JP6834310B2 - 発泡延伸プラスチック容器 - Google Patents
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Description
一方、近年では、資源の再利用が強く求められ、上記のようなポリエステル容器に関しても、使用済みの容器を回収し、リサイクル樹脂として種々の用途への再利用が図られている。
独特の外観が発現することを見出した。
尚、本発明者らは、先に発泡セルの分布形態や大きさを適宜の範囲に調整することにより、着色剤の配合及び無配合にかかわらず、独特の梨地様模様の外観が発現した発泡容器を提案した(特願2016−175367)。この先願の発泡容器では、微細な発泡セルの分布を調整することによって、梨地様模様を発現させたものであるが、本発明は、これとは異なり、大きな発泡セルを形成することにより、独特の外観を発現させたものである。
前記発泡セルは、前記胴部の外面から見ての円相当直径が1〜15mmの範囲にある大気泡セルを含んでおり、該大気泡セルが胴部外面から視認されると共に、
前記発泡領域には、前記大気泡セルが、前記胴部の外面からみて、1cm 2 の領域でみた時の最大数が30個/cm 2 以下で分布しており、これにより該発泡領域が粗粒状外観を有していることを特徴とする発泡延伸プラスチック容器が提供される。
(1)前記大気泡セルは、最大延伸方向に沿った断面でみて、1.5mm以上の長径を有していること。
(2)前記発泡セルは、前記大気泡セルと共に、最大延伸方向に沿った断面でみて、長径が前記大気泡における長径の1/2以下の小気泡セルを含んでいること。
(3)前記大気泡セルは、1.5〜20mmの平均長径を有しており、前記小気泡セルは、前記大気泡の1/2以下であり、且つ0.01〜10mmの平均長径の範囲にあること。
(4)前記大気泡セルは、前記胴部の厚み方向でみて、胴部中央部に形成されていること。
(5)前記小気泡セルは前記胴部中央部に対し内表面側、外表面側の少なくともどちらか一方に形成されていること。
(6)前記大気泡セルは、前記胴部の厚み方向でみて、胴部中央部に対して、外表面側に位置する部分に形成されていること。
(7)前記発泡領域において、前記胴部厚み方向断面でみて、前記大気泡セルを含む発泡セルの厚み方向分布数が10個以下であること。
(8)前記器壁は、着色剤無配合の熱可塑性樹脂により形成されていること。
(9)前記器壁は、着色剤配合の熱可塑性樹脂により形成されていること。
(10)前記発泡領域が形成されている前記胴部の外面は、表面粗さRaが5μm以下の平滑面であること。
本発明の発泡延伸プラスチック容器(以下単に発泡容器と呼ぶことがある)は、熱可塑性樹脂を用いて成形されたものであり且つ非ラミネート構造を有しており、容器壁の胴部の少なくとも一部(通常は胴部全体)には、発泡セルが分布している発泡領域が形成されている。
かかる基本構造は、特許文献1に開示されている発泡容器でも有しており、例えば、その概略断面構造は、図1に示されている。
尚、この外表面には、発泡セル5が分布していない薄い表皮層7が形成されていることが好ましく、かかる表皮層7の存在により、その外面は、その表面粗さRa(JIS Z−0601−1994)が5μm以下の平滑面であることが好適である。すなわち、表皮層7が存在していない場合には、発泡セル5により、外面に大きな凹凸が形成されてしまい、その外観が損なわれてしまうからである。一般に、上記のような平滑面を形成するためには、表皮層7の厚みは2μm以上あればよい。
すなわち、発泡セル5が存在している部分では、外面からの光が発泡セル5で反射し、発泡セル5が存在していない部分では外面からの光が樹脂マトリクス3中に侵入して透過していく。従って、大気泡セル5aが存在している部分ではその周辺部に比して光の反射量が多く(光の透過量が少なく)、明るい明部Lとなる。一方、大気泡セル5aの周辺部は光の反射量が相対的に少なく(光の透過量が多く)、相対的に暗い暗部Dとなる。このよう明暗差によって、容器の外面側から大気泡セル5aを視認することができる。
