図1乃至図11は、発明を実施するための最良の形態である。図1は、パチンコ遊技機の遊技機枠1に遊技盤150を格納した部分を縦に切断して示す。図2は、可動枠3の正面を示す。図3は、可動枠3と球払出装置57とを分解して前側から示す。図4は、可動枠3と見切り構造体71と遊技盤150と定形表示部材101とを分解して前側から示す。図5は、画像表示装置81を開いた可動枠3を裏側から示す。図6は、定形表示部材101を分解して前側から示す。図7は、遊技盤150と定形表示部材101とを分解して裏側から示す。図8は、定形表示部材101の取り付けられた遊技盤150を裏側から示す。図9は、図8をA−A線に沿い切断した断面を示す。図10は、遊技機枠1と遊技盤150とを分解して前側から示す。図11は、遊技機枠1と遊技盤150と定形表示部材101とを縦に切断して示す。この明細書において、「前」、「後」、「裏」、「左」、「右」、「上」、「下」の方向は、図10の状態に遊技機枠1および遊技盤150を置いて前側から見た場合に特定される方向である。「後」と「裏」とは同じ方向である。
図1を参照し、遊技機枠1の遊技盤150を格納した部分を縦に切断した構造について説明する。遊技機枠1の前部を構成する遊技主体収納構造体22の前部には光を透過する性質の円形な遊技領域162を有する遊技盤150が装着され、遊技機枠1の後部を構成する遊技主体収納構造体22の後部には方形な表示画面90を有する画像表示装置81が装着され遊技領域162と表示画面90とが遊技機枠1の画像透視開口部36を介在して前後方向で重なることによって、表示画面90よりも上部の外側に画像表示不能な空間としての画像表示不能空間Lが形成される。遊技盤150の裏面には、光を透過する性質の板状の定形表示部材101が画像表示不能空間Lを覆うように取り付けられる。遊技機枠1には、定形表示部材101を照明するLEDにより形成された光源48を有する表示灯基板47と、定形表示部材101を照明するLEDにより形成された光源50を有する表示灯基板49とが、定形表示部材101と対応する位置に取り付けられる。可動枠3の前側には、パネル枠5が配置される。パネル枠5における前後方向に貫通する窓8の裏面が、光を透過する性質の有る無色なガラスまたは合成樹脂からなる前面パネル9で被覆される。
よって、遊技領域162に行き交う球の動きと表示画面90に表示された画像と光源48;50からの光で照明された定形表示部材101とが、遊技機枠1の前側からパネル枠5の窓8および前面パネル9を通して見える。このため、遊技機枠1の中でも形状の大きな遊技主体収納構造体22の一部を意匠的に造形しなくとも、光源48;50からの光で照明された定形表示部材101が遊技盤150の機種を表現したキャラクタの造形として遊技者に機種を適切に知らせるというように、定形表示部材101で画像表示不能空間Lを遊技の一要素として活用することができるという利点がある。しかも、定形表示部材101が遊技盤150の裏面に取り付けられ、光源48;50が遊技機枠1に取り付けられたので、盤替えの場合、定形表示部材101を遊技盤150と一緒に使用済部品として遊技店から排出し、光源48;50を遊技機枠1と一緒にそのまま使用することができて、経済的に有利であるという利点がある。
図2を参照し、画像表示不能空間Lを前側から見た形状について説明する。遊技盤150の遊技領域162は、内ガイドレール155と外ガイドレール156とで囲まれた円形に構成される。そして、遊技盤150が可動枠3の遊技主体収納室29に装着されることによって、円形な遊技領域162と方形な画像透視開口部36の裏側に配置された表示画面90とが前後で重なり、外ガイドレール156の上部が画像透視開口部36の上縁部よりも上方に配置され、画像表示不能空間Lが外ガイドレール156の上側に膨らむ円弧と画像透視開口部36の上縁部である直線とで囲まれた半月状に形成される。そして、画像表示不能空間Lが、遊技盤150における球発射通路154から球の飛び出す遊技釘169の比較的少ない部分に配置されているので、図1の定形表示部材101で表現される形の不変な表示が見やすいという利点がある。
図3を参照し、遊技機枠1に表示灯基板47;49を取り付ける構造について説明する。遊技機枠1の可動枠3は、可動枠本体21と遊技主体収納構造体22とを備える。可動枠本体21は、前後方向に開放された縦長な長方形の空間を囲む額縁形状である。可動枠本体21には、枠前壁23が可動枠本体21の裏側から内部を塞ぐように延設される。枠前壁23にはロック機構24;25;26、ロック解除機構27、施錠機構28、遊技主体収納室29が設けられる。ロック機構24乃至26とロック解除機構27および施錠機構28は、枠前壁23の右側部に設けられる。遊技主体収納室29は、枠前壁23の左右方向の中央に位置し、可動枠3の前側に開口し、前側から裏側に窪む、前面から見て方形に形成される。遊技主体収納室29の背壁には、中央開口部30、遊技主体押圧部31、遊技主体受止部32、遊技主体ロック部材33、見切り係合孔34が設けられる。中央開口部30は、前面から見て方形な、前後方向への貫通孔として形成される。中央開口部30には、覆部35が、中央開口部30の周縁部から裏側に突出した後に内部に突出する。覆部35には、画像透視開口部36が、前面から見て方形な、前後方向への貫通孔として形成される。遊技主体押圧部31および遊技主体受止部32は、遊技主体収納室29の左側部で上下に配置される。遊技主体ロック部材33は、遊技主体収納室29の右側部で上下に配置され、ロック操作部37を備える。ロック操作部37は、遊技主体収納室29の背壁に設けられた遊技主体ロック部材33の台座から前側に突出した操作軸の端部に固定された横長な形態である。見切り係合孔34は、光透過孔51を避けるように、遊技主体収納室29の上部の左右に位置し、前後方向への貫通孔として形成される。覆部35には、固定具係合孔38が、下部の左右に位置し、覆部35の前側から内部への窪みとして形成される。遊技主体収納室29の下縁部は、左右方向に平坦な面としての遊技主体棚39を構成する。遊技主体棚39よりも下部における枠前壁23の前面には、球発射機構41、発射レール42、ファール球取入口部43、前横樋44を備える。遊技主体棚39の裏側には、球機外排出樋45が設けられる。
画像透視開口部36を囲む覆部35における上縁部の前面と左縁部の前面および右縁部の前面には、表示灯基板47が個別に設けられる。表示灯基板47は、前面に光源48を備え、裏面に図外のコネクタを備える。覆部35の上縁部と左縁部および右縁部のそれぞれには、図外のコネクタ用孔が、前後方向への貫通孔として個別に設けられる。そして、表示灯基板47が覆部35に前側から図外のタッピングスクリューのような止ねじで取り付けられた場合、上記表示灯基板47のコネクタが、コネクタ用孔から覆部35の裏側に突出する。覆部35の上縁部における表示灯基板47の光源48は、上下2列になっている。覆部35の上縁部よりも上部に位置する遊技主体収納室29の背壁には、表示灯基板49が設けられる。表示灯基板49は、前面に光源50を上下2列に備え、裏面に図外のコネクタを備える。遊技主体収納室29の背壁には、光透過孔51が、上縁部における表示灯基板47の左側および上側を囲むように、前後方向への貫通孔として形成される。
球払出装置57の装置基板58には、基板収納室59が、球払出装置57のタンク構造体60および球払出機構61よりも下部に位置し、装置基板58の前側から裏側に窪む形状に形成される。基板収納室59には、図外のコネクタ用孔が、前後方向への貫通孔として設けられる。表示灯基板49が基板収納室59に前側から図外のタッピングスクリューのような止ねじで取り付けられた場合、上記表示灯基板49のコネクタが、コネクタ用孔から基板収納室59の裏側に突出する。装置基板58が遊技主体収納室29の裏面に取り付けられることによって、表示灯基板49が遊技主体収納室29の光透過孔51と対応する。表示灯基板47;49のコネクタには、覆部35の裏側または遊技主体収納室29の裏側から図外の別々の配線に結線された複数のコネクタが個別に接続される。表示灯基板47における上一列の光源48と、表示灯基板49の光源50とが、図4の定形表示部材101を裏側から照明する光源を構成する。覆部35の上縁部における表示灯基板47の下一列の光源48と、覆部35の左縁部における表示灯基板47の光源48と、覆部35の右縁部における表示灯基板47の光源48とが、図4の見切り構造体71の前側を照明する光源を構成する。
