JP2006159631A - 銅メタライズド積層板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】絶縁フィルムの少なくとも一方の面に、ドライプロセスにより設けたシード層と、シード層上に銅または/および銅合金からなる銅含有層を設けた銅メタライズド積層板で、シード層に接した銅含有層の組成が、銅に対し銅以外の少なくとも1種類の金属が3wt%以上70wt%以下の比率である、銅メタライズド積層板およびその製造方法。
【選択図】なし
Description
電子回路を形成するための基板には、硬い板状の「リジットプリント配線板」と、フィルム状で柔軟、自由に曲げることができる「フレキシブルプリント配線板(FPC)」がある。
特に、FPCは、その柔軟性を生かし、LCDドライバー用配線板、HDD、DVDモジュール、携帯電話等のヒンジ部のような屈曲性が要求される箇所に使用できるため、その需要はますます増加してきている。
このFPCの材料として使われるのが、ポリイミド、ポリエステルなど絶縁フィルムの上に、銅箔(導体層)を貼り付けた銅張積層板(CCL=Copper Clad Laminate)である。
「3層CCL」と「2層CCL」を比較すると、製造コストは、3層CCLの方が絶縁フィルム、接着剤等の材料費・ハンドリング性など製造する上で容易なため価格的に安価である。一方、耐熱性、薄膜化、寸法の安定性等の特性は、2層CCLの方が優れ、回路のファインパターン化、高密度実装化を受けて、高価ではあるが、薄型化が可能な2層CCLの需要が拡大してきている。
2層CCLの製造法は3つに分けられる。一つは電解銅箔または圧延銅箔にキャスティング法によって絶縁フィルムを貼り付ける方法、二つは絶縁フィルムに電解銅箔または圧延銅箔をラミネート法により貼り付ける方法、さらに三つは、絶縁体フィルム上にドライプロセス(ここで、ドライプロセスとは、スパッタリング法、イオンプレーティング法、クラスターイオンビーム法、真空蒸着法、CVD法等を指す。)により絶縁フィルム上に薄膜の下地金属層を設け、その上に電気銅めっきを行って銅層を形成する方法がある。通常この三番目の方法をメタライジング法と呼んでいる。
しかし、絶縁フィルム上の銅箔をエッチングして配線部を形成する際、銅箔表面の凹凸により、配線部の断面形状が裾広がりの台形になりやすく、ファインパターンを切ることが困難なことが指摘されている。このことからファインパターン加工を考える場合、凹凸が大きい電解銅箔の使用はあまり適さない。
従って、最近、電解銅箔表面の平滑化、薄箔化が進んでいる。銅箔表面の平滑化は、ファインパターンを切る上では効果があるが、一方で絶縁フィルムとの密着性は低下し、ファインパターンの加工性と密着性の両者を兼ね備えた銅箔は得られていない。
さらに、COF実装においても、銅箔の表面粗さが粗いとフィルム表面にその形跡を残すこととなり、フィルムの透過性を悪くすることから表面粗さが粗いことはあまり好ましいことではない。
また、電解銅箔と同様に、9μm厚未満の銅箔を使用することは取り扱いが難しいため、9μm以上の銅箔を使用せざるを得ないのが現状である。
さらには、圧延銅箔はCOF実装においても電解銅箔より表面粗さが小さいことから、絶縁フィルムの表面を荒らす(粗くする)ことがないので、ある程度透過性が改善されるものの、圧延時に生ずる圧延スジの影響で十分満足するには至っていない。
しかし、この材料の一つの問題点として、ピール強度が確保できないという問題点があった。この問題の解決方法としては、絶縁フィルムと銅層の中間層(シード層)として、Cr、Ti、Fe、Co、Ni、W、Mo及びそれらの化合物を形成する方法が検討され、近年改善されてきている。
また、本発明の銅メタライズド積層板は、前記銅含有層の銅以外の成分が、Zn、Sn、Bi、In、Pb、Ni、Coまたはその合金の少なくとも一種類であることが好ましい。
本発明の銅メタライズド積層板は、前記銅含有層の表面にNi、Co、Cr、Zn、Sn、In、Agまたはその合金のうち、少なくとも1種類の金属層が形成されていることが好ましい。
