JP2005219270A - 記録装置及び記録装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 記録ワイヤの折損を抑制するとともに、記録品質の低下を抑制する。
【解決手段】 記録ワイヤを備えた記録ヘッド18に対向するプラテン21が、付勢ばね40により記録ヘッド18に向けて付勢され、この付勢されたプラテン21上に搬送されたシートに、インクリボンを介して記録ワイヤを突出して画像を記録する記録装置において、付勢ばね40によるプラテン21への付勢力を測定し、この測定結果に基いて、記録ヘッド18の駆動条件を変更する。
【選択図】 図3
【解決手段】 記録ワイヤを備えた記録ヘッド18に対向するプラテン21が、付勢ばね40により記録ヘッド18に向けて付勢され、この付勢されたプラテン21上に搬送されたシートに、インクリボンを介して記録ワイヤを突出して画像を記録する記録装置において、付勢ばね40によるプラテン21への付勢力を測定し、この測定結果に基いて、記録ヘッド18の駆動条件を変更する。
【選択図】 図3
Description
記録ヘッド方向に付勢される可動式のプラテンを備えた記録装置及び記録装置の制御方法に関する。
一般に、記録ワイヤを備えた記録ヘッドに対向するプラテンが、付勢部材により記録ヘッドに向けて付勢され、この付勢されたプラテン上に搬送されたシートに、インクリボンを介して記録ワイヤを突出して画像を記録する記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の記録装置において、記録ヘッドのヘッド先端には、記録ヘッドとプラテンとのギャップが所定のギャップよりも小さくならないように、所定のギャップだけヘッド先端から延出して、プラテンに接触してギャップを所定のギャップに保持するコロが設けられている。
特開2003−127489号公報
しかしながら、上記記録装置のプラテンを付勢している付勢部材は、記録ヘッドにより押圧されて伸縮を繰り返すため、長期間の使用により、その付勢力は、初期値よりも低下してしまう。このように、付勢部材の付勢力が低下してしまうと、記録ワイヤを突出した際のプラテンの変位量(沈み込み量)が大きくなり、記録ヘッドのヘッド先端とプラテンとのギャップが大きくなってしまうので、記録ヘッドを搭載したキャリッジが高速移動していると、記録ワイヤの突出の際に当該記録ワイヤがインクリボンに引っ掛かりやすくなり、記録品質が低下したり、記録ワイヤが折損してしまう恐れがあった。
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、記録ワイヤの折損を抑制するとともに、記録品質の低下を抑制することができる記録装置及びその制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、記録ワイヤを備えた記録ヘッドに対向するプラテンが、付勢部材により前記記録ヘッドに向けて付勢され、この付勢されたプラテン上に搬送されたシートに、インクリボンを介して前記記録ワイヤを突出して画像を記録する記録装置において、前記付勢部材による前記プラテンへの付勢力を測定し、この測定結果に基いて、前記記録ヘッドの駆動条件を変更する制御手段を備えたことを特徴とするものである。
この記録装置において、前記制御手段が、前記測定結果に基いて、前記記録ワイヤの突出による前記プラテンの変位量を推定する変位量推定手段と、この変位量推定手段の推定結果に基いて、前記記録ヘッドの駆動条件を変更する変更手段とを備えていてもよい。
また、上記記録装置において、前記変位量推定手段は、前記記録ワイヤにより前記シートに画像を記録する記録パターンに対応する前記プラテンの変位量を推定するようにしてもよい。
更に、上記記録装置において、前記変更手段は、前記変位量推定手段により推定された変位量が、予め定めた所定量を上回った場合、前記記録ワイヤを駆動する駆動周波数を低下させるとともに、前記記録ヘッドを搭載するキャリッジの移動速度を低下させてもよい。
更にまた、上記記録装置において、前記変更手段は、前記変位量推定手段により推定された変位量が、予め定めた所定量を上回った場合、前記記録ワイヤの突出力を低下させてもよい。
