JP2014040927A - 転がり装置、及びその使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 潤滑にナノ転動体を使用したベアリング、ボールねじ等の転がり装置において、少量の潤滑剤で低摩擦状態を長期間維持する。
【解決手段】 転がり装置内の2種類の摩擦、転がり摩擦と転がり接触面内の滑り摩擦、の摩擦係数の相違を利用して、前者はミリ転動体の転がり運動に担わせ、後者はナノ転動体の転がり運動に担わせる。
【選択図】図1

Description

本発明は、転がり装置の改良に関するものである。
特許文献1、特許文献2では、転がり装置の軌道面の一部について、転動体の接触半径を小さくした接触点変化路を形成することにより、接触点変化路から出て負荷を受ける転動体と、その後継の転動体との間に間隔を作る“自律分散式転がり軸受”の構造と、これにより転動体の競り合いを解消できることが開示されている。
また特許文献3では、図13の実験にて、転がり軸受の保持器のポケットにSiC粒子を付着させた繊維状カーボンナノ材料のメッキ皮膜を施すことにより、10〜20Nの摩擦力が14.5分間の間2.5N程度に低減した、と記載されている。短期間ではあるが、実験荷重9.8Nとの記載より、滑り部の摩擦係数が1〜2から0.25に改善したと理解できる。
また特許文献4では、ナノ転動体は、互いにせん断運動をする固体部分が境界条件において、ミクロンスケールでの固体間の初期の直接的な接触を防ぐ機能を有すること、実施例3で、“1%の5nBD(バッキーダイヤモンド、ナノ転動体の一種)を含有する水は0.005から0.01程度の驚くほど小さいμ値(摩擦係数)を示した。この超潤滑は少なくとも500分間保持され、十分な個数のスペーサーが使用されていることを示した。”と開示されている。
特開2007−177993号公報 特開2007−192412号公報 特開2013−104533号公報 特開2013−538274号公報
しかしながら、特許文献1、2の転がり装置によって転動体同士、或いは転動体と保持器との間の競り合いを解消し、当外部への潤滑を不要にしても、転がり接触部の面圧を低く抑えるためには、当外部に流体潤滑理論で示される微量の液膜が有用である。転がり装置に多量の油やグリースを供給するのであれば、この問題は解決されるが、余分な油やグリースは転がり装置の撹拌抵抗となるので好ましくなく、転がり接触部に微量の液膜を確保する手法は課題である。
また、特許文献3のカーボンナノ材料や、特許文献4のナノ転動体等の固体潤滑を転がり装置の滑り面に適用するとき、既存の油やグリース潤滑と異なり低い摩擦を極めて短期間しか維持できない課題がある。その理由は、固体潤滑剤では油潤滑の様な表面張力による油膜の再形成が行なわれないことにある。
以下に、固体潤滑剤の一種で、かつ転がり要素でもあるナノ転動体が転がり接触部から排除されてしまうメカニズムを説明する。
図5は、従来玉軸受の要部を示す。図5(A)は回転軸と直角方向の断面図、図5(B)は外輪軌道面を内輪側から見た平面図である。
外輪1の外輪軌道面1aと内輪2の内輪軌道面2aの間に直径がミリサイズのミリ転動体3が介挿されている。ミリ転動体3は隣接するミリ転動体との直接接触を避けるべく、保持器4によって転動自在に周囲を囲われている。直径が数nmのナノ転動体5は例えば特許文献3に開示されている、分散剤である流体に数%の濃度で混合され、軌道面、ミリ転動体、保持器の表面を潤滑剤として覆っている。
外輪軌道面1aとミリ転動体3は、ナノ転動体5を介して接触し負荷を支える。図5(B)の接触楕円1bがこの接触範囲を示している。
なお、図示されているミリ転動体とナノ転動体の寸法比は正確では無く、図はナノ転動体を100万倍程拡大した図面である。
また、図5(B)で、1cは外輪軌道面の両側端を示し、接触楕円1bは外輪軌道面1aとミリ転動体3との接触領域を示す。接触楕円1bは外輪軌道面の幅に対し10倍程拡大した図面である。
ナノ転動体5を潤滑剤とみなせば、外輪1と内輪2の相対回転によってミリ転動体3が自転と公転を行なう周知の軸受であるが、ナノ転動体5を転がり運動を行う転動体とみなした場合は、軌道間に直列にミリ転動体3とナノ転動体5が介在する構造、と理解されよう。
その理解において、外輪1を固定、内輪2が右方向に回転したとき、ミリ転動体3の転動のみによる転がり軸受の摩擦係数μm と、ナノ転動体5の転動のみによる転がり軸受の摩擦係数μnの関係が、μm<μnであれば、ミリ転動体3が周知の転がり運動(右方向への公転と右廻りの自転)を行い、ナノ転動体5は図示Vn方向に転がることはない(その際のナノ転動体の作用については後述する)。
逆に、μm>μnの場合、ミリ転動体3は動かず、ミリ転動体3と接触している少数のナノ転動体5aが、軌道面1aとミリ転動体3に挟まれて駆動力を得て、軌道を図示Vn方向に転がると考えられる。しかしミリ転動体3と接触していないナノ転動体5には駆動力はないので、外輪軌道面1aを覆うナノ転動体5が全体として軌道を周方向に公転することはない。よって駆動力を得たナノ転動体5aに押されたナノ転動体5周辺は密度が増して摩擦係数μnが増加、及び/又は、横方向に広がり、一部5bは外輪軌道面1aから排除されてしまう。
実際的には、ミリ転動体3と軌道面との接触楕円1b内の真実接触面(図中不記)にナノ転動体5が介在し、ミリ転動体3と保持器滑り部4aの真実接触面にナノ転動体が介在していない瞬間、等にμmがμnよりも大きくなることによって、ナノ転動体が大きく流動、流失し、低摩擦状態が持続しないことが、転がり軸受にナノ転動体を導入した時の問題である。
本発明は、転がり装置内の2種類の摩擦、転がり摩擦と転がり接触面内の滑り摩擦、の摩擦係数の相違を利用して、前者はミリ転動体の転がり運動に担わせ、後者はナノ転動体の転がり運動に担わせることにより、ナノ転動体を大きく流動させること無く転がり接触面に滞留させ、少量の潤滑剤で低摩擦状態を長期間維持することを課題とする。
請求項1に係る発明は、少なくとも1対の相対運動可能な軌道と、軌道の間に転動自在に介挿させた複数のミリ転動体により構成され、無潤滑における動摩擦係数が0.005未満である転がり装置であって、潤滑剤に少なくともナノ転動体を分散させた流体、または流体混合物を使用したことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、少なくとも1対の相対運動可能な軌道と、軌道の間に転動自在に介挿させた複数のミリ転動体により構成され、潤滑剤に少なくともナノ転動体を分散させた流体、または流体混合物を使用した転がり装置であって、1×10E6回転の間潤滑剤を補充すること無く、その間の転がり摩擦係数の平均値が0.005未満であることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、少なくとも1対の相対運動可能な軌道と、軌道の間に転動自在に介挿させた複数のミリ転動体により構成される転がり装置の使用方法であって、潤滑剤に少なくともナノ転動体を分散させた流体、または流体混合物を使用すると共に、前記ミリ転動体が軌道以外と接触しない状態で使用することを特徴とする転がり装置の使用方法である。
ナノ転動体の消費量が削減されるので、長期間補給すること無く、低摩擦を維持する転がり装置を提供できる。
玉軸受での実施例である。(実施例1) 非循環円筒ころ直動案内での実施例である。(実施例2) 玉軸受での耐久評価装置である。(実施例3) 玉軸受での耐久評価結果である。(実施例3) 玉軸受での従来例である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の記述的範囲を限定するものではない。
図1に玉軸受での実施例の要部を示す。図1(A)は回転軸と直角方向の要部断面図、図1(B)は外輪軌道面を内輪側から見た平面図である。
相対運動が可能な外輪1の外輪軌道面1aと内輪2の内輪軌道面2aの間に複数のミリ転動体3(直径が0.1mmから100mmの範囲から選定される略同一サイズの転動体)としての玉が転動自在に介挿されている。
外輪軌道面1aには、特許文献1に記載の接触角変化路(図中不記)が形成され、これにより接触角変化路から排出されるミリ転動体3は後継のミリ転動体3との間に隙間を作る“自律分散式転がり軸受”を形成しており、接触点変化路から出て負荷を受けるミリ転動体と、その後継のミリ転動体との間に間隔を作る。
本実施例は、微量の液膜環境において長期間作動する軸受を意図しているので、防錆のため、外輪1と内輪2には低温黒色クロム処理を施し、ミリ転動体3としての玉はステンレス、またはセラミックス、あるいはシリコン合金を使用している。
ナノ転動体5(粒径が数nm〜20nmの範囲に分布する準球形の高硬度粒子)は例えば分散剤である流体に濃度0.1%〜10%の範囲で混合され、外輪軌道面1a、内輪軌道面2a、ミリ転動体3の表面を覆っている。
図示されているミリ転動体3とナノ転動体5の寸法比は正確では無く、ナノ転動体5を実際よりも100万倍程拡大している。また、図1(B)で、1cは外輪軌道面の両側端を示し、接触楕円1bは外輪軌道面1aとミリ転動体3との接触領域を示す。例えば直径4mmのミリ転動体3を備えた玉軸受の外輪軌道面の両側端1cの幅は大凡3mm、一般的な負荷を受けた接触楕円1bの寸法は大凡、長円半径0.37mm、短円半径0.11mmである。よって図の接触楕円1bは外輪軌道面の幅に対し10倍程拡大した図面である。
図1の構造は、一対の軌道間に直列にミリ転動体3とナノ転動体5が介在する点で図5と同じである。よって、外輪1を固定、内輪2を右方向に回転させたとき、ミリ転動体3の転動による転がり軸受の摩擦係数μm と、ナノ転動体5の転動による転がり軸受の摩擦係数μnの関係、μm<μnを成立させれば、摩擦の小さいミリ転動体3が先に転がり運動(右方向への公転と右廻りの自転)をして、摩擦の大きいナノ転動体5は図示Vnの方向に転がらず、図5の様に軌道から排除されることがない。
μnの値は、特許文献4の実施例3で、“サファイヤとシリコン平面に挟まれた、5nBDを1%含む水性コロイド溶液の摩擦係数が0.005〜0.01”との記載より、安全側(ナノ転動体が軌道から排除されない側)の数値として0.005を採用する。
一方μmの値は、本実施例のミリ転動体と同様の保持器に拘束されていない鋼球の転がり摩擦の実験値として、機械工学便覧に記載の“無潤滑状態における平面とφ1.59mmの鋼球の転がり摩擦係数0.00002”が参酌できる。よって、本実施例によればμm<μnを成立させることは十分可能であり、ミリ転動体3が周知の転がり運動をして、ナノ転動体5は図示Vnの方向に転がらないので排除されることもない。
次に、ナノ転動体5の役割を説明する。周知の通り、転がり接触部の接触楕円内では、転動体の半径寸法の差に起因する差動滑り(接触楕円の中心部と周辺部とで、転動体の回転半径が異なることより、転動体の自転角当りの公転量に差が生じる。軌道との接触面でこの差分が滑る。)が存在する。作動滑りは局部的に観れば、軌道面1aとミリ転動体3との相対運動であるので、その間にナノ転動体5が介挿されることにより微小な転がり装置が形成されることとなる。
具体的には図1(B)において、外輪軌道面1aに分布しているナノ転動体5の殆どは静止しているが、接触楕円1bの内側では、純転がり部1dを境界に、中央側はミリ転動体の公転と逆方向(図中、左向き実線矢印)に、両端側はミリ転動体の公転方向(図中、右向き実線矢印)にナノ転動体5が転動する。ナノ転動体5は液体中に分散しているので、この転動によって液体に図の破線領域P1が高圧、P2が低圧となる圧力差が生じ、破線の矢印に示す液体の循環流を作り、ナノ転動体5が循環することで、微小な転がり装置が形成されて摩擦が低減すると共に、ナノ転動体が循環利用されるので、低摩擦状態を長期間維持する転がり装置が可能となる。
接触楕円1bはミリ転動体3の公転によって移動するので、接触楕円を外れるナノ転動体5cがあるが、新たに接触楕円に入って循環するナノ転動体5dもある。よって、接触楕円1bの移動によって接触楕円内、及び周辺のナノ転動体の密度が大きく変ることは無い。
また、接触楕円1b内でも軌道面1aとミリ転動体3との空隙、及びナノ転動体5の寸法は一定では無いので、全てのナノ転動体が図示の循環運動をするものでは無い。
なお、以上の接触楕円1bは、外輪軌道面1bとミリ転動体3との接触面に形成されるものであるが、内輪軌道面2aとミリ転動体3との接触面にも同様の接触楕円が形成され、ナノ転動体5の作用も同じである。
また、転がり接触部に生じるスピン滑りやジャイロ滑りも、差動滑りと同様に、ナノ転動体の循環による摩擦の低減が可能である。
本実施例は“自律分散式転がり軸受”の構成として説明したが、これに限るものではない。
例えば、保持器を使用しない総玉軸受であってもこれを稼動させる前に、全てのミリ転動体の間にシムを差し込み、当該軸受にアキシャル予圧を印加した後、当該シムを全て除去することにより、図1と同じ状態、即ちミリ転動体が軌道以外と接触しない状態にすることができるので、本発明が適用できる。
図2は、相対運動が可能なレール11のレール軌道面11aとスライダー2のスライダー軌道面2aの間に複数のミリ転動体3として円筒ころが転動自在に介挿されている、非循環型の直動案内での実施例を示す。図2(A)は円筒ころの回転中心である軸と直角方向の要部断面図、図2(B)は円筒ころの回転中心である軸と平行方向の断面図である。スライダー軌道面12aには、特許文献2に記載の接触点変化路(図中不記)が形成され、これにより接触点変化路から排出されるミリ転動体3は後継のミリ転動体3との間に隙間を作る“自律分散式転がり軸受”を形成している。実施例1に対し、ミリ転動体3が玉から円筒ころへ、軌道が円環から有端直線に変わっているが、発明の作用効果は実施例1と同じである。以下に相違点を説明する。
図2(B)では軌道面1とミリ転動体の外径面の表面粗さを示す方向についてナノ転動体の尺度と近い尺度で記載している。ミリ転動体が円筒ころの場合、通常転動体の半径寸法の差に起因する差動滑りに言及されることは無いが、実際には表面粗さによる転動体の半径寸法の差(図示のR2>R1)は存在するので、この半径差により滑りは発生、これも作動滑りと呼ぶ。そして接触領域内でのナノ転動体の循環移動により、作動滑りによる摩擦、摩耗を低減することができる。
なおミリ転動体に使用可能なころは、他に円錐ころやたる型ころがあり、また、ころ外径面の両端の外径を小さくするクラウニングが行なわれる場合がある。これらのころ形状も図示のR2、R1と同様に、転動体の半径寸法の差を有しているので、本発明が適用できることは明らかである。
玉軸受について、耐久運転による摩擦係数の特性評価を行った。 評価軸受の諸元を表1に示す。
軸受形式はアンギュラ玉軸受708C(開放型、外径22mm、接線角15°玉径4mm)である。
実施例Aは、軸受構造を“自律分散式転がり軸受”(英語表記の頭文字ADB)とし、材質をSUJ2とし、Nanolube社(U.S.A.)のナノダイヤモンド配合油を潤滑剤とした。
実施例Bは、実施例Aが途中で発錆したため、内外輪とナノ転動体を防錆仕様として実施した。
従来例Aは、軸受構造がADB、潤滑を動粘度2.2mm2/sの工作機械用作動油を潤滑剤とした。
従来例Bは、無潤滑での摩擦係数が0.005以上の保持器付き軸受にナノダイヤモンド配合油を使用した。
Figure 2014040927
耐久評価装置を図3に示す。試験軸受20は白灯油にて超音波洗浄、加熱乾燥の後、表1の潤滑剤を滴下して重り21に組付けた、その後の潤滑剤補充は一切していない。モータ(図中不記)を重り21に接続して120rpmで試験軸受20の内輪を回転させ、モータを離してから内輪停止までの時間を測定し、下式により摩擦係数に換算した。測定は基本的に24時間毎に実施、その間は図3の状態のまま120rpm連続運転を実施した。
摩擦係数μ=2×J×N/(F×Dp×ts)
J:重り21のイナーシャ5.27×10E-3 [kgm2]
N:測定開始時の回転数 12.6 [rad/s](=120rpm)
F:重り21によるアキシャル負荷 42.1 [N]
Dp:ミリ転動体3のピッチ直径 0.015 [m]
Ts:軸受内輪が停止するまでの時間 [s]
なおトルクを摩擦力に変換する際のモーメント距離について、軸受メーカが掲げる計算式では軸受内径dを採用しているが、ここでは特許文献4の摩擦係数と対比する必要上、工学的に正しいミリ転動体3のピッチ直径Dpとした。
耐久評価結果を図4に示す。従来例Aは36時間で摩擦係数が急増し終了した。摩擦係数急増の原因は潤滑油の流失と考えられる。
従来例Bは84時間で摩擦係数が急増し終了した。36時間での測定以降に摩擦係数0.005を超え、軌道面やミリ転動体表面のナノ転動体が大きく動かされ、流失したものと推定される。
実施例Aは、途中で鋼球に発錆が見られたため1×10E6回転を超える156時間で打ち切った。摩擦係数は平均0.0022、最大0.0035、打ち切り時点では0.0019と低く、際立った効果があると判断できる。なお発錆は環境との兼ね合いによる問題である。
実施例Bは、612時間での摩擦係数は平均0.00086で、なお継続中である。
この耐久評価結果より、自律分散式転がり軸受等の構成によって転動体の競り合いの解消を図った転がり装置において、潤滑剤に少なくともナノ転動体を分散させた流体、または流体混合物を使用することにより、1×10E6回転の間潤滑剤を補充すること無く、その間の転がり摩擦係数の平均値を0.005未満にできることが分かった。
耐久評価は継続しているが、見通しとしては、“3×10E7回転の間潤滑剤を補充すること無く”または“転がり摩擦係数の最大値が0.005未満”が達成できるものと考えている。
また評価は、シールの無い開放型軸受で、取付けが垂直軸方向であり保持器も無いことより潤滑剤が流失し易い条件であったが、重力方向の制約を受けるオイルパンやグリースの様に増ちょう剤に頼ることも無く、潤滑作用を長期間維持できることは産業上非常に有用である。
以上、実施例に基づいた説明をしたが、本発明の機構は、ミリ転動体、ナノ転動体共に機械的な転がりであって、両転動体の機能を摩擦係数によって分離したもの。よって適用可能な用途や材質などは実施例の記載に限らず多岐にわたる。
例えば、本発明の転がり装置は、特許文献1、及び特許文献2に記載の、転動体の循環構造を持つボールねじや直動案内等に適用できる。
また、ミリ転動体や軌道の材質は、軸受鋼の他、ステンレス鋼、チタン、セラミック、シリコン合金、カーボン、ガラス、樹脂、アルミニウムなどが適用できる。
さらに、ミリ転動体や軌道の表面処理は、四三酸化鉄皮膜、クロームメッキ、窒化チタン、セラミック溶射、DLC、硬質アルマイト、タフラムなどが適用できる。
また、ナノ転動体は、特許文献3に開示されているSiC粒子や特許文献4に開示されているナノころ粒子(爆轟法ナノダイヤモンド、バッキーダイヤモンド、窒化ホウ素、コランダム)など、粒径が数nm〜20nmの高硬度粒子であれば良い。
さらに、ナノ転動体の分散剤である流体は特許文献4に開示されている、エチレングリコール、ポリオキシエチレン、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレン、グリセリン、及びそれらの誘導体を含む多価アルコール、水、高沸点アルコールや、イオン性液体が適用できる。
ナノ転動体を分散させた溶液としては実施例3の他、株式会社ナノ炭素研究所のナノアマンドなどが適用できる。
産業機械、輸送機械、等に使用される転がり装置に広く利用できる。
1 外輪
1b 接触楕円
2 内輪
3 ミリ転動体
4 保持器
5 ナノ転動体
11 レール
12 スライダー
20 試験軸受
21 重り

Claims (6)

  1. 少なくとも1対の相対運動可能な軌道と、軌道の間に転動自在に介挿させた複数のミリ転動体により構成され、無潤滑における動摩擦係数が0.005未満である転がり装置であって、潤滑剤に少なくともナノ転動体を分散させた流体、または流体混合物を使用したことを特徴とする転がり装置。
  2. 少なくとも1対の相対運動可能な軌道と、軌道の間に転動自在に介挿させた複数のミリ転動体により構成され、潤滑剤に少なくともナノ転動体を分散させた流体、または流体混合物を使用した転がり装置であって、1×10E6回転の間潤滑剤を補充すること無く、その間の転がり摩擦係数の平均値が0.005未満であることを特徴とする転がり装置。
  3. 前記転がり装置が自律分散式転がり軸受の構成であることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の転がり装置。
  4. 前記転動体の材質がステンレス、またはセラミックス、あるいはシリコン合金であることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の転がり装置。
  5. 前記軌道面に低温黒色クロム処理を施したことを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の転がり装置。
  6. 少なくとも1対の相対運動可能な軌道と、軌道の間に転動自在に介挿させた複数のミリ転動体により構成される転がり装置の使用方法であって、潤滑剤に少なくともナノ転動体を分散させた流体、または流体混合物を使用すると共に、前記ミリ転動体が軌道以外と接触しない状態で使用することを特徴とする転がり装置の使用方法。
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