JP2006152499A - ポリ乳酸加工糸とその製造方法 - Google Patents

ポリ乳酸加工糸とその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006152499A
JP2006152499A JP2004346459A JP2004346459A JP2006152499A JP 2006152499 A JP2006152499 A JP 2006152499A JP 2004346459 A JP2004346459 A JP 2004346459A JP 2004346459 A JP2004346459 A JP 2004346459A JP 2006152499 A JP2006152499 A JP 2006152499A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
processed yarn
polylactic acid
yarn
less
woven
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004346459A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4553703B2 (ja
Inventor
Yasuo Kishida
恭雄 岸田
Munemasa Okubo
宗政 大久保
Tetsuharu Obayashi
徹治 大林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Fibers Ltd
Original Assignee
Unitika Fibers Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Fibers Ltd filed Critical Unitika Fibers Ltd
Priority to JP2004346459A priority Critical patent/JP4553703B2/ja
Publication of JP2006152499A publication Critical patent/JP2006152499A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4553703B2 publication Critical patent/JP4553703B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

【課題】 製編織して染色することにより、ソフト感と濃染性に優れた高質感を有し、かつ生分解性を有する布帛となるポリ乳酸加工糸とその製造方法並びに織編物を提供する。【解決手段】 ポリ乳酸マルチフィラメントからなる加工糸であって、前記加工糸の熱水収縮率が7%以下、捲縮率が20%以下、かつ伸度が50%以下であるポリ乳酸加工糸。この加工糸は、トルクは40個/m以上、100個/m以下であることが好ましく、また、流体による旋回と加熱処理によって得られたものであることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、製編織して染色することにより、ソフト感と濃染性に優れ、かつ生分解性を有する布帛となるポリ乳酸加工糸とその製造方法並びに織編物に関するものである。
従来、合成繊維マルチフィラメント、中でも特にポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた仮撚加工糸は汎用性の点から幅広く用いられてきた。
しかしながら、環境問題がクローズアップされるにつれ、石油由来の前記PETに代わるものとして、植物由来で生分解性を有するポリ乳酸を用いることの要求が強まってきており、近年、ポリ乳酸を用いた様々な加工糸の提案がなされている。しかしながら、ポリ乳酸は融点が低く、PETのように高温での熱処理が難しいため熱水収縮率が高くなり、結果として織編物の風合いが硬くなるという欠点を有している。
例えば、特許文献1には、融点が130℃以上の脂肪族ポリエステルからなり、仮撚加工が施され、沸騰水収縮率が6%以上、30%以下であり、伸縮復元率(CR)が5%以上の脂肪族ポリエステル加工糸が提案されている。
この加工糸は、脂肪族ポリエステル糸に高収縮性と捲縮を付与することで、織編物のふくらみ、反発、ストレッチ性を向上させるものであるが、ポリ乳酸はPETと比べると風合いが硬い傾向にあり、高収縮させるとその傾向が助長されてしまうとともに、通常のスピンドル法やベルトニップ法、3軸フリクションといった摩擦仮撚法で捲縮を付与するため、断面変形や配向が進み、仮撚糸独特のガサツキ感やギラツキ感が生じてしまい、高質感の織編物を得るまでには到っていない。
