JP6591765B2 - 潜在捲縮性複合繊維 - Google Patents
潜在捲縮性複合繊維 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6591765B2 JP6591765B2 JP2015062972A JP2015062972A JP6591765B2 JP 6591765 B2 JP6591765 B2 JP 6591765B2 JP 2015062972 A JP2015062972 A JP 2015062972A JP 2015062972 A JP2015062972 A JP 2015062972A JP 6591765 B2 JP6591765 B2 JP 6591765B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyester
- fiber
- latent
- hard segment
- segment
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Nonwoven Fabrics (AREA)
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
- Multicomponent Fibers (AREA)
Description
2種のポリエステルのうち一方のポリエステル(A)が、ハードセグメントとソフトセグメントとから構成されるポリエステルエラストマーであり、ハードセグメントが、エチレンテレフタレートを繰り返し単位としてイソフタル酸、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体を共重合した共重合ポリエステル、ソフトセグメントがポリテトラメチレングリコールであり、
他方のポリエステル(B)が、ポリエチレンテレフタレートであり、
潜在捲縮を顕在化するための加熱処理において、ポリエステル(A)は高収縮するポリマー、ポリエステル(B)はポリエステル(A)よりも収縮しにくい低収縮のポリマーであることを特徴とする潜在捲縮性複合繊維を要旨とするものである。
(1)ポリエステル(A)の各構成成分の含有率
ポリエステル(A)の原料チップを、重水素化ヘキサフルオロイソプロパノールと重水素化クロロホルムとを容量比1/20で混合した溶媒に溶解させ、日本電子社製LA−400型NMR装置にて1H−NMRを測定し、得られたチャートの各共重合成分のプロトンのピークの積分強度から求めた。
(2)相対粘度
濃度0.5%のフェノール/四塩化エタンの等質量混合溶液を溶媒とし、ウベローデ粘度計を使用して、温度20℃で測定した。
(3)単繊維繊度
JIS L 1015 正量繊度のA法により測定した。
(4)強伸度
JIS L 1015 引張強さ及び伸び率により測定した。
(5)機械捲縮数
特定の繊維長にカットする前に、スタッフィングボックスで機械捲縮をかけた糸条束から複合繊維をサンプリングし、JIS L 1015 けん縮数により測定した。
(6)潜在捲縮数
不織布を作製する前の原綿の状態の複合短繊維を、オーブンの中に1本ずつ収縮しても緊張しないように十分に弛ませた状態でセットし、雰囲気温度170℃で15分間熱処理し、該処理後に発現するスパイラル捲縮の数を、JIS L 1015 けん縮数により測定した。
(7)不織布の50%モジュラス
50mm(機械方向と直交する方向)×150mm(機械方向)の試料片を5枚作製し、定速伸長型引張試験機を用い、つかみ間隔100mmで固定した後、機械方向に100mm/分の速度でつかみ間隔が150mmになるまで伸ばした時の最大荷重を測定した。試料片5枚についての最大荷重から平均値を算出し、その値を50%モジュラスの値とした。なお、不織布の機械方向(MD方向)についてのみ測定したが、通常、不織布は、MD方向と直交する方向(CD方向)よりもMD方向の方が強力が高く、MD方向のモジュラス強度がCD方向のモジュラス強度よりも高い値となるため、高い値となるMD方向のみを測定した。
(8)不織布の伸長回復率
50mm(機械方向と直交する方向)×150mm(機械方向)の試料片を5枚作製し、定速伸長型引張試験機を用い、つかみ間隔100mmで固定した後、機械方向に100mm/分の速度でつかみ間隔が150mmになるまで伸ばし、この状態で1分間保持した後、100mm/分の速度で元に戻し、3分間放置後、再び100mm/分の速度で伸ばし、荷重がかかるまでの伸びA(残留伸び)を測定し、下記式により、それぞれの伸長回復率を算出し、その平均値を求めた。
式:伸長回復率(%)=[(50−A)/50]×100
(9)不織布の風合い
得られた不織布あるいは固綿の風合い、柔軟性を触感にて判定し、良好なものを○、不良なものを×として2段階で評価した。
ポリエステル(A)として、ハードセグメントは、エチレンテレフタレート単位を主体とし、IPAを3.5モル%、BAEOを5.5モル%共重合した共重合ポリエステル、ソフトセグメントは平均分子量1000のPTMGとして、ハードセグメント:ソフトセグメントの共重合比(質量比)が、87.7:12.3でブロック共重合してなるポリエステルを用いた。このポリエステル(A)の相対粘度は1.522であった。
