JP2006154610A - 光学フィルム、その製造方法、偏光板及び表示装置 - Google Patents

光学フィルム、その製造方法、偏光板及び表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 高温または高温高湿下で質量変化が少なく、異物の少ない光学フィルム、光もれが起きにくい偏光板及び表示装置を提供する。
【解決手段】 セルロースエステル及び下記一般式(1)で表されるアルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物をSiO2に換算して該セルロースエステルに対し0.05〜3質量%含有する、溶剤キャスト法による光学フィルムの製造方法であって、該セルロースエステル及び該アルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物を溶解した溶液を、密閉容器内において80〜150℃で加熱する工程を有することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
【化1】
Figure 2006154610

(式中、R、R′は水素原子または一価の置換基を表し、nは3または4を表す)
【選択図】 なし

Description

本発明は、光学フィルム、その製造方法、偏光板及び表示装置に関する。
従来、液晶表示素子、有機EL表示素子、プラズマディスプレイ、電子ペーパー等の電子ディスプレイ素子用基板、あるいはCCD、CMOSセンサー等の電子光学素子用基板、あるいは太陽電池用基板としては、熱安定性、透明性の高さ、水蒸気透過性の低さからガラスが用いられてきた。しかし、最近携帯電話あるいは携帯用の情報端末の普及に伴い、それらの基板用として割れやすく比較的重いガラスに対し、屈曲性に富み割れにくく軽量な基板が求められるようになった。そこでポリエーテルスルホン、ポリカーボネートあるいは特開平5−142525号公報に記載のポリエーテルスルホンとアクリル系基板を張り合わせたプラスチック基板が提案され一部で採用されるようになったが、価格が高価であったり透過率や複屈折等の光学的性質が充分でない等の理由で普及の妨げになっていた。また、これらの基板フィルムは波長分散特性が負であるため、複屈折を利用した表示方法を採用しており、例えば、STN、VAあるいはIPSモードの液晶パネルにおいては可視光の全波長域で偏光の補償ができず、表示色の色ずれの原因となり、また、有機EL表示素子においてはコントラストの低下を起こしていた。
最近、特許文献1において、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリイミド、ポリアミド等の樹脂に対し金属酸化物をナノスケールで混合・相溶させる有機−無機ポリマーハイブリッドという手法によって、耐熱性を向上させたプラスチックフィルムが開示されている。これらのフィルムは耐熱性に優れ、複屈折等の光学的性質にも優れているため、液晶表示素子、有機EL素子等の電子ディスプレイフィルムに用いられる防湿性フィルム、導電性フィルムとしては、ガラス等に代わる好ましい光学フィルムである。
しかしながらこれらのフィルムを溶剤キャスト法(流延法)によって得るようとする場合、製膜条件により、形成されるフィルムのヘイズ値が高く濁ったフィルムを与える、また透過率が低い等の問題があり、またこれらの特性にバラツキが生じたりする等の問題があった。また、用いる溶剤によっては、沸点が高いために、乾燥時間が長く、生産性が低いという課題や、有機−無機ハイブリッドフィルムの原料の溶解液(ドープ)が経時でゲル化し、塗布、製膜できなくなるといった課題を有していた。
また、これらの有機−無機ハイブリッドフィルムとしては、特許文献2において、有機高分子及び金属アルコキシドの加水分解重縮合物の溶液を密閉容器内において溶剤の沸点以上の温度で加熱する工程を含む光学フィルムの製造方法が開示されている。
しかしながらこの製造方法で得られた光学フィルムは高温または高温高湿下で寸法安定性が低く、ヘイズ値も高かった。
特開2000−122038号公報 特開2004−224958号公報
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、高温または高温高湿下で質量変化が少なく、異物の少ない光学フィルム、光もれが起きにくい偏光板及び表示装置を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
セルロースエステル及び下記一般式(1)で表されるアルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物をSiO2に換算して該セルロースエステルに対し0.05〜3質量%含有する、溶剤キャスト法による光学フィルムの製造方法であって、該セルロースエステル及び該アルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物を溶解した溶液を、密閉容器内において80〜150℃で加熱する工程を有することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
Figure 2006154610
(式中、R、R′は水素原子または一価の置換基を表し、nは3または4を表す)
(請求項2)
前記アルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物をセルロースエステルに対し0.05〜0.5質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
(請求項3)
前記セルロースエステルが下記式(1)、(2)を同時に満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルムの製造方法。
式(1) 2.3≦X+Y≦2.9
式(2) 1.4≦X≦2.9
(式中、Xはアセチル基の置換度、Yは芳香族カルボニル基、炭素数3〜22の脂肪族カルボニル基の置換度を表す)
(請求項4)
前記アルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物の分子量が200〜10000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
(請求項5)
前記密閉容器内において80〜150℃で加熱したドープを1時間以上かけて室温にまで冷却することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
(請求項6)
アルコキシケイ素化合物の加水分解重縮合物を得る加水分解工程においてイオン交換樹脂を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
(請求項7)
請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法によって得られ、23℃55%RH下で下記式(3)で表される面内のリターデーション値Rtが0〜400nmであることを特徴とする光学フィルム。
式(3) Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
(式中、nxはフィルム面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyはnxに直角な方向でのフィルム面内の屈折率、nzはフィルムの厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を表す)
(請求項8)
請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法によって得られ、23℃55%RH下で下記式(4)で表される面内のリターデーション値Roが20〜300nmであることを特徴とする光学フィルム。
式(4) Ro=(nx−ny)×d
(式中、nxはフィルム面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyはnxに直角な方向でのフィルム面内の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を表す)
(請求項9)
請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法によって得られた光学フィルム、請求項7に記載の光学フィルムまたは請求項8に記載の光学フィルムを有することを特徴とする偏光板。
(請求項10)
請求項9に記載の偏光板を用いて構成されていることを特徴とする表示装置。
本発明により、高温または高温高湿下で質量変化が少なく、異物の少ない光学フィルム、光もれが起きにくい偏光板及び表示装置を提供することができる。
本発明者は鋭意研究の結果、セルロースエステル及び前記一般式(1)で表されるアルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物をSiO2に換算して該セルロースエステルに対し0.05〜3質量%含有する、溶剤キャスト法による光学フィルムの製造方法であって、該セルロースエステル及び該アルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物を溶解した溶液を、密閉容器内において80〜150℃で加熱する工程を有する光学フィルムの製造方法により、高温または高温高湿下で質量変化が少なく、異物の少ない光学フィルムが得られることを見出した。
また、これらの製造方法で得られた光学フィルムを用いた偏光板及びこの偏光板を用いた表示装置は光もれが起きにくいことを見出した。
以下本発明を詳細に説明する。
〔アルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物〕
本発明では前記一般式(1)で表されるアルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物を用いる。
一般式(1)において、R、R′は水素原子または一価の置換基を表し、nは3または4を表す。
一価の置換基としては、置換または無置換のアルキル基、または、置換または無置換のアリール基が好ましく、該アルキル基またはアリール基の置換基としては、アルキル基(例えばメチル基、エチル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基等)、複素環基(例えばフラン、チオフェン、ピリジン等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基等)、アシル基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、アルキルチオ基、グリシジル基、ビニル基、フッ素原子含有アルキル基またはフッ素原子含有アリール基等が挙げられる。
本発明に係る一般式(1)で表されるアルコキシケイ素化合物の加水分解重縮合が可能な化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、テトラキス(メトキシエトキシ)シラン、テトラキス(メトキシプロポキシ)シラン、テトラクロロシラン、テトライソシアナートシラン等が挙げられる。
また加水分解されない置換基を有するアルコキシケイ素化合物としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、アセトキシトリエトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリメトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン等が挙げられる。
また、これらの化合物が部分的に縮合した、多摩化学製シリケート40、シリケート45、シリケート48、Mシリケート51のような、数量体のケイ素化合物でもよい。
中でも、TEOS(テトラエトキシシラン)、TMOS(テトラメトキシシラン)が最も好ましい。
一般式(1)で表されるアルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物は、SiO2に換算して該セルロースエステルに対し0.05〜3質量%含有することが必要である。好ましくは0.05〜0.5質量%である。0.05質量%未満では光学フィルムの物性改良効果が認められなくなり、3質量%を超えると光学フィルムが脆くなり、製膜後の再溶解性が著しく低下し、生産性が低下する。また、0.05〜3質量%の範囲で高温または高温高湿下の光学フィルムの質量変化が小さく、寸法安定性が向上する。
アルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物のSiO2に換算した量を求めるには、光学フィルムを500℃に加熱燃焼させ、残渣に含まれるケイ素酸化物の質量を測定する。
アルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物の分子量は200〜10000であることが好ましく、500〜5000であることがさらに好ましい。10000を超える場合は、製膜後のフィルムのヘイズが上昇し、物性改良効果を確認できなくなる。
分子量の測定方法を下記に示す。
試料は固形分濃度が0.8質量%となるようにTHFを用いて希釈し、カラム温度25℃の条件で測定を行う。
カラム;東ソー社 TSKgelG5000HXL−TSKgelG2000HXL
溶離液:THF
ポンプ:L6000(日立製作所(株)製)
流量:1.0ml/min
検出:RI Model504(GLサイエンス社製)
試料濃度:0.8質量%
標準試料・校正曲線:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=500〜1000000〜500の13試料による校正曲線を使用する。13試料は、ほぼ等間隔に得ることが好ましい。
(アルコキシケイ素化合物の加水分解)
本発明では、一般式(1)で表されるアルコキシケイ素化合物は加水分解を行っても、加水分解を行わなくてもよい。
加水分解を行う場合は、水と触媒を加えて加水分解を起こさせて縮合反応を促進することが好ましい。
しかし、フィルムのヘイズ、平面性、製膜速度、溶剤リサイクル等の生産性の観点から、水分はドープ濃度の0.01〜2.0%とすることが好ましい。また、アルコキシケイ素化合物に水を添加する場合には、アルコキシケイ素化合物と水が混和しやすいように、メタノール、エタノール、アセトニトリルのような親水性の有機溶媒も添加されていることが好ましい。また、セルロースエステルとドープにアルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物を混合する際に、ドープからセルロースエステルが析出しないよう、セルロースエステルの良溶媒も添加することが好ましい。
アルコキシケイ素化合物を加水分解させる触媒としては、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、等の無機酸、蟻酸、酢酸、トリフロロ酢酸、レブリン酸、クエン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸等が用いられる。
このような酸類の代りに、酸性のイオン交換樹脂、ルイス酸、例えばゲルマニウム、チタン、アルミニウム、アンチモン、錫等の金属の酢酸塩、その他の有機酸塩、ハロゲン化物、燐酸塩等を併用してもよい。
イオン交換樹脂としては、アンバーリスト15DRY、アンバーリスト15JWET、アンバーリスト16WET、アンバーリスト31WET、アンバーリスト35WET、ダイヤイオンSK1B、ダイヤイオンSK104、ダイヤイオンSK110、ダイヤイオンSK112、ダイヤイオンSK116、ダイヤイオンPK208、ダイヤイオンPK212、ダイヤイオンPK216、ダイヤイオンPK220、ダイヤイオンPK228、ダイヤイオンWK10、ダイヤイオンWK11、ダイヤイオンWK100、ダイヤイオンWK01S、ダイヤイオンWK40、ダイヤイオンUBK530、ダイヤイオンUBK550、ダイヤイオンUBK535、ダイヤイオンUBK555、ピュアライトCT175等が挙げられるが、これに限られるものではない。
また触媒として、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等、DBU(ジアザビシクロウンデセン−1)、DBN(ジアザビシクロノネン)等のビシクロ環系アミン、アンモニア、ホスフィン、アルカリ金属アルコキシド、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム等の塩基を用いることができる。
このような、酸またはアルカリ触媒の添加量としては特に制限はされないが、アルコキシケイ素化合物に対して、イオン交換樹脂のときは3〜30質量%、酸または塩基のときは0.01〜10質量%が好ましい。酸が強酸のときはさらに少ない触媒量でよい。酸、塩基の中では酸が好ましい。
また、酸及び塩基の処理を複数回行ってもよい。必要な加水分解を行った後、触媒を中和してもよいし揮発性の触媒は減圧で除去してもよいし、分液水洗等により除去してもよい。
加水分解重縮合の反応状態はNMRにて確認することができる。シリコンアルコキシドまたはオルガノアルコキシシランを加水分解すると、OR基がOHに置換し、さらに他のSi−OHあるいはSi−ORと縮合する反応が起こるが、29Si−NMRスペクトルには、それぞれに対応するピークが現れる。具体的には、シリコンアルコキシド(Si(OR)4)は4つのOR基を持つが、これらが一つも縮合していない場合はQ0と呼ばれるピークが現れる。四つの内一つが縮合した時にはQ1、二つが縮合した時にはQ2のピークが現れる。
