JP2006153799A - 角速度センサ装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 振動体を有する角速度検出用の角速度検出素子をパッケージに接着剤を介して支持するように実装してなる角速度センサ装置において、角速度検出素子の実装性を確保するとともに、防振性、耐熱性、耐電磁性、耐湿性および耐異物性を確保する。
【解決手段】 振動体を有する角速度検出用の角速度検出素子100をパッケージ400に接着剤300を介して支持するように実装してなる角速度センサ装置S1において、接着剤300として、発泡接着剤300を用い、角速度検出素子100は、発泡接着剤300によりパッケージ400に支持されているだけでなく、発泡接着剤300により包み込まれるように封止されている。そして、発泡接着剤300の未発泡時に角速度検出素子100を実装することで発泡接着剤300の適度な高弾性を活かして適切に実装を行い、その後は、発泡接着剤300を加熱発泡させることで低弾性率化できる。
【選択図】 図1
【解決手段】 振動体を有する角速度検出用の角速度検出素子100をパッケージ400に接着剤300を介して支持するように実装してなる角速度センサ装置S1において、接着剤300として、発泡接着剤300を用い、角速度検出素子100は、発泡接着剤300によりパッケージ400に支持されているだけでなく、発泡接着剤300により包み込まれるように封止されている。そして、発泡接着剤300の未発泡時に角速度検出素子100を実装することで発泡接着剤300の適度な高弾性を活かして適切に実装を行い、その後は、発泡接着剤300を加熱発泡させることで低弾性率化できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、振動体を有する角速度検出用の角速度検出素子をパッケージに接着剤を介して支持するように実装してなる角速度センサ装置およびそのような角速度センサ装置の製造方法に関する。
従来より、振動体を有する角速度検出用の角速度検出素子をパッケージに接着剤を介して支持するように実装してなる角速度センサ装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
たとえば、上記特許文献1に記載の角速度センサ装置においては、角速度検出素子は、半導体基板などの基板を有し、この基板に当該基板と水平な面内にて振動可能な振動体を形成してなる。
そして、振動体は、当該水平面内にて第1の方向に駆動振動し、この駆動振動のもと角速度が加わったときにコリオリ力によって該水平面内にて第1の方向と直交する第2の方向へ振動する。そして、この第2の方向への振動体の振動状態を検出することにより、基板と垂直な軸回りの角速度を検出することができるようになっている。
このような角速度検出素子においては、外部加速度の印加によって角速度の検出精度が低下してしまっては問題である。具体的には、外部加速度成分が振動体の振動に重畳されると、本来、角速度が0であるにもかかわらず、この外部加速度成分によって角速度として検出されてしまう。
そこで、上記特許文献1に記載の角速度センサ装置では、パッケージ上に角速度検出素子を、低弾性率化された接着剤を介して搭載した構造体を形成し、当該構造体の共振周波数を低下させることにより、外部加速度の印加による角速度の検出精度の低下を防止するようにしている。
このものは、当該構造体の共振周波数を振動体の共振周波数より十分に低くすることにより、振動体に伝達される、振動体の振動周波数域の外部加速度成分を減衰させ、角速度検出精度を向上させようとするものである。それにより、角速度センサ装置の防振性が向上する。
特開2003−28664号公報
しかしながら、接着剤を低弾性率化することにより、角速度検出素子をパッケージに実装することがが困難になるという問題がある。
たとえば、低弾性率化された接着剤を介してパッケージ上に角速度検出素子を支持した状態では、この支持された角速度検出素子またはこの角速度検出素子に固定された回路基板などにワイヤボンディングを行う場合、接着剤による支持が不十分になり、ワイヤ接続領域ボンディングができなくなる。
また、接着剤を低弾性率のものとしただけでは、パッケージから接着剤を介して角速度検出素子に伝わる熱や電気的ノイズを抑制したり、角速度検出素子を湿気や異物から保護することは難しい。つまり、角速度センサ装置における耐熱性、耐電磁性、耐湿性、耐異物性に対しては効果を得ることは困難である。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、振動体を有する角速度検出用の角速度検出素子をパッケージに接着剤を介して支持するように実装してなる角速度センサ装置において、角速度検出素子の実装性を確保するとともに、防振性、耐熱性および耐電磁性を確保できるようにすることを目的とする。
また、本発明の他の目的は、このような実装性、防振性、耐熱性および耐電磁性を確保できる角速度センサ装置において、さらに、耐湿性および耐異物性を確保できるようにすることである。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、振動体(20)を有する角速度検出用の角速度検出素子(100)をパッケージ(400)に接着剤(300)を介して支持するように実装してなる角速度センサ装置において、接着剤として、発泡接着剤(300)を用いることを特徴としている。
本発明に用いられる発泡接着剤(300)は、加熱硬化時に材料自体が発泡し、そのまま硬化する接着剤である。
このような発泡接着剤(300)を用いた本発明の角速度センサ装置によれば、発泡接着剤(300)の未発泡時に角速度検出素子(100)を実装することによって、発泡接着剤(300)の適度な高弾性を活かし、ワイヤボンディングなどを行うことができるため、角速度検出素子(100)を適切に実装することができる。
その後は、発泡接着剤(300)を加熱することで発泡させれば、発泡接着剤(300)の内部に気泡ができるため、発泡接着剤(300)を低弾性率化することができる。
つまり、本発明によれば、角速度検出素子(100)の実装時よりも、実装後において発泡接着剤(300)を低弾性率化できるため、より低弾性な接着剤(300)を実現でき、防振性を向上させることができる。
