JP2006159686A - 記録装置、及び、記録装置の制御方法 - Google Patents

記録装置、及び、記録装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 記録媒体として冊子を用いる記録装置において、操作者の手間を軽減しつつ、冊子の綴じ方向に拘わらず迅速かつ的確な記録動作を行えるようにすることにある。
【解決手段】 通帳を搬送する第1シート搬送機構部24に、通帳の厚みに応じて変位可能な複数の第2搬送ローラ23A〜23Fを備え、第2搬送ローラ23A〜23Fにより搬送される通帳に画像を記録するプリンタ10において、各第2搬送ローラ23の高さ位置を検出するローラ変位センサ57A〜57Fを備え、ローラ変位センサ57A〜57Fにより検出される各第2搬送ローラ23A〜23Fの位置または変位量に基づいて、通帳の綴じ方向を判別する。
【選択図】 図4

Description

複数枚のシートを綴じた冊子に文字を含む画像を記録する記録装置、及び、この記録装置の制御方法に関する。
従来、複数枚のシートを綴じた冊子に、記録ワイヤにより文字を含む画像を記録する記録装置が知られている。冊子に記録を行う場合、例えば、記録ヘッドが冊子の綴じ部を跨ぐ際に記録ワイヤが綴じ部に引っ掛かる等、単票のシートに記録する場合には無い、特有の問題に対応する必要がある。そこで、操作者がボタン操作によって記録媒体が冊子か否か等を入力し、その入力内容に基づいて記録動作の制御を行う記録装置が提案されていた(例えば、特許文献1参照)。
特許第2828624号公報
特許文献1に開示された記録装置は、記録媒体を記録装置にセットする毎に、操作者が記録媒体の種類に応じてボタン操作を行わなくてはならず、操作が煩雑であった。
上述したように、記録媒体として冊子を用いる場合、綴じ部を境にして厚みが変化することから、綴じ部で記録ワイヤを突出させると記録ワイヤが破損するおそれがある。また、記録ヘッドが綴じ部を跨ぐように改行動作を行ってしまうと、記録ヘッドが記録媒体に接触して、画像の擦れや記録媒体の破れを生じるおそれがある。このため、冊子の綴じ方向に応じて記録ヘッドの動作を制御する必要がある。ところが、記録媒体の種類を操作者が入力する構成とした場合に、入力操作のミスがあると、記録媒体の種類に適合しない動作が行われ、記録品質の低下や部品の破損を招くおそれがあった。
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、記録媒体として冊子を用いる記録装置において、操作者の手間を軽減しつつ、冊子の綴じ方向に拘わらず迅速かつ的確な記録動作を行えるようにすることにある。
上記課題を解決するため、本発明は、複数のシートが綴じられた一方向に延びる綴じ部を有する記録媒体を、当該記録媒体の厚みに応じて変位可能に配設された複数の搬送ローラにより搬送し、当該記録媒体上で記録ヘッドを走査し、この記録ヘッドから前記記録媒体に対して記録ワイヤを突出させることにより、前記記録媒体に画像を記録する記録装置において、前記複数の搬送ローラの各々について、前記記録媒体の記録面に垂直な方向における位置または変位量を検出する変位センサと、前記変位センサにより検出される各搬送ローラの位置または変位量に基づいて、前記記録媒体の綴じ部の方向を判別する制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明において、前記制御手段が、前記複数の搬送ローラのうち、前記記録媒体に当接する搬送ローラについて前記変位センサにより検出した位置または変位量を比較し、いずれかの搬送ローラの位置または変位量が他の搬送ローラの位置または変位量と所定のしきい値以上異なる場合には、前記記録媒体の綴じ部が、前記搬送ローラの搬送方向に延びる縦綴じであると判別するようにしてもよい。また、前記搬送ローラにより搬送される記録媒体の位置及び幅を検出する幅検出センサをさらに備え、前記制御手段が、前記幅検出センサにより検出される記録媒体の位置及び幅に基づいて、前記複数の搬送ローラのうち前記記録媒体に当接している搬送ローラを特定するようにしてもよい。さらに、前記制御手段が、前記記録媒体の綴じ部が縦綴じであると判別した場合には、前記記録媒体の綴じ部を含む領域における記録を禁止させるようにしてもよい。
