JP3508790B2 - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JP3508790B2
JP3508790B2 JP10710395A JP10710395A JP3508790B2 JP 3508790 B2 JP3508790 B2 JP 3508790B2 JP 10710395 A JP10710395 A JP 10710395A JP 10710395 A JP10710395 A JP 10710395A JP 3508790 B2 JP3508790 B2 JP 3508790B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハードディスクドライ
ブ(HDD)、ビデオテープレコーダ(VTR)、デジ
タルオーディオテープレコーダ(DAT)、レーザビー
ムプリンター(LBP)等に使用する転がり軸受に関す
る。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ関連産業は、他の産業分野
に比較すると歴史の浅い業種であるにもかかわらず技術
革新のスピードが早い。特にHDDは一つの機種の存在
期間が短い上、新技術を導入した新機種(高精度、コン
パクト化)が次々と生まれている。これらに伴い、HD
D等情報機器に使用される転がり軸受も高温での使用や
外輪の高速回転等使用条件が厳しくなり、しかもその一
方で低トルクや低ジッター、長寿命化等が望まれてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
VTR、HDD、DAT、LBP等に使用される転がり
軸受は、グリースを充填した潤滑方式や、軸受軌道面等
に潤滑油を塗油し更にグリースを封入するという方法が
採られているが、何れも低トルク、低ジッター、長寿命
化等に十分な効果が得られていない状況にある。例え
ば、HDD等情報機器等に使用される転がり軸受にあっ
ては、グリース潤滑が主流となっているが、そのグリー
ス封入形態が一様でないために潤滑の態様が一様でなか
ったり、トルク変動を助長することもある。
【0004】一般的に、上記のようなグリース潤滑で
は、グリースの攪拌抵抗のために回転トルクが大きくな
り、しかもグリースが転がり軸受から飛散して、使用環
境を汚染するという問題も抱えている。このようなトル
ク大や使用環境の汚染は、VTRやHDD、DAT、L
BP等の作動に多大な悪影響を及ぼす。例えば、HDD
においては、ヘッドの損傷や読み取り及び書き込みエラ
ーに結びつくため好ましくない。そこで、グリース封入
量の少量化などで対応しているが、場合によっては潤滑
作用の不足や潤滑耐久性の低下等の問題が生じる。ま
た、初期の潤滑を封入グリースによらず、軸受軌道面等
に潤滑油を施すことで潤滑性を改善することも行われて
いる。しかし、この場合も、特に高温・高速回転という
厳しい環境で使用されるHDD等には十分対応できない
という問題点があった。
【0005】一方、グリースを全く使用せず、軸受軌道
面等に潤滑油を塗油することで、上記のような問題を解
決することも行われている。例えば、特開平5−149
343号では潤滑油(ポリα−オレフィン油、ポリオー
ルエステル油、ポリフェニルエーテル油、シリコーン
油、フッ素油等)を内・外輪軌道面、転動体および保持
器表面に塗油することにより、冷時における異音が防止
できると提案している。しかし、高温・高速回転下にお
ける音響特性等の知見が得られていない。また、特開昭
64−46011号公報にも、同様に、潤滑油を塗油し
た回転支持装置が記載されているが、潤滑油の量が必ず
しも十分に確保できず、使用状態によっては十分な耐久
性を確保できない場合が考えられる。
【0006】そこで、本発明は上記のような従来のグリ
ース潤滑転がり軸受、更には潤滑油を塗油した転がり軸
受の問題点を解決するためになされたもので、軸受の諸
特性に悪影響を与えず、且つ高温・高速化、低発塵化、
長寿命化を計った転がり軸受を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明の、
40℃での粘度が10〜500mm 2 /sで、ジエステ
ル油又はポリオールエステル油の少なくとも一種を含有
するエステル油、0.05〜10重量%の酸化防止剤、
2〜20重量%のさび止め剤、0.5〜10重量%の油
性剤を含む潤滑剤組成物が、少なくとも内・外輪軌道面
及び転動体の表面に0.03〜10μmの膜厚で成膜さ
れたことを特徴とする転がり軸受、並びに40℃での粘
度が10〜500mm 2 /sで、ジエステル油又はポリ
オールエステル油の少なくとも一種を含むエステル油を
基油全量の20重量重%以上含有し、かつ合成炭化水素
油又はエーテル油との混合油である基油、0.05〜1
0重量%の酸化防止剤、2〜20重量%のさび止め剤、
0.5〜10重量%の油性剤を含む潤滑剤組成物が、少
なくとも内・外輪軌道面及び転動体の表面に0.03〜
10μmの膜厚で成膜されたことを特徴とする転がり軸
によって達成される。
【0008】
【作用】イルプレーティングは、通常厚さ数十μm以
下の薄膜として内・外輪軌道面や転動体等の表面に成膜
される。このような薄膜においては、特に高温・高速回
転時に、潤滑剤組成物を構成する基油が熱分解により酸
化して劣化し易くなる。そこで、本発明では基油として
エステル油にジエステル油またはポリオールエステル油
を含有させることで耐熱性を高めるとともに、その粘度
も規定することで潤滑性を確保しつつ、更に特定の酸化
防止剤とさび止め剤とを加えることで、基油の熱分解に
よる酸化を抑制するとともに、塗油面のさびの発生を防
止している。従って、このような潤滑剤組成物のプレー
ティングを施した転がり軸受は、高温・高速回転の使用
条件においても良好に機能し、また耐久性にも優れる。
【0009】以下、本発明の転がり軸受について詳細に
説明する。本発明において、潤滑剤組成物に使用される
基油は、エステル油を必須成分とする。このエステル油
は特に限定されないが、二塩基酸と分枝アルコールの反
応から得られるジエステル油、芳香族系三塩基酸と分枝
アルコールの反応から得られる芳香族エステル油、多価
アルコールと一塩基酸の反応から得られるヒンダードエ
ステル油が好適に用いられる。耐熱性(使用条件が高温
高速下)を考慮すると、芳香族エステル油、ヒンダード
エステル油の中から選択され、単独または混合して用い
るのが特に好ましい。
【0010】ジエステル油としては、ジオクチルアジペ
ート(DOA)、ジイソブチルアジペート(DIB
A)、ジブチルアジペート(DBA)、ジオクチルアゼ
レート(DOZ)、ジブチルセバケート(DBS)、ジ
オクチルセバケート(DOS)、メチル・アセチルリシ
ノレート(MAR−N)等が挙げられる。
【0011】芳香族エステル油としては、トリオクチル
トリメリテート(TOTM)、トリデシルトリメリテー
ト、テトラオクチルピロメリテート等が挙げられる。
【0012】ヒンダードエステル油としては、以下に示
す多価アルコールと一塩基酸を適宜反応させて得られる
ものが挙げられる。多価アルコールに反応させる一塩基
酸は単独でもいいし、複数用いてもよい。さらに、多価
アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリ
ゴエステルであるコンプレックスエステルとして用いて
も良い。多価アルコールとしては、トリメチロールプロ
パン(TMP)、ペンタエリスリトール(PE)、ジペ
ンタエリスリトール(DPE)、ネオペンチルグリコー
ル(NPG)、2−メチル−2−プロピル−1,3−プ
ロパンジオール(MPPD)等が挙げられる。一塩基酸
としては、主にC4 〜C18の一価脂肪酸が用いられる。
具体的には、例えば酢酸、吉草酸、カプロン酸、カプリ
ル酸、エナント酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデ
カン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、牛
脂肪酸、スレアリン酸、カプロレイン酸、ウンデシレン
酸、リンデル酸、ツズ酸、フィゼテリン酸、ミリストレ
イン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン
酸、エライジン酸、アスクレピン酸、バクセン酸、ソル
ビン酸、リノール酸、リノレン酸、サビニン酸、リシノ
ール酸などがある。
【0013】以上のエステル油は、基油全量の少なくと
も20重量%以上、更に音響特性を考慮した場合、ペン
タエリスリトールエステル又はジペンタエリスリトール
エステルの単独もしくは混合物がエステル油中に40重
量%以上含まれることが望ましい。エステル油が20重
量%未満では、高温・高速耐久性が十分得られない。ま
た、上限は特に制限されない。
【0014】滑剤組成物には、エステル油以外にも基
油成分として合成炭化水素油、エーテル油を配合するこ
とができる。合成炭化水素油としては、ポリ−α−オレ
フィン油、α−オレフィンとエチレンとのコオリゴマー
合成油等がある。エーテル油としては、ジフェニル、ト
リフェニル、テトラフェニルのC12〜C20の(ジ)アル
キル鎖が誘導された、フェニルエーテル油がある。特に
高温・高速耐久性を考慮すれば、(ジ)アルキルポリフ
ェニルエーテル油が好ましい。これらの配合割合は、上
記エステル油量の規定から80重量%以内である。
【0015】基油粘度は、40℃動粘度で10mm2
s以上必要であり、10mm2 /s未満では回転時の成
膜性が十分でなく、音響特性が劣る。特に上限の規定は
もうけていないが、粘度が高過ぎると取扱上好ましくな
いし、トルクにも影響する。一般的な軸受油の粘度グレ
ードを考慮すると、基油粘度の上限は500mm2 /s
である。
【0016】滑剤組成物に使用されるさび止め剤とし
ては、さび止め性が良好な有機系スルホン酸金属塩又は
エステル類が好ましい。有機系スルホン酸塩としては、
例えばジノニルナフタレンスルホン酸及び重質アルキル
ベンゼンスルホン酸などが使用され、その金属塩として
カルシウムスルホネート、バリウムスルホネート、ナト
リウムスルホネートなどがある。 エステル類としてソ
ルビタン誘導体では多塩基カルボン酸及び多価アルコー
ルの部分エステルとしてソルビタンモノラウレート、ソ
ルビタントリラウレート、ソルビタンモノステアレー
ト、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレ
エート、ソルビタントリオレエートなどがある。アルキ
ル・エステル型ではポリオキシエチレンラウレート、ポ
リオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチレンステ
アレートなどがある。
【0017】これらさび止め剤は、有機系スルホン酸金
属塩とエステル類とを単独もしくは混合物として使用す
ることができる。また、前記さび止め剤の含有量は、潤
滑剤組成物全量に対して2重量%以上である。さび止め
剤の含有率が2重量%未満の場合には、有効な防錆効果
が得られない。一方20重量%以上添加しても、添加量
の増大に応じた防錆効果を期待できずコストアップの要
因にもつながる。従って、さび止め剤の含有量は、2〜
20重量%が好ましい。
【0018】滑剤組成物に使用される油性剤として
は、高級脂肪酸としてオレイン酸、ステアリン酸など、
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、オレイ
ルアルコールなど、アミンではステアリルアミン、セチ
ルアミンなど、リン酸エステルではリン酸トリクレジル
などがある。油性剤により、耐摩耗性などの潤滑性能を
一層向上させることができ、上記物質を単独もしくは混
合物として使用する。油性剤の含有率は、0.5重量%
以上である。この含有率が0.5重量%未満の場合に
は、摩耗低減効果を得られない。また、10重量%以上
添加しても、添加量の増大に応じた効果を期待できずコ
ストアップの要因にもつながる。音響特性、コストなど
を考慮した場合、油性剤の含有率は0.5〜10重量%
が好ましい。更に、1〜5重量%が好ましい。
【0019】滑剤組成物に使用される酸化防止剤は、
含窒素化合物系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤と
の混合物である。含窒素化合物系酸化防止剤としては、
フェニルαナフチルアミン、ジフェニルアミン、フェニ
レンジアミン、オレイルアミドアミン、フェノチアジン
などがある。フェノール系酸化防止剤としては、p−t
ert−ブチル−フェニルサリシレート、2,6−ジ−
tert−ブチル−p−フェニルフェノール、2,2′
−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフ
ェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6
−tert−オクチルフェノール)、4,4′−ブチリ
デンビス−6−tert−ブチル−m−クレゾール)、
テトラキス〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−ter
t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)ベンゼン、n−オクタデシル−β−(4′−
ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)プロピオネート、2−n−オクチル・チオ−4,6
−ジ(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−
ブチル)フェノキシ−1,3,5−トリアジン、4,
4′−チオビス−〔6−tert−ブチル−m−クレゾ
ール〕、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブ
チル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾールなどのヒンダードフェノールがある。
【0020】これら酸化防止剤の含有率は、0.05重
量%以上である。この含有率が0.05重量%未満の場
合には、潤滑油の酸化防止効果を低下させ十分な潤滑性
を維持できない。また、10重量%以上添加しても、添
加量の増大に応じた潤滑油の酸化防止効果が期待できず
コストアップの要因にもつながる。従って、音響特性や
コストなどを考慮した場合、酸化防止剤の含有率は0.
05〜10重量%が好ましい。更に、0.1〜10重量
%が好ましい。更に、含窒素化合物系酸化防止剤とフェ
ノール系酸化防止剤との混合比は、1:9〜9:1であ
ることが好ましく、この範囲とすることで潤滑油の酸化
防止効果が上り、高温・高速回転による音響特性を向上
させることができる。尚、含窒素化合物系酸化防止剤ま
たはフェノール系酸化防止剤のどちらか一方のみでは、
音響特性の向上は得られない。
【0021】滑剤組成物は上記物質を必須成分とする
ものであるが、その効果を損なわない範囲で極圧剤や粘
度指数向上剤、摩耗防止剤などを含有してもよい。
【0022】一方、本発明の転がり軸受は、その構造に
おいて特徴となる部分はなく、外輪と内輪との間に保持
器を介して複数個の転動体を保持して構成される。そし
て、内・外輪軌道面、転動体及び保持器の表面に、上記
の潤滑剤組成物を0.03〜10μmの膜厚となるよう
に成膜されて完成する。潤滑剤組成物の膜厚が0.03
μm未満の場合には、部分的に潤滑油が存在しない部分
が生じて耐久性が不足する。反対に膜厚が10μmを越
えた場合には、潤滑剤組成物の膜が抵抗となって回転ト
ルクが増加したり、発塵量も多くなる。また、特に好ま
しい膜厚は1〜10μmである。潤滑剤組成物の成膜方
法は特に制限されないが、膜厚の制御が可能な方法を採
用する必要がある。例えば、組み立てた転がり軸受を潤
滑剤組成物中に浸漬し、引き上げた後、遠心脱油を行う
ことで、遠心脱油における回転速度や時間により膜厚を
調整しつつ成膜することができる。
【0023】
〔実施例1〜2及び比較例1〜12〕
実施例及び比較例に用いた潤滑剤組成物の各成分及びそ
の量は、第1表に示す通りである。尚、表中〔 〕内
は、潤滑剤組成物全体中の含有率〔重量%〕で示してお
り、従って〔 〕内の数値の合計は100となる。ま
た、基油の40℃における粘度を併記した
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】そして、実施例及び比較例の潤滑剤組成物
を、下記の軸受に塗布して被験体を作製した。 ○用いた軸受の種類 単列深みぞ玉軸受、非接触ゴムシール(V形)、呼び番
号695、寸法は内径5mm×外径13mm×幅4mm ○軸受への潤滑剤組成物の塗布方法及び膜厚調整方法 軸受を潤滑剤組成物に浸漬し、その後引き上げてエアー
を吹き付けて液切して余分な潤滑剤組成物を除去した。
更に、遠心分離機により軸受に残留している潤滑剤組成
物を除去した。膜厚の調整は、遠心分離機が発生する遠
心力の大きさ並びに回転継続時間を調整することで行っ
た。各被験体に成膜した潤滑剤組成物の膜厚を、第1表
に併記する。
【0031】<試験内容>以下の項目の各種特性試験を
行った。 (1)軸受音響試験 軸受回転数:7,200rpm(外輪回転) アキシャル荷重:2kgf 雰囲気温度:70℃ (判定基準)軸受の音響測定はアンデロンメータを用い
て行い、潤滑剤組成物を塗布した直後の軸受アンデロン
値(初期アンデロン値)と、5000時間回転後の軸受
アンデロン値とを比較して音響特性の判定を行った。初
期アンデロン値からの上昇値を第1表に下記の記号で表
記し、2.5以下を合格とした。 ☆:0.5以下 合格 ◎:0.6〜1.0 合格 ○:1.1〜2.5 合格 −−−−−−−−−−−−−−−− △:2.6〜5.0 不合格 ×:5.1以上 不合格
【0032】(2)さび止め性試験 軸受:呼び番号695の内輪及び外輪 雰囲気:20℃×90%RH(3時間)放置と50℃×
90%RH(3時間)放置のサイクルを交互に繰り返
す。 放置時間:7日間 (判定基準)内輪及び外輪を顕微鏡にてさびの発生を確
認した。結果を第1表に下記の記号で表記し、さびなし
を合格とした。 ○:さびなし 合格 −−−−−−−−−−−−− △:さび数点 不合格 ×:さび多数 不合格
【0033】(3)発塵量の測定 密封された容器中で軸受を7,200rpmで回転(外
輪回転)させ、その際発生する塵の数をアウトパーティ
クルカウンターで測定して発塵量とした。発塵量は、
0.1cf(立方フィート)中に存在する、粒径0.1
μm以上の塵の数をカウントすることで行い、1時間経
過した時点での発塵量が150個以下を合格とした。測
定結果を、数値で第1表に示す。
【0034】以上の試験結果から、実施例に示す潤滑剤
組成物を適用した転がり軸受は、音響特性、さび止め
性、発塵量の全てにおいて優れた特性を有することが確
認された。これに対し、比較例のように、本発明で規定
した成分を含まないもの、あるいは成分量が本発明の範
囲外であるものは、音響特性、さび止め性、発塵量の各
特性の何れかの特性に劣る。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の転がり軸
受は、コーティングされる潤滑剤組成物が、ジエステル
油またはポリオールエステル油を含有するエステル油を
基油とすることから耐熱性が高まるとともに、その粘度
も規定されて潤滑性が確保されており、更に特定の酸化
防止剤とさび止め剤とを含有するため基油の熱分解によ
る酸化が抑制されて塗油面のさびの発生が防止され、結
果として、高温・高速回転化でも軸受音響性能を十分に
確保しつつ、低発塵化、高防錆性、低発塵化、長寿命化
等が実現できる
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10M 105:36 C10M 105:38 105:38 107:02 107:02 129:06 129:06 129:10 129:10 129:26 129:26 129:68 129:68 133:00 133:00 135:10 135:10 137:04 137:04) C10N 20:02 C10N 20:02 30:00 Z 30:00 30:06 30:06 30:10 30:10 30:12 30:12 40:02 40:02 (72)発明者 中 道治 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−149343(JP,A) 特開 昭59−11397(JP,A) 特開 昭60−84394(JP,A) 特開 平6−306383(JP,A) 特開 平4−236298(JP,A) 特開 平1−188592(JP,A) 特開 平3−79698(JP,A) 特開 平5−70788(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 33/66 C10M 105/02 - 105/06 C10M 105/18 C10M 105/32 - 105/48 C10M 107/02 - 107/18 C10M 129/04 - 129/14 C10M 129/24 - 129/84 C10M 129/88 - 129/95 C10M 133/00 - 133/58 C10M 135/10 C10M 137/04 - 137/10 C10M 169/04 C10N 20:02 C10N 30:00 C10N 30:06 C10N 30:10 C10N 30:12 C10N 40:02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 40℃での粘度が10〜500mm 2
    sで、ジエステル油又はポリオールエステル油の少なく
    とも一種を含有するエステル油、0.05〜10重量%
    の酸化防止剤、2〜20重量%のさび止め剤、0.5〜
    10重量%の油性剤を含む潤滑剤組成物が、少なくとも
    内・外輪軌道面及び転動体の表面に0.03〜10μm
    の膜厚で成膜されたことを特徴とする転がり軸受
  2. 【請求項2】 40℃での粘度が10〜500mm 2
    sで、ジエステル油又はポリオールエステル油の少なく
    とも一種を含むエステル油を基油全量の20重量%以上
    含有し、かつ合成炭化水素油又はエーテル油との混合油
    である基油、0.05〜10重量%の酸化防止剤、2〜
    20重量%のさび止め剤、0.5〜10重量%の油性剤
    を含む潤滑剤組成物が、少なくとも内・外輪軌道面及び
    転動体の表面に0.03〜10μmの膜厚で成膜された
    ことを特徴とする転がり軸受
  3. 【請求項3】 前記酸化防止剤が、含窒素化合物系酸化
    防止剤:フェノール系酸化防止剤=1:9〜9:1とす
    る混合物であることを特徴とする請求項1または2記載
    転がり軸受
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