また、上記記録装置において、前記記録ヘッドの先端には、前記プラテンに接触して、当該記録ヘッドと前記プラテンとの間のギャップを所定のギャップに保持するギャップ保持部材が設けられ、前記制御手段は、このギャップ保持部材に設けた荷重センサで測定してもよい。
上記記録装置によれば、記録ヘッドの記録ワイヤが、インクリボンに引っ掛かるのを抑制することができるので、記録ワイヤの折損を抑制するとともに、記録品質を向上させることができる。
また、記録ワイヤを備えた記録ヘッドに対向するプラテンが、付勢部材により前記記録ヘッドに向けて付勢され、この付勢されたプラテン上に搬送されたシートに、インクリボンを介して前記記録ワイヤを突出して画像を記録する記録装置の制御方法において、前記付勢部材による前記プラテンへの付勢力を測定する測定過程と、この測定結果に基いて、前記記録ヘッドの駆動条件を変更する制御過程とを備えたことを特徴とするものである。
この記録装置の制御方法によれば、記録ヘッドの記録ワイヤが、インクリボンに引っ掛かるのを抑制することができるので、記録ワイヤの折損を抑制するとともに、記録品質の低下を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[1]第1実施形態
図1は、第1実施形態に係る記録装置としてのドットインパクトプリンタの外観を示す正面斜視図である。図2は、プリンタ本体11を示す斜視図である。図3は、図1のプリンタ10を示す側断面図である。
図1は、第1実施形態に係る記録装置としてのドットインパクトプリンタの外観を示す正面斜視図である。図2は、プリンタ本体11を示す斜視図である。図3は、図1のプリンタ10を示す側断面図である。
図1乃至図3に示す記録装置としてのドットインパクトプリンタ10は、記録ヘッド18(図2及び図3参照)が備える記録ワイヤを、インクリボンを介してシート100に押し付け、このシート100上にドットを形成することにより、文字を含む画像を記録するものである。
このシート100としては、所定長さに切断されたカットシートと、複数枚が連接された連続シートとがある。カットシートとしては、例えば単票紙や単票複写紙などの普通紙の他、通帳や葉書、封筒などがあり、連続シートとしては、連続紙、連続複写紙がある。以下、本第1実施形態では、シート100は、例えば、通帳である場合について説明する。なお、このシート100は、複数枚の記録用紙が綴じられ、記録用紙の記録面を開いた場合の底面に磁気ストライプ101が設けられている。
このプリンタ10は、記録装置本体としてのプリンタ本体11と、このプリンタ本体11を覆う外装体としての上部カバー12、上部ハウジング13及び下部ハウジング14とを備えて構成される。上部ハウジング13及び下部ハウジング14の前面には、手差口15が開口している。
プリンタ本体11は、左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17(一対のサイドフレーム)を備えた本体フレームと、記録ヘッド18及びキャリッジ19を備えた記録機構部20と、記録ヘッド18に対向するプラテン21と、第1搬送ローラ22及び第2搬送ローラ23を備えた第1シート搬送機構部24と、第3搬送ローラ25及び第4搬送ローラ26を備えた第2シート搬送機構部27と、シート100に設けられた磁気ストライプ101の磁気情報を読み取り又は書き込む磁気データ読書部28と、シート100の搬送経路に進退自在な整列板29と、磁気情報読み書き時にシート100の浮き上がりを上から押えるシート押え部30と、を有している。
上記本体フレームの両サイドフレーム16、17間には、キャリッジ軸31が架け渡されるとともに、両サイドフレーム16、17間に平坦面形状の前方シート案内32及び後方シート案内33が固定して設けられる。これらの前方シート案内32と後方シート案内33との間に、平面形状のプラテン21が配置される。
上記第1シート搬送機構部24は、プラテン21に対してプリンタ本体11の前方側に配置され、第2シート搬送機構部27は、プラテン21に対してプリンタ本体11の後方側に配置される。更に、第1搬送ローラ22と第2搬送ローラ23が、また第3搬送ローラ25と第4搬送ローラ26が、それぞれ上下方向に配置されて対をなす。
このうち、第1搬送ローラ22、第3搬送ローラ25は、プラテン21とともに前方シート案内32、後方シート案内33のそれぞれの下方に配置され、第2搬送ローラ23、第4搬送ローラ26が、前方シート案内32、後方シート案内33のそれぞれの上方に配置される。第1搬送ローラ22及び第3搬送ローラ25は、図示しないシート搬送モータ及び駆動輪列部によって回転駆動される駆動ローラであり、第2搬送ローラ23及び第4搬送ローラ26は、それぞれ第1搬送ローラ22及び第3搬送ローラ25側に所定の押圧力でばね付勢されている従動ローラである。これによって、第1搬送ローラ22と第2搬送ローラ23とが互いに反対方向に回転駆動されるとともに、第3搬送ローラ25と第4搬送ローラ26とが互いに反対方向に回転駆動される。
図4は、キャリッジ軸31の端部付近を拡大した拡大斜視図である。
上記キャリッジ19は、キャリッジ軸31に摺動自在に挿通されるとともに、記録ヘッド18を搭載している。キャリッジ19は、キャリッジ軸31の一端の近傍におけるキャリッジ駆動モータ(不図示)に回転一体に軸支されたベルト駆動プーリ34と、キャリッジ軸31の他端の近傍に設けられたベルト従動プーリ(不図示)とに架け渡されたタイミングベルト35に結合される。従って、キャリッジ19は、キャリッジ駆動モータの正転または逆転により、タイミングベルト35を介しキャリッジ軸31に案内されて、このキャリッジ軸31の軸方向及びプラテン21の長手方向と一致する主走査方向に、図2に示す一対のサイドフレーム16、17の範囲で走行(走査)される。
ベルト駆動プーリ34の近傍には、図4に示すように、リボン駆動軸36とこのリボン駆動軸36が取付けられる遊星歯車37とを有する輪列機構部38が設けられている。このリボン駆動軸36は、左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17に装着されたリボンカートリッジ39(図2及び図3参照)内のインクリボン(不図示)を移動させるものである。ベルト駆動プーリ34は、タイミングベルト35を往復駆動すべく正転及び逆転するが、遊星歯車37は、ベルト駆動プーリ34の正転及び逆転の回転に対し、リボン駆動軸36を一方向に回転させるものである。
図5は、プリンタ10の断面を示す概略図である。
プラテン21は、キャリッジ19の走行方向に延在して平面形状に形成され、その両端が、付勢部材としての付勢ばね40(図3及び図5)により記録ヘッド18に向けて矢印F方向に付勢されるとともに、弾性支持されている。この付勢ばね40は、圧縮コイルばねである。この付勢ばね40の付勢力により、記録ヘッド18の記録動作時における記録ワイヤの突出力が支持される。また、プラテン21は、シート100の搬送中にこのシート100の厚さが変化した場合、またはプリンタ本体11に厚さの異なるシート100が搬入された場合に、付勢ばね40の付勢力に抗して、記録ヘッド18の後述するコロ41により押圧されて記録ヘッド18から離れる方向に移動する。これにより、シート100厚に拘わらず、記録ヘッド18の先端とシート100の記録面との間のプラテンギャップが一定に確保される。
図6は、記録ヘッド18をキャリッジ19から取り外した状態を示す記録ヘッド18の斜視図である。
記録ヘッド18は、ヘッド本体にノーズ部42が連設され、ヘッド本体の外側に放熱器43が配置されて構成される。
この記録ヘッド18には、シート100の記録面と、記録ヘッド18の記録ワイヤが突出するヘッド先端(ノーズ部42の先端)とのプラテンギャップを一定に保つためにギャップ保持部材としてのコロ41が設けられている。詳述すると、記録ヘッド18のヘッド先端には、記録ヘッド18とプラテン21とのプラテンギャップが、所定のギャップよりも小さくならないように、所定のギャップだけヘッド先端から延出して、プラテン21に接触してプラテンギャップを所定のギャップに保持するコロ41が設けられている。
上記記録ヘッド18は、多数の記録ワイヤ44を備え、これらの記録ワイヤ44の突出方向前方にインクリボンが位置する。このインクリボンは、一対のサイドフレーム16、17間に装着されたリボンカートリッジ39内に折り畳まれて収納される。
記録ヘッド18は、キャリッジ19とともに主走査方向に走行される間に、記録ワイヤ44を突出させてインクリボンに打ち当て、このインクリボンのインクを、プラテン21と記録ヘッド18との間に搬送されるシート100に付着させて、このシート100に文字を含む画像を記録する。
ここで、図示は省略するが、記録ヘッド18は、フレームに形成されたコアに嵌め込まれる電磁コイルを備え、記録ワイヤ44を駆動する際には、この電磁コイルに通電し、電磁コイルの磁気力によりワイヤレバーを介して記録ワイヤ44を駆動するものである。つまり、記録ヘッド18は、電磁コイルへの通電により、記録ワイヤ44をプラテン21(シート100)に向けて突出させるものである。なお、記録ワイヤ44の突出力は、この電磁コイルへの通電幅によって決まる。つまり、記録ワイヤ44の突出力は、電磁コイルへの通電幅を大きくするほど、大きくなり、また、通電幅を小さくするほど、小さくなる。
次に、プリンタ10の動作の概略を説明する。
シート100が図1に示す手差口15から挿入されると、シート100が第1搬送ローラ22及び第2搬送ローラ23により挟まれてプラテン21の手前まで搬送される。次いで、シート100の搬送方向の傾きを直すべく、シート100が整列され、磁気データ読書部28がシート100の磁気ストライプ101を読み取ることができる読み取り位置まで、シート100が第1シート搬送機構部24により搬送される。
次いで、シート100の磁気ストライプ101から情報が磁気データ読書部28により読み取とられた後、第1及び第2シート搬送機構部24、27によってシート100がプラテン21上の記録位置まで搬送され、文字等の画像が記録ヘッド18により記録される。
この記録ヘッド18による記録動作は、記録ヘッド18が主走査方向左向きまたは右向きに走行される間に、記録ヘッド18の記録ワイヤ44により1行分の記録がなされ、この1行分の記録がなされる度に、第1搬送ローラ22、第2搬送ローラ23、第3搬送ローラ25及び第4搬送ローラ26がシート100を所定長(通常行間分)搬送させ、これらの動作が繰り返されることにより実施される。
記録ヘッド18による記録後、シート100は、第1及び第2シート搬送機構部24、27によって上記読み取り位置まで搬送され、シート100へ記録した情報に基いて、磁気データ読書部28により磁気ストライプ101に磁気情報が書き込まれる。次に、第1シート搬送機構部24によってシート100が前側に搬送され、シート100が手差口15から排出される。
さて、第1、第2シート搬送機構部24、27の駆動制御と、キャリッジ19の走行制御と、記録ヘッド18の記録ワイヤ44による記録動作の制御と、磁気データ読書部28の読み書き制御とは、制御基板部50に設けられたコントローラ51(制御手段)により実施される。この制御基板部50は、例えばプリンタ本体11の後方側の下方に配置される。
図7は、プリンタ本体11の電気的構成を示すブロック図である。
コントローラ51には、インターフェース52、モータ駆動部53、記録ヘッド駆動部54、磁気データ読書制御部55、及び荷重センサ56が接続されている。
インターフェース52は、コントローラ51の制御の下、通信ケーブル(不図示)を経由して接続されたコンピュータとの間で記録データ(例えば、印字データ)などの各種データを送受信する。
モータ駆動部53は、コントローラ51の制御の下、キャリッジ19を駆動するための不図示のキャリッジ駆動モータや、紙送りなどを行うための不図示のシート搬送モータを駆動する。
記録ヘッド駆動部54は、コントローラ51の制御の下、記録ヘッド18を駆動することにより、記録ワイヤ44を選択的に打ち出す。
磁気データ読書制御部55は、コントローラ51の制御の下、シート100の磁気ストライプ101に情報を読み書きすべく、磁気データ読書部28を制御する。
荷重センサ56は、コロ41におけるプラテン21との接触面(円周面)に埋め込まれており、プラテン21の押上げ力(即ち、付勢ばね40の付勢力)を検出し、コントローラ51に検出信号を出力する。