図1にSi(OC254(テトラエチルオルソシリケート:TEOS)及び、加水分解後の29Si−NMRスペクトルを示す。縦軸はシグナルの相対速度を、横軸は周波数を表している。周波数の間隔は用いた磁場の強さによって変わるので、試料と基準のTMSとの共鳴周波数の差を装置発信器の周波数に対するppmで示した値を横軸の単位として用いるのが一般的であり、これもそれに準じている。Si(OC254のSiによるピークQ0が見られるのに対し、加水分解後はピークQ0が消失し、Q1、Q2に帰属されるさまざまなピークが現れた。これにより反応状態の確認を行うことが好ましい。
〔セルロースエステル〕
本発明に用いられるセルロースエステルは、セルロースの低級脂肪酸エステルであることが好ましい。セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等や、特開平10−45804号、同8−231761号、米国特許第2,319,052号等に記載されているようなセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルを用いることができる。上記記載の中でも、特に好ましく用いられるセルロースの低級脂肪酸エステルは、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートである。これらのセルロースエステルは単独あるいは混合して用いることができる。
セルローストリアセテートの場合には、平均酢化度(結合酢酸量)54.0〜62.5%のものが好ましく用いられ、さらに好ましいのは平均酢化度が58.0〜62.5%のセルローストリアセテートである。
セルローストリアセテート以外で好ましいセルロースエステルは、炭素原子数2〜4のアシル基または芳香族カルボニル基を置換基として有し、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基の置換度をYとした時、下記式(1)及び(2)を同時に満たすセルロースエステルである。
(1)2.3≦X+Y≦2.9
(2)1.4≦X≦2.9
(ただし、Xはアセチル基の置換度、Yは芳香族カルボニル基、炭素数3〜22の脂肪族エステル基の置換度である。)
中でも1.9≦X≦2.5、0.1≦Y≦0.9のセルロースアセテートプロピオネートが好ましい。アシル基で置換されていない部分は、通常水酸基として存在しているものである。これらは公知の方法で合成することができる。
セルロースエステルは綿花リンター、木材パルプ、ケナフ等を原料として合成されたセルロースエステルを単独あるいは混合して用いることができる。特に、綿花リンター(以下、単にリンターとすることがある)から合成されたセルロースエステルを単独あるいは混合して用いることが好ましい。
セルロースエステルの分子量が大きいと、湿度によるリターデーション値の変化率が小さくなるが、分子量を上げすぎると、セルロースエステルの溶解液の粘度が高くなりすぎ、生産性が低下する。セルロースエステルの分子量は、数平均分子量(Mn)で70000〜200000のものが好ましく、70000〜170000のものがさらに好ましい。
さらに、本発明で用いられるセルロースエステルは、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の値が1.4〜3.0であるセルロースエステルであることが好ましい。好ましくは1.7〜2.2の範囲である。
セルロースエステルの平均分子量及び分子量分布は、高速液体クロマトグラフィーを用いて公知の方法で測定することができる。これを用いて数平均分子量、重量平均分子量を算出し、その比(Mw/Mn)を計算することができる。
測定条件は以下の通りである。
溶媒:メチレンクロライド
カラム:Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用)
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ:L6000(日立製作所(株)製)
流量:1.0ml/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=500〜1000000の13試料による校正曲線を使用した。13試料は、ほぼ等間隔に得ることが好ましい。
〔可塑剤〕
本発明の光学フィルムには可塑剤を用いることが好ましい。用いることのできる可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、多価アルコールエステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤等を用いることができるが、特に好ましくは、多価アルコール系可塑剤、エステル系可塑剤である。また、リン酸エステル系可塑剤の添加量は6質量%以下とすることが好ましい。
多価アルコールエステルは、2価以上の脂肪族多価アルコールとモノカルボン酸のエステルよりなり、分子内に芳香環またはシクロアルキル環を有することが好ましい。
本発明に用いられる多価アルコールは、次の一般式(1)で表される。
一般式(1) R1−(OH)n
式中、R1はn価の有機基、nは2以上の正の整数、OH基はアルコール性またはフェノール性水酸基を表す。
好ましい多価アルコールの例としては、例えば、以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。アドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等を挙げることができる。中でも、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールが好ましい。
多価アルコールエステルに用いられるモノカルボン酸としては、特に制限はなく、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができる。脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸を用いると、透湿性、保留性を向上させる点で好ましい。好ましいモノカルボン酸の例としては、以下のようなものを挙げることができる。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数1〜32の直鎖または側鎖を持った脂肪酸を好ましく用いることができる。炭素数1〜20であることがさらに好ましく、炭素数1〜10であることが特に好ましい。酢酸を用いるとセルロースエステルとの相溶性が増すため好ましく、酢酸と他のモノカルボン酸を混合して用いることも好ましい。
好ましい脂肪族モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等を挙げることができる。好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上持つ芳香族モノカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。特に、安息香酸が好ましい。
多価アルコールエステルの分子量は特に制限はないが、分子量300〜1500の範囲であることが好ましく、350〜750の範囲であることがさらに好ましい。分子量が大きい方が揮発し難くなるため好ましく、透湿性、セルロースエステルとの相溶性の点では小さい方が好ましい。多価アルコールエステルに用いられるカルボン酸は一種類でもよいし、二種以上の混合であってもよい。また、多価アルコール中のOH基は全てエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。以下に、多価アルコールエステルの具体的化合物を示す。
Figure 2006154610
Figure 2006154610
Figure 2006154610
Figure 2006154610
エステル系可塑剤は特に限定されないが、分子内に芳香環またはシクロアルキル環を有するエステル系可塑剤を用いることができる。好ましいエステル系可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(I)で表させる
一般式(I) B−(G−A)n−G−B
(式中、Bはベンゼンモノカルボン酸残基、Gは炭素数2〜12のアルキレングリコール残基または炭素数6〜12のアリールグリコール残基または炭素数が4〜12のオキシアルキレングリコール残基、Aは炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基または炭素数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表し、またnは0以上の整数を表す。)
一般式(I)中、Bで示されるベンゼンモノカルボン酸残基とGで示されるアルキレングリコール残基またはオキシアルキレングリコール残基またはアリールグリコール残基、Aで示されるアルキレンジカルボン酸残基またはアリールジカルボン酸残基とから構成されるものであり、通常のポリエステル系可塑剤と同様の反応により得られる。
エステル系可塑剤のベンゼンモノカルボン酸成分としては、例えば、安息香酸、パラターシャリブチル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸等があり、これらはそれぞれ1種または2種以上の混合物として使用することができる。
エステル系可塑剤の炭素数2〜12のアルキレングリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオール、2−エチル1,3−ヘキサンジオール、2−メチル1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用される。
また、芳香族末端エステルの炭素数4〜12のオキシアルキレングリコール成分としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用できる。
芳香族末端エステルの炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸成分としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、フマール酸、グルタール酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等があり、これらは、それぞれ1種または2種以上の混合物として使用される。炭素数6〜12のアリーレンジカルボン酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、1,5ナフタレンジカルボン酸、1,4ナフタレンジカルボン酸等がある。
エステル系可塑剤は、数平均分子量が、好ましくは250〜2000、より好ましくは300〜1500の範囲が好適である。また、その酸価は、0.5mgKOH/g以下、水酸基価は25mgKOH/g以下、より好ましくは酸価0.3mgKOH/g以下、水酸基価は15mgKOH/g以下のものが好適である。
以下に、芳香族末端エステル系可塑剤の具体的化合物を示す。
Figure 2006154610
Figure 2006154610
芳香族末端エステル系可塑剤の含有量は、光学フィルム中に1〜20質量%含有することが好ましく、特に3〜11質量%含有することが好ましい。
本発明で用いられる光学フィルムは、上記可塑剤以外の可塑剤を含有することも好ましい。
2種以上の可塑剤を含有させることによって、可塑剤の溶出を少なくすることができる。その理由は明らかではないが、1種類当たりの添加量を減らすことができることと、2種の可塑剤同士及びセルロースエステルとの相互作用によって溶出が抑制されるものと思われる。
リン酸エステル系可塑剤では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系可塑剤では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート等を用いることができる。
これらの可塑剤は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。可塑剤の使用量は、セルロースエステルに対して4〜20質量%が好ましく、6〜16質量%がさらに好ましく、特に好ましくは7〜11質量%である。可塑剤の添加量が多すぎると、フィルムが柔らかくなりすぎるため熱による弾性率の低下率が大きくなり、添加量が少なすぎるとフィルムの透湿性が低下する。
〔リターデーション値制御剤〕
本発明の光学フィルムは、リターデーション値制御のために、溶液の紫外線吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)が250nmより短波長である棒状化合物を含有することが好ましい。
リターデーション値制御の機能の観点では、棒状化合物は、少なくとも一つの芳香族環を有することが好ましく、少なくとも二つの芳香族環を有することがさらに好ましい。棒状化合物は、直線的な分子構造を有することが好ましい。直線的な分子構造とは、熱力学的に最も安定な構造において棒状化合物の分子構造が直線的であることを意味する。熱力学的に最も安定な構造は、結晶構造解析または分子軌道計算によって求めることができる。例えば、分子軌道計算ソフト(例、WinMOPAC2000、富士通(株)製)を用いて分子軌道計算を行い、化合物の生成熱が最も小さくなるような分子の構造を求めることができる。分子構造が直線的であるとは、上記のように計算して求められる熱力学的に最も安定な構造において、分子構造の角度が140度以上であることを意味する。棒状化合物は、液晶性を示すことが好ましい。棒状化合物は、加熱により液晶性を示す(サーモトロピック液晶性を有する)ことがさらに好ましい。液晶相は、ネマチィク相またはスメクティック相が好ましい。
棒状化合物としては、下記一般式(2)で表されるトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸エステル化合物が好ましい。
一般式(2) Ar1−L1−Ar2
式(2)において、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、芳香族基である。本明細書において、芳香族基は、アリール基(芳香族性炭化水素基)、置換アリール基、芳香族性ヘテロ環基及び置換芳香族性ヘテロ環基を含む。アリール基及び置換アリール基の方が、芳香族性ヘテロ環基及び置換芳香族性ヘテロ環基よりも好ましい。芳香族性へテロ環基のヘテロ環は、一般には不飽和である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましい。芳香族性へテロ環は一般に最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましく、窒素原子または硫黄原子がさらに好ましい。芳香族性へテロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、及び1,3,5−トリアジン環が含まれる。芳香族基の芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環及びピラジン環が好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
置換アリール基及び置換芳香族性ヘテロ環基の置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ)、ニトロ、スルホ、カルバモイル、アルキルカルバモイル基(例、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル)、スルファモイル、アルキルスルファモイル基(例、N−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル)、ウレイド、アルキルウレイド基(例、N−メチルウレイド、N,N−ジメチルウレイド、N,N,N′−トリメチルウレイド)、アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘプチル、オクチル、イソプロピル、s−ブチル、t−アミル、シクロヘキシル、シクロペンチル)、アルケニル基(例、ビニル、アリル、ヘキセニル)、アルキニル基(例、エチニル、ブチニル)、アシル基(例、ホルミル、アセチル、ブチリル、ヘキサノイル、ラウリル)、アシルオキシ基(例、アセトキシ、ブチリルオキシ、ヘキサノイルオキシ、ラウリルオキシ)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ)、アリールオキシ基(例、フェノキシ)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニルアミノ基(例、ブトキシカルボニルアミノ、ヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ)、アリールチオ基(例、フェニルチオ)、アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘプチルスルホニル、オクチルスルホニル)、アミド基(例、アセトアミド、ブチルアミド基、ヘキシルアミド、ラウリルアミド)及び非芳香族性複素環基(例、モルホリル、ピラジニル)が含まれる。