実施例1において、延伸における緊張熱処理の温度を160℃に変更した以外は実施例1と同様にして行い、潜在捲縮性複合短繊維および不織布を得た。
実施例1において、ポリエステル(A)におけるIPA、BAEO、PTMGの含有率および相対粘度と、ポリエステル(B)の相対粘度を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして行い、潜在捲縮性複合短繊維および不織布を得た。
実施例3延伸における緊張熱処理の温度を160℃に変更した以外は、実施例3と同様にして行い、潜在捲縮性複合短繊維および不織布を得た。
実施例1において、ポリエステル(A)におけるPTMGの共重合比を15質量%、相対粘度1.543としたこと、紡糸条件として、単糸の吐出量を2.79g/minにしたこと、紡糸速度を700m/分にしたこと、糸条冷却条件を常法により調整を行ったこと、延伸条件として、延伸倍率を4.00倍としたこと以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度が10.57dtex、繊維長51mmの潜在捲縮性複合短繊維を得た。
実施例1におけるポリエステル(A)において、IPA、BAEOの共重合モル比を表1に示すように変更したこと、PTMGを共重合させなかったこと、における相対粘度を表1に示したように変更し、さらに、紡糸条件における紡糸温度293℃、単糸吐出量0.746g/min、紡糸速度1170m/min、延伸条件における延伸倍率3.07倍、延伸温度80℃に変更した以外は、実施例1と同様にして行い、ポリエステル複合短繊維および不織布を得た。
延伸における緊張熱処理の温度を160℃に変更した以外は、比較例1と同様にして行い、ポリエステル複合短繊維および不織布を得た。
Claims (6)
- 2種のポリエステルがサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に接合した潜在捲縮性複合繊維であり、
2種のポリエステルのうち一方のポリエステル(A)が、ハードセグメントとソフトセグメントとから構成されるポリエステルエラストマーであり、ハードセグメントが、エチレンテレフタレートを繰り返し単位としてイソフタル酸、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体を共重合した共重合ポリエステル、ソフトセグメントがポリテトラメチレングリコールであり、
他方のポリエステル(B)が、ポリエチレンテレフタレートであり、
潜在捲縮を顕在化するための加熱処理において、ポリエステル(A)は高収縮するポリマー、ポリエステル(B)はポリエステル(A)よりも収縮しにくい低収縮のポリマーであることを特徴とする潜在捲縮性複合繊維。 - ポリエステル(A)を構成するハードセグメントにおいて、イソフタル酸の共重合量が1〜6モル%、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体の共重合量が4〜10モル%であることを特徴とする請求項1記載の潜在捲縮性複合繊維。
- ポリエステル(A)において、ハードセグメントとソフトセグメントとの共重合比(質量比)が、ハードセグメント/ソフトセグメント=95/5〜80/20であることを特徴とする請求項1または2記載の潜在捲縮性複合繊維。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の潜在捲縮性複合繊維によって構成される不織布。
- 50%モジュラスが、20N/50mm幅以下である請求項4記載の不織布。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の潜在捲縮性複合繊維によって構成される固綿。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015062972A JP6591765B2 (ja) | 2015-03-25 | 2015-03-25 | 潜在捲縮性複合繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015062972A JP6591765B2 (ja) | 2015-03-25 | 2015-03-25 | 潜在捲縮性複合繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016183425A JP2016183425A (ja) | 2016-10-20 |
JP6591765B2 true JP6591765B2 (ja) | 2019-10-16 |
Family
ID=57242628
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015062972A Active JP6591765B2 (ja) | 2015-03-25 | 2015-03-25 | 潜在捲縮性複合繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6591765B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112342688A (zh) * | 2020-10-31 | 2021-02-09 | 苏州新诺斯新材料科技有限公司 | 一种亲水柔软的点纹热轧无纺布及其制作工艺 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3193577B2 (ja) * | 1994-07-26 | 2001-07-30 | 帝人株式会社 | ポリエステル系複合繊維 |
