JP2004108567A - 転がり軸受及び直動装置、並びにそれらに用いられるグリース組成物 - Google Patents

転がり軸受及び直動装置、並びにそれらに用いられるグリース組成物 Download PDF

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倉石 淳
Atsushi Yokouchi
横内 敦
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Abstract

【課題】摩擦摩耗特性に優れ、低トルク化を実現可能な転がり軸受及び直動装置、並びにそれらに用いられるグリース組成物を提供する。
【解決手段】内輪1と、外輪2と、転動体3と、保持器4と、グリース組成物封入部材5とを具備した転がり軸受10において、内輪1及び外輪2の間に形成され転動体3が内設された空隙部内に、エステル油からなる基油と、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム及び炭素数6〜12の脂肪酸リチウムをモル比で30:70〜70:30の範囲で配合してなる増ちょう剤と、から構成され、その全量に対して、それぞれ0.05〜5質量%の範囲の酸化防止剤及び防錆剤を添加されたグリース組成物Gを封入する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、HDDスピンドル、エアコンファンなど各種電動機用モータで適用される転がり軸受や、小ストロークの揺動動作を行う工作機械に適用される直動装置、及びそれらに用いられるグリース組成物に関し、特に、さらなる低トルク化を実現するために有効な技術に関する。
【0002】
【従来技術】
近年、環境規制が厳しくなるにつれ、上述のような各種電動機用モータや工作機械などには、その発熱を抑制するために、小型化・低出力化を実現することが切望されている。
このため、これらの用途に使用される転がり軸受や直動装置などの転動装置には、低トルク化を実現することが要求されている。一般に、転動装置の動摩擦トルクは、転がり接触面内の転がりや、滑りによる剪断、或いは転がり接触部(例えば、転がり軸受の転動体と保持器間など)における剪断が、転動装置の内方部材及び外方部材の間に形成され転動体が内設された空隙部内に封入されたグリース組成物に作用することで発生する。
【0003】
よって、転動装置における低トルク化を実現するための手段として、グリース組成物を構成する基油の動粘度を抑制し、グリース組成物のちょう度を低めに設定することが行われている。具体的には、例えば、基油粘度が100mm2 /s以下とし、混和ちょう度が280未満のグリース組成物、さらに好ましくは、基油粘度が55mm2 /s以下とし、混和ちょう度が250を超えないグリース組成物が好適に用いられている。
【0004】
このようなグリース組成物としては、初期音響特性を考慮し、リチウム石けんグリースが広く用いられている。このリチウム石けんグリースは、耐熱性及び潤滑特性に優れたエステル油からなる基油と、剪断安定性に優れたリチウム石けんからなる増ちょう剤と、から構成されている。また、このようなグリース組成物は、内輪及び外輪で形成され転動体が内設された空隙部内に、ミニアチュア軸受で10〜16体積%、並径軸受で20〜40体積%の範囲で封入されるようになっている。
【0005】
しかしながら、低トルク化を実現するためにグリース組成物の基油粘度を低くすると、転がり接触面の油膜厚さが薄くなり潤滑性能に問題が生じてしまうとともに、耐熱性が低くなり耐久性に問題が生じてしまうおそれがあった。
最近、12−ヒドロキシステア酸リチウム(以下、12OHLiStと称す)と脂肪酸リチウムとを混成した混成リチウム石けんグリースが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
ここで、この混成リチウム石けんグリースのうち、脂肪酸リチウムの炭素数を6〜12の範囲とすることで、緻密で強固な石けん繊維構造を形成し、特に、脂肪酸リチウムの炭素数を10以下とすることで、ASTM D1831に準拠したシェルロール試験機による剪断安定試験において優れた特性を有することが開示されている。この混成リチウム石けんグリースによれば、上述したリチウム石けんグリースよりも、高温において長寿命化を実現することが可能となった。
【0007】
【非特許文献1】
木村浩、柴山淳、山本雄二著、「混成リチウム石けんグリースに関する研究」、トライボロジスト、2001年、46巻、8号、p647
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の混成リチウム石けんグリースにおいては、石けん繊維の付着性に乏しく、摩擦中に摩擦面外に排出されてしまうため、耐摩耗性が必ずしも良好でなはかったと報告されている(「トライボロジー会議予稿集2001秋
宇都宮」参照)。
【0009】
また、この混成リチウム石けんグリースの軸受トルク特性に対する評価については示唆されていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、摩擦摩耗特性に優れ、低トルク化を実現可能な転がり軸受及び直動装置、並びにそれらに用いられるグリース組成物を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、上述の混成リチウム石けんグリースに添加する添加剤やその含有量と、この混成リチウム石けんグリースを封入する転動装置の構成とを検討することで、摩擦摩耗特性を改善し、低トルク化及び長寿命化を実現可能であることを見いだし、本発明をなすに至った。
【0011】
すなわち、本発明に係る請求項1に記載の転がり軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配設される転動体と、当該転動体を転動自在の保持する保持器と、前記内輪及び前記外輪の間に形成され前記転動体が内設された空隙部内にグリース組成物を封入するためのグリース組成物封入部材と、を備えた転がり軸受において、前記グリース組成物は、エステル油からなる基油と、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム及び炭素数6〜12の脂肪酸リチウムをモル比で30:70〜70:30の範囲で配合してなる増ちょう剤と、から構成されているとともに、前記グリース組成物の全量に対して、それぞれ0.05〜5質量%の範囲の酸化防止剤及び防錆剤を含有していることを特徴としている。
【0012】
また、本発明に係る請求項2に記載の転がり軸受は、請求項1に記載の転がり軸受において、前記グリース組成物は、当該グリース組成物の全量に対して0.05〜7質量%の範囲で油性剤を含有していることを特徴としている。
さらに、本発明に係る請求項3に記載の転がり軸受は、請求項2に記載の転がり軸受において、前記グリース組成物は、前記空隙部内に、その空隙部の全容積に対して10〜40体積%の範囲で封入されていることを特徴としている。
【0013】
さらに、本発明に係る請求項4に記載の転がり軸受は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の転がり軸受において、前記グリース組成物は、温度100℃、回転速度165min−1、回転時間3〜24時間の条件下でASTM D1831に準拠した剪断安定性試験を行った後の混和ちょう度変化量が、80未満となっていることを特徴としている。
【0014】
さらに、本発明に係る請求項5に記載の転がり軸受は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の転がり軸受において、前記内輪の内径が8〜30mmであるとともに、油膜パラメータΛ値が0.5〜6.2である潤滑条件下で使用されることを特徴としている。
さらに、本発明に係る請求項6に記載の直動装置は、内方部材、外方部材、及び前記内方部材及び前記外方部材の間に転動自在に配設される転動体と、当該転動体を転動自在の保持する保持ピースと、前記内方部材及び前記外方部材の間に形成され前記転動体が内設された空隙部内にグリース組成物を封入するためのグリース組成物封入部材と、を備えた直動装置において、前記グリース組成物は、エステル油からなる基油と、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム及び炭素数6〜12の脂肪酸リチウムをモル比で30:70〜70:30の範囲で配合してなる増ちょう剤と、から構成されているとともに、前記グリース組成物の全量に対して、それぞれ0.05〜5質量%の範囲の酸化防止剤及び防錆剤を含有していることを特徴としている。
【0015】
さらに、本発明に係る請求項7に記載の直動装置は、請求項6に記載の直動装置において、前記グリース組成物は、当該グリース組成物の全量に対して0.05〜7質量%の範囲で油性剤を含有していることを特徴としている。
さらに、本発明に係る請求項8に記載の直動装置は、請求項6又は7に記載の直動装置において、前記グリース組成物は、前記空隙部内に、その空隙部の全容積に対して10〜40体積%の範囲で封入されていることを特徴としている。
【0016】
さらに、本発明に係る請求項9に記載の直動装置は、請求項6乃至8のいずれか一項に記載の直動装置において、前記グリース組成物は、温度100℃、回転速度165min−1、回転時間3〜24時間の条件下でASTM D1831に準拠した剪断安定性試験を行った後の混和ちょう度変化量が、80未満となっていることを特徴としている。
【0017】
さらに、本発明に係る請求項10に記載のグリース組成物は、エステル油からなる基油と、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム及び炭素数6〜12の脂肪酸リチウムをモル比で30:70〜70:30の範囲で配合してなる増ちょう剤と、から構成されているとともに、その全量に対して、そろぞれ0.05〜5質量%の範囲で酸化防止剤及び防錆剤が含有されていることを特徴としている。
【0018】
さらに、請求項11に記載のグリース組成物は、請求項10に記載のグリース組成物において、全量に対して、0.05〜7質量%の範囲で油性剤が含有されていることを特徴としている。
さらに、請求項12に記載のグリース組成物は、請求項10又は請求項11に記載のグリース組成物において、温度100℃、回転速度165min−1、回転時間6〜24時間の条件下で剪断安定性試験を行った後の混和ちょう度変化量が、80未満となっていることを特徴としている。
【0019】
なお、本発明におけるグリース組成物封入部材とは、転がり軸受或いは直動装置の両側面或いは片側面に付設し、内輪及び外輪の間、或いは内方部材及び外方部材の間に形成され転動体が内設された空隙部内からのグリース組成物の漏出を防止するためのシールやシールドなどの部材を指す。
また、本発明の直動装置とは、外方部材と、内方部材と、この外方部材及び内方部材の間に転動自在に配設された転動体を含んで構成された装置を指し、例えば、リニアガイドやボールねじ等が挙げられる。ここで、転動装置がリニアガイドの場合、外方部材はスライダを、内方部材は案内レールをそれぞれ指す。さらに、転動装置がボールねじの場合、外方部材はナットを、内方部材はねじ軸をそれぞれ指す。
【0020】
ここで、本発明に係る請求項1に記載の転がり軸受によれば、内輪と外輪との間に形成され転動体が内設された空隙部内に封入するグリース組成物を、エステル油からなる基油と、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム及び炭素数6〜12の脂肪酸リチウムをモル比で30:70〜70:30の範囲で配合してなる増ちょう剤と、から構成したことによって、緻密で強固な石けん繊維構造を形成するため、転動体及び保持器間、或いは転動体及びグリース組成物封入部材間に存在するグリース組成物の石けん繊維構造破壊を抑制することができる。このため、グリース組成物の石けん繊維構造破壊による流動性に起因する粘性抵抗が抑制され、転がり軸受の低トルク化を実現することが可能となる。
【0021】
このとき、このグリース組成物は、グリース組成物封入部材が具備された転がり軸受に封入されているため、摩擦中に摩擦面外に排出されたとしても、グリース組成物は外部に漏出せず、空隙部内を潤滑して再度転動体と軌道面との接触部を潤滑するようになる。よって、良好な摩擦摩耗特性を得ることができ、転がり軸受の長寿命化を実現することが可能となる。
【0022】
また、グリース組成物の全量に対して、それぞれ0.05〜5質量%の範囲の酸化防止剤及び防錆剤を含有していることによって、グリース組成物の酸化による劣化や、水分による転がり軸受表面の錆発生が抑制されるため、さらなる長寿命化を実現することが可能となる。
本発明に係る請求項2に記載の転がり軸受によれば、グリース組成物が、その全量に対して0.05〜7質量%の範囲で油性剤を含有していることによって、この油性剤が内輪及び外輪の軌道面と転動体との接触面を覆うため、さらに良好な摩擦摩耗特性を得ることができ、転がり軸受の長寿命化を実現することが可能となる。
【0023】
本発明に係る請求項3に記載の転がり軸受によれば、グリース組成物を、空隙部内に、その空隙部の全容積に対して10〜40体積%の範囲で封入したことによって、摩擦中に摩擦面外に排出されたグリース組成物の空隙部内での循環性を良好にするため、さらに良好な摩擦摩耗特性を得ることができ、転がり軸受の長寿命化を実現することが可能となる。
【0024】
本発明に係る請求項4に記載の転がり軸受によれば、グリース組成物は、温度100℃、回転速度165min−1、回転時間3〜24時間の条件下でASTMD1831に準拠した剪断安定性試験を行った後の混和ちょう度変化量が80未満となっていることによって、グリース組成物の軟化を抑制することができるため、粘性抵抗が小さく軸受トルク上昇を抑制可能となる。また、グリース組成物の軟化を抑制することができるため、グリース組成物封入部材からの漏れに対する懸念が少なくなるため、転がり軸受における設計の自由度を向上させることが可能となる。
【0025】
本発明に係る請求項5に記載の転がり軸受によれば、内輪の内径が8〜30mmであるとともに、油膜パラメータΛ値が0.5〜6.2である潤滑条件下で使用するようにしたことによって、軸受トルクが重要視される例えばHDD、エアコンファン、或いはその他汎用のモータ用転がり軸受として好適に用いることが可能となる。
【0026】
本発明に係る請求項6乃至9のいずれか一項に記載の直動装置によれば、内方部材と外方部材との間に形成され転動体が内設された空隙部内に封入するグリース組成物を、エステル油からなる基油と、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム及び炭素数6〜12の脂肪酸リチウムをモル比で30:70〜70:30の範囲で配合してなる増ちょう剤と、から構成したことによって、上述した本発明の転がり軸受と同様の効果を得ることが可能となる。
【0027】
本発明に係る請求項10乃至請求項12に記載のグリース組成物によれば、本発明の転がり軸受及び直動装置を容易に実現することが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<第一実施形態>
図1は、本発明の転がり軸受の一例として、深溝玉軸受の一構成例を示す断面図である。
【0029】
本実施形態における深溝玉軸受(転がり軸受)10は、図1に示すように、内輪1と、外輪2と、内輪1及び外輪2の間に転動自在に配設される転動体3と、この転動体3を転動自在に保持する保持器4と、この内輪1及び外輪2との間に形成され転動体3が内設された空隙部内にグリース組成物Gを封入するためのグリース組成物封入部材5と、から構成されている。そして、このグリース組成物Gは、空隙部全容積に対して、10〜40体積%の範囲で空隙部内に封入されている。
【0030】
内輪1、外輪2、及び転動体3は、例えば、公知の形成材料から構成され、 特に限定されるものではないが、例えば、軸受鋼(SUJ2)、 ステンレス鋼(SUS440C、SUS630)などの金属鋼材や、肌焼鋼(SCr420)などの軸受用鋼材や、窒化ケイ素(Si3 4 )、炭化ケイ素(SiC)、サイアロン(Sialon)、部分安定化ジルコニア(ZrO2 )、アルミナ(Al2 3 ) などのセラミックス材料が挙げられ、これらを単独或いは組み合わせて用いることができる。
【0031】
保持器4は、特に限定されないが、例えば、プラスチックや金属材料などから構成されている。
グリース組成物封入部材5は、特に限定されないが、例えば、合成ゴムを接着させた薄鋼板などからなるシールや薄鋼板などからなるシールドなどが挙げられる。
【0032】
グリース組成物Gは、エステル油からなる基油と、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム及び脂肪酸リチウムからなる増ちょう剤と、添加剤と、から構成されている。
ここで、基油を構成するエステル油としては、特に限定されないが、ジエステル油(例えば、アジピン酸ジイソオクチル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジイソオクチル、セバチン酸ジイソオクチルなど)、或いはエステル分子構造で炭化水素鎖長が6〜14を有する炭化水素基が末端に誘導されたエステル油(例えば、ペンタエリスリトールエステル油、炭酸エステル油、トリメリテートエステル油など)が好ましく、且つ、40℃における粘度が8〜55mm2 /sであることが好ましい。
【0033】
なお、エステル油を構成するエステル分子構造の末端の炭化水素鎖長と、増ちょう剤として用いる脂肪酸リチウムの炭化水素鎖長とを略同一とすると、基油と増ちょう剤とのチェーンマッチング現象により、基油分子と増ちょう剤分子との親和性を向上させることができる。この結果、グリース組成物Gの構造強度が増し、剪断安定性を向上させることが可能となる。このため、本実施形態においては、エステル油を構成するエステル分子構造の炭素水素鎖長を、増ちょう剤として用いる脂肪酸リチウムの炭化水素鎖長6〜12と略同一に構成した。
【0034】
増ちょう剤を構成する脂肪酸リチウムとしては、その炭素数が6〜12、さらに好ましくは6〜10であるものが好ましい。ここで、炭素数が6未満の脂肪酸リチウムであると、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムとの溶解温度差が大きくなるため、混成リチウム石けんグリースの製造が困難になってしまい、一方、炭素数が12を超えた脂肪酸リチウムであると、緻密で強固な繊維構造を形成することが困難になってしまうため、好ましくない。
【0035】
また、増ちょう剤を構成する12−ヒドロキシステアリン酸リチウムと脂肪酸リチウムとの配合割合は、30:70〜70:30の範囲とするのが好ましい。ここで、12−ヒドロキシステアリン酸の配合割合が30未満であると、緻密で強固な繊維構造を形成することが困難になってしまい、一方、12−ヒドロキシステアリン酸の配合割合が70以上であると、溶解温度の高い脂肪酸リチウムの影響が大きくなり、グリース組成物Gの製造が困難となってしまうため、好ましくない。
【0036】
さらに、増ちょう剤は、グリース組成物Gの全量に対して5〜20質量%の範囲で適用できるが、さらに好ましくは、6〜15質量%とするのが好ましい。ここで、増ちょう剤がグリース組成物Gの全量に対して5質量%未満であると、混和ちょう度が290程度と大きく(柔らかくなり)、低トルク化効果が十分に期待できなくなってしまい、一方、20質量%を超えると、混和ちょう度が小さく(硬くなり)、軸受製造時のグリース封入工程で支障が生じてしまうため、好ましくない。
【0037】
添加剤としては、例えば、酸化防止剤、防錆剤、さらには摩擦摩耗特性を向上させるために添加する油性剤、金属不活性剤などが挙げられる。
ここで、酸化防止剤は、グリース組成物Gの酸化による劣化を抑制するために添加される添加剤である。この種の酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、ゴム、プラスチック、潤滑油などに添加される老化防止剤や、オゾン劣化防止剤や、酸化防止剤から適宜選択して用いることができる。具体的には、フェニル−1−ナフチルアミン、フェニル−2−ナフチルアミン、ジフェニル−p−フェニレンジアミン、ジピリジルアミン、フェノチアジン、N−メチルフェノチアジン、N−エチルフェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、p,p’ −ジオクチルジフェニルアミン、N,N’ −ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’ ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミンなどのアミン系化合物や、2,6−ジ−tert−ジブチルフェノールなどのフェノール系化合物などが挙げられる。
【0038】
この酸化防止剤の添加量は、グリース組成物G全量に対して、0.05〜5質量%とするのが好ましい。ここで、酸化防止剤の添加量を0.05質量%未満とすると、酸化劣化の抑制効果が得られなくなくなってしまい、一方、5質量%を超えて添加してもその効果は飽和するため、好ましくない。
防錆剤は、水分による転がり軸受表面の錆発生を抑制するために添加される添加剤である。この種の防錆剤としては、特に限定されないが、例えば、有機スルホン酸のアンモニウム塩や、バリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属・アルカリ土類金属の有機スルホン酸塩や、有機カルボン酸塩や、フェネート、ホスホネート、アルキル若しくはアルケニルコハク酸エステルなどのアルキル,アルケニルコハク酸誘導体や、ソルビタンモノオレートなどの多価アルコールの部分エステルや、オレオイルザルコシンなどのヒドロキシ脂肪酸や、1−メルカプトステアリン酸などのメルカプト脂肪酸類或いはそのアルコール類や、高級アルコールと高級脂肪酸とのエステルや、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプトチアジアゾールなどのチアゾール類や、2−(デシルジチオ)−ベンゾイミダゾール、ベンズイミダゾールなどのイミダゾール系化合物や、2,5−ビス(ドデシルジチオ)ベンズイミダゾールなどのジスルフィド系化合物や、トリスノニルフェニルフォスファイトなどのリン酸エステル類や、ジラウリルチオプロピオネートなどのチオカルボン酸エステル系化合物や、亜硝酸塩などが挙げられる。
【0039】
この防錆剤の添加量は、グリース組成物G全量に対して、0.05〜5質量%とするのが好ましい。ここで、防錆剤の添加量を0.05質量%未満とすると、転がり軸受表面の錆発生抑制効果が得られなくなくなってしまい、一方、5質量%を超えて添加してもその効果は飽和するため、好ましくない。
油性剤は、内輪1及び外輪2に形成された軌道面と転動体3との接触面を覆い、摩擦摩耗特性を向上させるために添加される添加剤である。この種の油性剤としては、特に限定されないが、例えば、オレイン酸やステアリン酸などの脂肪酸や、オレイルアルコールなどの脂肪酸アルコールや、ポリオキシエチレンステアリン酸エステル、ポリグリセリルオレイン酸エステルなどの脂肪酸エステルや、リン酸、トリクレジルホスフェート、ラウリル酸エステル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸などのリン酸エステルが挙げられる。特に、これらの中でもリン系の油性剤を用いることで、摩擦摩耗特性をさらに向上させるために有効である。
【0040】
この油性剤の添加量は、グリース組成物G全量に対して、0.05〜7質量%とするのが好ましい。ここで、油性剤の添加量を0.05質量%未満とすると、内輪1及び外輪2に形成された軌道面と転動体3との接触面を覆う効果が小さく、摩擦摩耗特性の改善が得られなくなってしまい、一方、油性剤の添加量が7質量%を超えて添加してもその効果は飽和するため、好ましくない。
【0041】
金属不活性剤は、転がり軸受表面の腐食を防止するために添加される添加剤である。この種の金属不活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾールなどのトリアゾール系化合物が挙げられる。
この金属不活性剤の添加量は、グリース組成物G全量に対して、0.05〜7質量%とするのが好ましい。ここで、金属不活性剤の添加量を0.05質量%未満とすると、転がり軸受表面の腐食防止効果が得られなくなってしまい、一方、7質量%を超えると、添加してもその効果は飽和するため、好ましくない。
【0042】
また、このグリース組成物Gは、ASTM D1831に準拠した剪断安定性試験を温度100℃、回転速度165min−1( 周速0.25/s) 、回転時間3〜24時間の適宜選択した条件下で行った後の混和ちょう度の変化量が80未満のものを使用する。
この混和ちょう度は、グリース組成物の流動特性に大きな影響を及ぼし、混和ちょう度が大きくなると粘性抵抗が大きくなるため、低トルク化を実現するためには、25℃における混和ちょう度を180〜280とすることが好ましく、より安定したトルク特性を得るために、188〜260とすることがさらに好ましい。ただし、軸受に封入されたグリース組成物の特性は、軸受を長時間使用後も安定した特性を示す必要があるため、グリース組成物に剪断力が作用してもちょう度変化(軟化)が小さいことが要求される。このため、剪断安定性試験を行った後の混和ちょう度の変化量を、80未満とすることが好ましい。
【0043】
ここで、本実施形態におけるグリース組成物Gの製造方法は、特に限定されず、一般的な製造方法に基づいて製造することができる。例えば、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムと、選択された脂肪酸リチウムとを、200〜260℃の基油中で加熱して石けんを溶解する。その後、冷却工程をへて、ロールミルで均一化することで、製造することができる。なお、添加剤は、冷却工程で添加するようにする。
【0044】
このような構成の深溝玉軸受10によれば、内輪1及び外輪2の間に形成され転動体3が内設された空隙部内に封入されるグリース組成物Gとして、エステル油からなる基油と、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム及び炭素数6〜12の脂肪酸リチウムをモル比で30:70〜70:30の範囲で配合してなる増ちょう剤と、から構成したことによって、緻密で強固な石けん繊維構造を形成するため、転動体3及び保持器4間、或いは転動体3及びグリース組成物封入部材5間に存在するグリース組成物Gの石けん繊維構造破壊を抑制することができる。このため、グリース組成物Gの石けん繊維構造破壊による流動性に起因する粘性抵抗が抑制され、長期間にわたり深溝玉軸受10の低トルク化を実現することが可能となる。
【0045】
このとき、このグリース組成物Gを、グリース組成物封入部材5が具備された深溝玉軸受10に封入したことによって、摩擦中にグリース組成物Gが内輪1及び外輪2に形成された軌道面と転動体3との接触面外に排出されても、この空隙部内を循環して、再度軌道面と転動体3との接触面を潤滑するようになる。よって、良好な摩擦摩耗特性を得ることができ、深溝玉軸受10の長寿命化を実現することが可能となる。
【0046】
また、グリース組成物Gを、空隙部の全容積に対して10〜40体積%の範囲で封入したことによって、空隙部内におけるグリース組成物Gの循環性を良好にするため、摩耗摩擦特性をさらに向上させることが可能となる。
さらに、グリース組成物G中に、その全量に対して、それぞれ0.05〜5質量%の範囲の酸化防止剤及び防錆剤を添加させたことによって、グリース組成物の酸化による劣化や、水分による転がり軸受表面の錆発生を抑制できるため、深溝玉軸受10の長寿命化を実現することが可能となる。
【0047】
さらに、グリース組成物G中に、その全量に対して、0.05〜7質量%の範囲で油性剤が添加されていることによって、内輪1及び外輪2に形成された軌道面と転動体3との接触面が油性剤で覆われるため、石けん繊維の付着性が十分ではない上述のグリース組成物Gであっても、摩擦摩耗特性を向上させることが可能となる。
【0048】
さらに、グリース組成物Gを、剪断安定性試験を行った後の混和ちょう度の変化量が80未満とすることによって、グリース組成物Gの軟化を抑制することができるため、深溝玉軸受10のさらなる低トルク化を実現することが可能となる。また、グリース組成物封入部材5からの漏れに対する懸念が少なくなるため、深溝玉軸受10における設計の自由度を向上させることが可能となる。
【0049】
このため、本実施形態における深溝玉軸受10は、内輪1の内径が8〜30mmで、少なくともアキシアル荷重が負荷され、且つ、800〜7000min−1の回転速度で使用され、軸受トルク特性が重要視されるモータ用軸受として好適に用いることが可能である。このとき、この深溝玉軸受10は、油膜パラメータΛ値が0.5〜6.2、好ましくは1.1〜6.2である潤滑条件下で使用することが好ましい。ここで、油膜パラメータΛ値が0.5未満であると、軸受トルク特性以外に、境界潤滑下での耐久性が重要項目となってしまい、一方、油膜パラメータΛ値が6.2を超えると、封入するグリース組成物Gの有意性が不明瞭となるため、好ましくない。
【0050】
なお、本実施形態においては、転がり軸受の一例として深溝玉軸受10について説明したが、これに限らず、各種転がり軸受に適用することが可能である。
<第二実施形態>
図2は、本発明の直動装置の一例として、リニアガイドの一構成例を示し、(a)は正面図、(b)は平面視における一部断面図である。
【0051】
本実施形態におけるリニアガイド(直動装置)20は、図2に示すように、断面が略矩形状の案内レール(内方部材)21と、当該案内レール21の長手方向に移動可能な横断面が略コ字状のスライダ(外方部材)22と、このスライダ22に形成された第一のボール軌道溝22a及び案内レール21に形成された第二のボール軌道溝21aによって形成されたボール転動路23A間に転動自在に配置されるボール(転動体)23と、このボール23を転動自在に保持する保持ピース24と、この案内レール21及びスライダ22の間に形成されボール23が内設された空隙部内にグリース組成物Gを封入するためのサイドシール(グリース組成物封入部材)25と、から構成されている。そして、このグリース組成物Gとして、第一実施形態と同様のものが、空隙部全容積に対して10〜40体積%の範囲で封入されている。
【0052】
ここで、スライダ22には、その軸方向(図2(b)における上下方向)両端部には、スライダ本体側から順にエンドキャップ26と、合成樹脂などからなるサイドシール25とが配置され、エンドキャップ固定ボルト27によって着脱自在に固定されている。このエンドキャップ26内には、第一のボール軌道溝22aと第二のボール軌道溝21aとの間に形成されたボール転動路23Aと、ボール循環路23Bとを連結させる略U字状のボール戻し路23Cを備えており、ボール23は、ボール循環路23Bを経て、ボール転動路23Aを繰り返し転動可能となっている。さらに、案内レール21の第二のボール軌道溝21aの内側及びスライダ22の内周面及びには、ボール23の落下を防止するボール落下止め28が形成されている。
【0053】
案内レール21、スライダ22、及びボール23は、例えば、公知の形成材料から構成され、 特に限定されるものではないが、例えば、軸受鋼(SUJ2)、 ステンレス鋼(SUS440C、SUS630)などの金属鋼材や、肌焼鋼(SCr420)などの軸受用鋼材や、窒化ケイ素(Si3 4 )、炭化ケイ素(SiC)、サイアロン(Sialon)、部分安定化ジルコニア(ZrO2 )、アルミナ(Al2 3 ) などのセラミックス材料が挙げられ、これらを単独或いは組み合わせて用いることができる。
【0054】
保持ピース24は、特に限定されないが、例えば、プラスチックや金属材料などから構成されている。
このような構成のリニアガイド20によれば、案内レール21及びスライダ22の間に形成されボール23が内設された空隙部内に封入されるグリース組成物Gとして、エステル油からなる基油と、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム及び炭素数6〜12の脂肪酸リチウムをモル比で30:70〜70:30の範囲で配合してなる増ちょう剤と、から構成したことによって、第一実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0055】
なお、本実施形態のリニアガイド20の構成はこれに限らず、例えば、ボール転動路23Aがリニアガイド20の一方の側面に二本以上あるものや、転動体がコロであるもの、或いは案内レール21が略コ字状の断面形状を有するものに適用するようにしても構わない。
<第三実施形態>
図3は、本発明の直動装置の一例として、ボールねじの一構成例を示す断面図である。
【0056】
本実施形態におけるボールねじ30は、図3に示すように、外周面に螺旋状の第一のねじ溝31aを有するねじ軸(内方部材)31と、この第一のねじ溝31aと対向する内周面に第二のねじ軸32aを有するナット(外方部材)32と、第一のねじ溝31a及び第二のねじ溝32a間に形成される螺旋状のボール転動路に転動自在に充填された複数のボール(転動体)33と、このボール33を転動自在に保持する保持ピース34と、このねじ軸31及びナット32の間に形成されボール33が内設された空隙部内にグリース組成物Gを封入するための防塵用シール(グリース組成物封入部材)35と、から構成されている。そして、このグリース組成物Gとして、第一実施形態と同様のものが、空隙部全容積に対して10〜40体積%の範囲で空隙部内に封入されている。
【0057】
ここで、ナット32には、その内周面に、ねじ軸31の外周を乗り越えてボール33を戻すための循環コマ36が形成されている。また、ナット32の軸方向一端には、ナット32をテーブル等(図示せず)に固定するためのフランジ37が形成されており、このフランジ37とねじ軸1との間、及びナット32の軸方向他端側とねじ軸31との間は、合成樹脂などからなる防塵用シール35で閉塞されている。
【0058】
ねじ軸31、ナット32、及びボール33は、例えば、公知の形成材料から構成され、 特に限定されるものではないが、例えば、軸受鋼(SUJ2)、 ステンレス鋼(SUS440C、SUS630)などの金属鋼材や、肌焼鋼(SCr420)などの軸受用鋼材や、窒化ケイ素(Si3 4 )、炭化ケイ素(SiC)、サイアロン(Sialon)、部分安定化ジルコニア(ZrO2 )、アルミナ(Al2 3 ) などのセラミックス材料が挙げられ、これらを単独或いは組み合わせて用いることができる。
【0059】
このような構成のボールねじ30によれば、ねじ軸31及びナット32の間に形成されボール33が内設された空隙部内に封入されるグリース組成物Gとして、エステル油からなる基油と、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム及び炭素数6〜12の脂肪酸リチウムをモル比で30:70〜70:30の範囲で配合してなる増ちょう剤と、から構成したことによって、第一実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0060】
なお、本実施形態のボールねじ30においては、ボールの循環路として循環コマ34を備えたものについて説明したが、ボールの循環方式はこれに限らず、例えば、ナットの軸方向両端に循環路が設けられたエンドキャップ方式や、ナットの外周面にチューブ状の循環路が設けられたリターンチューブ方式、或いはナットの内周面に循環溝が設けられたガイドプレート方式のボールねじに適用しても構わない。
【0061】
【実施例】
以下、本発明の効果を実施例に基づき検証する。
<実施例1>
異なる寸法の保持器付き密封単列深溝玉軸受(♯608、♯6305、♯6202)に表1に示すグリース組成物を封入し、以下の条件下でトルク評価試験を行った。
【0062】
【表1】
Figure 2004108567
【0063】
なお、実施例1〜実施例5は、いずれも増ちょう剤として、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムと、炭素数10のカプリン酸リチウム(脂肪酸リチウム)との二種類から構成し、それら二種類の配合割合や基油、或いは混和ちょう度を様々変更したものとした。また、実施例6は、増ちょう剤として、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムと、炭素数6のカプロン酸リチウム(脂肪酸リチウム)との二種類から構成したものとした。ここで、実施例1〜6には、酸化防止剤としてアミン系化合物をグリース組成物全量に対して1.5質量%と、防錆剤としてアルケニルコハク酸エステルをグリース組成物全量に対して1.5質量%と、油性剤としてリン酸エステルをグリース組成物全量に対して2.0質量%とを添加させたものとした。
【0064】
一方、比較例1は、増ちょう剤として、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム単独で構成したものとした。また、比較例2〜6は、増ちょう剤を構成する脂肪酸リチウムの種類や基油の種類、或いは混和ちょう度を様々変更したものとした。ここで、比較例1〜6には、酸化防止剤としてアミン系化合物をグリース組成物全量に対して2.5質量%と、防錆剤としてアルケニルコハク酸エステルをグリース組成物全量に対して2.5質量%とを添加させたものとした。
(トルク評価試験)
図4に示すトルク測定装置40を用いて、各種深溝玉軸受10のトルクを測定した。このトルク測定装置40は、深溝玉軸受10の内輪がアーバ42を介してエアスピンドル41に固定され、外輪がエアベアリング43を備えたアルミキャップ44に固定されている。そして、エアスピンドル41を室温下で回転することで深溝玉軸受10の内輪を回転させ、所定回転速度におけるトルク値をアルミキャップ44に接続したストレインケージ45によって以下の条件下で測定した。この測定値は、ストレインアンプ46及びローパスフィルタ47を経由して、レコーダ48にて記録されるようになっている。
(トルク測定条件)
密封単列深溝玉軸受の寸法別に以下の条件下で、トルク値を測定した。なお、トルク値は、いずれも軸受1個のトルクを測定し、測定測定開始後5分後のトルクで評価を行った。
・密封単列深溝玉軸受♯608(内径φ8、外径φ22、幅7mm)
保持器種    プラスチック保持器
シール種    非接触ゴムシール
グリース封入量 空隙部容積の35%(0.11グラム)
雰囲気温度   約25℃
回転速度    所定速度(200min−1、500min−1、1000min−1、1500min−1、3000min−1、5000min−1)で測定
アキシアル荷重  9. 8N
・密封単列深溝玉軸受♯6305(内径φ25、外径φ62、幅17mm)
保持器種    鉄保持器
シール種    非接触ゴムシール
グリース封入量 空隙部容積の35%(3.4g)
雰囲気温度   100℃
回転速度    所定速度(500min−1、1000min−1、2000min−1、3000min−1、5000min−1、7000min−1)で測定
アキシアル荷重 352.7N
・密封単列深溝玉軸受♯6202(内径φ15、外径φ35、幅11mm)
保持器種    プラスチック保持器
シール種    非接触ゴムシール
グリース封入量 空隙部容積の35%(0.7g)
雰囲気温度   約25℃
回転速度    所定速度(500min−1、1000min−1、1500min−1、3000min−1、5000min−1)で測定
アキシアル荷重 39.2N
次に、上述のトルク評価試験の結果を、図5〜10に示す。
【0065】
図5は、密封単列深溝玉軸受♯6202における各種グリース組成物のトルク特性を示すグラフである。なお、図5は、回転速度を3000min−1とした場合の結果である。
図5に示すように、増ちょう剤を構成する脂肪酸リチウムの炭素数が10以下である実施例1〜6では、増ちょう剤として脂肪酸リチウムを含まない比較例1や、増ちょう剤を構成する脂肪酸リチウムの炭素数が10以上の比較例2及び比較例3、或いは増ちょう剤を構成する脂肪酸リチウムの炭素数が10であっても基油の粘度が高い比較例4〜6と比べて、低トルク化を実現できていることがわかる。
【0066】
また、増ちょう剤を構成する脂肪酸リチウムの炭素数が10であるカプリン酸リチウムでは、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムとの配合割合が、30:70〜70:30の範囲である実施例1〜4において、増ちょう剤を構成する脂肪酸リチウムを含まない(つまり、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム:脂肪酸リチウムの割合が100:0である)比較例1と比べて、確実に低トルク化を実現できていることがわかる。
【0067】
さらに、基油の40℃における粘度が8〜55mm2 /sの範囲内である実施例5では、基油の40℃における粘度が上記範囲外である比較例4と比べて、低トルク化を実現できていることがわかる。このことより、基油粘度の高いグリースは、軸受内で剪断により軟化し、連続的な流動性を示す特性があると判断できる。このため、分子構造に誘導される炭化水素基の炭素数を考慮すると、40℃における基油の粘度を55mm2 /s以下とすることで、剪断による軟化の影響を回避できると考えられる。一方、基油の粘度が極端に小さすぎると、油膜形成が不十分になったり、蒸発特性に問題が生じるため、40℃における基油の粘度を8mm2 /s以上とすることが好ましい。
【0068】
さらに、混和ちょう度が180〜280である実施例1〜6では、混和ちょう度が300以上の比較例5及び比較例6と比べて、低トルク化を実現していることがわかる。
図6は、密封単列深溝玉軸受♯608において、実施例6及び比較例3のグリース組成物を封入した場合のトルク特性を示すグラフである。なお、図中各回転速度に対応した測定値に記載した数字は、各測定条件での油膜パラメータであるΛ値を表している。
【0069】
図6に示すように、増ちょう剤を構成する脂肪酸リチウムの炭素数が6である実施例6では、増ちょう剤が炭素数が18である脂肪酸リチウムで構成された比較例3と比べて、いずれの回転数であっても低トルク化を実現していることがわかる。
図7は、密封単列深溝玉軸受♯6202において、実施例2及び実施例6、並びに比較例3のグリース組成物を封入した場合のトルク特性を示すグラフである。なお、図中各回転速度に対応した測定値に記載した数字は、図6と同様に、各測定条件での油膜パラメータであるΛ値を表している。
【0070】
図7に示すように、増ちょう剤を構成する脂肪酸リチウムの炭素数が10以下である実施例2及び実施例6では、増ちょう剤が炭素数10以上の脂肪酸リチウムで構成された比較例3と比べて、いずれの回転数であっても低トルク化を実現していることがわかる。しかしながら、脂肪酸リチウムの炭素数が10である実施例2と、脂肪酸リチウムの炭素数が6である実施例6とでは、回転数によってそのトルク特性の順位が上下するため、必ずしも脂肪酸リチウムの炭素数が小さければよいというわけではないことが判断できる。
【0071】
図8は、密封単列深溝玉軸受♯6305において、実施例2及び実施例6、並びに比較例3のグリース組成物を封入した場合のトルク特性を示すグラフである。なお、図中各回転速度に対応した測定値に記載した数字は、図6と同様に、各測定条件での油膜パラメータであるΛ値を表している。
図8に示すように、増ちょう剤を構成する脂肪酸リチウムの炭素数が10以下である実施例2及び実施例6では、増ちょう剤が炭素数10以上の脂肪酸リチウムで構成された比較例3と比べて、いずれの回転数であっても低トルク化を実現していることがわかる。しかしながら、脂肪酸リチウムの炭素数が10である実施例2と、脂肪酸リチウムの炭素数が6である実施例6とでは、回転数によってそのトルク特性の順位が上下するため、必ずしも脂肪酸リチウムの炭素数が小さければ小さいほど低トルク化を実現できるわけではないことが判断できる。
【0072】
図9は、密封単列深溝玉軸受♯6305において、実施例2及び実施例6、並びに比較例3のグリース組成物を封入した場合のアキシアル荷重との関係を示すグラフである。なお、図9は、回転速度を3000min−1とした条件下で、アキシアル荷重を98〜352.8Nの範囲でトルク値を測定した結果である。
図9に示すように、いずれのアキシアル荷重であっても、増ちょう剤を構成する脂肪酸リチウムの炭素数が10以下である実施例2及び実施例6では、増ちょう剤が炭素数10以上の脂肪酸リチウムで構成された比較例3と比べて、低トルク化を実現していることがわかる。
【0073】
図10は、密封単列深溝玉軸受♯6202において、実施例2及び実施例6、並びに比較例3のグリース組成物を封入した場合のグリース組成物の封入量との関係を示すグラフである。なお、図10は、回転速度を3000min−1、アキシアル荷重を39.2Nとした条件下で、グリース組成物の封入量を種々変更させてトルク値を測定した結果である。
【0074】
図10に示すように、グリース組成物の封入量を、封入する空隙部全容積の10体積%以上とすると、増ちょう剤を構成する脂肪酸リチウムの炭素数が10以下である実施例2及び実施例6では、増ちょう剤が炭素数10以上の脂肪酸リチウムで構成された比較例3と比べて、低トルク化を実現していることがわかる。特に、グリース組成物の封入量を、封入する空隙部容積の12%体積以上とすると、その差異が明確になっていることがわかる。一方、グリース組成物の封入量が、封入する空隙部容積の35体積%のときと空隙部容積の20体積%のときのトルク値を比較すると、実施例2は比較例3と同程度の増加を示しており、グリース組成物の封入量を空隙部全容積の35体積%以下とすることが低トルク化の目安となる。また、グリース組成物の封入量を、封入する空隙部容積の40体積%以上とすると、ちょう度が大きい場合にグリース漏れが発生することが懸念される。このため、グリース組成物の封入量は、封入される空隙部容積の10〜40体積%とするのが好ましく、さらに好ましくは、12〜35体積%とするのがよい。
【0075】
続いて、上述したグリース組成物の軸受トルク特性と、剪断安定性(ロール安定度)との相関を確認した。ここで、剪断安定性としては、上述した剪断安定性試験を24時間行った後の混和ちょう度変化量を採用し、実施例2、5、6及び比較例1〜4のグリース組成物における結果を表2に示した。
表2に示すように、実施例で示したグリース組成物は、比較例で示したグリース組成物と比べて、その混合ちょう度の変化量が少なく、いずれも80未満となっていることがわかる。すなわち、本実施例で示した低トルク特性を有するグリース組成物は、混和ちょう度変化量が少ないことから、軸受トルク特性と剪断安定性とは相関性が得られ、剪断安定性が軸受トルクの指標として採用可能であることが確認できた。
<実施例2>
図3に示したボールねじ(軸径25mm、リード5.08mm)に、上述の表1に示すグリース組成物を封入し、以下の条件下でトルク評価試験を行った。
(トルク評価試験)
図11に示すトルク測定装置50を用いて、ボールねじ30のトルクを測定した。このトルク測定装置50は、被検体であるボールねじ30を回転させるスピンドル51と、この回転によるトルク値を測定する荷重検出器52と、から構成され、この荷重検出器52で測定されたトルク値を記録するレコーダ(図示せず)と、から構成されている。
(トルク測定条件)
以下の条件下で、いずれも軸受1個のトルクを測定し、測定開始から5分後のトルクで評価を行った。
グリース封入量 空隙部容積の20%(5ml)
回転速度    500min−1で測定
次に、上述のトルク評価試験の結果を、図12に示す。
【0076】
図12は、ボールねじにおける各種グリース組成物のトルク特性を示すグラフである。
図12に示すように、実施例1で示した図5の結果と同様の効果が得られていることが分かる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の転がり軸受によれば、内輪及び外輪で形成され転動体が内設された空隙部内に封入されるグリース組成物を、エステル油からなる基油と、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム及び炭素数6〜12の脂肪酸リチウムをモル比で30:70〜70:30の範囲で配合してなる増ちょう剤とから構成したことによって、転がり軸受の低トルク化を実現することが可能となる。このとき、このグリース組成物は、グリース組成物封入部材で密封された空隙部内に封入されているため、良好な摩擦摩耗特性を得ることができ、転がり軸受の長寿命化を実現することが可能となる。
【0078】
また、グリース組成物の全量に対して、それぞれ0.05〜5質量%の範囲の酸化防止剤及び防錆剤を含有していることによって、さらなる長寿命化を実現することが可能となる。
さらに、グリース組成物が、その全量に対して0.05〜7質量%の範囲で油性剤を含有していることによって、さらに良好な摩擦摩耗特性を得ることができ、さらなる長寿命化を実現することが可能となる。
【0079】
さらに、グリース組成物を、空隙部内に、その空隙部の全容積に対して10〜40体積%の範囲で封入したことによって、さらに良好な摩擦摩耗特性を得ることができ、さらなる長寿命化を実現することが可能となる
さらに、グリース組成物を、ロール安定度試験を終了後の混和ちょう度変化量が80未満とすることによって、さらなる低トルク化を実現することが可能となる。
【0080】
さらに、内輪の内径を8〜30mmとするとともに、油膜パラメータΛ値が0.5〜6.2である潤滑条件下で使用するようにしたことによって、特に、軸受トルク特性が重要視される例えばHDD、エアコンファン、或いはその他汎用のモータ用転がり軸受として好適に用いることが可能となる。
本発明の直動装置によれば、本発明の転がり軸受と同様のグリース組成物を用いたことによって、本発明の転がり軸受と同様の効果を得ることが可能となる。
【0081】
本発明のグリース組成物によれば、本発明の転がり軸受及び直動装置を容易に実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転がり軸受の一例として深溝玉軸受の一構成例を示す断面図である。
【図2】本発明の直動装置の一例として、リニアガイドの一構成例を示し、(a)は正面図、(b)は平面視における一部断面図である。
【図3】本発明の直動装置の一例として、ボールねじの一構成例を示す断面図である。
【図4】トルク測定装置を示す模式図である。
【図5】密封単列深溝玉軸受に各種グリース組成物を封入した場合のトルク特性を示すグラフである。
【図6】密封単列深溝玉軸受に各種グリース組成物を封入した場合のトルク特性を示すグラフである。
【図7】密封単列深溝玉軸受に各種グリース組成物を封入した場合のトルク特性を示すグラフである。
【図8】密封単列深溝玉軸受に各種グリース組成物を封入した場合のトルク特性を示すグラフである。
【図9】密封単列深溝玉軸受に各種グリース組成物を封入した場合のアキシアル荷重との関係を示すグラフである。
【図10】密封単列深溝玉軸受に各種グリース組成物を封入した場合のグリース組成物の封入量との関係を示すグラフである。
【図11】トルク測定装置を示し、(a)は側面図、(b)は図12(a)のA−A線に沿った断面図である。
【図12】ボールねじに各種グリース組成物を封入した場合のトルク特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1     内輪
2     外輪
3     転動体
4     保持器
5     グリース組成物封入部材
10     深溝玉軸受(転がり軸受)
20     リニアガイド(直動装置)
21     案内レール(内方部材)
22     スライダ(外方部材)
23     ボール(転動体)
24     保持ピース
25     サイドシール(グリース組成物封入部材)
26     エンドキャップ
27     エンドキャップ固定ボルト
28     ボール落下止め
30     ボールねじ(直動装置)
31     ねじ軸(内方部材)
32     ナット(外方部材)
33     ボール(転動体)
34     保持ピース
35     防塵用シール(グリース組成物封入部材)
36     循環コマ
37     フランジ
40     トルク測定装置
41     エアスピンドル
42     アーバ
43     エアベアリング
44     アルミキャップ
45     ストレインケージ
46     ストレインアンプ
47     ローパスフィルタ
48     レコーダ
50     トルク測定装置
51     スピンドルモータ
52     荷重検出器
G      グリース組成物

Claims (12)

  1. 内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配設される転動体と、当該転動体を転動自在に保持する保持器と、前記内輪及び前記外輪の間に形成され前記転動体が内設された空隙部内にグリース組成物を封入するためのグリース組成物封入部材と、を備えた転がり軸受において、
    前記グリース組成物は、エステル油からなる基油と、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム及び炭素数6〜12の脂肪酸リチウムをモル比で30:70〜70:30の範囲で配合してなる増ちょう剤と、から構成されているとともに、
    前記グリース組成物の全量に対して、それぞれ0.05〜5質量%の範囲の酸化防止剤及び防錆剤を含有していることを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記グリース組成物は、当該グリース組成物の全量に対して0.05〜7質量%の範囲で油性剤を含有していることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記グリース組成物は、前記空隙部内に、その空隙部の全容積に対して10〜40体積%の範囲で封入されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の転がり軸受。
  4. 前記グリース組成物は、温度100℃、回転速度165min−1、回転時間3〜24時間の条件下でASTM D1831に準拠した剪断安定性試験を行った後の混和ちょう度変化量が、80未満となっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の転がり軸受。
  5. 前記内輪の内径が8〜30mmであるとともに、油膜パラメータΛ値が0.5〜6.2である潤滑条件下で使用されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の転がり軸受。
  6. 内方部材、外方部材、及び前記内方部材及び前記外方部材の間に転動自在に配設される転動体と、当該転動体を転動自在に保持する保持ピースと、前記内方部材及び前記外方部材の間に形成され前記転動体が内設された空隙部内にグリース組成物を封入するためのグリース組成物封入部材と、を備えた直動装置において、
    前記グリース組成物は、エステル油からなる基油と、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム及び炭素数6〜12の脂肪酸リチウムをモル比で30:70〜70:30の範囲で配合してなる増ちょう剤と、から構成されているとともに、
    前記グリース組成物の全量に対して、それぞれ0.05〜5質量%の範囲の酸化防止剤及び防錆剤を含有していることを特徴とする直動装置。
  7. 前記グリース組成物は、当該グリース組成物の全量に対して0.05〜7質量%の範囲で油性剤を含有していることを特徴とする請求項6に記載の直動装置。
  8. 前記グリース組成物は、前記空隙部内に、その空隙部の全容積に対して10〜40体積%の範囲で封入されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の直動装置。
  9. 前記グリース組成物は、温度100℃、回転速度165min−1、回転時間3〜24時間の条件下でASTM D1831に準拠した剪断安定性試験を行った後の混和ちょう度変化量が、80未満となっていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の直動装置。
  10. エステル油からなる基油と、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム及び炭素数6〜12の脂肪酸リチウムをモル比で30:70〜70:30の範囲で配合してなる増ちょう剤と、から構成されているとともに、
    その全量に対して、そろぞれ0.05〜5質量%の範囲で酸化防止剤及び防錆剤が含有されていることを特徴とするグリース組成物。
  11. 全量に対して、0.05〜7質量%の範囲で油性剤が含有されていることを特徴とする請求項10に記載のグリース組成物。
  12. 温度100℃、回転速度165min−1、回転時間3〜24時間の条件下でASTM D1831に準拠した剪断安定性試験を行った後の混和ちょう度変化量が、80未満となっていることを特徴とする請求項10又は11に記載のグリース組成物。
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