエッチング装置によるドライエッチング処理の前後の工程を簡単、安価に済ませることができるエッチング方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の好ましい1実施形態に係るエッチング方法は、エッチング対象基板の裏面と支持基板との間に弾性材料からなる放熱シートを挟着して、該放熱シートがエッチング対象基板及び支持基板の双方に密着した積層体を形成する工程、該積層体をプラズマによるドライエッチング装置に搬入して該装置内のエッチング対象基板支持部材にセットする工程、該ドライエッチング装置によりエッチング対象基板にエッチング加工を施す工程、加工済みのエッチング対象基板を積層体ごと(放熱シート及び支持基板ごと)溶媒に浸漬する工程、加工済エッチング対象基板を放熱シート及び支持基板から取り外す工程を含んでいる。
弾性材料からなる放熱シートには、放熱シリコーンゴムシートを採用する。
放熱シリコーンゴムシートは両面に弱粘着性(自己吸着性)があり、エッチング対象基板にも支持基板にも簡単に貼りつく。誘導結合プラズマ等のプラズマエッチングを行う場合、エッチング対象基板を含む積層体を適当なクランプ機構や静電チャックなどでエッチング装置内のエッチング対象基板の支持部材にセットすることができる。クランプ機構を採用する場合は、それによる積層体の支持部材へのクランプにより、積層体の隣り合う構成部材同士を互いに一層強く密着させることも可能である。これらによりエッチング加工を妨げることはない。
しかも、加工後は、積層体をエタノール等のアルコール液中に浸し、薄い樹脂片をエッチング対象基板と放熱シリコーンゴムシートの間に差込むことなどにより、簡単にシリコーンゴムシーとから加工済エッチング対象基板を剥がすことができる。
放熱シリコーンゴムシートに代えて導電性シリコーンゴムからなるシートを採用することもできる。導電性シリコーンゴムからなるシートは、放熱シリコーンゴムシートのような粘着性はないが、エッチング対象基板及び支持基板間に導電性シリコーンゴムシートを挟んでそれらの積層体を形成し、該積層体をエッチング装置内のエッチング対象基板支持部材に適当なクランプ機構や静電チャックなどでセットすることができる。クランプ機構を採用する場合は、それによる積層体の支持部材へのクランプにより、積層体の隣り合う構成部材同士を互いに一層強く密着させることも可能である。これらにより、エッチング加工を妨げることはない。
導電性シリコーンゴムからなるシートを採用する場合、該シートの一方の面を鏡面とし、他方の面をやや粗面としてもよい。この場合、エッチング対象基板を該シートの鏡面側に当接させ、支持基板を粗面側に当接させる例を挙げることができる。
そして、これらをポリイミドテープ等で仮固定し、この積層体をエッチング装置内のエッチング対象基板支持部材にクランプ機構や静電チャックなどでセットすればよい。
エッチング加工後は、支持基板と導電性シリコーンゴムシートとの間に例えばカッター等の刃を差し込むだけで簡単に支持基板を剥がせる。その後さらに、加工済エッチング対象基板から導電性シリコーンゴムを剥がせばよい。
いずれにしても、エッチング対象基板が薄くて、積層体がドライエッチング装置内の減圧雰囲気下で支持部材にセットされたときに割れる等の恐れがあるときは、放熱シートをエッチング対象基板に対応した寸法、形状のものとしておくことが好ましい。
以下に具体的な実施例について説明するが、先ず、それら実施例におてい使用するドライエッチング装置を図1(A)及び図1(B)を参照して説明する。
図1(A)に示す装置10は、誘導結合プラズマを用いてエッチング対象基板をドライエッチング加工する装置である。
このエッチング装置10は、容器1を備えており、該容器1は絶縁性材料(誘電体材料)からなるプラズマ生成室11とそれに連設されたエッチング処理室12からなっている。プラズマ生成室11の外側には高周波アンテナ2が巻回されており、これに整合器22を介して高周波電源21が接続されている。
エッチング処理室12にはエッチング対象基板であるSi基板4(図2、図3参照)をセットする支持電極3が配置されており、これには整合器32を介して高周波電源31を接続してある。また、支持電極3には、その基板支持面の凹所3’に冷媒(ここでは不活性ガス)を供給する通路30が形成されている。
