JP5445273B2 - 位相差フィルムの製造方法 - Google Patents

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本発明は位相差フィルムの製造方法に関する。
液晶表示装置は、低電圧、低消費電力、薄型化の点で他の表示装置にはない大きな特長を有する反面、その最大の問題は視野角が狭いことであり、この課題に対する改良要望は益々強まる一方であり、更なる改良技術の開発が進められている。
このような視野角を拡大するため、延伸されたポリマーフィルムを光学補償フィルムとして用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
またレターデーションを上昇させる化合物(以下、レターデーション上昇剤と言う)をフィルム中に含有させることが提案されている。(例えば、特許文献2、3参照。)
しかしながら、レターデーション上昇剤はブリードアウトし易く、その結果平面性が劣化するという欠点があり、またセルロースエステルフィルムは吸水性があるため、環境の影響を受けやすく、その結果として、光学特性の変動により視野角等の特性が変動しやすいという問題があった。特に画面のコーナー部の視野角特性が変動するコーナームラが発生し易い。
特開2002−14230号公報 特開2004−1330号公報 特開2004−4550号公報
本発明の目的は、平面性、ブリードアウト、コーナームラの改善された位相差フィルムの製造方法を提供し、それを用いた偏光板及び液晶表示装置を提供することができる。
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
(1)レターデーション上昇剤を含有し、下記式(I)で表されるRt値が70〜400nmの範囲の位相差フィルム製造方法であって、延伸工程を経たフィルム形成後であって鹸化処理の前にフィルムの表面をレターデーション上昇剤を溶解する有機溶剤を含有する水に接触させるフィルムの表面を界面活性剤を含有する水に接触させるまたは水中でフィルムの表面に超音波を印加する、の少なくとも1つの処理により、フィルム表面近傍のレターデーション上昇剤の一部を溶出させることを含むことを特徴とする位相差フィルムの製造方法。
式(I) Rt={(nx+ny)/2−nz}×d
〔式中、nxはフィルム面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyはnxに直角な方向でのフィルム面内の屈折率、nzはフィルムの厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)をそれぞれ表す。〕
)前記位相差フィルムがセルロースエステルフィルムであることを特徴とするに記載の位相差フィルムの製造方法。
フィルムの表面をレターデーション上昇剤を溶解する有機溶剤を含有する水に接触させる処理を必須に含み、前記有機溶剤が塩化メチレン、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、テトラヒドロフランから選ばれることを特徴とする1又は2に記載の位相差フィルムの製造方法。
)前記処理を、処理浴中を搬送して行うことを特徴とする1〜のいずれかに記載の位相差フィルムの製造方法。
水中でフィルムの表面に超音波を印加する処理を必須に含み、前記処理浴中に超音波発生装置を設置して超音波をフィルムに与えることを特徴とするに記載の位相差フィルムの製造方法。
本発明により、平面性、ブリードアウト、コーナームラの改善された位相差フィルム、それを用いた偏光板及び液晶表示装置を提供することが出来る。
本発明に用いてもよい温水槽の模式図である。 本発明に用いてもよいシャワーノズルを有する温水槽の模式図である。 延伸工程での延伸角度を説明する図である。 本発明に用いられるテンター工程の1例を示す概略図である。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前記したように、レターデーション上昇剤を含有したセルロースエステルフィルムは、レターデーション上昇剤のブリードアウトが問題になっている。本発明者は、鋭意検討した結果、該セルロースエステルフィルムを製造するに当たり、該位相差フィルムがフィルム形成後に、レターデーション上昇剤を溶解する有機溶剤を含有する水で処理、界面活性剤を含有する水で処理、水中で超音波処理から選ばれる少なくとも1つの処理を経ることで、フィルム表面近傍のレターデーション上昇剤の一部を溶出させて、ブリードアウトを防止することが出来ることを見出し、本発明を成すに至った次第である。特に上記各種処理は、表面近傍だけの溶出なので、レターデーションの低下もほとんどない。
以下、本発明を詳細に説明する。
最初に本発明に係る位相差フィルム形成後に行う各種処理等について説明する。
(温水処理)
本発明に係る位相差フィルムは、レターデーション上昇剤を含有する前記式(I)で表されるRt値が70〜400nmの範囲の位相差フィルムであって、該位相差フィルムがフィルム形成後に70℃以上の温水で処理されてもよい。
温水温度は70℃〜100℃が好ましく、80℃〜95℃が更に好ましく、85℃〜90℃が最も好ましい。
温水に浸漬する時間は、10秒〜20分が好ましく、1分〜10分が更に好ましく、3分〜5分が最も好ましい。
浸漬方法は、図1のように温水浴中を搬送又は図2のように温水をシャワーノズルからかけても良い。温水中で窒素などによるバブリングを行うことも好ましい。
温水温度が高く、時間の長い方が表面レターデーション上昇剤を除去する効果が大きく、温水温度低く、時間の短い方が、フィルムの平面性を悪化させないため、この範囲にコントロールすることが好ましい。
(レターデーション上昇剤を溶解する有機溶剤による処理)
使用出来る有機溶剤はレターデーション上昇剤を溶解する有機溶剤であれば、特に限定されないが、例えば、塩素系有機溶媒としては、塩化メチレン、非塩素系有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等を挙げることが出来、塩化メチレン、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、テトラヒドロフランを好ましく使用し得る。
水溶液中の有機溶剤の含有量は0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%が更に好ましく、1〜3質量%が最も好ましい。
水溶液の温度は、20℃〜90℃が好ましく、20℃〜60℃が更に好ましく、25℃〜40℃が最も好ましい。
水溶液に浸漬する時間、方法は温水処理と同様であることが好ましい。
有機溶剤含有量が多く、時間の長い方が表面レターデーション上昇剤を除去する効果が大きく、有機溶剤含有量が少なく、時間の短い方が、フィルムの平面性を悪化させないため、この範囲にコントロールすることが好ましい。
(界面活性剤による処理)
本発明に係る界面活性剤の種類は特に限定されないが、通常の家庭用の液体洗剤を用いることが出来る。液体洗剤にはアニオン性やノニオン性が好ましく用いられる。また、各種の洗浄補助剤が(ビルダー)が含まれるが、特に問題なく使用出来る。
界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル等のノニオン系界面活性剤、或いはラウリルベタイン、ステアリルベタインの塩などのアルキルベタイン型の塩、ラウリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシンなどのアミノ酸型の両界面活性剤などを挙げることが出来る。これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いることが出来る。
界面活性剤を含む水溶液の濃度は、質量で、0.1〜100ppmが好ましく、1〜10ppmが更に好ましい。
水溶液の温度、浸漬時間と方法はレターデーション上昇剤を溶解する有機溶剤と同様であることが好ましい。
(超音波による処理)
本発明に係る超音波処理の周波数は28kHz〜170kHzが好ましく、28kHz〜104kHzが更に好ましく、40kHz〜72kHzが最も好ましい。
超音波の出力は100W〜1200Wが好ましく、200W〜900Wが更に好ましく、200W〜600Wが最も好ましい。
周波数、出力とも高い方が表面レターデーション上昇剤を除去する効果が大きく、低い方が、フィルムの表面性を悪化させないため、この範囲にコントロールすることが好ましい。
超音波発生装置には特に制限されず、使用することが出来る。例えば、ホーン型振動子や投げ込み型振動子やボルト締めランシュバン振動子の超音波発生装置が好ましく使用される。例えば、本発明で用いられる超音波発生装置としては、本多電子社製の発振器W−115T、ブランソン社製発振器、ギンセン社製のGSC1200I、超音波工業社製の超音波発生ユニット(ミドルウェーブ、ホーン型、メガウェーブTMジェット)等の市販の超音波発生装置が挙げられる。
本発明では、前記処理で例として挙げた図1若しくは図2の水溶液中に上記超音波発生装置を設置し超音波をフィルムに与えることが好ましい。温水浴の温度、浸漬時間、方法はレターデーション上昇剤を溶解する有機溶剤の系と同様であることが好ましい。
上記4つの方法を適宜組み合わせても構わない。また、上記処理工程は、位相差フィルム形成後に行うのであれば特に制限はないが、アルカリ鹸化処理の前に行っても、後に行っても構わない。また、鹸化処理工程の中に上記処理工程を組み込んで行っても構わない。
(位相差フィルム)
本発明の位相差フィルムに用いられるフィルムとしては、製造が容易であること、光学的に均一性であること、光学的に透明性であることが好ましい。これらの性質を有していれば何れでもよく、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム,ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム又はアクリルフィルム等を挙げることが出来るが、これらに限定されるわけではない。これらのフィルムは溶液流延法或いは溶融流延法で製膜されたフィルムが好ましく用いられる。これらのうちセルロースエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンを含む)、シクロオレフィンポリマーフィルムが好ましく、本発明においては、特に主成分としてセルロースエステルを含むセルロースエステルフィルムが、製造上、コスト面、透明性、均一性、接着性等の面から好ましい。
〈セルロース誘導体〉
本発明に用いられるセルロース誘導体は、セルロースの低級脂肪酸エステルであることが好ましい。セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等や、特開平10−45804号、同8−231761号、米国特許第2,319,052号等に記載されているようなセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルを用いることが出来る。上記記載の中でも、特に好ましく用いられるセルロースの低級脂0肪酸エステルは、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートである。これらのセルロースエステルは単独或いは混合して用いることが出来る。
セルローストリアセテートの場合には、平均酢化度(結合酢酸量)54.0〜62.5%のものが好ましく用いられ、更に好ましいのは平均酢化度が58.0〜62.5%のセルローストリアセテートである。
セルローストリアセテート以外で好ましいセルロースエステルは、炭素原子数2〜4のアシル基又は芳香族カルボニル基を置換基として有し、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基の置換度をYとした時、下記式(1)及び(2)を同時に満たすセルロースエステルである。
(I)2.3≦X+Y≦2.9
(II)1.4≦X≦2.9
(但し、Xはアセチル基の置換度、Yは芳香族カルボニル基、炭素数3〜22の脂肪酸エステル基の置換度である。)
中でも1.9≦X≦2.5、0.1≦Y≦0.9のセルロースアセテートプロピオネートが好ましい。アシル基で置換されていない部分は、通常水酸基として存在しているものである。これらは公知の方法で合成することが出来る。
セルロースエステルは綿花リンター、木材パルプ、ケナフ等を原料として合成されたセルロースエステルを単独或いは混合して用いることが出来る。特に、綿花リンター(以下、単にリンターとすることがある)から合成されたセルロースエステルを単独或いは混合して用いることが好ましい。
セルロースエステルの分子量が大きいと、湿度によるリターデーション値の変化率が小さくなるが、分子量を上げすぎると、セルロースエステルの溶解液の粘度が高くなりすぎ、生産性が低下する。セルロースエステルの分子量は、数平均分子量(Mn)で70000〜200000のものが好ましく、70000〜170000のものが更に好ましい。
更に、本発明で用いられるセルロースエステルは、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の値が1.4〜3.0であるセルロースエステルであることが好ましい。好ましくは1.7〜2.2の範囲である。
セルロースエステルの平均分子量及び分子量分布は、高速液体クロマトグラフィーを用いて公知の方法で測定することが出来る。これを用いて数平均分子量、重量平均分子量を算出し、その比(Mw/Mn)を計算することが出来る。
測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に得ることが好ましい。
〈可塑剤〉
本発明に用いることの出来る可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、多価アルコールエステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤などを用いることが出来るが、特に好ましくは、多価アルコール系可塑剤、エステル系可塑剤である。また、リン酸エステル系可塑剤の添加量は6質量%以下とすることが好ましい。
多価アルコールエステルは、2価以上の脂肪族多価アルコールとモノカルボン酸のエステルよりなり、分子内に芳香環又はシクロアルキル環を有する事が好ましい。
本発明に用いられる多価アルコールは、次の一般式(1)で表される。
一般式(1) R−(OH)n
式中、Rはn価の有機基、nは2以上の正の整数、OH基はアルコール性又はフェノール性水酸基を表す。
好ましい多価アルコールの例としては、例えば、以下のようなものを挙げることが出来るが、本発明はこれらに限定されるものではない。アドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトールなどを挙げることが出来る。中でも、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールが好ましい。
本発明の多価アルコールエステルに用いられるモノカルボン酸としては、特に制限はなく、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸などを用いることが出来る。脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸を用いると、透湿性、保留性を向上させる点で好ましい。好ましいモノカルボン酸の例としては、以下のようなものを挙げることが出来るが、本発明はこれに限定されるものではない。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数1〜32の直鎖又は側鎖を持った脂肪酸を好ましく用いることが出来る。炭素数1〜20であることが更に好ましく、炭素数1〜10であることが特に好ましい。酢酸を用いるとセルロースエステルとの相溶性が増すため好ましく、酢酸と他のモノカルボン酸を混合して用いることも好ましい。
好ましい脂肪族モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸などの飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などの不飽和脂肪酸などを挙げることが出来る。好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、又はそれらの誘導体を挙げることが出来る。好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸などの安息香酸のベンゼン環にアルキル基を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸などのベンゼン環を2個以上持つ芳香族モノカルボン酸、又はそれらの誘導体を挙げることが出来る。特に、安息香酸が好ましい。
多価アルコールエステルの分子量は特に制限はないが、分子量300〜1500の範囲であることが好ましく、350〜750の範囲であることが更に好ましい。分子量が大きい方が揮発し難くなるため好ましく、透湿性、セルロースエステルとの相溶性の点では小さい方が好ましい。多価アルコールエステルに用いられるカルボン酸は一種類でもよいし、二種以上の混合であってもよい。また、多価アルコール中のOH基は全てエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。以下に、多価アルコールエステルの具体的化合物を示す。
Figure 0005445273
Figure 0005445273
Figure 0005445273
Figure 0005445273
エステル系可塑剤は特に限定されないが、分子内に芳香環又はシクロアルキル環を有するエステル系可塑剤を用いることが出来る。好ましいエステル系可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(I)で表させる。
一般式(I) B−(G−A)n−G−B
(式中、Bはベンゼンモノカルボン酸残基、Gは炭素数2〜12のアルキレングリコール残基又は炭素数6〜12のアリールグリコール残基又は炭素数が4〜12のオキシアルキレングリコール残基、Aは炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基又は炭素数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表し、またnは0以上の整数を表す。)
一般式(I)中、Bで示されるベンゼンモノカルボン酸残基とGで示されるアルキレングリコール残基又はオキシアルキレングリコール残基又はアリールグリコール残基、Aで示されるアルキレンジカルボン酸残基又はアリールジカルボン酸残基とから構成されるものであり、通常のポリエステル系可塑剤と同様の反応により得られる。
本発明で使用されるエステル系可塑剤のベンゼンモノカルボン酸成分としては、例えば、安息香酸、パラターシャリブチル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸等があり、これらはそれぞれ1種又は2種以上の混合物として使用することが出来る。
本発明のエステル系可塑剤の炭素数2〜12のアルキレングリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオール、2−エチル1,3−ヘキサンジオール、2−メチル1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等があり、これらのグリコールは、1種又は2種以上の混合物として使用される。
また、本発明の芳香族末端エステルの炭素数4〜12のオキシアルキレングリコール成分としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等があり、これらのグリコールは、1種又は2種以上の混合物として使用出来る。
本発明の芳香族末端エステルの炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸成分としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、フマール酸、グルタール酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等があり、これらは、それぞれ1種又は2種以上の混合物として使用される。炭素数6〜12のアリーレンジカルボン酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、1,5ナフタレンジカルボン酸、1,4ナフタレンジカルボン酸等がある。
本発明で使用されるエステル系可塑剤は、数平均分子量が、好ましくは250〜2000、より好ましくは300〜1500の範囲が好適である。また、その酸価は、0.5mgKOH/g以下、水酸基価は25mgKOH/g以下、より好ましくは酸価0.3mgKOH/g以下、水酸基価は15mgKOH/g以下のものが好適である。
以下、本発明に用いることの出来る芳香族末端エステル系可塑剤の合成例を示す。
〈サンプルNo.1(芳香族末端エステルサンプル)〉
反応容器に、アジピン酸365部(2.5モル)、1,2−プロピレングリコール418部(5.5モル)、安息香酸610部(5モル)及び触媒としてテトライソプロピルチタネート0.30部を一括して仕込み窒素気流中で攪拌下、還流凝縮器を付して過剰の1価アルコールを還流させながら、酸価が2以下になるまで130〜250℃で加熱を続け生成する水を連続的に除去した。次いで200〜230℃で100〜最終的に3mmHg以下の減圧下、留出分を除去し、この後濾過して次の性状を有する芳香族末端エステルを得た。
粘度(25℃、mPa・s);815
酸価 ;0.4
〈サンプルNo.2(芳香族末端エステルサンプル)〉
反応容器に、アジピン酸365部(2.5モル)、安息香酸610部(5モル)、ジエチレングリコール583部(5.5モル)及び触媒としてテトライソプロピルチタネート0.45部を用いる以外はサンプルNo.1と全く同様にして次の性状を有する芳香族末端エステルを得た。
粘度(25℃、mPa・s);90
酸価 ;0.05
〈サンプルNo.3(芳香族末端エステルサンプル)〉
反応容器にフタル酸410部(2.5モル)、安息香酸610部(5モル)、ジプロピレングリコール737部(5.5モル)及び触媒としてテトライソプロピルチタネート0.40部を用いる以外はサンプルNo.1と全く同様にして次の性状を有する芳香族末端エステル系可塑剤を得た。
粘度(25℃、mPa・s);43400
酸価 ;0.2
以下に、芳香族末端エステル系可塑剤の具体的化合物を示すが、本発明はこれに限定されない。
Figure 0005445273
Figure 0005445273
本発明に係る芳香族末端エステル系可塑剤の含有量は、位相差フィルム中に1〜20質量%含有することが好ましく、特に3〜11質量%含有することが好ましい。
本発明で用いられる位相差フィルムは、上記可塑剤以外の可塑剤を含有することも好ましい。
2種以上の可塑剤を含有させることによって、可塑剤の溶出を少なくすることが出来る。その理由は明らかではないが、1種類当たりの添加量を減らすことが出来ることと、2種の可塑剤同士及びセルロースエステルとの相互作用によって溶出が抑制されるものと思われる。
リン酸エステル系可塑剤では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系可塑剤では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート等を用いることが出来る。
これらの可塑剤は単独或いは2種以上混合して用いることが出来る。可塑剤の使用量は、セルロースエステルに対して4〜20質量%が好ましく、6〜16質量%が更に好ましく、特に好ましくは7〜11質量%である。可塑剤の添加量が多すぎると、フィルムが柔らかくなりすぎるため熱による弾性率の低下率が大きくなり、添加量が少なすぎるとフィルムの透湿性が低下する。
〈レターデーション上昇剤〉
本発明の位相差フィルムは、レターデーション上昇剤を含有することが特徴であり、更に少なくとも二つの芳香族環からなる芳香族化合物を含有することが好ましい。
芳香族化合物はセルロースアセテート100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、0.1〜10質量部の範囲で使用することが更に好ましい。二種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。芳香族性ヘテロ環であることが特に好ましく、芳香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。
芳香族化合物が有する芳香族環の数は2〜20であることが好ましく、2〜12であることがより好ましく、2〜8であることが更に好ましく、3〜6であることが最も好ましい。二つの芳香族環の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)単結合で直結する場合及び(c)連結基を介して結合する場合に分類出来る(芳香族環のため、スピロ結合は形成出来ない)。結合関係は、(a)〜(c)のいずれでもよい。
(a)の縮合環(二つ以上の芳香族環の縮合環)の例には、インデン環、ナフタレン環、アズレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環、アセナフチレン環、ナフタセン環、ピレン環、インドール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドリジン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、プリン環、インダゾール環、クロメン環、キノリン環、イソキノリン環、キノリジン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノキサリン環、フタラジン環、プテリジン環、カルバゾール環、アクリジン環、フェナントリジン環、キサンテン環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサチイン環、フェノキサジン環及びチアントレン環が含まれる。ナフタレン環、アズレン環、インドール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環及びキノリン環が好ましい。
(b)の単結合は、二つの芳香族環の炭素原子間の結合であることが好ましい。二以上の単結合で二つの芳香族環を結合して、二つの芳香族環の間に脂肪族環又は非芳香族性複素環を形成してもよい。
(c)の連結基も二つの芳香族環の炭素原子と結合することが好ましい。連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、−CO−、−O−、−NH−、−S−又はそれらの組み合わせであることが好ましい。組み合わせからなる連結基の例を以下に示す。尚、以下の連結基の例の左右の関係は、逆になってもよい。
−CO−O−、−CO−NH−、−アルキレン−O−、−NH−CO−NH−、−NH−CO−O−、−O−CO−O−、−O−アルキレン−O−、−CO−アルケニレン−、−CO−アルケニレン−NH−、−CO−アルケニレン−O−、−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO−アルキレン−、−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO−アルキレン−O−、−O−CO−アルキレン−CO−O−、−NH−CO−アルケニレン−、−O−CO−アルケニレン−。
芳香族環及び連結基は置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、スルホ、カルバモイル、スルファモイル、ウレイド、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、脂肪族アシル基、脂肪族アシルオキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、脂肪族アミド基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族置換アミノ基、脂肪族置換カルバモイル基、脂肪族置換スルファモイル基、脂肪族置換ウレイド基及び非芳香族性複素環基が含まれる。
アルキル基の炭素原子数は1〜8であることが好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方が好ましく、直鎖状アルキル基が特に好ましい。アルキル基は、更に置換基(例、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基)を有していてもよい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)例には、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、2−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メトキシエチル及び2−ジエチルアミノエチルが含まれる。アルケニル基の炭素原子数は、2〜8であることが好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基の方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。アルケニル基は、更に置換基を有していてもよい。アルケニル基の例には、ビニル、アリル及び1−ヘキセニルが含まれる。アルキニル基の炭素原子数は、2〜8であることが好ましい。環状アルキケニル基よりも鎖状アルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が特に好ましい。アルキニル基は、更に置換基を有していてもよい。アルキニル基の例には、エチニル、1−ブチニル及び1−ヘキシニルが含まれる。
脂肪族アシル基の炭素原子数は1〜10であることが好ましい。脂肪族アシル基の例には、アセチル、プロパノイル及びブタノイルが含まれる。脂肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、1〜10であることが好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセトキシが含まれる。アルコキシ基の炭素原子数は1〜8であることが好ましい。アルコキシ基は、更に置換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。アルコキシ基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキシ、エトキシ、ブトキシ及びメトキシエトキシが含まれる。アルコキシカルボニル基の炭素原子数は2〜10であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルが含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子数は、2〜10であることが好ましい。アルコキシカルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノ及びエトキシカルボニルアミノが含まれる。
アルキルチオ基の炭素原子数は1〜12であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メチルチオ、エチルチオ及びオクチルチオが含まれる。アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1〜8であることが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタンスルホニル及びエタンスルホニルが含まれる。脂肪族アミド基の炭素原子数は、1〜10であることが好ましい。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含まれる。脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1〜8であることが好ましい。脂肪族スルホンアミド基の例には、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド及びn−オクタンスルホンアミドが含まれる。脂肪族置換アミノ基の炭素原子数は、1〜10であることが好ましい。脂肪族置換アミノ基の例には、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ及び2−カルボキシエチルアミノが含まれる。脂肪族置換カルバモイル基の炭素原子数は2〜10であることが好ましい。脂肪族置換カルバモイル基の例には、メチルカルバモイル及びジエチルカルバモイルが含まれる。脂肪族置換スルファモイル基の炭素原子数は、1〜8であることが好ましい。脂肪族置換スルファモイル基の例には、メチルスルファモイル及びジエチルスルファモイルが含まれる。脂肪族置換ウレイド基の炭素原子数は、2〜10であることが好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、メチルウレイドが含まれる。非芳香族性複素環基の例には、ピペリジノ及びモルホリノが含まれる。リターデーション上昇剤の分子量は、300〜800であることが好ましい。
本発明に係るレターデーション上昇剤である芳香族化合物としては、下記棒状化合物、若しくは1,3,5−トリアジン環を有する化合物が特に好ましい。
〈棒状化合物〉
本発明の位相差フィルムは、溶液の紫外線吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)が250nmより短波長である棒状化合物を含有することが好ましい。
レターデーション値制御剤の機能の観点では、棒状化合物は、少なくとも一つの芳香族環を有することが好ましく、少なくとも二つの芳香族環を有することが更に好ましい。棒状化合物は、直線的な分子構造を有することが好ましい。直線的な分子構造とは、熱力学的に最も安定な構造において棒状化合物の分子構造が直線的であることを意味する。熱力学的に最も安定な構造は、結晶構造解析又は分子軌道計算によって求めることが出来る。例えば、分子軌道計算ソフト(例、WinMOPAC2000、富士通(株)製)を用いて分子軌道計算を行い、化合物の生成熱が最も小さくなるような分子の構造を求めることが出来る。分子構造が直線的であるとは、上記のように計算して求められる熱力学的に最も安定な構造において、分子構造の角度が140度以上であることを意味する。棒状化合物は、液晶性を示すことが好ましい。棒状化合物は、加熱により液晶性を示す(サーモトロピック液晶性を有する)ことが更に好ましい。液晶相は、ネマチィク相又はスメクティック相が好ましい。
棒状化合物としては、下記一般式(2)で表されるトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸エステル化合物が好ましい。
一般式(2) Ar−L−Ar
式(2)において、Ar及びArは、それぞれ独立に、芳香族基である。本明細書において、芳香族基は、アリール基(芳香族性炭化水素基)、置換アリール基、芳香族性ヘテロ環基及び置換芳香族性ヘテロ環基を含む。アリール基及び置換アリール基の方が、芳香族性ヘテロ環基及び置換芳香族性ヘテロ環基よりも好ましい。芳香族性ヘテロ環基のヘテロ環は、一般には不飽和である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることが更に好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般に最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、窒素原子又は硫黄原子が更に好ましい。芳香族性ヘテロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、及び1,3,5−トリアジン環が含まれる。芳香族基の芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環及びピラジン環が好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
置換アリール基及び置換芳香族性ヘテロ環基の置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ)、ニトロ、スルホ、カルバモイル、アルキルカルバモイル基(例、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル)、スルファモイル、アルキルスルファモイル基(例、N−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル)、ウレイド、アルキルウレイド基(例、N−メチルウレイド、N,N−ジメチルウレイド、N,N,N′−トリメチルウレイド)、アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘプチル、オクチル、イソプロピル、s−ブチル、t−アミル、シクロヘキシル、シクロペンチル)、アルケニル基(例、ビニル、アリル、ヘキセニル)、アルキニル基(例、エチニル、ブチニル)、アシル基(例、ホルミル、アセチル、ブチリル、ヘキサノイル、ラウリル)、アシルオキシ基(例、アセトキシ、ブチリルオキシ、ヘキサノイルオキシ、ラウリルオキシ)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ)、アリールオキシ基(例、フェノキシ)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニルアミノ基(例、ブトキシカルボニルアミノ、ヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ)、アリールチオ基(例、フェニルチオ)、アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘプチルスルホニル、オクチルスルホニル)、アミド基(例、アセトアミド、ブチルアミド基、ヘキシルアミド、ラウリルアミド)及び非芳香族性複素環基(例、モルホリル、ピラジニル)が含まれる。
置換アリール基及び置換芳香族性ヘテロ環基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ、カルボキシル、ヒドロキシル、アミノ、アルキル置換アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基及びアルキル基が好ましい。アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基のアルキル部分とアルキル基とは、更に置換基を有していてもよい。アルキル部分及びアルキル基の置換基の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ基、ニトロ、スルホ、カルバモイル、アルキルカルバモイル基、スルファモイル、アルキルスルファモイル基、ウレイド、アルキルウレイド基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アミド基及び非芳香族性複素環基が含まれる。アルキル部分及びアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基及びアルコキシ基が好ましい。
式(2)において、Lは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、二価の飽和ヘテロ環基、−O−、−CO−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。アルキレン基は、環状構造を有していてもよい。環状アルキレン基としては、シクロヘキシレンが好ましく、1,4−シクロヘキシレンが特に好ましい。鎖状アルキレン基としては、直鎖状アルキレン基の方が分岐を有するアルキレン基よりも好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10であることが更に好ましく、1〜8であることが更にまた好ましく、1〜6であることが最も好ましい。
アルケニレン基及びアルキニレン基は、環状構造よりも鎖状構造を有することが好ましく、分岐を有する鎖状構造よりも直鎖状構造を有することが更に好ましい。アルケニレン基及びアルキニレン基の炭素原子数は、2〜10であることが好ましく、2〜8であることがより好ましく、2〜6であることが更に好ましく、2〜4であることが更にまた好ましく、2(ビニレン又はエチニレン)であることが最も好ましい。二価の飽和ヘテロ環基は、3員〜9員のヘテロ環を有することが好ましい。ヘテロ環のヘテロ原子は、酸素原子、窒素原子、ホウ素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子又はゲルマニウム原子が好ましい。飽和ヘテロ環の例には、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、ピロリジン環、イミダゾリジン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、1,3−ジオキサン環、1,4−ジオキサン環、テトラヒドロチオフェン環、1,3−チアゾリジン環、1,3−オキサゾリジン環、1,3−ジオキソラン環、1,3−ジチオラン環及び1,3,2−ジオキサボロランが含まれる。特に好ましい二価の飽和ヘテロ環基は、ピペラジン−1,4−ジイレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイレン及び1,3,2−ジオキサボロラン−2,5−ジイレンである。
組み合わせからなる二価の連結基の例を示す。
L−1:−O−CO−アルキレン基−CO−O−
L−2:−CO−O−アルキレン基−O−CO−
L−3:−O−CO−アルケニレン基−CO−O−
L−4:−CO−O−アルケニレン基−O−CO−
L−5:−O−CO−アルキニレン基−CO−O−
L−6:−CO−O−アルキニレン基−O−CO−
L−7:−O−CO−二価の飽和ヘテロ環基−CO−O−
L−8:−CO−O−二価の飽和ヘテロ環基−O−CO−
一般式(2)の分子構造において、Lを挟んで、ArとArとが形成する角度は、140度以上であることが好ましい。棒状化合物としては、下記一般式(3)で表される化合物が更に好ましい。
一般式(3) Ar−L−X−L−Ar
式(3)において、Ar及びArは、それぞれ独立に、芳香族基である。芳香族基の定義及び例は、式(2)のAr及びArと同様である。
式(3)において、L及びLは、それぞれ独立に、アルキレン基、−O−、−CO−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。アルキレン基は、環状構造よりも鎖状構造を有することが好ましく、分岐を有する鎖状構造よりも直鎖状構造を有することが更に好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜10であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、1〜6であることが更に好ましく、1〜4であることが更にまた好ましく、1又は2(メチレン又はエチレン)であることが最も好ましい。L及びLは、−O−CO−又は−CO−O−であることが特に好ましい。
一般式(3)において、Xは、1,4−シクロヘキシレン、ビニレン又はエチニレンである。以下に、一般式(2)で表される化合物の具体例を示す。
Figure 0005445273
Figure 0005445273
Figure 0005445273
Figure 0005445273
Figure 0005445273
具体例(1)〜(34)、(41)、(42)、(46)、(47)、(52)、(53)は、シクロヘキサン環の1位と4位とに二つの不斉炭素原子を有する。但し、具体例(1)、(4)〜(34)、(41)、(42)、(46)、(47)、(52)、(53)は、対称なメソ型の分子構造を有するため光学異性体(光学活性)はなく、幾何異性体(トランス型とシス型)のみ存在する。具体例(1)のトランス型(1−trans)とシス型(1−cis)とを、以下に示す。
Figure 0005445273
前述したように、棒状化合物は直線的な分子構造を有することが好ましい。その為、トランス型の方がシス型よりも好ましい。具体例(2)及び(3)は、幾何異性体に加えて光学異性体(合計4種の異性体)を有する。幾何異性体については、同様にトランス型の方がシス型よりも好ましい。光学異性体については、特に優劣はなく、D、L或いはラセミ体のいずれでもよい。具体例(43)〜(45)では、中心のビニレン結合にトランス型とシス型とがある。上記と同様の理由で、トランス型の方がシス型よりも好ましい。
溶液の紫外線吸収スペクトルにおいて最大吸収波長(λmax)が250nmより短波長である棒状化合物を、二種類以上併用してもよい。棒状化合物は、文献記載の方法を参照して合成出来る。文献としては、Mol.Cryst.Liq.Cryst.,53巻、229頁(1979年)、同89巻、93頁(1982年)、同145巻、111頁(1987年)、同170巻、43頁(1989年)、J.Am.Chem.Soc.,113巻、1349頁(1991年)、同118巻、5346頁(1996年)、同92巻、1582頁(1970年)、J.Org.Chem.,40巻、420頁(1975年)、Tetrahedron、48巻16号、3437頁(1992年)を挙げることが出来る。
また、本発明の円盤状化合物として、1,3,5−トリアジン環を有する化合物を好ましく用いることが出来る。
1,3,5−トリアジン環を有する化合物は、中でも、下記一般式(4)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005445273
一般式(4)において、Xは、単結合、−NR−、−O−又は−S−であり;Xは単結合、−NR−、−O−又は−S−であり;Xは単結合、−NR−、−O−又は−S−であり;R、R及びRはアルキル基、アルケニル基、アリール基又は複素環基であり;そして、R、R及びRは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基又は複素環基である。一般式(4)で表される化合物は、メラミン化合物であることが特に好ましい。
メラミン化合物では、一般式(4)において、X、X及びXが、それぞれ、−NR−、−NR−及び−NR−であるか、或いは、X、X及びXが単結合であり、且つ、R、R及びRが窒素原子に遊離原子価を持つ複素環基である。−X−R、−X−R及び−X−Rは、同一の置換基であることが好ましい。R、R及びRは、アリール基であることが特に好ましい。R、R及びRは、水素原子であることが特に好ましい。
上記アルキル基は、環状アルキル基よりも鎖状アルキル基である方が好ましい。分岐を有する鎖状アルキル基よりも、直鎖状アルキル基の方が好ましい。
アルキル基の炭素原子数は、1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、1〜10であることが更に好ましく、1〜8であることが更にまた好ましく、1〜6であることが最も好ましい。アルキル基は置換基を有していてもよい。
置換基の具体例としては、例えばハロゲン原子、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、エポキシエチルオキシ等の各基)及びアシルオキシ基(例えば、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ)等が挙げられる。上記アルケニル基は、環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基である方が好ましい。分岐を有する鎖状アルケニル基よりも、直鎖状アルケニル基の方が好ましい。アルケニル基の炭素原子数は、2〜30であることが好ましく、2〜20であることがより好ましく、2〜10であることが更に好ましく、2〜8であることが更にまた好ましく、2〜6であることが最も好ましい。アルケニル基は、置換基を有していてもよい。
置換基の具体例としては、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、エポキシエチルオキシ等の各基)又はアシルオキシ基(例えば、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ等の各基)が挙げられる。
上記アリール基は、フェニル基又はナフチル基であることが好ましく、フェニル基であることが特に好ましい。アリール基は置換基を有していてもよい。
置換基の具体例としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、カルボキシル、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル、アルキル置換スルファモイル基、アルケニル置換スルファモイル基、アリール置換スルファモイル基、スルホンアミド基、カルバモイル、アルキル置換カルモイル基、アルケニル置換カルバモイル基、アリール置換カルバモイル基、アミド基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基及びアシル基が含まれる。上記アルキル基は、前述したアルキル基と同義である。
アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキル置換スルファモイル基、スルホンアミド基、アルキル置換カルバモイル基、アミド基、アルキルチオ基とアシル基のアルキル部分も、前述したアルキル基と同義である。
上記アルケニル基は、前述したアルケニル基と同義である。
アルケニルオキシ基、アシルオキシ基、アルケニルオキシカルボニル基、アルケニル置換スルファモイル基、スルホンアミド基、アルケニル置換カルバモイル基、アミド基、アルケニルチオ基及びアシル基のアルケニル部分も、前述したアルケニル基と同義である。
上記アリール基の具体例としては、例えば、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、4−メトキシフェニル、3,4−ジエトキシフェニル、4−オクチルオキシフェニル又は4−ドデシルオキシフェニル等の各基が挙げられる。
アリールオキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリール置換スルファモイル基、スルホンアミド基、アリール置換カルバモイル基、アミド基、アリールチオ基及びアシル基の部分の例は、上記アリール基と同義である。
、X又はXが−NR−、−O−又は−S−である場合の複素環基は、芳香族性を有することが好ましい。
芳香族性を有する複素環基中の複素環としては、一般に不飽和複素環であり、好ましくは最多の二重結合を有する複素環である。複素環は、5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることが更に好ましく、6員環であることが最も好ましい。
複素環中のヘテロ原子は、N、S又はO等の各原子であることが好ましく、N原子であることが特に好ましい。
芳香族性を有する複素環としては、ピリジン環(複素環基としては、例えば、2−ピリジル又は4−ピリジル等の各基)が特に好ましい。複素環基は、置換基を有していてもよい。複素環基の置換基の例は、上記アリール部分の置換基の例と同様である。
、X又はXが単結合である場合の複素環基は、窒素原子に遊離原子価を持つ複素環基であることが好ましい。窒素原子に遊離原子価を持つ複素環基は、5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることが更に好ましく、5員環であることが最も好ましい。複素環基は、複数の窒素原子を有していてもよい。
また、複素環基中のヘテロ原子は、窒素原子以外のヘテロ原子(例えば、O原子、S原子)を有していてもよい。複素環基は、置換基を有していてもよい。複素環基の置換基の具体例は、上記アリール部分の置換基の具体例と同義である。
以下に、窒素原子に遊離原子価を持つ複素環基の具体例を示す。
Figure 0005445273
Figure 0005445273
1,3,5−トリアジン環を有する化合物の分子量は、300〜2000であることが好ましい。該化合物の沸点は、260℃以上であることが好ましい。沸点は、市販の測定装置(例えば、TG/DTA100、セイコー電子工業(株)製)を用いて測定出来る。
以下に、1,3,5−トリアジン環を有する化合物の具体例を示す。
尚、以下に示す複数のRは同一の基を表す。
Figure 0005445273
(1)ブチル
(2)2−メトキシ−2−エトキシエチル
(3)5−ウンデセニル
(4)フェニル
(5)4−エトキシカルボニルフェニル
(6)4−ブトキシフェニル
(7)p−ビフェニリル
(8)4−ピリジル
(9)2−ナフチル
(10)2−メチルフェニル
(11)3,4−ジメトキシフェニル
(12)2−フリル
Figure 0005445273
Figure 0005445273
(14)フェニル
(15)3−エトキシカルボニルフェニル
(16)3−ブトキシフェニル
(17)m−ビフェニリル
(18)3−フェニルチオフェニル
(19)3−クロロフェニル
(20)3−ベンゾイルフェニル
(21)3−アセトキシフェニル
(22)3−ベンゾイルオキシフェニル
(23)3−フェノキシカルボニルフェニル
(24)3−メトキシフェニル
(25)3−アニリノフェニル
(26)3−イソブチリルアミノフェニル
(27)3−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(28)3−(3−エチルウレイド)フェニル
(29)3−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(30)3−メチルフェニル
(31)3−フェノキシフェニル
(32)3−ヒドロキシフェニル
(33)4−エトキシカルボニルフェニル
(34)4−ブトキシフェニル
(35)p−ビフェニリル
(36)4−フェニルチオフェニル
(37)4−クロロフェニル
(38)4−ベンゾイルフェニル
(39)4−アセトキシフェニル
(40)4−ベンゾイルオキシフェニル
(41)4−フェノキシカルボニルフェニル
(42)4−メトキシフェニル
(43)4−アニリノフェニル
(44)4−イソブチリルアミノフェニル
(45)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(46)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(47)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(48)4−メチルフェニル
(49)4−フェノキシフェニル
(50)4−ヒドロキシフェニル
(51)3,4−ジエトキシカルボニルフェニル
(52)3,4−ジブトキシフェニル
(53)3,4−ジフェニルフェニル
(54)3,4−ジフェニルチオフェニル
(55)3,4−ジクロロフェニル
(56)3,4−ジベンゾイルフェニル
(57)3,4−ジアセトキシフェニル
(58)3,4−ジベンゾイルオキシフェニル
(59)3,4−ジフェノキシカルボニルフェニル
(60)3,4−ジメトキシフェニル
(61)3,4−ジアニリノフェニル
(62)3,4−ジメチルフェニル
(63)3,4−ジフェノキシフェニル
(64)3,4−ジヒドロキシフェニル
(65)2−ナフチル
(66)3,4,5−トリエトキシカルボニルフェニル
(67)3,4,5−トリブトキシフェニル
(68)3,4,5−トリフェニルフェニル
(69)3,4,5−トリフェニルチオフェニル
(70)3,4,5−トリクロロフェニル
(71)3,4,5−トリベンゾイルフェニル
(72)3,4,5−トリアセトキシフェニル
(73)3,4,5−トリベンゾイルオキシフェニル
(74)3,4,5−トリフェノキシカルボニルフェニル
(75)3,4,5−トリメトキシフェニル
(76)3,4,5−トリアニリノフェニル
(77)3,4,5−トリメチルフェニル
(78)3,4,5−トリフェノキシフェニル
(79)3,4,5−トリヒドロキシフェニル
Figure 0005445273
(80)フェニル
(81)3−エトキシカルボニルフェニル
(82)3−ブトキシフェニル
(83)m−ビフェニリル
(84)3−フェニルチオフェニル
(85)3−クロロフェニル
(86)3−ベンゾイルフェニル
(87)3−アセトキシフェニル
(88)3−ベンゾイルオキシフェニル
(89)3−フェノキシカルボニルフェニル
(90)3−メトキシフェニル
(91)3−アニリノフェニル
(92)3−イソブチリルアミノフェニル
(93)3−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(94)3−(3−エチルウレイド)フェニル
(95)3−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(96)3−メチルフェニル
(97)3−フェノキシフェニル
(98)3−ヒドロキシフェニル
(99)4−エトキシカルボニルフェニル
(100)4−ブトキシフェニル
(101)p−ビフェニリル
(102)4−フェニルチオフェニル
(103)4−クロロフェニル
(104)4−ベンゾイルフェニル
(105)4−アセトキシフェニル
(106)4−ベンゾイルオキシフェニル
(107)4−フェノキシカルボニルフェニル
(108)4−メトキシフェニル
(109)4−アニリノフェニル
(110)4−イソブチリルアミノフェニル
(111)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(112)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(113)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(114)4−メチルフェニル
(115)4−フェノキシフェニル
(116)4−ヒドロキシフェニル
(117)3,4−ジエトキシカルボニルフェニル
(118)3,4−ジブトキシフェニル
(119)3,4−ジフェニルフェニル
(120)3,4−ジフェニルチオフェニル
(121)3,4−ジクロロフェニル
(122)3,4−ジベンゾイルフェニル
(123)3,4−ジアセトキシフェニル
(124)3,4−ジベンゾイルオキシフェニル
(125)3,4−ジフェノキシカルボニルフェニル
(126)3,4−ジメトキシフェニル
(127)3,4−ジアニリノフェニル
(128)3,4−ジメチルフェニル
(129)3,4−ジフェノキシフェニル
(130)3,4−ジヒドロキシフェニル
(131)2−ナフチル
(132)3,4,5−トリエトキシカルボニルフェニル
(133)3,4,5−トリブトキシフェニル
(134)3,4,5−トリフェニルフェニル
(135)3,4,5−トリフェニルチオフェニル
(136)3,4,5−トリクロロフェニル
(137)3,4,5−トリベンゾイルフェニル
(138)3,4,5−トリアセトキシフェニル
(139)3,4,5−トリベンゾイルオキシフェニル
(140)3,4,5−トリフェノキシカルボニルフェニル
(141)3,4,5−トリメトキシフェニル
(142)3,4,5−トリアニリノフェニル
(143)3,4,5−トリメチルフェニル
(144)3,4,5−トリフェノキシフェニル
(145)3,4,5−トリヒドロキシフェニル
Figure 0005445273
(146)フェニル
(147)4−エトキシカルボニルフェニル
(148)4−ブトキシフェニル
(149)p−ビフェニリル
(150)4−フェニルチオフェニル
(151)4−クロロフェニル
(152)4−ベンゾイルフェニル
(153)4−アセトキシフェニル
(154)4−ベンゾイルオキシフェニル
(155)4−フェノキシカルボニルフェニル
(156)4−メトキシフェニル
(157)4−アニリノフェニル
(158)4−イソブチリルアミノフェニル
(159)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(160)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(161)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(162)4−メチルフェニル
(163)4−フェノキシフェニル
(164)4−ヒドロキシフェニル
Figure 0005445273
(165)フェニル
(166)4−エトキシカルボニルフェニル
(167)4−ブトキシフェニル
(168)p−ビフェニリル
(169)4−フェニルチオフェニル
(170)4−クロロフェニル
(171)4−ベンゾイルフェニル
(172)4−アセトキシフェニル
(173)4−ベンゾイルオキシフェニル
(174)4−フェノキシカルボニルフェニル
(175)4−メトキシフェニル
(176)4−アニリノフェニル
(177)4−イソブチリルアミノフェニル
(178)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(179)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(180)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(181)4−メチルフェニル
(182)4−フェノキシフェニル
(183)4−ヒドロキシフェニル
Figure 0005445273
(184)フェニル
(185)4−エトキシカルボニルフェニル
(186)4−ブトキシフェニル
(187)p−ビフェニリル
(188)4−フェニルチオフェニル
(189)4−クロロフェニル
(190)4−ベンゾイルフェニル
(191)4−アセトキシフェニル
(192)4−ベンゾイルオキシフェニル
(193)4−フェノキシカルボニルフェニル
(194)4−メトキシフェニル
(195)4−アニリノフェニル
(196)4−イソブチリルアミノフェニル
(197)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(198)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(199)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(200)4−メチルフェニル
(201)4−フェノキシフェニル
(202)4−ヒドロキシフェニル
Figure 0005445273
(203)フェニル
(204)4−エトキシカルボニルフェニル
(205)4−ブトキシフェニル
(206)p−ビフェニリル
(207)4−フェニルチオフェニル
(208)4−クロロフェニル
(209)4−ベンゾイルフェニル
(210)4−アセトキシフェニル
(211)4−ベンゾイルオキシフェニル
(212)4−フェノキシカルボニルフェニル
(213)4−メトキシフェニル
(214)4−アニリノフェニル
(215)4−イソブチリルアミノフェニル
(216)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(217)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(218)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(219)4−メチルフェニル
(220)4−フェノキシフェニル
(221)4−ヒドロキシフェニル
Figure 0005445273
(222)フェニル
(223)4−ブチルフェニル
(224)4−(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(225)4−(5−ノネニル)フェニル
(226)p−ビフェニリル
(227)4−エトキシカルボニルフェニル
(228)4−ブトキシフェニル
(229)4−メチルフェニル
(230)4−クロロフェニル
(231)4−フェニルチオフェニル
(232)4−ベンゾイルフェニル
(233)4−アセトキシフェニル
(234)4−ベンゾイルオキシフェニル
(235)4−フェノキシカルボニルフェニル
(236)4−メトキシフェニル
(237)4−アニリノフェニル
(238)4−イソブチリルアミノフェニル
(239)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(240)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(241)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(242)4−フェノキシフェニル
(243)4−ヒドロキシフェニル
(244)3−ブチルフェニル
(245)3−(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(246)3−(5−ノネニル)フェニル
(247)m−ビフェニリル
(248)3−エトキシカルボニルフェニル
(249)3−ブトキシフェニル
(250)3−メチルフェニル
(251)3−クロロフェニル
(252)3−フェニルチオフェニル
(253)3−ベンゾイルフェニル
(254)3−アセトキシフェニル
(255)3−ベンゾイルオキシフェニル
(256)3−フェノキシカルボニルフェニル
(257)3−メトキシフェニル
(258)3−アニリノフェニル
(259)3−イソブチリルアミノフェニル
(260)3−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(261)3−(3−エチルウレイド)フェニル
(262)3−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(263)3−フェノキシフェニル
(264)3−ヒドロキシフェニル
(265)2−ブチルフェニル
(266)2−(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(267)2−(5−ノネニル)フェニル
(268)o−ビフェニリル
(269)2−エトキシカルボニルフェニル
(270)2−ブトキシフェニル
(271)2−メチルフェニル
(272)2−クロロフェニル
(273)2−フェニルチオフェニル
(274)2−ベンゾイルフェニル
(275)2−アセトキシフェニル
(276)2−ベンゾイルオキシフェニル
(277)2−フェノキシカルボニルフェニル
(278)2−メトキシフェニル
(279)2−アニリノフェニル
(280)2−イソブチリルアミノフェニル
(281)2−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(282)2−(3−エチルウレイド)フェニル
(283)2−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(284)2−フェノキシフェニル
(285)2−ヒドロキシフェニル
(286)3,4−ジブチルフェニル
(287)3,4−ジ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(288)3,4−ジフェニルフェニル
(289)3,4−ジエトキシカルボニルフェニル
(290)3,4−ジドデシルオキシフェニル
(291)3,4−ジメチルフェニル
(292)3,4−ジクロロフェニル
(293)3,4−ジベンゾイルフェニル
(294)3,4−ジアセトキシフェニル
(295)3,4−ジメトキシフェニル
(296)3,4−ジ−N−メチルアミノフェニル
(297)3,4−ジイソブチリルアミノフェニル
(298)3,4−ジフェノキシフェニル
(299)3,4−ジヒドロキシフェニル
(300)3,5−ジブチルフェニル
(301)3,5−ジ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(302)3,5−ジフェニルフェニル
(303)3,5−ジエトキシカルボニルフェニル
(304)3,5−ジドデシルオキシフェニル
(305)3,5−ジメチルフェニル
(306)3,5−ジクロロフェニル
(307)3,5−ジベンゾイルフェニル
(308)3,5−ジアセトキシフェニル
(309)3,5−ジメトキシフェニル
(310)3,5−ジ−N−メチルアミノフェニル
(311)3,5−ジイソブチリルアミノフェニル
(312)3,5−ジフェノキシフェニル
(313)3,5−ジヒドロキシフェニル
(314)2,4−ジブチルフェニル
(315)2,4−ジ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(316)2,4−ジフェニルフェニル
(317)2,4−ジエトキシカルボニルフェニル
(318)2,4−ジドデシルオキシフェニル
(319)2,4−ジメチルフェニル
(320)2,4−ジクロロフェニル
(321)2,4−ジベンゾイルフェニル
(322)2,4−ジアセトキシフェニル
(323)2,4−ジメトキシフェニル
(324)2,4−ジ−N−メチルアミノフェニル
(325)2,4−ジイソブチリルアミノフェニル
(326)2,4−ジフェノキシフェニル
(327)2,4−ジヒドロキシフェニル
(328)2,3−ジブチルフェニル
(329)2,3−ジ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(330)2,3−ジフェニルフェニル
(331)2,3−ジエトキシカルボニルフェニル
(332)2,3−ジドデシルオキシフェニル
(333)2,3−ジメチルフェニル
(334)2,3−ジクロロフェニル
(335)2,3−ジベンゾイルフェニル
(336)2,3−ジアセトキシフェニル
(337)2,3−ジメトキシフェニル
(338)2,3−ジ−N−メチルアミノフェニル
(339)2,3−ジイソブチリルアミノフェニル
(340)2,3−ジフェノキシフェニル
(341)2,3−ジヒドロキシフェニル
(342)2,6−ジブチルフェニル
(343)2,6−ジ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(344)2,6−ジフェニルフェニル
(345)2,6−ジエトキシカルボニルフェニル
(346)2,6−ジドデシルオキシフェニル
(347)2,6−ジメチルフェニル
(348)2,6−ジクロロフェニル
(349)2,6−ジベンゾイルフェニル
(350)2,6−ジアセトキシフェニル
(351)2,6−ジメトキシフェニル
(352)2,6−ジ−N−メチルアミノフェニル
(353)2,6−ジイソブチリルアミノフェニル
(354)2,6−ジフェノキシフェニル
(355)2,6−ジヒドロキシフェニル
(356)3,4,5−トリブチルフェニル
(357)3,4,5−トリ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(358)3,4,5−トリフェニルフェニル
(359)3,4,5−トリエトキシカルボニルフェニル
(360)3,4,5−トリドデシルオキシフェニル
(361)3,4,5−トリメチルフェニル
(362)3,4,5−トリクロロフェニル
(363)3,4,5−トリベンゾイルフェニル
(364)3,4,5−トリアセトキシフェニル
(365)3,4,5−トリメトキシフェニル
(366)3,4,5−トリ−N−メチルアミノフェニル
(367)3,4,5−トリイソブチリルアミノフェニル
(368)3,4,5−トリフェノキシフェニル
(369)3,4,5−トリヒドロキシフェニル
(370)2,4,6−トリブチルフェニル
(371)2,4,6−トリ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(372)2,4,6−トリフェニルフェニル
(373)2,4,6−トリエトキシカルボニルフェニル
(374)2,4,6−トリドデシルオキシフェニル
(375)2,4,6−トリメチルフェニル
(376)2,4,6−トリクロロフェニル
(377)2,4,6−トリベンゾイルフェニル
(378)2,4,6−トリアセトキシフェニル
(379)2,4,6−トリメトキシフェニル
(380)2,4,6−トリ−N−メチルアミノフェニル
(381)2,4,6−トリイソブチリルアミノフェニル
(382)2,4,6−トリフェノキシフェニル
(383)2,4,6−トリヒドロキシフェニル
(384)ペンタフルオロフェニル
(385)ペンタクロロフェニル
(386)ペンタメトキシフェニル
(387)6−N−メチルスルファモイル−8−メトキシ−2−ナフチル
(388)5−N−メチルスルファモイル−2−ナフチル
(389)6−N−フェニルスルファモイル−2−ナフチル
(390)5−エトキシ−7−N−メチルスルファモイル−2−ナフチル
(391)3−メトキシ−2−ナフチル
(392)1−エトキシ−2−ナフチル
(393)6−N−フェニルスルファモイル−8−メトキシ−2−ナフチル
(394)5−メトキシ−7−N−フェニルスルファモイル−2−ナフチル
(395)1−(4−メチルフェニル)−2−ナフチル
(396)6,8−ジ−N−メチルスルファモイル−2−ナフチル
(397)6−N−2−アセトキシエチルスルファモイル−8−メトキシ−2−ナフチル
(398)5−アセトキシ−7−N−フェニルスルファモイル−2−ナフチル
(399)3−ベンゾイルオキシ−2−ナフチル
(400)5−アセチルアミノ−1−ナフチル
(401)2−メトキシ−1−ナフチル
(402)4−フェノキシ−1−ナフチル
(403)5−N−メチルスルファモイル−1−ナフチル
(404)3−N−メチルカルバモイル−4−ヒドロキシ−1−ナフチル
(405)5−メトキシ−6−N−エチルスルファモイル−1−ナフチル
(406)7−テトラデシルオキシ−1−ナフチル
(407)4−(4−メチルフェノキシ)−1−ナフチル
(408)6−N−メチルスルファモイル−1−ナフチル
(409)3−N,N−ジメチルカルバモイル−4−メトキシ−1−ナフチル
(410)5−メトキシ−6−N−ベンジルスルファモイル−1−ナフチル
(411)3,6−ジ−N−フェニルスルファモイル−1−ナフチル
(412)メチル
(413)エチル
(414)ブチル
(415)オクチル
(416)ドデシル
(417)2−ブトキシ−2−エトキシエチル
(418)ベンジル
(419)4−メトキシベンジル
Figure 0005445273
(424)メチル
(425)フェニル
(426)ブチル
Figure 0005445273
(430)メチル
(431)エチル
(432)ブチル
(433)オクチル
(434)ドデシル
(435)2−ブトキシ2−エトキシエチル
(436)ベンジル
(437)4−メトキシベンジル
Figure 0005445273
Figure 0005445273
本発明においては、1,3,5−トリアジン環を有する化合物として、メラミンポリマーを用いてもよい。メラミンポリマーは、下記一般式(5)で示すメラミン化合物とカルボニル化合物との重合反応により合成することが好ましい。
Figure 0005445273
上記合成反応スキームにおいて、R11、R12、R13、R14、R15及びR16は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基又は複素環基である。
上記アルキル基、アルケニル基、アリール基及び複素環基及びこれらの置換基は前記一般式(4)で説明した各基、それらの置換基と同義である。
メラミン化合物とカルボニル化合物との重合反応は、通常のメラミン樹脂(例えば、メラミンホルムアルデヒド樹脂等)の合成方法と同様である。また、市販のメラミンポリマー(メラミン樹脂)を用いてもよい。
メラミンポリマーの分子量は、2千〜40万であることが好ましい。メラミンポリマーの繰り返し単位の具体例を以下に示す。
Figure 0005445273
MP−1:R13、R14、R15、R16:CHOH
MP−2:R13、R14、R15、R16:CHOCH
MP−3:R13、R14、R15、R16:CHO−i−C
MP−4:R13、R14、R15、R16:CHO−n−C
MP−5:R13、R14、R15、R16:CHNHCOCH=CH
MP−6:R13、R14、R15、R16:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH
MP−7:R13、R14、R15:CHOH;R16:CHOCH
MP−8:R13、R14、R16:CHOH;R15:CHOCH
MP−9:R13、R14:CHOH;R15、R16:CHOCH
MP−10:R13、R16:CHOH;R14、R15:CHOCH
MP−11:R13:CHOH;R14、R15、R16:CHOCH
MP−12:R13、R14、R16:CHOCH;R15:CHOH
MP−13:R13、R16:CHOCH;R14、R15:CHOH
MP−14:R13、R14、R15:CHOH;R16:CHO−i−C
MP−15:R13、R14、R16:CHOH;R15:CHO−i−C
MP−16:R13、R14:CHOH;R15、R16:CHO−i−C
MP−17:R13、R16:CHOH;R14、R15:CHO−i−C
MP−18:R13:CHOH;R14、R15、R16:CHO−i−C
MP−19:R13、R14、R16:CHO−i−C;R15:CHOH
MP−20:R13、R16:CHO−i−C;R14、R15:CHOH
MP−21:R13、R14、R15:CHOH;R16:CHO−n−C
MP−22:R13、R14、R16:CHOH;R15:CHO−n−C
MP−23:R13、R14:CHOH;R15、R16:CHO−n−C
MP−24:R13、R16:CHOH;R14、R15:CHO−n−C
MP−25:R13:CHOH;R14、R15、R16:CH2O−n−C
MP−26:R13、R14、R16:CHO−n−C;R15:CHOH
MP−27:R13、R16:CHO−n−C;R14、R15:CHOH
MP−28:R13、R14:CHOH;R15:CHOCH;R16:CHO−n−C
MP−29:R13、R14:CHOH;R15:CHO−n−C;R16:CHOCH
MP−30:R13、R16:CHOH;R14:CHOCH;R15:CHO−n−C
MP−31:R13:CHOH;R14、R15:CHOCH;R16:CHO−n−C
MP−32:R13:CHOH;R14、R16:CHOCH;R15:CHO−n−C
MP−33:R13:CHOH;R14:CHOCH;R15、R16:CHO−n−C
MP−34:R13:CHOH;R14、R15:CHO−n−C;R16:CHOCH
MP−35:R13、R14:CHOCH;R15:CHOH;R16:CHO−n−C
MP−36:R13、R16:CHOCH;R14:CHOH;R15:CHO−n−C
MP−37:R13:CHOCH;R14、R15:CHOH;R16:CHO−n−C
MP−38:R13、R16:CHO−n−C;R14:CHOCH;R15:CHOH
MP−39:R13:CHOH;R14:CHOCH;R15:CHO−n−C4H9;R16:CHNHCOCH=CH
MP−40:R13:CHOH;R14:CHOCH;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHO−n−C
MP−41:R13:CHOH;R14:CHO−n−C;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHOCH
MP−42:R13:CHOCH;R14:CHOH;R15:CHO−n−C;R16:CHNHCOCH=CH
MP−43:R13:CHOCH;R14:CHOH;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHO−n−C
MP−44:R13:CHO−n−C;R14:CHOCH;R15:CHOH;R16:CHNHCOCH=CH
MP−45:R13:CHOH;R14:CHOCH;R15:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH;R16:CHNHCOCH=CH
MP−46:R13:CHOH;R14:CHOCH;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH
MP−47:R13:CHOH;R14:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHOCH
MP−48:R13:CHOCH;R14:CHOH;R15:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH;R16:CHNHCOCH=CH
MP−49:R13:CHOCH;R14:CHOH;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH
MP−50:R13:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH;R14:CHOCH;R15:CHOH;R16:CHNHCOCH=CH
Figure 0005445273
MP−51:R13、R14、R15、R16:CHOH
MP−52:R13、R14、R15、R16:CHOCH
MP−53:R13、R14、R15、R16:CHO−i−C
MP−54:R13、R14、R15、R16:CHO−n−C
MP−55:R13、R14、R15、R16:CHNHCOCH=CH
MP−56:R13、R14、R15、R16:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH
MP−57:R13、R14、R15:CHOH;R16:CHOCH
MP−58:R13、R14、R16:CHOH;R15:CHOCH
MP−59:R13、R14:CHOH;R15、R16:CHOCH
MP−60:R13、R16:CHOH;R14、R15:CHOCH
MP−61:R13:CHOH;R14、R15、R16:CHOCH
MP−62:R13、R14、R16:CHOCH;R15:CHOH
MP−63:R13、R16:CHOCH;R14、R15:CHOH
MP−64:R13、R14、R15:CHOH;R16:CHO−i−C
MP−65:R13、R14、R16:CHOH;R15:CHO−i−C
MP−66:R13、R14:CHOH;R15、R16:CHO−i−C
MP−67:R13、R16:CHOH;R14、R15:CHO−i−C
MP−68:R13:CHOH;R14、R15、R16:CHO−i−C
MP−69:R13、R14、R16:CHO−i−C;R15:CHOH
MP−70:R13、R16:CHO−i−C;R14、R15:CHOH
MP−71:R13、R14、R15:CHOH;R16:CHO−n−C
MP−72:R13、R14、R16:CHOH;R15:CHO−n−C
MP−73:R13、R14:CHOH;R15、R16:CHO−n−C
MP−74:R13、R16:CHOH;R14、R15:CHO−n−C
MP−75:R13:CHOH;R14、R15、R16:CHO−n−C
MP−76:R13、R14、R16:CHO−n−C;R15:CHOH
MP−77:R13、R16:CHO−n−C;R14、R15:CHOH
MP−78:R13、R14:CHOH;R15:CHOCH;R16:CHO−n−C
MP−79:R13、R14:CHOH;R15:CHO−n−C;R16:CHOCH
MP−80:R13、R16:CHOH;R14:CHOCH;R15:CHO−n−C
MP−81:R13:CHOH;R14、R15:CHOCH;R16:CHO−n−C
MP−82:R13:CHOH;R14、R16:CHOCH;R15:CHO−n−C
MP−83:R13:CHOH;R14:CHOCH;R15、R16:CHO−n−C
MP−84:R13:CHOH;R14、R15:CHO−n−C;R16:CHOCH
MP−85:R13、R14:CHOCH;R15:CHOH;R16:CHO−n−C
MP−86:R13、R16:CHOCH;R14:CHOH;R15:CHO−n−C
MP−87:R13:CHOCH;R14、R15:CHOH;R16:CHO−n−C
MP−88:R13、R16:CHO−n−C;R14:CHOCH;R15:CHOH
MP−89:R13:CHOH;R14:CHOCH;R15:CHO−n−C;R16:CHNHCOCH=CH
MP−90:R13:CHOH;R14:CHOCH;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHO−n−C
MP−91:R13:CHOH;R14:CHO−n−C;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHOCH
MP−92:R13:CHOCH;R14:CHOH;R15:CHO−n−C;R16:CHNHCOCH=CH
MP−93:R13:CHOCH;R14:CHOH;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHO−n−C
MP−94:R13:CHO−n−C;R14:CHOCH;R15:CHOH;R16:CHNHCOCH=CH
MP−95:R13:CHOH;R14:CHOCH;R15:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH;R16:CHNHCOCH=CH
MP−96:R13:CHOH;R14:CHOCH;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH
MP−97:R13:CHOH;R14:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHOCH
MP−98:R13:CHOCH;R14:CHOH;R15:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH;R16:CHNHCOCH=CH
MP−99:R13:CHOCH;R14:CHOH;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH
MP−100:R13:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH;R14:CHOCH;R15:CHOH;R16:CHNHCOCH=CH
Figure 0005445273
MP−101:R13、R14、R15、R16:CHOH
MP−102:R13、R14、R15、R16:CHOCH
MP−103:R13、R14、R15、R16:CHO−i−C
MP−104:R13、R14、R15、R16:CHO−n−C
MP−105:R13、R14、R15、R16:CHNHCOCH=CH
MP−106:R13、R14、R15、R16:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH
MP−107:R13、R14、R15:CHOH;R16:CHOCH
MP−108:R13、R14、R16:CHOH;R15:CHOCH
MP−109:R13、R14:CHOH;R15、R16:CHOCH
MP−110:R13、R16:CHOH;R14、R15:CHOCH
MP−111:R13:CHOH;R14、R15、R16:CHOCH
MP−112:R13、R14、R16:CHOCH;R15:CHOH
MP−113:R13、R16:CHOCH;R14、R15:CHOH
MP−114:R13、R14、R15:CHOH;R16:CHO−i−C
MP−115:R13、R14、R16:CHOH;R15:CHO−i−C
MP−116:R13、R14:CHOH;R15、R16:CHO−i−C
MP−117:R13、R16:CHOH;R14、R15:CHO−i−C
MP−118:R13:CHOH;R14、R15、R16:CHO−i−C
MP−119:R13、R14、R16:CHO−i−C;R15:CHOH
MP−120:R13、R16:CHO−i−C;R14、R15:CHOH
MP−121:R13、R14、R15:CHOH;R16:CHO−n−C
MP−122:R13、R14、R16:CHOH;R15:CHO−n−C
MP−123:R13、R14:CHOH;R15、R16:CHO−n−C
MP−124:R13、R16:CHOH;R14、R15:CHO−n−C
MP−125:R13:CHOH;R14、R15、R16:CHO−n−C
MP−126:R13、R14、R16:CHO−n−C;R15:CHOH
MP−127:R13、R16:CHO−n−C;R14、R15:CHOH
MP−128:R13、R14:CHOH;R15:CHOCH;R16:CHO−n−C
MP−129:R13、R14:CHOH;R15:CHO−n−C;R16:CHOCH
MP−130:R13、R16:CHOH;R14:CHOCH;R15:CHO−n−C
MP−131:R13:CHOH;R14、R15:CHOCH;R16:CHO−n−C
MP−132:R13:CHOH;R14、R16:CHOCH;R15:CHO−n−C
MP−133:R13:CHOH;R14:CHOCH;R15、R16:CHO−n−C
MP−134:R13:CHOH;R14、R15:CHO−n−C;R16:CHOCH
MP−135:R13、R14:CHOCH;R15:CHOH;R16:CHO−n−C
MP−136:R13、R16:CHOCH;R14:CHOH;R15:CHO−n−C
MP−137:R13:CHOCH;R14、R15:CHOH;R16:CHO−n−C
MP−138:R13、R16:CHO−n−C;R14:CHOCH;R15:CHOH
MP−139:R13:CHOH;R14:CHOCH;R15:CHO−n−C;R16:CHNHCOCH=CH
MP−140:R13:CHOH;R14:CHOCH;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHO−n−C
MP−141:R13:CHOH;R14:CHO−n−C;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHOCH
MP−142:R13:CHOCH;R14:CHOH;R15:CHO−n−C;R16:CHNHCOCH=CH
MP−143:R13:CHOCH;R14:CHOH;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHO−n−C
MP−144:R13:CHO−n−C;R14:CHOCH;R15:CHOH;R16:CHNHCOCH=CH
MP−145:R13:CHOH;R14:CHOCH;R15:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH;R16:CHNHCOCH=CH
MP−146:R13:CHOH;R14:CHOCH;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH
MP−147:R13:CHOH;R14:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHOCH
MP−148:R13:CHOCH;R14:CHOH;R15:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH;R16:CHNHCOCH=CH
MP−149:R13:CHOCH;R14:CHOH;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH
MP−150:R13:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH;R14:CHOCH;R15:CHOH;R16:CHNHCOCH=CH
Figure 0005445273
MP−151:R13、R14、R15、R16:CHOH
MP−152:R13、R14、R15、R16:CHOCH
MP−153:R13、R14、R15、R16:CHO−i−C
MP−154:R13、R14、R15、R16:CHO−n−C
MP−155:R13、R14、R15、R16:CHNHCOCH=CH
MP−156:R13、R14、R15、R16:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH
MP−157:R13、R14、R15:CHOH;R16:CHOCH
MP−158:R13、R14、R16:CHOH;R15:CHOCH
MP−159:R13、R14:CHOH;R15、R16:CHOCH
MP−160:R13、R16:CHOH;R14、R15:CHOCH
MP−161:R13:CHOH;R14、R15、R16:CHOCH
MP−162:R13、R14、R16:CHOCH;R15:CHOH
MP−163:R13、R16:CHOCH;R14、R15:CHOH
MP−164:R13、R14、R15:CHOH;R16:CHO−i−C
MP−165:R13、R14、R16:CHOH;R15:CHO−i−C
MP−166:R13、R14:CHOH;R15、R16:CHO−i−C
MP−167:R13、R16:CHOH;R14、R15:CHO−i−C
MP−168:R13:CHOH;R14、R15、R16:CHO−i−C
MP−169:R13、R14、R16:CHO−i−C;R15:CHOH
MP−170:R13、R16:CHO−i−C;R14、R15:CHOH
MP−171:R13、R14、R15:CHOH;R16:CHO−n−C
MP−172:R13、R14、R16:CHOH;R15:CHO−n−C
MP−173:R13、R14:CHOH;R15、R16:CHO−n−C
MP−174:R13、R16:CHOH;R14、R15:CHO−n−C
MP−175:R13:CHOH;R14、R15、R16:CHO−n−C
MP−176:R13、R14、R16:CHO−n−C;R15:CHOH
MP−177:R13、R16:CHO−n−C;R14、R15:CHOH
MP−178:R13、R14:CHOH;R15:CHOCH;R16:CHO−n−C
MP−179:R13、R14:CHOH;R15:CHO−n−C;R16:CHOCH
MP−180:R13、R16:CHOH;R14:CHOCH;R15:CHO−n−C
MP−181:R13:CHOH;R14、R15:CHOCH;R16:CHO−n−C
MP−182:R13:CHOH;R14、R16:CHOCH;R15:CHO−n−C
MP−183:R13:CHOH;R14:CHOCH;R15、R16:CHO−n−C
MP−184:R13:CHOH;R14、R15:CHO−n−C;R16:CHOCH
MP−185:R13、R14:CHOCH;R15:CHOH;R16:CH2O−n−C
MP−186:R13、R16:CHOCH;R14:CHOH;R15:CHO−n−C
MP−187:R13:CHOCH;R14、R15:CHOH;R16:CHO−n−C
MP−188:R13、R16:CHO−n−C;R14:CHOCH;R15:CHOH
MP−189:R13:CHOH;R14:CHOCH;R15:CHO−n−C;R16:CHNHCOCH=CH
MP−190:R13:CHOH;R14:CHOCH;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHO−n−C
MP−191:R13:CHOH;R14:CHO−n−C;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHOCH
MP−192:R13:CHOCH;R14:CHOH;R15:CHO−n−C;R16:CHNHCOCH=CH
MP−193:R13:CHOCH;R14:CHOH;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHO−n−C
MP−194:R13:CHO−n−C;R14:CHOCH;R15:CHOH;R16:CHNHCOCH=CH
MP−195:R13:CHOH;R14:CHOCH;R15:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH;R16:CHNHCOCH=CH
MP−196:R13:CHOH;R14:CHOCH;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH
MP−197:R13:CHOH;R14:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHOCH
MP−198:R13:CHOCH;R14:CHOH;R15:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH;R16:CHNHCOCH=CH
MP−199:R13:CHOCH;R14:CHOH;R15:CHNHCOCH=CH;R16:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH
MP−200:R13:CHNHCO(CHCH=CH(CHCH;R14:CHOCH;R15:CHOH;R16:CHNHCOCH=CH
本発明においては、上記繰り返し単位を二種類以上組み合わせたコポリマーを用いてもよい。二種類以上のホモポリマー又はコポリマーを併用してもよい。
また、二種類以上の1,3,5−トリアジン環を有する化合物を併用してもよい。二種類以上の円盤状化合物(例えば、1,3,5−トリアジン環を有する化合物とポルフィリン骨格を有する化合物)を併用してもよい。
これらの添加剤は位相差フィルムに対して0.2〜30質量%、特に好ましくは1〜20質量%含有することが好ましい。
〈位相差フィルムの製造方法〉
次に、本発明の位相差フィルムの製造方法について説明する。本発明の位相差フィルムの製造は、セルロースエステル及び添加剤を溶剤に溶解させてドープ液を形成する工程、ドープ液を支持体上に流延する工程、流延したドープ液を乾燥する工程により行われる。
ドープ液中のセルロースエステルの濃度は、濃い方が支持体に流延した後の乾燥負荷が低減出来て好ましいが、セルロースエステルの濃度が濃すぎると濾過時の負荷が増えて、濾過精度が悪くなる。これらを両立する濃度としては、10〜50質量%が好ましく、更に好ましくは15〜35質量%である。
ドープ液で用いられる溶剤は単独でも併用でもよいが、セルロースエステルの良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが生産効率の点で好ましく、良溶剤が多い方がセルロースエステルの溶解性の点で好ましい。良溶剤と貧溶剤の混合比率の好ましい範囲は、良溶剤が70〜98質量%であり、貧溶剤が30〜2質量%である。
良溶剤、貧溶剤とは、使用するセルロースエステルを単独で溶解するものを良溶剤、単独で膨潤するか又は溶解しないものを貧溶剤と定義している。その為、セルロースエステルの平均酢化度によっては、良溶剤、貧溶剤が変わり、例えば、アセトンを溶剤として用いるときには、セルロースの酢酸エステル(結合酢酸量55%)、セルロースアセテートプロピオネートでは良溶剤になり、セルロースの酢酸エステル(結合酢酸量60%)では貧溶剤となってしまう。
良溶剤は特に限定されないが、例えば、セルローストリアセテートの場合は、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物やジオキソラン類、セルロースアセテートプロピオネートの場合は、メチレンクロライド、アセトン、酢酸メチルなどが挙げられる。
また、貧溶剤は特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン、アセトン、シクロヘキサノン等が好ましく用いられる。
上記記載のドープ液を調製する時の、セルロースエステルの溶解方法としては、一般的な方法を用いることが出来る。加熱と加圧を組み合わせると、常圧における沸点以上に加熱出来る。溶剤の常圧での沸点以上で、且つ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら攪拌溶解すると、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止するため好ましい。また、セルロースエステルを貧溶剤と混合して湿潤或いは膨潤させた後、更に良溶剤を添加して溶解する方法も好ましく用いられる。
加圧は窒素ガスなどの不活性気体を圧入する方法や、加熱によって溶剤の蒸気圧を上昇させる方法によって行ってもよい。加熱は外部から行うことが好ましく、例えば、ジャケットタイプのものは温度コントロールが容易で好ましい。
溶剤を添加しての加熱温度は、高い方がセルロースエステルの溶解性の観点から好ましいが、加熱温度が高すぎると必要とされる圧力が大きくなり、生産性が悪くなる。好ましい加熱温度の範囲は45〜120℃であり、60〜110℃がより好ましく、70℃〜105℃の範囲が更に好ましい。また、圧力は設定温度で溶剤が沸騰しないように調整される。
次に、このセルロースエステル溶液を、濾紙などの適当な濾過材を用いて濾過する。濾過材としては、不溶物などを除去するために絶対濾過精度が小さい方が好ましいが、絶対濾過精度が小さすぎると、濾過材の目詰まりが発生しやすいという問題点がある。このため絶対濾過精度0.008mm以下の濾材が好ましく、0.001〜0.008mmの範囲の濾材がより好ましく、0.003〜0.006mmの範囲の濾材が更に好ましい。
濾材の材質は特に制限はなく、通常の濾材を使用することが出来るが、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック製の濾材や、ステンレス等の金属製の濾材が繊維の脱落等がなく好ましい。
ドープ液の濾過は通常の方法で行うことが出来るが、溶剤の常圧での沸点以上で、且つ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら濾過する方法が、濾過材前後の差圧(以下、濾圧とすることがある)の上昇が小さく、好ましい。好ましい温度範囲は45〜120℃であり、45〜70℃がより好ましく、45〜55℃の範囲であることが更に好ましい。濾圧は小さい方が好ましい。濾圧は1.6MPa以下であることが好ましく、1.2MPa以下であることがより好ましく、1.0MPa以下であることが更に好ましい。
流延(キャスト)工程における支持体は、表面を鏡面仕上げしたステンレスの無端ベルト若しくはドラムが好ましく用いられる。キャスト工程の支持体の温度は、0℃〜溶剤の沸点未満の温度で、温度が高い方が乾燥速度が速く出来るので好ましいが、あまり高すぎると発泡したり、平面性が劣化する場合がある。好ましい支持体温度は0〜40℃であり、5〜30℃の支持体上に流延することが更に好ましい。支持体の温度を制御する方法は特に制限されないが、温風又は冷風を吹きかける方法や、温水バットを支持体に接触させる方法がある。温水バットを用いる方が熱の伝達が効率的に行われるため、支持体の温度が一定になるまでの時間が短く好ましい。温風を用いる場合は、目的の温度よりも高い温度の風を使う必要がある場合がある。
セルロースエステルフィルムが良好な平面性を示すためには、支持体から剥離する際の残留溶媒量は、10〜120%が好ましく、更に好ましくは20〜40%又は60〜120%であり、特に好ましくは20〜30%又は70〜115%である。残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量=((加熱処理前の質量−加熱処理後の質量)/(加熱処理後の質量))×100(%)
尚、残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、フィルムを115℃で1時間の加熱処理を行うことを表す。
また、セルロースエステルフィルムの乾燥工程においては、支持体より剥離したフィルムを更に乾燥し、残留溶媒量を3%以下にすることが好ましい、更に好ましくは0.5%以下である。フィルム乾燥工程では一般にロール懸垂方式か、テンター方式でフィルムを搬送しながら乾燥する方式が採られる。
フィルムを乾燥させる手段は特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行う事が出来るが、簡便さの点で熱風で行うことが好ましい。
乾燥温度は40〜150℃の範囲で段階的に高くしていくことが好ましく、50〜140℃の範囲で行うことが寸法安定性を良くするため更に好ましい。また、フィルムの軟化点±20℃の範囲で10〜40分間乾燥することが、吸水弾性率向上の点で好ましい。フィルムの軟化点±20℃の乾燥中に搬送張力を制御することで、流延方向の吸水弾性率をコントロールすることが出来る。好ましい搬送張力の範囲は150〜350N/mであり、200〜300N/mが更に好ましい。
フィルムの厚さは特に限定されないが、例えば、10μm〜1mm程度のもの等任意の厚さのフィルムを作製することが出来る。好ましくは乾燥、延伸等の処理が終わった後の膜厚で10〜500μmが好ましく、特に30〜120μmが好ましい。
本発明の位相差フィルムは、幅1〜4mのものが好ましく用いられる。
本発明の構成により、平面性にも優れた位相差フィルムが得られるため、広幅のセルロースエステルフィルムで著しい効果が認められる。特に幅1.4〜4mのものが好ましく用いられ、特に好ましくは1.4〜2mである。4mを超えると搬送が困難となる。
本発明の位相差フィルムには、必要に応じて紫外線吸収剤、染料、マット剤等の添加剤を添加してもよい。紫外線吸収剤は液晶の劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、且つ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。本発明においては、特に波長370nmでの透過率が10%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以下、更に好ましくは2%以下である。
本発明においては、分子内に芳香族環を2つ以上有する紫外線吸収剤が特に好ましく用いられる。用いられる紫外線吸収剤は特に限定されないが、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体などが挙げられる。好ましく用いられる紫外線吸収剤は、透明性が高く、偏光板や液晶素子の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましい。紫外線吸収剤の具体例として、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のTINUVIN109、TINUVIN171、TINUVIN326、TINUVIN327、TINUVIN328等を好ましく用いることが出来るが、これらに限定されるものではない。
紫外線吸収剤は単独で用いてもよいし、2種以上の混合物であってもよい。また、紫外線吸収剤としては、高分子紫外線吸収剤も好ましく用いることが出来、特に、特開平6−148430号記載のポリマータイプの紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
紫外線吸収剤の添加方法は、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソランなどの有機溶媒に紫外線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、又は直接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエステル中にデゾルバーやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。
紫外線吸収剤の使用量は化合物の種類、使用条件などにより一様ではないが、セルロースエステルフィルムの乾燥膜厚が30〜200μmの場合は、セルロースエステルフィルムに対して0.5〜4.0質量%が好ましく、0.6g〜2.0質量%が更に好ましい。本発明においては、フィルムの黄色みを抑えるために青色染料を添加してもよい。好ましい染料としてはアンスラキノン系染料が挙げられる。アンスラキノン系染料は、アンスラキノンの1位から8位迄の位置に任意の置換基を有することが出来る。好ましい置換基としては、アニリノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、又は水素原子が挙げられる。これらの染料のフィルムへの添加量は、フィルムの透明性を維持するため0.1〜1000μg/m、好ましくは10〜100μg/mである。
本発明には必要に応じてマット剤として、酸化珪素等の微粒子を加えてもよい。マット剤微粒子は有機物によって表面処理されていることが、フィルムのヘイズを低下出来るため好ましい。表面処理で好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサンなどが挙げられる。微粒子の平均径が大きい方がマット効果は大きく、平均径の小さい方は透明性に優れるため、微粒子の一次粒子の平均径は5〜50nmが好ましく、更に好ましくは7〜20nmである。
酸化珪素の微粒子としては特に限定されないが、例えば、日本アエロジル(株)製のAEROSIL200、200V、300、R972、R972V、R972CF、R974、R202、R805、R812、OX50、TT600などが挙げられ、好ましくはAEROSIL200、200V、R972、R972V、R974、R202、R805、R812などが挙げられる。
各種添加剤はドープ液にバッチ添加してもよいし、添加剤溶解液を別途用意してインライン添加してもよい。特に、マット剤は濾過材への負荷を減らす為に、一部又は全量をインライン添加することが好ましい。添加剤溶解液をインライン添加する場合は、ドープとの混合性を良くするため、少量のセルロースエステルを溶解するのが好ましい。好ましいセルロースエステルの量は、溶剤100質量部に対して1〜10質量部で、より好ましくは3〜5質量部である。
本発明においてインライン添加、混合を行うためには、例えば、スタチックミキサー(東レエンジニアリング製)、SWJ(東レ静止型管内混合器 Hi−Mixer)等のインラインミキサー等が好ましく用いられる。
〈物性〉
本発明に係るセルロースエステルフィルムの透湿度は、40℃、90%RHで850g/m・24h以下であり、好ましくは20〜800g/m・24hであり、20〜750g/m・24hであることが特に好ましい。透湿度はJIS Z 0208に記載の方法に従い測定することが出来る。
本発明に係るセルロースエステルフィルムは下記測定による破断伸度は10〜80%であることが好ましく20〜50%であることが更に好ましい。
(破断点伸度の測定)
任意の残留溶媒を含むフィルムを試料幅を10mm、長さ130mmに切り出し、23℃、55%RHで24時間保管した試料を、チャック間距離100mmにして引っ張り速度100mm/分で引っ張り試験を行い求めることが出来る。
本発明に係るセルロースエステルフィルムの下記測定による可視光透過率は90%以上であることが好ましく、93%以上であることが更に好ましい。
(透過率の測定)
透過率Tは、分光高度計U−3400(日立製作所(株))を用い、各試料を350〜700nmの波長領域で10nmおきに求めた分光透過率τ(λ)から、380、400、500nmの透過率を算出することが出来る。
本発明に係るセルロースエステルフィルムの下記測定によるヘイズは1%未満であることが好ましく0〜0.1%であることが特に好ましい。
(ヘイズ値)
JIS K−6714に従って、ヘイズメーター(1001DP型、日本電色工業(株)製)を用いて測定し、透明性の指標とすることが出来る。
本発明の位相差フィルムは、高い透湿性、寸法安定性などから偏光板保護用フィルム以外にも、位相差板、反射板、視野角拡大フィルム(光学補償フィルム)、防眩フィルム、反射防止フィルム、帯電防止フィルム等の液晶表示用部材に使用することが出来る。特に、本発明の位相差フィルムは、光学補償フィルムして好適である。
(光学補償フィルム)
液晶ディスプレイは、異方性を持つ液晶材料や偏光板を使用するために正面から見た場合に良好な表示が得られても、斜めから見ると表示性能が低下するという視野角の問題があり、性能向上のためにも視野角補償板が必要である。平均的な屈折率分布はセルの厚み方向で大きく、面内方向でより小さいものとなっている。その為補償板としては、この異方性を相殺出来るもので、膜厚方向の屈折率が面内方向より小さな屈折率を持つ、いわゆる負の一軸性構造を持つものが有効であり、本発明の位相差フィルムはそのような機能を有する光学補償フィルムとしても利用出来る。
本発明では、前記位相差フィルムが前記棒状化合物若しくは円盤状化合物を含有し、及び/又は延伸されることで、下記式で定義されるRoが23℃、55%RHの条件下で20〜300nm、Rtが23℃、55%RHの条件下で70〜400nmとなる光学補償フィルムとして好ましく使用される。
式(I) Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
式(II) Ro=(nx−ny)×d
(式中、nx、ny、nzはそれぞれ屈折率楕円体の主軸x、y、z方向の屈折率を表し、且つ、nx、nyはフィルム面内方向の屈折率を、nzはフィルムの厚み方向の屈折率を表す。また、nx≧nyであり、dはフィルムの厚み(nm)を表す。)
尚、レターデーション値Ro、Rtは自動複屈折率計を用いて測定することが出来る。例えば、KOBRA−21ADH(王子計測機器(株))を用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmで求めることが出来る。
本発明に係る光学補償フィルムを作製する為の延伸工程(テンター工程ともいう)の一例を、図4を用いて説明する。
図4において、工程Aでは、図示されていないフィルム搬送工程D0から搬送されてきたフィルムを把持する工程であり、次の工程Bにおいて、図3に示すような延伸角度でフィルムが幅手方向(フィルムの進行方向と直交する方向)に延伸され、工程Cにおいては、延伸が終了し、フィルムが把持したまま搬送される工程である。
フィルム剥離後から工程B開始前及び/又は工程Cの直後に、フィルム幅方向の端部を切り落とすスリッターを設けることが好ましい。特に、A工程開始直前にフィルム端部を切り落とすスリッターを設けることが好ましい。幅手方向に同一の延伸を行った際、特に工程B開始前にフィルム端部を切除した場合とフィルム端部を切除しない条件とを比較すると、前者がより配向角分布を改良する効果が得られる。
これは、残留溶媒量の比較的多い剥離から幅手延伸工程Bまでの間での長手方向の意図しない延伸を抑制した効果であると考えられる。
テンター工程において、配向角分布を改善するため意図的に異なる温度を持つ区画を作ることも好ましい。また、異なる温度区画の間にそれぞれの区画が干渉を起こさないように、ニュートラルゾーンを設ける事も好ましい。
尚、延伸操作は多段階に分割して実施してもよく、流延方向、幅手方向に二軸延伸を実施することが好ましい。また、二軸延伸を行う場合にも同時二軸延伸を行ってもよいし、段階的に実施してもよい。この場合、段階的とは、例えば、延伸方向の異なる延伸を順次行うことも可能であるし、同一方向の延伸を多段階に分割し、且つ異なる方向の延伸をそのいずれかの段階に加えることも可能である。即ち、例えば、次のような延伸ステップも可能である。
・流延方向に延伸−幅手方向に延伸すると同時に流延方向に延伸
・流延方向に延伸−幅手方向に延伸すると同時に流延方向に延伸
また、同時2軸延伸には、一方向に延伸し、もう一方を張力を緩和して収縮させる場合も含まれる。同時2軸延伸の好ましい延伸倍率は幅方向に×1.05〜×1.5倍で長手方向(流延方向)に×0.8〜×1.3倍であり、特に幅方向に×1.1〜×1.5倍、長手方向に×0.8〜×0.99倍とすることが好ましい。特に好ましくは幅方向に×1.1〜×1.4倍、長手方向に×0.9〜×0.99倍である。
また、本発明における「延伸方向」とは、延伸操作を行う場合の直接的に延伸応力を加える方向という意味で使用する場合が通常であるが、多段階に二軸延伸される場合に、最終的に延伸倍率の大きくなった方(即ち、通常遅相軸となる方向)の意味で使用されることもある。特に、寸法変化率に関する記載の場合の単に「延伸方向」という表現の場合には主として後者の意味で使用される。残留溶媒量は前記式により表される。
セルロースエステルフィルムの延伸操作を行うことによる80℃、90%RH条件下における寸法安定性の改善のためには、残留溶媒存在下、且つ加熱条件下にて延伸操作を行うことが好ましい。
フィルムを幅手方向に延伸する場合には、フィルムの幅手方向で光学遅相軸の分布(以下、配向角分布)が悪くなることはよく知られている。RthとRoの値を一定比率とし、且つ、配向角分布を良好な状態で幅手延伸を行うため、工程A、B、Cで好ましいフィルム温度の相対関係が存在する。工程A、B、C終点でのフィルム温度をそれぞれTa℃、Tb℃、Tc℃とすると、Ta≦Tb−10であることが好ましい。また、Tc≦Tbであることが好ましい。Ta≦Tb−10且つ、Tc≦Tbであることが更に好ましい。
工程Bでのフィルム昇温速度は、配向角分布を良好にするために、0.5〜10℃/sの範囲が好ましい。
工程Bでの延伸時間は、80℃、90%RH条件における寸法変化率を小さくするためには短時間である方が好ましい。但し、フィルムの均一性の観点から、最低限必要な延伸時間の範囲が規定される。具体的には1〜10秒の範囲であることが好ましく、4〜10秒がより好ましい。また、工程Bの温度は40〜180℃、好ましくは100〜160℃である。
上記テンター工程において、熱伝達係数は一定でもよいし、変化させてもよい。熱伝達係数としては、41.9〜419×10J/mhrの範囲の熱伝達係数を持つことが好ましい。更に好ましくは、41.9〜209.5×10J/mhrの範囲であり、41.9〜126×10J/mhrの範囲が最も好ましい。
80℃、90%RH条件下における寸法安定性を良好にするため、上記工程Bでの幅手方向への延伸速度は、一定で行ってもよいし、変化させてもよい。延伸速度としては、50〜500%/minが好ましく、更に好ましくは100〜400%/min、200〜300%/minが最も好ましい。
テンター工程において、雰囲気の幅手方向の温度分布が少ない事が、フィルムの均一性を高める観点から好ましく、テンター工程での幅手方向の温度分布は、±5℃以内が好ましく、±2℃以内がより好ましく、±1℃以内が最も好ましい。上記温度分布を少なくすることにより、フィルムの幅手での温度分布も小さくなることが期待出来る。
工程Cに於いて、寸法変化を抑えるため幅方向に緩和する事が好ましい。具体的には、前工程のフィルム幅に対して95〜99.5%の範囲になるようにフィルム幅を調整する事が好ましい。
テンター工程で処理した後、更に後乾燥工程(以下、工程D1)を設けるのが好ましい。50〜140℃で行うのが好ましい。更に好ましくは、80〜140℃の範囲であり、最も好ましくは110〜130℃の範囲である。
工程D1で、フィルムの幅方向の雰囲気温度分布が少ない事は、フィルムの均一性を高める観点から好ましい。±5℃以内が好ましく、±2℃以内がより好ましく、±1℃以内が最も好ましい。
工程D1でのフィルム搬送張力は、ドープの物性、剥離時及び工程D0での残留溶媒量、工程D1での温度などに影響を受けるが、120〜200N/mが好ましく、140〜200N/mが更に好ましい。140〜160N/mが最も好ましい。
工程D1での搬送方向へフィルムの伸びを防止する目的で、テンションカットロールを設けることが好ましい。乾燥終了後、巻き取り前にスリッターを設けて端部を切り落とすことが良好な巻姿を得るため好ましい。
本発明の偏光板において、上記したように表示特性の向上のためにリターデーションをフィルムに付与するために、セルロースエステルフィルムを幅手方向に延伸して、セルロースエステルフィルムのリターデーションを制御することが好ましい。
本発明の目的を達成するために、具体的には本発明の偏光板に用いる光学補償フィルムは、流延製膜法により作製した30μm〜150μm以下の膜厚で好ましく、これは本発明の効果に加えてフィルムの物理的な強度と製造面の両立の観点に由来する。該フィルムの膜厚において、より好ましくは40μm〜120μm以下の範囲である。
(偏光板)
本発明の偏光板について述べる。
偏光板は一般的な方法で作製することが出来る。本発明の位相差フィルムの裏面側をアルカリ鹸化処理し、処理した位相差フィルムを、ヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光膜の少なくとも一方の面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせることが好ましい。もう一方の面にも該位相差フィルムを用いても、別の偏光板保護フィルムを用いてもよい。
もう一方の面に用いられる偏光板保護フィルムとしては、市販のセルロースエステルフィルムとして、KC8UX2M、KC4UX、KC5UX、KC4UY、KC8UY、KC12UR、KC8UCR−3、KC8UCR−4(コニカミノルタオプト(株)製)等も好ましく用いられる。
偏光板の主たる構成要素である偏光膜とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光膜は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものがある。偏光膜は、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。該偏光膜の面上に、本発明の位相差フィルムの片面を貼り合わせて偏光板を形成する。好ましくは完全鹸化ポリビニルアルコール等を主成分とする水系の接着剤によって貼り合わせる。
偏光膜は一軸方向(通常は長手方向)に延伸されているため、偏光板を高温高湿の環境下に置くと延伸方向(通常は長手方向)は縮み、延伸と垂直方向(通常は幅方向)には伸びる。偏光板保護用フィルムの膜厚が薄くなるほど偏光板の伸縮率は大きくなり、特に偏光膜の延伸方向の収縮量が大きい。通常、偏光膜の延伸方向は偏光板保護用フィルムの流延方向(MD方向)と貼り合わせるため、偏光板保護用フィルムを薄膜化する場合は、特に流延方向の伸縮率を抑える事が重要である。本発明に係る位相差フィルムは極めて寸法安定に優れる為、このような偏光板保護フィルムとして好適に使用される。
即ち60℃、90%RHの条件での耐久性試験によっても波打ち状のむらが増加することはなく、裏面側に光学補償フィルムを有する偏光板であっても、耐久性試験後に視野角特性が変動することなく良好な視認性を提供することが出来る。
(表示装置)
本発明の偏光板を表示装置に組み込むことによって、種々の視認性に優れた本発明の表示装置を作製することが出来る。本発明の反射防止フィルムは反射型、透過型、半透過型LCD或いはTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型(PVA型、MVA型)、IPS型等の各種駆動方式のLCDで好ましく用いられる。また、本発明の位相差フィルムは、平面性に優れ、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、電子ペーパー等の各種表示装置にも好ましく用いられる。特に画面が30型以上の大画面の表示装置では、色むらや波打ちむらが少なく、長時間の鑑賞でも目が疲れないという効果があった。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
《位相差フィルム1の作製》
〈微粒子分散液〉
微粒子(アエロジルR972V 日本アエロジル製) 11質量部
エタノール 89質量部
以上をディゾルバーで50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。
〈微粒子添加液〉
メチレンクロライドを入れた溶解タンクにセルロースエステルAを添加し、加熱して完全に溶解させた後、これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した。濾過後のセルロースエステル溶液を十分に攪拌しながら、ここに微粒子分散液をゆっくりと添加した。更に、二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、微粒子添加液を調製した。
メチレンクロライド 99質量部
セルロースエステルA(アセチル基置換度2.9、Mn=150000、Mw/Mn=1.8) 4質量部
微粒子分散液 11質量部
下記組成の主ドープ液を調製した。まず加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを添加した。溶剤の入った加圧溶解タンクにセルロースエステルAを攪拌しながら投入した。これを加熱し、攪拌しながら、完全に溶解し、更にレターデーション上昇剤、可塑剤及び紫外線吸収剤を添加、溶解させた。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、主ドープ液を調製した。
主ドープ液100質量部と微粒子添加液2質量部となるように加えて、インラインミキサー(東レ静止型管内混合機 Hi−Mixer、SWJ)で十分に混合し、次いでベルト流延装置を用い、幅2mのステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体上で、残留溶媒量が110%になるまで溶媒を蒸発させ、ステンレスバンド支持体から剥離した。剥離の際に張力をかけて縦(MD)延伸倍率が1.0倍となるように延伸し、次いで、テンターでウェブ両端部を把持し、幅手(TD)方向の延伸倍率が1.25倍となるように延伸した。延伸後、その幅を維持したまま数秒間保持し、幅方向の張力を緩和させた後幅保持を解放し、更に125℃に設定された第3乾燥ゾーンで30分間搬送させて乾燥を行い、幅1.5m、且つ端部に幅1cm、高さ8μmのナーリングを有する膜厚80μmの位相差フィルム1を作製した。
レターデーション値Roは50nm、Rtは135nmであった。
〈主ドープ液の組成〉
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 55.5質量部
セルロースエステルA 100質量部
トリフェニルホスフェート 6.0質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 5.5質量部
チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ(株)製) 1.1質量部
トリアジン系化合物D 0.6質量部
Figure 0005445273
《位相差フィルム2の作製》
次いで、下記主ドープ液に変えた以外は位相差フィルム1の作製と同様にして膜厚80μmの位相差フィルム2を作製した。レターデーション値Roは50nm、Rtは130nmであった。
〈主ドープ液の組成〉
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 55.5質量部
セルロースエステルB(アセチル基置換度1.95、プロピオニル基置換度0.7、Mn=80000、Mw/Mn=1.7) 100質量部
トリメチロールプロパントリベンゾエート 6.0質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 5.5質量部
チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ(株)製) 1.1質量部
棒状化合物(一般式(2)例示化合物(10)) 5質量部
《偏光板の作製》
厚さ、120μmのポリビニルアルコールフィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gからなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し偏光膜を得た。
次いで、下記工程1〜5に従って偏光膜と上記作製の位相差フィルム、裏面側のセルロースエステルフィルムを貼り合わせて偏光板を作製した。裏面側の偏光板保護フィルムには市販のセルロースエステルフィルムであるコニカミノルタタックKC8UX(コニカミノルタオプト(株)製)を用いてそれぞれ偏光板とした。
工程1:図1の温水槽を用いて温水により、表1に記載の条件で位相差フィルム1、2を処理乾燥し、処理済み位相差フィルム1〜22を得た。
工程2:次いで、60℃の2モル/Lの水酸化ナトリウム溶液に90秒間浸漬し、水洗乾燥して、偏光子と貼合する側を鹸化した光学フィルムを得た。
工程3:前記偏光膜を固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒浸漬した。
工程4:工程3で偏光膜に付着した過剰の接着剤を軽く拭き除き、これを工程1、2で処理した位相差フィルムの上にのせて積層した。
工程5:工程4で積層した位相差フィルムと偏光膜とセルロースエステルフィルムを圧力20〜30N/cm、搬送スピードは約2m/分で貼合した。
工程6:80℃の乾燥機中に工程5で作製した偏光膜とセルロースエステルフィルムと位相差フィルムとを貼り合わせた試料を2分間乾燥し、偏光板1〜22を作製した。
《液晶表示装置の作製》
視野角測定を行う液晶パネルを以下のようにして作製し、液晶表示装置としての特性を評価した。
富士通製15型ディスプレイVL−150SDの予め貼合されていた両面の偏光板を剥がして、上記作製した偏光板1〜22をそれぞれ液晶セルのガラス面に貼合した。
その際、その偏光板の貼合の向きは、上記位相差フィルムの面が、液晶セル側となるように、且つ、予め貼合されていた偏光板と同一の方向に吸収軸が向くように行い、液晶表示装置1〜22を各々作製した。
以上の様にして得られた処理済み位相差フィルム1〜22、偏光板1〜22、液晶表示装置1〜22を用いて下記の評価を行った。
(評価方法)
〈平面性〉
温水処理した後巻き取った位相差フィルムを35℃、80%RHの条件下で10日間保存した。フィルムを巻き出して、1m単位の長さでサンプングし、フィルム試料表面に点灯している蛍光灯の管を反射させて映し、その歪み或いは細かい乱れを観察し、平面性を下記レベルにランク分けした。
◎:画面の表面に蛍光灯を映して見たとき、蛍光灯が歪み無くきれいに見える
○:画面の表面に蛍光灯を映して見たとき、蛍光灯が少し歪んで見える。使用上問題ないレベル
△:画面の表面に蛍光灯を映して見たとき、蛍光灯がやや歪んで見える。ぎりぎり使用出来るレベル
×:画面の表面に蛍光灯を映して見たとき、蛍光灯が激しく歪んで見える。使用上問題となるレベル
〈ブリードアウト〉
上記作製の偏光板を80℃、90%RHの高温高湿雰囲気下に1000時間放置後、貼合した位相差フィルム表面を観察することによりブリードアウトの有無を評価した。
◎:フィルム表面にブリードアウトが全くない
○:フィルム表面にブリードアウトがかすかに分かる
△:フィルム表面にブリードアウトがやや分かる
×:フィルム表面にブリードアウトがハッキリ分かる
〈コーナームラ〉
作製した液晶表示装置を60℃、90%RHにて1500時間保管した後、液晶表示装置を点灯して、6時間後に黒表示での周辺の光漏れ(コーナームラ)の有無を確認した。
◎:周辺の光漏れは全く認められない
○:周辺の光漏れはほとんど気にならない
△:周辺の光漏れが認められる
×:周辺の光漏れが著しい
Figure 0005445273
上表より、温水処理した位相差フィルム(3〜11、14〜22)は、平面性に優れ、且つそれを用いた偏光板/液晶表示装置はブリードアウト、コーナームラにも優れることが分かった。また、温水浴の温度、処理時間に好ましい範囲があることも確認された。位相差フィルムとしては、位相差フィルム2の方が、コーナームラに対して若干有利であることが分かった。
実施例2
実施例1の位相差フィルム2を用い、且つ温水処理を表2に記載の有機溶媒水溶液に変えた以外は同様にして処理済み位相差フィルムを作製し、実施例1と同様な評価を行った。
Figure 0005445273
上表より、本発明の有機溶剤水溶液処理した位相差フィルムは、平面性に優れ、且つそれを用いた偏光板/液晶表示装置はブリードアウト、コーナームラにも優れることが分かった。また、有機溶剤の濃度、水溶液の温度、処理時間に好ましい範囲があることも確認された。
実施例3
実施例2で用いた有機溶剤水溶液を界面活性剤ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの2%水溶液に変えた以外は同様にして処理済み位相差フィルムを作製し、実施例2と同様な評価を行った。
Figure 0005445273
上表より、本発明の界面活性剤水溶液処理した位相差フィルムは、平面性に優れ、且つそれを用いた偏光板/液晶表示装置はブリードアウト、コーナームラにも優れることが分かった。また、界面活性剤の濃度、水溶液の温度、処理時間に好ましい範囲があることも確認された。
実施例4
実施例1の位相差フィルム2を用い、且つ温水処理槽を投げ込み型振動子を有する超音波処理装置を有する水溶液槽に変えた以外は同様にして処理済み位相差フィルムを作製し、実施例1と同様な評価を行った。
Figure 0005445273
上表より、本発明の超音波処理した位相差フィルムは、平面性に優れ、且つそれを用いた偏光板/液晶表示装置はブリードアウト、コーナームラにも優れることが分かった。また、超音波処理の条件に好ましい範囲があることも確認された。
実施例5
実施例1〜4の偏光板の作製において、工程1と工程2の順序を逆にして工程2の後に処理(工程1)行い、同様にして処理済み位相差フィルム、偏光板/液晶表示装置を作製した。これらを用いて実施例1と同じ評価を実施した所、平面性、ブリードアウト、及びコーナームラに優れていることが確認された。

Claims (5)

  1. レターデーション上昇剤を含有し、下記式(I)で表されるRt値が70〜400nmの範囲の位相差フィルム製造方法であって、延伸工程を経たフィルム形成後であって鹸化処理の前にフィルムの表面をレターデーション上昇剤を溶解する有機溶剤を含有する水に接触させるフィルムの表面を界面活性剤を含有する水に接触させるまたは水中でフィルムの表面に超音波を印加する、の少なくとも1つの処理により、フィルム表面近傍のレターデーション上昇剤の一部を溶出させることを含むことを特徴とする位相差フィルムの製造方法。
    式(I) Rt={(nx+ny)/2−nz}×d
    〔式中、nxはフィルム面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyはnxに直角な方向でのフィルム面内の屈折率、nzはフィルムの厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)をそれぞれ表す。〕
  2. 前記位相差フィルムがセルロースエステルフィルムであることを特徴とする請求項に記載の位相差フィルムの製造方法。
  3. フィルムの表面をレターデーション上昇剤を溶解する有機溶剤を含有する水に接触させる処理を必須に含み、前記有機溶剤が塩化メチレン、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、テトラヒドロフランから選ばれることを特徴とする請求項1又は2に記載の位相差フィルムの製造方法。
  4. 記処理を、処理浴中を搬送して行うことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の位相差フィルムの製造方法。
  5. 水中でフィルムの表面に超音波を印加する処理を必須に含み、前記処理浴中に超音波発生装置を設置して超音波をフィルムに与えることを特徴とする請求項に記載の位相差フィルムの製造方法。
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