置換アリール基及び置換芳香族性ヘテロ環基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ、カルボキシル、ヒドロキシル、アミノ、アルキル置換アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基及びアルキル基が好ましい。アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基のアルキル部分とアルキル基とは、さらに置換基を有していてもよい。アルキル部分及びアルキル基の置換基の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ基、ニトロ、スルホ、カルバモイル、アルキルカルバモイル基、スルファモイル、アルキルスルファモイル基、ウレイド、アルキルウレイド基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アミド基及び非芳香族性複素環基が含まれる。アルキル部分及びアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基及びアルコキシ基が好ましい。
式(2)において、L1は、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、二価の飽和ヘテロ環基、−O−、−CO−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。アルキレン基は、環状構造を有していてもよい。環状アルキレン基としては、シクロヘキシレンが好ましく、1,4−シクロへキシレンが特に好ましい。鎖状アルキレン基としては、直鎖状アルキレン基の方が分岐を有するアルキレン基よりも好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10であることがさらに好ましく、1〜8であることがさらにまた好ましく、1〜6であることが最も好ましい。
アルケニレン基及びアルキニレン基は、環状構造よりも鎖状構造を有することが好ましく、分岐を有する鎖状構造よりも直鎖状構造を有することがさらに好ましい。アルケニレン基及びアルキニレン基の炭素原子数は、2〜10であることが好ましく、2〜8であることがより好ましく、2〜6であることがさらに好ましく、2〜4であることがさらにまた好ましく、2(ビニレンまたはエチニレン)であることが最も好ましい。二価の飽和ヘテロ環基は、3員〜9員のヘテロ環を有することが好ましい。ヘテロ環のヘテロ原子は、酸素原子、窒素原子、ホウ素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子またはゲルマニウム原子が好ましい。飽和ヘテロ環の例には、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、ピロリジン環、イミダゾリジン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、1,3−ジオキサン環、1,4−ジオキサン環、テトラヒドロチオフェン環、1,3−チアゾリジン環、1,3−オキサゾリジン環、1,3−ジオキソラン環、1,3−ジチオラン環及び1,3,2−ジオキサボロランが含まれる。特に好ましい二価の飽和ヘテロ環基は、ピペラジン−1,4−ジイレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイレン及び1,3,2−ジオキサボロラン−2,5−ジイレンである。
組み合わせからなる二価の連結基の例を示す。
L−1:−O−CO−アルキレン基−CO−O−
L−2:−CO−O−アルキレン基−O−CO−
L−3:−O−CO−アルケニレン基−CO−O−
L−4:−CO−O−アルケニレン基−O−CO−
L−5:−O−CO−アルキニレン基−CO−O−
L−6:−CO−O−アルキニレン基−O−CO−
L−7:−O−CO−二価の飽和ヘテロ環基−CO−O−
L−8:−CO−O−二価の飽和ヘテロ環基−O−CO−
一般式(2)の分子構造において、L1を挟んで、Ar1とAr2とが形成する角度は、140度以上であることが好ましい。棒状化合物としては、下記一般式(3)で表される化合物がさらに好ましい。
一般式(3) Ar1−L2−X−L3−Ar2
式(3)において、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、芳香族基である。芳香族基の定義及び例は、式(2)のAr1及びAr2と同様である。
式(3)において、L2及びL3は、それぞれ独立に、アルキレン基、−O−、−CO−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。アルキレン基は、環状構造よりも鎖状構造を有することが好ましく、分岐を有する鎖状構造よりも直鎖状構造を有することがさらに好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜10であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましく、1〜4であることがさらにまた好ましく、1または2(メチレンまたはエチレン)であることが最も好ましい。L2及びL3は、−O−CO−または−CO−O−であることが特に好ましい。
式(3)において、Xは、1,4−シクロへキシレン、ビニレンまたはエチニレンである。以下に、式(2)で表される化合物の具体例を示す。
Figure 2006154610
Figure 2006154610
Figure 2006154610
Figure 2006154610
Figure 2006154610
具体例(1)〜(34)、(41)、(42)、(46)、(47)、(52)、(53)は、シクロヘキサン環の1位と4位とに二つの不斉炭素原子を有する。但し、具体例(1)、(4)〜(34)、(41)、(42)、(46)、(47)、(52)、(53)は、対称なメソ型の分子構造を有するため光学異性体(光学活性)はなく、幾何異性体(トランス型とシス型)のみ存在する。具体例(1)のトランス型(1−trans)とシス型(1−cis)とを、以下に示す。
Figure 2006154610
前述したように、棒状化合物は直線的な分子構造を有することが好ましい。そのため、トランス型の方がシス型よりも好ましい。具体例(2)及び(3)は、幾何異性体に加えて光学異性体(合計4種の異性体)を有する。幾何異性体については、同様にトランス型の方がシス型よりも好ましい。光学異性体については、特に優劣はなく、D、Lあるいはラセミ体のいずれでもよい。具体例(43)〜(45)では、中心のビニレン結合にトランス型とシス型とがある。上記と同様の理由で、トランス型の方がシス型よりも好ましい。
溶液の紫外線吸収スペクトルにおいて最大吸収波長(λmax)が250nmより短波長である棒状化合物を、二種類以上併用してもよい。棒状化合物は、文献記載の方法を参照して合成できる。文献としては、Mol.Cryst.Liq.Cryst.,53巻、229頁(1979年)、同89巻、93頁(1982年)、同145巻、111頁(1987年)、同170巻、43頁(1989年)、J.Am.Chem.Soc.,113巻、1349頁(1991年)、同118巻、5346頁(1996年)、同92巻、1582頁(1970年)、J.Org.Chem.,40巻、420頁(1975年)、Tetrahedron、48巻16号、3437頁(1992年)を挙げることができる。
また、本発明の光学フィルムは、リターデーション値制御のために、1,3,5−トリアジン環を有する化合物を好ましく用いることができる。
1,3,5−トリアジン環を有する化合物は、中でも、下記一般式(4)で表される化合物が好ましい。
Figure 2006154610
一般式(4)において、X1は、単結合、−NR4−、−O−または−S−であり;X2は単結合、−NR5−、−O−または−S−であり;X3は単結合、−NR6−、−O−または−S−であり;R1、R2及びR3はアルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基であり;そして、R4、R5及びR6は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基である。一般式(4)で表される化合物は、メラミン化合物であることが特に好ましい。
メラミン化合物では、一般式(4)において、X1、X2及びX3が、それぞれ、−NR4−、−NR5−及び−NR6−であるか、あるいは、X1、X2及びX3が単結合であり、かつ、R1、R2及びR3が窒素原子に遊離原子価を持つ複素環基である。−X1−R1、−X2−R2及び−X3−R3は、同一の置換基であることが好ましい。R1、R2及びR3は、アリール基であることが特に好ましい。R4、R5及びR6は、水素原子であることが特に好ましい。
上記アルキル基は、環状アルキル基よりも鎖状アルキル基である方が好ましい。分岐を有する鎖状アルキル基よりも、直鎖状アルキル基の方が好ましい。
アルキル基の炭素原子数は、1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、1〜10であることがさらに好ましく、1〜8であることがさらにまた好ましく、1〜6であることが最も好ましい。アルキル基は置換基を有していてもよい。
置換基の具体例としては、例えばハロゲン原子、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、エポキシエチルオキシ等の各基)及びアシルオキシ基(例えば、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ)等が挙げられる。上記アルケニル基は、環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基である方が好ましい。分岐を有する鎖状アルケニル基よりも、直鎖状アルケニル基の方が好ましい。アルケニル基の炭素原子数は、2〜30であることが好ましく、2〜20であることがより好ましく、2〜10であることがさらに好ましく、2〜8であることがさらにまた好ましく、2〜6であることが最も好ましい。アルケニル基は、置換基を有していてもよい。
置換基の具体例としては、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、エポキシエチルオキシ等の各基)またはアシルオキシ基(例えば、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ等の各基)が挙げられる。
上記アリール基は、フェニル基またはナフチル基であることが好ましく、フェニル基であることが特に好ましい。アリール基は置換基を有していてもよい。
置換基の具体例としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、カルボキシル、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル、アルキル置換スルファモイル基、アルケニル置換スルファモイル基、アリール置換スルファモイル基、スルホンアミド基、カルバモイル、アルキル置換カルモイル基、アルケニル置換カルバモイル基、アリール置換カルバモイル基、アミド基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基及びアシル基が含まれる。上記アルキル基は、前述したアルキル基と同義である。
アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキル置換スルファモイル基、スルホンアミド基、アルキル置換カルバモイル基、アミド基、アルキルチオ基とアシル基のアルキル部分も、前述したアルキル基と同義である。
上記アルケニル基は、前述したアルケニル基と同義である。
アルケニルオキシ基、アシルオキシ基、アルケニルオキシカルボニル基、アルケニル置換スルファモイル基、スルホンアミド基、アルケニル置換カルバモイル基、アミド基、アルケニルチオ基及びアシル基のアルケニル部分も、前述したアルケニル基と同義である。
上記アリール基の具体例としては、例えば、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、4−メトキシフェニル、3,4−ジエトキシフェニル、4−オクチルオキシフェニルまたは4−ドデシルオキシフェニル等の各基が挙げられる。
アリールオキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリール置換スルファモイル基、スルホンアミド基、アリール置換カルバモイル基、アミド基、アリールチオ基及びアシル基の部分の例は、上記アリール基と同義である。
1、X2またはX3が−NR−、−O−または−S−である場合の複素環基は、芳香族性を有することが好ましい。
芳香族性を有する複素環基中の複素環としては、一般に不飽和複素環であり、好ましくは最多の二重結合を有する複素環である。複素環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることが最も好ましい。
複素環中のヘテロ原子は、N、SまたはO等の各原子であることが好ましく、N原子であることが特に好ましい。
芳香族性を有する複素環としては、ピリジン環(複素環基としては、例えば、2−ピリジルまたは4−ピリジル等の各基)が特に好ましい。複素環基は、置換基を有していてもよい。複素環基の置換基の例は、上記アリール部分の置換基の例と同様である。
1、X2またはX3が単結合である場合の複素環基は、窒素原子に遊離原子価を持つ複素環基であることが好ましい。窒素原子に遊離原子価を持つ複素環基は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、5員環であることが最も好ましい。複素環基は、複数の窒素原子を有していてもよい。
また、複素環基中のヘテロ原子は、窒素原子以外のヘテロ原子(例えば、O原子、S原子)を有していてもよい。複素環基は、置換基を有していてもよい。複素環基の置換基の具体例は、上記アリール部分の置換基の具体例と同義である。
以下に、窒素原子に遊離原子価を持つ複素環基の具体例を示す。
Figure 2006154610
Figure 2006154610
1,3,5−トリアジン環を有する化合物の分子量は、300〜2000であることが好ましい。該化合物の沸点は、260℃以上であることが好ましい。沸点は、市販の測定装置(例えば、TG/DTA100、セイコー電子工業(株)製)を用いて測定できる。
以下に、1,3,5−トリアジン環を有する化合物の具体例を示す。
なお、以下に示す複数のRは同一の基を表す。
Figure 2006154610
(1)ブチル
(2)2−メトキシ−2−エトキシエチル
(3)5−ウンデセニル
(4)フェニル
(5)4−エトキシカルボニルフェニル
(6)4−ブトキシフェニル
(7)p−ビフェニリル
(8)4−ピリジル
(9)2−ナフチル
(10)2−メチルフェニル
(11)3,4−ジメトキシフェニル
(12)2−フリル
Figure 2006154610
Figure 2006154610
(14)フェニル
(15)3−エトキシカルボニルフェニル
(16)3−ブトキシフェニル
(17)m−ビフェニリル
(18)3−フェニルチオフェニル
(19)3−クロロフェニル
(20)3−ベンゾイルフェニル
(21)3−アセトキシフェニル
(22)3−ベンゾイルオキシフェニル
(23)3−フェノキシカルボニルフェニル
(24)3−メトキシフェニル
(25)3−アニリノフェニル
(26)3−イソブチリルアミノフェニル
(27)3−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(28)3−(3−エチルウレイド)フェニル
(29)3−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(30)3−メチルフェニル
(31)3−フェノキシフェニル
(32)3−ヒドロキシフェニル
(33)4−エトキシカルボニルフェニル
(34)4−ブトキシフェニル
(35)p−ビフェニリル
(36)4−フェニルチオフェニル
(37)4−クロロフェニル
(38)4−ベンゾイルフェニル
(39)4−アセトキシフェニル
(40)4−ベンゾイルオキシフェニル
(41)4−フェノキシカルボニルフェニル
(42)4−メトキシフェニル
(43)4−アニリノフェニル
(44)4−イソブチリルアミノフェニル
(45)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(46)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(47)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(48)4−メチルフェニル
(49)4−フェノキシフェニル
(50)4−ヒドロキシフェニル
(51)3,4−ジエトキシカルボニルフェニル
(52)3,4−ジブトキシフェニル
(53)3,4−ジフェニルフェニル
(54)3,4−ジフェニルチオフェニル
(55)3,4−ジクロロフェニル
(56)3,4−ジベンゾイルフェニル
(57)3,4−ジアセトキシフェニル
(58)3,4−ジベンゾイルオキシフェニル
(59)3,4−ジフェノキシカルボニルフェニル
(60)3,4−ジメトキシフェニル
(61)3,4−ジアニリノフェニル
(62)3,4−ジメチルフェニル
(63)3,4−ジフェノキシフェニル
(64)3,4−ジヒドロキシフェニル
(65)2−ナフチル
(66)3,4,5−トリエトキシカルボニルフェニル