本発明の銅メタライズド積層板は、前記銅含有層の表面に防錆処理が施されていることが好ましい。
本発明の銅メタライズド積層板は、前記銅含有層の表面にシランカップリング処理が施されていることが好ましい。
本発明の銅メタライズド積層板の製造方法において、前記金属層を形成する金属の少なくとも1種類が、Zn、Sn、Bi、In、Pb、Ni、Coまたはその合金であることが好ましい。
本発明の銅メタライズド積層板の製造方法において、前記金属層を、ドライプロセスにより形成することが好ましい。
本発明の銅メタライズド積層板の製造方法において、前記第一の銅層を、ドライプロセスにより形成すると良い。
本発明の銅メタライズド積層板の製造方法において、絶縁フィルム上にドライプロセスにより設けたシード層と、該シード層上に形成する前記金属層を、ドライプロセスにより形成することが好ましい。
本発明においては上記絶縁フィルム上に、ドライプロセスによりシード層を設ける。
シード層はCr、Ti、Fe、Co、Ni、W、Mo及びそれらの化合物(合金)からなる薄膜層を絶縁フィルム上に形成する。シード層の膜厚は、1〜50nmが好適である。これは、1nmを下回ると絶縁フィルム(例えばポリイミドフィルム)との密着性を高めるシード層としての役割を果たさなくなり、50nmを越えるとエッチング性が悪くなる危険性があるからである。
金属層を付着させる一つの方法としては、まず絶縁フィルム表面に低温プラズマ処理を施す。この低温プラズマ処理は、直流、もしくは低周波、高周波電源にて好ましくは10−3〜10Torrの酸素、窒素、アルゴン等の気体をグロー放電させて行う。
処理時間は、プラズマの濃度、エネルギー、絶縁フィルムの種類により異なるが、例えば絶縁フィルムとしてポリイミドを使用し、3×10−2Torrの酸素を13.56MHzの高周波電源でグロー放電を行った場合には(変質物質除去せず)、10〜40秒程度で密着強度がピーク値になる。従って、プラズマ処理時間は10〜40秒以上にすることが望ましい。
銅以外の1種類の金属の付着量としては、上記絶縁フィルム上に付着させた銅層に対し、0.1%〜200%の量を付着させる。付着させる銅層が0.1%以下では、拡散させたとき、フィルム表面近傍の銅層中に含有する銅以外の少なくとも1種類の金属が3wt%より少なくなるため銅の酸化を防ぐことができなくなり不適である。また、200%以上にすると銅中に拡散しない金属が銅層の上に残り耐塩酸性などに悪影響を生じさせることから不適である。
なお、本発明において、フィルム近傍の銅層とは、フィルム表面から300nm位までの範囲にある厚さを云い、フィルム表面近傍の銅層中に含有する銅以外の少なくとも1種類の金属の割合は、表面から銅層(表面から300nm以下)の銅量に対して3wt%以上70wt%以下である。
また、第一の銅層を設け、該第一の銅層上に銅以外の少なくとも1種類の金属が含まれる金属層を被覆し、その上に電気銅めっきを行った後、意図的に熱処理を行い拡散するか、またはプリント配線板作成までの熱履歴を利用して拡散を行い、銅メタライズド積層板を製造することもできる。
意図的に熱処理を行なわず、プリント配線板作成までの熱履歴を利用する場合は、少なくともプリント配線板を作成するまでの熱履歴が、上記条件と同等になる熱履歴が与えられることが必要である。50℃以下では、拡散は徐々には進行するが、時間がかかり生産性が良くない。また、350℃以上では、絶縁フィルムの性質にもよるが、絶縁フィルムの特性等を変化させたり、絶縁フィルムがそったりする可能性があり、これもあまり好ましくない。
上記銅及び銅合金の薄膜形成後または銅以外の少なくとも1種類以上の金属成膜後の銅または銅合金めっきは、電解めっきで行う方が好ましく、浴種としては、硫酸浴またはスルファミン酸浴、ピロリン酸浴またはシアン浴等が挙げられ、表面を平滑化する場合には、これらの浴に有機または/および無機の添加剤を添加してめっきを行う。
粗化処理の方法としては、塩酸、硝酸、硫酸等を用いた電気化学的エッチング処理、化学的エッチング処理、あるいはめっきにより粗化粒子を付着させる処理を行うことが好ましい。
