JP2015190074A - 複合仮撚糸及びこの複合仮撚糸を用いた織編物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ナチュラルな杢表現が可能で、ソフト感とふくらみ感に優れ、かつ環境低負荷型の複合仮撚糸と、ポリ乳酸を使用した織編物でありながら、スチームによるアイロン掛けや洗濯後タンブラー乾燥の繰り返しによる強力低下が少なく、更に寸法安定性に優れる織編物との提供。【解決手段】ポリ乳酸マルチフィラメントにて構成された仮撚糸Aが鞘部に配され、ポリ乳酸以外のポリエステルマルチフィラメントにて構成された仮撚糸Bが芯部に配置された芯鞘状に混繊された複合仮撚糸。仮撚糸Aと仮撚糸Bとの染色級差が1.0級以上であり、式(i)及び式(ii)を満足する複合仮撚糸。LA>LB・・・・(i)、SA>SB・・・・(ii)(LA:仮撚糸Aの糸長、LB:仮撚糸Bの糸長、SA:仮撚糸Aの熱水収縮率、SB:仮撚糸Bの熱水収縮率)【選択図】なし
Description
本発明は、複合仮撚糸及びこの複合仮撚糸を用いた織編物に関する。
合成繊維マルチフィラメント、中でも特にポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた複合糸は、汎用性の点から幅広く用いられており、その特徴を活かすべく様々な提案がなされている。
例えば特許文献1では、長手方向に複屈折率が20×10−3〜60×10−3 の範囲で太細斑を有するポリエステルマルチフィラメントAと、捲縮を有するポリエステルマルチフィラメントBとからなる混繊糸であって、前記混繊糸の20〜80質量%がカチオン可染性ポリエステルである杢調嵩高加工糸が提案されている。
この加工糸は、明瞭かつ急激な濃淡変化がなく、織編物に斑のある触感、ナチュラル感、ソフト感を付与できるとともに、梳毛ウール調のヌメリ感、ナチュラルな杢外観を付与することができる。
しかし、この加工糸は、複屈折率の低いカチオン可染性ポリエステル糸が複合されているため、ピリング、スナッギング等の物性に改善の余地がある。また、ポリエステルマルチフィラメントAは弛緩熱処理を施されており、ポリエステルマルチフィラメントBは仮撚加工を施されていることから、加工糸を構成するいずれの糸条も熱水収縮率が低く、このためコシのある織編物を得にくい。さらに、いずれの糸条も石油由来のもので、かつ廃棄しても自然界では分解され難いため、その生産や廃棄処理で消費するエネルギーが大きく、これらが環境に与える影響は大きい。
この環境問題の点で、近年、植物由来で生分解性を有する脂肪族ポリエステルを用いる傾向が強まってきており、様々な加工糸の提案がなされている。
例えば特許文献2には、2種以上の異なる断面形状を有するフィラメントからなるポリエステル系混繊糸であって、少なくとも1種のフィラメントが融点130℃以上の脂肪族ポリエステルを主体とするポリエステルで形成されているポリエステル系混繊糸が提案されている。
この混繊糸は、ソフト感、反発感及び発色性に優れ、さらにドライ感、吸水性及び生分解性を有する。しかし、単にフィラメント群間で断面形状が異なることにより前記特徴を付与しているため、ふくらみ感に欠けるとともに、フィラメント群間の色差が発現し難く、この混繊糸を使用した織編物は表面効果が乏しいという問題がある。
すなわち、脂肪族ポリエステルは、その特性上高温での染色が困難であり、110〜115℃近辺での染色が主流となっているのに対し、PETのような芳香族ポリエステルは逆に高温での染色が不可欠で、前記温度では染着性が低い。しかし、特許文献2記載の発明では、異なる断面形状を有するフィラメント群で混繊糸を構成することでPETの発色性などを向上させるもので、発色性が向上すれば染着性の差は小さくなり、この混繊糸を構成する脂肪族ポリエステルと他のポリエステルとの染着性の差を積極的に活用しようという技術思想は全くない。
特許文献3には、非捲縮のポリ乳酸マルチフィラメントと仮撚捲縮を有するポリエステルマルチフィラメントとからなる複合糸で、ポリ乳酸マルチフィラメントの熱水収縮率がポリエステルマルチフィラメントの熱水収縮率より大きいポリエステル系杢調複合糸が提案されている。
この複合糸は、2糸条間の染色性の違いにより明瞭な杢感を有し、かつ環境負荷を小さくしようとするものである。しかし、杢感の明瞭性には一定の効果があるものの、複合糸の構造として、最初から、熱水収縮率の高いポリ乳酸マルチフィラメントを芯側に、熱水収縮率の低いポリエステルマルチフィラメント仮撚糸を鞘側に配置しているため、織編物として熱が加わった後でも、ポリ乳酸マルチフィラメントはそのまま芯側に、ポリエステルマルチフィラメント仮撚糸はそのまま鞘側で収縮するだけで、その配置は変わらないため、ナチュラル感に改善の余地がある。
さらに、従来、ポリ乳酸を使用した織編物については、ポリ乳酸の欠点である耐湿熱性の低さから、スチームを併用したアイロン掛けや、近年普及しつつあるいわゆるドラム型洗濯機を用いた洗濯後タンブラー乾燥の繰り返しによって、ポリ乳酸が加水分解し、織編物の強力が低下する問題がある。また、ポリ乳酸の熱収縮率が高いことに起因し、織編物の寸法安定性に劣るという問題もある。
本発明は、上記の問題を解決し、ナチュラルな杢表現が可能で、ソフト感とふくらみ感に優れ、かつ環境低負荷型の複合仮撚糸と、前記複合仮撚糸を用いることにより、ポリ乳酸を使用した織編物でありながら、スチームによるアイロン掛けを原因とする強力低下や洗濯後タンブラー乾燥の繰り返しによる強力低下が少なく、さらに寸法安定性に優れる織編物とを提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリ乳酸マルチフィラメント仮撚糸とポリ乳酸以外のポリエステルマルチフィラメント仮撚糸との染色級差、糸長、沸騰水収縮率を特定の範囲にすることで、ナチュラルな杢表現が可能で、ソフト感とふくらみ感に優れ、かつ環境低負荷型の複合仮撚糸及び織編物が得られることを見出して本発明に到達した。
すなわち、本発明は、次の構成を要旨とするものである。
(1)ポリ乳酸マルチフィラメントにて構成された仮撚糸Aと、ポリ乳酸以外のポリエステルマルチフィラメントにて構成された仮撚糸Bとが、仮撚糸Aが鞘部に配されるとともに仮撚糸Bが芯部に配置された芯鞘状に混繊された複合仮撚糸であり、仮撚糸Aと仮撚糸Bとの染色級差が1.0級以上であり、かつ下記式(i)及び式(ii)を満足することを特徴とする複合仮撚糸。
LA>LB・・・・(i)
SA>SB・・・・(ii)
ただし、LA:仮撚糸Aの糸長、 LB:仮撚糸Bの糸長
SA:仮撚糸Aの熱水収縮率、 SB:仮撚糸Bの熱水収縮率
LA>LB・・・・(i)
SA>SB・・・・(ii)
ただし、LA:仮撚糸Aの糸長、 LB:仮撚糸Bの糸長
SA:仮撚糸Aの熱水収縮率、 SB:仮撚糸Bの熱水収縮率
(2)下記式(iii)を満足することを特徴とする(1)の複合仮撚糸。
1≦LAB≦15・・・・(iii)
ただし、LAB={(LA−LB)/LA}×100
1≦LAB≦15・・・・(iii)
ただし、LAB={(LA−LB)/LA}×100
(3)下記式(iv)を満足することを特徴とする(1)又は(2)の複合仮撚糸。
0.1≦LSBA≦10・・・・(iv)
ただし、LSBA={(LSB−LSA)/LSB}×100
LSB:熱水収縮後の仮撚糸Bの糸長
LSA:熱水処理後の仮撚糸Aの糸長
0.1≦LSBA≦10・・・・(iv)
ただし、LSBA={(LSB−LSA)/LSB}×100
LSB:熱水収縮後の仮撚糸Bの糸長
LSA:熱水処理後の仮撚糸Aの糸長
(4)仮撚糸Aと仮撚糸Bの交絡数が20〜100個/mであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの複合仮撚糸。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの複合仮撚糸を少なくとも一部に有することを特徴とする織編物。
(6)アイロンプレス後の強力保持率が、ドライ、スチームともに80%以上であることを特徴とする(5)の織編物。
(7)洗濯とタンブラー乾燥とを30回繰り返した後の強力保持率が80%以上であることを特徴とする(5)又は(6)の織編物。
(8)アイロンプレス後のタテ方向及びヨコ方向の収縮率が、ドライ、スチームともに、タテ・ヨコそれぞれ3%以下であることを特徴とする(5)〜(7)のいずれかの織編物。
本発明の複合仮撚糸は、これを製編織して染色すれば、ナチュラルな杢表現が可能で、ソフト感とふくらみ感に優れた織編物を得ることができる。また、本発明の複合仮撚糸は、少なくともその一部にポリ乳酸という植物由来の原料を用いるため、環境への負荷を小さくすることができる。さらに、本発明の織編物は、ポリ乳酸を用いていても、スチームアイロン処理による強力低下や洗濯後タンブラー乾燥の繰り返しによる強力低下が少なく、寸法安定性にも優れる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の複合仮撚糸は、ポリ乳酸マルチフィラメントにて構成された仮撚糸A(糸条A)と、ポリ乳酸以外のポリエステルマルチフィラメントにて構成された仮撚糸B(糸条B)とが、糸条Aが鞘部に配されるとともに糸条Bが芯部に配置された芯鞘状に混繊された複合糸である。そして糸条Aと糸条Bとの染色色差が、グレースケールで1.0級差以上である。
糸条Aを形成するポリ乳酸としては、ポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸、L−乳酸とD−乳酸との共重合体、L−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、D−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、L−乳酸とD−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体からなる群から選ばれる重合体が挙げられる。乳酸の単独重合体であるポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の融点はそれぞれ約180℃であるが、乳酸系重合体として上記共重合体を用いる場合には、機械的強度、融点等を考慮して共重合体成分の共重合比を決定することが好ましい。例えば、L−乳酸とD−乳酸との共重合体の場合には、L−乳酸とD−乳酸のいずれか一方がモル比で0.9から1.0未満、他方が0を超え0.1以下の範囲とすることが好ましい。また、L−乳酸又はD−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体の場合には、例えば上記乳酸をモル比で0.9から1.0未満、共重合成分であるヒドロキシカルボン酸が0を超え0.1以下の範囲にすることが好ましい。
乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体におけるヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸等が挙げられる。これらの中でも、安価である点から特にヒドロキシカプロン酸又はグリコール酸が好ましい。
糸条Bを形成するポリ乳酸以外のポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート等いずれでもよいが、本発明においては、PETが好ましく用いられる。PETは高温での仮撚加工が可能なため、後述の仮撚捲縮を強固にできるとともに、熱水収縮率が小さくなるため、熱水収縮率の大きいポリ乳酸にて形成された糸条Aとの複合糸を使用すれば、製編織及び染色して得られる織編物のふくらみ感を大きくすることができる。また、ポリ乳酸にて形成された糸条Aは、110〜115℃近辺での染色でも、その屈折率の低さから染色性が高く、これに対し、この温度近辺でのPETの染色性が低いことから2糸条間の色差が大きくなり、染色後の織編物に明瞭な杢感を付与することができる。特に、本発明においては、糸条Aと糸条Bとの染色色差がグレースケールで1.0級差以上であるため、染色後にこのような色差を発現することで、製編織及び染色して得られる織編物の杢感が一層明瞭となり、表面効果に富んだものとなる。染色色差は1.5級差以上が好ましく、2.0級差以上がより好ましい。ただし、3.5級差を超えると逆にナチュラル感が低減するため、3.0級差以下が好ましい。
糸条Bの具体例として、常圧可染性ポリエステルマルチフィラメントであることも好ましく、このような糸条Bを用いると、染色の際のポリ乳酸マルチフィラメントへのダメージが抑えられる。また糸条Bが常圧カチオン可染性ポリエステルマルチフィラメントである場合には、ポリ乳酸マルチフィラメントとの染め分けが可能となるため、さらに明瞭な杢感を表現することが可能となる。常圧可染性ポリエステルマルチフィラメントとしては、アジピン酸や5−ナトルウムスルホイソフタル酸などを共重合した、常法で得られるものを用いればよい。
さらに、糸条Bが、天然由来のエチレングリコール及び/又はテレフタル酸を用いた、天然由来成分を20%以上含むバイオポリエステルマルチフィラメントであることも好ましい態様であり、その場合は環境への負荷を一層小さくすることができる。
本発明の複合仮撚糸で特に重要な点は、下記式(i)及び式(ii)を満足することである。
LA>LB・・・・(i)
SA>SB・・・・(ii)
ただし、LA:仮撚糸A(糸条A)の糸長、 LB:仮撚糸B(糸条B)の糸長
SA:仮撚糸A(糸条A)の熱水収縮率、 SB:仮撚糸B(糸条B)の熱水収縮率
LA>LB・・・・(i)
SA>SB・・・・(ii)
ただし、LA:仮撚糸A(糸条A)の糸長、 LB:仮撚糸B(糸条B)の糸長
SA:仮撚糸A(糸条A)の熱水収縮率、 SB:仮撚糸B(糸条B)の熱水収縮率
すなわち、熱水処理前の糸条Aの糸長LAが糸条Bの糸長LBより大きく、かつ糸条Aの熱水収縮率SAが糸条Bの熱水収縮率SBより大きい。
本発明者らは、合成繊維でありながらナチュラルな杢感を発現させるべく鋭意検討していたところ、上記のような構成にすることにより、従来の合成繊維からなる杢素材とは異なり、ナチュラルな杢感が表現できることを見出した。すなわち、複合仮撚糸を芯鞘構造として熱水収縮率の高い糸条Aを鞘側に配置させるとともに熱水収縮率の低い糸条Bを芯側に配置させておき、織編物にした後、染色等の熱水処理を行うと、収縮率の高い糸条Aを構成するフィラメントが糸条Bを構成するフィラメントの内側に入り込もうとする。しかし、糸条Aを構成するフィラメントのうちに糸条Bのフィラメントに邪魔されるものがあるため、収縮後における糸条Aを構成するフィラメントと糸条Bを構成するフィラメントの配置すなわち収縮後の形態が均一とならず、ランダムとなる。このため、ナチュラルな杢感が形成されるものと推測される。
本発明では、下記式(iii)を満足することが、好ましい態様である。
1≦LAB≦15・・・・(iii)
ただし、LAB={(LA−LB)/LA}×100
1≦LAB≦15・・・・(iii)
ただし、LAB={(LA−LB)/LA}×100
LAB、すなわち、複合仮撚糸における糸条Aと糸条Bの糸長差の比率が前記範囲内にあることで、複合糸の段階での糸長差が適度であり大き過ぎないために工程通過性に優れるとともに、効果的に前記ナチュラルな杢感を形成することができる。LABが1未満である場合には、ナチュラルな杢感が形成されにくい。LABが15を超える場合には、工程通過性が悪化するおそれがあり、かつSAを極端に大きくする必要があるため収縮力が過大となり、ナチュラルな杢感が形成されにくい。
本発明では、下記式(iv)を満足することも好ましい態様である。
0.1≦LSBA≦10・・・・(iv)
ただし、LSBA={(LSB−LSA)/LSB}×100
LSB:熱水収縮後の仮撚糸B(糸条B)の糸長
LSA:熱水処理後の仮撚糸A(糸条A)の糸長
0.1≦LSBA≦10・・・・(iv)
ただし、LSBA={(LSB−LSA)/LSB}×100
LSB:熱水収縮後の仮撚糸B(糸条B)の糸長
LSA:熱水処理後の仮撚糸A(糸条A)の糸長
LSBAが前記範囲内にあることで、熱水収縮後の仮撚糸B(糸条B)と仮撚糸A(糸条A)の糸長が、熱水処理前に比べて逆転しながらも、その糸長差が適度であり大き過ぎないため、織編物に効果的な杢感の形成ができるとともに、物性面、風合い面でも良好な織編物を得ることができる。この理由から、0.1≦LSBA≦8が好ましく、0.2≦LSBA≦5がより好ましい。LSBAが0.1未満の場合には、熱水処理後の糸条Bと糸条Aとの糸長差がほとんど形成されないため、ナチュラルな杢感が形成されにくい。特に0未満の場合には、前記芯側と鞘側の入れ替わりが起こらず、糸条Bが糸条Aで覆われる形態となり、ナチュラル感が得られない。一方、LSBAが10を超える場合には、糸長差に対して熱水による収縮が高すぎるため、織編物にナチュラルな杢感が形成されにくく、また物性面や風合い面が悪化することがある。
さらに本発明では、LSB<LSAとなるフィラメントが5%以上50%以下存在することも好ましい態様であり、10%以上40%以下存在することがより好ましく、10%以上30%以下存在することがさらに好ましい。すなわち、熱水処理後の糸条Bにくらべ糸条Aの糸長が長いものが、前記範囲内で存在することで、従来にないナチュラルな杢感が表現できる。
本発明の複合仮撚糸は、ポリ乳酸単独ではなく、ポリ乳酸以外のポリエステルとの複合で構成されており、さらにポリ乳酸とポリ乳酸以外のポリエステルとが上記のような態様でミックスされた形態を有する。このため、スチームアイロンがけや洗濯後タンブラー乾燥などにより、ポリ乳酸が加水分解等で劣化したとしても、ポリ乳酸以外のポリエステルに応力が分散しやすいため、織編物として必要な強力を維持することができる。従来のような、ポリ乳酸とポリ乳酸以外のポリエステルとを単に混繊して、ポリ乳酸が芯側に、ポリ乳酸以外のポリエステルが鞘側に偏在するような形態である場合は、応力が芯側のポリ乳酸に一気にかかりやすいため、劣化したポリ乳酸が応力に耐えられず、必要な強力を維持しにくい。
本発明の織編物は、アイロンプレス後の強力保持率が、ドライ、スチームともに80%以上であることが好ましい。また本発明の織編物は、洗濯とタンブラー乾燥とを30回繰り返した後の強力保持率が80%以上であることが好ましい。
詳細には、本発明において、織物は、アイロンプレス後の引裂き強力保持率が、ドライ、スチームともに80%以上であることが好ましく、また洗濯とタンブラー乾燥とを30回繰り返した後の引裂き強力保持率が80%以上であることが好ましい。
編物では、アイロンプレス後の破裂強力保持率が、ドライ、スチームともに80%以上であることが好ましく、また洗濯とタンブラー乾燥とを30回繰り返した後の破裂強力保持率が80%以上であることが好ましい。
本発明の織編物は、前記複合仮撚糸にて構成されることで、前述の理由により、織編物に必要な物性を維持することが可能となる。
加えて、本発明の織編物は、アイロンプレス後のタテ方向及びヨコ方向の収縮率が、ドライ、スチームともに、タテ・ヨコそれぞれ3%以下であることが好ましい。前記のように、本発明の複合仮撚糸では、糸条Aと糸条Bがミックスされたような構造を有することから、糸条Aの収縮率が高くても糸条Bによってその収縮を一部阻害されるため、通常のポリ乳酸が芯部分に偏在した構造の複合糸を用いた織編物に比べ、寸法変化の少ない安定した織編物となる。
本発明において、糸条Aと糸条Bとの混繊割合や、複合糸の糸条繊度は、特に限定されるものではない。しかし、混繊割合は糸条Aが20〜80質量%、糸条Bが80〜20質量%であることが好ましく、また、複合糸の糸条繊度は30〜350dtexが好ましい。また、各糸条の単糸繊度は特に制限しないが、糸条Bの単糸繊度が糸条Aの単糸繊度よりも小さく、特に1.0dtex以下である場合には、糸条Bの染色性がさらに低下して、糸条Aとの染色色差が大きくなる。このため、より明瞭な杢感が得られるとともに、極細糸による織編物表面のソフト感をも得ることができる。
本発明のポリエステル系杢調複合糸を構成する糸条A、糸条Bには、酸化チタン等の艶消し剤や、機能性を付与するための帯電防止剤、抗菌剤、消臭剤等が添加されていてもよい。さらに、糸条A、糸条Bのフィラメントの断面形状は、通常の丸断面に限らず、多角、中空、偏平、その他特殊断面形状のものであってもよい。例えば、糸条Aに丸断面糸、糸条Bに中空糸を使用した場合は、糸条A、B間の色差がさらに大きくなり杢感が強調されるため好ましい。
本発明の複合仮撚糸における糸条Aと糸条Bの交絡数は、20〜100個/mが好ましく、より好ましくは40〜80個/mである。この範囲である場合には、前述のナチュラルな杢感が形成されやすく、高級感のある杢感が得られる。交絡数が20個/m未満である場合や交絡数が100個/mを超える場合には、ナチュラルな杢感が得られにくい。
本発明の織編物は、上記複合仮撚糸を少なくとも一部に有するものである。本発明の効果を奏するために、複合糸の混率は30〜100質量%が好ましく、40〜100質量%がさらに好ましい。
次に、本発明の複合仮撚糸の製造方法の一例について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の複合仮撚糸の一製法例を示す概略工程図である。図1において、ポリ乳酸マルチフィラメントにて構成された仮撚糸1(糸条A)は、スプール2から引き出され、ガイド3を通り、フィードローラー4からデリベリローラー17を介して流体処理ノズル8に供給される。なお、デリベリローラー17を介さずに直接流体処理ノズル8に供給することもできる。
一方、ポリ乳酸以外のポリエステルマルチフィラメントにて構成された仮撚糸11(糸条B)は、スプール12から引き出され、ガイド13を通る。そして、フィードローラー14、ヒーター15、仮撚施撚体16、デリベリローラー17の間で仮撚加工が施されて仮撚捲縮を有する糸条Bとなり、流体処理ノズル8に供給される。
次いで、上記の2糸条A、Bは、流体処理ノズル8、第2デリベリローラー9により、糸条Aが鞘部に配されるとともに糸条Bが芯部に配置された芯鞘状に混繊処理されて本発明の複合仮撚糸となり、パッケージ10に巻き取られる。
また、糸条Aを糸条Bと同一機台上で仮撚し、その後に芯鞘状に混繊する方法も好ましく採用されるが、その場合は、糸条Aを十分に放縮することが好ましい。放縮とは、糸条に延伸や仮撚など何らかの応力が加わった場合に、その後に糸条にひずみを緩和しようと縮む現象が生じることをいう。同一機台上で糸条Aと糸条Bを仮撚し、従来のように混繊した場合は、糸条Aの放縮が大きいため、糸条Aを鞘側に配するように糸条Aのオーバーフィード率を大きくするか、もしくは流体処理ノズル8に供給する前に応力緩和域を設けて放縮させればよい。
仮撚施撚体16としては、3軸フリクションディスク、ニップベルト、仮撚ベルトのいずれも採用できる。流体処理ノズル8としては、インターレースノズルやタスランノズルを使用できるが、本発明の杢感を十分に活かすためにはインターレースノズルが好ましい。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、実施例における各物性は、次の方法にて測定、評価した。
(1)熱水収縮前の糸条A、糸条Bの糸長(LA、LB)
熱水収縮前、熱水収縮後の複合仮撚糸に、総繊度の1/10の荷重を掛けた状態で、10cm間における交絡の中心部から次の交絡の中心部までの糸長を、糸条A、糸条Bそれぞれについて画像解析装置で測定した。なお、各交絡部ともランダムに選択したフィラメント5本の平均値を算出し、それぞれの合計を糸長とした。
熱水収縮前、熱水収縮後の複合仮撚糸に、総繊度の1/10の荷重を掛けた状態で、10cm間における交絡の中心部から次の交絡の中心部までの糸長を、糸条A、糸条Bそれぞれについて画像解析装置で測定した。なお、各交絡部ともランダムに選択したフィラメント5本の平均値を算出し、それぞれの合計を糸長とした。
(2)熱水収縮後の糸条Aと糸条Bの糸長(LSA、LSB)
熱水処理前と同様の手法によって測定した。ただし、各交絡部ともランダムに選択したフィラメント20本の平均値を算出し、フィラメント数が20本未満の場合は、全てのフィラメントを測定して算出した点を相違させた。
熱水処理前と同様の手法によって測定した。ただし、各交絡部ともランダムに選択したフィラメント20本の平均値を算出し、フィラメント数が20本未満の場合は、全てのフィラメントを測定して算出した点を相違させた。
(3)糸条A、糸条Bの熱水収縮率(SA、SB)
糸条A、糸条Bに交絡をほどこさずにそれぞれ採取し、JIS−L−1013に準じて測定した。
糸条A、糸条Bに交絡をほどこさずにそれぞれ採取し、JIS−L−1013に準じて測定した。
(4)複合仮撚糸の交絡数
JIS−L−1013 8.15交絡度に準じて測定した。
JIS−L−1013 8.15交絡度に準じて測定した。
(5)糸条Aと糸条Bとの染色色差
得られた複合仮撚糸を使用した染色加工後の織編物について、糸条Aと糸条Bとの色差を目視にて確認し、グレースケールによって判定を行った。測定は10個所について行い、その平均値を染色色差とした。
得られた複合仮撚糸を使用した染色加工後の織編物について、糸条Aと糸条Bとの色差を目視にて確認し、グレースケールによって判定を行った。測定は10個所について行い、その平均値を染色色差とした。
(6)アイロンプレス後の破裂強力保持率(TPD、TPW)
JIS L−1096のA法に従い、未処理時の破裂強力、及びドライ(H−1法)とスチーム(H−4法)との状態でアイロンプレスを行った後の破裂強力を測定し、下記式で破裂強力保持率TPD、TPWを算出した。
TPD={(ドライアイロン後の破裂強力)/(未処理時の破裂強力)}
×100(%)
TPW={(スチームアイロン後の破裂強力)/(未処理時の破裂強力)}
×100(%)]
JIS L−1096のA法に従い、未処理時の破裂強力、及びドライ(H−1法)とスチーム(H−4法)との状態でアイロンプレスを行った後の破裂強力を測定し、下記式で破裂強力保持率TPD、TPWを算出した。
TPD={(ドライアイロン後の破裂強力)/(未処理時の破裂強力)}
×100(%)
TPW={(スチームアイロン後の破裂強力)/(未処理時の破裂強力)}
×100(%)]
(7)洗濯とタンブラー乾燥とを繰り返し30回行った後の破裂強力保持率(TWT)
JIS L−1096のA法に従い、未処理時の破裂強力を測定した。また同103法に従い、洗濯とタンブラー乾燥とを30回繰り返した後の破裂強力を測定した。そして、下記式で破裂強力保持率TWTを算出した。
TWT={(洗濯とタンブラー乾燥とを30回繰り返した後の破裂強力)
/(未処理時の破裂強力)}×100(%)
JIS L−1096のA法に従い、未処理時の破裂強力を測定した。また同103法に従い、洗濯とタンブラー乾燥とを30回繰り返した後の破裂強力を測定した。そして、下記式で破裂強力保持率TWTを算出した。
TWT={(洗濯とタンブラー乾燥とを30回繰り返した後の破裂強力)
/(未処理時の破裂強力)}×100(%)
(8)アイロンプレス後の収縮率(SPD、SPW)
JIS L−1096に従い、ドライ(H−1法 設定温度140℃)とスチーム(H−4法 設定温度140℃)との状態でプレスを行った際の収縮率(ドライプレス後の収縮率:SPD、スチームプレス後の収縮率:SPW)を算出した。
JIS L−1096に従い、ドライ(H−1法 設定温度140℃)とスチーム(H−4法 設定温度140℃)との状態でプレスを行った際の収縮率(ドライプレス後の収縮率:SPD、スチームプレス後の収縮率:SPW)を算出した。
(9)杢感、ソフト感、ふくらみ感
熟練者3人による官能試験にて評価を行い、優れているものを○、普通のものを△、不良のものを×とした。
熟練者3人による官能試験にて評価を行い、優れているものを○、普通のものを△、不良のものを×とした。
(実施例1)
L−乳酸を主成分とする数平均分子量が140,000のポリ乳酸(L−乳酸単位:98.2モル%、D−乳酸単位:1.8モル%)を、2軸エクストルーダーを用い、温度205〜225℃で約10分間溶融混練した後、水中にストランド状に押し出してカッティングすることにより、チップを作製した。
L−乳酸を主成分とする数平均分子量が140,000のポリ乳酸(L−乳酸単位:98.2モル%、D−乳酸単位:1.8モル%)を、2軸エクストルーダーを用い、温度205〜225℃で約10分間溶融混練した後、水中にストランド状に押し出してカッティングすることにより、チップを作製した。
次に、このチップを用いて、紡糸温度220℃、紡糸速度3000m/分で溶融紡糸し、110dtex/36fのポリ乳酸高配向未延伸糸を得た。これを延伸倍率1.35倍、仮撚数2900T/M、ヒーター温度100℃で仮撚加工を行い、パッケージに巻き取って、84dtex36fの糸条Aを得た。
また、通常のPETを紡糸し、122dtex/36fのPET高配向未延伸糸を得た。
これらを供給糸として、図1に示す工程に従い、表1の条件にて加工して、170dtex/72fの本発明の複合仮撚糸すなわちポリエステル系杢調複合糸を得た。
次いで、得られたポリエステル系杢調複合糸を用いて、33“28Gで天竺の生地を編み立て、サーキュラー染色機を使用し、染色温度110℃(染料:ダイスタージャパン社製、Dianix Blue UN−SE 2%omf)で染色し、仕上げ加工を行った。
(実施例2)
実施例1における通常のPETの代わりに、122dtex/36fの常圧カチオン可染PET高配向未延伸糸を使用した。そして、それ以外は実施例1と同様にして複合仮撚糸を採取し、編立、染色、仕上げ加工を行った。
実施例1における通常のPETの代わりに、122dtex/36fの常圧カチオン可染PET高配向未延伸糸を使用した。そして、それ以外は実施例1と同様にして複合仮撚糸を採取し、編立、染色、仕上げ加工を行った。
(実施例3)
実施例1における通常のPETの代わりに、植物由来のエチレングリコール成分を用いて重合、紡糸した122dtex/36fのバイオPET高配向未延伸糸を使用した。そして、それ以外は実施例1と同様にして複合仮撚糸を採取し、編立、染色、仕上げ加工を行った。
実施例1における通常のPETの代わりに、植物由来のエチレングリコール成分を用いて重合、紡糸した122dtex/36fのバイオPET高配向未延伸糸を使用した。そして、それ以外は実施例1と同様にして複合仮撚糸を採取し、編立、染色、仕上げ加工を行った。
(実施例4)
図1において、84dtex36fの糸条Aを、デリベリローラー17を介さずに直接流体処理ノズル8に供給するとともに、オーバーフィード率を表1に記載のように調整し、それ以外の加工条件は表1に記載の通りとした。そして、それ以外は実施例1と同様として複合仮撚糸を採取し、編立、染色、仕上げ加工を行った。
図1において、84dtex36fの糸条Aを、デリベリローラー17を介さずに直接流体処理ノズル8に供給するとともに、オーバーフィード率を表1に記載のように調整し、それ以外の加工条件は表1に記載の通りとした。そして、それ以外は実施例1と同様として複合仮撚糸を採取し、編立、染色、仕上げ加工を行った。
(比較例1)
実施例1における122dtex/36fのPET高配向未延伸糸を、延伸倍率1.5倍、仮撚数3400T/M、ヒーター温度200℃で仮撚加工し、パッケージに巻き取って、84dtex36fの第1の糸条を得た。また、実施例1のポリ乳酸高配向未延伸糸と同じ糸条を第2の糸条として準備した。そして、図1の工程に代えて、図1のスプール2の位置に第1の糸条(PET仮撚加工糸)を設置するとともに、図1のスプール12の位置に第2の糸条(ポリ乳酸高配向未延伸糸)を設置した。
実施例1における122dtex/36fのPET高配向未延伸糸を、延伸倍率1.5倍、仮撚数3400T/M、ヒーター温度200℃で仮撚加工し、パッケージに巻き取って、84dtex36fの第1の糸条を得た。また、実施例1のポリ乳酸高配向未延伸糸と同じ糸条を第2の糸条として準備した。そして、図1の工程に代えて、図1のスプール2の位置に第1の糸条(PET仮撚加工糸)を設置するとともに、図1のスプール12の位置に第2の糸条(ポリ乳酸高配向未延伸糸)を設置した。
そして、これらの糸条を用いて、図1に示す工程に従い、表1の条件にて加工して、第2の糸条(ポリ乳酸高配向未延伸糸)が芯部に配されるとともに第1の糸条(PET仮撚加工糸)が鞘部に配された芯鞘構造の170dtex/72fの複合仮撚糸を得た。
(比較例2)
実施例1における122dtex/36fのPET高配向未延伸糸の代わりに、110dtex/36fのポリ乳酸高配向未延伸糸を使用した。そして、それ以外は実施例1と同様として複合仮撚糸を採取し、編立、染色、仕上げ加工を行った。
実施例1における122dtex/36fのPET高配向未延伸糸の代わりに、110dtex/36fのポリ乳酸高配向未延伸糸を使用した。そして、それ以外は実施例1と同様として複合仮撚糸を採取し、編立、染色、仕上げ加工を行った。
実施例1〜4、比較例1、2の結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1の編地は、ナチュラルな杢感を有し、ソフト感とふくらみ感に優れた高質感なものであった。
実施例2の編地は、杢の色差がさらに強調されたものであり、明瞭かつナチュラルな杢感を有していた。
実施例3の編地は、実施例1の特長に加え、糸条Aのみならず糸条Bもバイオマス原料で構成されていたため、環境にやさしいものであった。
実施例4は、糸条Aをデリベリローラー17を介さずに直接流体処理ノズル8に供給するとともにオーバーフィード率を調整した結果、ポリ乳酸の糸長が大きかったため、工程通過性が若干低下した。また熱水処理後も複合仮撚糸の表面がポリ乳酸で覆われる傾向にあったため、杢感やふくらみ感の評価が「普通(△)」となってしまったが、本発明の複合仮撚糸及び織編物として許容できる範囲のものであった。
一方、比較例1では、収縮前の段階で芯側にポリ乳酸、鞘側にPETが配されており、収縮後もその配置が変わらず、さらに糸長差が大きくなった。このため、ふくらみ感が実施例の編地よりも大きくなっていたものの、杢感は単調で合繊ライクなものであった。さらに、編地は収縮により硬く締まりすぎ、ソフト感に乏しいものであった。
比較例2は、芯部及び鞘部ともバイオマス素材であったため、環境にはやさしいものであったが、杢感が不明瞭で、収縮によるソフト感、ふくらみ感のないものであった。
Claims (8)
- ポリ乳酸マルチフィラメントにて構成された仮撚糸Aと、ポリ乳酸以外のポリエステルマルチフィラメントにて構成された仮撚糸Bとが、仮撚糸Aが鞘部に配されるとともに仮撚糸Bが芯部に配置された芯鞘状に混繊された複合仮撚糸であり、仮撚糸Aと仮撚糸Bとの染色級差が1.0級以上であり、かつ下記式(i)及び式(ii)を満足することを特徴とする複合仮撚糸。
LA>LB・・・・(i)
SA>SB・・・・(ii)
ただし、LA:仮撚糸Aの糸長、 LB:仮撚糸Bの糸長
SA:仮撚糸Aの熱水収縮率、 SB:仮撚糸Bの熱水収縮率 - 下記式(iii)を満足することを特徴とする請求項1記載の複合仮撚糸。
1≦LAB≦15・・・・(iii)
ただし、LAB={(LA−LB)/LA}×100 - 下記式(iv)を満足することを特徴とする請求項1又は2記載の複合仮撚糸。
0.1≦LSBA≦10・・・・(iv)
ただし、LSBA={(LSB−LSA)/LSB}×100
LSB:熱水収縮後の仮撚糸Bの糸長
LSA:熱水処理後の仮撚糸Aの糸長 - 仮撚糸Aと仮撚糸Bの交絡数が20〜100個/mであることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の複合仮撚糸。
- 請求項1から4までのいずれか1項に記載の複合仮撚糸を少なくとも一部に有することを特徴とする織編物。
- アイロンプレス後の破裂強力保持率が、ドライ、スチームともに80%以上であることを特徴とする請求項5記載の織編物。
- 洗濯とタンブラー乾燥とを30回繰り返した後の破裂強力保持率が80%以上であることを特徴とする請求項5又は6記載の織編物。
- アイロンプレス後のタテ方向及びヨコ方向の収縮率が、ドライ、スチームともに、タテ・ヨコそれぞれ3%以下であることを特徴とする請求項5から7までのいずれか1項記載の織編物。
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JP2014067307A JP2015190074A (ja) | 2014-03-28 | 2014-03-28 | 複合仮撚糸及びこの複合仮撚糸を用いた織編物 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112557139A (zh) * | 2020-12-09 | 2021-03-26 | 韦朝洪 | 一种纺织品顶破性能测试预处理装置及预处理方法 |
WO2022078422A1 (zh) * | 2020-10-15 | 2022-04-21 | 东丽纤维研究所(中国)有限公司 | 聚酯复合混纤纱及其制备方法 |
CN114934323A (zh) * | 2022-05-19 | 2022-08-23 | 浙江裕源纺织有限公司 | 一种吸湿排汗poy制备工艺 |
-
2014
- 2014-03-28 JP JP2014067307A patent/JP2015190074A/ja active Pending
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