(67)3,4,5−トリブトキシフェニル
(68)3,4,5−トリフェニルフェニル
(69)3,4,5−トリフェニルチオフェニル
(70)3,4,5−トリクロロフェニル
(71)3,4,5−トリベンゾイルフェニル
(72)3,4,5−トリアセトキシフェニル
(73)3,4,5−トリベンゾイルオキシフェニル
(74)3,4,5−トリフェノキシカルボニルフェニル
(75)3,4,5−トリメトキシフェニル
(76)3,4,5−トリアニリノフェニル
(77)3,4,5−トリメチルフェニル
(78)3,4,5−トリフェノキシフェニル
(79)3,4,5−トリヒドロキシフェニル
Figure 2006154610
(80)フェニル
(81)3−エトキシカルボニルフェニル
(82)3−ブトキシフェニル
(83)m−ビフェニリル
(84)3−フェニルチオフェニル
(85)3−クロロフェニル
(86)3−ベンゾイルフェニル
(87)3−アセトキシフェニル
(88)3−ベンゾイルオキシフェニル
(89)3−フェノキシカルボニルフェニル
(90)3−メトキシフェニル
(91)3−アニリノフェニル
(92)3−イソブチリルアミノフェニル
(93)3−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(94)3−(3−エチルウレイド)フェニル
(95)3−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(96)3−メチルフェニル
(97)3−フェノキシフェニル
(98)3−ヒドロキシフェニル
(99)4−エトキシカルボニルフェニル
(100)4−ブトキシフェニル
(101)p−ビフェニリル
(102)4−フェニルチオフェニル
(103)4−クロロフェニル
(104)4−ベンゾイルフェニル
(105)4−アセトキシフェニル
(106)4−ベンゾイルオキシフェニル
(107)4−フェノキシカルボニルフェニル
(108)4−メトキシフェニル
(109)4−アニリノフェニル
(110)4−イソブチリルアミノフェニル
(111)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(112)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(113)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(114)4−メチルフェニル
(115)4−フェノキシフェニル
(116)4−ヒドロキシフェニル
(117)3,4−ジエトキシカルボニルフェニル
(118)3,4−ジブトキシフェニル
(119)3,4−ジフェニルフェニル
(120)3,4−ジフェニルチオフェニル
(121)3,4−ジクロロフェニル
(122)3,4−ジベンゾイルフェニル
(123)3,4−ジアセトキシフェニル
(124)3,4−ジベンゾイルオキシフェニル
(125)3,4−ジフェノキシカルボニルフェニル
(126)3,4−ジメトキシフェニル
(127)3,4−ジアニリノフェニル
(128)3,4−ジメチルフェニル
(129)3,4−ジフェノキシフェニル
(130)3,4−ジヒドロキシフェニル
(131)2−ナフチル
(132)3,4,5−トリエトキシカルボニルフェニル
(133)3,4,5−トリブトキシフェニル
(134)3,4,5−トリフェニルフェニル
(135)3,4,5−トリフェニルチオフェニル
(136)3,4,5−トリクロロフェニル
(137)3,4,5−トリベンゾイルフェニル
(138)3,4,5−トリアセトキシフェニル
(139)3,4,5−トリベンゾイルオキシフェニル
(140)3,4,5−トリフェノキシカルボニルフェニル
(141)3,4,5−トリメトキシフェニル
(142)3,4,5−トリアニリノフェニル
(143)3,4,5−トリメチルフェニル
(144)3,4,5−トリフェノキシフェニル
(145)3,4,5−トリヒドロキシフェニル
Figure 2006154610
(146)フェニル
(147)4−エトキシカルボニルフェニル
(148)4−ブトキシフェニル
(149)p−ビフェニリル
(150)4−フェニルチオフェニル
(151)4−クロロフェニル
(152)4−ベンゾイルフェニル
(153)4−アセトキシフェニル
(154)4−ベンゾイルオキシフェニル
(155)4−フェノキシカルボニルフェニル
(156)4−メトキシフェニル
(157)4−アニリノフェニル
(158)4−イソブチリルアミノフェニル
(159)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(160)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(161)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(162)4−メチルフェニル
(163)4−フェノキシフェニル
(164)4−ヒドロキシフェニル
Figure 2006154610
(165)フェニル
(166)4−エトキシカルボニルフェニル
(167)4−ブトキシフェニル
(168)p−ビフェニリル
(169)4−フェニルチオフェニル
(170)4−クロロフェニル
(171)4−ベンゾイルフェニル
(172)4−アセトキシフェニル
(173)4−ベンゾイルオキシフェニル
(174)4−フェノキシカルボニルフェニル
(175)4−メトキシフェニル
(176)4−アニリノフェニル
(177)4−イソブチリルアミノフェニル
(178)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(179)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(180)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(181)4−メチルフェニル
(182)4−フェノキシフェニル
(183)4−ヒドロキシフェニル
Figure 2006154610
(184)フェニル
(185)4−エトキシカルボニルフェニル
(186)4−ブトキシフェニル
(187)p−ビフェニリル
(188)4−フェニルチオフェニル
(189)4−クロロフェニル
(190)4−ベンゾイルフェニル
(191)4−アセトキシフェニル
(192)4−ベンゾイルオキシフェニル
(193)4−フェノキシカルボニルフェニル
(194)4−メトキシフェニル
(195)4−アニリノフェニル
(196)4−イソブチリルアミノフェニル
(197)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(198)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(199)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(200)4−メチルフェニル
(201)4−フェノキシフェニル
(202)4−ヒドロキシフェニル
Figure 2006154610
(203)フェニル
(204)4−エトキシカルボニルフェニル
(205)4−ブトキシフェニル
(206)p−ビフェニリル
(207)4−フェニルチオフェニル
(208)4−クロロフェニル
(209)4−ベンゾイルフェニル
(210)4−アセトキシフェニル
(211)4−ベンゾイルオキシフェニル
(212)4−フェノキシカルボニルフェニル
(213)4−メトキシフェニル
(214)4−アニリノフェニル
(215)4−イソブチリルアミノフェニル
(216)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(217)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(218)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(219)4−メチルフェニル
(220)4−フェノキシフェニル
(221)4−ヒドロキシフェニル
Figure 2006154610
(222)フェニル
(223)4−ブチルフェニル
(224)4−(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(225)4−(5−ノネニル)フェニル
(226)p−ビフェニリル
(227)4−エトキシカルボニルフェニル
(228)4−ブトキシフェニル
(229)4−メチルフェニル
(230)4−クロロフェニル
(231)4−フェニルチオフェニル
(232)4−ベンゾイルフェニル
(233)4−アセトキシフェニル
(234)4−ベンゾイルオキシフェニル
(235)4−フェノキシカルボニルフェニル
(236)4−メトキシフェニル
(237)4−アニリノフェニル
(238)4−イソブチリルアミノフェニル
(239)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(240)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(241)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(242)4−フェノキシフェニル
(243)4−ヒドロキシフェニル
(244)3−ブチルフェニル
(245)3−(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(246)3−(5−ノネニル)フェニル
(247)m−ビフェニリル
(248)3−エトキシカルボニルフェニル
(249)3−ブトキシフェニル
(250)3−メチルフェニル
(251)3−クロロフェニル
(252)3−フェニルチオフェニル
(253)3−ベンゾイルフェニル
(254)3−アセトキシフェニル
(255)3−ベンゾイルオキシフェニル
(256)3−フェノキシカルボニルフェニル
(257)3−メトキシフェニル
(258)3−アニリノフェニル
(259)3−イソブチリルアミノフェニル
(260)3−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(261)3−(3−エチルウレイド)フェニル
(262)3−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(263)3−フェノキシフェニル
(264)3−ヒドロキシフェニル
(265)2−ブチルフェニル
(266)2−(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(267)2−(5−ノネニル)フェニル
(268)o−ビフェニリル
(269)2−エトキシカルボニルフェニル
(270)2−ブトキシフェニル
(271)2−メチルフェニル
(272)2−クロロフェニル
(273)2−フェニルチオフェニル
(274)2−ベンゾイルフェニル
(275)2−アセトキシフェニル
(276)2−ベンゾイルオキシフェニル
(277)2−フェノキシカルボニルフェニル
(278)2−メトキシフェニル
(279)2−アニリノフェニル
(280)2−イソブチリルアミノフェニル
(281)2−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(282)2−(3−エチルウレイド)フェニル
(283)2−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(284)2−フェノキシフェニル
(285)2−ヒドロキシフェニル
(286)3,4−ジブチルフェニル
(287)3,4−ジ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(288)3,4−ジフェニルフェニル
(289)3,4−ジエトキシカルボニルフェニル
(290)3,4−ジドデシルオキシフェニル
(291)3,4−ジメチルフェニル
(292)3,4−ジクロロフェニル
(293)3,4−ジベンゾイルフェニル
(294)3,4−ジアセトキシフェニル
(295)3,4−ジメトキシフェニル
(296)3,4−ジ−N−メチルアミノフェニル
(297)3,4−ジイソブチリルアミノフェニル
(298)3,4−ジフェノキシフェニル
(299)3,4−ジヒドロキシフェニル
(300)3,5−ジブチルフェニル
(301)3,5−ジ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(302)3,5−ジフェニルフェニル
(303)3,5−ジエトキシカルボニルフェニル
(304)3,5−ジドデシルオキシフェニル
(305)3,5−ジメチルフェニル
(306)3,5−ジクロロフェニル
(307)3,5−ジベンゾイルフェニル
(308)3,5−ジアセトキシフェニル
(309)3,5−ジメトキシフェニル
(310)3,5−ジ−N−メチルアミノフェニル
(311)3,5−ジイソブチリルアミノフェニル
(312)3,5−ジフェノキシフェニル
(313)3,5−ジヒドロキシフェニル
(314)2,4−ジブチルフェニル
(315)2,4−ジ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(316)2,4−ジフェニルフェニル
(317)2,4−ジエトキシカルボニルフェニル
(318)2,4−ジドデシルオキシフェニル
(319)2,4−ジメチルフェニル
(320)2,4−ジクロロフェニル
(321)2,4−ジベンゾイルフェニル
(322)2,4−ジアセトキシフェニル
(323)2,4−ジメトキシフェニル
(324)2,4−ジ−N−メチルアミノフェニル
(325)2,4−ジイソブチリルアミノフェニル
(326)2,4−ジフェノキシフェニル
(327)2,4−ジヒドロキシフェニル
(328)2,3−ジブチルフェニル
(329)2,3−ジ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(330)2,3−ジフェニルフェニル
(331)2,3−ジエトキシカルボニルフェニル
(332)2,3−ジドデシルオキシフェニル
(333)2,3−ジメチルフェニル
(334)2,3−ジクロロフェニル
(335)2,3−ジベンゾイルフェニル
(336)2,3−ジアセトキシフェニル
(337)2,3−ジメトキシフェニル
(338)2,3−ジ−N−メチルアミノフェニル
(339)2,3−ジイソブチリルアミノフェニル
(340)2,3−ジフェノキシフェニル
(341)2,3−ジヒドロキシフェニル
(342)2,6−ジブチルフェニル
(343)2,6−ジ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(344)2,6−ジフェニルフェニル
(345)2,6−ジエトキシカルボニルフェニル
(346)2,6−ジドデシルオキシフェニル
(347)2,6−ジメチルフェニル
(348)2,6−ジクロロフェニル
(349)2,6−ジベンゾイルフェニル
(350)2,6−ジアセトキシフェニル
(351)2,6−ジメトキシフェニル
(352)2,6−ジ−N−メチルアミノフェニル
(353)2,6−ジイソブチリルアミノフェニル
(354)2,6−ジフェノキシフェニル
(355)2,6−ジヒドロキシフェニル
(356)3,4,5−トリブチルフェニル
(357)3,4,5−トリ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(358)3,4,5−トリフェニルフェニル
(359)3,4,5−トリエトキシカルボニルフェニル
(360)3,4,5−トリドデシルオキシフェニル
(361)3,4,5−トリメチルフェニル
(362)3,4,5−トリクロロフェニル
(363)3,4,5−トリベンゾイルフェニル
(364)3,4,5−トリアセトキシフェニル
(365)3,4,5−トリメトキシフェニル
(366)3,4,5−トリ−N−メチルアミノフェニル
(367)3,4,5−トリイソブチリルアミノフェニル
(368)3,4,5−トリフェノキシフェニル
(369)3,4,5−トリヒドロキシフェニル
(370)2,4,6−トリブチルフェニル
(371)2,4,6−トリ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(372)2,4,6−トリフェニルフェニル
(373)2,4,6−トリエトキシカルボニルフェニル
(374)2,4,6−トリドデシルオキシフェニル
(375)2,4,6−トリメチルフェニル
(376)2,4,6−トリクロロフェニル
(377)2,4,6−トリベンゾイルフェニル
(378)2,4,6−トリアセトキシフェニル
(379)2,4,6−トリメトキシフェニル
(380)2,4,6−トリ−N−メチルアミノフェニル
(381)2,4,6−トリイソブチリルアミノフェニル
(382)2,4,6−トリフェノキシフェニル
(383)2,4,6−トリヒドロキシフェニル
(384)ペンタフルオロフェニル
(385)ペンタクロロフェニル
(386)ペンタメトキシフェニル
(387)6−N−メチルスルファモイル−8−メトキシ−2−ナフチル
(388)5−N−メチルスルファモイル−2−ナフチル
(389)6−N−フェニルスルファモイル−2−ナフチル
(390)5−エトキシ−7−N−メチルスルファモイル−2−ナフチル
(391)3−メトキシ−2−ナフチル
(392)1−エトキシ−2−ナフチル
(393)6−N−フェニルスルファモイル−8−メトキシ−2−ナフチル