本発明は、記録媒体の厚みに応じて変位可能に配設された複数の搬送ローラと、前記複数の搬送ローラの各々について、前記記録媒体の記録面に垂直な方向における位置または変位量を検出する変位センサとを備え、複数のシートが綴じられた一方向に延びる綴じ部を有する記録媒体を前記搬送ローラにより搬送し、当該記録媒体に画像を記録する記録装置の制御方法であって、前記変位センサにより検出される各搬送ローラの位置または変位量に基づいて、前記記録媒体の綴じ方向を判別することを特徴とする。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る記録装置としてのドットインパクトプリンタの外観を示す正面斜視図である。図2は、プリンタ本体11を示す斜視図である。図3は、プリンタ10の側断面図である。
図1〜図3に示す記録装置としてのドットインパクトプリンタ10は、記録ヘッド18(図2〜図3参照)が備える記録ワイヤを、インクリボンを介して、記録媒体としての通帳100に押し付け、この通帳100上にドットを形成することにより、画像(文字を含む)を記録するものである。
プリンタ10に用いる記録媒体としては、所定長さに切断されたカットシートや、複数枚が連接された連続シートを用いることができる。カットシートとしては、例えば単票紙や単票複写紙などの普通紙の他、通帳等の冊子、或いは葉書、封筒などがあり、連続シートとしては、連続紙、連続複写紙がある。本実施形態では、記録媒体として通帳100を用いる場合について説明する。
通帳100は、複数枚の記録用紙(シート)が綴じられた一方向に延びる綴じ部を有し、記録用紙の記録面を開いた場合に底面となる面において、磁気ストライプ101が設けられている。
通帳100には、縦綴じのものと、横綴じのものとがある。縦綴じとは、通帳100の搬送方向に延びる綴じ部を有するものを指し、横綴じとは、通帳100の幅方向(搬送方向に直交する方向)に延びる綴じ部を有するものを指す。
プリンタ10は、記録装置本体としてのプリンタ本体11と、このプリンタ本体11を覆う外装体としての上部カバー12、上部ハウジング13及び下部ハウジング14とを備えて構成される。上部ハウジング13及び下部ハウジング14の前面には、手差口15が開口している。
プリンタ本体11は、左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17を備えた本体フレームと、記録ヘッド18及びキャリッジ19を備えた記録機構部20と、記録ヘッド18に対向するプラテン21と、第1搬送ローラ22及び第2搬送ローラ(搬送ローラ)23を備えた第1シート搬送機構部24と、第3搬送ローラ25及び第4搬送ローラ26を備えた第2シート搬送機構部27と、通帳100に設けられた磁気ストライプ101の磁気情報の読み取り及び書き込みを行う磁気データ読書部28と、通帳100の搬送経路に進退自在な整列板29と、磁気情報読み書き時に通帳100の浮き上がりを上から押えるシート押え部30と、を有している。
上記本体フレームの両サイドフレーム16、17間には、キャリッジ軸31が架け渡されるとともに、両サイドフレーム16、17間に平坦面形状の前方シート案内32及び後方シート案内33が固定して設けられる。これらの前方シート案内32と後方シート案内33との間に、平面形状のプラテン21が配置される。第1シート搬送機構部24と前方シート案内32により、搬送経路Aが構成される。ここで、プリンタ10における前方とは、通帳100の搬送路における手差口15側を指し、後方とは、通帳100の搬送路において手差口15とは反対の側を指す。
キャリッジ19は、キャリッジ軸31に摺動自在に挿通されるとともに、記録ヘッド18を搭載している。キャリッジ19は、当該キャリッジ19を駆動するキャリッジ駆動モータ61(図6)の正転または逆転により、不図示のタイミングベルトを介しキャリッジ軸31に案内されて、このキャリッジ軸31の軸方向及びプラテン21の長手方向と一致する主走査方向に、一対のサイドフレーム16、17の範囲で走行(走査)される。
プラテン21は、キャリッジ19の走行方向に延在して平面形状に形成され、その両端が、付勢部材としての付勢ばね40(図3)により記録ヘッド18に向けて付勢されるとともに、弾性支持されている。この付勢ばね40は、圧縮コイルばねである。この付勢ばね40の付勢力により、記録ヘッド18の記録動作時における記録ワイヤの突出力が支持される。また、プラテン21は、通帳100の搬送中にこの通帳100の厚さが変化した場合、またはプリンタ本体11に厚さの異なる通帳100が搬入された場合に、付勢ばね40の付勢力に抗して、記録ヘッド18の先端に設けたコロ(不図示)により押圧されて記録ヘッド18から離れる方向に移動する。これにより、用紙厚に拘わらず、記録ヘッド18の先端と通帳100の記録面との間のプラテンギャップが一定に確保される。
