JPH1113769A - ハードディスクドライブ用転がり軸受 - Google Patents

ハードディスクドライブ用転がり軸受

Info

Publication number
JPH1113769A
JPH1113769A JP9164410A JP16441097A JPH1113769A JP H1113769 A JPH1113769 A JP H1113769A JP 9164410 A JP9164410 A JP 9164410A JP 16441097 A JP16441097 A JP 16441097A JP H1113769 A JPH1113769 A JP H1113769A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
bearing
oil
cage
lubricating oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9164410A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasunobu Fujita
安伸 藤田
Koichi Yatani
耕一 八谷
Magozo Hamamoto
孫三 浜本
Toshimi Takagi
敏己 高城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP9164410A priority Critical patent/JPH1113769A/ja
Publication of JPH1113769A publication Critical patent/JPH1113769A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/38Ball cages
    • F16C33/41Ball cages comb-shaped
    • F16C33/412Massive or moulded comb cages, e.g. snap ball cages
    • F16C33/414Massive or moulded comb cages, e.g. snap ball cages formed as one-piece cages, i.e. monoblock comb cages
    • F16C33/416Massive or moulded comb cages, e.g. snap ball cages formed as one-piece cages, i.e. monoblock comb cages made from plastic, e.g. injection moulded comb cages
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/38Ball cages
    • F16C33/41Ball cages comb-shaped
    • F16C33/418Details of individual pockets, e.g. shape or ball retaining means
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/04Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly
    • F16C19/06Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly with a single row or balls
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2370/00Apparatus relating to physics, e.g. instruments
    • F16C2370/12Hard disk drives or the like
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/66Special parts or details in view of lubrication
    • F16C33/6637Special parts or details in view of lubrication with liquid lubricant
    • F16C33/664Retaining the liquid in or near the bearing
    • F16C33/6648Retaining the liquid in or near the bearing in a porous or resinous body, e.g. a cage impregnated with the liquid

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Moving Of Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸受の諸特性に悪影響を与えることなく、耐
フレッチング摩耗性に優れ、また低トルク化及び低トル
ク変動化が計られ、かつ長寿命のHDD用転がり軸受を
提供すること。 【解決手段】 内輪2と外輪4との間に保持器7を介し
て複数個の転動体5を保持して構成される転がり軸受で
あって、前記内輪2、外輪4、保持器7及び転動体5の
表面に潤滑油からなる膜が成膜され、かつ前記保持器7
のポケットの少なくともラジアル方向における開口周縁
部の一部に面取りが施されていることを特徴とするハー
ドディスクドライブ用転がり軸受。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスクド
ライブ(以下HDDと称する)用転がり軸受に関し、特
にHDDの構成部品の一部であるアクチュエータ(特に
スイングアーム)のような揺動運動部分に好適な転がり
軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ関連産業は、他の産業分野
に比較すると歴史の浅い業種であるにも関わらず技術革
新のスピードが速い。特に、HDDは一つの機種の存在
期間が短い上、新技術を導入した新機種(小電力化、高
応答性、高精度化、コンパクト化等)が次々と開発され
ている。それに伴い、HDDに組み込まれる軸受には軸
受特性の改善とともに、長寿命化も要求されている。例
えば、スイングアームのような往復揺動運動部分に使用
される転がり軸受には、耐フレッチング摩耗性や低トル
ク化、更には長寿命化が要求されている。
【0003】HDDのスイングアームに組み込まれる転
がり軸受は、例えば図1に例示されるように、外周面に
内輪軌道1を有する内輪2と、内周面に外輪軌道3を有
する外輪4とを同心に配置し、内輪軌道1と外輪軌道3
との間に複数個の玉5,5を保持器7を介して転動自在
に設けることで構成される。また、外輪4の両端部内周
面には、それぞれ円輪状のシール板6,6が係止され、
軸受空間(内輪2、外輪4、玉5及び保持器7により形
成される空間)に存在する潤滑剤(図示せず)が外部に
漏洩したり、また外部に浮遊する塵芥が軸受空間に進入
するのを防止している。また、軸受の潤滑方式としては
グリース潤滑が主流であるが、軸受軌道面等に防錆潤滑
油を塗布し、更にグリースを充填する方式も採られてい
る。後者の潤滑方式では、初期潤滑を封入グリースによ
らず潤滑油で行うことにより潤滑性能の改善が図られて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スイン
グアーム用転がり軸受にあっては、微小角度(一般的に
揺動角度26°以下)での回転が繰り返されるが、上記
したグリース潤滑方式では潤滑剤が塊状で存在するた
め、内輪・外輪の軌道面と転動体との接触面からグリー
スが掻き出されて局部的な潤滑不良が起こりやすい。そ
して、この局部的な潤滑不良がフレッチング摩耗を引き
起こし、軸受寿命を短めてしまう。また、グリースの撹
拌抵抗により微小角度の回転トルクが増大したり、グリ
ースの引掛かり現象によるトルク変動を生じて、HDD
の高精度の読み取り及び書き込み動作の信頼性を低下さ
せる。
【0005】このような問題を解決する方法として、グ
リース充填量を減らすことにより低トルク化とトルク変
動の抑制とを図ることが試みられているが、グリース不
足によってもフレッチング摩耗は発生し、また潤滑作用
も早期に消失するため軸受寿命の観点から好ましくない
結果をもたらす。他方、グリースの充填量を増大する
と、フレッチング摩耗の発生が抑えられて軸受寿命を改
善できるが、軸受の低トルク化とトルク変動の抑制を図
ることが難しくなる。また、防錆潤滑油を併用する方式
では、特に初期の潤滑性能を改善する効果が認められる
ものの、本質的にグリースを充填する方式に変わりな
く、グリースに関連する問題を根本的に解決し得るもの
ではない。
【0006】更に、保持器のポケットの開口周縁部には
成形加工時のバリ等による鋭いエッジが残っていること
が多く、このエッジが障壁となって潤滑剤が転動体と保
持器との間に入り込み難くなり、潤滑不良を生じる。
【0007】本発明は上記したようなグリース潤滑方式
による転がり軸受及び保持器の問題点を解決すためにな
されたものであり、軸受の諸特性に悪影響を与えること
なく、耐フレッチング摩耗性に優れ、また低トルク化及
び低トルク変動化が計られ、かつ長寿命のHDD用転が
り軸受を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明に
係る、内輪と外輪との間に保持器を介して複数個の転動
体を保持して構成される転がり軸受であって、前記内
輪、外輪、保持器及び転動体の表面に潤滑油からなる膜
が成膜され、かつ前記保持器のポケットの少なくともラ
ジアル方向における開口周縁部の一部に面取りが施され
ていることを特徴とするHDD用転がり軸受により達成
される。
【0009】本発明のHDD用転がり軸受は、従来のグ
リースに代えて、内輪及び外輪の軌道面、転動体、保持
器の表面に潤滑油からなる膜を成膜して潤滑作用を発現
するものである。潤滑油はグリースに比べて流動性が格
段に高く、グリース潤滑のようなトルクの増大や変動を
生じることがない。また、グリースが内輪及び外輪の軌
道面と転動体との接触面から掻き出されることにより起
こる局部的な潤滑不良を起こすことも無く、耐フレッチ
ング摩耗性にも優れる。更に、保持器のポケットの開口
周縁部に面取りを施したことにより、保持器と転動体と
の間に潤滑油が入り込み易くなり、潤滑不良を起こし難
くなる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のHDD用転がり
軸受について詳細に説明する。本発明のHDD用転がり
軸受は、図1に示したようなHDD用転がり軸受の内輪
及び外輪の軌道面、転動体、保持器の表面(以下、潤滑
面と呼ぶ。)に潤滑油からなる膜が成膜されている。潤
滑油膜の膜厚は、0.03〜20μmであることが好ま
しい。膜厚が0.03μm未満では潤滑油膜が成膜され
ない部分が生じたり、潤滑寿命が短くなる。膜厚が厚く
なるほど潤滑寿命は長くなるが、20μmを越える膜厚
では発塵しやすくなり好ましくない。
【0011】潤滑油膜の成膜方法は特に制限されない
が、付着量(膜厚)の制御可能な方法を採用することが
好ましい。例えば、揮発性の有機溶剤に潤滑油を混合し
た希釈液中に軸受を浸漬し、引き上げた後有機溶剤を揮
発させる方法が採られる。また、希釈液をスプレー等に
より噴霧してもよい。この方法では、有機溶剤が揮発し
た後に潤滑油のみが表面に残存するため、希釈液中の潤
滑油の混合量により膜厚の制御が可能である。また、有
機溶剤で希釈することなく、所定量の潤滑油を軸受の内
部に直接注入する方法も可能である。この注入方法によ
れば、軸受の外表面に潤滑油膜が成膜されず、べとつき
感が無くなり更に良好である。
【0012】本発明の転がり軸受に組み込まれる保持器
は、ポケットの開口周縁部に面取りが施されている。図
2は使用可能な保持器7の一例(冠型保持器)を示す要
部斜視図であるが、図示されるように、保持器7は、合
成樹脂製で円環状の主部8と、この主部8の円周方向複
数個所に設けられ、その内側に転動体である玉5を1個
ずつ転動自在に保持する複数個のポケット9とを備えて
おり、更に各ポケット9のラジアル方向における開口周
縁部10,10には、所定長さに亘り面取り11,11
が施されている。この面取り11,11は、例えばバレ
ル加工により形成される。
【0013】図3は上記保持器7に玉5を保持させた状
態を示す断面図であるが、図示されるように、玉5の転
動に伴って周囲空間からこの玉5の転動面と、保持器7
のポケット9との間の隙間12内に入り込もうとする潤
滑油が、開口周縁部10,10部分であまり掻き取られ
ることなく、隙間12内に効率良く入り込む。その結
果、玉5の転動面と保持器7との間の隙間12に十分な
量の潤滑油が取り込まれ、しかも潤滑油を隙間12内に
長時間に亘り保持できる。
【0014】更に、保持器7に予め潤滑油を含有させて
軸受に組み込むことにより、潤滑寿命を更に改善するこ
とができる。即ち、軸受の回転とともに潤滑油が保持器
7の表面に滲み出し、この潤滑油が長期に亘り玉5と保
持器7との隙間12、更には他の潤滑面に供給される結
果、潤滑寿命の更なる延長が図られる。保持器7中の潤
滑油の含油量は、0.1〜80重量%の範囲であること
が好ましい。含油量が0.1重量%未満では、潤滑油の
供給量が少なすぎて潤滑寿命の延長に寄与しない。ま
た、含油量が80重量%を越える場合は、保持器7の機
械的強度が低下してしまう。特に好ましい含油量は、1
0〜70重量%である。
【0015】保持器7への潤滑油の含油方法は、所望す
る含油量に応じて選択される。含油量が少ない場合は、
保持器7を潤滑油中に浸漬する方法が最も簡便で、かつ
効率的である。その際、保持器中の潤滑油の含油量の調
整は保持器の浸漬時間により行うことができるが、保持
器を形成している樹脂の種類、あるいは樹脂と潤滑油と
の組み合わせにより樹脂の潤滑油の保持能力が異なるた
め、これらを考慮する必要がある。上記の含浸による方
法では概ね3重量%程度までの含油量とすることが可能
であるが、それ以上の含油量を所望する場合は、樹脂と
潤滑油とを混練した成形原料を保持器7の形状に射出成
形することが好ましい。
【0016】潤滑油は特に制限されないが、以下に述べ
る基油及び各種添加剤から構成される潤滑剤組成物を用
いることにより、本発明で目的とする耐フレッチング磨
耗性に優れた潤滑剤組成物を得ることができる。基油は
潤滑性や耐熱性、添加剤の溶解性を考慮するとエステル
油を含有することが好ましい。このエステル油は特に制
限されないが、二塩基酸と分岐アルコールとの反応から
得られるジエステル油、芳香族系酸塩基酸と分岐アルコ
ールとの反応から得られる芳香族エステル油、多価アル
コールと一塩基酸との反応から得られるヒンダードエス
テル油が好適に用いられる。低蒸発性(HDD中の記録
媒体を汚染しないため)を考慮すると、芳香族エステル
油、ヒンダードエステル油の中から選択され、単独また
は混合して用いるのが好ましい。
【0017】ジエステル油としては、ジオクチルアジペ
ート(DOA)、ジイソブチルアジペート(DIB
A)、ジブチルアジペート(DBA)、ジオクチルアゼ
レート(DOZ)、ジブチルセバケート(DBS)、ジ
オクチルセバケード(DOS)、メチル・アセチルリシ
ノレート(MAR−N)等が挙げられる。芳香族エステ
ル油としては、トリメリット酸エステル、ピロメリット
酸エステル、トリオクチルトリメリテート(TOT
M)、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロ
メリテート等が挙げられる。
【0018】ヒンダードエステル油としては、以下に示
す多価アルコールと一塩基酸とを適宜反応させて得られ
るものが挙げられる。多価アルコールに反応させる一塩
基酸は単独でもいいし、複数用いても良い。更に、多価
アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリ
ゴエステルであるコンプレックスエステルとして用いて
も良い。
【0019】多価アルコールとしては、トリメチロール
プロパン(TMP)、ペンタエリスリトール(PE)、
ジペンタエリスリトール(DPE)、ネオペンチルグリ
コール(NPG)、2−メチル−2−プロピル−1,3
−プロパン(MPPD)等が挙げられる。一塩基酸とし
ては、主にC4 〜C18の一価脂肪族が用いられる。具体
的には、酢酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、エナ
ント酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラ
ウリル酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、牛脂肪酸、ス
テアリン酸、カプロレイン酸、ウンデシレン酸、リンデ
ル酸、ツズ酸、フィゼテリン酸、ミリストレイン酸、パ
ルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライ
ジン酸、アスクレピン酸、バクセン酸、ソルビン酸、リ
ノール酸、リノレン酸、サビニン酸、リシノール酸等が
挙げられる。
【0020】以上のエステル油は、基油全量の少なくと
も20重量%以上、更に潤滑性を考慮した場合、ペンタ
エリスリトールエステル、または、ジペンタエリスリト
ールエステルの単独若しくは混合物がエステル油中に4
0重量%以上含まれることが好ましい。また、エステル
油が20重量%未満では、十分な耐フレッチング摩耗性
(潤滑性)が得られない。また、上限は、特に制限され
ない。更に、上記エステル油以外にも基油成分として合
成炭化水素油、エーテル油、鉱油を配合することが出来
る。
【0021】合成炭化水素油としては、ポリ−α−オレ
フィン油、α−オレフィン、エチレンとのコオリゴマー
合成油等が挙げられる。エーテル油としては、ジフェニ
ル、トリフェニル、テトラフェニルのC12〜C 20
(ジ)アルキル鎖が誘導された、フェニルエーテル油が
ある。特に低蒸発性を考慮すれば、(ジ)アルキルポリ
フェニルエーテル油が好ましい。これらの配合割合は、
上記エステル油量の規定から80重量%以下である。
【0022】基油動粘度は、40℃動粘度で30mm2
/s以上必要であり、30mm2 /s以下では回転時の
成膜性が十分でなく、軸受寿命が低下する。特に上限の
規定は設けていないが、取扱い性や油膜形成性、また、
トルクの増大を考慮すると、基油動粘度の上限は400
mm2 /sである。十分な耐フレッチング摩耗性を得る
油膜形成性を考慮すれば40mm2 /s〜200mm2
/sであることが好ましい。
【0023】また、錆止め剤や油性剤、酸化防止剤等を
添加することで、潤滑油膜の耐久性を向上させることが
出来る。錆止め剤としては、有機系スルフォン酸金属ま
たはエステル類が好ましい。有機系スルフォン酸塩とし
ては、例えば、ジノニルナフタレンスルホン酸及び、重
質アルキルベンゼンスルフォン酸等が使用され、その金
属塩としてカルシウムスルフォネート、バリウムスルフ
ォネート、ナトリウムスルフォネート等がある。エステ
ル類としてソルビタン誘導体では多塩基カルボン酸及び
多価アルコールの部分エステルとしてソルビタンモノラ
ウレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモ
ノオレエート、ソルビタントリオレエート等がある。ア
ルキル・エステル型ではポリオキシエチレンラウレー
ト、ポリオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチレ
ンステアレート等がある。
【0024】これら錆止め剤は、有機系スルフォン酸金
属塩とエステル類とを単独若しくは混合物として使用す
ることが出来る。油性剤としては、高級脂肪酸としてオ
レイン酸、ステアリン酸等、高級アルコールとしては、
ラウリルアルコール、オレイルアルコール等、アミンで
はステアリルアミン、セチルアミン等、りん酸エステル
ではりん酸トリクレジル等が好ましく、これらを単独若
しくは混合して使用にすることが出来る。酸化防止剤と
しては、含窒素化合物系酸化防止剤とフェノール系酸化
防止剤との混合物及び硫黄系酸化防止剤が好ましい。含
窒素化合物系酸化防止剤としては、フェニル−α−ナフ
チルアミン、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン、
オレイルアミドアミン、フェノチアジン等がある。
【0025】フェノール系酸化防止剤としては、p−t
−ブチル−フェニルサリシレート、2,6−ジ−t−ブ
チル−p−フェニルフェノール、2,2′−メチレンビ
ス(4−メチル−6−t−オクチルフェノール)、4,
4′−ブチリデンビス−6−t−ブチル−m−クレゾー
ル、テトラキス〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−t
−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、n−オクタデシル−β−(4′−ヒドロ
キシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオ
ネート、2−n−オクチル・チオ−4,6−ジ(4′−
ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチル)フェノキシ
−1,3,5−トリアジン、4,4′−チオビス−〔6
−t−ブチル−m−クレゾール〕、2−(2′−ヒドロ
キシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾール等のヒンダードフェノール
がある。
【0026】以上に加えて潤滑剤に極圧剤や粘度指数向
上剤、摩耗防止剤等を含有してもよい。これらは、何れ
も公知のもので構わない。
【0027】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り明確にする。 〔実施例1〜11及び比較例1〜8〕表1〜表5に示す
如く、種々の基油に共通の添加剤(酸化剤止剤、油性剤
等)を配合して潤滑剤を調製した。表中、基油の〔 〕
内の数値は潤滑剤全量に対する含有率(重量%)を示
す。また、添加剤は潤滑剤全量の5重量%となるように
配合してある。そして、有機溶剤に表1〜表5に示す膜
厚となるように潤滑剤の混合量を調整した溶液に試験軸
受(単列深みぞ玉軸受、非接触スチールシール(Z
形)、呼び番号:SR1810、寸法:内径7.94m
m×外径12.7mm×幅3.97mm)を浸漬し、引
き上げ後有機溶剤を揮発させた。また、保持器は予め潤
滑剤を含有させたもので、かつ図2に示すような冠型保
持器に面取りを施したもの(実施例)、または面取りを
施さないもの(比較例)を組み込んだ。各保持器の含油
量は、表1〜表5に示す通りである。尚、比較例8とし
てLiグリースを封入した試験軸受を用いた。上記の如
く作成した試験軸受について以下に示す項目の各種試験
を行い、それぞれの試験結果を表1〜表5に併記した。
【0028】(1)揺動耐久試験 この試験は軸受の耐フレッチング磨耗性及びその耐久性
(寿命)を評価するために行うもので、試験条件は以下
の通りである。 揺動周波数 :30Hz 外輪揺動角度 :8° アキシャル荷重 :29.4N 揺動繰り返し回数:500万回 雰囲気温度 :常温 揺動耐久性の評価は、揺動耐久試験後に各試験軸受を分
解し、内輪、外輪及び保持器の摩耗状態を観察すること
で行い、内輪軌道面、外輪軌道面、保持器に摩耗箇所が
存在しないものを表中「○」で示し、内輪軌道面、外輪
軌道面に走行跡があるものを表中「△」で示し、共に合
格とした。また、内輪軌道面、外輪軌道面に摩耗箇所が
発生しているものを表中「×」で示し、不合格とした。
【0029】(2)発塵試験 密封された容器中で試験軸受の外輪を7200rpmで
回転させ、その際に発生する塵の数をアウトパーティク
ルカウンタで測定した。発塵量は、0.1cf(立方フ
ィート)中に存在する粒径0.1μm以上の塵の数をカ
ウントし、1時間経過した時点での発塵量(個数)が発
塵量が150個以下のものを表中「○」で示し、合格と
した。また、発塵量が151個以上のものを表中「×」
で示し、不合格とした。