(394)5−メトキシ−7−N−フェニルスルファモイル−2−ナフチル
(395)1−(4−メチルフェニル)−2−ナフチル
(396)6,8−ジ−N−メチルスルファモイル−2−ナフチル
(397)6−N−2−アセトキシエチルスルファモイル−8−メトキシ−2−ナフチル
(398)5−アセトキシ−7−N−フェニルスルファモイル−2−ナフチル
(399)3−ベンゾイルオキシ−2−ナフチル
(400)5−アセチルアミノ−1−ナフチル
(401)2−メトキシ−1−ナフチル
(402)4−フェノキシ−1−ナフチル
(403)5−N−メチルスルファモイル−1−ナフチル
(404)3−N−メチルカルバモイル−4−ヒドロキシ−1−ナフチル
(405)5−メトキシ−6−N−エチルスルファモイル−1−ナフチル
(406)7−テトラデシルオキシ−1−ナフチル
(407)4−(4−メチルフェノキシ)−1−ナフチル
(408)6−N−メチルスルファモイル−1−ナフチル
(409)3−N,N−ジメチルカルバモイル−4−メトキシ−1−ナフチル
(410)5−メトキシ−6−N−ベンジルスルファモイル−1−ナフチル
(411)3,6−ジ−N−フェニルスルファモイル−1−ナフチル
(412)メチル
(413)エチル
(414)ブチル
(415)オクチル
(416)ドデシル
(417)2−ブトキシ−2−エトキシエチル
(418)ベンジル
(419)4−メトキシベンジル
Figure 2006154610
(424)メチル
(425)フェニル
(426)ブチル
Figure 2006154610
(430)メチル
(431)エチル
(432)ブチル
(433)オクチル
(434)ドデシル
(435)2−ブトキシ2−エトキシエチル
(436)ベンジル
(437)4−メトキシベンジル
Figure 2006154610
Figure 2006154610
本発明においては、1,3,5−トリアジン環を有する化合物として、メラミンポリマーを用いてもよい。メラミンポリマーは、下記一般式(5)で示すメラミン化合物とカルボニル化合物との重合反応により合成することが好ましい。
Figure 2006154610
上記合成反応スキームにおいて、R11、R12、R13、R14、R15及びR16は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基である。
上記アルキル基、アルケニル基、アリール基及び複素環基及びこれらの置換基は前記一般式(4)で説明した各基、それらの置換基と同義である。
メラミン化合物とカルボニル化合物との重合反応は、通常のメラミン樹脂(例えば、メラミンホルムアルデヒド樹脂等)の合成方法と同様である。また、市販のメラミンポリマー(メラミン樹脂)を用いてもよい。
メラミンポリマーの分子量は、2千〜40万であることが好ましい。メラミンポリマーの繰り返し単位の具体例を以下に示す。
Figure 2006154610
MP−1:R13、R14、R15、R16:CH2OH
MP−2:R13、R14、R15、R16:CH2OCH3
MP−3:R13、R14、R15、R16:CH2O−i−C49
MP−4:R13、R14、R15、R16:CH2O−n−C49
MP−5:R13、R14、R15、R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−6:R13、R14、R15、R16:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3
MP−7:R13、R14、R15:CH2OH;R16:CH2OCH3
MP−8:R13、R14、R16:CH2OH;R15:CH2OCH3
MP−9:R13、R14:CH2OH;R15、R16:CH2OCH3
MP−10:R13、R16:CH2OH;R14、R15:CH2OCH3
MP−11:R13:CH2OH;R14、R15、R16:CH2OCH3
MP−12:R13、R14、R16:CH2OCH3;R15:CH2OH
MP−13:R13、R16:CH2OCH3;R14、R15:CH2OH
MP−14:R13、R14、R15:CH2OH;R16:CH2O−i−C49
MP−15:R13、R14、R16:CH2OH;R15:CH2O−i−C49
MP−16:R13、R14:CH2OH;R15、R16:CH2O−i−C49
MP−17:R13、R16:CH2OH;R14、R15:CH2O−i−C49
MP−18:R13:CH2OH;R14、R15、R16:CH2O−i−C49
MP−19:R13、R14、R16:CH2O−i−C49;R15:CH2OH
MP−20:R13、R16:CH2O−i−C49;R14、R15:CH2OH
MP−21:R13、R14、R15:CH2OH;R16:CH2O−n−C49
MP−22:R13、R14、R16:CH2OH;R15:CH2O−n−C49
MP−23:R13、R14:CH2OH;R15、R16:CH2O−n−C49
MP−24:R13、R16:CH2OH;R14、R15:CH2O−n−C49
MP−25:R13:CH2OH;R14、R15、R16:CH2O−n−C49
MP−26:R13、R14、R16:CH2O−n−C49;R15:CH2OH
MP−27:R13、R16:CH2O−n−C49;R14、R15:CH2OH
MP−28:R13、R14:CH2OH;R15:CH2OCH3;R16:CH2O−n−C49
MP−29:R13、R14:CH2OH;R15:CH2O−n−C49;R16:CH2OCH3
MP−30:R13、R16:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2O−n−C49
MP−31:R13:CH2OH;R14、R15:CH2OCH3;R16:CH2O−n−C49
MP−32:R13:CH2OH;R14、R16:CH2OCH3;R15:CH2O−n−C49
MP−33:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15、R16:CH2O−n−C49
MP−34:R13:CH2OH;R14、R15:CH2O−n−C49;R16:CH2OCH3
MP−35:R13、R14:CH2OCH3;R15:CH2OH;R16:CH2O−n−C49
MP−36:R13、R16:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2O−n−C49
MP−37:R13:CH2OCH3;R14、R15:CH2OH;R16:CH2O−n−C49
MP−38:R13、R16:CH2O−n−C49;R14:CH2OCH3;R15:CH2OH
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MP−42:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2O−n−C49;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−43:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2O−n−C49
MP−44:R13:CH2O−n−C49;R14:CH2OCH3;R15:CH2OH;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−45:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3;R16:CH2NHCOCH=CH2
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MP−47:R13:CH2OH;R14:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2OCH3
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MP−49:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3
MP−50:R13:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3;R14:CH2OCH3;R15:CH2OH;R16:CH2NHCOCH=CH2
Figure 2006154610
MP−51:R13、R14、R15、R16:CH2OH
MP−52:R13、R14、R15、R16:CH2OCH3
MP−53:R13、R14、R15、R16:CH2O−i−C49
MP−54:R13、R14、R15、R16:CH2O−n−C49
MP−55:R13、R14、R15、R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−56:R13、R14、R15、R16:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3
MP−57:R13、R14、R15:CH2OH;R16:CH2OCH3
MP−58:R13、R14、R16:CH2OH;R15:CH2OCH3
MP−59:R13、R14:CH2OH;R15、R16:CH2OCH3
MP−60:R13、R16:CH2OH;R14、R15:CH2OCH3
MP−61:R13:CH2OH;R14、R15、R16:CH2OCH3
MP−62:R13、R14、R16:CH2OCH3;R15:CH2OH
MP−63:R13、R16:CH2OCH3;R14、R15:CH2OH
MP−64:R13、R14、R15:CH2OH;R16:CH2O−i−C49
MP−65:R13、R14、R16:CH2OH;R15:CH2O−i−C49
MP−66:R13、R14:CH2OH;R15、R16:CH2O−i−C49
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MP−75:R13:CH2OH;R14、R15、R16:CH2O−n−C49
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MP−78:R13、R14:CH2OH;R15:CH2OCH3;R16:CH2O−n−C49
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MP−81:R13:CH2OH;R14、R15:CH2OCH3;R16:CH2O−n−C49
MP−82:R13:CH2OH;R14、R16:CH2OCH3;R15:CH2O−n−C49
MP−83:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15、R16:CH2O−n−C49
MP−84:R13:CH2OH;R14、R15:CH2O−n−C49;R16:CH2OCH3
MP−85:R13、R14:CH2OCH3;R15:CH2OH;R16:CH2O−n−C49
MP−86:R13、R16:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2O−n−C49
MP−87:R13:CH2OCH3;R14、R15:CH2OH;R16:CH2O−n−C49
MP−88:R13、R16:CH2O−n−C49;R14:CH2OCH3;R15:CH2OH
MP−89:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2O−n−C49;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−90:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2O−n−C49
MP−91:R13:CH2OH;R14:CH2O−n−C49;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2OCH3
MP−92:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2O−n−C49;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−93:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2O−n−C49
MP−94:R13:CH2O−n−C49;R14:CH2OCH3;R15:CH2OH;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−95:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−96:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3
MP−97:R13:CH2OH;R14:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2OCH3
MP−98:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−99:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3
MP−100:R13:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3;R14:CH2OCH3;R15:CH2OH;R16:CH2NHCOCH=CH2
Figure 2006154610
MP−101:R13、R14、R15、R16:CH2OH
MP−102:R13、R14、R15、R16:CH2OCH3
MP−103:R13、R14、R15、R16:CH2O−i−C49
MP−104:R13、R14、R15、R16:CH2O−n−C49
MP−105:R13、R14、R15、R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−106:R13、R14、R15、R16:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3
MP−107:R13、R14、R15:CH2OH;R16:CH2OCH3
MP−108:R13、R14、R16:CH2OH;R15:CH2OCH3
MP−109:R13、R14:CH2OH;R15、R16:CH2OCH3
MP−110:R13、R16:CH2OH;R14、R15:CH2OCH3
MP−111:R13:CH2OH;R14、R15、R16:CH2OCH3
MP−112:R13、R14、R16:CH2OCH3;R15:CH2OH
MP−113:R13、R16:CH2OCH3;R14、R15:CH2OH
MP−114:R13、R14、R15:CH2OH;R16:CH2O−i−C49
MP−115:R13、R14、R16:CH2OH;R15:CH2O−i−C49
MP−116:R13、R14:CH2OH;R15、R16:CH2O−i−C49
MP−117:R13、R16:CH2OH;R14、R15:CH2O−i−C49
MP−118:R13:CH2OH;R14、R15、R16:CH2O−i−C49
MP−119:R13、R14、R16:CH2O−i−C49;R15:CH2OH
MP−120:R13、R16:CH2O−i−C49;R14、R15:CH2OH
MP−121:R13、R14、R15:CH2OH;R16:CH2O−n−C49
MP−122:R13、R14、R16:CH2OH;R15:CH2O−n−C49
MP−123:R13、R14:CH2OH;R15、R16:CH2O−n−C49
MP−124:R13、R16:CH2OH;R14、R15:CH2O−n−C49
MP−125:R13:CH2OH;R14、R15、R16:CH2O−n−C49
MP−126:R13、R14、R16:CH2O−n−C49;R15:CH2OH
MP−127:R13、R16:CH2O−n−C49;R14、R15:CH2OH
MP−128:R13、R14:CH2OH;R15:CH2OCH3;R16:CH2O−n−C49
MP−129:R13、R14:CH2OH;R15:CH2O−n−C49;R16:CH2OCH3
MP−130:R13、R16:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2O−n−C49
MP−131:R13:CH2OH;R14、R15:CH2OCH3;R16:CH2O−n−C49
MP−132:R13:CH2OH;R14、R16:CH2OCH3;R15:CH2O−n−C49
MP−133:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15、R16:CH2O−n−C49
MP−134:R13:CH2OH;R14、R15:CH2O−n−C49;R16:CH2OCH3
MP−135:R13、R14:CH2OCH3;R15:CH2OH;R16:CH2O−n−C49
MP−136:R13、R16:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2O−n−C49
MP−137:R13:CH2OCH3;R14、R15:CH2OH;R16:CH2O−n−C49
MP−138:R13、R16:CH2O−n−C49;R14:CH2OCH3;R15:CH2OH
MP−139:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2O−n−C49;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−140:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2O−n−C49
MP−141:R13:CH2OH;R14:CH2O−n−C49;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2OCH3
MP−142:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2O−n−C49;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−143:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2O−n−C49
MP−144:R13:CH2O−n−C49;R14:CH2OCH3;R15:CH2OH;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−145:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−146:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3
MP−147:R13:CH2OH;R14:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2OCH3
MP−148:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−149:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3
MP−150:R13:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3;R14:CH2OCH3;R15:CH2OH;R16:CH2NHCOCH=CH2
Figure 2006154610
MP−151:R13、R14、R15、R16:CH2OH
MP−152:R13、R14、R15、R16:CH2OCH3
MP−153:R13、R14、R15、R16:CH2O−i−C49
MP−154:R13、R14、R15、R16:CH2O−n−C49
MP−155:R13、R14、R15、R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−156:R13、R14、R15、R16:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3
MP−157:R13、R14、R15:CH2OH;R16:CH2OCH3
MP−158:R13、R14、R16:CH2OH;R15:CH2OCH3
MP−159:R13、R14:CH2OH;R15、R16:CH2OCH3
MP−160:R13、R16:CH2OH;R14、R15:CH2OCH3
MP−161:R13:CH2OH;R14、R15、R16:CH2OCH3
MP−162:R13、R14、R16:CH2OCH3;R15:CH2OH
MP−163:R13、R16:CH2OCH3;R14、R15:CH2OH
MP−164:R13、R14、R15:CH2OH;R16:CH2O−i−C49
MP−165:R13、R14、R16:CH2OH;R15:CH2O−i−C49
MP−166:R13、R14:CH2OH;R15、R16:CH2O−i−C49
MP−167:R13、R16:CH2OH;R14、R15:CH2O−i−C49
MP−168:R13:CH2OH;R14、R15、R16:CH2O−i−C49
MP−169:R13、R14、R16:CH2O−i−C49;R15:CH2OH
MP−170:R13、R16:CH2O−i−C49;R14、R15:CH2OH
MP−171:R13、R14、R15:CH2OH;R16:CH2O−n−C49
MP−172:R13、R14、R16:CH2OH;R15:CH2O−n−C49
MP−173:R13、R14:CH2OH;R15、R16:CH2O−n−C49
MP−174:R13、R16:CH2OH;R14、R15:CH2O−n−C49
MP−175:R13:CH2OH;R14、R15、R16:CH2O−n−C49
MP−176:R13、R14、R16:CH2O−n−C49;R15:CH2OH
MP−177:R13、R16:CH2O−n−C49;R14、R15:CH2OH
MP−178:R13、R14:CH2OH;R15:CH2OCH3;R16:CH2O−n−C49
MP−179:R13、R14:CH2OH;R15:CH2O−n−C49;R16:CH2OCH3
MP−180:R13、R16:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2O−n−C49
MP−181:R13:CH2OH;R14、R15:CH2OCH3;R16:CH2O−n−C49
MP−182:R13:CH2OH;R14、R16:CH2OCH3;R15:CH2O−n−C49
MP−183:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15、R16:CH2O−n−C49
MP−184:R13:CH2OH;R14、R15:CH2O−n−C49;R16:CH2OCH3
MP−185:R13、R14:CH2OCH3;R15:CH2OH;R16:CH2O−n−C49
MP−186:R13、R16:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2O−n−C49
MP−187:R13:CH2OCH3;R14、R15:CH2OH;R16:CH2O−n−C49
MP−188:R13、R16:CH2O−n−C49;R14:CH2OCH3;R15:CH2OH
MP−189:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2O−n−C49;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−190:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2O−n−C49
MP−191:R13:CH2OH;R14:CH2O−n−C49;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2OCH3
MP−192:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2O−n−C49;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−193:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2O−n−C49
MP−194:R13:CH2O−n−C49;R14:CH2OCH3;R15:CH2OH;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−195:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−196:R13:CH2OH;R14:CH2OCH3;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3
MP−197:R13:CH2OH;R14:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2OCH3
MP−198:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3;R16:CH2NHCOCH=CH2
MP−199:R13:CH2OCH3;R14:CH2OH;R15:CH2NHCOCH=CH2;R16:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3
MP−200:R13:CH2NHCO(CH27CH=CH(CH27CH3;R14:CH2OCH3;R15:CH2OH;R16:CH2NHCOCH=CH2
本発明においては、上記繰り返し単位を二種類以上組み合わせたコポリマーを用いてもよい。二種類以上のホモポリマーまたはコポリマーを併用してもよい。
また、二種類以上の1,3,5−トリアジン環を有する化合物を併用してもよい。二種類以上の円盤状化合物(例えば、1,3,5−トリアジン環を有する化合物とポルフィリン骨格を有する化合物)を併用してもよい。
これらの添加剤は光学フィルムに対して0.2〜30質量%、特に好ましくは1〜20質量%含有することが好ましい。
〔光学フィルムの製造方法〕
次に、本発明の光学フィルムの製造方法について説明する。
本発明の光学フィルムの製造は、セルロースエステル及び前記一般式(1)で表されるアルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物をSiO2に換算して該セルロースエステルに対し0.05〜3質量%含有する、溶剤キャスト法による光学フィルムの製造方法であって、該セルロースエステル及び該アルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物を溶解した溶液を、密閉容器内において80〜150℃で加熱する工程を有することが特徴である。
本発明の光学フィルムの製造は、セルロースエステル、前記一般式(1)で表されるアルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物及び添加剤を溶剤に溶解させてドープ液を形成する工程、ドープ液を密閉容器内において加熱する工程、ドープ液を支持体上に流延する工程、流延したドープ液を乾燥する工程により行われる。
(ドープ液の作製)
ドープ液中のセルロースエステルの濃度は、濃い方が支持体に流延した後の乾燥負荷が低減できて好ましいが、セルロースエステルの濃度が濃すぎると濾過時の負荷が増えて、濾過精度が悪くなる。これらを両立する濃度としては、10〜50質量%が好ましく、さらに好ましくは15〜35質量%である。
ドープ液で用いられる溶剤は単独でも併用でもよいが、セルロースエステルの良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが生産効率の点で好ましく、良溶剤が多い方がセルロースエステルの溶解性の点で好ましい。良溶剤と貧溶剤の混合比率の好ましい範囲は、良溶剤が70〜98質量%であり、貧溶剤が30〜2質量%である。
良溶剤、貧溶剤とは、使用するセルロースエステルを単独で溶解するものを良溶剤、単独で膨潤するかまたは溶解しないものを貧溶剤と定義している。そのため、セルロースエステルの平均酢化度によっては、良溶剤、貧溶剤が変わり、例えば、アセトンを溶剤として用いるときには、セルロースの酢酸エステル(結合酢酸量55%)、セルロースアセテートプロピオネートでは良溶剤になり、セルロースの酢酸エステル(結合酢酸量60%)では貧溶剤となってしまう。
良溶剤は特に限定されないが、例えば、セルローストリアセテートの場合は、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物やジオキソラン類、セルロースアセテートプロピオネートの場合は、メチレンクロライド、アセトン、酢酸メチル等が挙げられる。
また、貧溶剤は特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン、アセトン、シクロヘキサノン等が好ましく用いられる。
上記記載のドープ液を調製する時の、セルロースエステルの溶解方法としては、一般的な方法を用いることができる。加熱と加圧を組み合わせると、常圧における沸点以上に加熱できる。溶剤の常圧での沸点以上で、かつ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら攪拌溶解すると、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止するため好ましい。また、セルロースエステルを貧溶剤と混合して湿潤あるいは膨潤させた後、さらに良溶剤を添加して溶解する方法も好ましく用いられる。
加圧は窒素ガス等の不活性気体を圧入する方法や、加熱によって溶剤の蒸気圧を上昇させる方法によって行ってもよい。加熱は外部から行うことが好ましく、例えば、ジャケットタイプのものは温度コントロールが容易で好ましい。
溶剤を添加しての加熱温度は、高い方がセルロースエステルの溶解性の観点から好ましいが、加熱温度が高すぎると必要とされる圧力が大きくなり、生産性が悪くなる。好ましい加熱温度の範囲は45〜120℃であり、60〜110℃がより好ましく、70℃〜105℃の範囲がさらに好ましい。また、圧力は設定温度で溶剤が沸騰しないように調整される。
次に、このセルロースエステル溶液を、濾紙等の適当な濾過材を用いて濾過する。濾過材としては、不溶物等を除去するために絶対濾過精度が小さい方が好ましいが、絶対濾過精度が小さすぎると、濾過材の目詰まりが発生しやすいという問題点がある。このため絶対濾過精度0.008mm以下の濾材が好ましく、0.001〜0.008mmの範囲の濾材がより好ましく、0.003〜0.006mmの範囲の濾材がさらに好ましい。
濾材の材質は特に制限はなく、通常の濾材を使用することができるが、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック製の濾材や、ステンレス等の金属製の濾材が繊維の脱落等がなく好ましい。
ドープ液の濾過は通常の方法で行うことができるが、溶剤の常圧での沸点以上で、かつ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら濾過する方法が、濾過材前後の差圧(以下、濾圧とすることがある)の上昇が小さく、好ましい。好ましい温度範囲は45〜120℃であり、45〜70℃がより好ましく、45〜55℃の範囲であることがさらに好ましい。濾圧は小さい方が好ましい。濾圧は1.6MPa以下であることが好ましく、1.2MPa以下であることがより好ましく、1.0MPa以下であることがさらに好ましい。
(ドープ液の加熱)
本発明は、少なくともセルロースエステル及びアルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物を溶解した溶液(ドープ)を、密閉容器内において80〜150℃で加熱する工程を有する。
ドープの温度を高くして架橋を進ませるために、密閉した加熱可能な耐圧容器内で加熱する。このドープの加熱はセルロースの溶解が終了した後にさらに同一容器または別の容器を用いて行う。密閉容器での加熱温度は80〜150℃が必要であり、好ましくは90〜130℃である。加熱に従い、密閉容器内の圧力は大気圧よりも上昇する。
容器内での加熱時間は30分〜24時間であることが好ましい。加熱時間が短すぎると効果の発揮が弱くなってしまう。
また、密閉容器内において80〜150℃で加熱したドープを1時間以上かけて、好ましくは1〜5時間かけて室温にまで冷却することが好ましい。
(ドープ液を支持体上に流延する工程)
流延(キャスト)工程における支持体は、表面を鏡面仕上げしたステンレスの無端ベルト若しくはドラムが好ましく用いられる。キャスト工程の支持体の温度は、0℃〜溶剤の沸点未満の温度で、温度が高い方が乾燥速度が速くできるので好ましいが、あまり高すぎると発泡したり、平面性が劣化する場合がある。好ましい支持体温度は0〜40℃であり、5〜30℃の支持体上に流延することがさらに好ましい。支持体の温度を制御する方法は特に制限されないが、温風または冷風を吹きかける方法や、温水バットを支持体に接触させる方法がある。温水バットを用いる方が熱の伝達が効率的に行われるため、支持体の温度が一定になるまでの時間が短く好ましい。温風を用いる場合は、目的の温度よりも高い温度の風を使う必要がある場合がある。
セルロースエステルフィルムが良好な平面性を示すためには、支持体から剥離する際の残留溶媒量は、10〜120%が好ましく、さらに好ましくは20〜40%または60〜120%であり、特に好ましくは20〜30%または70〜115%である。残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量=((加熱処理前の質量−加熱処理後の質量)/(加熱処理後の質量))×100(%)
なお、残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、フィルムを115℃で1時間の加熱処理を行うことを表す。
(流延したドープ液を乾燥する工程)
セルロースエステルフィルムの乾燥工程においては、支持体より剥離したフィルムをさらに乾燥し、残留溶媒量を3%以下にすることが好ましい、さらに好ましくは0.5%以下である。フィルム乾燥工程では一般にロール懸垂方式か、テンター方式でフィルムを搬送しながら乾燥する方式が採られる。
支持体より剥離した直後の残留溶剤量の多いところで、テンター方式で幅保持または延伸を行うことが、フィルムの平面性向上の点で好ましい。また、テンターの延伸倍率を大きくすると幅方向の吸水弾性率が大きくなる。好ましい延伸倍率は0〜15%であり、1〜12%がさらに好ましい。延伸倍率0%とは幅保持のことであり、残留溶剤量が多い所では延伸と同様の効果を得ることができる。