めっきにより粗化粒子を付着させる処理の場合、Cu、若しくはCuとMoの合金粒子、またはCuとNi、Co、Fe及びCrの群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる合金粒子、若しくは該合金粒子とV、Mo及びWの群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物との混合物である微細粗化粒子を表面に付着させる。
これら金属粒子、合金粒子、或いは種々粒子の混合物を微細粗化粒子として付着させることにより、銅箔の平滑化表面に微細粗化粒子が付着し、この上にさらに絶縁フィルムを接着させる場合の接着強度を上げることができる。これらの付着金属は、少なくとも0.01mg/dm2以上100mg/dm2以下を付着させることが望ましい。0.01mg/dm2以下では接着強度を上げる効果に乏しく100mg/dm2を越える量を被覆させても接着強度を上げる効果は飽和してしまうからである。
これらの金属が被覆されていることにより、単に大気中での防錆の役目を果たすだけでなく、プリント配線板の作成時にかかる熱工程で加熱変色を防ぐことが可能である。これらの金属被覆処理は、少なくとも0.01mg/dm2以上30mg/dm2以下付着させることが望ましい。0.01mg/dm2以下では加熱変色を防ぐことができず、30mg/dm2以上付着させても耐加熱変色効果は飽和してしまうためである。
またシランカップリング剤については、ビニル系、エポキシ系、メタクリロキシ系、アミノ系、メルカプト系等を使用することが好ましい。シランカップリング剤の種類は、使用するカバーフィルム樹脂により合わせ選択し使用することが好ましい。この場合も、さらに絶縁フィルムをカバーフィルムとして接着させる場合、接着強度を上げることができる。
絶縁フィルムとして厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社、商品名:KAPTONN−150EN)を用い、キャリアガスとして酸素を使用して20秒間プラズマ処理を行った。なお、プラズマ処理の条件は、ガス圧:3×10−2Torr、高周波電源:13.56MHz、100Wである。次いで、プラズマ処理を施したポリイミドフィルムをアルカリ系水溶液に50℃、3分の条件で浸漬することにより変質物質を除去し、水洗、乾燥した。
次いで、ポリイミドフィルム上にシード層としてスパッタ法(ターゲット:クロム、キャリアガス:アルゴン)により10nmのクロム層を設け、続いて、該クロム層上に第一の銅層として、銅をスパッタ法(ターゲット:銅、キャリアガス:アルゴン)で0.20μmの厚さに設けた。次いで銅以外の金属層としてZnをスパッタ法(ターゲット:Zn、キャリアガス:アルゴン)で0.10μm被覆し、下記熱処理条件Aで熱処理を行ってZnを第一の銅層内に拡散させて銅含有層を形成した。この銅含有層は、フィルム表面近傍の銅層中にZnを29wt%含有していた。その後、厚さが8μmになるように電気銅めっき条件Aにより電気銅めっきを施し第二の銅層を形成した。
温度 200℃
時間 10時間
雰囲気 N2中
〔電気銅めっき条件A〕
硫酸銅 50g/l
硫酸 100g/l
添加剤 微量
電流密度 0.1〜1A/dm2
実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム上にスパッタ法で10nmのクロム層(シード層)を設け、続いて、クロム層上に銅層をスパッタ法で0.20μm設けた(第一の銅層)。さらにZn層をスパッタ法で0.014μm被覆し(金属層)、上記熱処理条件Aで熱処理を行ってZnを銅の薄膜層(第一の銅層)内に拡散させ、フィルム表面近傍の銅層中にZnを5wt%含有させた。その後、厚さが8μmになるように電気銅めっき条件Aにより電気銅めっきを施し第二の銅層を形成した。
実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム上にスパッタ法で10nmのクロム層を設け、続いて、クロム層上に銅層をスパッタ法で0.08μm設けた。さらにZn層をスパッタ法で0.15μm被覆し、熱処理条件Aで熱処理を行ってZnを銅の薄膜層内に拡散させ、フィルム表面近傍の銅層中にZnを60wt%含有させた。その後、厚さが8μmになるように電気銅めっき条件Aにより電気銅めっきを施し第二の銅層を形成した。