記録ヘッド18は、キャリッジ19とともに主走査方向に走行される間に、記録ワイヤを突出させてインクリボンに打ち当て、このインクリボンのインクを、プラテン21と記録ヘッド18との間に搬送される通帳100に付着させて、この通帳100に文字を含む画像を記録する。このインクリボンは、キャリッジ19または本体フレームに装着されたリボンカートリッジ39内に折り畳まれて収納される。
また、記録ヘッド18には、シート幅検出センサ(幅検出センサ)56(図6)が配設される。シート幅検出センサ56は、通帳100の有無を検出する非接触式のセンサであり、具体的には反射型の光センサである。このシート幅検出センサ56によって、キャリッジ19の走査時に通帳100の有無を検出することにより、通帳100の幅方向の位置及びサイズを検出することができる。
整列板29は、図3に示すように、プラテン21と第1搬送ローラ22との間に配置される。更に、この整列板29は、キャリッジ19の主走査方向に対して平行な方向に延在され、整列モータ63(図6)の動作により、搬送経路Aに進退可能に構成される。
磁気ヘッド34(図2)は、サイドフレーム16,17間に平行に架け渡された二本の磁気ヘッドガイドに沿って磁気モータ64(図6)により往復駆動される。これによって、磁気ヘッド34は、通帳100の磁気ストライプ101を走査し、磁気ストライプ101に対する情報の読み出し及び書き込みを行うことができる。
図4は、プリンタ本体11における第1シート搬送機構部24及び第2シート搬送機構部27の構成を示す要部斜視図であり、図5は、第1シート搬送機構部24の構成を示す正面図である。なお、図5中の符号G1〜G3は、ローラ変位センサ57A〜57Fと第2搬送ローラ23A〜23Fとの距離を示す。
上記第1シート搬送機構部24は、プラテン21に対してプリンタ本体11の前方側に配置され、第2シート搬送機構部27は、プラテン21に対してプリンタ本体11の後方側に配置される。更に、第1搬送ローラ22と第2搬送ローラ23が、また第3搬送ローラ25と第4搬送ローラ26が、それぞれ上下方向に配置されて対をなす。
このうち、第1搬送ローラ22、第3搬送ローラ25は、プラテン21とともに前方シート案内32、後方シート案内33のそれぞれの下方に配置され、第2搬送ローラ23、第4搬送ローラ26が、前方シート案内32、後方シート案内33のそれぞれの上方に配置される。
第1搬送ローラ22は、シート搬送モータ62及び図示しない駆動輪列部によって回転駆動される駆動ローラであり、第2搬送ローラ23は、第1搬送ローラ22に所定の押圧力でばね付勢されている従動ローラである。
図5に示すように、第1搬送ローラ22はシート搬送モータ62に連結された第1搬送軸41に固定され、シート搬送モータ62の動作に従って回転する。また、第1搬送軸41にはギア42が配設され、このギア42に噛み合うギア43には、連結軸44が連結される。連結軸44はリンク46を介して第2搬送軸45に連結されており、ギア43の回転に伴って、第2搬送軸45に固定された第2搬送ローラ23が回転する。
これによって、第1搬送ローラ22と第2搬送ローラ23とは、シート搬送モータ62の動作により互いに反対方向に回転駆動される。
本構成では、図4及び図5に示すように、通帳100の幅方向、すなわちキャリッジ19の主走査方向に沿って、6個の第1搬送ローラ22と、これら6個の第1搬送ローラに各々対向する6個の第2搬送ローラ23A〜23Fとが配設され、第1搬送ローラ22と第2搬送ローラ23A〜23Fとの間に通帳100が挟まれて搬送される構成となっている。
そして、上記6個の第2搬送ローラ23A〜23Fは3本の第2搬送軸45に各々固定される。すなわち、隣り合う2個の第2搬送ローラが一本の第2搬送軸45に固定され、各第2搬送軸45は、それぞれ独立して上下に移動可能に支持されており、隣り合う第2搬送軸45は互いにリンク46を介して連結され、一体となって回転する。
そして、6個の第2搬送ローラ23A〜23Fの上方には、それぞれ、ローラ変位センサ(変位センサ)57A〜57Fが配設される。ローラ変位センサ57A〜57Fは、非接触式の測距センサであって、具体的には反射型の光センサである。ローラ変位センサ57A〜57Fは、下方に位置する第2搬送ローラ23A〜23Fとの間の距離を測定することができる。本構成では、各ローラ変位センサ57A〜57Fは、図示しない固定部材を介して左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17間に固定され、その下方に位置する第2搬送ローラ23A〜23Fとの間の距離に基づき、第2搬送ローラ23の高さ位置(通帳100の記録面に対して垂直な方向における位置)を検出する。