また、特許文献2には、脂肪族ポリエステル繊維からなる仮撚糸であって、断面変化率が1.5以下であり、伸縮復元率が特定の式を満足し、さらに熱水収縮率が5〜15%である光沢に優れた脂肪族ポリエステル仮撚糸が提案されている。
この仮撚糸は、断面変形が1.5以下と比較的小さいことにより、前記ギラツキ(グリッター)が改善されるものの、やはり3軸ツイスターやベルトニップツイスターを使用するため捲縮が高くなり、仮撚糸独特のガサツキ感を改善できず、高質感の織編物を得るには到っていない。
一方、特許文献3には、表面に凹凸形状もしくは微細孔を有するフィラメントで構成されたポリエステル捲縮加工糸であって,複屈折率(Δn) が70×10-3〜 120×10-3,伸度が20〜50%,捲縮率が20%以下であり,かつ,布帛の黒色染料による染色L値が11.5以下となる濃染性特殊加工糸が提案されている。
この加工糸は、表面に凹凸もしくは微細孔を有することで濃染性は得られるものの、伸度の高いPET高配向未延伸糸を使用しているため生分解性ではなく、また伸度を低下させるため、旋回と加熱処理(以下、旋回加工と称することがある。)の後に延伸を行っている。このため、濃染性が低下し、表面に凹凸形状もしくは微細孔を有するフィラメントを使用したり、糸条の表面にループやたるみを付与して濃染性を向上させる必要があった。加えて、延伸により熱水収縮率が高くなってしまい、織編物の風合いが硬くなるという問題もあった。
特開2002−155437号公報 特許第3463597号公報 特開平8−100366号公報
本発明は、上記した従来の問題を解決し、製編織して染色することにより、ソフト感と濃染性に優れた高質感を有し、かつ生分解性を有する布帛となるポリ乳酸加工糸とその製造方法並びに織編物を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリ乳酸マルチフィラメントに好ましくは旋回加工を行うことで、熱水収縮率と捲縮率を低くし、また好ましくはトルクを特定の範囲内とすることで、ソフト感と濃染性に優れた高質感を有し、かつ生分解性を有するポリ乳酸加工糸が得られることを知見して本発明に到達した。
すなわち、本発明は、次の構成を要旨とするものである。
(1)ポリ乳酸マルチフィラメントからなる加工糸であって、前記加工糸の熱水収縮率が7%以下、捲縮率が20%以下、かつ伸度が50%以下であることを特徴とするポリ乳酸加工糸。
(2)トルクが40個/m以上、100個/m以下である上記(1)記載のポリ乳酸加工糸。
(3)加工糸が流体による旋回と加熱処理によって得られたものである上記(1)又は(2)記載のポリ乳酸加工糸。
(4)ポリ乳酸マルチフィラメントを供給糸として、流体による旋回と加熱処理を行うことにより前記ポリ乳酸マルチフィラメントに仮撚加工を施し、熱水収縮率が7%以下で、捲縮率が20%以下、かつ伸度が50%以下の加工糸となすことを特徴とするポリ乳酸加工糸の製造方法。
(5)加工糸のトルクを40個/m以上、100個/m以下とする上記(4)記載のポリ乳酸加工糸の製造方法。
(6)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリ乳酸加工糸を少なくとも一部に用いた織編物。
(7)染色L値が12.0以下である上記(6)記載の織編物。
本発明のポリ乳酸加工糸は、製編織して染色することにより、生分解性を有するとともに、ソフト感と濃染性に優れ、ガサツキのない上品なタッチ、及びマイルドで深みのある光沢感を有する高質感の織編物を得ることができる。
また、本発明の製造方法によれば、上記の利点を有するポリ乳酸加工糸を、安定して効率的に、かつ安価に製造することが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明のポリ乳酸加工糸を形成するポリ乳酸としては、ポリL−乳酸、ポリD−乳酸、L−乳酸とD−乳酸との共重合体、L−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、D−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、L−乳酸とD−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体との群から選ばれる重合体が挙げられる。
乳酸の単独重合体であるポリL−乳酸とポリD−乳酸の融点はそれぞれ約180℃であるが、乳酸系重合体として上記共重合体を用いる場合には、機械的強度、融点等を考慮して共重合体成分の共重合比を決定することが好ましい。例えば、L−乳酸とD−乳酸との共重合体の場合には、L−乳酸とD−乳酸とのいずれか一方が90モル%以上100モル%未満、他方が0モル%を超え、10モル%以下の範囲にすることが好ましく、また、L−乳酸又はD−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体の場合には、例えば上記乳酸を90モル%以上100モル%未満、共重合成分であるヒドロキシカルボン酸を0モル%を超え、10モル%以下の範囲にすることが好ましい。
乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体におけるヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸等が挙げられる。これらの中でも、コストが安価である点から特にヒドロキシカプロン酸又はグリコール酸が好ましい。
本発明のポリ乳酸加工糸は、熱水収縮率が7%以下、捲縮率が20%以下であることが必要である。また、熱水収縮率は0〜5%がより好ましく、捲縮率は15%以下、特に0〜10%が好ましい。熱水収縮率を低くすることで、染色等の後工程での収縮が少なくなり、風合いの硬化を抑制することに加え、捲縮率が低いことによる仮撚糸独特のガサツキ感、およびギラツキ感がないことと相俟って、従来のポリ乳酸仮撚糸に比べ、風合いがソフトでガサツキのない上品なタッチ、及びマイルドで深みのある光沢感が得られることにより、従来にはない高質感の織編物を得ることが可能となる。熱水収縮率が7%を超えると、染色等により織編物の風合いが粗硬となり、また、捲縮率が20%を超えると、仮撚糸独特のガサツキ感、ギラツキ感が発現するため好ましくない。なお、熱水収縮率の下限は特に限定されるものではないが、0%未満、すなわち熱で伸長するようになると織編物がルーズになり、腰のないものとなってしまうため注意が必要である。
また、本発明のポリ乳酸加工糸の伸度は、50%以下であることが必要であり、15〜40%がより好ましい。伸度が50%を超えると、撚糸や製編織等の工程でポリ乳酸加工糸が伸ばされ、品位が低下するとともに、濃染性も低下してしまうので好ましくない。
さらに、加工糸のトルクは、40個/m以上、100個/m以下、特に50〜80個/mが好ましい。この範囲のトルクを有することで、染色等の後工程で熱が加わることによりポリ乳酸加工糸が捻れながら、かつばらついて収縮するため、織編物表面で光の乱反射が起こり、織編物に深みのある発色を付与することができるとともに、糸条に撚が掛かった状態になり、自然なドレープ性も生じるため、さらに高質感の織編物とすることができる。トルクが40個/m未満になると、捻れやばらつきが起こり難いため前記乱反射が起こり難く、深みのある発色を表現し難い上に、自然なドレープ性も生じ難いため、従来の原糸からなる織編物と大差ないものになる場合がある。また、逆にトルクが100個/mを超えると、スナール等により取り扱いがやや困難となり、工程通過性が悪くなる場合がある。
さらに、本発明のポリ乳酸加工糸は、流体による旋回と加熱処理、すなわち流体による旋回加工によって得られたものであることが好ましい。流体による旋回加工は、糸条に低張力で仮撚を施すことが可能であり、断面変形や配向を抑えた加工糸が得られるため、前記ポリ乳酸加工糸の特徴を効果的に発現させることが可能となる。また、糸条の加撚、解撚点が仮撚ピンやディスク、ベルトのように固定されていないため、加撚、解撚の作用が均一でなく、前記ポリ乳酸加工糸にナチュラル感をも付与することができ、さらに高質感の織編物を得ることができる。
次に、本発明のポリ乳酸加工糸の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、ポリ乳酸マルチフィラメントを供給糸として、流体による旋回と加熱処理を行うことにより前記ポリ乳酸マルチフィラメントに仮撚加工を施し、熱水収縮率が7%以下で、捲縮率が20%以下、かつ伸度が50%以下の加工糸となすものである。
本発明で使用する流体は特に限定されるものではないが、汎用性や生産性から圧縮空気が好ましい。また、旋回処理は、加工性、取り扱いの点から旋回ノズルを用いるのが好ましく、その旋回能力が高いほど種々の条件に対応できるため有用である。しかしながら、その旋回数が高すぎると加撚による糸条の捩じり作用が強くなり、繊維内部の構造が変化して配向が進み、通常の仮撚糸に近くなって濃染性が得られず、また捲縮率が20%を超えてガサツキ感やギラツキ感が生じるため、繊度の平方根と仮撚数との積で表される撚係数が20000以下、より好ましくは3000〜17000に設定することが望ましい。
本発明において、熱水収縮率が7%以下のポリ乳酸加工糸を得るには、旋回張力を0.04〜0.09g/dtexの範囲内、より好ましくは0.05〜0.08g/dtexの範囲内にすればよい。また、ヒータ温度は加工速度にもよるが、通常80℃以上、より好ましくは90〜140℃に設定すればよい。旋回張力が0.04g/dtex未満になると、低張力により旋回が安定せず、加工糸の長手方向に斑が生じて織編物の品位を損なうことがある。また、0.09g/dtexを超えると、糸条に負荷が掛かって配向が進むとともに、通常の仮撚糸に近くなるため濃染性が得られず、またガサツキ感やギラツキ感が生じることがある。
