JP2000313053A - コールドパリソン法二軸延伸ブロー成形方法 - Google Patents

コールドパリソン法二軸延伸ブロー成形方法

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JP2000313053A
JP2000313053A JP12315099A JP12315099A JP2000313053A JP 2000313053 A JP2000313053 A JP 2000313053A JP 12315099 A JP12315099 A JP 12315099A JP 12315099 A JP12315099 A JP 12315099A JP 2000313053 A JP2000313053 A JP 2000313053A
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molding
stretch blow
stretching blow
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JP12315099A
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English (en)
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Hitoaki Kurumi
仁朗 久留美
Shigeto Kimura
茂人 木村
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Japan Polychem Corp
Original Assignee
Japan Polychem Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 延伸ブロー成形時の成形安定性がよく、かつ
偏肉性に優れ(偏肉しにくく)、しかも透明性、柔軟性
に優れたポリオレフィン樹脂成形体を製造しうるコール
ドパリソン法二軸延伸ブロー成形方法を提供することを
課題とする。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂材料を用いて射出
成形によりプリフォームを成形して冷却し、次いで得ら
れたプリフォームを加熱したのち、二軸延伸ブロー成形
することによるコールドパリソン法二軸延伸ブロー成形
方法において、プリフォームの加熱を赤外線放射ピーク
波長が3μm以上である赤外線ランプヒーターを用いて
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、延伸ブロー成形時
の成形安定性、偏肉性に優れ、かつ透明性、光沢性に優
れたポリオレフィン樹脂成形体を製造しうるコールドパ
リソン法二軸延伸ブロー成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックの飲料ボトルや化粧料瓶な
どのプラスチック製容器の多くは、樹脂材料のブロー成
形により製造されている。かかるブロー成形に用いられ
る樹脂材料としては、従来よりポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ塩化ビニル、及びポリエチレンテレフタレ
ートが主に用いられてきた。しかし、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等の結晶性樹脂は、透明性、光沢性が劣
り、ガラス瓶に代わるような透明容器の用途には不向き
であった。また、ポリ塩化ビニルは透明性、光沢性に優
れるものの、リサイクル性及び衛生性に問題があり、ポ
リエチレンテレフタレートの場合も透明性、光沢性に優
れるもののポリエチレン、ポリプロピレンに比較して熱
収縮性、加水分解性に劣るものであった。
【0003】一方、ポリエチレンやポリプロピレンは、
延伸を伴うブロー成形(延伸ブロー成形)により成形す
れば、透明性、光沢性が改良される。このため、射出成
形機とブロー成形機が一体化した1ステージのホットパ
リソン法による二軸延伸ブロー成形が一部で用いられて
いる。しかしながら、この方法は、射出成形で加熱され
たホットパリソンを使用するため、射出成形時の温度変
動、残留応力等により延伸ブロー成形時に破れが生じや
すく、またこのために延伸倍率を高くすることができな
いことから、ポリエチレンテレフタレートのような高透
明性、高光沢の成形体を得ることは困難であった。
【0004】また、透明性、光沢性をよくするために転
写性等に優れたMFR(メルトフローレート)の高い樹
脂材料を使用しようとしても、パリソンの温度が高いた
め射出成形金型からパリソンが離型できず、結果的にM
FRの高い材料が使用できないため透明性、光沢性が劣
る問題があった。
【0005】このホットパリソン法に代わるものとし
て、いったん射出成形したプリフォームを完全に冷却し
たもの(コールドパリソンともいう)を後で延伸ブロー
する方法、すなわち2ステージのコールドパリソン法に
よる二軸延伸ブローが最近用いられるようになってき
た。この方法では射出成形と延伸ブロー成形が切り離さ
れているため、射出成形の影響を受けにくく、またプリ
フォームは十分冷却して射出金型から取り出せるため、
MFRの使用制限も受けずに高透明、高光沢のブロー成
形体を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を用い
て高光沢、高透明のブロー成形体を得るには、前述のコ
ールドパリソン法による二軸延伸ブロー成形が最も好ま
しいが、ポリオレフィン系樹脂のような結晶性樹脂は、
プリフォームをポリエチレンテレフタレートのような非
結晶状態で成形することが困難であるため、二軸延伸ブ
ロー成形できる温度幅が極めて狭く、かつ成形できても
偏肉しやすい材料である。具体的にはプリフォームを外
部から赤外線放射ピーク波長が通常1〜2μmの電気式
赤外線ランプヒーターでプリフォームの外面あるいは内
面を加熱しているため、プリフォームが結晶状態である
ポリオレフィン系樹脂の場合、プリフォーム内の加熱性
が劣る。この結果、プリフォーム壁の外表面(表層)と
内部との間に温度差が生じやすく、結晶化した樹脂の厚
肉のプリフォームを延伸ブローする場合、肉厚方向に温
度分布が生じブロー成形できる温度幅が狭く、また偏肉
しやすい(偏肉性に劣る)という問題があった。
【0007】本発明は、延伸ブロー成形時の成形安定性
がよく、かつ偏肉性に優れ(偏肉しにくく)、しかも透
明性、柔軟性に優れたポリオレフィン樹脂成形体を製造
しうるコールドパリソン法二軸延伸ブロー成形方法を提
供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を行った結果、プリフォーム加熱用の赤外線ランプヒー
ターの赤外線放射ピーク波長を3μm以上とすることに
より、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、ポリオレフィン系樹
脂材料を用いて射出成形によりプリフォームを成形し冷
却する射出成形工程と、前記射出成形工程で得られたプ
リフォームを加熱したのち二軸延伸ブロー成形する延伸
ブロー成形工程とを含むコールドパリソン法二軸延伸ブ
ロー成形方法であって、前記延伸ブロー成形工程におい
て、プリフォームの加熱を赤外線放射ピーク波長が3μ
m以上である赤外線ランプヒーターを用いて行うことを
特徴とする、ポリオレフィン系樹脂のコールドパリソン
法二軸延伸ブロー成形方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0011】(1)コールドパリソン法二軸延伸ブロー
成形方法 本発明の方法は、ポリオレフィン系樹脂材料を用いて射
出成形によりプリフォームを成形し冷却する射出成形工
程と、前記射出成形工程で得られたプリフォームを加熱
したのち二軸延伸ブロー成形する延伸ブロー成形工程と
を含むコールドパリソン法二軸延伸ブロー成形方法であ
る。
【0012】コールドパリソン法二軸延伸ブロー成形法
とは、ポリエチレンテレフタレートの容器成形等で汎用
的に用いられている成形方法であり、射出成形工程と延
伸ブロー成形工程が各々別工程として独立していること
を特徴とする。具体的には、射出成形で成形した有底プ
リフォームを固化するまで完全に冷却したのち、該冷却
されたプリフォーム(コールドパリソン)を延伸ブロー
成形に供する。
【0013】このコールドパリソン法二軸延伸ブロー成
形法に用いられる成形機は、射出成形機と延伸ブロー成
形機が各々独立しているものが一般的であるが、プリフ
ォームが完全に固化するまで冷却される条件を満たせ
ば、射出成形工程と延伸ブロー工程とを連続して行うよ
うになっているものでもよい。
【0014】射出成形工程 射出成形は、1個又は複数個のプリフォーム用金型を取
り付けた汎用の射出成形機によって行うことができる。
まず、成形用のポリオレフィン系樹脂材料を加熱溶融
し、圧力をかけて前記樹脂材料をノズルから金型のキャ
ビティ内に射出充填し、プリフォーム(有底パリソン)
を成形する。このときの射出成形条件については特に制
限はなく、好ましくは、射出温度が150〜250℃、
射出圧力が5kg/cm2以上、金型締め付け圧力が5
0ton以上である。これらの条件を満たすものであれ
ば、如何なる射出成形機を用いてもよい。成形されたプ
リフォームは金型内で急冷される。
【0015】延伸ブロー成形工程 本発明における延伸ブロー成形工程に用いられる延伸ブ
ロー成形機は、プリフォーム加熱部と、延伸ロッドを備
えたブロー金型部とからなり、前記プリフォーム加熱部
は、少なくとも外部加熱部を備え、さらに必要に応じて
内部加熱部(内面側加熱部)を備えている。
【0016】前記射出成形工程で成形し冷却されたプリ
フォームは、次いでこの延伸ブロー成形機のプリフォー
ム加熱部で、再加熱される。前記プリフォーム加熱部の
外部加熱部は、赤外線ランプヒーターからなる。本発明
においては、該赤外線ランプヒーターの赤外線放射ピー
ク波長は3μm以上、好ましくは5μm以上であること
を特徴とする。この波長を3μm以上とするには、ラン
プ封体表面にセラミックをコーティングしたもの(ウシ
オ電機(株)製、QIR200V 1000WYDなど)を用いればよ
い。このような波長3μm以上の赤外線ランプヒーター
は市販されており、本発明においてもかかる市販品を利
用することができる。
【0017】赤外線放射ピーク波長は長いほどプリフォ
ーム内部への加熱性に優れ、プリフォーム壁の表層と内
部との温度差が小さくなり、肉厚方向の温度分布が均一
化し、ブロー成形できる温度幅が広く、偏肉が少なくな
る。赤外線放射ピーク波長の上限は特に制限されない
が、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm
以下である。前記波長がこの範囲内であれば、出力見合
いの熱効率がよい。
【0018】プリフォームの内面側加熱は必ずしも成形
に必要ではないが、成形安定性がよくなる、成形サイク
ルが短縮できる等の利点があるので、内面側加熱を行う
方が好ましい。内面側加熱は、通常、プリフォーム内へ
の加熱空気、加熱棒の挿入等の方法により行われる。
【0019】なお、プリフォームの形状は、口部を備え
た試験管形状であり、口部は通常キャップと嵌合できる
ねじ部を有するのが一般的であるが、通常、口部は延伸
ブローしない。プリフォームの延伸ブローされる部分の
肉厚は0.5〜6mmが好ましい。肉厚が薄いとプリフ
ォーム搬送時に変形しやすく、またプリフォーム加熱時
に形状保持性が低下しやすくなるという観点から問題が
ある。一方、肉厚が厚いと、ポリオレフィン系樹脂のよ
うな結晶性樹脂の場合、赤外線ランプヒーターからの赤
外線透過量が低下し、また熱伝導も悪くなるため、肉厚
方向に温度分布が生じてプリフォーム壁の表層と内部と
の間の温度差が大きくなり、延伸ブローする場合にブロ
ー成形できる温度幅が狭くなり、また偏肉しやすくなる
という問題が生じるので好ましくない。
【0020】再加熱されたプリフォームは、延伸ロッド
を備えたブロー金型部で延伸ブローされる。延伸倍率
は、最終成形体のサイズが、縦(軸)方向についてプリ
フォームの1.5〜5倍、横(周)方向についてもプリ
フォームの1.5〜5倍になるようにするのが好まし
い。この場合、縦延伸は口部から底部へ延伸棒(延伸ロ
ッド)を押し出すことによって、また横延伸は2〜50
kg/cm2の高圧空気で一段もしくは多段で加圧する
ことによって延伸ブローする。なお、延伸は縦と横を同
時に行っても別々に行ってもよいが、同時に延伸する方
が好ましい。
【0021】延伸ブローする際の樹脂温度(プリフォー
ムの加熱温度)は、使用する樹脂材料の最適温度によっ
て異なるため特に限定されないが、ポリオレフィン系樹
脂の場合は、融点以下〜結晶化温度以上とすることが好
ましく、通常80〜150℃である。
【0022】(2)ポリオレフィン系樹脂材料 本発明の成形方法に用いられるポリオレフィン系樹脂材
料は、ポリオレフィン系樹脂を主成分とするものであ
る。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン系
樹脂又はポリエチレン系樹脂が挙げられる。
【0023】本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂
としては、プロピレンのホモ重合体、又はプロピレンを
主成分とするプロピレンとα−オレフィンとのランダム
共重合体もしくはブロック共重合体が挙げられる。本発
明で用いられるポリエチレン系樹脂としては、高密度ポ
リエチレン(HDPE)、高圧法ポリエチレン(HP−
LDPE)、リニヤー低密度ポリエチレン(L−LDP
E)、超低密度リニヤーポリエチレン(VL−LP
E)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等が挙
げられる。これらの樹脂は単独でも任意の割合で混合し
たものを使用してもよい。
【0024】これらのなかでも特に、プロピレンとα−
オレフィンとのランダム共重合体(以下、「プロピレン
ランダム共重合体」という)、及び超低密度リニヤーポ
リエチレン(VL−LPE)は、透明性、成形性に優れ
るので好ましい。
【0025】前記プロピレンランダム共重合体は、コモ
ノマーとして、エチレン又は炭素数4〜8のα−オレフ
ィンを用いたものが好ましい。前記炭素数4〜8のα−
オレフィンとしては、例えば1−ブテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、4ーメチルブテン−1等が挙げられ
る。これらのコモノマーのうち、コスト等の点から、エ
チレン又は1−ブテンが好ましい。
【0026】前記ランダム共重合体は、プロピレンと前
記α−オレフィンの一種もしくは二種以上とを、チーグ
ラー・ナッタ触媒、メタロセン触媒等の存在下にスラリ
ー、バルク、気相法等のプロセスにてランダム共重合さ
せることによって得られる。
【0027】前記ランダム共重合体中のα−オレフィン
含量は2重量%以上、好ましくは3〜10重量%であ
る。α−オレフィン含量が低すぎると、延伸ブロー成形
時の成形安定性、偏肉性が低下し、得られる成形体の透
明性、光沢性が劣る場合がある。一方、前記α−オレフ
ィン含量が高すぎると、成形体の剛性が低くなり、また
前記ランダム共重合体自体の製造コストが高くなる場合
がある。
【0028】前記プロピレンランダム共重合体のMFR
は好ましくは5〜50g/10分、より好ましくは10
〜40g/10分である。MFRが低いと射出成形で得
られるプリフォームに残留応力が発生し、二軸延伸ブロ
ー成形時の成形安定性が劣り、また得られる成形体の透
明性、光沢性も劣る。一方、MFRが高すぎると、透明
性、光沢性はよくなるものの樹脂材料の衝撃強度が低下
し、ボトルとして使用した場合、落下強度が劣る。な
お、ポリプロピレン系樹脂のMFRの測定は、JIS−
K7210熱可塑性プラスチックの流れ試験方法によ
り、温度230℃(2.16kg荷重)で測定した値で
ある。
【0029】本発明で好ましく用いられるVL−LPE
は、エチレンと炭素数3〜12、好ましくは炭素数3〜
10のα−オレフィンとの共重合体である。α−オレフ
ィンは、好ましくは1−ブテン又は1−ヘキセンであ
る。前記α−オレフィンは、一種のみならず二種以上を
共重合させることができる。
【0030】前記エチレン・α−オレフィン共重合体中
におけるα−オレフィンの含量は6重量%以上、好まし
くは8重量%以上である。α−オレフィン含量の上限は
特に限定されないが、40重量%以下、より好ましくは
35重量%以下である。α−オレフィン含量が低すぎる
と、延伸ブロー成形時の成形安定性、偏肉性が低下し、
得られる成形体の透明性、光沢性が劣る場合がある。一
方、前記α−オレフィン含量が高すぎると、成形体の剛
性が低くなり、また前記エチレン・α−オレフィン共重
合体自体の製造コストが高くなる場合がある。
【0031】前記VL−LPEは、好ましくはイオン重
合触媒により製造されたものである。イオン重合触媒と
しては、マルチサイトタイプ触媒としてチーグラー型触
媒、フィリップス型触媒、またシングルサイトタイプ触
媒としてメタロセン系触媒が挙げられるが、好ましくは
メタロセン系触媒である。
【0032】メタロセン系触媒とは、国際公表公報WO
91/04257号明細書等に記載された1個又は2個
のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子が周期律表
IVb〜VIb族の遷移金属、好ましくはチタン、ジル
コニウム、ハフニウムに配位した公知のメタロセン化合
物とアルモキサンとを組み合わせた触媒等である。重合
プロセスとしては、気相法、スラリー法、バルク法等が
挙げられるが、特に制限はない。
【0033】前記VL−LPEの密度は、好ましくは
0.900g/cm3以下、より好ましくは0.850
〜0.890g/cm3である。この密度が高すぎると
延伸ブロー時の成形安定性、偏肉性及び成形体の透明
性、光沢性が劣る。またプリフォームの厚みの大きいも
のは内部まで温度が上がらず成形が困難になってしま
う。一方、この密度が低すぎると、成形体の剛性が低く
なり、また製造コストが高くなる場合がある。なお、ポ
リエチレン系樹脂の密度はJIS−K6760の試験法
により、25℃/分の速度で冷却したシートを測定した
ものである。
【0034】前記VL−LPEのMFRは、好ましくは
5〜50g/10分、より好ましくは10〜40g/1
0分である。MFRが低いと射出成形で得られるプリフ
ォームに残留応力が発生し、二軸延伸ブロー成形時の成
形安定性が劣り、また透明性、光沢性も劣る。一方、M
FRが高すぎると、透明性、光沢性はよくなるものの、
材料の衝撃強度が低下し、ボトルとして使用した場合、
落下強度が劣る。なお、ポリエチレン系樹脂のMFRの
測定はJIS−K7210の熱可塑性プラスチックの流
れ試験方法により、温度190℃(2.16kg荷重)
で測定した値である。
【0035】本発明で用いられる樹脂材料は、上述した
ポリオレフィン系樹脂を主成分とするが、これに、必要
に応じて結晶化核剤、酸化防止剤、中和剤、帯電防止
剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキン
グ剤、着色剤等の添加剤を、本発明の効果を損なわない
範囲で配合することもできる。なお、不透明な着色剤を
配合すると赤外線透過率が低下するので、多量の添加は
好ましくない。また、黒色度が高いと、すなわち赤外線
吸収が大きいとプリフォームの外表面が優先的に加熱さ
れ、プリフォームの外表面(表層)と内部の温度差が大
きくなるので好ましくない。
【0036】本発明の樹脂材料は、前記ポリオレフィン
系樹脂と必要に応じて用いられる添加剤等とを配合し、
溶融混練することにより得られる。溶融混練は、ロー
ル、バンバリーミキサー、一軸混練押出機、二軸混練押
出機等を用いて行うのが、分散がよくなり透明性、光沢
性が優れるので好ましい。また、添加剤の配合方法とし
ては、所定濃度となる量の添加剤を直接ポリオレフィン
系樹脂に配合する方法のほかに、予め少量のポリオレフ
ィン系樹脂に添加剤を溶融混練により混合して高濃度成
分(マスターバッチ)を作成し、このマスターバッチを
ポリオレフィン系樹脂にブレンドして希釈し所定濃度と
するマスターバッチ方式も利用できる。
【0037】本発明の成形方法によれば、飲料用容器、
果汁容器、ミネラルウォーター等の食品容器、シャンプ
ー、リンス、液体石鹸等のトイレタリー溶液や家庭洗剤
等の容器、液体化粧品用容器、アルコール、工業薬品等
の薬品容器、輸液ボトル、血液ボトル等の医療容器等の
各種ポリオレフィン系樹脂製容器を成形することができ
る。
【0038】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるも
のではない。
【0039】
【実施例1】(1)樹脂材料の調製 MFRが30g/10分、エチレン含量が4重量%のポ
リプロピレンランダム共重合体(プロピレン・エチレン
ランダム共重合体;MFR=30g/10分)パウダー
100重量部に対して、トリス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)フォスファイトを0.05重量部、テトラ
キス[メチレンビス−3−(3’,5’−ジ−t−ブチ
ル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタ
ンを0.1重量部、ステアリン酸カルシウムを0.1重
量部配合してヘンシェルミキサーにて混合し、温度を2
30℃に加熱した単軸の直径40mmのフルフライトス
クリューを有する押出機にて溶融混練して本発明の成形
用樹脂材料であるペレット状の樹脂組成物を得た。
【0040】(2)射出成形機によるプリフォーム成形 前記ペレット状樹脂組成物を用い、射出成形機でプリフ
ォームを成形した。具体的には、東芝機械(株)社製I
S−150E型射出成形機を用い、射出樹脂温度210
℃、射出圧力10kg/cm2、金型冷却温度25℃の
条件で外径28mm、高さ90mm、最大肉厚4.5m
m、重量21gの試験管形状の有底パリソンを射出成形
した。
【0041】(3)二軸延伸ブロー成形機によるブロー
成形 上記(2)で得られたプリフォームを、コールドパリソ
ン法二軸延伸ブロー成形機で成形した。具体的には、二
軸延伸ブロー成形機(フロンティア社製、EFB100
0型二軸延伸ブロー成形機)を用い、赤外線放射ピーク
波長が3〜4μmの電気式近赤外ランプでプリフォーム
を回転させながら加熱し、非接触表面温度計でプリフォ
ームの表面温度が120℃になったところで、縦延伸倍
率2.7倍、縦延伸倍率2.4倍になるような円筒状の
容器(成形体)を、縦延伸用ロッドの上昇と共に一次圧
力4kg/cm2、二次圧力25kg/cm2の空気圧力
で二軸延伸ブロー成形し、成形体(ブロー容器)を得
た。
【0042】このとき、破れず成形できるものが10本
中何本得られるかについて求めた(表中では成形破裂本
数で示す)。また、プリフォームの加熱時間もしくはラ
ンプ出力を変化させてプリフォームの表面温度が異なる
ものを成形し、10本成形しても1本も成形できなくな
るプリフォームの表面温度の上限と下限を1℃間隔で求
め、成形可能な上限温度と下限温度の差(成形可能温
度)を評価した。また、以下に示す方法で成形体(ブロ
ー容器)の周方向の偏肉性及び透明性について評価し
た。結果を表1に示す。
【0043】[成形体の評価]前記成形体の性能は、次
の方法で評価した。 1.周方向の偏肉性;成形したブロー容器を手で触りな
がら周方向の偏肉度合いを以下の判定基準で評価した。 ◎ :非常に均一である。 ○+:かなり均一である。 ○ :やや均一である。 ○−:やや不均一である。 △ :かなり不均一である。 × :非常に不均一である。
【0044】2.透明性;成形したブロー容器を目視で
観察しながら透明性の度合いを以下の判定基準で評価し
た。 ◎ :非常に透明である。 ○+:かなり透明である。 ○ :やや透明である。 ○−:やや不透明である。 △ :かなり不透明である。 × :非常に不透明である。
【0045】
【実施例2】樹脂の種類、成形条件等を表1に示したも
のに代えた以外は実施例1と同様に行い、得られた成形
体について評価を行った。結果を表1に示す。
【0046】
【比較例1】電気式近赤外ランプを、その赤外線放射ピ
ーク波長が1〜2μmのものに代えた以外は、実施例2
と同様に行い、得られた成形体について評価を行った。
結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明においては、特定の赤外線放射ピ
ーク波長を有する赤外線ランプヒーターを用いてコール
ドパリソン法二軸延伸ブロー成形を行うことにより、延
伸ブロー成形時の成形安定性、偏肉性に優れ、かつ透明
性、柔軟性に優れた成形体を得ることができる。その結
果、ポリオレフィン系樹脂では満足できるものが得られ
なかった各種容器の成形がこのコールドパリソン法二軸
延伸ブロー成形方法で可能となり、工業的に非常に価値
の高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 22:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂材料を用いて射出
    成形によりプリフォームを成形し冷却する射出成形工程
    と、前記射出成形工程で得られたプリフォームを加熱し
    たのち二軸延伸ブロー成形する延伸ブロー成形工程とを
    含むコールドパリソン法二軸延伸ブロー成形方法であっ
    て、前記延伸ブロー成形工程において、プリフォームの
    加熱を赤外線放射ピーク波長が3μm以上である赤外線
    ランプヒーターを用いて行うことを特徴とする、ポリオ
    レフィン系樹脂のコールドパリソン法二軸延伸ブロー成
    形方法。
JP12315099A 1999-04-28 1999-04-28 コールドパリソン法二軸延伸ブロー成形方法 Pending JP2000313053A (ja)

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