図4を参照し、可動枠3と見切り構造体71および遊技盤150の構造について説明する。見切り係合孔34および固定具係合孔38は、可動枠3に見切り構造体71を取り付けるための部分である。見切り構造体71は、光を遮断する性質の有る合成樹脂により、角筒部72と支持部73および固定具取付部74を一体に形成した構造である。角筒部72は、前後方向に貫通する角形開口部75を囲む形状である。角筒部72における左右に相対峙する側壁部と側壁部につながる上壁部とが、前側から後側に行くにしたがって角形開口部75の側に傾斜している。この角筒部72における左右の側壁部と上壁部の傾斜した部分には、光透過孔76が、前後方向への貫通孔として形成される。角筒部72の下壁部には、逃部77が、左右方向の中央に位置して設けられる。逃部77は、角筒部72における下壁部の前側および上下に開口した形状である。支持部73は、遊技主体収納構造体22に引っ掛ける部分であって、角筒部72の上部の左右に位置して設けられる。支持部73は、角筒部72から上方に延びた縦片部と、縦片部の上端から裏側に向けて突出した横片部と、横片部の後端から下方に折れ曲がった規制片部とを備える。固定具取付部74は、角筒部72の下部の左右に位置し、角筒部72から下方に突出する。固定具取付部74には、固定具78が個別に設けられる。
見切り構造体71は、可動枠3に、次のように取り付けられる。角筒部72が画像透視開口部36に前側から挿入され、支持部73が見切り係合孔34に前側から挿入されて下方に移動されると、支持部73の規制片部が遊技主体収納室29における見切り係合孔34の周りの裏面と対向し、支持部73の横片部が見切り係合孔34の下縁部に搭載され、支持部73の縦片部が遊技主体収納室29における見切り係合孔34の周りの前面と対向する。つまり、支持部73が遊技主体収納室29における見切り係合孔34の周りを前後方向から挟む格好で遊技主体収納室29に支持される。そして、固定具78が、固定具係合孔38に前側から挿入されて係合すると、固定具取付部74の裏面が覆部35の前面に接触する。これによって、見切り構造体71の前部が、可動枠3の覆部35を前側から覆い隠して中央開口部30に位置され、見切り構造体71が可動枠3に取り付けられる。見切り構造体71が可動枠3に取り付けられた形態は、図10を参照。遊技主体収納構造体22の裏面には画像表示装置81が設けられる。画像表示装置81の裏面には、主制御装置82、複合制御装置83、表示駆動回路装置84が取り付けられる。主制御装置82が下部に位置し、複合制御装置83が主制御装置82よりも上部に位置し、表示駆動回路装置84が主制御装置82および複合制御装置83よりも側部に位置する。複合制御装置83には、表示灯基板47;49のコネクタに接続された前述した図外の別々の配線が接続される。
遊技盤150は、周辺飾り構造体151と板状構造体152とを備える。周辺飾り構造体151は、非遊技領域を形成する光を遮断する性質の有る合成樹脂からなり、丸形開口部153、球発射通路154、内ガイドレール155、外ガイドレール156、球戻り防止弁157、球反発体158、証紙台159、取付部160を備える。丸形開口部153は、周辺飾り構造体151の中央に、前後方向への貫通孔として形成される。球発射通路154は、丸形開口部153の左側部に前側に開放された縦溝形状である。内ガイドレール155は、球発射通路154の右側面および当該右側面から右側に弧状に延長する丸形開口部153の下部弧状側面により形成される。外ガイドレール156は、球発射通路154の左側面と当該左側面から右側に弧状に延長する丸形開口部153の上部弧状側面とにわたり設けられた金属からなる帯板状である。球戻り防止弁157は、遊技領域162から球発射通路154への球の侵入を防止するものである。球反発体158は、衝突した球を遊技領域162の中央の側に向けて反射するものである。取付部160は、遊技盤150を可動枠3の遊技主体収納室29に固定するためのものであって、周辺飾り構造体151の右側部の上下に位置して設けられる。証紙台159は、周辺飾り構造体151の右側の下部に、前後方向に開閉可能に設けられる。証紙台159が、周辺飾り構造体151との連結部である図外のヒンジを中心として前方に開かれることによって、下部の取付部160が、周辺飾り構造体151の前側から見える格好となる。そして、証紙台159が上記ヒンジを中心として後方に閉じられて周辺飾り構造体151で受け止められると、下部の取付部160が証紙台159で覆われて周辺飾り構造体151の前側から見えなくなる。閉じられた証紙台159の前面には、図外の証紙が貼り付けられる。証紙は、遊技盤150の検査に合格して販売の認可を受けたことを示す部材である。取付部160は、遊技主体収納室29の遊技主体ロック部材33と係合するロック挿入孔161を備える。
板状構造体152は、光を透過する性質の有る合成樹脂からなり、周辺飾り構造体151の裏側に取り付けられることによって、球発射通路154を除く丸形開口部153で囲まれた内側の遊技領域162を形成する。板状構造体152の前面には、チャッカ163、一般入賞部品164、始動入賞部品165、可変入賞部品166、センター飾り167、風車168、遊技釘169、アウト口170からなる前部品が、遊技領域162に取り付けられる。板状構造体152の裏面には、定形表示部材101が、板状構造体152の上部にタッピングスクリューのような止ねじ112で裏側から取り付けられ、球案内体171が下部に取り付けられる。球案内体171は、集合樋と呼ばれ、遊技領域162から一般入賞部品164、始動入賞部品165、可変入賞部品166に取り込まれて板状構造体152の裏面に排出された球を下方の球機外排出樋45に排出する。
図5を参照し、可動枠3の裏側の構造について説明する。可動枠3の裏部、具体的には、遊技主体収納構造体22の裏面には、球払出装置57、画像表示装置81、電源装置85、発射払出制御装置86が設けられる。球払出装置57は、装置基板58、タンク構造体60、球払出機構61、縦樋62を備える。装置基板58は横長な板状である。タンク構造体60および球払出機構61が装置基板58に左右に並べられて取り付けられる。そして、装置基板58が遊技主体収納構造体22の裏面に取り付けられることによって、タンク構造体60および球払出機構61が遊技主体収納構造体22における画像透視開口部36よりも上部の位置で左右に並べられた形態となる。タンク構造体60は、遊技店の島と呼ばれる図外のパチンコ遊技機設置構造体における球補給機構から供給された球を貯蔵する上方に開口した球貯蔵室63、球貯蔵室63に貯蔵された球を球払出機構61の球払出動作に伴い球貯蔵室63から球払出機構61に誘導する球通路64を備える。球払出機構61は、球払出機構61における筐体の内部にスプロケットのような球払出体65と図外の払出球検出器とを備え、上記筐体の外部に球払出体65を回転駆動するステップモータのような図外のモータを備え、タンク構造体60から球払出機構61に球が供給されている状態において、球払出体65がモータで一方向に回転駆動されると、球払出体65が球を1個ずつ分離しつつ賞球または貸球として払い出し、払出球検出器が球払出体65から払い出された球を電気的に検出して払出球検出信号を発射払出制御装置86および図4の主制御装置82に出力する。
縦樋62は、遊技主体収納構造体22の左側部で遊技主体収納構造体22の裏面に取り付けられる。縦樋62の内部に設けられた球通路66は、払出球検出器を通過して球払出機構61から下部に排出された球を下部の満タン検出装置67に排出する通路であって、縦樋62を後から見た場合、球を一列で上から下に流し、縦樋62を左右方向の横から見た場合、球を一列で前後に蛇行しつつ上から下に流す形態である。つまり、縦樋62における左右方向の横幅は、球を一列で上から下に誘導する細い寸法になっている。満タン検出装置67は、縦樋62の真下で遊技主体収納構造体22の裏面に取り付けられる。満タン検出装置67の出口は、前横樋44(図4参照)に接続される。遊技主体収納構造体22の裏面には、固定具係合孔68が、画像透視開口部36の周囲に位置し、遊技主体収納構造体22の裏面から前側に窪む形態に設けられる。
