JP2009063154A - 転動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦低減効果を有し、耐焼付き性及び耐摩耗性に優れ長寿命な転動装置を提供することを課題とする。
【解決手段】転動装置に、少なくとも基油と、層状構造を有する球状の微粒子と、を含有する潤滑剤を用いる。層状構造を有する球状の微粒子としては、オニオンライクカーボン等があげられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、グリースにより潤滑される転がり軸受、ボールねじ、リニアガイド装置、直動ベアリング等のような転動装置に関する。
転動装置の転がり接触面は、ほぼ例外なく高面圧で高速滑りが発生しており、過酷な潤滑条件となっている。このような過酷な潤滑条件下においては、潤滑剤を介して接触すべき転がり接触面の直接接触がしばしば生じており、これにより摩耗や焼付き等の損傷が発生する場合がある。
このような過酷な潤滑条件下において耐荷重性能や極圧性能を付与して摩耗、焼付き等の損傷を抑制する方法としては、前記性能を付与する添加剤を潤滑油、グリース等の潤滑剤に添加する方法が一般的である。このような添加剤としては、イオウ系極圧剤、リン系極圧剤、イオウ−リン系極圧剤、ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)、ジアルキルジチオリン酸モリブデン(MoDTP)、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)等の極圧剤や、二硫化モリブデン、グラファイト、六方晶窒化ホウ素、二硫化タングステン等の固体潤滑剤が知られている。
このほか、特許文献1には、平均粒径が0.1μm以下の超微粒子を含有する潤滑剤が開示されている。この技術によれば、金属表面間に形成される油膜に超微粒子が入り込み、金属表面の直接接触が生じにくくなるので、摩耗、焼付き等の損傷の発生が抑制される。これらの中でも、有機系の極圧剤は、優れた極圧性能を示すことから近年主流になっている。
また、特許文献2には、化学的親油処理が施された平均粒径0.1〜10μmのシリカ粒子及び/又は化学的親油処理が施された平均粒径40nm以下のシリカ粒子を含有する転がり軸受用潤滑剤が開示されている。
さらに、特許文献3には、粒子同士の凝集を防ぐための疎水化処理が施された平均粒径3nm以上100nm以下のシリカ粒子を含有する転がり軸受用潤滑剤が開示されている。
また、特許文献4には、転がり接触面間の摩擦係数を低減させる物質としてカーボンブラックやカーボンナノチューブを含有する転がり軸受用潤滑剤が開示されている。
特開平7−118683号公報 特開2002−105473号公報 特開2006−118702号公報 特開2006−64112号公報
しかしながら、前述の有機系の極圧剤は、耐焼付き性と耐摩耗性との両立が難しい。また、転動装置等に優れた耐焼付き性又は耐摩耗性を付与できる極圧剤は、一般に化学的活性が強い化合物であり、金属や他の有機化合物との反応性を有しているため、潤滑剤に添加すると潤滑剤の劣化を促進するおそれがあるという問題点を有していた。
また、特許文献1〜3に記載の超微粒子やシリカ粒子は表面積が小さく凝集しやすいため、潤滑剤中に安定的に分散させることが困難であった。また、特に潤滑膜が薄い場合には粒子が金属表面に突き刺さり、表面を傷つける場合があった。
さらに、特許文献4に記載の摩擦係数を低減するカーボンブラック等の物質は単層であり、粒径も300nmほどである。単層であると弾性力に乏しく、荷重がかかると一部は硬い粒子になってしまい、転がることができなくなるため、十分な摩擦低減効果が得られないという問題があった。また、300nmほどの粒径だと、軸受の転走面の表面粗さに紛れてしまい、あまり効果は得られないという問題があった。
そこで、本発明は上述のような問題点に鑑みてなされたものであり、摩擦低減効果を有し、耐焼付き性及び耐摩耗性に優れ長寿命な転動装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1による転動装置は、外面に軌道面を有する内方部材と、前記内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配された複数の転動体とを備え、少なくとも基油を含有する潤滑剤で潤滑される転動装置において、前記潤滑剤は、層状構造を有する球状の微粒子を添加剤として含有することを特徴とする。
上記の層状構造を有する球状の微粒子は、代表例としてオニオンライクカーボンが挙げられ、他にも同様の構造を有した多層フラーレン状のMoSやWSのナノ粒子などが挙げられる。このような層状構造を有する球状の微粒子は転がり接触面間(軌道面と転動体の転動面との間)に形成される油膜に入り込んで、凝集しつつ転がり接触面に吸着し転がり接触面の直接接触が抑制される。吸着した微粒子は球状であることより接触面間で荷重を支えつつ転がるために、軌道面と転動体の間に生じる摩擦を低減し、また層状構造になっていることより層間での摩擦力も低く、面圧が高い場合にも弾性的に変形して転がることができる。したがって軌道面と転動体の摩擦が低くなり、摩耗、焼付き等の損傷の発生を十分に抑制する。
また、本発明に係る請求項2の転動装置は、請求項1において、前記潤滑剤は、増ちょう剤をさらに含有するグリースであることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項3の転動装置は、請求項2において、前記微粒子の平均一次粒径は、10nm以上500nm以下であることを特徴とする。
平均一次粒径が500nm超過であると、微粒子が凝集性を有することを考慮すると、厚さが1μm程度である油膜に入り込みにくくなる。一方10nm未満であると、軌道面や転動体の表面粗さに紛れてしまい、粗さの谷の部分に滞留してしまうので、その効果を発揮しない。このような問題を生じにくくするためには、層状構造を有する球状の微粒子の平均一次粒径は、10nm以上500nm以下であることが好ましい。
さらに、本発明に係る請求項4の転動装置は、請求項2又は3において、前記微粒子の含有量を、前記グリース全体の0.01質量%以上10質量%以下としたことを特徴とする。
層状構造を有する球状の微粒子の含有量が0.01質量%未満であると十分な低摩擦、耐焼付き性及び耐摩耗性が得られないおそれがある。一方、10質量%超過であると、グリース中で二次凝集体が生成しやすくなるため、転動装置の転がり接触面間に入り込みにくくなる。特に、転動装置が高速で駆動される場合には、微粒子の含有量を10質量%以下とする必要がある。このような問題がより生じにくくするためには、層状構造を有する球状の微粒子の含有量は、グリース全体の0.01質量%以上10%質量%以下とすることが好ましい。
さらに、本発明に係る請求項5の転動装置は、請求項2〜4のいずれかにおいて、前記グリースの混和ちょう度は、日本工業規格JIS K2220に規定されたちょう度番号で1号以上4号以下であることを特徴とする。
グリースがちょう度番号1号よりも軟らかいと、グリースが転動装置から漏出するおそれがある。一方、4号よりも硬いと、転動装置の駆動トルクが高くなるおそれがある。
さらに、本発明に係る請求項6の転動装置は、請求項2〜5のいずれかにおいて、前記グリース中における前記微粒子の分散径が10nm以上1μm以下であることを特徴とする。
層状構造を有する球状の微粒子は凝集性を有しているため、グリース中において二次凝集体を生成する。前述のように、油膜の厚さと転動体や転動体の表面粗さを考慮したものである。
さらに、本発明に係る請求項7の転動装置は、請求項1〜6のいずれかにおいて、前記潤滑剤は、フェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤の少なくとも一方を添加剤としてさらに含有することを特徴とする。
本発明の転動装置は過酷な潤滑条件下において使用される場合があるため、高温下での使用や長期間にわたる使用により、基油が酸化劣化するおそれがある。よって、潤滑剤には酸化防止剤を添加することが好ましい。
さらに、本発明に係る請求項8の転動装置は、請求項1〜7のいずれかにおいて、自動車電装部品用又は自動車エンジン補機用の転がり軸受、又は、真空環境下で使用される転動装置であることを特徴とする。
本発明の転動装置は、過酷な潤滑条件下においても好適に使用可能であるため、高温環境下のため潤滑剤が劣化しやすくかつ蒸発による潤滑剤の減量を嫌う自動車電装部品用又は自動車エンジン補機用の転がり軸受、又は潤滑剤の蒸発による有機汚染を嫌う真空中での転動装置として好適である。
本発明の転動装置は、低摩擦かつ耐焼付き性及び耐摩耗性に優れ、長寿命である。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本発明に係る転動装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[転動装置の構成について]
図1は、本発明に係る転動装置の実施形態である深溝玉軸受の構造を示す縦断面図である。この深溝玉軸受は、外周面に軌道面1aを有する内輪1と、軌道面1aに対向する軌道面2aを内周面に有する外輪2と、両軌道面1a,2a間に転動自在に配された複数の転動体(玉)3と、内輪1及び外輪2の間に複数の転動体3を保持する保持器4と、内輪1及び外輪2の間の隙間の開ロを覆うシールのような密封装置5を備えている。なお、保持器4や密封装置5は備えていなくてもよい。
内外輪1,2間の転動体3が配された空隙部内には、グリースGが配されている。このグリースGは、基油及び増ちょう剤を含有すると共に、層状構造を有する球状の微粒子が添加剤として配合されている。また、上記微粒子の含有量は、グリースG全体の0.01質量%以上10質量%以下であり、グリースGの混和ちょう度は、日本工業規格JIS K2220に規定されたちょう度番号で1号以上4号以下である。
以上の構成の深溝玉軸受は、グリースGが層状構造を有する球状の微粒子を含有しているので、微粒子の軌道面又は転動面への吸着により内外輪1,2と転動体3との直接接触が抑制される。これと共に、高面圧下でも層状構造の微粒子が荷重を支えつつ転がるために、軌道面と転動体の間に生じる摩擦が低減され、摩耗、焼付き等の損傷の発生が抑えられ、深溝玉軸受は長寿命である。
なお、転動装置は、図1に示したような深溝玉軸受に限定されず、他の種類の様々な転がり軸受に対して本発明を適用することができる。例えば、アンギュラ玉軸受、自動調心玉軸受、円筒ころ軸受、円すいころ軸受、針状ころ軸受、自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸受、スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受にも適用できる。さらに、本発明は、転がり軸受に限らず、他の種類の様々な転動装置に対して適用することができる。例えば、ボールねじ、リニアガイド装置、直動ベアリング等である。この場合、本発明における内方部材とは、転動装置が転がり軸受の場合には内輪、同じくボールねじの場合にはねじ軸、同じくリニアガイド装置の場合には案内レール、同じく直動ベアリングの場合には軸をそれぞれ意味する。また、外方部材とは転動装置が転がり軸受の場合には外輪、同じくボールねじの場合にはナット、同じくリニアガイド装置の場合にはスライダ、同じく直動ベアリングの場合には外筒をそれぞれ意味する。
また、転動装置の用途も限定されないが、上記のように微粒子の配合により摩擦を低減し、摩耗、焼付きによる損傷の発生を抑制できるので、高温、高速、高荷重条件下といった過酷な潤滑条件下で使用される転動装置に好適である。例えば、本発明の転動装置は、自動車の電装部品(オルタネータ、スタータ、中間プーリ、カーエアコンディショナ用電磁クラッチ等)、自動車のエンジン補機(ラジエータファン、オイルポンプ等)、ガスヒートポンプ用電磁クラッチ、コンプレッサ等に使用される転動装置として好適である。
[グリースについて]
次に、本実施形態に係るグリースGについて説明する。
本実施形態に係るグリースGは、上述のように基油及び増ちょう剤を含有すると共に、層状構造を有する球状の微粒子が添加剤として配合されている。
本実施形態に係る上記微粒子は、複数層から形成される球状の微粒子である。このような微粒子の例としては、図2及び図3に示すようなオニオンライクカーボンが挙げられる。図2はオニオンライクカーボンの積層構造を示すための中心を含む断面図であり、同図に示すように、オニオンライクカーボンは複数のフラーレン(図2の例では5層のフラーレンF〜F)が同心球状に積層してなる。このようなオニオンライクカーボンは、図3に示す原子配列モデルと類似の構造を有していると推測される。図3は、C1500の5回対称軸からの投影原子配列モデルを示す模式図である(Q.Ruら、Chem.Phys.Lett、259(1996)、425.を参照)。
また、層状構造を有する微粒子は、オニオンライクカーボンなどのように炭素原子からなるクラスターから構成されるものに限定されず、例えば、炭素以外の分子又は原子を含む球殻状のクラスターが複数同心球状に積層してなる多層フラーレン状の微粒子であってもよい。このような微粒子としては、例えば、多層フラーレン状のMoSやWSのナノ粒子や、Cs、Rbなどがインターカレートしたフラーレンを含むオニオンライクカーボンなどが挙げられる。
このような微粒子の製造方法としては良く知られている方法として、アーク放電法、プラズマCVD法、レーザー蒸発法、有機ガスの熱分解などがある。
また近年は水中でアーク放電をすることにより、極めて簡単に合成できることが分かっている。この水中アーク放電において電極に純炭素を用いることでオニオンライクカーボンの微粒子が得られる。また電極に金属触媒を含有した炭素電極を用いることで多層フラーレン状のMoSやWSのナノ粒子を生成することができる(参照文献:真空Vol.47,No.12,2004)。
基油の種類は、グリースの基油として一般的に使用される合成油であるならば、特に限定されるものではなく、脂肪族系炭化水素油、エステル油、エーテル油等を問題なく使用することができる。
脂肪族系炭化水素油としては、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンとのコオリゴマー等のポリα−オレフィン又はその水素化物などがあげられる。また、芳香族系炭化水素油としては、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン、ポリアルキルベンゼン等のアルキルベンゼンや、モノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン、ポリアルキルナフタレン等のアルキルナフタレンなどがあげられる。
さらに、エステル油としては、ジブチルセバケート、ジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、メチルアセチルリシノレート等のジエステル油、トリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート等の芳香族エステル油、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等のポリオールエステル油、一塩基酸及び二塩基酸の混合脂肪酸と多価アルコールとのオリゴエステルであるコンプレックスエステル油などがあげられる。
さらに、エーテル油としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエーテル等のポリグリコールや、モノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテル等のフェニルエーテル油などがあげられる。
これらの基油は、単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
なお、低温流動性不足による低温起動時の異音発生を抑制するためには、40℃における動粘度が10〜400mm/sである基油が好ましく、10〜250mm/sである基油がより好ましい。
増ちょう剤の種類は、グリースの増ちょう剤として一般的に使用されるウレア化合物であれば特に限定されるものではなく、例えば、ジウレア、トリウレア、テトラウレア、ポリウレアを使用することができる。
また、層状構造を有する微粒子以外に添加剤として、例えば、アミン系酸化防止剤やフェノール系酸化防止剤などの酸化防止剤を配合すると、基油の酸化劣化を防止できるため好ましい。
アミン系酸化防止剤としては、フェニル−1−ナフチルアミン、フェニル−2−ナフチルアミン、ジフェニル−p−フェニレンジアミン、ジピリジルアミン、フェノチアジン、N−メチルフェノチアジン、N−エチルフェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン等があげられる。また、フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ジブチルフェノール等があげられる。
このほか、防錆剤、極圧剤などの添加剤を適宜添加できる。
なお、本実施形態では、潤滑剤としてグリースを例に挙げたが、増ちょう剤を含まない潤滑油でもよい。また、例えば、真空中で使用する場合は、官能基を有する含フッ素重合体からなる潤滑剤を潤滑部位に付着させ、又は、官能基を有する含フッ素重合体とパーフロロポリエーテル(PFPE)とからなる潤滑剤を付着して0.3〜2μmの潤滑膜を形成し、これらに層状構造を有する球状の微粒子を添加してもよい。このようにすれば、本発明の効果に加えて、低発塵性の転動装置を構成できるので、高真空中での使用される転動装置に好適である。このような転動装置としては、例えば、真空環境下で用いられる半導体の搬送用軸受や直動案内装置が挙げられる。
[実施例]
以下に、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
本実施例では、呼び番号6303DDの転がり軸受に種々のグリース1.5gを封入して試験軸受を作製し、これについて回転試験を行い、そのトルクと耐焼付き性及び耐摩耗性を評価した。
(1)トルク、耐焼付き性の評価方法について
ASTM D1741に規定された軸受寿命試験機に類似した試験機に、上記試験軸受を装着し、温度140℃、ラジアル荷重98N、回転速度20000min−1の条件で回転させることにより行った。そして、試験軸受を回転させる駆動モーターが過負荷にて停止するか、軸受温度が155℃を超えるまでの時間を測定した。なお、試験中はトルク計にて軸受トルクを測定した。1種の試験軸受につき10個ずつ回転試験を行って、その平均値を焼付き寿命とした。
(2)試験グリースについて
次に、試験軸受に封入したグリースについて説明する。
・実施例1〜10:基油が炭化水素油(エクソンモービル社製のSHF82であり、40℃における動粘度は48mm/sである)で、増ちょう剤がウレア化合物であるグリースに、層状構造を有する平均一次粒径10nmの球状のオニオンライクカーボン微粒子と酸化防止剤とを添加したものである。実施例1〜10のグリース中のオニオンライクカーボン微粒子の含有量は、それぞれ0.001質量%、0.01質量%、0.05質量%、0.1質量%、0.5質量%、0.8質量%、1質量%、3質量%、10質量%、20質量%である。酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ジブチルフェノールとフェニル−1−ナフチルアミンとを使用し、含有量をそれぞれ1質量%とした。なお、いずれのグリースも、その混和ちょう度は、日本工業規格JIS K2220に規定されたちょう度番号で2号である。また、実施例で用いたカーボンナノ粒子は、アーク放電法により作製した(特開2005−170739号公報及び特開2006−52104号公報参照)。
・比較例1:基油が炭化水素油(40℃における動粘度は48mm/sである)で、増ちょう剤がウレア化合物であり、酸化防止剤が配合されている市販のグリースである。
トルクと耐焼付き性の評価結果を表1に示す。なお、この表1に示したトルクと焼付き寿命の数値は、比較例1のグリースを封入した試験軸受のトルクと焼付き寿命を1とした場合の相対値で示してある。
Figure 2009063154
表1から分かるように、オニオンライクカーボン微粒子の含有量が0.01質量%以上10質量%以下であると、転がり軸受が低トルクで焼付き寿命が優れていた。そして、0.05質量%以上3質量%以下であると、より低トルクで焼付き寿命が優れていた。
本発明に係る転動装置の実施形態である深溝玉軸受の構造を示す縦断面図である。 オニオンライクカーボンの積層構造を示すための中心を含む断面図である。 C1500の5回対称軸からの投影原子配列モデルを示す模式図である。
符号の説明
1 内輪
1a 軌道面
2 外輪
2a 軌道面
3 転動体
4 保持器
5 密封装置
G グリース
〜F フラーレン

Claims (8)

  1. 外面に軌道面を有する内方部材と、前記内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配された複数の転動体とを備え、少なくとも基油を含有する潤滑剤で潤滑される転動装置において、
    前記潤滑剤は、層状構造を有する球状の微粒子を添加剤として含有することを特徴とする転動装置。
  2. 前記潤滑剤は、増ちょう剤をさらに含有するグリースであることを特徴とする請求項1に記載の転動装置。
  3. 前記微粒子の平均一次粒径は、10nm以上500nm以下であることを特徴とする請求項2に記載の転動装置。
  4. 前記微粒子の含有量を、前記グリース全体の0.01質量%以上10質量%以下としたことを特徴とする請求項2又は3に記載の転動装置。
  5. 前記グリースの混和ちょう度は、日本工業規格JIS K2220に規定されたちょう度番号で1号以上4号以下であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の転動装置。
  6. 前記グリース中における前記微粒子の分散径が10nm以上1μm以下であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の転動装置。
  7. 前記潤滑剤は、フェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤の少なくとも一方を添加剤としてさらに含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の転動装置。
  8. 自動車電装部品用又は自動車エンジン補機用の転がり軸受、又は、真空環境下で使用される転動装置であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の転動装置。
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