JP2006150823A - 黒色マット調延伸容器 - Google Patents
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Abstract
素材にした延伸容器を提供する。
【解決手段】ポリエチレンテレフタレート樹脂に着色剤としての黒色顔料と、この顔料の
分散剤とが混入されて射出成形により得られたプレ成形体を用い、このプレ成形体成形工
程ではこのプレ成形体の表面のみが短時間で急速冷却され、引き続き内面が延伸成形可能
な最低の温度まで冷却されると共に、外面の表面がマット調になるぐらいに加熱され、次
いでブロー成形工程で、金型を高温に加熱した状態で延伸ブロー成形されている。
【選択図】 図1
Description
消し調)が必要な、また、落下強度が必要な延伸容器に関する。
光沢が残るので、マット感を得ることが難しく、しかも通常の成形条件や顔料で達成する
ことは不可能であった。
方法がある。また、別の技術としてマット調に見える顔料を混ぜたり、微小な粉粒体を分
散混入する方法がある。
プレ成形体という)を結晶化(白化)気味にして延伸する方法は、落下強度が弱く(割れ
易く)、表面も剥離しやすい。また、後者のマット調に見える顔料を混ぜたり、微小な粉
粒体を分散混入する方法は、延伸してもポリエチレンテレフタレート樹脂の表面は光沢が
残り、どうしてもマット感が達成できないのが現状である(マット調ではなく、パール調
になってしまう)。殊に、微小な粉粒体を分散混入する方法では、延伸した時にこの微小
な粉粒体周囲に空隙が生じ、剥離を生じる大きな要因ともなっていた。
すなわち、採用するポリエチレンテレフタレート樹脂の極限粘度、成形工程の改良、顔
料と分散剤、延伸倍率など各種条件を種々模索した結果、黒色の着色剤を採用したポリエ
チレンテレフタレート樹脂製で、マット感があり、併せて落下強度のある黒色マット調延
伸容器を開発したので、ここに提案する。
ンテレフタレート樹脂を素材にした黒色マット調延伸容器を提供することにある。
着色剤としての黒色顔料と、この顔料の分散剤とが混入されて射出成形により得られたプ
レ成形体を用い、このプレ成形体成形工程ではこのプレ成形体の表面のみが短時間で急速
冷却され、引き続き内面が延伸成形可能な最低の温度まで冷却されると共に、外面を表面
がマット調になるぐらいに加熱され、次いでブロー成形工程で、金型を高温に加熱した状
態で延伸ブロー成形されてなることを要旨としている。
、マット調に見える顔料を混ぜたり、微小な粉粒体を分散混入したりすることなく、黒色
の着色剤を用いる延伸容器でありながら、マット調にでき、併せて剥離を生じるおそれも
なく、落下強度のある延伸容器を得ることができる。
以上説明したように、本発明は、従来の手法のように、プレ成形体を結晶化(白化)気
味にして延伸したり、また、マット調に見える顔料を混ぜたり、微小な粉粒体を分散混入
したりすることなく、黒色の着色剤を用い延伸容器でありながら、マット調にでき、併せ
て剥離を生じるおそれもなく、落下強度のある延伸容器を得ることができる。
うに、ポリエチレンテレフタレート樹脂の極限粘度は、IV=0.66〜0.85の範囲
であるのが望ましい。
極限粘度が0.66以下であると剥離が発生し、逆に極限粘度が0.85以上であると
樹脂の転写性と表面のマット感が得られず、マット調が発現しないからである。
〜3倍、横延伸倍率を3〜5倍に設定されるのが望ましい。
適正なマット感を得るには高延伸率が望ましいが、剥離現象を回避できない。逆に剥離
現象を回避するには低延伸率が望ましいが、適正なマット感が得られない。この互いに相
矛盾する欲求を、両機能が可及的に達成される要因を総合的に組み合わせることで、この
縦横延伸倍率を導き出すことができた。最終的には良好なマット感が得られる上に延伸成
形しても剥離の無い状態をうまく現出できた。
採用するのが望ましい。
この着色剤としての顔料は生地のポリエチレンテレフタレート樹脂に相溶し易く、マッ
ト調を良好に発現するからである。
黒色マット調延伸PETボトルに適用した場合について、先ずこれを得る方法を以下説明
する。
00重量部に、黒色酸化鉄顔料10重量部及び脂肪酸エステル系の分散剤1重量部からな
るマスターバッチ10重量部と、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂100重量部を射
出成形機(具体的にはインラインスクリュー式射出成形機)1のホッパー2に投入し、シ
リンダー3内で加熱溶融しながら回転するスクリュー4でこれらポリエチレンテレフタレ
ート樹脂、黒色酸化鉄顔料、そして脂肪酸エステル系の分散剤を充分に混合し、シリンダ
ーヘッドからこの溶融混合物Mを分割金型5内に押出して、口ねじを備えた有底筒状のプ
レ成形体(プリフォーム)Pを得る。尚、図中、6は加熱シリンダー、7金型ヒーターで
ある。
分散状態を良くするめに、図3に示すように、射出スクリューは長さ/直径の比(L/D
値)を20以上、好ましくは25以上にするのが望ましい。
0.85が望ましい。0.66以下であると落下により剥離が発生し、逆に0.85以上
であると、樹脂の転写性と表面のマット感が得られず、マット調が発現しない。
短時間で急速に冷却する。この場合、このプレ成形体Pを取り出す時に変形しない、最も
高い温度で次の加熱工程に受け渡しすることが望ましい。
7〜10°Cで冷却した)有底筒状プレ成形体Pを、加熱工程に送り、ここにおいて、図
1(C)に示すように、筒内側表面を内部に挿入される延伸ロッド8から噴出される冷却
風によって冷却する。また、筒外表面は、周囲を囲繞するヒーター9によって過加熱する
。
形工程での延伸可能な最低温度の83〜88°Cであることが望ましい。また、筒外表面
の加熱温度は、ポリエチレンテレフタレート樹脂が結晶化する直前の温度、つまりは次の
延伸ブロー成形工程での延伸可能な最高温度、更に言い換えるとマット調になるぐらいに
過加熱する範囲である95〜110°Cであるのが望ましい。いずれも次の延伸ブロー成
形工程での適正なマット感と剥離しない延伸成形を実現させるためである。
に示すように、前工程での処理温度を保ったままでこの有底筒状プレ成形体Pを、目的と
するボトル形状が内壁に形成された分割金型10に収容し(挟み込み)、有底筒状プレ成
形体内に挿入された延伸ロッド11から高圧空気を吹き込んで膨らませて、目的形状のボ
トルVを成形する。
以上であることが望ましい。ボトル外表面の光沢を無くし、適正なマット感を得るためで
ある。
4〜100の面粗さに加工しておくことも、マット調を強調する上から望ましい。
望ましく、剥離現象を回避するには低延伸成形が望ましく、適正なマット感を得ることと
剥離現象を回避することとは互いに相容れない条件を備える。
倍率(図4中、A´/A)を1.5〜3倍に、また、横延伸倍率(図4中、B´/B)を
3〜5倍に設定したところ、所期の目的通り、好ましいマット調を保持し、併せて表面剥
離を生じないボトルVが得られた。
後のボトルの口栓受け部下から底までの寸法を表す。また、Bは有底筒状プレ成形体Pの
口栓受け部から下に一体に連なる胴部分の直径を表し、B´は成形後のボトルの横幅を表
す。
率では3.5から4.5倍である。
ット調延伸PETボトルに適用した場合について説明する。
以上の製法によって実際に成形したボトルVに400mlの水を満杯充填してキャッピ
ングし、環境温度及び試験体品温度5°C、湿度55%の環境で高さ100cmからコン
クリート上面に、正立落下及び側面落下を1回ずつ実施して剥離の有無を目視で確認した
ところ、10個中10個とも剥離は見られなかった。
光沢度測定器で計測した結果、1〜10%の光沢度数値でマット感が発現していることを
確認できた。
ト樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート重合体、ポリエチレンテレフタレートのテ
レフタル酸成分を一部イソフタル酸成分に置き換えた共重合体、ポリエチレンテレフタレ
ートのエチレングリコール成分を一部シクロヘキサンジメタノール成分に置き換えた共重
合体、およびポリエチレンテレフタレートのテレフタル酸成分を一部イソフタル酸成分に
置き換えエチレングリコール成分を一部シクロヘキサンジメタノール成分に置き換えた共
重合体から選ばれた少なくとも1種類である。
生地のポリエチレンテレフタレート樹脂に相溶し易く、マット調を良好に発現する。着色
剤の添加量は限定されないが、成形品に対して0.01〜10重量%が好ましい。着色剤
の添加量が成形品に対して0.01%未満では成形品が充分に着色されず、逆に10重量
%を超えると着色剤の均一な分散が困難であり、成形品の機械的な強度に悪影響を及ぼす
可能性がある。
わされたものを採用できる。着色剤としての上記着色剤を良好な分散状態にすることがで
き、剥離し難くなり、丈夫なボトルVを成形できる。分散剤の添加量は特に限定されない
が、着色剤に対して1〜60重量%が好ましい。1重量%未満では着色剤分散効果が得ら
れず、60重量%を越えると成形性が低下する。
、着色剤と分散剤のポリエチレンテレフタレート樹脂への混合方法は特に限定されず、前
述のマスターバッチによる方法の他に、着色剤を樹脂に分散させるのに通常用いられてい
る方法を使用できる。
P…プレ成形体
V…ボトル
Claims (5)
- ポリエチレンテレフタレート樹脂に着色剤としての黒色顔料と、この顔料の分散剤とが混
入されて射出成形により得られたプレ成形体を用い、このプレ成形体成形工程ではこのプ
レ成形体の表面のみが短時間で急速冷却され、引き続き内面が延伸成形可能な最低の温度
まで冷却されると共に、外面を表面がマット調になるぐらいに加熱され、次いでブロー成
形工程で、金型を高温に加熱した状態で延伸ブロー成形されてなることを特徴とする黒色
マット調延伸容器。 - ポリエチレンテレフタレート樹脂の粘度は、IV=0.66〜0.85の範囲である請求
項1に記載の黒色マット調延伸容器。 - 延伸ブロー成形における延伸倍率は、縦延伸倍率が1.5〜3倍、横延伸倍率が3〜5倍
に設定される請求項1記載の黒色マット調延伸容器。 - ポリエチレンテレフタレート樹脂がポリエチレンテレフタレート重合体、ポリエチレンテ
レフタレートのテレフタル酸成分を一部イソフタル酸成分に置き換えた共重合体、ポリエ
チレンテレフタレートのエチレングリコール成分を一部シクロヘキサンジメタノール成分
に置き換えた共重合体、およびポリエチレンテレフタレートのテレフタル酸成分を一部イ
ソフタル酸成分に置き換えエチレングリコール成分を一部シクロヘキサンジメタノール成
分に置き換えた共重合体から選ばれた少なくとも1種類である請求項1記載の黒色マット
調延伸容器。 - 着色剤は、黒色酸化鉄顔料、又は金属酸化物の焼成黒色顔料である請求項1記載の黒色マ
ット調延伸容器。
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JP2004346640A JP4655602B2 (ja) | 2004-11-30 | 2004-11-30 | 黒色マット調延伸容器の製造方法 |
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2004
- 2004-11-30 JP JP2004346640A patent/JP4655602B2/ja not_active Expired - Fee Related
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