コントローラ51は、CPU(Central Processing Unit)57、並びに、ROM(Read Only Memory)58及びRAM(Random Access Memory)59を備えている。
CPU57は、ROM58に記憶された制御プログラムに従ってプリンタ10の動作を制御する。このROM58には、制御プログラムなどが記憶されている。RAM59は、CPU57が読み出したプログラムや外部のコンピュータ等から受信した記録データなどが一時的に格納される。具体的に説明すると、CPU57は、RAM59に格納された記録データに対応する記録パターン(例えば、印字パターン)をシート100に記録すべく、各記録ワイヤ44の突出動作やキャリッジ19の移動速度等を制御する。
ところで、プラテン21に付勢している付勢ばね40は、記録ヘッド18によってプラテン21が押圧されることにより伸縮を繰り返すため、長期間の使用により、そのばね定数は、初期値よりも低下してしまう。このように、ばね定数が低下してしまうと、プラテン21の押し上げ荷重(即ち、付勢ばね40の付勢力)が低下してしまうこととなる。
図8は、コントローラ51による記録ヘッド18の駆動条件の変更処理を示すフローチャートである。
まず、コントローラ51のCPU57は、プラテン21の押し上げ荷重(即ち、付勢ばね40の付勢力)を、記録ヘッド18のコロ41に設けた荷重センサ56で測定する(ステップS1;測定手段)。
具体的に説明すると、CPU57は、まず、シート100がプラテン21上に搬送されていない状態で、荷重センサ56によりプラテン21の押し上げ荷重(付勢ばね40の付勢力)を測定する。なお、付勢ばね40の長さは、初期(例えば、組み立て時)に設定した長さとほとんど変化していないので、付勢ばね40の付勢力を測定することは、付勢ばね40のばね定数を測定していること同じである。
このとき、CPU57は、記録ヘッド18を搭載したキャリッジ19を、最大移動範囲内で移動させて荷重センサ56により検出した極大値の平均値を、付勢ばね40の付勢力として測定している。つまり、コロ41の円周面に荷重センサ56が埋め込まれているので、コロ41の回転によって荷重センサ56により検出される値が変化してしまうためである。
ここで、キャリッジ19は、最大移動範囲内で移動させるとしたが、記録時の最大移動範囲に亘って移動させるのが好ましい。
また、このプラテン21の押し上げ荷重、即ち、付勢ばね40の付勢力の測定動作は、定期的に行うのが好ましい。例えば、プリンタ10の電源投入時、或いは、予め定めた所定の周期(例えば、1週間)毎に行うのが好ましい。
次に、CPU57は、インターフェース52を介して記録データ(例えば、印字データ)を入力した場合、記録前にこの記録データの記録パターンを認識する処理を行う(ステップS2)。このCPU57による認識処理は、シート100に記録される1行毎の記録パターンを認識するものである。
次に、CPU57は、付勢ばね40の付勢力の測定結果に基いて、記録ワイヤ44の突出による前記プラテン21の変位量(沈み込み量)を推定する(ステップS3;変位量推定手段)。
より具体的には、CPU57は、ステップS1で測定した付勢ばね40の付勢力、及びステップS2で認識した記録パターンに対応するプラテン21の変位量を推定する。
ここで、コントローラ51のROM58には、付勢ばね40の付勢力及び記録パターンに対応したプラテン21の推定変位量が予め記憶されている(記憶手段)。より具体的には、ROM58には、付勢ばね40の付勢力及び記録パターンに対応したプラテン21の推定変位量がテーブルとして予め記憶されている。なお、このROM58に記憶されている推定変位量は、例えば、実験により求めた値である。
つまり、ステップS3において、CPU57は、ステップS1で測定した付勢ばね40の付勢力、及びステップS2で認識した記録パターンに対応する推定変位量を、このROM58に記憶されたテーブルから読み出す。次いで、CPU57は、1行全ての記録パターンに対応する推定変位量を、ROM58から読み出し、これらの平均値(或いは最大値)を推定した変位量としている。
次に、CPU57は、付勢ばね40の付勢力の測定結果、つまり、ステップS3で推定した推定結果に基いて、記録ヘッド18の駆動条件を変更する(変更手段)。
本第1実施形態では、記録ヘッド18の駆動条件の変更として、記録ワイヤ44を駆動する駆動周波数を変更するものである。ここで、この駆動周波数を変更するとき、駆動周波数に対応してキャリッジ19の移動速度も同時に変更するようにしている。つまり、駆動周波数のみ変更したのでは、シート100に記録した画像が横に広くなってしまう等、記録品質が低下してしまうからである。
また、記録ワイヤ44を駆動する駆動周波数は、変更される前は、予め定められた所定駆動周波数に設定されており、キャリッジ19の移動速度は、この所定駆動周波数に対応する所定移動速度に設定されている。
以下、このCPU57による記録ヘッド18の駆動条件の変更について、詳細に説明する。
まず、CPU57は、ステップS3により推定された変位量が、予め定めた所定量を上回るか否かを判断する。本第1実施形態では、ステップS3により推定された変位量が、予め定めた所定量(例えば、0.3[mm])以上であるか否かを判断する(ステップS4)。この所定量は、記録ヘッド18の駆動条件を変更しなくても記録ワイヤ44がインクリボンに引っ掛からない上限の変位量程度に設定されている。つまり、プラテン21の変位量が、この所定量を上回った場合、付勢ばね40が劣化した(いわゆる、ばねがヘタった)ことを示している。
図9は、記録ヘッド18の記録ワイヤ44を駆動する駆動周波数の変更する例を示す説明図である。ここで、図9(a)は、変更前の通電状態、図9(b)は、変更後の通電状態を示している。
このステップS4において、ステップS3により推定された変位量が、所定量を上回る場合、つまり、本第1実施形態では、所定量以上である場合(ステップS4;Yes)、CPU57は、図9に示すように、記録ワイヤ44を駆動する駆動周波数を、所定駆動周波数f0よりも低い第2の所定駆動周波数f1に変更する(ステップS5;図8)。言い換えれば、記録ワイヤ44を駆動する駆動周期を、所定駆動周波数f0に対応する所定駆動周期T0よりも大きい第2の所定駆動周期T1に変更する。更に、CPU57は、この低下させた後の駆動周波数に対応してキャリッジ19の移動速度を所定移動速度よりも低い第2の所定移動速度に変更する。なお、記録ヘッド18の通電幅t0は、変更しない。このように、記録ワイヤ44を駆動する駆動周波数及びキャリッジ19の移動速度を低下させて、一行分、シート100に画像を記録する(ステップS6)。これによって、記録ヘッド18の記録ワイヤ44がインクリボンに引っ掛るのを抑制することができる。従って、記録ワイヤ44がインクリボンに引っ掛ることに起因する記録品質の低下を抑制することができるとともに、記録ワイヤ44がインクリボンに引っ掛ることに起因する記録ワイヤ44の折損を抑制することができる。
また、ステップS4において、ステップS3により推定された変位量が、所定量を下回る場合(ステップS4;No)、CPU57は、記録ヘッド18の駆動条件、つまり、記録ワイヤ44を駆動する駆動周波数を変更せず(ステップS7)、一行分、シート100に画像を記録する(ステップS6)。これら、ステップS2乃至ステップS7の処理は、各行毎に行われる。
ここで、ステップS5における記録ワイヤ44の駆動周波数を低下させる低下量は、キャリッジ19の移動速度の低下量が最小であって、記録ワイヤ44がインクリボンに引っ掛るのを抑制できる値である。これによって、プリンタ10のスループットの低下を極力抑えることができる。
以上、本第1実施形態では、記録ワイヤ44がインクリボンに引っ掛ることに起因する記録品質の低下を抑制することができるとともに、記録ワイヤ44がインクリボンに引っ掛ることに起因する記録ワイヤ44の折損を抑制することができる。
[2]第2実施形態
上記第1実施形態では、記録ヘッド18の駆動条件の変更として、記録ワイヤ44を駆動する駆動周波数を変更するものであったが、本第2実施形態では、記録ヘッド18の駆動条件の変更として、記録ヘッド18の通電幅を変更するものである。以下、この第2実施形態において、上記第1実施形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
上記第1実施形態では、記録ヘッド18の駆動条件の変更として、記録ワイヤ44を駆動する駆動周波数を変更するものであったが、本第2実施形態では、記録ヘッド18の駆動条件の変更として、記録ヘッド18の通電幅を変更するものである。以下、この第2実施形態において、上記第1実施形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図10は、第2実施形態におけるコントローラ51による記録ヘッド18の駆動条件の変更処理を示すフローチャートである。また、図11は、記録ヘッド18の通電幅の変更する例を示す説明図である。ここで、図11(a)は、変更前の通電状態、図11(b)は、変更後の通電状態を示している。
この図10のフローチャートにおいて、ステップS11乃至ステップS14のそれぞれの処理は、第1実施形態における図8のステップS1乃至ステップS4のそれぞれの処理と同様であるので説明を省略する。
本第2実施形態では、記録ヘッド18の駆動条件の変更として、記録ヘッド18の通電幅を変更するものである。つまり、記録ヘッド18における複数の電磁コイルのそれぞれに通電する通電幅を変更するものである。また、この記録ヘッド18の通電幅が変更される前は、予め定められた所定通電幅に設定されている。
以下、このCPU57による記録ヘッド18の駆動条件の変更について、詳細に説明する。
図10中、ステップS14において、ステップS13により推定された変位量が、所定量を上回る場合、つまり、本第2実施形態では、所定量以上である場合(ステップS14;Yes)、CPU57は、図11に示すように、記録ヘッド18の通電幅を、所定通電幅t0(例えば、100[μs])よりも低い第2の所定通電幅t1(例えば、98[μs])に変更する(ステップS15;図10)。これによって、記録ヘッド18の記録ワイヤ44の突出力が低下することとなる。なお、記録ヘッド18の記録ワイヤ44の駆動周波数は、変更しない。このように、記録ヘッド18の通電幅を低下させて、一行分、シート100に画像を記録する(ステップS16)。これによって、記録ヘッド18の記録ワイヤ44の突出力が低下するので、記録ヘッド18の記録ワイヤ44が、インクリボンに引っ掛るのを抑制することができる。従って、記録ワイヤ44がインクリボンに引っ掛ることに起因する記録品質の低下を抑制することができるとともに、記録ワイヤ44がインクリボンに引っ掛ることに起因する記録ワイヤ44の折損を抑制することができる。
また、ステップS14において、ステップS3により推定された変位量が、所定量を下回る場合(ステップS14;No)、CPU57は、記録ヘッド18の駆動条件、つまり、記録ワイヤ44を駆動する駆動周波数を変更せず(ステップS17)、一行分、シート100に画像を記録する(ステップS16)。これら、ステップS12乃至ステップS17の処理は、各行毎に行われる。
ステップS15における記録ワイヤ44の突出力を低下させる低下量は、僅かであり、記録濃度が低下しても、ほとんど低下せず、記録品質が低下することはない。
以上、本第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、記録ワイヤ44がインクリボンに引っ掛ることに起因する記録品質の低下を抑制することができるとともに、記録ワイヤ44がインクリボンに引っ掛ることに起因する記録ワイヤ44の折損を抑制することができる。
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、上記第1、第2実施形態では、1行全ての記録パターンに対応する推定変位量を、ROM58から読み出し、これらの平均値(或いは最大値)を推定した変位量としている場合について説明したが、これに限るものではなく、1行の記録パターンの内、複数の記録パターンをサンプリングし、このサンプリングした記録パターンに対応する推定変位量を、ROMから読み出し、これらの平均値(或いは最大値)を推定した変位量としている場合であってもよいし、1行の記録パターンの内、1つの記録パターンをサンプリングし、このサンプリングした記録パターンに対応する推定変位量を、推定した変位量としている場合であってもよい。
10…プリンタ(記録装置)、11…プリンタ本体、18…記録ヘッド、19…キャリッジ、21…プラテン、31…キャリッジ軸、39…リボンカートリッジ、40…付勢ばね(付勢部材)、41…コロ(ギャップ保持部材)、44…記録ワイヤ、51…コントローラ、56…荷重センサ、57…CPU(制御手段、変位量推定手段、変更手段)、58…ROM、100…シート。
Claims (7)
- 記録ワイヤを備えた記録ヘッドに対向するプラテンが、付勢部材により前記記録ヘッドに向けて付勢され、この付勢されたプラテン上に搬送されたシートに、インクリボンを介して前記記録ワイヤを突出して画像を記録する記録装置において、
前記付勢部材による前記プラテンへの付勢力を測定し、この測定結果に基いて、前記記録ヘッドの駆動条件を変更する制御手段を備えたことを特徴とする記録装置。 - 請求項1に記載の記録装置において、
前記制御手段が、
前記測定結果に基いて、前記記録ワイヤの突出による前記プラテンの変位量を推定する変位量推定手段と、
この変位量推定手段の推定結果に基いて、前記記録ヘッドの駆動条件を変更する変更手段とを備えたことを特徴とする記録装置。 - 請求項2に記載の記録装置において、
前記変位量推定手段は、前記記録ワイヤにより前記シートに画像を記録する記録パターンに対応する前記プラテンの変位量を推定することを特徴とする記録装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の記録装置において、
前記変更手段は、前記変位量推定手段により推定された変位量が、予め定めた所定量を上回った場合、前記記録ワイヤを駆動する駆動周波数を低下させるとともに、前記記録ヘッドを搭載するキャリッジの移動速度を低下させることを特徴とする記録装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の記録装置において、
前記変更手段は、前記変位量推定手段により推定された変位量が、予め定めた所定量を上回った場合、前記記録ワイヤの突出力を低下させることを特徴とする記録装置。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の記録装置において、
前記記録ヘッドの先端には、前記プラテンに接触して、当該記録ヘッドと前記プラテンとの間のギャップを所定のギャップに保持するギャップ保持部材が設けられ、
前記制御手段は、このギャップ保持部材に設けた荷重センサで測定することを特徴とする記録装置。 - 記録ワイヤを備えた記録ヘッドに対向するプラテンが、付勢部材により前記記録ヘッドに向けて付勢され、この付勢されたプラテン上に搬送されたシートに、インクリボンを介して前記記録ワイヤを突出して画像を記録する記録装置の制御方法において、
前記付勢部材による前記プラテンへの付勢力を測定する測定過程と、
この測定結果に基いて、前記記録ヘッドの駆動条件を変更する制御過程とを備えたことを特徴とする記録装置の制御方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004027744A JP2005219270A (ja) | 2004-02-04 | 2004-02-04 | 記録装置及び記録装置の制御方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020040283A (ja) * | 2018-09-10 | 2020-03-19 | 株式会社寺岡精工 | 印刷装置 |
-
2004
- 2004-02-04 JP JP2004027744A patent/JP2005219270A/ja active Pending
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JP2020040283A (ja) * | 2018-09-10 | 2020-03-19 | 株式会社寺岡精工 | 印刷装置 |
JP7173534B2 (ja) | 2018-09-10 | 2022-11-16 | 株式会社寺岡精工 | 印刷装置 |
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