JPH09195126A (ja) * | 1996-01-17 | 1997-07-29 | Nippon Ester Co Ltd | 潜在捲縮性ポリエステル複合繊維 |
JPH10204726A (ja) * | 1997-01-16 | 1998-08-04 | Nippon Ester Co Ltd | 潜在捲縮性ポリエステル複合繊維 |
JPH10310965A (ja) * | 1997-05-09 | 1998-11-24 | Unitika Ltd | ポリエステル短繊維不織布 |
JP2013209789A (ja) * | 2012-02-28 | 2013-10-10 | Toray Ind Inc | 潜在捲縮性ポリエステル複合繊維および繊維構造体 |
-
2015
- 2015-03-25 JP JP2015062972A patent/JP6591765B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016183425A (ja) | 2016-10-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2006214056A (ja) | 織物 | |
WO2020179238A1 (ja) | 捲縮を有するポリエステル系繊維、その製造方法、それを含むパイル布帛、及びパイル布帛の製造方法 | |
JP6591765B2 (ja) | 潜在捲縮性複合繊維 | |
JP5893475B2 (ja) | 潜在捲縮性ポリエステル複合短繊維及びその不織布 | |
JP6099325B2 (ja) | 潜在捲縮性ポリエステル複合短繊維およびその不織布 | |
JP2013209785A (ja) | 潜在捲縮性ポリエステル複合繊維糸条 | |
JP6948048B2 (ja) | 潜在捲縮性複合繊維 | |
JPH06101116A (ja) | 複合繊維 | |
JP6004759B2 (ja) | 潜在捲縮性複合繊維 | |
JP5992239B2 (ja) | 潜在捲縮性ポリエステル複合短繊維およびその不織布 | |
CN113906175B (zh) | 绒头布帛及其制造方法 | |
JP4699072B2 (ja) | ストレッチ性ポリエステル複合繊維 | |
CN112352069B (zh) | 聚酯系纤维、使用其的绒头布帛及它们的制造方法 | |
JPH07150429A (ja) | 伸縮性を有する紡績糸および織物 | |
JP3759236B2 (ja) | 潜在捲縮繊維を含有する紡績糸 | |
JP2022143330A (ja) | 潜在捲縮性能を有する複合繊維およびそれからなる不織布 | |
JP2007046212A (ja) | 複合糸、およびこれを含む布帛製品 | |
JP2001064828A (ja) | ポリエステル系複合繊維及び不織布 | |
JP2000248430A (ja) | 潜在捲縮発現性ポリエステル繊維および製造方法 | |
JPH04361650A (ja) | 伸縮性ピーチ調編地の製造方法 | |
JP4559044B2 (ja) | 潜在捲縮性繊維用ポリエステル樹脂、及びこれを用いた潜在捲縮性ポリエステル複合繊維 | |
JPH07305243A (ja) | バインダー繊維含有紡績糸 | |
JP4140178B2 (ja) | 裏地 | |
JP3863286B2 (ja) | ポリエステル特殊捲縮糸及びその製造方法 | |
JP2009191437A (ja) | ストレッチ編地を用いたスポーツウエア |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180309 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20181114 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20181127 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20190123 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190322 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190903 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190919 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6591765 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |