JP2006153095A - ころ軸受 - Google Patents

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    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
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    • F16C19/22Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings
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Abstract

【課題】高温環境下やグリース中に水が混入するような環境下で使用されても、耐焼付き性及び耐摩耗性に優れ長寿命なころ軸受を提供する。
【解決手段】円すいころ軸受は、内輪1と、外輪2と、内輪1と外輪2との間に転動自在に配された複数のころ3と、内輪1と外輪2との間に複数のころ3を保持する保持器4と、を備えている。また、内輪1と外輪2との間に形成されころ3が内設された空隙部内には、潤滑剤6が配されている。この潤滑剤6は、基油と、増ちょう剤と、一次粒径が10nm以上80nm以下の無機化合物の微粒子と、を含有するグリース組成物である。
【選択図】 図1

Description

本発明はころ軸受に関する。
円すいころ軸受,円筒ころ軸受,ニードル軸受等のように高荷重下で使用されるころ軸受においては、内外輪に設けられたつばところの端面とが滑り接触をしている。この滑り接触面にはスキュー等の軸受挙動により局所的に大きな面圧が加わることから、異常な温度上昇が起こり焼付きを生じることがある。よって、焼付きを抑制するために、ころ軸受には、耐荷重性能及び極圧性能に優れたグリースが用いられる。
耐荷重性能や極圧性能をグリースに付与する方法としては、極圧剤の添加が一般的であり、例えば、ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC),ジアルキルジチオリン酸モリブデン(MoDTP)等のモリブデン化合物や、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)等の亜鉛化合物や、アンチモン化合物が、極圧剤として使用される。また、イオウ系,リン系,イオウ−リン系等の有機化合物や、二硫化モリブデン等の極圧性に優れた固体潤滑剤も、極圧剤として使用される。
そして、これらの中でも有機系の極圧剤は、優れた極圧性能を示すことから近年主流となっている。例えば、特許文献1〜3には、MoDTC,MoDTP,ZnDTP等の極圧剤が特に有効である旨が記載されている。また、無灰ジアルキルジチオカルバミン酸も有効であることが知られている。一方、特許文献4には、平均粒径が0.1〜2μmの無機化合物の微粒子の添加が、特に有効である旨が記載されている。
特公平4−34590号公報 特公平3−78920号公報 特開昭60−47099号公報 特開平11−217582号公報
ころ軸受には、第一に耐焼付き性が求められる。そして、例えば圧延機ロールネック用円すいころ軸受は、高温環境下やグリース中に水が混入するような環境下で使用されるため、そのグリースには高温下及び水分存在下における安定性が求められる。
しかしながら、前述の有機系の極圧剤を含有するグリースは、水分存在下において安定した極圧性能や耐荷重性能を発現せず、ころ軸受が早期に焼付きに至る場合があった。また、平均粒径が0.1〜2μmの無機化合物の微粒子を含有するグリースは、耐摩耗性が十分ではないため、ころ軸受に摩耗が発生する場合があった。最近では、荷重条件や回転速度がより厳しくなってきているので、グリースの耐焼付き性のさらなる向上が望まれていた。
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、高温環境下やグリース中に水が混入するような環境下で使用されても、耐焼付き性及び耐摩耗性に優れ長寿命なころ軸受を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1のころ軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配された複数のころと、前記内輪と前記外輪との間に形成される空隙部内に配された潤滑剤と、を備えるころ軸受において、前記潤滑剤は、一次粒径が10nm以上80nm以下の無機化合物の微粒子を含有することを特徴とする。
無機化合物の微粒子は、内外輪に設けられたつばところの端面との間(滑り接触面間)に入り込むため、滑り接触面の直接接触が抑制される。よって、摩耗や焼付きが滑り接触面に生じることが抑制される。
無機化合物の微粒子の一次粒径が80nm超過であると、滑り接触面間に入り込みにくくなる場合がある。また、10nm未満であると、微粒子の凝集性が強くなるため、大きな二次凝集体が生成して、滑り接触面間に入り込みにくくなる場合がある。このような問題がより生じにくくするためには、無機化合物の微粒子の一次粒径は10nm以上50nm以下であることがより好ましい。
また、本発明に係る請求項2のころ軸受は、請求項1に記載のころ軸受において、前記無機化合物の微粒子は疎水化処理が施されていることを特徴とする。
一次粒径が80nm以下である無機化合物の微粒子は、比表面積が大きく活性が高いため、強い凝集性を有している。よって、グリース,潤滑油等の潤滑剤中において安定的に存在することが難しく、二次凝集体を生成しやすい。大きな二次凝集体が生成すると、滑り接触面間に入り込みにくくなるので、無機化合物の微粒子に疎水化処理を施して潤滑剤(基油)との親和性を高め、凝集しにくくすることが好ましい。疎水化処理が施された無機化合物の微粒子は凝集しにくく、潤滑剤中に安定的に分散するので、滑り接触面間に十分に入り込んで、滑り接触面の直接接触を抑制し、ころ軸受に摩耗,焼付きが発生することを十分に抑制する。
さらに、本発明に係る請求項3のころ軸受は、請求項1又は請求項2に記載のころ軸受において、前記潤滑剤は、基油と増ちょう剤とを含有するグリース組成物であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項4のころ軸受は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のころ軸受において、前記無機化合物が金属酸化物であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項5のころ軸受は、請求項4に記載のころ軸受において、前記金属酸化物がシリカであることを特徴とする。
金属酸化物、特にシリカは、疎水化処理の効果が大きく、疎水化処理により潤滑剤中に極めて安定的に分散するようになるので、ころ軸受に摩耗,焼付きが発生することを十分に抑制する。
本発明のころ軸受は、耐焼付き性及び耐摩耗性に優れ長寿命である。
本発明に係るころ軸受の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係るころ軸受の一実施形態である円すいころ軸受の構造を示す部分縦断面図である。この円すいころ軸受は、内輪1と、外輪2と、内輪1と外輪2との間に転動自在に配された複数のころ3と、内輪1と外輪2との間に複数のころ3を保持する保持器4と、を備えている。なお、保持器4は備えていなくてもよい。
内輪1と外輪2との間に形成されころ3が内設された空隙部内には、潤滑剤6が配されている。この潤滑剤6は、基油と増ちょう剤とを含有するグリース組成物でもよいし、潤滑油でもよいが、一次粒径が10nm以上80nm以下の無機化合物の微粒子を含有している。無機化合物は金属酸化物であることが好ましく、シリカであることが特に好ましい。また、この無機化合物の微粒子は、疎水化処理が施されていることが好ましい。
無機化合物の微粒子は、内輪1に設けられたつば8ところ3の端面3aとの間(滑り接触面間)に入り込むため、滑り接触面の直接接触が抑制される。よって、円すいころ軸受の滑り接触面に摩耗や焼付きが生じることが抑制される。
潤滑剤6について、さらに詳細に説明する。
〔無機化合物の微粒子について〕
無機化合物の種類は特に限定されるものではないが、金属酸化物,金属窒化物,金属炭化物,及び炭素化合物が好ましい。これら無機化合物の金属成分としては、ケイ素,アルミニウム,マグネシウム,チタン,亜鉛,ジルコニウム,セリウム,クロム,タングステン,ホウ素等があげられる。また、炭素化合物としては、ダイヤモンド,グラファイト,アモルファスカーボン等があげられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、潤滑剤中の無機化合物の微粒子の含有量は、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましい。0.01質量%未満であると、無機化合物の微粒子の量が不十分であるため、十分な耐焼付き性及び耐摩耗性が得られにくい。一方、10質量%超過であると、無機化合物の微粒子の二次凝集体が生成しやすいため、無機化合物の微粒子が滑り接触面間に入り込みにくくなって、十分な耐焼付き性及び耐摩耗性が得られにくい。このような問題がより生じにくくするためには、無機化合物の微粒子の含有量は0.1質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
〔疎水化処理について〕
無機化合物の微粒子の疎水化処理に用いる疎水化剤の種類は特に限定されるものではないが、無機化合物の微粒子の表面に化学吸着又は物理吸着することにより、無機化合物の微粒子に疎水性を付与して凝集を抑制するものが好ましい。特に、シランカップリング剤、シラン化合物(クロロシラン,アルコキシシラン,シラザン等)、シリコーン油類(変性シリコーン油,ジメチルポリシロキサン,メチル水素ポリシロキサン等)、高級脂肪酸、高級脂肪酸塩類(ロウ,高級脂肪酸グリセリル,高級脂肪酸多価金属塩等)、高級脂肪族炭化水素基を有するスルホン酸の多価金属塩、高級アルコール又はそれらの誘導体のうちの少なくとも1種の化合物が好適である。
〔潤滑剤の基油について〕
基油の種類は、グリース組成物や潤滑油の基油として一般的に使用されるものであれば、特に限定されるものではなく、鉱油,合成油等を問題なく使用することができる。鉱油としては、例えばパラフィン系鉱油やナフテン系鉱油があげられる。また、合成油としては、例えば合成炭化水素油,エステル油,エーテル油,シリコーン油があげられる。これらの基油は、単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
なお、低温流動性不足による低温起動時のトルクの増大や、高温で油膜が形成されにくくなることによる焼付きを抑制するためには、40℃における動粘度が10mm2 /s以上400mm2 /s以下である基油が好ましく、10mm2 /s以上250mm2 /s以下である基油がより好ましい。また、ころ軸受の潤滑寿命を向上させるためには、基油全体のうちの10質量%以上をエステル油(特にポリオールエステル油)とすることが好ましい。
〔潤滑剤の増ちょう剤について〕
潤滑剤をグリース組成物とする場合には増ちょう剤を含有させる必要があるが、増ちょう剤の種類は、グリース組成物の増ちょう剤として一般的に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、金属石けん,金属複合石けん,ウレア化合物等を問題なく使用することができる。金属石けん,金属複合石けんの金属成分としては、例えばリチウム,ナトリウム,バリウム,カルシウム,アルミニウムがあげられる。また、ウレア化合物としては、例えばジウレア,トリウレア,テトラウレア,ポリウレアがあげられる。さらに、ベントナイト等の無機系化合物や、ウレタン化合物、ウレア・ウレタン化合物、ナトリウムテレフタラメート化合物等も使用可能である。これらの増ちょう剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
グリース組成物中の増ちょう剤の含有量は、適度な混和ちょう度となる量であれば特に限定されるものではないが、通常は、グリース組成物全体の20質量%以下とすることが好ましい。20質量%超過であると、基油の量が相対的に少なくなるため、潤滑性が不十分となるおそれがある。
〔潤滑剤の添加剤について〕
潤滑剤には、各種性能をさらに向上させるために、潤滑剤に一般的に使用される各種添加剤を必要に応じて混合してもよい。例えば、酸化防止剤,防錆剤,極圧剤,油性剤,金属不活性化剤,粘度指数向上剤があげられ、これらの添加剤は単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
酸化防止剤としては、ゴム,プラスチック,潤滑油等に一般的に使用される老化防止剤,オゾン劣化防止剤,酸化防止剤を問題なく使用することができる。例えば、フェニル−1−ナフチルアミン、フェニル−2−ナフチルアミン、ジフェニル−p−フェニレンジアミン、ジピリジルアミン、フェノチアジン、N−メチルフェノチアジン、N−エチルフェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン等のアミン系酸化防止剤や、2,6−ジ−tert−ジブチルフェノール等のフェノール系酸化防止剤である。
また、防錆剤としては、スルホン酸アンモニウム塩,スルホン酸金属塩(金属はアルカリ金属,アルカリ土類金属(カルシウム,マグネシウム,バリウム等),亜鉛等),カルボン酸塩,フェネート,ホスホネート等があげられる。また、アルキルコハク酸エステル,アルケニルコハク酸エステル等のようなアルキルコハク酸誘導体,アルケニルコハク酸誘導体も、防錆剤として好ましく使用できる。さらに、ソルビタンモノオレエート等の多価アルコールの部分エステル、オレオイルザルコシン等のヒドロキシ脂肪酸類、1−メルカプトステアリン酸等のメルカプト脂肪酸類及びその金属塩、ステアリン酸等の高級脂肪酸類、イソステアリルアルコール等の高級アルコール類、高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル、チアジアゾール類(2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプトチアジアゾール等)、イミダゾール系化合物(2−デシルジチオベンゾイミダゾール、ベンズイミダゾール等)、ジスルフィド系化合物(2,5−ビス(ドデシルジチオ)ベンズイミダゾール等)、リン酸エステル類(トリスノニルフェニルフォスファイト等)、チオカルボン酸エステル系化合物(ジラウリルチオプロピオネート等)、亜硝酸塩も使用可能である。
さらに、金属不活性化剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール,トリルトリアゾール等のトリアゾール系化合物があげられる。
さらに、油性剤としては、例えば、オレイン酸,ステアリン酸等の脂肪酸、オレイルアルコール等の脂肪族アルコール、ポリオキシエチレンステアリン酸エステル,ポリグリセリルオレイン酸エステル等の脂肪酸エステルを使用することができる。また、リン酸、トリクレジルホスフェート、ラウリル酸エステル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸等のリン酸エステルなどを使用することができる。
さらに、無機化合物の微粒子は極圧剤として作用するが、必要に応じて、従来から使用されている極圧剤を添加してもよい。例えば、塩素系極圧剤,イオウ系極圧剤,リン系極圧剤,ジチオリン酸亜鉛,有機モリブデン等である。
さらに、粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメタクリレート,ポリイソブチレン,ポリスチレン等を使用することができる。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においてはころ軸受の例として円すいころ軸受をあげて説明したが、本発明は、他の種類の様々なころ軸受に対して適用することができる。例えば、円筒ころ軸受,針状ころ軸受,自動調心ころ軸受等である。
〔実施例〕
以下に、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
40℃における動粘度が200mm2 /sである合成炭化水素油を基油とし、ウレア化合物を増ちょう剤とし、疎水化処理を施した一次粒径が10nm以上80nm以下のシリカを含有するグリース組成物を調整した。このグリース組成物は、基油,増ちょう剤,及びシリカを混合してロールミルを通すことにより製造した。
このグリース組成物を呼び番号30205の円すいころ軸受に封入して、下記のような条件で回転させ(内輪回転)、高温高速高荷重耐久試験を行った。
外輪温度 :150℃
回転速度 :8000min-1
ラジアル荷重 :980N
アキシアル荷重:980N
そして、外輪温度が155℃に上昇するか、あるいは、軸受トルクが増大してモータ過電流になった場合に、焼付きが生じて寿命に至ったと判断し、その時点までの回転時間を焼付き寿命とした。また、試験終了後に軌道面上のグリース組成物を採取し、原子吸光法により鉄粉の含有量を測定した。そして、鉄粉の含有量により、円すいころ軸受の摩耗量を評価した。
シリカの一次粒径を種々変更して試験を行ったところ、図2のグラフに示すように、シリカの一次粒径が10nm以上80nm以下の場合は、円すいころ軸受の焼付き寿命が優れ、且つ、摩耗量が少なかった。なお、図2のグラフの焼付き寿命及び摩耗量は、シリカを含有していないグリース組成物を封入した円すいころ軸受の焼付き寿命及び摩耗量を1とした場合の相対値で示してある。シリカを含有していないグリース組成物の場合の試験結果は、シリカの一次粒径が0nmの位置にプロットした。
次に、40℃における動粘度が173mm2 /sである鉱油を基油とし、リチウム石けんを増ちょう剤とし、疎水化処理を施した一次粒径が30nmの酸化チタンを含有するグリース組成物を調整した。このグリース組成物は、基油,増ちょう剤,及び酸化チタンを混合してロールミルを通すことにより製造した。
このグリース組成物を呼び番号32017の円すいころ軸受に封入して、円すいころ軸受内のグリース組成物に水を注入しながら、下記のような条件で回転させ(内輪回転)、注水焼付き試験を行った。そして、焼付きに至るまでの回転時間を注水焼付き寿命とした。
回転速度:1000min-1
注水量 :0.3ml/h
酸化チタンの含有量を種々変更して試験を行ったところ、図3のグラフに示すように、グリース組成物全体に対する酸化チタンの含有量が0.01質量%以上10質量%以下の場合は、円すいころ軸受の注水焼付き寿命が優れていた。なお、図3のグラフの注水焼付き寿命は、酸化チタンを含有していないグリース組成物を封入した円すいころ軸受の注水焼付き寿命を1とした場合の相対値で示してある。
本発明のころ軸受は、製紙機械,変速機等の機械部品、モータ等の電機部品、圧延機,連続鋳造用の鉄鋼用部品、自動車部品に好適である。
本発明に係るころ軸受の一実施形態である円すいころ軸受の構造を示す部分縦断面図である。 シリカの一次粒径と円すいころ軸受の焼付き寿命及び摩耗量との相関を示すグラフである。 シリカの含有量と円すいころ軸受の注水焼付き寿命との相関を示すグラフである。
符号の説明
1 内輪
2 外輪
3 ころ
6 潤滑剤
8 つば

Claims (5)

  1. 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配された複数のころと、前記内輪と前記外輪との間に形成される空隙部内に配された潤滑剤と、を備えるころ軸受において、前記潤滑剤は、一次粒径が10nm以上80nm以下の無機化合物の微粒子を含有することを特徴とするころ軸受。
  2. 前記無機化合物の微粒子は疎水化処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載のころ軸受。
  3. 前記潤滑剤は、基油と増ちょう剤とを含有するグリース組成物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のころ軸受。
  4. 前記無機化合物が金属酸化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のころ軸受。
  5. 前記金属酸化物がシリカであることを特徴とする請求項4に記載のころ軸受。
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Effective date: 20091110