さらに、角速度検出素子(100)の実装後においては、発泡接着剤(300)が内部に気泡を有することで低熱伝導率化および低誘電率化された接着剤(300)を実現することができる。
したがって、本発明によれば、振動体(20)を有する角速度検出用の角速度検出素子(100)をパッケージ(400)に接着剤(300)を介して支持するように実装してなる角速度センサ装置において、角速度検出素子(100)の実装性を確保するとともに、防振性、耐熱性および耐電磁性を確保することができる。
ここで、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の角速度センサ装置において、角速度検出素子(100)は、発泡接着剤(300)によりパッケージ(400)に支持されているだけでなく、発泡接着剤(300)により包み込まれるように封止されていることを特徴としている。
それによれば、発泡接着剤(300)により角速度検出素子(100)を封止することにより、当該角速度検出素子(100)を物理的に外部から隔離することができるため、さらに、耐湿性および耐異物性を確保することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、請求項1または請求項2に記載の角速度センサ装置において、角速度検出素子(100)は、回路基板(400)上に搭載されており、回路基板(400)を介して発泡接着剤(300)に支持されていることを特徴とするものにできる。
さらに、請求項4に記載の発明のように、請求項3に記載の角速度センサ装置においては、角速度検出素子(100)は、振動体(20)を回路基板(400)に離間して対向させた状態で回路基板(200)に積層されており、角速度検出素子(100)と回路基板(200)とは、バンプ(70)を介して接合されていることを特徴とするものにできる。
また、請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4に記載の角速度センサ装置において、角速度検出素子(100)とパッケージ(400)とは、ボンディングワイヤ(80)を介して電気的に接続されていることを特徴としている。
それによれば、発泡接着剤(300)の未発泡時に角速度検出素子(100)を実装することによって、発泡接着剤(300)の適度な高弾性を活かし、ワイヤボンディングなどを行うことができるため、角速度検出素子(100)を適切に実装することができる。その後は、発泡接着剤(300)を加熱することで発泡させれば、発泡接着剤(300)を低弾性率化することができる。
また、請求項6に記載の発明では、請求項1〜請求項5に記載の角速度センサ装置において、角速度検出素子(100)における振動体(20)の周囲には、発泡接着剤(300)と振動体(20)との間を遮断するためのカバー部材(110)が設けられていることを特徴としている。
それによれば、発泡接着剤(300)が、角速度検出素子(100)における振動体(20)の方へ流入し付着するなどの不具合を確実に防止することができ、センサ特性を確保できるため、好ましい。
請求項7に記載の発明では、振動体(20)を有する角速度検出用の角速度検出素子(100)をパッケージ(400)に接着剤(300)を介して支持するとともに、角速度検出素子(100)とパッケージ(400)とを、ボンディングワイヤ(80)を介して電気的に接続することにより角速度検出素子(100)を実装してなる角速度センサ装置の製造方法において、次のような点を特徴としている。
すなわち、接着剤として、発泡接着剤(300)を用い、パッケージ(400)上に発泡接着剤(300)を配設し、発泡接着剤(300)が未発泡の状態で発泡接着剤(300)の上に角速度検出素子(100)を搭載し、続いて、ワイヤボンディングを行うことにより、角速度検出素子(100)とパッケージ(400)との間を、ボンディングワイヤ(80)を介して電気的に接続し、しかる後、発泡接着剤(300)を加熱することにより発泡させ硬化させることを特徴としている。
このような特徴点を有する本発明の製造方法によれば、未発砲状態の発泡接着剤(300)の上に支持された角速度検出素子(100)に対して、当該発泡接着剤(300)の適度な高弾性を活かして、適切にワイヤボンディングを行うことができるため、角速度検出素子(100)の適切な実装が可能になる。
その後は、発泡接着剤(300)を加熱して発泡させることにより、発泡接着剤(300)の内部に気泡ができるため、発泡接着剤(300)を低弾性率化、低熱伝導率化および低誘電率化することができる。
このようにして、本発明の製造方法によれば、振動体(20)を有する角速度検出用の角速度検出素子(100)をパッケージ(400)に接着剤(300)を介して支持するとともに、角速度検出素子(100)とパッケージ(400)との間がボンディングワイヤ(80)を介して電気的に接続された角速度センサ装置において、角速度検出素子(100)の実装性を確保するとともに、防振性、耐熱性および耐電磁性を確保することができる。
ここで、請求項8に記載の発明では、請求項7に記載の角速度センサ装置の製造方法において、ワイヤボンディング工程を行った後、角速度検出素子(100)を包むように、さらに発泡接着剤(300’)を未発泡状態にて追加して配設し、しかる後、発泡接着剤(300)および追加された発泡接着剤(300’)を加熱することにより発泡させ硬化させることを特徴としている。
それによれば、振動体(20)を有する角速度検出用の角速度検出素子(100)をパッケージ(400)に接着剤(300)を介して支持するとともに、角速度検出素子(100)とパッケージ(400)との間がボンディングワイヤ(80)を介して電気的に接続された角速度センサ装置において、上記請求項2に記載の発明と同様の効果を有する角速度センサ装置を適切に製造しうる製造方法を提供することができる。
また、請求項9に記載の発明では、請求項7または請求項8に記載の角速度センサ装置の製造方法において、角速度検出素子(100)の搭載工程において、回路基板(200)を介して角速度検出素子(100)を発泡接着剤(300)上に搭載することを特徴としている。
それによれば、上記請求項7または請求項8に記載の角速度センサ装置の製造方法において、上記請求項3に記載の発明の特徴を有する角速度センサ装置を適切に製造しうる製造方法を提供することができる。
さらに、請求項10に記載の発明では、請求項9に記載の角速度センサ装置の製造方法において、角速度検出素子(100)を、振動体(20)を回路基板(200)に離間して対向させた状態で回路基板(200)に積層し、角速度検出素子(100)と回路基板(200)とをバンプ(70)を介して接合することを特徴としている。
それによれば、上記請求項9に記載の角速度センサ装置の製造方法において、上記請求項4に記載の発明の特徴を有する角速度センサ装置を適切に製造しうる製造方法を提供することができる。
また、請求項11に記載の発明では、請求項7〜請求項10に記載の角速度センサ装置の製造方法において、角速度検出素子(100)の搭載工程において、角速度検出素子(100)における振動体(20)の周囲に、発泡接着剤(300、300’)と振動体(20)との間を遮断するためのカバー部材(110)を設けた状態で、角速度検出素子(100)の搭載を行うことを特徴としている。
それによれば、上記請求項7〜請求項10に記載の角速度センサ装置の製造方法において、上記請求項6に記載の発明の特徴を有する角速度センサ装置を適切に製造しうる製造方法を提供することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る角速度検出装置S1の全体概略断面構成を示す図である。また、図2は、図1に示される角速度検出装置S1における角速度検出素子100の概略平面構成を示す図であり、同素子100を構成する基板10の上面からみた概略平面図である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る角速度検出装置S1の全体概略断面構成を示す図である。また、図2は、図1に示される角速度検出装置S1における角速度検出素子100の概略平面構成を示す図であり、同素子100を構成する基板10の上面からみた概略平面図である。
[構成等]
本実施形態の角速度センサ装置S1は、大きくは、図1に示されるように、角速度検出素子100と回路基板200とこれらを収納するパッケージ400とを備え、パッケージ400に回路基板200を固定し、その上に接着剤300を介して角速度検出素子100が積層された構造体として構成されている。
本実施形態の角速度センサ装置S1は、大きくは、図1に示されるように、角速度検出素子100と回路基板200とこれらを収納するパッケージ400とを備え、パッケージ400に回路基板200を固定し、その上に接着剤300を介して角速度検出素子100が積層された構造体として構成されている。
まず、角速度検出素子100について、主として図2を参照して説明する。角速度検出素子100は、半導体基板などの基板10を有し、この基板10に対して周知のマイクロマシン加工を施すことにより形成される。
たとえば、基板10としては、第1の半導体層としての第1シリコン層上に絶縁層としての酸化膜を介して第2の半導体層としての第2シリコン層を貼り合わせてなるSOI(シリコン−オン−インシュレータ)基板を採用することができる。
そして、この基板10の表層、たとえばSOI基板における第2シリコン層に対して、トレンチエッチングおよびリリースエッチングなどを施すことにより、図2に示されるように、溝で区画された梁構造体20〜60が形成されている。
この梁構造体20〜60は、大きくは、振動体20と各梁部23、40と各電極50、60とから構成されている。
振動体20は、基板10と水平な面内すなわち図2中の紙面内にて振動可能なように基板10の中央部に形成されている。本例では、振動体20は、中央部に位置する略矩形状の第1の振動部21と、この第1の振動部21の外周に位置する矩形枠状の第2の振動部22と、これら第1および第2の振動部21、22を連結する駆動梁部23とから構成されている。
この振動体20は、基板10の周辺部に設けられたアンカー部30に対して検出梁部40を介して連結されている。ここで、アンカー部40は、基板10のうち当該梁構造体20が形成されている表層の下部すなわち支持基板部に固定され支持されているものであり、振動体20は、当該支持基板部から浮遊している。
ここで、図2に示されるように、駆動梁部23は、たとえばy方向に延びる形状をなすものとすることで実質的にx方向のみに弾性変形可能なものであり、検出梁部40は、たとえばx方向に延びる形状をなすものとすることで実質的にy方向のみに弾性変形可能なものである。
そして、駆動梁23によって振動体20のうち第1の振動体部が、基板10と水平面内においてx方向(駆動振動方向)へ振動可能となっている。一方、検出梁部40によって振動体20全体が、基板10と水平面内においてy方向(検出振動方向)へ振動可能となっている。
また、第1の振動部21と第2の振動部22との間には、第1の振動部21をx方向に駆動振動させるための駆動電極50が設けられている。
この駆動電極50は、アンカー部30と同様に上記支持基板部に固定されている。そして、駆動電極50は、第1の振動部21から突出する櫛歯部(駆動用櫛歯部)21aに対し、互いの櫛歯が噛み合うように対向して配置されている。
また、第2の振動部22の外周には、角速度検出を行うための検出電極60が設けられている。
この検出電極60は、振動体20の振動に基づいて基板10と垂直なz軸回りの角速度を検出するためのもので、アンカー部30と同様に上記支持基板部に固定されている。そして、検出電極60は、第2の振動部22から突出する櫛歯部(検出用櫛歯部)22aに対し、互いの櫛歯が噛み合うように対向して配置されている。
また、本角速度検出素子100においては、基板10の上面の適所に、上記振動体20、駆動電極50および検出電極60などに電圧を印加したり、信号を取り出したりするための図示しないパッドが設けられている。
具体的には、たとえば、このパッドは基板10の周辺部に設けられており、そして、このパッドには、図1に示されるように、Au(金)バンプやはんだバンプなどからなるウム)などのバンプ70が接続されるようになっている。
それにより、図1に示されるように、角速度検出素子100は、振動体20を回路基板200に離間して対向させた状態で回路基板200に積層され、角速度検出素子100と回路基板200とはバンプ70を介して接合され電気的に接続される。このバンプ70は、通常のバンプ形成方法により形成できるものである。
この回路基板200は、たとえばシリコン基板等に対してMOSトランジスタやバイポーラトランジスタ等が、周知の半導体プロセスを用いて形成されているもので、角速度検出素子100へ電圧を送ったり、角速度検出素子100からの電気信号を処理して外部へ出力する等の機能を有するものにできる。
図1に示されるように、この回路基板200は、パッケージ400内に接着剤300を介して支持されている。
ここで、本実施形態のパッケージ400は、内部もしくは表面などに図示しない配線を有するものであり、特に限定するものではないが、セラミックや樹脂などからなるものにできる。
そして、図1に示されるように、回路基板200とパッケージ400の上記配線とが、AuやAl(アルミニウム)などからなるボンディングワイヤ80により結線され電気的に接続されている。
つまり、本実施形態の角速度センサ装置S1においては、角速度検出素子100とパッケージ400とは、回路基板200を介在させてはいるが、ボンディングワイヤ80を介して電気的に接続されている。
そして、角速度検出素子100および回路基板200と外部とは、上記バンプ70やボンディングワイヤ80、パッケージ400の配線を介して電気的に接続されている。そして、たとえば、回路基板200からの出力信号はボンディングワイヤ80を介してパッケージ400の配線から外部へ送られるようになっている。
このパッケージ400は、たとえばアルミナなどのセラミック層が複数積層された積層基板として構成することができる。
このような積層基板は、各層の間に上記配線が形成され、スルーホールなどにより各配線が導通されているものである。また、図1に示されるように、パッケージ400の開口部には蓋(リッド)410が取り付けられており、この蓋410によってパッケージ400の内部を封止している。
この蓋部410は、セラミック、樹脂、金属など材質を限定するものではなく、また、蓋部410とパッケージ400との接合は、接着や溶接など各種の接合方法が採用可能である。そして、ここでは、蓋部410により封止されたパッケージ400の内部には、不活性ガスとしての窒素ガスなどが封入されている。
このように、本実施形態の角速度センサ装置S1においては、振動体20を有する角速度検出素子100を回路基板200に接合した状態でパッケージ400に接着剤300を介して支持するように実装してなるが、本角速度センサ装置S1においては、接着剤300として、発泡接着剤300を用いている。
本実施形態に用いられる発泡接着剤300は、加熱硬化時に材料自体が発泡し、そのまま硬化する接着剤である。そして、図1に示される角速度センサ装置S1においては、この発泡接着剤300は、発砲した状態すなわち発泡接着剤30の内部に気泡ができた状態である。
限定するものではないが、具体的に、発泡接着剤300としては、樹脂の中に発泡剤が混入されてなるものを用いることができ、熱風、マイクロ波や遠赤外線などを用いた加熱処理を行うことで、樹脂中の発泡剤を気化させ、気化が行われた部分が気泡(ボイド)となるものである。
たとえば、発泡接着剤300における発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ベンゼンスルホニルヒドラジドおよびこれらの混合物の中から選択されたものなどを採用することができる。また、樹脂としては、たとえば、弾性率が1MPa程度であるシリコーン系樹脂からなる熱硬化型の樹脂などを採用することができる。
また、上記発泡剤は、たとえば粉末状態として上記樹脂中に混合されて用いられるものであるが、その混合組成については、当業者であれば、発泡接着剤300の種類や弾性率などを考慮して、未発砲状態および加熱硬化による発砲後の弾性率を所望値とするように、決めることは容易である。
また、本実施形態においては、図1に示されるように、角速度検出素子100および回路基板200、さらにボンディングワイヤ80は、発泡接着剤300により包み込まれるように封止されている。
このように、本実施形態では、角速度検出素子100は、発泡接着剤300を介してパッケージ400に支持されているだけでなく、発泡接着剤300により包み込まれるように封止されている。
さらに、本実施形態においては、図1に示されるように、角速度検出素子100における振動体20の周囲には、発泡接着剤300と振動体20との間を遮断するためのカバー部材110が設けられている。
このカバー部材110は、セラミックや樹脂などからなる枠形状をなすものであり、角速度検出素子100または回路基板200に対して接着などの固定方法により取り付けられている。
そして、カバー部材110は、その内周に位置する角速度検出素子100と回路基板200との隙間を封止することで、カバー部材110の内周には、発泡接着剤300が侵入しないようになっている。
[製造方法等]
次に、本実施形態の角速度センサ装置S1の製造方法について、図3を参照して説明する。図3(a)、(b)、(c)は、本製造方法を上記図1に対応した断面にて示す工程図である。
次に、本実施形態の角速度センサ装置S1の製造方法について、図3を参照して説明する。図3(a)、(b)、(c)は、本製造方法を上記図1に対応した断面にて示す工程図である。
まず、図3(a)に示されるように、パッケージ400上に発泡接着剤300を配設する。また、角速度検出素子100を、振動体20を回路基板200に離間して対向させるとともにカバー部材110を設けた状態で回路基板200に積層し、角速度検出素子100と回路基板200とをバンプ70を介して接合する。
そして、この回路基板200とバンプ70を介して接合された角速度検出素子100を回路基板200を介して発泡接着剤300上に搭載する。そして、この発泡接着剤300が未発泡状態でワイヤボンディングを行い、回路基板200とパッケージ400とを結線する。
ここで、ワイヤボンディングの際には、未発砲状態にある発泡接着剤300は、ワイヤボンディングが可能な程度の高弾性を有しており、そのような発泡接着剤300に支持された回路基板300は、パッケージ400との間で適切にワイヤボンディングを行うことができる。