【0030】(3)トルク試験 試験軸受を9.8Nのアキシャル荷重を付与した状態で
回転装置により内輪を2rpmで回転させ、その回転初
期に要するトルク及びトルク変動を測定した。内輪の回
転に要するトルクが1.0gf・cm以下で、且つトル
ク変動が0.2gf・cmであるものを表中「○」で示
し、合格とした。また、それ以上を表中「×」で示し、
不合格とした。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】表1〜表5から、本発明に従う各実施例に
示した試験軸受は、揺動耐久性、発塵性能及びトルク性
能の全てにおいて良好であることが判る。これに対して
比較例の試験軸受では、面取りを施していない保持器を
組み込んだものは揺動耐久性に劣る傾向にあり、潤滑寿
命の点で問題があることが判る。また、Liグリースを
封入した試験軸受は、トルク性能に劣ることが確認され
た。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のHDD用
転がり軸受は、従来のグリースに代えて、潤滑面に潤滑
油からなる膜を成膜して潤滑作用を発現するものであ
る。潤滑油はグリースに比べて流動性が格段に高く、グ
リース潤滑のようなトルクの増大や変動を生じることが
ない。また、グリースが内輪及び外輪の軌道面と転動体
との接触面から掻き出されることにより起こる局部的な
潤滑不良を起こすことも無く、耐フレッチング摩耗性に
も優れる。更に、保持器のポケットの開口周縁部に面取
りを施したことにより、保持器と転動体との間に潤滑油
が入り込み易くなり、潤滑不良を起こし難くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】HDD用転がり軸受の一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明に係る、面取りを施した保持器の一例を
示す要部斜視図である。
【図3】図2に示す保持器に転動体(玉)を保持させた
状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 内輪軌道 2 内輪 3 外輪軌道 4 外輪 5 玉 6 シール板 7 保持器 8 主部 9 ポケット 10 開口周縁部 11 面取り 12 隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高城 敏己 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪と外輪との間に保持器を介して複数
    個の転動体を保持して構成される転がり軸受であって、
    前記内輪、外輪、保持器及び転動体の表面に潤滑油から
    なる膜が成膜され、かつ前記保持器のポケットの少なく
    ともラジアル方向における開口周縁部の一部に面取りが
    施されていることを特徴とするハードディスクドライブ
    用転がり軸受。
JP9164410A 1997-06-20 1997-06-20 ハードディスクドライブ用転がり軸受 Pending JPH1113769A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9164410A JPH1113769A (ja) 1997-06-20 1997-06-20 ハードディスクドライブ用転がり軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9164410A JPH1113769A (ja) 1997-06-20 1997-06-20 ハードディスクドライブ用転がり軸受

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1113769A true JPH1113769A (ja) 1999-01-22

Family

ID=15792623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9164410A Pending JPH1113769A (ja) 1997-06-20 1997-06-20 ハードディスクドライブ用転がり軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1113769A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6271182B1 (en) 1999-11-13 2001-08-07 Minebea Co., Ltd Rolling device for information apparatus
US6730639B1 (en) 1999-11-13 2004-05-04 Minebea Co., Ltd. Grease composition for bearings of information devices
JP2010106952A (ja) * 2008-10-30 2010-05-13 Ntn Corp 転がり軸受、画像形成装置、自動車補機およびモータ
EP2267324A1 (en) * 2008-03-21 2010-12-29 NTN Corporation Retainer for ball bearing, ball bearing with the retainer, and method of manufacturing the retainer
JP2012052615A (ja) * 2010-09-02 2012-03-15 Ntn Corp 密封型転がり軸受
JP2012067912A (ja) * 2010-08-23 2012-04-05 Nsk Ltd 転がり軸受

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6271182B1 (en) 1999-11-13 2001-08-07 Minebea Co., Ltd Rolling device for information apparatus
US6730639B1 (en) 1999-11-13 2004-05-04 Minebea Co., Ltd. Grease composition for bearings of information devices
EP2267324A1 (en) * 2008-03-21 2010-12-29 NTN Corporation Retainer for ball bearing, ball bearing with the retainer, and method of manufacturing the retainer
EP2267324A4 (en) * 2008-03-21 2014-07-02 Ntn Toyo Bearing Co Ltd HOLDER FOR A BALL BEARING, BALL BEARING WITH THE HOLDER AND METHOD FOR PRODUCING THE HOLDER
JP2010106952A (ja) * 2008-10-30 2010-05-13 Ntn Corp 転がり軸受、画像形成装置、自動車補機およびモータ
JP2012067912A (ja) * 2010-08-23 2012-04-05 Nsk Ltd 転がり軸受
JP2012052615A (ja) * 2010-09-02 2012-03-15 Ntn Corp 密封型転がり軸受

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6417143B1 (en) Rolling bearings and greases for the same
JP6359219B1 (ja) グリース組成物および転がり軸受
JP3508790B2 (ja) 転がり軸受
JP4766056B2 (ja) 転がり軸受
JPH1113769A (ja) ハードディスクドライブ用転がり軸受
JPH10339326A (ja) ハードディスクドライブ用転がり軸受
US7234872B2 (en) Rolling Bearing
JP2001003074A (ja) ころがり軸受封入用グリース
JP2000198993A (ja) 転がり軸受および転がり軸受用グリ―ス
JPH11325086A (ja) Hdd用転がり軸受
JP2001123190A (ja) グリース封入転がり軸受
JP2000192973A (ja) 低発塵性転がり軸受
JP2000199526A (ja) 転がり軸受
JP2007303661A (ja) 転がり軸受及びその製造方法、並びに転がり軸受の製造方法を評価する方法
JP2004059814A (ja) グリース組成物及び転動装置
JP2003292984A (ja) 転がり軸受用潤滑剤組成物及び転がり軸受の製造方法
JP2003113845A (ja) 転がり軸受
JP7381786B2 (ja) 転がり軸受、ピボットアッシー軸受、およびディスク駆動装置
JP2004176774A (ja) 転動装置
JPH08303467A (ja) 転がり軸受
WO2023074695A1 (ja) 転がり軸受、ピボットアッシー軸受、およびディスク駆動装置
JPH09257043A (ja) 転がり軸受
JP2002276675A (ja) 転がり軸受
JP2003239986A (ja) 玉軸受
JP2007177141A (ja) グリース組成物及び転動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040428

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040621

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040901