図5に示すように、第1搬送ローラ22と第2搬送ローラ23との間には、搬送経路Aを搬送される通帳100が挟まれる。第1搬送ローラ22の軸である第1搬送軸41は左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17に回転可能に固定され、第1搬送ローラ22の位置は通帳100の厚みに拘わらず一定である。このため、通帳100の厚みに応じて、第2搬送ローラ23A〜23Fが第2搬送軸45とともに上下に変位する。従って、第2搬送ローラ23A〜23Fの高さ位置をローラ変位センサ57A〜57Fによって検出することにより、第2搬送ローラ23A〜23Fが当接する位置における通帳100の厚みを検出することができる。
例えば、図5中左側に位置する第2搬送ローラ23A、23Bと、その右に位置する第2搬送ローラ23C、23Dとは、いずれも通帳100に当接している。図5に示す例では、通帳100は縦綴じの冊子であって、綴じ部を境にして厚みが異なっており、綴じ部は第2搬送ローラ23Bと第2搬送ローラ23Cとの間に位置している。このため、第2搬送ローラ23A、23Bと、第2搬送ローラ23C、23Dとは、それぞれ通帳100の厚みに応じて異なった高さ位置にある。この場合、ローラ変位センサ57A、57Bにより検出される距離G1と、ローラ変位センサ57C、57Dにより検出される距離G2とは、通帳100の厚みに応じて異なった値となる。また、第2搬送ローラ23E、23Fは通帳100を挟んでいないため、ローラ変位センサ57E、57Fにより検出される距離G3は、通帳100の厚みがゼロの場合の距離を示している。
従って、例えば、距離G1と距離G2とを比較することで、綴じ部の両側における通帳100の厚みの差を求めることができる。また、例えば距離G1と距離G3、または距離G2と距離G3とを比較することで、通帳100の厚みの絶対値を求めることが可能である。
また、図3及び図4に示すように、第3搬送ローラ25は、シート搬送モータ62及び図示しない駆動輪列部によって回転駆動される駆動ローラである。第4搬送ローラ26は、第3搬送ローラ25側に所定の押圧力でばね付勢されている従動ローラであって、第3搬送ローラ25と第4搬送ローラ26とは互いに反対方向に回転駆動される。
図6は、プリンタ10の電気的構成を示す機能ブロック図である。
図6に示すように、プリンタ10は、制御プログラムに基づいてプリンタ10全体を制御するCPU51を備える。CPU51には、バス54を介して制御プログラムが格納されたEEPROM53と、CPU51によりEEPROM53から読み出された制御プログラムや各種データなどを一時的に格納するRAM52とが接続されている。
また、バス54には、ゲートアレイ(G/A)55を介して、シート幅検出センサ56、ローラ変位センサ57A〜57F、記録ヘッド18、及びモータドライバ58が接続されている。モータドライバ58には、キャリッジ駆動モータ61、シート搬送モータ62、整列モータ63及び磁気モータ64等のステッピングモータが接続されている。モータドライバ58は、CPU51の制御の下、キャリッジ駆動モータ61、シート搬送モータ62、整列モータ63及び磁気モータ64を駆動する。
CPU51は、EEPROM53に格納された制御プログラムに基づいて、記録ヘッド18やモータドライバ58を制御するとともに、シート幅検出センサ56及びローラ変位センサ57A〜57Fの検出結果を取得する。
具体的には、シート幅検出センサ56及びローラ変位センサ57A〜57Fの出力電圧を、ゲートアレイ55を介して所定周期(例えば、100[ms])でサンプリングし、A/D変換してデータをRAM52に取り込んでいる。
次に、プリンタ10の動作の概略を説明する。
通帳100が図1に示す手差口15から挿入されると、整列板29が搬送経路Aに突出され、通帳100が第1搬送ローラ22及び第2搬送ローラ23A〜23Fにより挟まれてプラテン21の手前まで搬送される。
次に、通帳100の搬送方向の傾きを直すべく、整列板29を搬送経路Aに突出させた状態で、第1搬送ローラ22及び第2搬送ローラ23A〜23Fにより通帳100が搬送される。これによって、通帳100が整列板29に沿って整列することとなる。次いで、磁気データ読書部29が通帳100の磁気ストライプ101を読み取ることができる読み取り位置まで、通帳100が第1シート搬送機構部24により搬送される。
次に、通帳100の磁気ストライプ101から情報が磁気データ読書部29により読み取とられた後、第1及び第2シート搬送機構部24、27によって通帳100がプラテン21上の記録位置まで搬送され、文字等の画像が記録ヘッド18により記録される。
この記録ヘッド18による記録動作は、記録ヘッド18が主走査方向左向きまたは右向きに走行される間に、記録ヘッド18の記録ワイヤにより1行分の記録がなされ、この1行分の記録がなされる度に、第1搬送ローラ22、第2搬送ローラ23A〜23F、第3搬送ローラ25及び第4搬送ローラ26が通帳100を所定長(通常改行長分)搬送させ、これらの動作が繰り返されることによって通帳100への記録が実施される。
記録ヘッド18による記録後、通帳100は、第1及び第2シート搬送機構部24、27によって上記磁気ストライプ読み取り位置まで搬送され、通帳100へ記録した情報に基づいて、磁気データ読書部29により磁気ストライプ101に磁気情報が書き込まれる。次に、第1シート搬送機構部24によって通帳100が前側に搬送され、通帳100が手差口15から排出される。
ところで、プリンタ10において、記録媒体として通帳100のような冊子を用いる場合には、綴じ部を避けるための制御が必要となる。
例えば、通帳100が縦綴じであった場合、綴じ部が通帳100の搬送方向に沿って延びる格好となる。この場合、記録ヘッド18は綴じ部を跨いで走査されることになるが、縦綴じの通帳100においては綴じ部を境にして厚みが変化するので、綴じ部の上で記録ワイヤを突出させてしまうと、記録ワイヤが綴じ部に引っ掛かり、通帳100の破損、汚損や記録ワイヤの破損を招くおそれがある。このため、プリンタ10は、縦綴じの通帳100に画像を記録する場合には、綴じ部を含む領域(綴じ部の中央から所定の距離以内の領域)に対して記録動作(記録ワイヤの突出)を禁止する制御を行う。
また、例えば通帳100が横綴じであった場合、綴じ部が記録ヘッド18の走査方向に沿って延びる格好となる。この場合、改行動作(1行の記録を終えた後、次の行を記録するため、記録ヘッド18が通帳100上に位置した状態で通帳100を送る動作)において、記録ヘッド18が綴じ部を跨ぐときに、記録ヘッド18が綴じ部に引っ掛かり、通帳100の破損や汚損を招くおそれがある。このため、プリンタ10は、記録ヘッド18が綴じ部を跨ぐように通帳100を搬送する際に、記録ヘッド18をいったん通帳100上から外れた位置まで移動させてから、通帳100を送り、再び記録ヘッド18を通帳100上に移動させる制御を行う。
このように、通帳100の綴じ部を避けるための制御を行うにあたっては、通帳100が縦綴じであるか、横綴じであるかを区別し、通帳100の種類に対応する動作を行う。そこで、本構成のプリンタ10においては、以下に説明するように、通帳100が縦綴じか横綴じかを判別する綴じ方向検出動作を行う。
図7は、プリンタ10における綴じ方向検出動作を示すフローチャートである。
この図7に示す綴じ方向検出動作において、CPU51は、制御手段として機能する。
図7の綴じ方向検出動作のステップS1において、CPU51は、まず、冊子位置検出が済んでいるか否かを判別する。この冊子位置検出とは、記録ヘッド18に配設されたシート幅検出センサ56により、通帳100の位置及び幅を検出する処理である。
冊子位置検出が済んでいない場合(ステップS1;No)、CPU51はステップS2に移行して、キャリッジ駆動モータ61を駆動して、記録ヘッド18を走査させながら、ゲートアレイ55を介して、シート幅検出センサ56による検出結果を取得する。そして、取得した検出結果をもとに、記録ヘッド18の主走査方向における通帳100の位置、及び、通帳100の幅Wを取得する。このステップS2の動作が終了した後、CPU51はステップS1に戻る。
ステップS1において、冊子位置検出が済んでいた場合(ステップS1;Yes)、CPU51はステップS3に移行して、主走査方向に並ぶ複数の第2搬送ローラ23A〜23F(図5)のうち、通帳100を挟んでいる第2搬送ローラ23を特定する。このステップS3では、冊子位置検出により検出された通帳100の位置及び幅Wに基づき、第2搬送ローラ23A〜23Fの各々について通帳100の上にあるか否かを判別することにより、通帳100に当接する第2搬送ローラ23が特定される。
次に、CPU51はステップS4に移行して、ステップS3で特定された第2搬送ローラ23、すなわち通帳100を挟んでいる第2搬送ローラ23の間で、ローラ変位センサ57により検出された高さ位置に、所定のしきい値以上の差があるか否かを判別する。
ここで、ローラ変位センサ57により検出された高さ位置に、所定のしきい値以上の差がある場合には、通帳100を挟んでいる複数の第2搬送ローラ23の高さ位置が異なっていることから、通帳100の厚みに差があることを意味する。従って、ローラ変位センサ57により検出された高さ位置に、所定のしきい値以上の差がある場合(ステップS4;Yes)、CPU51はステップS5に移行して、当該通帳100が縦綴じであると判別し、ステップS6に移行する。
なお、所定のしきい値とは、通帳100が縦綴じか否かを判別するための基準となる値であって、予め設定され、EEPROM53に記憶される。この所定のしきい値は、通帳100の反りや曲がり、ローラ変位センサ57の検出誤差等により生じる誤差や検出値のゆらぎを吸収することが可能な値であれば、通帳100の種類等に応じて任意に設定可能である。
ステップS6で、CPU51は、ステップS2で取得した通帳100の幅Wに基づき、綴じ幅を算出する。通帳100は縦綴じであるから、綴じ幅は通帳100の幅Wの2分の1として求められる。
その後、CPU51はステップS7に移行して、縦綴じの通帳100に対応する制御を行う。すなわち、上述したように、通帳100が縦綴じである場合、記録ヘッド18が綴じ部の上で記録ワイヤを突出させてしまうと、記録ワイヤが綴じ部に引っ掛かり、記録ワイヤが破損するおそれがある。このため、プリンタ10は、縦綴じの通帳100に画像を記録する場合、綴じ部を含む領域(綴じ部の中央から所定の距離以内の領域)に対して記録動作(記録ワイヤの突出)を禁止する制御を行う。ステップS7では、上記の動作を実現するための各種パラメータの設定等を実行した上、通帳100に対して画像を記録する。
一方、ステップS4で、ローラ変位センサ57により検出された高さ位置に、所定のしきい値以上の差がない場合(ステップS4;No)、通帳100を挟んだ複数の第2搬送ローラ23の高さ位置が全て等しく、通帳100の幅方向において通帳100の厚みが一定である。この場合、CPU51はステップS8に移行して、当該通帳100が横綴じであると判別し、ステップS9に移行する。
ステップS9で、CPU51は、モータドライバ58によってシート搬送モータ62を所定のステップ数だけ駆動させて、通帳100を送る。続いてCPU51は、ステップS10で、シート幅検出センサ56によって通帳100の下端を検出したか否かを判別する。ここで、通帳100の下端が検出されなければ、ステップS9に戻ってさらに通帳100を送り、通帳100の下端が検出されればステップS11に移行する。
ステップS9〜S10の動作においては、記録ヘッド18が通帳100の上に位置する状態で、記録ヘッド18に配設されたシート幅検出センサ56を用いることにより、通帳100の上端及び下端を検出することが可能である。そして、通帳100の上端を検出してから下端を検出するまでのシート搬送モータ62が回転したステップ数に基づき、通帳100を搬送した長さ、すなわち通帳100の長さLを得ることができる。
ステップS11で、CPU51は、通帳100の長さLをもとに、通帳100の綴じ幅を求める。横綴じの通帳100の綴じ幅は長さLの2分の1として求めることができる。
その後、CPU51はステップS12に移行して、横綴じの冊子に対応する制御を行う。すなわち、上述したように、通帳100が横綴じの冊子である場合、改行動作において記録ヘッド18が綴じ部を跨がないようにするため、記録ヘッド18が綴じ部を跨ぐように通帳100を搬送するときに、記録ヘッド18をいったん通帳100の外側の位置まで移動させてから、通帳100を送り、再び記録ヘッド18を通帳100上に移動させる制御を行う。ステップS11では、上記の動作を実現するための各種パラメータの設定等を実行した上、通帳100に対して画像を記録する。
なお、通帳100は冊子であるから、プリンタ10により通帳100のページめくり動作を行う場合がある。この場合、ページめくり動作の後、記録を行う前に、上述した綴じ方向検出動作を行うと、効果的である。
また、通帳100が縦綴じであって、冊子を中央のページで開いた場合には、通帳100の厚みが綴じ部の両側で等しいので、通帳100に当接する第2搬送ローラ23の高さ位置は等しくなる。このため、図7のステップS4で、ローラ変位センサ57により検出された高さ位置に差が生じないので、通帳100が縦綴じであるにも拘わらず、横綴じであると判別される可能性がある。
しかしながら、通帳100が縦綴じである場合に懸念される問題は、通帳100の綴じ部を境にして厚みが変化する場合に、この綴じ部に記録ワイヤを突出させると、記録ワイヤの破損等を招くというものである。従って、綴じ部の両側で厚みに差が無いのであれば、このような問題は発生しない。このため、通帳100が横綴じと判別されても、問題なく画像を記録することができる。
以上のように、本実施形態の構成によれば、通帳100の厚みに応じて変位可能に配設された複数の第2搬送ローラ23A〜23Fの高さ位置をローラ変位センサ57A〜57Fにより検出することによって、通帳100の綴じ方向が縦綴じであるか横綴じであるかを検出することができる。これにより、通帳100の綴じ方向に応じた制御を可能とし、記録品質の低下や部品の破損等を確実に防止できる。また、綴じ方向を判別するにあたって操作者による入力操作を必要としないので、操作者の負担を軽減することができ、操作ミスによる誤動作のおそれを解消できる。さらに、例えばプリンタ10が特定の綴じ方向を有する通帳100に対応するものである場合、通帳100の綴じ方向を判別することにより、通帳100が正しい向きでプリンタ10に挿入されたか否かを判別することができる。これにより、通帳100が誤った向きで挿入された場合に、記録動作を実行する前に誤りを検出して、通帳100を挿入し直すよう案内すること等が可能であり、誤操作があった場合でも不具合を確実に防止できるという利点がある。
また、ローラ変位センサ57A〜57Fにより検出される第2搬送ローラ23A〜23Fの高さ位置に基づいて綴じ方向を判別する際には、第2搬送ローラ23A〜23Fのうち通帳100を挟んでいる第2搬送ローラ23を特定し、特定した第2搬送ローラ23についてローラ変位センサ57により検出される高さ位置を比較し、複数の第2搬送ローラ23の高さ位置に所定のしきい値以上の差がある場合には、通帳100を縦綴じと判別し、所定のしきい値以上の差がなかった場合は、通帳100を横綴じと判別する。このため、非常に簡単で効率の良い処理によって、確実に綴じ方向を判別できる。
さらに、シート幅検出センサ56により検出される通帳100の位置及び幅方向のサイズに基づいて、通帳100を挟んでいる第2搬送ローラ23を特定するので、迅速かつ的確な処理を行える。
また、プリンタ10は、通帳100が縦綴じの冊子であると判別した場合に、綴じ部を含む領域(綴じ部の中央から所定の距離以内の領域)に対して記録動作(記録ワイヤの突出)を禁止する制御を行う。従って、通帳100の汚損、記録品質の低下、部品の破損、及び無駄な動作によるスループットの低下を防止できる。
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、綴じ方向検出処理において、ローラ変位センサ57A〜57Fにより、第2搬送ローラ23A〜23Fとの間の距離G1〜G3をもとに、第2搬送ローラ23A〜23Fの高さ位置を検出し、これら高さ位置に基づいて制御を行う構成とした。これはあくまで一例であって、例えば、ローラ変位センサ57A〜57Fにより、第2搬送ローラ23A〜23Fとの間の距離G1〜G3をもとに、第2搬送ローラ23A〜23Fの変位量を検出するようにしてもよい。この場合、通帳100を挟んでいない場合の第2搬送ローラ23とローラ変位センサ57との間の距離Gを基準として、この距離Gとローラ変位センサ57A〜57Fにより測定される距離G1〜G3との差をもとに、各第2搬送ローラ23A〜23Fの変位量を検出することができる。
さらに、上記実施形態では、第2搬送ローラ23A〜23Fが通帳100を挟んでいるか否かを判別する際に、シート幅検出センサ56により検出された通帳100の位置及び幅に基づいて判別を行うものとして説明したが、例えば、ローラ変位センサ57A〜57Fにより検出される第2搬送ローラ23A〜23Fの高さ位置に基づいて、通帳100を挟んでいるか否かを判別してもよい。この場合、通帳100を挟まない状態における第2搬送ローラ23A〜23Fの高さ位置を予めEEPROM53に記憶しておき、この記憶した値とローラ変位センサ57A〜57Fの検出値とを比較すれば、容易に判別を行える。
また、上記実施形態では、ドットインパクトプリンタの場合について説明したが、ドットインパクトプリンタに限らず、光センサを備え、この光センサを用いて搬送経路における用紙の有無を検出するあらゆる記録装置に適用することが可能である。
さらに、上記実施形態では、制御プログラムをEEPROMに記憶している場合について説明したが、各種磁気ディスク、光ディスク、メモリカードなどの記録媒体に制御プログラムを予め記録し、これらの記録媒体から読み込み、インストールするように構成することも可能である。また、通信インターフェースを設け、インターネット、LANなどのネットワークを介して制御プログラムをダウンロードし、インストールして実行するように構成することも可能である。
また、上記実施形態では、記録ヘッド18に配設したシート幅検出センサ56により、通帳100の位置及び幅を検出する構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、整列板29の前方において通帳100の有無を検出するセンサを備え、このセンサにより、通帳100の位置及び幅を検出することも可能である。
また、上記実施形態では、6個の第1搬送ローラ22及び6個の第2搬送ローラ23A〜23Fを備える構成について説明したが、これら第1搬送ローラ22及び第2搬送ローラ23の数については、当然のことながら任意に変更可能である。
さらに、上記実施形態では、2個の第2搬送ローラ23が1本の第2搬送軸45により支持される構成としたが、本発明はこれに限定されず、全ての第2搬送ローラ23が各々独立して1本の第2搬送軸45により支持される構成としてもよいし、或いは、3個またはそれ以上の数の第2搬送ローラ23が1本の第2搬送軸45により支持される構成としてもよい。
また、上記実施形態では、記録ヘッド18に配設されたシート幅検出センサ56を用いて、通帳100の上端及び下端を検出することにより、通帳100の長さLを得るものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、シート幅検出センサ56に代えて、記録媒体を検出するためにプリンタ10が備える他のセンサを用いることができる。例えば、整列板29の前方において通帳100の有無を検出するセンサを備え、このセンサによって通帳100の上端及び下端を検出することにより、通帳100の長さLを得るようにしてもよい。
上記実施形態で説明したその他の細部構成についても、勿論、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において任意に変更可能である。
本発明の実施形態に係る記録装置としてのプリンタの外観を示す正面斜視図である。 プリンタ本体を示す斜視図である。 プリンタを示す側断面図である。 プリンタの要部構成を示す斜視図である。 プリンタの要部構成を示す正面図である。 プリンタの電気的構成を示す機能ブロック図である。 プリンタによる綴じ方向検出に係る動作を示すフローチャートである。
符号の説明
10…プリンタ(記録装置)、18…記録ヘッド、22…第1搬送ローラ、23A〜23F…第2搬送ローラ(搬送ローラ)、24…第1シート搬送機構部、51…CPU(制御手段)、55…ゲートアレイ、56…シート幅検出センサ(幅検出センサ)、57A〜57F…ローラ変位センサ(変位センサ)、58…モータドライバ、61…キャリッジ駆動モータ、62…シート搬送モータ、100…通帳(記録媒体)。

Claims (5)

  1. 複数のシートが綴じられた一方向に延びる綴じ部を有する記録媒体を、当該記録媒体の厚みに応じて変位可能に配設された複数の搬送ローラにより搬送し、当該記録媒体上で記録ヘッドを走査し、この記録ヘッドから前記記録媒体に対して記録ワイヤを突出させることにより、前記記録媒体に画像を記録する記録装置において、
    前記複数の搬送ローラの各々について、前記記録媒体の記録面に垂直な方向における位置または変位量を検出する変位センサと、
    前記変位センサにより検出される各搬送ローラの位置または変位量に基づいて、前記記録媒体の綴じ部の方向を判別する制御手段とを備えることを特徴とする記録装置。
  2. 前記制御手段は、前記複数の搬送ローラのうち、前記記録媒体に当接する搬送ローラについて前記変位センサにより検出した位置または変位量を比較し、いずれかの搬送ローラの位置または変位量が他の搬送ローラの位置または変位量と所定のしきい値以上異なる場合には、前記記録媒体の綴じ部が、前記搬送ローラの搬送方向に延びる縦綴じであると判別することを特徴とする請求項1記載の記録装置。
  3. 前記搬送ローラにより搬送される記録媒体の位置及び幅を検出する幅検出センサをさらに備え、
    前記制御手段は、前記幅検出センサにより検出される記録媒体の位置及び幅に基づいて、前記複数の搬送ローラのうち前記記録媒体に当接している搬送ローラを特定することを特徴とする請求項2記載の記録装置。
  4. 前記制御手段は、前記記録媒体の綴じ部が縦綴じであると判別した場合には、前記記録媒体の綴じ部を含む領域における記録を禁止させることを特徴とする請求項2または3記載の記録装置。
  5. 記録媒体の厚みに応じて変位可能に配設された複数の搬送ローラと、前記複数の搬送ローラの各々について、前記記録媒体の記録面に垂直な方向における位置または変位量を検出する変位センサとを備え、複数のシートが綴じられた一方向に延びる綴じ部を有する記録媒体を前記搬送ローラにより搬送し、当該記録媒体に画像を記録する記録装置の制御方法であって、
    前記変位センサにより検出される各搬送ローラの位置または変位量に基づいて、前記記録媒体の綴じ方向を判別することを特徴とする記録装置の制御方法。
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