次に、図3(b)に示されるように、上記ワイヤボンディング工程を行った後、角速度検出素子100を包むように、さらに、新たな発泡接着剤300’を未発泡状態にて追加して配設する。この新たな発泡接着剤300’は、上記発泡接着剤300と同様のものにできる。
ここで、未発砲状態の発泡接着剤300に搭載され支持されている角速度検出素子100において、振動体20の周囲に上記カバー部材110を設けた状態としているため、新たに追加された発泡接着剤300’は、角速度検出素子100と回路基板200との隙間に流入することはない。そのため、振動体20に発泡接着剤300’が付着するなどの不具合はない。
しかる後、図3(c)に示されるように、発泡接着剤300および追加された発泡接着剤300’を加熱することにより発泡させ硬化させる。
それにより、発泡接着剤300、300’が発砲により膨張て硬化され、角速度検出素子100の全体を包み込む。この硬化された発泡接着剤300、300’が上記図1に示される発泡接着剤300として形成される
その後は、上記窒素ガスなどをパッケージ400の内部に封入した状態で、パッケージ400に対して蓋部410を取り付ける。こうして、上記図1に示される角速度センサ装置S1ができあがる。
その後は、上記窒素ガスなどをパッケージ400の内部に封入した状態で、パッケージ400に対して蓋部410を取り付ける。こうして、上記図1に示される角速度センサ装置S1ができあがる。
なお、かかる角速度センサ装置S1の基本的な検出動作は、図1、図2を参照して述べると、次の通りである。
回路基板200からバンプ70を介して駆動電極50に駆動信号(正弦波電圧等)を印加して、上記第1の振動部21の櫛歯部21aと駆動電極50との間に静電気力を発生させる。それにより、駆動梁部23の弾性力によって第1の振動部21がx方向へ駆動振動する。
この第1の振動部21の駆動振動のもと、z軸回りに角速度Ωが印加されると、第1の振動部21にはy方向にコリオリ力が印加され、振動体20全体が、検出梁40の弾性力によってy方向へ検出振動する。
すると、この検出振動によって、検出電極60と検出用櫛歯部22aの櫛歯間の容量が変化するため、この容量変化を検出することにより、角速度Ωの大きさを求めることができる。
具体的には、図2において、振動体20がy軸方向に沿って一方向へ変位したとき、図2における左右の検出電極60において、左側の検出電極60と右側の検出電極60とでは、容量変化は互いに逆になるようになっている。そのため、左右の検出電極60におけるそれぞれの容量変化を電圧に変換し、両電圧値を差動・増幅して出力することで、角速度が求められる。
[効果等]
ところで、上記したような角速度センサ装置S1の作動においては、上記図2において、外部からy軸方向に加速度が印加されると、振動体20はy軸方向に変位し、検出電極60により、角速度として検出されてしまう。よって外部からの振動に対しての防振性が必要である。
ところで、上記したような角速度センサ装置S1の作動においては、上記図2において、外部からy軸方向に加速度が印加されると、振動体20はy軸方向に変位し、検出電極60により、角速度として検出されてしまう。よって外部からの振動に対しての防振性が必要である。
また、熱応力による振動体20の変形、電磁波による信号処理回路の破壊、湿気による結露、振動体20と各電極間への異物混入による異常振動(振動の停止)などは、装置の故障もしくは検出精度の悪化をまねく要因となる。
そのような問題に対して、本実施形態によれば、振動体20を有する角速度検出素子100をパッケージ400に接着剤300を介して支持するように実装してなる角速度センサ装置において、接着剤300として、発泡接着剤300を用いていることを特徴とする角速度センサ装置S1が提供される。
上述したように、本実施形態に用いられる発泡接着剤300は、加熱硬化時に材料自体が発泡し、そのまま硬化する接着剤である。
このような発泡接着剤300を用いた本実施形態の角速度センサ装置S1によれば、発泡接着剤300の未発泡時に角速度検出素子100を実装することによって、発泡接着剤300の適度な高弾性を活かし、ワイヤボンディングなどを行うことができるため、角速度検出素子100を適切に実装することができる。
その後は、発泡接着剤300を加熱することで発泡させれば、発泡接着剤300の内部に気泡ができるため、発泡接着剤300を低弾性率化することができる。つまり、本実施形態によれば、角速度検出素子100の実装時よりも、実装後において発泡接着剤300を低弾性率化できるため、より低弾性な接着剤300を実現でき、防振性を向上させることができる。
さらに、この角速度検出素子100の実装後においては、発泡接着剤300が内部に気泡を有することで低熱伝導率化および低誘電率化された接着剤300を実現することができる。
したがって、本実施形態によれば、振動体20を有する角速度検出素子100をパッケージ400に接着剤300を介して支持するように実装してなる角速度センサ装置S1において、角速度検出素子100の実装性を確保するとともに、防振性、耐熱性および耐電磁性を確保することができる。
特に、本実施形態では、角速度検出素子100は、発泡接着剤300によりパッケージ400に支持されているだけでなく、発泡接着剤300により包み込まれるように封止されていることも特徴のひとつである。
それによれば、発泡接着剤300により角速度検出素子100を封止することにより、当該角速度検出素子100を物理的に外部から隔離することができるため、さらに、耐湿性および耐異物性を確保することができる。
さらに、本実施形態では、角速度検出素子100は、回路基板400上に搭載されており、回路基板400を介して発泡接着剤300に支持されていることも特徴のひとつである。
また、本実施形態の角速度センサ装置S1においては、角速度検出素子100は、振動体20を回路基板400に離間して対向させた状態で回路基板200に積層され、角速度検出素子100と回路基板200とはバンプ70を介して接合されていることも特徴のひとつである。
さらに、本実施形態の角速度センサ装置S1においては、角速度検出素子100とパッケージ400とは、ボンディングワイヤ80を介して電気的に接続されている。
それによれば、発泡接着剤300の未発泡時に角速度検出素子100を実装することによって、発泡接着剤300の適度な高弾性を活かし、ワイヤボンディングなどを行うことができるため、角速度検出素子100を適切に実装することができる。その後は、発泡接着剤300を加熱することで発泡させれば、発泡接着剤300を低弾性率化することができる。
また、本実施形態の角速度センサ装置S1によれば、角速度検出素子100における振動体20の周囲には、発泡接着剤300と振動体20との間を遮断するためのカバー部材110が設けられていることも特徴のひとつである。
それによれば、発泡接着剤300が、角速度検出素子100における振動体20の方へ流入し付着するなどの不具合を確実に防止することができ、センサ特性を確保できるため、好ましい。
また、本実施形態によれば、上記製造方法に示されるように、振動体20を有する角速度検出素子100をパッケージ400に接着剤300を介して支持するとともに、角速度検出素子100とパッケージ400とを、ボンディングワイヤ80を介して電気的に接続することにより角速度検出素子100を実装してなる角速度センサ装置の製造方法において、次に示されるような特徴点を有する製造方法が提供される。
すなわち、本製造方法によれば、接着剤300として発泡接着剤300を用い、パッケージ400上に発泡接着剤300を配設し、発泡接着剤300が未発泡の状態で発泡接着剤300の上に角速度検出素子100を搭載し、続いて、ワイヤボンディングを行うことにより、角速度検出素子100とパッケージ400との間を、ボンディングワイヤ80を介して電気的に接続し、しかる後、発泡接着剤300を加熱することにより発泡させ硬化させることを特徴としている。
それによれば、未発砲状態の発泡接着剤300の上に支持された角速度検出素子100に対して、当該発泡接着剤300の適度な高弾性を活かして、適切にワイヤボンディングを行うことができるため、角速度検出素子100の適切な実装が可能になる。
その後は、発泡接着剤300を加熱して発泡させることにより、発泡接着剤300の内部に気泡ができるため、発泡接着剤300を低弾性率化、低熱伝導率化および低誘電率化することができる。
このように、本実施形態の製造方法によれば、振動体20を有する角速度検出素子100をパッケージ400に接着剤300を介して支持するとともに、角速度検出素子100とパッケージ400との間がボンディングワイヤ80を介して電気的に接続された角速度センサ装置において、角速度検出素子100の実装性を確保するとともに、防振性、耐熱性および耐電磁性を確保することができる。
また、上記製造方法においては、ワイヤボンディング工程を行った後、角速度検出素子100を包むように、さらに発泡接着剤300’を未発泡状態にて追加して配設し、しかる後、発泡接着剤300および追加された発泡接着剤300’を加熱することにより発泡させ硬化させることも特徴のひとつである。
それによれば、角速度検出素子100が、発泡接着剤300によりパッケージ400に支持されているだけでなく、発泡接着剤300により包み込まれるように封止されている構成を適切に製造することができる。
さらに、上記製造方法においては、角速度検出素子100の搭載工程において、回路基板200を介して角速度検出素子100を発泡接着剤300上に搭載することも特徴のひとつである。
それによれば、角速度検出素子100が、回路基板400上に搭載されており、回路基板400を介して、発泡接着剤300に支持されている構成を適切に製造することができる。
また、上記製造方法においては、角速度検出素子100を、振動体20を回路基板200に離間して対向させた状態で回路基板200に積層し、角速度検出素子100と回路基板200とをバンプ70を介して接合することも特徴のひとつである。
それによれば、角速度検出素子100が、振動体20を回路基板400に離間して対向させた状態で回路基板200に積層され、角速度検出素子100と回路基板200とが構成を適切に製造することができる。
さらに、上記製造方法においては、角速度検出素子100の搭載工程において、角速度検出素子100における振動体20の周囲に、上記カバー部材110を設けた状態で、角速度検出素子100の搭載を行うことも特徴のひとつである。
角速度検出素子100における振動体20の周囲に、カバー部材110が設けられている構成を適切に製造することができる。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る角速度検出装置S2の全体概略断面構成を示す図である。上記実施形態との相違点を中心に述べることにする。
図4は、本発明の第2実施形態に係る角速度検出装置S2の全体概略断面構成を示す図である。上記実施形態との相違点を中心に述べることにする。
図4に示されるように、本実施形態の角速度センサ装置S2においては、角速度検出素子100は、回路基板400上に搭載されており、回路基板400を介して発泡接着剤300に支持されているが、さらに、本センサ装置S2においては、角速度検出素子100と回路基板200とは、バンプではなくボンディングワイヤ80を介して結線され、電気的に接続されている。
つまり、図4に示されるように、本角速度センサ装置S2においては、振動体20が回路基板200とは反対側を向いた状態で角速度検出素子100と回路基板200とが接着剤90を介して積層され、角速度検出素子100の上記パッドと回路基板200とが、ボンディングワイヤ80を介して接続されている。
なお、この角速度検出素子100と回路基板200とを接着する接着剤90としては、発泡接着剤300とは異なり、発泡剤を含まない通常の接着剤が用いられる。
また、本実施形態においては、発泡接着剤300と振動体20との間を遮断するためのカバー部材110は、角速度検出素子100の上面において振動体20を被覆するように設けられたキャップ状のものである。
そして、本実施形態の角速度センサ装置S2においても、角速度検出素子100および回路基板200、さらにボンディングワイヤ80は、発泡接着剤300により包み込まれるように封止されている。
このような角速度センサ装置S2は、たとえば、次のようにして製造される。パッケージ400上に発泡接着剤300を配設する。また、角速度検出素子100を、カバー部材110を設けた状態で接着剤90を介して回路基板200に積層する。
そして、この回路基板200と接合された角速度検出素子100を回路基板200を介して発泡接着剤300上に搭載する。
そして、この発泡接着剤300が未発泡状態で、ワイヤボンディングを行い、角速度検出素子100と回路基板200、および、回路基板200とパッケージ400とを結線する。なお、角速度検出素子100と回路基板200とは、パッケージ400への搭載の前にあらかじめワイヤボンディングによって接続していてもよい。
次に、ワイヤボンディング工程を行った後、上記実施形態と同様に、角速度検出素子100を包むように、さらに、新たな発泡接着剤300’を未発泡状態にて追加して配設し、しかる後、発泡接着剤300および追加された発泡接着剤300’を加熱することにより発泡させ硬化させる。
その後は、上記実施形態と同様に、窒素ガスなどをパッケージ400の内部に封入した状態で、パッケージ400に対して蓋部410を取り付ける。こうして、上記図4に示される角速度センサ装置S2ができあがる。
そして、このような本実施形態の角速度センサ装置S2によっても、接着剤300として、発泡接着剤300を用いていることにより、上記実施形態と同様に、角速度検出素子100の実装性を確保するとともに、防振性、耐熱性および耐電磁性を確保することができる。
また、本実施形態においても、上記実施形態と同様に、角速度検出素子100が発泡接着剤300により封止されていることによって耐湿性および耐異物性を確保できること、角速度検出素子100の実装において適切なワイヤボンディング実装を行えること、カバー部材110によって発泡接着剤300が振動体20に付着することを防止することなど、各種の効果を適切に発揮することができる。
また、本実施形態においても、上記実施形態と同様、発泡接着剤300が未発泡の状態で角速度検出素子100を搭載しワイヤボンディングを行った後、発泡接着剤300を加熱発泡硬化させるという特徴点を有する製造方法を提供することができる。
さらに、それ以外にも、角速度検出素子100を回路基板200に対してバンプ接合すること以外は、上記実施形態と同様に、角速度検出素子100を発泡接着剤300により封止すること、回路基板200を介して角速度検出素子100を発泡接着剤300上に搭載すること、カバー部材110を設けた状態で角速度検出素子100の搭載を行うことなどの特徴点を有する製造方法を提供することができる。
(第3実施形態)
図5は、本発明の第3実施形態に係る角速度検出装置S3の全体概略断面構成を示す図である。上記第1実施形態との相違点を中心に述べることにする。
図5は、本発明の第3実施形態に係る角速度検出装置S3の全体概略断面構成を示す図である。上記第1実施形態との相違点を中心に述べることにする。
図5に示されるように、本実施形態の角速度センサ装置S3においては、角速度検出素子100は、回路基板400上に搭載されており、回路基板400を介して発泡接着剤300に支持されているが、本角速度センサ装置S3においては、パッケージ400が蓋部にて封止されていないこと、それに伴ってパッケージ400内部が不活性ガスで封止されていないことが相違点である。
つまり、図5に示されるように、本角速度センサ装置S3においては、上記第1実施形態と同様に、角速度検出素子100および回路基板200、さらにボンディングワイヤ80は、発泡接着剤300により包み込まれるように封止されているため、さらに、蓋部を取り付けたり不活性ガスで封止することを省略したものである。
もちろん、上記実施形態のように、パッケージ400が蓋部にて封止されており、さらに、パッケージ400内部が不活性ガスで封止されていれば、より耐湿性や耐異物性に優れることは明らかである。
そして、このような本実施形態の角速度センサ装置S3によっても、接着剤300として、発泡接着剤300を用いていることにより、上記実施形態と同様に、角速度検出素子100の実装性を確保するとともに、防振性、耐熱性および耐電磁性を確保することができる。
また、本実施形態においても、上記実施形態と同様に、角速度検出素子100が発泡接着剤300により封止されていることによって耐湿性および耐異物性を確保できること、角速度検出素子100の実装において適切なワイヤボンディング実装を行えること、カバー部材110によって発泡接着剤300が振動体20に付着することを防止することなど、各種の効果を適切に発揮することができる。
また、本実施形態においても、上記実施形態と同様、発泡接着剤300が未発泡の状態で角速度検出素子100を搭載しワイヤボンディングを行った後、発泡接着剤300を加熱発泡硬化させるという特徴点を有する製造方法を提供することができる。
さらに、それ以外にも、角速度検出素子100を回路基板200に対してバンプ接合すること以外は、上記した第1実施形態と同様の特徴点を有する製造方法を提供することができる。
(第4実施形態)
図6は、本発明の第4実施形態に係る角速度検出装置S4の全体概略断面構成を示す図である。上記第1実施形態との相違点を中心に述べることにする。
図6は、本発明の第4実施形態に係る角速度検出装置S4の全体概略断面構成を示す図である。上記第1実施形態との相違点を中心に述べることにする。
図6に示されるように、本実施形態の角速度センサ装置S3においては、角速度検出素子100は、回路基板400上に搭載されており、回路基板400を介して発泡接着剤300に支持されているが、本角速度センサ装置S4においては、角速度検出素子100は発泡接着剤300によりパッケージ400に支持されているだけであり、発泡接着剤300により包み込まれるように封止されていないことが相違点である。
このような本実施形態の角速度センサ装置S4によっても、接着剤300として、発泡接着剤300を用いていることにより、上記実施形態の角速度センサ装置と同様に、角速度検出素子100の実装性を確保するとともに、防振性、耐熱性および耐電磁性を確保することができる。
しかし、本実施形態においては、角速度検出素子100は発泡接着剤300によりパッケージ400に支持されているだけであるため、発泡接着剤300によって耐湿性および耐異物性を確保することはできない。しかし、本実施形態では、パッケージ400の蓋部410により、その機能が果たされていれば、特に問題はない。
また、角速度検出素子100を発泡接着剤300により包み込むように封止しないため、本実施形態では、カバー部材110は省略してある。もちろん、本実施形態においてもカバー部材を設けてもかまわない。
また、本実施形態においても、上記実施形態と同様、発泡接着剤300が未発泡の状態で角速度検出素子100を搭載しワイヤボンディングを行った後、発泡接着剤300を加熱発泡硬化させるという特徴点を有する製造方法を提供することができる。
さらに、それ以外にも、ワイヤボンディング工程を行った後、角速度検出素子100を包むように、さらに発泡接着剤を未発泡状態にて追加して配設すること、および、角速度検出素子100の搭載工程において上記カバー部材110を設けること、以外は、上記した第1実施形態と同様の特徴点を有する製造方法を提供することができる。
(他の実施形態)
なお、上記した図2に示される角速度検出素子100の構成は、本発明に適用することのできる角速度検出素子の一実施形態を示したものであり、これに限定されるものではない。
なお、上記した図2に示される角速度検出素子100の構成は、本発明に適用することのできる角速度検出素子の一実施形態を示したものであり、これに限定されるものではない。
また、発泡接着剤300を加熱硬化させ発砲状態としたときに、角速度検出素子100の振動体20に発泡接着剤300が流入しないように、発泡接着剤300の配設が行えるならば、カバー部材110は無いものであってもよい。
要するに、本発明は、振動体を有する角速度検出素子をパッケージに接着剤を介して支持するように実装してなる角速度センサ装置において、接着剤として、発泡接着剤を用いたこと、および、その発泡接着剤を用いて上述したように、発泡接着剤が未発泡の状態で角速度検出素子を搭載しワイヤボンディングを行った後、発泡接着剤を加熱発泡硬化させる製造方法を採用したこと要部とするものであり、その他の部分については、適宜設計変更が可能である。
20…振動体、70…バンプ、80…ボンディングワイヤ、
100…角速度検出素子、110…カバー部材、
300、300’…発泡接着剤、400…パッケージ。
100…角速度検出素子、110…カバー部材、
300、300’…発泡接着剤、400…パッケージ。
Claims (11)
- 振動体(20)を有する角速度検出用の角速度検出素子(100)をパッケージ(400)に接着剤(300)を介して支持するように実装してなる角速度センサ装置において、
前記接着剤(300)として、発泡接着剤(300)を用いることを特徴とする角速度センサ装置。 - 前記角速度検出素子(100)は、前記発泡接着剤(300)により前記パッケージ(400)に支持されているだけでなく、前記発泡接着剤(300)により包み込まれるように封止されていることを特徴とする請求項1に記載の角速度センサ装置。
- 前記角速度検出素子(100)は、回路基板(400)上に搭載されており、
前記回路基板(400)を介して前記発泡接着剤(300)に支持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の角速度センサ装置。 - 前記角速度検出素子(100)は、前記振動体(20)を前記回路基板(400)に離間して対向させた状態で前記回路基板(200)に積層され、
前記角速度検出素子(100)と前記回路基板(200)とはバンプ(70)を介して接合されていることを特徴とする請求項3に記載の角速度センサ装置。 - 前記角速度検出素子(100)と前記パッケージ(400)とは、ボンディングワイヤ(80)を介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の角速度センサ装置。
- 前記角速度検出素子(100)における前記振動体(20)の周囲には、前記発泡接着剤(300)と前記振動体(20)との間を遮断するためのカバー部材(110)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の角速度センサ装置。
- 振動体(20)を有する角速度検出用の角速度検出素子(100)をパッケージ(400)に接着剤(300)を介して支持するとともに、
前記角速度検出素子(100)と前記パッケージ(400)とを、ボンディングワイヤ(80)を介して電気的に接続することにより前記角速度検出素子(100)を実装してなる角速度センサ装置の製造方法において、
前記接着剤(300)として、発泡接着剤(300)を用い、
前記パッケージ(400)上に前記発泡接着剤(300)を配設し、
前記発泡接着剤(300)が未発泡の状態で前記発泡接着剤(300)の上に前記角速度検出素子(100)を搭載し、
続いて、ワイヤボンディングを行うことにより、前記角速度検出素子(100)と前記パッケージ(400)との間を、前記ボンディングワイヤ(80)を介して電気的に接続し、
しかる後、前記発泡接着剤(300)を加熱することにより発泡させ硬化させることを特徴とする角速度センサ装置の製造方法。 - 前記ワイヤボンディング工程を行った後、
前記角速度検出素子(100)を包むように、さらに前記発泡接着剤(300’)を未発泡状態にて追加して配設し、
しかる後、前記発泡接着剤(300)および前記追加された前記発泡接着剤(300’)を加熱することにより発泡させ硬化させることを特徴とする請求項7に記載の角速度センサ装置の製造方法。 - 前記角速度検出素子(100)の搭載工程において、回路基板(200)を介して前記角速度検出素子(100)を前記発泡接着剤(300)上に搭載することを特徴とする請求項7または8に記載の角速度センサ装置の製造方法。
- 前記角速度検出素子(100)を、前記振動体(20)を前記回路基板(200)に離間して対向させた状態で前記回路基板(200)に積層し、
前記角速度検出素子(100)と前記回路基板(200)とをバンプ(70)を介して接合することを特徴とする請求項9に記載の角速度センサ装置の製造方法。 - 前記角速度検出素子(100)の搭載工程において、前記角速度検出素子(100)における前記振動体(20)の周囲に、前記発泡接着剤(300、300’)と前記振動体(20)との間を遮断するためのカバー部材(110)を設けた状態で、前記角速度検出素子(100)の搭載を行うことを特徴とする請求項7ないし10のいずれか1つに記載の角速度センサ装置の製造方法。
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