また、伸度を50%以下にするには、たとえば供給するポリ乳酸マルチフィラメントの伸度を100%以下、好ましくは90%以下、さらに好ましくは20〜80%としたり、後述の熱処理の際に、オーバーフィード率を小さくしたりすることにより達成することができる。
さらに、本発明においては、加工糸のトルクを40個/m以上、100個/m以下とするためには、旋回と加熱処理による仮撚加工を施した後、熱処理を行うことが好ましい。このとき、熱処理は定長もしくはオーバーフィード状態で行うことが好ましく、ヒータ温度は、旋回加工時の温度以上で行うことが好ましい。このような熱処理を行うことで、熱水収縮率とトルクを低減することができるが、オーバーフィード率が過度に大きくなると、加工糸の伸度が過度に大きくなって織編物の品位が低下するので、その上限は20%程度が好ましい。また、延伸状態で熱処理すると熱水収縮率が大きくなるとともに、染色性も低下するため好ましくない。さらに、ヒータ温度は、高い方がセット性の点で良好であるが、融着に注意する必要がある。また、ヒータ温度が旋回加工時の温度未満になると、セットが不十分となりやすため好ましくない。
なお、供給するポリ乳酸マルチフィラメントとしては、延伸糸、高配向未延伸糸のいずれも用いることが可能であるが、高配向未延伸糸は配向が低く、濃染化しやすいため、この目的において好ましく用いられる。ただし、伸度が高すぎるとポリ乳酸加工糸の伸度を50%以下にすることが困難となるため、高配向未延伸糸の伸度は50〜100%が好ましい。
次に、本発明の織編物は、前記ポリ乳酸加工糸を少なくとも一部に用いたものであり、その染色L値としては、低ければ低いほど濃染効果を発現できて好ましいのであるが、具体的には12.0以下であることが好ましく、11.0以下であることがより好ましい。染色L値が12.0を超えると、本発明のポリ乳酸加工糸の濃染効果を布帛に発現させることができない。
織編物におけるポリ乳酸加工糸は、経糸と緯糸のうち少なくとも何れかの一部に用いればよく、使用比率は特に限定されるものではないが、本発明のポリ乳酸加工糸の特徴を外観、風合い、染色性等で有効に発現させるには30質量%以上が好ましく、50〜100質量%がより好ましい。
次に、本発明のポリ乳酸加工糸の製造方法の一実施態様について図面を用いて説明する。
図1は、本発明のポリ乳酸加工糸の製造方法の一実施態様を示す概略工程図である。図1において、ポリ乳酸マルチフィラメントである供給糸1は、スプール2から引き出され、ガイド3を通り、フィードローラ4、第1ヒータ5、流体旋回ノズル6、第1デリベリローラ7の間で、旋回と加熱処理による仮撚加工が施される。
次いで、仮撚加工が施された糸条は、第1デリベリローラ7、第2ヒータ8、第2デリベリローラ9により熱処理されてポリ乳酸加工糸となり、パッケージ10に巻き取られる。
本発明のポリ乳酸加工糸は、熱水収縮率を低くすることで、染色等の後工程での収縮が少なくなり、風合いの硬化を抑制することに加えて、捲縮率が低いことによる仮撚糸独特のガサツキ感やギラツキ感がないことと相俟って、従来のポリ乳酸仮撚糸に比べ、風合いがソフトでガサツキのない上品なタッチ、及びマイルドで深みのある光沢感が得られ、従来にはない高質感の織編物を得ることが可能となる。
また、トルクを40個/m以上、100個/m以下にすれば、染色等の後工程で熱が加わることによりポリ乳酸加工糸が捻れながら、かつばらついて収縮するため、織編物表面で光の乱反射が起こり、織編物に深みのある発色を付与することができるとともに、糸条に撚が掛かった状態になり、自然なドレープ性も生じるため、さらに高質感の織編物とすることができる。
さらに、本発明のポリ乳酸加工糸の製造方法によれば、上記の利点を有するポリ乳酸加工糸を、安定して効率的に、かつ安価に製造することが可能となる。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、実施例における各物性値は、次の方法により測定するものである。
(1)熱水収縮率(%)
JIS−L−1013に準拠して測定する。
(2)捲縮率(%)
検尺機で5回綛取りした糸条を二重にして、1/6803(cN/dtex)(1/6000(g/d)に相当)の荷重下でスタンドに吊り、30分間放置した後、この状態を維持したまま沸騰水中に入れ、30分間放置する。その後、30分間風乾して、1/567(cN/dtex)(1/500(g/d)に相当)の荷重を掛けて長さ(a)を測定する。次に、荷重を外し、1/23(cN/dtex)(1/20(g/d)に相当)の荷重を掛けてその長さ(b)を測定し、次式により捲縮率を求める。
捲縮率(%)={(b−a)/b}×100
(3)伸度(%)
JIS−L−1013に準拠して測定する。
(4)トルク(個/m)