支持電極3の上方には図示省略の昇降駆動装置により昇降するクランプ33が設けられている。容器1には、そのプラズマ生成室11にエッチング用ガスを導入するためのガス導入部11aを設けてあるとともに、排気装置EXを接続してある。
図1(B)に示す装置10’は図1(A)に示す装置10においてクランプ33に代えて、支持電極3に組み込んだ静電チャック34を採用したものである。この静電チャック34には不活性ガスによる冷却機構35を組み込んである。
その他の点は図1(A)に示す装置10と実質上同構成であり、装置10と実質上同じ部品、部分には装置10と同じ参照符号を付してある。
この装置10’は、図4に例示するような、クランプ機構によるクランプには適さない、片状のエッチング対象基板4’のエッチング処理に適している。
なお、エッチング対象基板4には、図2に示すように、予めSiO2 からなるエッチングパターンを形成したマスク41を形成してある。図示を省略しているが、図3に示すエッチング対象基板4、図4に示すエッチング対象基板4’にもマスクを形成してある。
エッチング装置10、10’によると、排気装置EXにより容器1内を所定のエッチング処理圧力(減圧雰囲気)に維持しつつ、プラズマ生成室11にガス供給部11aからエッグ用ガスを導入し、高周波アンテナ2に電源21から高周波電力を印加することでプラズマ生成室11内に誘導結合プラズマを生成させる一方、支持電極3に電源31から高周波電力を印加することで、クランプ33或いは静電チャック34で支持電極3にセットされたエッチング対象基板4或いは4’にマスクパターンに従ってエッチング加工を施せる。
次に各実施例について説明する。実施例1、実施例2については図5、図6も参照して説明する。
<実施例1>
厚さ200μmの酸化シリコン膜マスクでパターンニングされたシリコンウェハーからなるSi基板4(図2参照)部分を図1(A)のドライエッチング装置10でプラズマエッチングする。この際、装置10内で支持電極3にクランプ33で押圧固定した場合に耐えられず破損してしまうのを防ぐために、図2に示すように、Si基板4と同形状、寸法に裁断した放熱シリコンゴムシート5をシリコンウェハーからなる支持基板6に貼り付け、さらに該シート5にSi基板4を貼り付けて積層体を形成する。或いは、放熱シリコーンゴムシート5をSi基板4の裏面に貼り付け、このシート5を介してSi基板4を支持基板6に貼りつけ、積層体を形成する(図5のステップS1、S2)。
この放熱シリコーンゴムシート5は、熱伝導率5.6W/(m・K)、硬度40、厚み0.5mmのものである。硬度は厚さ6mmシートを2枚重ねて測定したアスカーC硬度である。
かかる積層体をドライエッチング装置10内に搬入し、支持電極3に載置し、クランプ33で積層体周縁部を押圧して該電極3にセットする。このとき、支持基板6を支持電極3に気密シール材Sを介して当接させ、Si基板4をプラズマ生成室11側へ向ける。
そして、装置10によりエッチング加工を行う(図5のS3)。
このエッチング加工においては、エッチング対象基板4で発生する熱が放熱性シリコーンゴムシート5を通じて支持基板6に伝導し、それが支持基板6の裏面のおよそ全域に均一にあたる不活性ガス(本例ではHeガス)によって冷却される。
加工終了後、支持基板6が貼り付いたままの加工済Si基板4を支持電極3から取り外し、エタノール液に漬けながら薄い樹脂片を放熱シリコーンゴムシート5とSi基板4との間に差し込んでSi基板4から放熱シリコーンゴムシート5を剥がす(図5のS4、S5)。
次いで、Si基板4の裏面をアセトンに浸した綿で拭き、引き続きSi基板4を溶剤(アセトン)を用いて超音波洗浄し、さらに、さらに硫酸過水で洗浄する(図5のS6〜S8)。
<実施例2>
Si基板4に貫通加工を施す場合、Si基板4内でのエッチングのバラツキがあるため、すべての貫通予定部分が同時に貫通することはない。最初に貫通したところから不活性ガス(He)がエッチング処理室12内に漏れ、安定した加工ができなくなり、装置はストップしてしまう。
そこで、この実施例では、図3に示すように、支持基板6に、これと同形状、寸法に裁断した導電性シリコーンゴムからなるシート50のやや粗面側を密着させて重ね、鏡面側上にSi基板4を密着させて重ね配置し、この積層体の周縁部複数箇所をシリコーン系接着剤面を有するポリイミドテープ51で仮止めする(図6のステップS1、S2)。
この導電性シリコーンゴムシート50は、熱伝導率0.63W/(m・K)、硬度70、厚み0.5mmのものである。硬さは、デロメータA硬度であり、JIS K 6249に準じて厚さ2mmのシートで測定した値である。
かかる積層体を図1(A)のドライエッチング装置10内に搬入し、支持電極3にセットする。このとき、支持基板6を支持電極3に気密シール材Sを介して当接させ、Si基板4をプラズマ生成室11側へ向ける。装置10によりエッチング加工を行う(図6のS3)。
このエッチング加工においては、エッチング対象基板4で発生する熱が導電性シリコーンゴムシート50を通じて支持基板6に伝導し、それが支持基板6の裏面のおよそ全域に均一にあたる不活性ガス(本例ではHeガス)によって冷却される。
加工終了後、支持基板6と導電性シリコーンゴムシート50との間の周囲は、ガスプラズマの影響で固着しているが、カッターナイフをわずかに差し込むことにより、支持基板6をシート50から簡単に剥がすことができ、その後、シート50から加工済Si基板4も簡単に剥がせる(図6のS4)。
さらに、必要に応じ、Si基板4を超音波洗浄する(図6のS5)。
<実施例3>
定型の形状をしていない片状のSi基板4’(図4参照)をエッチング加工する場合、そのままではドライエッチング装置内で支持電極3上にセットできないので、図4に示すように、Si基板4’と同じ形状、寸法に裁断した放熱シリコーンゴムシート5’をSi基板4’の裏面に貼り付け、それをさらに支持基板6を貼り付けてエッチング加工すればよい。
この場合、エッチング装置には図1(B)の装置10’用い、積層体を静電チャック34で支持電極3にセットする。冷却は例切れ区機構35で行う。
以上の点を除けば、実施例1と同様にすればよい。
本発明は、エッチング対象基板をドライエッチング装置を用いてドライエッチング処理するにあたり、エッチング対象基板の過度の昇温を抑制しつつ、且つ、簡単、安価に処理することに利用できる。
本発明エッチング方法の実施に用いることができるドライエッチング装置を示すもので、図1(A)はその1例の概略構成を示す図であり、図1(B)は他の例の概略構成を示す図である。 放熱シートとして放熱シリコーンゴムシートを採用した場合の積層体例の分解斜視図である。 放熱シートとして導電性シリコーンゴムシートを採用した場合の積層体例の斜視図である。 放熱シートとして放熱シリコーンゴムシートを採用した場合の積層体の他の例の斜視図である。 放熱シートとして放熱シリコーンゴムシートを採用した場合のエッチング処理工程例を示す図である。 放熱シートとして導電性シリコーンゴムシートを採用した場合のエッチング処理工程例を示す図である。 放熱手段として流動性媒質(グリス)を採用した従来のエッチング処理工程例を示す図である。
符号の説明
10、10’ ドライエッチング装置
1 容器
11 プラズマ生成室
11a ガス導入部
12 エッチング処理室
EX 排気装置
2 高周波アンテナ
21 高周波電源
22 整合器
3 支持電極
3’ 電極3の上面凹所
30 冷却用不活性ガス通路
S 気密シール材
31 高周波電源
32 整合器
33 クランプ
34 静電チャック
35 冷却機構
4、4’ Si基板
41 マスク
5、5’ 放熱シリコーンゴムシート
50 導電性シリコーンゴムからなるシート
51 仮止め用ポリイミドテープ
6 支持基板

Claims (4)

  1. エッチング対象基板をプラズマによるドライエッチング装置を用いてドライエッチング処理するエッチング方法であり、該エッチング対象基板を支持するための支持基板及び弾性材料からなる放熱シートを準備し、該放熱用シートを該エッチング対象基板と支持基板との間に挟着してエッチング対象基板と支持基板に密着させた積層体を形成し、該積層体を、前記ドライエッチング装置における基板支持部材に、該積層体における支持基板を該基板支持部材に向けてセットし、該エッチング対象基板にドライエッチング処理を施すことを特徴とするエッチング方法。
  2. 前記放熱シートとして、自己吸着性及び弾性を有する放熱シリコーンゴムシートを用いる請求項1記載のエッチング方法。
  3. 前記放熱シートとして、導電性シリコーンゴムからなるシートを用いる請求項1記載のエッチング方法。
  4. 前記支持基板はシリコン基板である請求項1から3のいずれかに記載のエッチング方法。
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