フィルムを乾燥させる手段は特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行うことができるが、簡便さの点で熱風で行うことが好ましい。
乾燥温度は40〜250℃の範囲で段階的に高くしていくことが好ましく、90〜160℃の範囲で行うことが寸法安定性をよくするためさらに好ましい。また、フィルムの軟化点±20℃の範囲で10〜40分間乾燥することが、吸水弾性率向上の点で好ましい。フィルムの軟化点±20℃の乾燥中に搬送張力を制御することで、流延方向の吸水弾性率をコントロールすることができる。好ましい搬送張力の範囲は150〜350N/mであり、200〜300N/mがさらに好ましい。
フィルムの厚さは特に限定されないが、例えば、10μm〜1mm程度のもの等、任意の厚さのフィルムを作製することができる。好ましくは乾燥、延伸等の処理が終わった後の膜厚で10〜500μmが好ましく、特に30〜120μmが好ましい。
本発明の光学フィルムは、幅1〜4mのものが好ましく用いられる。
本発明の構成により、平面性にも優れた光学フィルムが得られるため、広幅のセルロースエステルフィルムで著しい効果が認められる。特に幅1.4〜4mのものが好ましく用いられ、特に好ましくは1.4〜2mである。4mを超えると搬送が困難となる。
〔添加剤〕
本発明の光学フィルムには、必要に応じて紫外線吸収剤、染料、マット剤等の添加剤を添加してもよい。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤は液晶の劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。本発明においては、特に波長370nmでの透過率が10%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは2%以下である。
本発明においては、分子内に芳香族環を2つ以上有する紫外線吸収剤が特に好ましく用いられる。用いられる紫外線吸収剤は特に限定されないが、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体等が挙げられる。好ましく用いられる紫外線吸収剤は、透明性が高く、偏光板や液晶素子の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましい。紫外線吸収剤の具体例として、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のTINUVIN109、TINUVIN171、TINUVIN326、TINUVIN327、TINUVIN328等を好ましく用いることができるが、これらに限定されるものではない。
紫外線吸収剤は単独で用いてもよいし、2種以上の混合物であってもよい。また、紫外線吸収剤としては、高分子紫外線吸収剤も好ましく用いることができ、特に、特開平6−148430号記載のポリマータイプの紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
紫外線吸収剤の添加方法は、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソラン等の有機溶媒に紫外線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、または直接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエステル中にデゾルバーやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。
紫外線吸収剤の使用量は化合物の種類、使用条件等により一様ではないが、セルロースエステルフィルムの乾燥膜厚が30〜200μmの場合は、セルロースエステルフィルムに対して0.5〜4.0質量%が好ましく、0.6g〜2.0質量%がさらに好ましい。本発明においては、フィルムの黄色みを抑えるために青色染料を添加してもよい。好ましい染料としてはアンスラキノン系染料が挙げられる。アンスラキノン系染料は、アンスラキノンの1位から8位迄の位置に任意の置換基を有することができる。好ましい置換基としては、アニリノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、または水素原子が挙げられる。これらの染料のフィルムへの添加量は、フィルムの透明性を維持するため0.1〜1000μg/m2、好ましくは10〜100μg/m2である。
(マット剤)
本発明には必要に応じてマット剤として、酸化珪素等の微粒子を加えてもよい。マット剤微粒子は有機物によって表面処理されていることが、フィルムのヘイズを低下できるため好ましい。表面処理で好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサン等が挙げられる。微粒子の平均径が大きい方がマット効果は大きく、平均径の小さい方は透明性に優れるため、微粒子の一次粒子の平均径は5〜50nmが好ましく、さらに好ましくは7〜20nmである。
酸化珪素の微粒子としては特に限定されないが、例えば、日本アエロジル(株)製のAEROSIL200、200V、300、R972、R972V、R972CF、R974、R202、R805、R812、OX50、TT600等が挙げられ、好ましくはAEROSIL200、200V、R972、R972V、R974、R202、R805、R812等が挙げられる。
各種添加剤はドープ液にバッチ添加してもよいし、添加剤溶解液を別途用意してインライン添加してもよい。特に、マット剤は濾過材への負荷を減らすために、一部または全量をインライン添加することが好ましい。添加剤溶解液をインライン添加する場合は、ドープとの混合性をよくするため、少量のセルロースエステルを溶解するのが好ましい。好ましいセルロースエステルの量は、溶剤100質量部に対して1〜10質量部で、より好ましくは3〜5質量部である。
本発明においてインライン添加、混合を行うためには、例えば、スタチックミキサー(東レエンジニアリング製)、SWJ(東レ静止型管内混合器 Hi−Mixer)等のインラインミキサー等が好ましく用いられる。
〔セルロースエステルフィルムの物性〕
本発明に係るセルロースエステルフィルムの透湿度は、40℃、90%RHで850g/m2・24h以下であり、好ましくは20〜800g/m2・24hであり、20〜750g/m2・24hであることが特に好ましい。透湿度はJIS Z 0208に記載の方法に従い測定することができる。
本発明に係るセルロースエステルフィルムは下記測定による破断伸度は10〜80%であることが好ましく20〜50%であることがさらに好ましい。
(透過率の測定)
透過率Tは、分光高度計U−3400(日立製作所(株))を用い、各試料を350〜700nmの波長領域で10nmおきに求めた分光透過率τ(λ)から、380、400、500nmの透過率を算出することができる。
本発明に係るセルロースエステルフィルムの下記測定によるヘイズは1%未満であることが好ましく0〜0.1%であることが特に好ましい。
(ヘイズ値)
JIS K−6714に従って、ヘイズメーター(1001DP型、日本電色工業(株)製)を用いて測定し、透明性の指標とすることができる。
本発明の光学フィルムは、高い透湿性、寸法安定性等から偏光板保護用フィルム以外にも、位相差板、反射板、視野角拡大フィルム(光学補償フィルム)、防眩フィルム、反射防止フィルム、帯電防止フィルム等の液晶表示用部材に使用することができる。特に、本発明の光学フィルムは、光学補償フィルムして好適である。
(光学補償フィルム)
液晶ディスプレイは、異方性を持つ液晶材料や偏光板を使用するために正面から見た場合に良好な表示が得られても、斜めから見ると表示性能が低下するという視野角の問題があり、性能向上のためにも視野角補償板が必要である。平均的な屈折率分布はセルの厚み方向で大きく、面内方向でより小さいものとなっている。そのため補償板としては、この異方性を相殺できるもので、膜厚方向の屈折率が面内方向より小さな屈折率を持つ、いわゆる負の一軸性構造を持つものが有効であり、本発明の光学フィルムはそのような機能を有する光学補償フィルムとしても利用できる。
本発明では、光学フィルムが前記リターデーション値制御剤を含有し、及び/または延伸されることで、下記式で定義されるRoが23℃、55%RHの条件下で20〜300nm、Rtが23℃、55%RHの条件下で0〜400nmとなる光学補償フィルムとして好ましく使用される。
Ro=(nx−ny)×d
Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
(式中、nxはフィルム面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyはnxに直角な方向でのフィルム面内の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を表す)
なお、リターデーション値Ro、Rtは自動複屈折率計を用いて測定することができる。例えば、KOBRA−21ADH(王子計測機器(株))を用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmで求めることができる。
本発明に係る光学補償フィルムを作製するための延伸工程(テンター工程ともいう)の一例を、図3を用いて説明する。
図3において、工程Aでは、図示されていないフィルム搬送工程D0から搬送されてきたフィルムを把持する工程であり、次の工程Bにおいて、図2に示すような延伸角度でフィルムが幅手方向(フィルムの進行方向と直交する方向)に延伸され、工程Cにおいては、延伸が終了し、フィルムが把持したまま搬送される工程である。
フィルム剥離後から工程B開始前及び/または工程Cの直後に、フィルム幅方向の端部を切り落とすスリッターを設けることが好ましい。特に、A工程開始直前にフィルム端部を切り落とすスリッターを設けることが好ましい。幅手方向に同一の延伸を行った際、特に工程B開始前にフィルム端部を切除した場合とフィルム端部を切除しない条件とを比較すると、前者がより配向角分布を改良する効果が得られる。
これは、残留溶媒量の比較的多い剥離から幅手延伸工程Bまでの間での長手方向の意図しない延伸を抑制した効果であると考えられる。
テンター工程において、配向角分布を改善するため意図的に異なる温度を持つ区画を作ることも好ましい。また、異なる温度区画の間にそれぞれの区画が干渉を起こさないように、ニュートラルゾーンを設けることも好ましい。
なお、延伸操作は多段階に分割して実施してもよく、流延方向、幅手方向に二軸延伸を実施することが好ましい。また、二軸延伸を行う場合にも同時二軸延伸を行ってもよいし、段階的に実施してもよい。この場合、段階的とは、例えば、延伸方向の異なる延伸を順次行うことも可能であるし、同一方向の延伸を多段階に分割し、かつ異なる方向の延伸をそのいずれかの段階に加えることも可能である。即ち、例えば、次のような延伸ステップも可能である。
・流延方向に延伸−幅手方向に延伸すると同時に流延方向に延伸
・流延方向に延伸−幅手方向に延伸すると同時に流延方向に延伸
また、同時2軸延伸には、一方向に延伸し、もう一方を張力を緩和して収縮させる場合も含まれる。同時2軸延伸の好ましい延伸倍率は幅方向に×1.05〜×1.5倍で長手方向(流延方向)に×0.8〜×1.3倍であり、特に幅方向に×1.1〜×1.5倍、長手方向に×0.8〜×0.99倍とすることが好ましい。特に好ましくは幅方向に×1.1〜×1.4倍、長手方向に×0.9〜×0.99倍である。
また、延伸方向とは、延伸操作を行う場合の直接的に延伸応力を加える方向という意味で使用する場合が通常であるが、多段階に二軸延伸される場合に、最終的に延伸倍率の大きくなった方(即ち、通常遅相軸となる方向)の意味で使用されることもある。特に、寸法変化率に関する記載の場合の単に延伸方向という表現の場合には主として後者の意味で使用される。残留溶媒量は前記式により表される。
セルロースエステルフィルムの延伸操作を行うことによる80℃、90%RH条件下における寸法安定性の改善のためには、残留溶媒存在下、かつ加熱条件下にて延伸操作を行うことが好ましい。
フィルムを幅手方向に延伸する場合には、フィルムの幅手方向で光学遅相軸の分布(以下、配向角分布)が悪くなることはよく知られている。RtとRoの値を一定比率とし、かつ、配向角分布を良好な状態で幅手延伸を行うため、工程A、B、Cで好ましいフィルム温度の相対関係が存在する。工程A、B、C終点でのフィルム温度をそれぞれTa℃、Tb℃、Tc℃とすると、Ta≦Tb−10であることが好ましい。また、Tc≦Tbであることが好ましい。Ta≦Tb−10かつ、Tc≦Tbであることがさらに好ましい。
工程Bでのフィルム昇温速度は、配向角分布を良好にするために、0.5〜10℃/sの範囲が好ましい。
工程Bでの延伸時間は、80℃、90%RH条件における寸法変化率を小さくするためには短時間である方が好ましい。但し、フィルムの均一性の観点から、最低限必要な延伸時間の範囲が規定される。具体的には1〜10秒の範囲であることが好ましく、4〜10秒がより好ましい。また、工程Bの温度は40〜180℃、好ましくは100〜160℃である。
上記テンター工程において、熱伝達係数は一定でもよいし、変化させてもよい。熱伝達係数としては、41.9〜419×103J/m2hrの範囲の熱伝達係数を持つことが好ましい。さらに好ましくは、41.9〜209.5×103J/m2hrの範囲であり、41.9〜126×103J/m2hrの範囲が最も好ましい。
80℃、90%RH条件下における寸法安定性を良好にするため、上記工程Bでの幅手方向への延伸速度は、一定で行ってもよいし、変化させてもよい。延伸速度としては、50〜500%/minが好ましく、さらに好ましくは100〜400%/min、200〜300%/minが最も好ましい。
テンター工程において、雰囲気の幅手方向の温度分布が少ないことが、フィルムの均一性を高める観点から好ましく、テンター工程での幅手方向の温度分布は、±5℃以内が好ましく、±2℃以内がより好ましく、±1℃以内が最も好ましい。上記温度分布を少なくすることにより、フィルムの幅手での温度分布も小さくなることが期待できる。
工程Cに於いて、寸法変化を抑えるため幅方向に緩和することが好ましい。具体的には、前工程のフィルム幅に対して95〜99.5%の範囲になるようにフィルム幅を調整することが好ましい。
テンター工程で処理した後、さらに後乾燥工程(以下、工程D1)を設けるのが好ましい。50〜160℃で行うのが好ましい。さらに好ましくは、80〜150℃の範囲であり、最も好ましくは110〜140℃の範囲である。
工程D1で、フィルムの幅方向の雰囲気温度分布が少ない事は、フィルムの均一性を高める観点から好ましい。±5℃以内が好ましく、±2℃以内がより好ましく、±1℃以内が最も好ましい。
工程D1でのフィルム搬送張力は、ドープの物性、剥離時及び工程D0での残留溶媒量、工程D1での温度等に影響を受けるが、90〜200N/mが好ましく、140〜200N/mがさらに好ましい。140〜160N/mが最も好ましい。
工程D1での搬送方向へフィルムの伸びを防止する目的で、テンションカットロールを設けることが好ましい。乾燥終了後、巻き取り前にスリッターを設けて端部を切り落とすことが良好な巻姿を得るため好ましい。
本発明の偏光板において、上記したように表示特性の向上のためにリターデーションをフィルムに付与するために、セルロースエステルフィルムを幅手方向に延伸して、セルロースエステルフィルムのリターデーションを制御することが好ましい。
本発明の目的を達成するために、具体的には本発明の偏光板に用いる光学補償フィルムは、流延製膜法により作製した30μm〜150μm以下の膜厚で好ましく、これは本発明の効果に加えてフィルムの物理的な強度と製造面の両立の観点に由来する。該フィルムの膜厚において、より好ましくは40〜120μm以下の範囲である。
〔偏光板〕
本発明の偏光板について述べる。
偏光板は一般的な方法で作製することができる。本発明の光学フィルムの裏面側をアルカリ鹸化処理し、処理した光学フィルムを、ヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光膜の少なくとも一方の面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせることが好ましい。もう一方の面にも該光学フィルムを用いても、別の偏光板保護フィルムを用いてもよい。本発明の光学フィルムに対して、もう一方の面に用いられる偏光板保護フィルムは、前記光学補償フィルムであることが好ましい。あるいはさらにディスコチック液晶、棒状液晶、コレステリック液晶等の液晶化合物を配向させて形成した光学異方層を有している光学補償フィルムを兼ねる偏光板保護フィルムを用いることもできる。例えば、特開2003−98348記載の方法で光学異方性層を形成することができる。
裏面側に用いられる偏光板保護フィルムとしては、市販のセルロースエステルフィルムとして、KC8UX2M、KC4UX、KC5UX、KC4UY、KC8UY、KC12UR、KC8UCR−3(コニカミノルタオプト(株)製)等も好ましく用いられる。
偏光板の主たる構成要素である偏光膜とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光膜は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものがある。偏光膜は、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。該偏光膜の面上に、本発明の光学フィルムの片面を貼り合わせて偏光板を形成する。好ましくは完全鹸化ポリビニルアルコール等を主成分とする水系の接着剤によって貼り合わせる。