尚、上記の大気泡セル5aは容器胴部の外観を写真撮影し、その写真像から画像解析式粒度分布測定ソフトにて円相当直径を測定することができる。
尚、上記のような梨地様模様は、胴部外面を倍率50倍で写真撮影し、256階調でグレースケール処理して明度分析を算出した時、明度標準偏差の最大値が18以上であるとき、梨地模様を明確に視認することができる。
本発明において、最も好適な樹脂は、発泡セル5の形態や延伸成形性の観点から、PETに代表されるポリエステル樹脂である。
すなわち、図5の発泡容器(着色発泡容器)の外観写真に示されているように、この発泡容器は、螺子やサポートリングなどが外面に形成されている首部を有しており、この首部に内容部が収容される容積の大きな胴部が形成されており、この胴部に発泡セル5が分布している発泡領域が形成されている。この容器の首部は、螺子等のために強度が要求され、従って発泡セル5が分布していない非発泡領域となっている。図5から理解されるように、非発泡領域である首部では、着色剤の色がそのまま反映されているが、発泡領域である胴部では、発泡により着色剤の色が大きく変化することとなるわけである。
本発明の発泡容器は、発泡剤として、不活性ガス、例えば炭酸ガス、窒素ガスあるいはこれらの混合ガスが使用され、マイクロセルラー技術を利用しての物理発泡を利用して、それ自体公知の方法を採用して発泡プリフォームを作成し、この発泡プリフォームを延伸成形することにより製造されるが、大気泡セル5a(あるいはさらに小気泡セル5b)を形成するために、発泡をコントロールすることが必要である。即ち、不活性ガスから発生する発泡セル5の大きさ、個数、分布状態を調整することが必要となる。
尚、原理的には、特に延伸成形を行わずとも本発明の発泡プラスチック容器を製造することは可能であるが、延伸成形が行われていないものは、発泡セル5が偏平しておらず、球形或いは球形に近い形状を有しているため、大気泡セル5aを形成するためには、容器の胴部壁の厚みを著しく厚く設定しなければならず、このような厚みの増大を回避するために、現実的には、延伸成形により偏平状に引き伸ばすことによって大気泡セル5aを形成する。
従って、大気泡セル5aを極力大きな径にするには、不活性ガスとして炭酸ガスを使用することが好ましい。
この発泡プリフォーム50は、着色発泡容器を製造する場合には、所定の熱可塑性樹脂に所定の色を有する着色剤が配合されたものを成形用樹脂として使用し、無着色の発泡容器を製造する場合には、着色剤が配合されていない熱可塑性樹脂を成形用樹脂として使用しての射出成形により得られるものである。
例えば、発泡プリフォーム50は、全体として試験管形状を有しており、延伸成形により得られるボトルのノズル部に対応する首部51と、首部51に連なる筒状の成形部53を備えている。
首部51は、延伸成形されない部分であり、螺子51a及びサポートリング51bを外面に有しており、成形部53は、延伸成形される部分であり、その下端は、底壁55によって閉じられている。また、図から理解されるように、成形部53の器壁内部には、発泡セル5’が分布しているが、首部51は、発泡セル5’は分布しておらず、非発泡領域となっている。即ち、首部51内に発泡セル5’が分布していると、螺子51aやサポートリング51bの強度低下を生じ、これらの機能が損なわれてしまうからである。
尚、上記成形部53の厚みは、後述する延伸工程での薄肉化を考慮して、目的とする容器の胴部壁の厚みが得られるようなものとする。
以下、上記の発泡プリフォームを例にとって、コールドパリソン法及びホットパリソン法について説明する。
後述するコールドパリソン法が外部加熱により発泡を行い、発泡工程で独立した工程で行われるのに対して、ホットパリソン法は、射出成形によりプリフォームを成形する際の樹脂温度を利用しての樹脂の内部加熱により発泡を行い、成形後の金型から成形品であるプリフォームを取り出し、そのまま冷却することなく、延伸工程に導入して延伸を行うという方法である。即ち、内部加熱により発泡を行い、且つ発泡工程が独立した工程ではないという点で、コールドパリソン法とは大きく異なっている。すなわち、このホットパリソン法では、前述した図2(a)のパターンで大気泡セル5aが形成され、コールドパリソン法では図2(b)のパターンで大気泡セル5aが形成される。
このようなホットパリソン法については、例えば本出願人によるWO2013/047262に詳細に説明されている。
即ち、コールドパリソン法では、成形されたプリフォームを直ちに延伸成形工程に導入するわけではないため、十分に金型冷却され、少なくとも発泡が生じない温度にまで冷却された後に金型内から取り出されるが、ホットパリソン法では、器壁中心部(例えば、図2(a)の中心部分O、あるいは図4のプリフォーム50では成形部53の中心部)が少なくとも発泡可能な温度(ガラス転移温度以上である)に維持されていなければならないのであり、これが、ホットパリソン法とコールドパリソン法の大きな違いである。
また、図4のような形態のボトル形成用のプリフォーム50では、首部51の部分での発泡を防止するため、例えば、成形用金型として割型を使用し、首部51に対応する金型によって首部51を強冷却し、この部分の樹脂全体が、少なくとも保圧を解除する段階で発泡開始温度未満に冷却されていることが必要である。従って、ボトル形成用のプリフォーム50では、上記の温度分布が形成されるように、首部51に対応する型が強冷却されており、成形部53に対応する型は弱冷却されていることになる。
尚、延伸成形可能な温度は、前述した発泡可能な温度と同様、樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも高い温度であり、一般に、ガラス転移温度(Tg)より5〜15℃程度高く且つ樹脂の融点未満である。
例えば、ホットパリソン法では、延伸成形工程に導入するまでの時間が短いほど、表皮層7が厚く、セル密度は小さく、且つ発泡セル5の円相当径(あるいは最大延伸方向での長径)が小さい。また、延伸成形工程に導入するまでの時間が長いほど、表皮層7が薄く、セル密度は大きく、且つ発泡セル5の円相当径が大きい。
従って、このような延伸成形工程に導入するまでの時間を調整することにより、最終的に得られる大気泡セル5aの円相当径や密度、あるいは大気泡セル5aと容器外面との間に存在する小気泡セル5bの数、さらには、複数の大気泡セル5aの間の領域に存在する小気泡セル5bの数や密度等を所定の範囲に調節することができる。
延伸工程での延伸条件、例えば延伸倍率等は、後述するコールドパリソン法と同様に選択され、この点については後述する。
この方法は、不活性ガスが含浸されている未発泡のプリフォームを成形し、次いで、これを加熱しての発泡により発泡セル5’を生成せしめて発泡プリフォーム50を得、この後に、延伸成形を行うという方法であり、前述した図2(b)でのパターンで大気泡セル5aが外面近傍に形成される。この方法は、発泡セル5’を生成せしめる発泡工程が独立の工程として設けられるというものであり(即ち、外部加熱により発泡を行う)、図1で示されている表皮層7のコントロールが容易であるとともに、小気泡セル5bの分布制御を行いやすいという利点がある。
既に述べたように、不活性ガスの種類によってガスの溶解度は異なるが、この温度が高いほど、ガスの溶解量は少ないが含浸速度は速く、温度が低いほどガスの溶解量は多いが、含浸には時間がかかることとなる。また、ガスの溶解量が多いほど、発泡セル5’を微細とし且つ高密度で分布させることができる。従って、発泡セル5’を大きくし、さらにその個数を少なくする上では、ガスの溶解量をある程度制限するのがよい。
このコールドパリソン法においては、所定の時間(保圧時間)をかけて過剰のガス含浸樹脂溶融物を射出充填した後は、適度な時間をかけて金型内のガス含浸樹脂溶融物が冷却固化した後、金型を開き、不活性ガスが含浸しているが発泡していないガス含浸プリフォームが取り出される。
このようにしてガス含浸プリフォームを形成する場合、保圧の圧力(樹脂圧)及び保圧を加える時間を調整して、金型内での発泡を抑制することができ、保圧停止後は、ガス含浸樹脂が十分に冷却されるまで金型内に保持し、冷却後、成形されたガス含浸非発泡プリフォームが金型から取り出される。
尚、表皮層7は、発泡領域となる容器の胴部(発泡プリフォーム50の成形部53の領域に相当)の外面にのみ形成されていればよく、プリフォームの全体にわたってわざわざ形成するものではないため、発泡領域となる部分のみを大気に露出させ、他の部分は大気に露出しないように覆っておくなどの手段を採用し、発泡領域となる部分の外面についてのみ、選択的にガスを放出させることもできる。
この発泡工程では、最終的に得られる容器の発泡領域に対応する部分(図4のプリフォーム50では、成形部53)を選択的に加熱することにより、不活性ガスの膨張によってセルを発生、成長させ、これにより発泡が行われる。従って、例えば、図5に示されているボトル形態の容器を得るためには、図4のプリフォーム50の首部51については加熱を行わず、この部分では発泡セルを形成しない。
発泡のための加熱温度(発泡開始温度)は、樹脂のガラス転移点(Tg)以上であり、不活性ガスの含浸量によっても異なり、通常、樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも5〜15℃程度高い温度であるが、プリフォームの熱変形を防止するため、樹脂の融点未満であることが必要である。この加熱温度が高く且つ加熱時間が長いほど、大きなセルが数多く形成されることとなる。従って、前述したガス種の選択、ガス溶解量の設定と同時に、発泡のための加熱条件を利用してセル密度やセルの大きさの調整を行う。
従って、この発泡プリフォーム50において、外面に位置する発泡セル5’の径(球相当径)は、大気泡セル5aの円相当径に対応して、もっとも大きく、例えば、200μm以上に設定される。
上述したホットパリソン法あるいはコールドパリソン法により得られる発泡プリフォーム50について行われる延伸成形は、それ自体公知の方法で行われ、例えば、樹脂のガラス転移温度以上、融点未満の温度にプリフォームを加熱しての二軸延伸ブロー成形によって延伸され(ストレッチロッドによる軸方向延伸及びプリフォーム内への空気等のブロー流体の吹込みによる周方向延伸)、図1に示されているような偏平状の発泡セル5が分布している発泡領域が胴部壁1に形成され、且つ、図2(a)あるいは図2(b)で示されているように、厚み方向中心部分(O)、あるいは外表面側に大気泡セル5aが分布している発泡容器が得られる。
また、延伸倍率は、発泡プリフォーム50に生成している発泡セル5’の形態に合わせて所定の円相当径を有する大気泡セル5aが形成されるように、適宜の延伸倍率とすればよい。
尚、ブロー成形によりボトル形態の容器を製造する場合を例にとって説明したが、プラグアシスト成形によりカップ状の容器を製造する場合も、上記と実質的に同じである。
すなわち、ボトルの形態の容器を製造する場合には、試験管形態のプリフォームを用いてのブロー成形により延伸が行われ、カップ形状やトレイ形状の容器を製造する場合には、シート形状のプリフォームが使用され、プラグインアシスト成形により延伸成形が行われる。
また、着色剤を含有していない無着色の熱可塑性樹脂を用いて成形された無着色発泡容器はリサイクル性にも優れている。
材料は市販のボトル用PET樹脂(固有粘度0.84dl/g)、および市販の着色マスターバッチを用いた。十分に乾燥させた樹脂ペレットを射出成形機のホッパーに供給し、射出成形機の加熱筒の途中から発泡剤として窒素ガスまたは二酸化炭素ガスを供給し、PET樹脂と混練して溶解させ、射出成形した。射出成形金型は試験管形状のプリフォーム金型を使用した。なお、射出成形時には、充填開始に先立ち金型内に約5MPaの高圧エアを供給し、充填中の発泡を抑制した。また、45MPaの保圧をかけながら充填することで、金型内発泡を抑制した。成形手法は目標とする容器外観に応じ、前述したコールドパリソン法、ホットパリソン法を使い分けた。成形条件の調整は主としてガスの種類および量、プリフォーム温度、保圧時間によりおこなった。プリフォーム温度の調整は、コールドパリソン法の場合はクォーツヒーターによる加熱温度によりおこない、ホットパリソン法の場合は射出保圧時間、および型内冷却時間によりおこなった。
ブロー成形したボトル胴部の気泡径および気泡数の測定はボトル写真の画像処理によりおこなった。以下、本実施例における評価手順を示す。市販のデジタルカメラ、実体顕微鏡、デジタルマイクロスコープなどを用い、ボトル胴部を写真撮影する。倍率や光学条件は気泡形状が見やすいよう、任意に調節して良い。得られた写真より市販の画像解析式粒度分布測定ソフト(例えばMountec社製 Mac−View)を用い、気泡数および気泡径を測定した。気泡径はボトル胴部における最大気泡の円相当径を計測した。気泡数も同様、ボトル胴部において気泡が最も集まっている領域における、円相当径1mm以上の気泡数を計測した。
ボトル胴部の粗さは表面粗さ測定機SURFCOM2000SD3−13(株式会社東京精密製)により算術平均粗さRaの平均値を測定した。Raが2μm以下の範囲では測定長さ4mm、カットオフ値0.8mmとし、Raが2μmを超え10μm以下の範囲では測定長さ12.5mm、カットオフ値2.5mmとし、Raが10μmを超える範囲では測定長さ40mm、カットオフ値8mmとした。
コールドパリソン法を用い、黒色の着色剤を含有したPET樹脂に、二酸化炭素ガスを0.6%混練させて射出充填し、その後、プリフォームが発泡しないよう、保圧を掛けながら成形し、型内冷却を与えたのち、プリフォームを取り出し、室温まで十分に冷却した。その後、プリフォーム胴部外面を113℃に加熱し、プリフォームに対する延伸倍率が縦1.5倍×横2.5倍となるような角形状のボトル型を用い、ブロー成形した。
得られたボトルは外表面に存在する大きな気泡が目視でき、発泡独特の意匠性を有していることを確認した。ボトル写真の画像処理により最大気泡径を計算したところ、3.8mmであった。ボトル表面に存在する円相当径1mm以上の気泡数を測定したところ、最大25個/cm2であった。
ホットパリソン法を用い、着色剤を含有しないPET樹脂に、窒素ガスを0.08%混練させ、樹脂を射出充填した。その後、射出型開直後のプリフォーム外面温度が約85℃となるよう、保圧時間および冷却時間を与えた。射出型開後、約25秒のアニール時間を経て、そのままブロー成形した(プリフォームに対する延伸倍率が縦1.1倍×横2倍となるような単純丸形状のブロー型を使用)。
得られたボトルは梨地様外観を呈していながら、板厚中央部に存在する大きな気泡が目視でき、発泡独特の意匠性を有していることを確認した。ボトル写真の画像処理により最大気泡径を計算したところ、3.9mmであった。ボトル中央に存在する円相当径1mm以上の気泡数を測定したところ、最大9個/cm2であった。
二酸化炭素ガスを0.33%混練させたこと以外は実施例2と同様の方法でボトル成形した。
得られたボトルは板厚中央部に存在する大きな気泡が目視でき、発泡独特の意匠性を有していることを確認した。ボトル写真の画像処理により最大気泡径を計算したところ、4.3mmであった。ボトル中央に存在する円相当径1mm以上の気泡数を測定したところ、最大8個/cm2であった。
窒素ガスを0.08%混練させ、射出保圧時間を短く、その分冷却時間が長くなるよう調整したこと以外は実施例2と同様の方法でボトル成形した。
得られたボトルは板厚中央部に存在する大きな気泡が目視でき、発泡独特の意匠性を有していることを確認した。ボトル写真の画像処理により最大気泡径を計算したところ、1.1mmであった。ボトル中央に存在する円相当径1mm以上の気泡数を測定したところ、最大12個/cm2であった。
茶系の着色剤を含有したPET樹脂を用い、二酸化炭素ガスを0.33%混練させたこと、射出型開直後のプリフォーム外面温度が約96℃となるよう、保圧時間および冷却時間を与えたこと以外は実施例2と同様の方法でボトル成形した。
得られたボトルは梨地様外観を呈していながら、板厚中央部に存在する大きな気泡がボトル胴部全体で少数目視でき、発泡独特の意匠性を有していることを確認した。ボトル写真の画像処理により最大気泡径を計算したところ、2.3mmであった。ボトル中央に存在する円相当径1mm以上の気泡数を測定したところ、最大2個/cm2であった。
射出型開直後のプリフォーム外面温度が約103℃となるよう、保圧時間および冷却時間を与えた点、プリフォームに対する延伸倍率が縦2.2倍×横2.8倍となるような単純丸形状のブロー型を使用したこと以外は実施例3と同様の方法でボトル成形した。
得られたボトルは板厚中央部に存在する大きな気泡が目視でき、発泡独特の意匠性を有していることを確認した。ボトル写真の画像処理により最大気泡径を計算したところ、14mmであった。大気泡の径が気泡数測定の視野を超えているため、大気泡数の測定は省略する。
窒素ガスを0.08%混練させ、射出保圧時間、冷却時間を調整したこと以外は実施例2と同様の方法でボトル成形した。
得られたボトルは板厚中央部に存在する気泡が目視できるが、実施例に比べ気泡が微細であり、梨地様外観を有していることを確認した。ボトル写真の画像処理により最大気泡径を計算したところ、0.6mmであった。大気泡数の測定は省略する。
射出型開直後のプリフォーム外面温度が約112℃となるよう、射出保圧時間、冷却時間を調整したこと以外は実施例5と同様の方法でボトル成形した。
得られたボトルは板厚中央部に存在する大きな気泡が目視でき、発泡独特の外観を有していたが、やや意匠性に乏しかった。ボトル写真の画像処理により最大気泡径を計算したところ、17mmであった。大気泡数の測定は省略する。
3:樹脂マトリックス
5:発泡セル
5a:大気泡セル
5b:小気泡セル
7:表皮層
50:発泡プリフォーム
51:首部
51a:螺子
51b:サポートリング
53:成形部
55:底壁
Claims (11)
- 熱可塑性樹脂からなり且つ非ラミネート構造の器壁を有していると共に、該器壁内部に発泡セルが分布している発泡領域が少なくとも胴部の一部に存在している発泡延伸プラスチック容器において、
前記発泡セルは、前記胴部の外面から見ての円相当直径が1〜15mmの範囲にある大気泡セルを含んでおり、該大気泡セルが胴部外面から視認されると共に、
前記発泡領域には、前記大気泡セルが、前記胴部の外面からみて、1cm 2 の領域でみた時の最大数が30個/cm 2 以下で分布しており、これにより該発泡領域が粗粒状外観を有していることを特徴とする発泡延伸プラスチック容器。 - 前記大気泡セルは、最大延伸方向に沿った断面でみて、1.5mm以上の長径を有している請求項1記載の発泡延伸プラスチック容器。
- 前記発泡セルは、前記大気泡セルと共に、最大延伸方向に沿った断面でみて、長径が前記大気泡における長径の1/2以下の小気泡セルを含んでいる請求項1記載の発泡延伸プラスチック容器。
- 前記大気泡セルは、1.5〜20mmの平均長径を有しており、前記小気泡セルは、前記大気泡の1/2以下であり、且つ0.01〜10mmの平均長径の範囲にある請求項3記載の発泡延伸プラスチック容器。
- 前記大気泡セルは、前記胴部の厚み方向でみて、胴部中央部に形成されている請求項1記載の発泡延伸プラスチック容器。
- 前記小気泡セルは前記胴部中央部に対し内表面側、外表面側の少なくともどちらか一方に形成されている請求項3記載の発泡延伸プラスチック容器。
- 前記大気泡セルは、前記胴部の厚み方向でみて、胴部中央部に対して、外表面側に位置する部分に形成されている請求項1記載の発泡延伸プラスチック容器。
- 前記発泡領域において、前記胴部厚み方向断面でみて、前記大気泡セルを含む発泡セルの厚み方向分布数が10個以下である請求項5記載の発泡延伸プラスチック容器。
- 前記器壁は、着色剤無配合の熱可塑性樹脂により形成されている請求項1記載の発泡延伸プラスチック容器。
- 前記器壁は、着色剤配合の熱可塑性樹脂により形成されている請求項1記載の発泡延伸プラスチック容器。
- 前記発泡領域が形成されている前記胴部の外面は、表面粗さRaが5μm以下の平滑面である請求項1記載の発泡延伸プラスチック容器。
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