画像表示装置81は、前側に四角形に開口した光を遮断する性質の有る合成樹脂からなる筐体87の内部に画像制御装置88と画像表示器89とを格納し、画像表示器89の表示画面90を筐体87の開口の方向に向け、画像制御装置88と画像表示器89とを筐体87にタッピングスクリューのような図外の止ねじで固定した構造である。画像表示器89が液晶表示器の場合、バックライトや導光部材および光拡散部材などのような画像表示器89の表示画面90を全体的に照明するバックライト機構部材が、画像表示器89に含まれる。画像表示器89よりも前側に突出する筐体87の上部および下部には、固定具取付部91を個別に備える。筐体87の上部に設けられる固定具取付部91は、筐体87の左右方向の中央に位置し、筐体87の上部から上方に突出する。筐体87の下部に設けられる固定具取付部91は、筐体87の左端部に位置し、筐体87の左端部から下方に突出する。固定具取付部91には固定具92が個別に設けられる。画像表示装置81は、遊技主体収納構造体22の裏側に表示側ヒンジおよび枠側ヒンジからなるヒンジ93で後側横方向に片開き可能に取り付けられる。
画像表示装置81がヒンジ93を中心として可動枠3の方向(矢印X1で示す方向)に閉じられると、筐体87の画像表示器89よりも前側に突出した前部が、見切り構造体71における可動枠3の画像透視開口部36を前側から裏側に貫通して可動枠3より裏側に突出した後部を、外側から包むように、見切り構造体71の後部に嵌め込まれる。そして、固定具92が固定具係合孔68に裏側から挿入されて係合すると、固定具取付部91の前面が可動枠3における固定具係合孔68の周囲の裏面に接触し、画像表示装置81が可動枠3に閉じた状態に支持される。電源装置85は、パチンコ遊技機設置構造体に設けられる図外の島電源装置から供給される24ボルトの交流電源をパチンコ機に使用する、例えば5ボルト、12ボルト、24ボルトなどの電圧の直流電源に変換して出力するとともに24ボルトの交流電源もそのまま出力する機能を備え、遊技主体収納構造体22の裏側の右側に位置し、枠前壁23の裏面に取り付けられる。発射払出制御装置86は、電源装置85を裏側から覆うように、枠前壁23の裏面に取り付けられる。
図6を参照し、定形表示部材101の構造について説明する。定形表示部材101は、表示ケース102と表示板103およびレンズ体104を備える。表示ケース102と表示板103およびレンズ体104は、互いに別々に形成される。そして、表示ケース102と表示板103およびレンズ体104が、互いに組み合わせることによって、定形表示部材101を構成する。これによって、表示ケース102と表示板103よりも光の乱射のための表面処理の施された高価なレンズ体104とを再使用し、レンズ体104よりも安価な表示板103を新しい物に交換することができるという利点がある。表示ケース102は、光を遮断する性質の有る合成樹脂により、ケース前壁105、透過孔106、周壁107、突起108、残渣孔109、表示体係合孔110、ねじ挿入孔111を一体に形成した構造である。ケース前壁105は、左右方向に長い帯板状である。透過孔106は、図2の画像表示不能空間Lと対応する半月形であって、ケース前壁105に前後方向への貫通孔として形成される。周壁107は、ケース前壁105の上縁部と下縁部および左縁部から裏側に突出する。下側の突起108は、ケース前壁105の下縁に設けられた周壁107の後端から上方に向けて突出する。突起108の前面とケース前壁105の裏面との間には、表示板103およびレンズ体104を挿入する溝が形成される。上側および左側の突起108については、図7で説明する。残渣孔109は、上側および左側の突起108を形成する成形型要素を抜いた跡として、ケース前壁105に前後方向への貫通孔として形成される。表示体係合孔110は、定形表示部材101が表示ケース102に装着された場合に、表示板103の係合片115と係合することによって、表示板103が表示ケース102から抜けるのを防止するための孔であって、ケース前壁105の右側に位置し、ケース前壁105に前後方向への貫通孔として形成される。ねじ挿入孔111は、表示ケース102を図6の遊技盤150に取り付けるタッピングスクリューのような止ねじ112のねじ部を挿入するための孔であって、ケース前壁105の左側と右側とに位置し、ケース前壁105に前後方向への貫通孔として形成される。