試料をU字状に吊り下げて、その両上端にそれぞれの1/34(cN/dtex)(1/30(g/d)に相当)の荷重を掛けて固定した後、U字状をした試料の下端に1/340(cN/dtex)(1/300(g/d)に相当)の荷重を掛け、試料が旋回を停止した時の1m当たりの撚数で表示する。
(5)染色L
織物について、下記の染色処方で染色を行う。
・精練
精練剤:サンモールFL(日華化学社製) 1g/l
温度×時間:70℃×20分
・染色
分散染料:Cibacet Black EL-FGL(チバスペシヤルテイケミカルズ社製)15%o.m.f.
助剤:ニッカサンソルトSN-130(日華化学社製) 0.5g/l
酢酸:0.2ml/l
温度×時間:110℃×30分
浴比:1:50
・還元洗浄
還元洗浄剤:ソーダ゛灰 5g/l
ハイドロサルフアイト 1g/l
サンモールFL 1g/l
温度×時間:70℃×20分
上記の染色処方で染色した織物を、マクベス社製MS−2020型分光光度計でその反射率を測定し、CIE Labの色差式から濃度指標を求めた値が染色L値であり、その値が小さいほど深みのある色となる。
(6)織物のソフト感、ガサツキ感、ギラツキ感
織物技術者と染色技術者からなるパネラー10人を選定し、目視、感触での官能検査によって、それぞれ次の2段階評価を行う。
ソフト感 ○:あり ×:なし
ガサツキ感とギラツキ感 ○:なし ×:あり
(実施例1、2)
L−乳酸を主成分とする数平均分子量が140,000のポリ乳酸(L−乳酸単位:98.2モル%、D−乳酸単位:1.8モル%)を、2軸エクストルーダーを用い、温度205〜225℃で約10分間溶融混練した後、水中にストランド状に押し出しカッティングすることによりチップを作製した。
次に、このチップを用いて紡糸温度220℃、紡糸速度3000m/分で溶融紡糸し、110デシテックス36フィラメントのポリ乳酸高配向未延伸糸(伸度73.6%)を得た。
この糸条を供給糸とし、図1に示す工程に従い、表1の条件で加工して100デシテックス36フィラメントのポリ乳酸加工糸を得た。
得られたポリ乳酸加工糸を経糸と緯糸に用いて、ウォータージェットルームで経糸密度90本/2.54cm、緯糸密度80本/2.54cmで平織物を製織し、前記処方により染色し、仕上げ加工を行った。
加工条件及び得られたポリ乳酸加工糸と織物の評価結果を併せて表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1及び実施例2で得られた織物は、ギラツキ感、ガサツキ感とも感じられず、非常にソフトでドレープ性があり、従来のポリ乳酸仮撚糸使いの織物とは全く異なる高質感のものであった。特に、実施例2で得られた加工糸は、トルクも少なく、非常に扱いやすいものであった。また、染色L値はそれぞれ9.9と9.8であり、濃染性にも優れたものであった。
(実施例3、4)
実施例1で得られたポリ乳酸高配向未延伸糸を延伸して、84デシテックス36フィラメント(伸度29.8%)のポリ乳酸延伸糸を得た。
次いで、これを供給糸として、図1に示す工程に従い、表1の条件にて加工して、90デシテックス36フィラメントのポリ乳酸加工糸を得た。
得られたポリ乳酸加工糸を経糸と緯糸に用いて、ウォータージェットルームで経糸密度94本/2.54cm、緯糸密度84本/2.54cmで平織物を製織し、実施例1と同様に染色し、仕上げ加工を行った。
表1から明らかなように、実施例3及び実施例4で得られた織物は、ギラツキ感、ガサツキ感とも感じられず、非常にソフトでドレープ性があり、従来のポリ乳酸仮撚糸使いの織物とは全く異なる高質感のものであった。特に、実施例4で得られた加工糸は、トルクも少なく、非常に扱いやすいものであった。また、染色L値はそれぞれ10.6と10.5であり、濃染性にも優れたものであった。
(比較例1)
実施例1で得られた110デシテックス36フィラメントのポリ乳酸高配向未延伸糸を供給糸として、図1の旋回ノズル6の代わりにスピンドルピンタイプの施撚装置を用いて、表1の条件にて仮撚加工を行い、88デシテックス36フィラメントの加工糸を得た。なお、この方法では、加工張力を低くすると糸切れが発生したため、糸切れが生じない最低限の張力にて加工を行った。
得られた比較用の加工糸を経糸と緯糸に用いて、ウォータージェットルームで経糸密度96本/2.54cm、緯糸密度85本/2.54cmで平織物を製織し、実施例1と同様に染色し、仕上げ加工を行った。
表1から明らかなように、得られた織物は、嵩高性とストレッチ性は有するものの、ガサツキ感やギラツキ感があり、また熱水収縮率が高いことも相俟って、風合いが硬く、高質感の織物ではなかった。さらに、染色L値は13.6であり、染色性にも劣るものであった。
本発明のポリ乳酸加工糸の製造方法の一実施態様を示す概略工程図である。
符号の説明
1 供給糸
2 スプール
3 ガイド
4 フィードローラ
5 第1ヒータ
6 流体旋回ノズル
7 第1デリベリローラ
8 第2ヒータ
9 第2デリベリローラ
10 パッケージ

Claims (7)

  1. ポリ乳酸マルチフィラメントからなる加工糸であって、前記加工糸の熱水収縮率が7%以下、捲縮率が20%以下、かつ伸度が50%以下であることを特徴とするポリ乳酸加工糸。
  2. トルクが40個/m以上、100個/m以下である請求項1記載のポリ乳酸加工糸。
  3. 加工糸が流体による旋回と加熱処理によって得られたものである請求項1又は2記載のポリ乳酸加工糸。
  4. ポリ乳酸マルチフィラメントを供給糸として、流体による旋回と加熱処理を行うことにより前記ポリ乳酸マルチフィラメントに仮撚加工を施し、熱水収縮率が7%以下で、捲縮率が20%以下、かつ伸度が50%以下の加工糸となすことを特徴とするポリ乳酸加工糸の製造方法。
  5. 加工糸のトルクを40個/m以上、100個/m以下とする請求項4記載のポリ乳酸加工糸の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリ乳酸加工糸を少なくとも一部に用いた織編物。
  7. 染色L値が12.0以下である請求項6記載の織編物。
JP2004346459A 2004-11-30 2004-11-30 織編物、および該織編物の製造方法 Expired - Fee Related JP4553703B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004346459A JP4553703B2 (ja) 2004-11-30 2004-11-30 織編物、および該織編物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004346459A JP4553703B2 (ja) 2004-11-30 2004-11-30 織編物、および該織編物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006152499A true JP2006152499A (ja) 2006-06-15
JP4553703B2 JP4553703B2 (ja) 2010-09-29

Family

ID=36631119

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004346459A Expired - Fee Related JP4553703B2 (ja) 2004-11-30 2004-11-30 織編物、および該織編物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4553703B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011069027A (ja) * 2009-09-28 2011-04-07 Unitika Trading Co Ltd 仮撚加工糸の製造方法及び織編物

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10110341A (ja) * 1996-10-03 1998-04-28 Unitika Ltd 濃染織編物の製造方法
JP2001348740A (ja) * 2000-06-01 2001-12-21 Asahi Kasei Corp ポリエステル系仮撚糸及びその製造方法
JP2002242036A (ja) * 2001-02-20 2002-08-28 Murata Mach Ltd 仮撚り加工方法
JP2005200800A (ja) * 2004-01-19 2005-07-28 Toray Ind Inc ポリ乳酸仮撚糸およびその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10110341A (ja) * 1996-10-03 1998-04-28 Unitika Ltd 濃染織編物の製造方法
JP2001348740A (ja) * 2000-06-01 2001-12-21 Asahi Kasei Corp ポリエステル系仮撚糸及びその製造方法
JP2002242036A (ja) * 2001-02-20 2002-08-28 Murata Mach Ltd 仮撚り加工方法
JP2005200800A (ja) * 2004-01-19 2005-07-28 Toray Ind Inc ポリ乳酸仮撚糸およびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011069027A (ja) * 2009-09-28 2011-04-07 Unitika Trading Co Ltd 仮撚加工糸の製造方法及び織編物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4553703B2 (ja) 2010-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002180332A (ja) ポリエステル系複合糸およびその製造方法ならびに布帛
JP4497648B2 (ja) 複合弾性糸及びその製造方法
JP4812550B2 (ja) ポリエステル芯鞘型複合仮撚糸、その製造方法、それを用いた織編物
JP4553703B2 (ja) 織編物、および該織編物の製造方法
JP4838605B2 (ja) ポリエステル系杢調複合糸及び織編物
JP2015190074A (ja) 複合仮撚糸及びこの複合仮撚糸を用いた織編物
JP2017179653A (ja) 海島複合繊維
JP2006283215A (ja) ポリ乳酸系複合混繊糸及び織編物
JP4418281B2 (ja) ポリアミド混繊糸及び織編物
JP2001348740A (ja) ポリエステル系仮撚糸及びその製造方法
JP7144168B2 (ja) ポリエステル混繊糸、織編物、及びポリエステル混繊糸の製造方法
JP4056356B2 (ja) 流体複合加工糸及びその製造方法並びに同加工糸を含む織編物
JP7164971B2 (ja) ポリエステル高捲縮加工糸、織編物、およびポリエステル高捲縮加工糸の製造方法
JP4679803B2 (ja) 強撚糸様潜在捲縮加工糸及び織編物
JP4785435B2 (ja) ポリ乳酸系織物
JP4312552B2 (ja) ポリエステル複合仮撚捲縮糸及びその製造方法、並びに同仮撚捲縮糸を含む織編物
JP2017106141A (ja) 低捲縮太細仮撚加工糸およびその製造方法
JP2908597B2 (ja) ポリエステルスパンライク糸の製造方法
JP4209232B2 (ja) ポリエステルマルチフィラメント仮撚加工糸及びその製造方法並びにその仮撚加工糸を含む織編物
JP2007197864A (ja) ポリエステル混繊糸およびその織編物
JP4189288B2 (ja) 特殊断面仮撚加工糸の製造方法
JP2004143630A (ja) ストレッチ性複合仮撚加工糸及びその製造方法
JP4553473B2 (ja) 嵩高複合加工糸とその製造方法
JP3916276B2 (ja) 軽量梳毛調加工糸の製造方法
JP4383222B2 (ja) 潜在捲縮性ポリエステル糸条の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071121

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20091102

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100330

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100531

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20100531

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100615

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100713

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130723

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130723

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees