JP2006168289A - 記録ヘッド及び記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 リアガイドによって記録シートが汚れるのを抑制し、記録品質の低下を抑制すること。
【解決手段】 記録ヘッドにおいて、記録ワイヤ52を案内するノーズ53を備え、このノーズ53の一側面としての平坦面62に、記録シート上をヘッド移動方向に転動し、記録シート面とノーズ先端53Aとのギャップを規定するガイドローラ56を配置すると共に、ノーズ53の平坦面62の反対側の他側面に、金属板で形成され、先端面63Cが記録シートに当接するリアガイド63を配置し、このリアガイド63の先端面63Cを、平滑に研磨した。
【選択図】 図6
【解決手段】 記録ヘッドにおいて、記録ワイヤ52を案内するノーズ53を備え、このノーズ53の一側面としての平坦面62に、記録シート上をヘッド移動方向に転動し、記録シート面とノーズ先端53Aとのギャップを規定するガイドローラ56を配置すると共に、ノーズ53の平坦面62の反対側の他側面に、金属板で形成され、先端面63Cが記録シートに当接するリアガイド63を配置し、このリアガイド63の先端面63Cを、平滑に研磨した。
【選択図】 図6
Description
本発明は、記録シートに当接させる先端面を有するリアガイドを備えた記録ヘッド及び記録装置に関する。
一般に、記録装置として、キャリッジに搭載される記録ヘッドを備え、この記録ヘッドの記録ワイヤを、リボンカートリッジから繰り出されたインクリボンを介して、プラテン上に搬送された記録シートに打ち付けることで、文字等のテキストを含む画像を記録シートに記録するドットインパクトプリンタが知られている。
この種のプリンタでは、中央に折り返し部分(いわゆるセンターホールド)を有する記録シート(例えば、通帳)を記録対象とするものがあり、記録ヘッドのヘッド駆動部に連設されたノーズの一側面に、ローラ支持部材を介してガイドローラを設け、プラテンを記録ヘッド方向にばね付勢したり、記録ヘッドあるいはキャリッジをプラテン方向にばね付勢しておき、記録シートに段差が形成されていても、記録ヘッドのノーズの先端とプラテンに搬送された記録シート面とのギャップ(以下、「プラテンギャップ」という)を適正に保つようにしている(例えば、特許文献1参照)。このガイドローラの周面は、通帳等の記録シート上を円滑に転動させるために、ゴムで形成されている。
特開2003−159851号公報
ところで、上記記録ヘッドにおいて、ノーズ先端側に記録シートが浮き上がるのを防止すべく、ガイドローラが配置されるノーズの一側面とは反対側の他側面に、金属板で形成され、先端面が記録シート面上を摺動するリアガイドを配置するものが提案されている。
この種のリアガイドは、金属板がプレス加工装置により打ち抜かれて形成され、リアガイドの刃の抜け側の端面には、微小な凹凸を有する破断面が形成される。このリアガイドを有する記録ヘッドにより記録シートに画像を記録する場合、記録シート上のインクが十分に乾燥していない箇所をリアガイドの先端面が摺動することとなるので、この破断面がヘッド移動方向にインクを引きずり、記録シートの面上を汚してしまい、記録品質が低下してしまう。
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、リアガイドによって記録シートがインクで汚れるのを抑制することができる記録ヘッド及びこの記録ヘッドを備えた記録装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、記録ワイヤを案内するノーズを備え、このノーズの一側面に、記録シート上をヘッド移動方向に転動し、記録シート面とノーズ先端とのギャップを規定するガイドローラを配置すると共に、前記ノーズの一側面の反対側の他側面に、金属板で形成され、先端面が記録シートに当接するリアガイドを配置し、このリアガイドの先端面を、平滑に研磨したことを特徴とするものである。
前記構成によれば、リアガイドの先端面が平滑に研磨されるので、リアガイドの先端面と記録シートとの間の接触抵抗が低下し、記録シートに染み込んだ未乾燥インクがリアガイドの先端面によって掻き出されて引きずられるのを抑制することができるので、記録シートがインクで汚れるのを抑制することができ、記録品質の低下を抑制することができる。
前記構成によれば、リアガイドの先端面が平滑に研磨されるので、リアガイドの先端面と記録シートとの間の接触抵抗が低下し、記録シートに染み込んだ未乾燥インクがリアガイドの先端面によって掻き出されて引きずられるのを抑制することができるので、記録シートがインクで汚れるのを抑制することができ、記録品質の低下を抑制することができる。
また、前記記録ヘッドにおいて、前記リアガイドの先端面は、表面粗さRaが1.6μm以下に研磨加工されていることを特徴とするものである。
前記構成によれば、リアガイドの先端面の表面粗さRaが1.6μm以下であるので、リアガイドの先端面が平滑であり、リアガイドの先端面によって記録シートに染み込んだインクが掻き出されるのを効果的に抑制することができ、記録シートがインクで汚れるのを効果的に抑制することができ、記録品質の低下を効果的に抑制することができる。
前記構成によれば、リアガイドの先端面の表面粗さRaが1.6μm以下であるので、リアガイドの先端面が平滑であり、リアガイドの先端面によって記録シートに染み込んだインクが掻き出されるのを効果的に抑制することができ、記録シートがインクで汚れるのを効果的に抑制することができ、記録品質の低下を効果的に抑制することができる。
また、前記記録ヘッドにおいて、前記リアガイドの先端面は、化学研磨により研磨加工されていることを特徴とするものである。
前記構成によれば、リアガイドの先端面をより効果的に平滑にすることができるので、リアガイドの先端面によって記録シートがインクで汚れるのをより効果的に抑制することができ、記録品質の低下をより効果的に抑制することができる。
前記構成によれば、リアガイドの先端面をより効果的に平滑にすることができるので、リアガイドの先端面によって記録シートがインクで汚れるのをより効果的に抑制することができ、記録品質の低下をより効果的に抑制することができる。
また、前記記録ヘッドにおいて、前記リアガイドの先端面は、前記ガイドローラと略同曲率に形成されていることを特徴とするものである。
前記構成によれば、リアガイドの先端面が、ガイドローラと略同曲率に形成されているので、リアガイドの先端面がより円滑に記録シート面上を移動することとなり、リアガイドの先端面によって記録シートがインクで汚れるのをより効果的に抑制することができ、記録品質の低下をより効果的に抑制することができる。
前記構成によれば、リアガイドの先端面が、ガイドローラと略同曲率に形成されているので、リアガイドの先端面がより円滑に記録シート面上を移動することとなり、リアガイドの先端面によって記録シートがインクで汚れるのをより効果的に抑制することができ、記録品質の低下をより効果的に抑制することができる。
また、前記記録ヘッドにおいて、前記ガイドローラを支持するローラ支持部材を備え、このローラ支持部材が前記ノーズの一側面に当接すると共に、前記リアガイドが前記ノーズの他側面に当接し、前記ローラ支持部材及び前記リアガイドが前記ノーズにねじで一体に固定されていることを特徴とするものである。
前記構成によれば、ローラ支持部材及びリアガイドがノーズにねじで一体に固定される場合に、リアガイドの先端面によって記録シートがインクで汚れるのを抑制することができ、記録品質の低下を抑制することができる。
前記構成によれば、ローラ支持部材及びリアガイドがノーズにねじで一体に固定される場合に、リアガイドの先端面によって記録シートがインクで汚れるのを抑制することができ、記録品質の低下を抑制することができる。
キャリッジに搭載される記録ヘッドが記録ワイヤを備え、当該記録ワイヤの突出動作によりプラテンに搬送された記録シートに画像を記録する記録装置において、前記記録ヘッドは、前記記録ワイヤを案内するノーズを備え、このノーズの上流側の一側面に、記録シート上をヘッド移動方向に転動し、記録シート面とノーズ先端とのギャップを規定するガイドローラを配置すると共に、前記ノーズの一側面の反対側の他側面に、金属板で形成され、先端面が記録シートに当接するリアガイドを配置し、このリアガイドの先端面を、平滑に研磨したことを特徴とするものである。
前記構成によれば、リアガイドの先端面が平滑に研磨されるので、リアガイドの先端面と記録シートとの間の接触抵抗が低下し、記録シートに染み込んだ未乾燥インクがリアガイドの先端面によって掻き出されて引きずられるのを抑制することができるので、記録シートがインクで汚れるのを抑制することができ、記録品質の低下を抑制することができる。
前記構成によれば、リアガイドの先端面が平滑に研磨されるので、リアガイドの先端面と記録シートとの間の接触抵抗が低下し、記録シートに染み込んだ未乾燥インクがリアガイドの先端面によって掻き出されて引きずられるのを抑制することができるので、記録シートがインクで汚れるのを抑制することができ、記録品質の低下を抑制することができる。
本発明によれば、記録ヘッドのリアガイドによって記録シートが汚れるのを抑制することができ、記録品質の低下を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る記録装置としてのドットインパクトプリンタの外観を示す正面斜視図である。図2は、プリンタ本体11を示す斜視図である。図3は、図1のプリンタ10を示す側断面図である。
図1は、本実施形態に係る記録装置としてのドットインパクトプリンタの外観を示す正面斜視図である。図2は、プリンタ本体11を示す斜視図である。図3は、図1のプリンタ10を示す側断面図である。
図1乃至図3に示す記録装置としてのドットインパクトプリンタ10は、記録ヘッド18(図2及び図3参照)が備える複数の記録ワイヤを、インクリボン40を介して記録シートに押し付け、この記録シート上にドットを形成することにより、文字を含む画像を記録するものである。
記録シートとしては、所定長さに切断されたカットシートと、複数枚が連接された連続紙とがある。カットシートとしては、例えば単票紙や単票複写紙などの普通紙の他、通帳や葉書、封筒などがあり、連続紙としては、連続複写紙を含んでいる。図1に示す記録シートSは、通帳であり、複数枚の記録用紙が綴じられ、記録用紙の記録面を開いた場合の底面に磁気ストライプMSが設けられている。
このプリンタ10は、記録装置本体としてのプリンタ本体11と、このプリンタ本体11を覆う外装体としての上部カバー12、上部ケース13及び下部ケース14とを備えて構成される。上部ケース13及び下部ケース14の前面には、手差口15が開口している。
プリンタ本体11は、図2及び図3に示すように、左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17(一対のサイドフレーム)を備えた本体フレームと、記録ヘッド18及びキャリッジ19を備えた記録機構部20と、記録ヘッド18に対向するプラテン21と、第1搬送ローラ22及び第2搬送ローラ23を備えた第1シート搬送機構部24と、第3搬送ローラ25及び第4搬送ローラ26を備えた第2シート搬送機構部27と、記録シートSを整列させる整列板28と、記録シートSに設けられた磁気ストライプMSの磁気情報を読み取り又は書き込む磁気ヘッド34を備えた磁気データ読書部29と、磁気情報読み書き時に記録シートSの浮き上がりを上から押えるシート押え部30と、を有している。
上記本体フレームの両サイドフレーム16、17間には、キャリッジ軸31が架け渡されると共に、両サイドフレーム16、17間に平坦面形状の前方シート案内32及び後方シート案内33が固定して設けられる。これらの前方シート案内32と後方シート案内33との間に、平面形状のプラテン21が配置される。
上記第1シート搬送機構部24は、プラテン21に対してプリンタ本体11の前方側に配置され、第2シート搬送機構部27は、プラテン21に対してプリンタ本体11の後方側に配置される。更に、第1搬送ローラ22と第2搬送ローラ23が、また第3搬送ローラ25と第4搬送ローラ26が、それぞれ上下方向に配置されて対をなす。
このうち、第1搬送ローラ22、第3搬送ローラ25は、プラテン21と共に前方シート案内32、後方シート案内33のそれぞれの下方に配置され、第2搬送ローラ23、第4搬送ローラ26が、前方シート案内32、後方シート案内33のそれぞれの上方に配置される。第1搬送ローラ22及び第3搬送ローラ25は、図示しないシート搬送モータ及び駆動輪列部によって回転駆動される駆動ローラであり、第2搬送ローラ23及び第4搬送ローラ26は、それぞれ第1搬送ローラ22及び第3搬送ローラ25側に所定の押圧力でばね付勢されている従動ローラである。これによって、第1搬送ローラ22と第2搬送ローラ23とが互いに反対方向に回転駆動されると共に、第3搬送ローラ25と第4搬送ローラ26とが互いに反対方向に回転駆動される。これらシート搬送機構部24、27が動作することにより、記録シートに画像を記録する際に、記録シートがシート搬送方向X1に搬送され、記録シートを排出する際に、記録シートがシート搬送方向X2に搬送される。
上記キャリッジ19は、キャリッジ軸31に摺動自在に挿通されるとともに、記録ヘッド18を搭載している。キャリッジ19は、当該キャリッジ19を駆動する不図示のキャリッジ駆動モータの正転又は逆転により、不図示のタイミングベルトを介しキャリッジ軸31に案内されて、このキャリッジ軸31の軸方向及びプラテン21の長手方向と一致する主走査方向としてのヘッド移動方向Y(図2)に、一対のサイドフレーム16、17の範囲で走行(走査)される。このキャリッジ19(つまり、記録ヘッド18)が移動するヘッド移動方向Yは、シート搬送方向X1,X2に水平面内で直交している。
プラテン21は、キャリッジ19の走行方向(つまり、ヘッド移動方向Y)に延在して平面形状に形成され、その両端が、付勢部材としての付勢ばね41(図3)により記録ヘッド18に向けて付勢されるとともに、弾性支持されている。この付勢ばね41は、圧縮コイルばねである。この付勢ばね41の付勢力により、記録ヘッド18の記録動作時における記録ワイヤの突出力が支持される。また、プラテン21は、記録シートSの搬送中にこの記録シートSの厚さが変化した場合、又はプリンタ本体11に厚さの異なる記録シートSが搬入された場合に、付勢ばね41の付勢力に抗して、記録ヘッド18の先端により押圧されて記録ヘッド18から離れる方向に移動する。これにより、記録シートの厚さに拘わらず、記録ヘッド18の先端と記録シートSの記録面との間のギャップ(プラテンギャップ)が一定に確保される。
記録ヘッド18は、キャリッジ19と共に主走査方向としてのヘッド移動方向Yに走行される間に、記録ワイヤを突出させてインクリボン40に打ち当て、このインクリボン40のインクを、プラテン21と記録ヘッド18との間に搬送される記録シートSに付着させて、この記録シートSに文字を含む画像を記録する。このインクリボン40は、リボンカートリッジ39内に折り畳まれて収納される。このリボンカートリッジ39は、キャリッジ19又は本体フレームに装着される。
次に、プリンタ10の動作の概略を説明する。通帳としての記録シートSが図1に示す手差口15から挿入されると、整列板28が搬送経路に突出され、記録シートSが第1搬送ローラ22及び第2搬送ローラ23により挟まれてプラテン21の手前まで搬送される。
次に、整列板28を搬送経路に突出させた状態で、第1搬送ローラ22及び第2搬送ローラ23により記録シートSが搬送される。これによって、記録シートSが整列板28に沿って整列することとなる。次いで、磁気データ読書部29が記録シートSの磁気ストライプMSを読み取ることができる読み取り位置まで、記録シートSが第1シート搬送機構部24により搬送される。
次に、記録シートSの磁気ストライプMSから情報が磁気データ読書部29により読み取とられた後、第1及び第2シート搬送機構部24、27によって記録シートSがプラテン21上の記録位置まで搬送され、文字等の画像が記録ヘッド18により記録される。
この記録ヘッド18による記録動作は、記録ヘッド18がヘッド移動方向Yの左向き又は右向きに走行される間に、記録ヘッド18の記録ワイヤにより1行分の記録がなされ、この1行分の記録がなされる度に、第1搬送ローラ22、第2搬送ローラ23、第3搬送ローラ25及び第4搬送ローラ26が記録シートSを所定長(通常行間分)、シート搬送方向X1に搬送させ、これらの動作が繰り返されることにより実施される。
記録ヘッド18による記録後、記録シートSは、第1及び第2シート搬送機構部24、27によって上記読み取り位置まで搬送され、記録シートSへ記録した情報に基づいて、磁気データ読書部29により磁気ストライプMSに磁気情報が書き込まれる。次に、第1シート搬送機構部24によって記録シートSが前側に搬送され、記録シートSが手差口15から排出される。
第1、第2シート搬送機構部24、27の駆動制御、キャリッジ19の走行制御、記録ヘッド18の記録ワイヤによる記録動作の制御、及び磁気データ読書部29の読み書き制御等、プリンタ10全体を制御する制御基板部50が、例えばプリンタ本体11の後方側の下方に配置される。
次に、記録ヘッド18の構成について説明する。図4は、記録ヘッド18の断面図である。この記録ヘッド18は、複数の記録ワイヤ52を備え、キャリッジ19(図3)と共に主走査方向に走行する間に、記録ワイヤ52を突出させてインクリボン40に打ち当て、このインクリボン40のインクを、記録ヘッド18の下方に位置する通帳等の記録シートに付着させて、この記録シートに文字を含む画像を記録する。
記録ヘッド18は、記録ワイヤ52を駆動するヘッド駆動部51を備え、このヘッド駆動部51に、複数の記録ワイヤ52からなる記録ワイヤ列を案内するノーズ53が連設される。このヘッド駆動部51の外側には、アルミニウム製の放熱器54が配置されて構成される。
ヘッド駆動部51は、前段記録ヘッドユニット100と、この前段記録ヘッドユニット100と略同様の構成の後段記録ヘッドユニット101とを有しており、前段記録ヘッドユニット100と後段記録ヘッドユニット101とが重ねられて構成されている。
ここで、前段記録ヘッドユニット100と後段記録ヘッドユニット101とは、略同様の構成であるので、以下、記録ヘッドユニット100、101の説明においては、前段記録ヘッドユニット100の構成について説明し、後段記録ヘッドユニット101において前段記録ヘッドユニット100と同様の部分については、同一符号を付して説明を省略する。
前段記録ヘッドユニット100は、略リング形状のフレーム102の一方側(ノーズ53と反対側)に、略リング形状のヨーク103、サイドヨーク104が順次積層して配設されているとともに、レバーホルダ105が配置される。このレバーホルダ105は、記録シートに画像を記録するための記録用レバー106を一体に押えるものである。また、フレーム102の内周には、略円筒形状のスプリングホルダ107が配置される。
フレーム102は、軟磁性材料(例えばパーメンジュールや1%ケイ素鋼など)から構成され、同心円上に所定間隔を隔てて複数のコア108が放射状に一体に形成される。これらの各コア108に電磁コイル109がボビンを介して組み付けられ、このコア108及び電磁コイル109により電磁石110が構成される。また、フレーム102のノーズ53方向側には、電磁コイル109へ通電するための電気回路が配置された基板111が配置されている。
ノーズ53は、上述したように前段記録ヘッドユニット100、101における記録ワイヤ52の上述の突出動作を含む進退動作を案内するものである。つまり、記録ワイヤ52の進退動作は、ノーズ53内の複数の中間ガイド59及び先端ガイド55により案内される。ここで、後段記録ヘッドユニット101の図示しない記録ワイヤは、前段記録ヘッドユニット100の後方から挿通され、ノーズ53の中間ガイド59及び先端ガイド55によって案内されている。これによって、シート搬送方向X1,X2と略平行に記録ワイヤ列が形成される。
ヨーク103及びサイドヨーク104には、周方向に複数形成されたそれぞれの凹部に各1本の記録用レバー106が収容され、また、これらの記録用レバー106の基端が支点軸112を基準に回動可能に支持される。
各記録用レバー106の先端には、記録ワイヤ52が装着される。また、スプリングホルダ107には、各記録用レバー106の先端付近に復帰力を付与する圧縮コイルばねとしての図示しない復帰コイルばねがそれぞれ収容されている。
各記録用レバー106には、各コア108に対向する位置にアーマチュア113が設けられる。アーマチュア113は、電磁石110の電磁コイル109に通電がなされて、この電磁石110の周囲に磁気回路が形成されたとき、コア108が励磁されて発生した吸引力によってコア108に吸引される。これにより、記録用レバー106は、支点軸112を中心として記録ワイヤ52をノーズ53の先端から突出させる突出位置までノーズ53方向に回動し、記録ワイヤ52をノーズ53の先端から突出させる。この記録ワイヤ52の突出により、記録ヘッド18は、記録ヘッド18に対向配置されたインクリボン40のインクをプラテン21上の記録シートSに転写することとなる。
このプリンタ10においては、例えば、通帳の見開き頁間に跨って画像を記録する場合がある。そして、通帳の見開き頁間に跨って画像を記録する場合、記録ヘッド18は、見開き頁間の中央の段部(いわゆるセンターホールド)又は端部などの段差を乗り越えて走査される。記録ヘッド18のノーズ53近傍には、記録シート厚にかかわらずプラテンギャップを適正に保持するため、記録シート上をカバーシート35(図3参照)を介して転動する1つのガイドローラ56が設けられている。カバーシート35は、プラテン21に沿って、サイドフレーム16、17間に延在しており、サイドフレーム16、17に支持されている。このカバーシート35は、板状の樹脂(例えば、プラスチック)で形成されている。このカバーシート35によってガイドローラ56が記録シートSに直接当接するのを防止し、ガイドローラ56により記録シートSが汚れるのを防止することができる。
ガイドローラ56は、当該ガイドローラ56を回転可能に支持するローラ支持部材57を介してノーズ53の先端53A近傍に取り付けられ、記録ヘッド18の移動に伴って、記録ヘッド18の移動するヘッド移動方向Y(図2)に転動する。
ガイドローラ56は、円盤状のアルミニウム等の金属で形成された基体56Aを備え、この基体56Aの周縁部にゴム56Bが設けられている。このガイドローラ56のゴム56Bは、NBRで構成してもよいが、プラテン21(図3)は、記録ヘッド18方向に付勢ばね41により付勢されており、紙厚に応じてガイドローラ56にかかる荷重が変化するので、荷重変化に対する変形量の小さいウレタンで構成するのが好ましい。
図5は、記録ヘッド18を示す斜視図である。
ノーズ53は、加工の精度や放熱性、耐久性等を向上させるためにノーズ本体が、放熱器54と同材質のアルミニウムで形成されており、このノーズ53の先端53Aには、記録ワイヤ52の進退を案内する樹脂製又はセラミックス製の先端ガイド55が設けられている。
ノーズ53は、加工の精度や放熱性、耐久性等を向上させるためにノーズ本体が、放熱器54と同材質のアルミニウムで形成されており、このノーズ53の先端53Aには、記録ワイヤ52の進退を案内する樹脂製又はセラミックス製の先端ガイド55が設けられている。
ノーズ53は、図5及び図6に示すように、先端ガイド55及び中間ガイド59(図4)を保持して記録ワイヤ52を案内するワイヤガイド部60と、このワイヤガイド部60の両側に形成され、ローラ支持部材57を取り付けるためのリブ61とを備えている。これらリブ61は、肉厚の平板状に形成されており、ノーズ53の補強も兼ねている。
ノーズ53のワイヤガイド部60及び各リブ61の一側面は、二次加工としての切削加工が施され、平坦面62が形成されている。このノーズ53の平坦面62には、ガイドローラ56を支持したローラ支持部材57が当接される。このローラ支持部材57は、アルミニウム等の金属で形成され、このローラ支持部材57の外側には、放熱フィン66が一体に形成されている。この放熱フィン66は、記録ヘッド18のヘッド移動方向Y(図2参照)に平行に延びて形成されている。これによって、ノーズ53に伝導した熱が効果的に放熱される。
ノーズ53のワイヤガイド部60及び各リブ61の他側面は、ワイヤガイド部60が突出する凸字形状を有しており、ノーズ53の先端53A側に記録シートSがプラテン21から浮き上がるのを抑制すべく、ワイヤガイド部60及び各リブ61の他側面の凸字形状に嵌る凹字形状に折り曲げられたリアガイド63が、ノーズ53を挟んで、ローラ支持部材57に対向して配置されている。このリアガイド63は、ステンレス(SUS303等)で形成されている。
これらガイドローラ56を支持したローラ支持部材57とリアガイド63とをリブ61に固定する際には、各リブ61にそれぞれ1本のねじ70が螺合され、各ねじ70に1個のナット71が螺合されて、ローラ支持部材57、ノーズ53及びリアガイド63がねじ70及びナット71で一体に締結される。これらねじ70及びナット71は、金属で形成されている。
つまり、リアガイド63は、図7に示すように、ワイヤガイド部60に当接するワイヤガイド当接部63Aと、このワイヤガイド当接部63Aの両側に形成され、各リブ61に当接するリブ当接部63Bとを備え、ワイヤガイド当接部63Aの先端面63Cが、記録ワイヤ52の突出方向Z(図6)に延出している。この先端面63C(図7中、斜線部分)は、ガイドローラ56と略同曲率(同曲率の場合を含む。)に形成されている。これによって、記録ヘッド18は、記録シートS面上を円滑に移動することができる。
図8は、記録ヘッド18近傍を示す概略断面図である。この図8に示すように、ガイドローラ56は、シート搬送方向X1に搬送される記録シートS上に記録ワイヤ52により画像が記録される位置の上流側(つまり、ノーズ53の上流側)に配置され、リアガイド63は、記録ワイヤ52により画像が記録される位置の下流側(つまり、ノーズ53の下流側)に配置されている。つまり、リアガイド63の先端面63Cは、記録シートSの記録ワイヤ52により記録したインクが染み込んでいる箇所をヘッド移動方向Y(図2参照)に摺動することとなる。
ところで、リアガイド63は、ステンレス板が不図示のプレス加工装置により打ち抜かれて形成されている。図9は、打ち抜いた直後のリアガイド63の先端面63Cを示すリアガイド63の断面図である。この図9に示すように、リアガイド63の先端面63Cにおける不図示のプレス加工装置の刃の抜け側には、微小な凹凸を有する破断面Aが形成される。仮に、この破断面Aを有する先端面63Cが記録シートS面上を摺動する場合、記録シートS面上のインクが十分に乾燥していない箇所を破断面Aを有する先端面63Cが接触することとなるので、この破断面Aが記録シートSの繊維を削り取り、記録シートSに浸透したインクを掻き出してヘッド移動方向Yに引きずり、記録シートSの面上を汚してしまうこととなる。
そこで、本第実施形態では、リアガイド63の先端面63C(図7中、斜線で示した面)は、図10に示すように、凹凸を有する破断面がなくなるように平滑に研磨されている。この先端面63Cの平均表面粗さRaは、記録シートSの表面の繊維を削って、この記録シートSに浸透した未乾燥のインクを掻き出さない程度の粗さに設定するのが好ましい。なお、リアガイド63の先端面63C以外の端面は、記録シートSに接触することはないので研磨する必要はない。
つまり、リアガイド63の先端面63Cの表面粗さRaは、記録シートSの繊維を削り取ることのない1.6μm以下となるように、エッチング液により化学研磨されている。特に、リアガイド63の先端面63Cを化学研磨した場合には、その先端面63Cは鏡面となり、先端面63Cと記録シートSの面との間の摩擦抵抗が極めて小さくなる。従って、先端面63Cにより記録シートSの繊維が削れるのを効果的に抑制することができ、記録シートSに染み込んだ未乾燥インクが掻き出されるのを抑制することができるので、記録シートSがインクで汚れるのを効果的に抑制することができる。このように、記録シートSに染み込んだ未乾燥のインクがリアガイド63の先端面63Cによって掻き出されることによる記録シートSの汚れを抑制することができるので、記録品質の低下を抑制することができる。
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、先端面63Cに化学研磨を施して鏡面とする場合について説明したが、これに限るものではなく、先端面63Cが1.6μm以下となるように先端面63Cを機械研磨してもよい。
10…プリンタ(記録装置)、18…記録ヘッド、19…キャリッジ、21…プラテン、40…インクリボン、41…付勢ばね、52…記録ワイヤ、53…ノーズ、53A…先端、56…ガイドローラ、57…ローラ支持部材、62…平坦面(一側面)、63…リアガイド、63C…先端面。
Claims (6)
- 記録ワイヤを案内するノーズを備え、このノーズの一側面に、記録シート上をヘッド移動方向に転動し、記録シート面とノーズ先端とのギャップを規定するガイドローラを配置すると共に、
前記ノーズの一側面の反対側の他側面に、金属板で形成され、先端面が記録シートに当接するリアガイドを配置し、このリアガイドの先端面を、平滑に研磨したことを特徴とする記録ヘッド。 - 前記リアガイドの先端面は、表面粗さRaが1.6μm以下に研磨加工されていることを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
- 前記リアガイドの先端面は、化学研磨により研磨加工されていることを特徴とする請求項2に記載の記録ヘッド。
- 前記リアガイドの先端面は、前記ガイドローラと略同曲率に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の記録ヘッド。
- 前記ガイドローラを支持するローラ支持部材を備え、このローラ支持部材が前記ノーズの一側面に当接すると共に、前記リアガイドが前記ノーズの他側面に当接し、前記ローラ支持部材及び前記リアガイドが前記ノーズにねじで一体に固定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の記録ヘッド。
- キャリッジに搭載される記録ヘッドが記録ワイヤを備え、当該記録ワイヤの突出動作によりプラテンに搬送された記録シートに画像を記録する記録装置において、
前記記録ヘッドは、前記記録ワイヤを案内するノーズを備え、このノーズの上流側の一側面に、記録シート上をヘッド移動方向に転動し、記録シート面とノーズ先端とのギャップを規定するガイドローラを配置すると共に、
前記ノーズの一側面の反対側の他側面に、金属板で形成され、先端面が記録シートに当接するリアガイドを配置し、このリアガイドの先端面を、平滑に研磨したことを特徴とする記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004367075A JP2006168289A (ja) | 2004-12-20 | 2004-12-20 | 記録ヘッド及び記録装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102673134A (zh) * | 2011-03-08 | 2012-09-19 | 精工爱普生株式会社 | 液体喷射头组件以及液体喷射装置 |
CN103158375A (zh) * | 2011-12-09 | 2013-06-19 | 冲电气工业株式会社 | 印刷装置 |
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2004
- 2004-12-20 JP JP2004367075A patent/JP2006168289A/ja active Pending
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