実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム上にスパッタ法で10nmのクロム層を設け、続いて、クロム層上に銅層をスパッタ法で0.20μm設けた。さらにスパッタ法によりZn層を0.10μmの厚さに被覆し、その上に厚さが8μmになるように実施例1と同様に電気銅めっき条件Aで銅層を設けた。この後、熱処理条件Aで熱処理を行い、Znを拡散させフィルム表面近傍の銅層中にZnを29wt%含有させた。
実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム上にスパッタ法で10nmのクロム層を設け、続いて、クロム層上に銅層をスパッタ法で0.20μm設けた。さらにスパッタ法によりSn層を0.10μmの厚さに被覆し、下記熱処理条件Bにて熱処理を行い、Snを拡散させフィルム表面近傍の銅層中にSnを29wt%以上含有させ、その上に厚さ8μmになるように実施例1と同様に電気銅めっき条件Aで銅層を施した。
〔熱処理条件B〕
温度 210℃
時間 5時間
雰囲気 N2中
実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム上にスパッタ法で10nmのクロム層を設け、続いて、クロム層上に銅層をスパッタ法で0.20μm設けた。さらにスパッタ法によりSn−Bi層(ターゲット:Sn90%−Bi10%合金、キャリアガス:アルゴン)を0.013μmの厚さに被覆し、下記熱処理条件Cにて熱処理を行い、Sn及びBiを拡散させ、フィルム表面近傍の銅層中にSn−Biを合計で5wt%含有させ、その上に厚さ8μmになるように実施例1と同様に電気銅めっき条件Aで銅層を施した。
〔熱処理条件C〕
温度 220℃
時間 5時間
雰囲気 N2中
実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム上にスパッタ法で10nmのクロム層を設け、続いて、クロム層上に銅層をスパッタ法で0.20μm設けた。さらにスパッタ法によりIn層を0.03μmの厚さに被覆し、上記熱処理条件Cにて熱処理を行い、Inを拡散させ、フィルム表面近傍の銅層中にInを11wt%含有させた。この後、その上に厚さ8μmになるように実施例1と同様に電気銅めっき条件Aで銅層を施した。
実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム上にスパッタ法で10nmのクロム層を設け、続いて、クロム層上に銅層をスパッタ法で0.20μm設けた。さらにスパッタ法によりSn−Pb層(ターゲット:Sn70%−Pb30%合金、キャリアガス:アルゴン)を0.01μmの厚さに被覆し、熱処理条件Cにて熱処理を行い、Snまたは及びPbを拡散させ、フィルム表面近傍の銅層中にSn−Pbを合計で12wt%含有させた 。その上に厚さ8μmになるように実施例1と同様に電気銅めっき条件Aで銅層を施した
実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム上にスパッタ法で10nmのクロム層を設け、続いて、クロム層上にNi層をスパッタ法で0.003μm設けた。さらにスパッタ法によりZn層を0.02μmの厚さに被覆し、Zn層上に銅層をスパッタ法により0.20μm設け、上記熱処理条件Aにて熱処理を行い、Znを拡散させ、フィルム表面近傍の銅層中にZnを11wt%含有させるようにした 。
この後、その上に厚さ8μmになるように実施例1と同様に電気銅めっき条件Aで銅層を施した。
実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム上にスパッタ法で10nmのクロム層を設け、続いて、クロム層上にCo層をスパッタ法で0.003μm設けた。さらにスパッタ法によりZn層を0.02μmの厚さに被覆し、Zn層上に銅層をスパッタ法により0.20μm設けた。熱処理条件Aにて熱処理を行い、Znを拡散させ、フィルム表面近傍の銅層中にZnを11wt%含有させるようにした 。
この後、その上に厚さ8μmになるように実施例1と同様に電気銅めっき条件Aで銅層を施した
実施例1と同様に、絶縁フィルムとして厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社、商品名:KAPTONN−150EN)を用い、キャリアガスとして酸素を使用して20秒間プラズマ処理を行った。なお、プラズマ処理条件はガス圧:3×10−2Torr、高周波電源:13.56MHz、100Wである。
次いで、プラズマ処理を施したポリイミドフィルムをアルカリ系水溶液に50℃、3分の条件で浸漬することにより変質物質を除去し、水洗、乾燥した。その後、ポリイミドフィルム上にスパッタ法(ターゲット:クロム、キャリアガス:アルゴン)によって、10nmのクロム層を設け、続いて、クロム層上に銅層をスパッタ法(ターゲット:銅、キャリアガス:アルゴン)で0.2μm設けた。その上に厚さが8μmになるように電気銅めっき条件Aで銅層を施した。
比較例1と同様にして、ポリイミドフィルム上にスパッタ法で10nmのクロム層を設け、続いて、クロム層上に銅層をスパッタ法で0.2μm設けた。さらにZn層をスパッタ法で0.005μm被覆し、上記熱処理条件Aで熱処理を行ってZnを銅の薄膜層内に拡散させ、フィルム表面近傍の銅層中にZnを2wt%含有させた。その後、厚さが8μmになるように電気銅めっき条件Aにより電気銅めっきを施した。
比較例1と同様にして、ポリイミドフィルム上にスパッタ法で10nmのクロム層を設け、続いて、クロム層上に銅層をスパッタ法で0.03μm設けた。さらにZn層をスパッタ法で0.17μm被覆し、条件Aで熱処理を行ってZnを銅の薄膜層内に拡散させ、フィルム表面近傍の銅層中にZnを82wt%含有させた。その後、厚さが8μmになるように電気銅めっき条件Aにより電気銅めっきを施した。
評価サンプルの試作
上記実施例及び比較例で作成した銅張積層板(サイズ100mm×50mm)を150℃の恒温槽に168時間入れ試作サンプルとした。
ピール強度の測定
上記熱処理を行った銅張積層板から試料を切りだし、JISC6511に規定する方法に準拠し、幅1mmの測定試料により、8μm銅膜とポリイミドフィルムのピール強度をn=3で測定した。
[ピール強度]
評価結果を表1に示す。表1はn=3の平均値で示している。
表1から明らかなように、各実施例および比較例3のサンプルのピール強度は加熱処理前の強度と比較して大きく劣化しているものはなく、製品として満足する強度を保持したが、比較例1,2のサンプルはピール強度が極端に落ち、製品としての価値が損なわれる結果となった。
前記評価サンプルとして実施例および比較例で作成した銅張積層板にL/S=25/25μm幅の回路をエッチングにより形成した。その結果、実施例及び比較例で作成した銅張積層板はいずれも回路の幅がシャープに切れ、その面はほぼ垂直であった。しかし、このあと、シプレイ・ファーイースト(株)より販売されている無電解錫めっき液を使い、70℃、3分で錫めっきを行ったところ、比較例3は錫めっき後にポリイミドと銅の界面に浸食が発生した。
前記評価サンプルとして実施例および比較例で作成した銅張積層板にL/S=25/25μm幅の回路を形成し、n=1,000で、該回路にICチップを実装した。実装条件はチップ側温度:460℃、テープ側温度:100℃、荷重:15kgf(13.6MPa)、時間:3秒である。その結果、実施例1〜10のサンプル及び比較例3のサンプルではICを正常に回路に実装でき、ポリイミド−回路間の剥離が全く発生しなかった。これに対し、比較例1〜2のサンプルは熱がかかったときのピール強度が弱いため、比較例1ではn=5のポリイミド−回路間の剥離が、比較例2ではn=3のポリイミド−回路間の剥離が発生した。
Claims (15)
- 絶縁フィルムの少なくとも一方の面にドライプロセスにより設けたシード層と、該シード層上に銅または/および銅合金からなる銅含有層を設けた銅メタライズド積層板であって、前記シード層に接した面の銅含有層組成が、銅に対し銅以外の少なくとも1種類の金属が3wt%以上70wt%以下の比率であることを特徴とする銅メタライズド積層板。
- 前記銅含有層が、銅合金層と、該銅合金層上に設けた銅層からなり、銅合金の組成が、銅に対し銅以外の少なくとも1種類の金属が3wt%以上70wt%以下の比率で含有されていることを特徴とする請求項1に記載の銅メタライズド積層板。
- 銅に対し、3wt%以上70wt%以下の比率で含有されている銅以外の金属の少なくとも一種類が、Zn、Sn、Bi、In、Pb、Ni、Coまたはその合金であることを特徴とする請求項1または2に記載の銅メタライズド積層板。
- 前記銅含有層の表面が粗化処理されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の銅メタライズド積層板。
- 前記銅含有層の表面にNi、Co、Cr、Zn、Sn、In、Agまたはその合金のうち、少なくとも1種類の金属が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の銅メタライズド積層板。
- 前記銅含有層の表面に防錆処理が施されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の銅メタライズド積層板。
- 前記銅含有層にシランカップリング処理が施されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の銅メタライズド積層板。
- 絶縁フィルムの表面に、ドライプロセスによりシード層を設け、該シード層上に銅からなる第一の銅層を形成し、次いで該第一の銅層上に銅以外の少なくとも1種類の金属からなる金属層を設け、次いで、熱履歴を与えることにより前記第一の銅層と金属層とを熱拡散させて銅含有層を形成し、該銅含有層上に銅からなる第二の銅層を形成することを特徴とする銅メタライズド積層板の製造方法。
- 絶縁フィルムの表面に、ドライプロセスにより設けたシード層と、該シード層上に銅からなる第一の銅層を形成し、次いで該第一の銅層上に銅以外の少なくとも1種類の金属からなる金属層を設け、次いで、該金属層上に銅からなる第二の銅層を形成し、次いで、熱履歴を与えることにより前記第一の銅層と金属層とを熱拡散させて銅含有層を形成することを特徴とする銅メタライズド積層板の製造方法。
- 絶縁フィルムの表面に、ドライプロセスにより設けたシード層と、該シード層上に銅以外の少なくとも1種類の金属を付着して金属層を設け、該金属層上に銅からなる第一の銅層を形成し、次いで熱履歴を与えることにより前記金属層と第一の銅層とを熱拡散させて銅含有層を形成し、次いで、該銅含有層上に銅からなる第二の銅層を形成することを特徴とする銅メタライズド積層板の製造方法。
- 絶縁フィルムの表面に、ドライプロセスにより設けたシード層と、該シード層上に銅以外の少なくとも1種類の金属からなる金属層を設け、該金属層上に銅からなる第一の銅層を形成し、次いで、該第一の銅層上に銅からなる第二の銅層を形成し、次いで、熱履歴を与えることにより前記金属層と第一の銅層とを熱拡散させて銅含有層を形成することを特徴とする銅メタライズド積層板の製造方法。
- 前記銅含有層の組成が、銅に対し銅以外の少なくとも1種類の金属が3wt%以上70wt%以下の比率で含有されていることを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の銅メタライズド積層板の製造方法。
- 前記金属層を形成する金属の少なくとも1種類が、Zn、Sn、Bi、In、Pb、Ni、Coまたはその合金であることを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載の銅メタライズド積層板の製造方法。
- 前記金属層を、ドライプロセスにより形成することを特徴とする請求項8乃至13のいずれかに記載の銅メタライズド積層板の製造方法。
- 前記第一の銅層を、ドライプロセスにより形成することを特徴とする請求項8乃至14のいずれかに記載の銅メタライズド積層板の製造方法。
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