偏光膜は一軸方向(通常は長手方向)に延伸されているため、偏光板を高温高湿の環境下に置くと延伸方向(通常は長手方向)は縮み、延伸と垂直方向(通常は幅方向)には伸びる。偏光板保護用フィルムの膜厚が薄くなるほど偏光板の伸縮率は大きくなり、特に偏光膜の延伸方向の収縮量が大きい。通常、偏光膜の延伸方向は偏光板保護用フィルムの流延方向(MD方向)と貼り合わせるため、偏光板保護用フィルムを薄膜化する場合は、特に流延方向の伸縮率を抑えることが重要である。本発明に係る光学フィルムは極めて寸法安定に優れるため、このような偏光板保護フィルムとして好適に使用される。
即ち60℃、90%RHの条件での耐久性試験によっても光もれが増加することはなく、裏面側に光学補償フィルムを有する偏光板であっても、耐久性試験後に視野角特性が変動することなく良好な視認性を提供することができる。
(表示装置)
本発明の偏光板を表示装置に組み込むことによって、種々の視認性に優れた本発明の表示装置を作製することができる。本発明の光学フィルム(反射防止フィルム)は反射型、透過型、半透過型LCDあるいはTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型(PVA型、MVA型)、IPS型等の各種駆動方式のLCDで好ましく用いられる。また、本発明の光学フィルムは、平面性に優れ、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、電子ペーパー等の各種表示装置にも好ましく用いられる。特に画面が30型以上の大画面の表示装置では、色ムラや波打ちムラが少なく、長時間の鑑賞でも目が疲れないという効果があった。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、特に断りない限り、実施例中の「%」は「質量%」を表す。
実施例1
〔光学フィルム1の作製〕
(加水分解重縮合物A液の調製)
エタノール13.12gとテトラメトキシシラン(TMOS)25.7gを混合した後、イオン交換樹脂5.05g、水6.10gをそれぞれ加え、25℃で2時間加水分解反応を行い、加水分解重縮合物A液を調製した。
テトラメトキシシラン(TMOS) 25.73g
水 6.10g
イオン交換樹脂(アンバーリスト15DRY) 5.05g
エタノール 13.12g
(ドープB液の調製)
下記素材を混合しドープB液を調製した。
加水分解重縮合物A液 1.56g
TPP 6.10g
EPEG 1.32g
ジクロロメタン 270.89g
エタノール 51.60g
CAP 70.61g
まず加圧溶解タンクにジクロロメタンとエタノールを添加した。ジクロロメタンの一部(約40g)は予め分けておき、加水分解重縮合物A液を添加する際に加水分解重縮合物A液と混合して添加した。溶剤の入った加圧溶解タンクにセルロースエステルCAPを攪拌しながら投入した。これを加熱し、攪拌しながら、完全に溶解し、さらにTPP及びEPEGを添加、溶解させた。さらに、十分に攪拌しながら、加水分解重縮合物A液と予め分けておいた溶剤の混合液をゆっくりと添加した後、120℃で2時間加熱した。3時間かけて室温まで冷却した後、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、ドープB液を調製した。
次いで、ベルト流延装置を用い、幅2mのステンレスバンド支持体上にドープB液を均一に流延した。ステンレスバンド支持体上で、残留溶媒量が110%になるまで溶媒を蒸発させ、ステンレスバンド支持体から剥離した。剥離の際に張力をかけて縦(MD)延伸倍率が1.0倍となるように延伸し、次いで、テンターでウェブ両端部を把持し、幅手(TD)方向の延伸倍率が1.25倍となるように延伸した。延伸後、その幅を維持したまま数秒間保持し、幅方向の張力を緩和させた後幅保持を解放し、さらに130℃に設定された第3乾燥ゾーンで30分間搬送させて乾燥を行い、幅1.5m、かつ端部に幅1cm、高さ8μmのナーリングを有する膜厚80μmの光学フィルム1を作製した。
〔光学フィルム2の作製〕
(加水分解重縮合物C液の調製)
エタノール13.12gとテトラメトキシシラン(TMOS)25.7gを混合した後、酢酸5.05gと水6.10gの混合溶液を添加し、25℃で1時間加水分解反応を行い、加水分解重縮合物C液を調製した。
テトラメトキシシラン(TMOS) 27.72g
水 6.57g
酢酸 1.58g
エタノール 14.14g
(ドープD液の調製)
下記素材を混合しドープD液を調製した。
加水分解重縮合物C液 1.61g
TPP 6.10g
EPEG 1.32g
ジクロロメタン 270.89g
エタノール 51.60g
CAP 70.61g
まず加圧溶解タンクにジクロロメタンとエタノールを添加した。ジクロロメタンの一部(約40g)は予め分けておき、加水分解重縮合物C液を添加する際に加水分解重縮合物C液と混合して添加した。溶剤の入った加圧溶解タンクにセルロースエステルCAPを攪拌しながら投入した。これを加熱し、攪拌しながら、完全に溶解し、さらにTPP及びEPEGを添加、溶解させた。さらに、十分に攪拌しながら、加水分解重縮合物A液と予め分けておいた溶剤の混合液をゆっくりと添加した後、120℃で2時間加熱した。3時間かけて室温まで冷却した後、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、ドープD液を調製した。
次いで、ベルト流延装置を用い、幅2mのステンレスバンド支持体上にドープD液を均一に流延した。ステンレスバンド支持体上で、残留溶媒量が110%になるまで溶媒を蒸発させ、ステンレスバンド支持体から剥離した。剥離の際に張力をかけて縦(MD)延伸倍率が1.0倍となるように延伸し、次いで、テンターでウェブ両端部を把持し、幅手(TD)方向の延伸倍率が1.25倍となるように延伸した。延伸後、その幅を維持したまま数秒間保持し、幅方向の張力を緩和させた後幅保持を解放し、さらに130℃に設定された第3乾燥ゾーンで30分間搬送させて乾燥を行い、幅1.5m、かつ端部に幅1cm、高さ8μmのナーリングを有する膜厚80μmの光学フィルム2を作製した。
〔光学フィルム3〜7の作製〕
光学フィルム2の作製において、加水分解重縮合物C液の加水分解時間を表1のように代えて、他は同様にして光学フィルム3〜7を作製した。
〔光学フィルム8〜17の作製〕
光学フィルム1の作製において、加水分解重縮合物A液の添加量またはドープB液の加熱温度を表1のように代えて、他は同様にして光学フィルム8〜17を作製した。
〔光学フィルム18の作製〕
光学フィルム1の作製において、ドープB液を加熱しないで、他は同様にして光学フィルム18を作製した。
〔光学フィルム19の作製〕
光学フィルム1の作製において、加水分解重縮合物A液を添加しないで、他は同様にして光学フィルム19を作製した。
〔光学フィルム20の作製〕
光学フィルム4の作製において、加水分解重縮合物A液の添加量を表1のように代えて、他は同様にして光学フィルム20を作製した。
〔測定及び評価〕
下記のようにして、アルコキシ珪素化合物または加水分解重縮合物の分子量の測定、光学フィルムのリターデーション値Rt、Roの測定、光学フィルムの高温または高温高湿下の質量変化、ヘイズ及び異物の評価を行った。リターデーション値Rt、Roを除きその結果を表1に示す。
(アルコキシ珪素化合物または加水分解重縮合物の分子量)
前記方法で分子量を測定した。
(リターデーション値Rt、Ro)
前記方法でリターデーション値Rt、Roを測定した。その結果、全ての試料についてRtは0〜400nm、Roは20〜300nmであった。
(質量変化)
4×12cmに切った試料を23℃55%の条件下におき、質量Aを測定する。これを90℃湿度なりゆき(ドライ)条件のサーモ、80℃90%RHのサーモにそれぞれ120時間投入する。試料をサーモから出し、23℃55%RHの条件に24時間放置した後、質量Bを測定する。
下記の式を用いて質量変化の割合を算出する。
質量変化(%)=(A−B)/A×100
(ヘイズ)
日本電色工業のNDH2000を用いて、JIS K7136に従い測定を行った。3枚値の測定である。
(異物)
光学フィルムの長さ5m当たりの直径30μm以上の異物数を目視で確認し、以下の基準で評価した。
◎:異物数が0個
○:異物数が3個未満
△:異物数が3〜10個未満
×:異物数が10個以上
Figure 2006154610
本発明の光学フィルムは高温または高温高湿下で質量変化が少なく、異物が少ないことが分かった。
実施例2
〔偏光板の作製〕
厚さ、120μmのポリビニルアルコールフィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gからなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し偏光膜を得た。
次いで、下記工程1〜5に従って偏光膜と実施例1で作製した光学フィルム、裏面側のセルロースエステルフィルムを貼り合わせて偏光板を作製した。裏面側の偏光板保護フィルムには市販のセルロースエステルフィルムであるコニカミノルタタックKC8UX(コニカミノルタオプト(株)製)を用いてそれぞれ偏光板とした。
工程1:実施例1で作製した光学フィルムを60℃の2mol/Lの水酸化ナトリウム溶液に90秒間浸漬し、次いで水洗し乾燥して、偏光子と貼合する側を鹸化した光学フィルムを得た。
工程2:前記偏光膜を固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒浸漬した。
工程3:工程2で偏光膜に付着した過剰の接着剤を軽く拭き除き、これを工程1で処理した光学フィルムの上にのせて積層した。
工程4:工程3で積層した光学フィルム試料と偏光膜とセルロースエステルフィルムを圧力20〜30N/cm2、搬送スピードは約2m/分で貼合した。
工程5:工程4で作製した偏光膜とセルロースエステルフィルムと光学フィルムとを貼り合わせた試料を80℃の乾燥機中で2分間乾燥し、偏光板を作製した。光学フィルム1〜20を用いて、それぞれ偏光板1〜20を作製した。
〔表示装置の作製〕
視野角測定を行う液晶パネルを以下のようにして作製し、表示装置としての特性を評価した。
富士通製15型ディスプレイVL−150SDの予め貼合されていた両面の偏光板を剥がして、上記作製した偏光板を液晶セルのガラス面に貼合した。その際、偏光板の貼合の向きは、光学フィルムの面が液晶セル側となるように、かつ、予め貼合されていた偏光板と同一の方向に吸収軸が向くように行い、偏光板1〜20からそれぞれ表示装置1〜20を作製した。
〔偏光板、表示装置の評価〕
以上のようにして得られた偏光板、表示装置について下記の評価を行った。その結果を表2に示す。
(偏光板の収率)
偏光板製造過程での故障、トラブルを下記3段階で評価した。本発明の偏光板では偏光板製造過程での故障、トラブルが少なく、歩留まりに優れていた。
○ :皺や折れ曲がりや傷の発生が全くない
○△:皺や折れ曲がりや傷の発生がほとんどない
△ :皺や折れ曲がりや傷の発生がある
× :皺や折れ曲がりや傷の発生が多い
(光もれ)
80℃ドライ、500時間処理、60℃90%RH、500時間処理した偏光板を用いた表示装置を目視により光もれを暗室中で評価し、下記3段階で評価した。
○:ムラ発生なし、光もれなし
△:微小な光もれあり
×:光もれあり
本発明では、○、△が実用可、×は実用不可である。
(視野角変動)
23℃55%RHの環境でELDIM社製EZ−Contrast160Dを用いて表示装置の視野角測定を行った。続いて23℃20%RH、さらに23℃80%RHの環境下で、作製した表示装置の視野角を測定し下記基準で評価した。最後に23℃55%RHの環境でもう一度視野角測定を行い、前記測定の際の変化が可逆変動であることを確認した。なお、これらの測定は、表示装置を当該環境に5時間置いてから測定を行った。
◎:視野角変動がない
○:視野角変動が認められる
×:視野角変動が非常に大きい
(視認性)
作製した表示装置について、60℃90%RHの条件で100時間放置した後、23℃55%RHに戻した。その結果、表示装置の表面を観察すると本発明の偏光板を用いたものは、平面性に優れていたのに対し、比較の表示装置は細かい波打ち状のムラが認められ、長時間見ていると目が疲れやすかった。
◎:表面に波打ち状のムラは全く認められない
○:表面にわずかに波打ち状のムラが認められる
△:表面に細かい波打ち状のムラがやや認められる
×:表面に細かい波打ち状のムラが認められる
Figure 2006154610
本発明の光学フィルムを用いた偏向板の収率が良好で、本発明の偏向板を用いた表示装置は、光もれ、視野角変動、視認性が良好であることが分かった。
TEOSの加水分解前後の29Si−NMRスペクトルを表す図である。 延伸工程での延伸角度を説明する図である。 本発明に用いられるテンター工程の1例を示す概略図である。
符号の説明
Q0、Q1、Q2 ピーク

Claims (10)

  1. セルロースエステル及び下記一般式(1)で表されるアルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物をSiO2に換算して該セルロースエステルに対し0.05〜3質量%含有する、溶剤キャスト法による光学フィルムの製造方法であって、該セルロースエステル及び該アルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物を溶解した溶液を、密閉容器内において80〜150℃で加熱する工程を有することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
    Figure 2006154610
    (式中、R、R′は水素原子または一価の置換基を表し、nは3または4を表す)
  2. 前記アルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物をセルロースエステルに対し0.05〜0.5質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 前記セルロースエステルが下記式(1)、(2)を同時に満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルムの製造方法。
    式(1) 2.3≦X+Y≦2.9
    式(2) 1.4≦X≦2.9
    (式中、Xはアセチル基の置換度、Yは芳香族カルボニル基、炭素数3〜22の脂肪族カルボニル基の置換度を表す)
  4. 前記アルコキシケイ素化合物またはその加水分解重縮合物の分子量が200〜10000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
  5. 前記密閉容器内において80〜150℃で加熱したドープを1時間以上かけて室温にまで冷却することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
  6. アルコキシケイ素化合物の加水分解重縮合物を得る加水分解工程においてイオン交換樹脂を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法によって得られ、23℃55%RH下で下記式(3)で表される面内のリターデーション値Rtが0〜400nmであることを特徴とする光学フィルム。
    式(3) Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
    (式中、nxはフィルム面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyはnxに直角な方向でのフィルム面内の屈折率、nzはフィルムの厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を表す)
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法によって得られ、23℃55%RH下で下記式(4)で表される面内のリターデーション値Roが20〜300nmであることを特徴とする光学フィルム。
    式(4) Ro=(nx−ny)×d
    (式中、nxはフィルム面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyはnxに直角な方向でのフィルム面内の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を表す)
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法によって得られた光学フィルム、請求項7に記載の光学フィルムまたは請求項8に記載の光学フィルムを有することを特徴とする偏光板。
  10. 請求項9に記載の偏光板を用いて構成されていることを特徴とする表示装置。
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JP2008238443A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Fujifilm Corp セルロースアシレートフィルムの製造方法
WO2014192098A1 (ja) * 2013-05-29 2014-12-04 住友化学株式会社 光学部材貼合体の製造装置及び製造方法

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