表示板103は、光を透過する性質の有る無色な合成樹脂からなる、左右方向に長い帯板状である。表示板103の前面または裏面には、遊技盤150の機種を表現した文字やキャラクタなどの図柄または絵柄が、光を透過する性質の有る印刷インクにより印刷で設けられる。表示板103には、挿入片113、逃孔114、係合片115、残渣孔116、位置決め突起117が、設けられる。逃孔114、係合片115、残渣孔116、位置決め突起117は、表示板103が、表示ケース102に装着された場合に透過孔106と対応する仮想線で示す透過孔対応領域119よりも外側に配置される。挿入片113は、表示板103の左縁部から左側に直線的に突出する。逃孔114は、止ねじ112の頭部を逃げるためのものであって、表示板103の左側部と右側部とに位置し、止ねじ112の頭部の外径よりも大きな直径に設けられる。係合片115は、表示板103の右側部に設けられ、係合片115の左側部が表示板103に連接され、係合片115の上縁部と下縁部および右縁部が表示板103から切り離された、片持ち梁のような形態であって、表示板103との連接部分を中心として、全体的に表示板103から前側に突出した、弾性片として形成される。表示板103には、係合片115を切り起こした跡として、残渣孔116が形成される。位置決め突起117は、逃孔114および係合片115よりも内側で左右に位置し、表示板103の裏面から裏側に突出する。レンズ体104は、光を拡散する性質の有る無色な合成樹脂からなる、左右方向に長い帯板状である。レンズ体104の裏面には、入射する光を拡散させる凹凸を備える。レンズ体104には、位置決め孔118が、レンズ体104が表示ケース102に装着された場合に透過孔106と対応する仮想線で示す透過孔対応領域120よりも外側の位置に、前後方向への貫通孔として形成される。
図7を参照し、遊技盤150の裏面に定形表示部材101を取り付ける構造について説明する。遊技盤150には、表示取付部173が、遊技盤150の上部の左側と右側とに位置して、設けられる。表示取付部173は、遊技盤150の周辺飾り構造体151から裏側に突出し、遊技盤150の板状構造体152に形成された貫通孔174に板状構造体152の前側から挿入され、板状構造体152の裏面から板状構造体152の裏側に突出しない。表示取付部173には、ねじ締結孔175が、表示取付部173の裏面から内部への窪みとして形成される。表示ケース102における上側の突起108が、ケース前壁105の上縁部に設けられた周壁107の後端から下方に向けて突出する。表示ケース102における左縁部の突起108が、ケース前壁105の左縁部に設けられた周壁107の後端から右側に向けて突出する。これらの突起108の前面とケース前壁105の裏面との間には、定形表示部材101およびレンズ体104を挿入する溝が形成される。
定形表示部材101の遊技盤150の裏面への取り付け方について説明する。ケース前壁105の前面が遊技盤150の裏面の側に向けられ、止ねじ112のねじ部が表示ケース102のねじ挿入孔111から遊技盤150における表示取付部173のねじ締結孔175に締結されると、止ねじ112の頭部がケース前壁105のねじ挿入孔111の周囲の裏面に接触し、ケース前壁105の前面が遊技盤150の裏面に接触し、表示ケース102が2本の止ねじ112で取り付けられる。表示板103における左縁部が表示ケース102の裏側からケース前壁105の裏面に重ね合わされた後、表示板103が表示ケース102に対し右側から左側に移動させられるように直線的に挿入されるのに伴い、表示板103の上縁部および下縁部が突起108の前面とケース前壁105の裏面との間における溝に挿入され、係合片115がケース前壁105の裏面に接触してケース前壁105から裏側への押圧力で定形表示部材101の側に撓み、表示板103の挿入片113が左側における突起108の前面とケース前壁105の裏面との間における溝に挿入され、係合片115が自身の弾性でケース前壁105の裏面から表示体係合孔110に取り込まれると、表示板103の逃孔114が表示ケース102を遊技盤150に固定した2本の止ねじ112の頭部と対向し、表示板103が表示ケース102に取り付けられる。
レンズ体104における左縁部が表示ケース102の裏側から表示板103の裏面に重ね合わされた後、レンズ体104が表示ケース102に対し右側から左側に移動させられるように直線的に挿入されるのに伴い、レンズ体104の上縁部および下縁部が突起108の前面とケース前壁105の裏面との間における溝に挿入され、最後に、レンズ体104の左縁部が左側における突起108の前面とケース前壁105の裏面との間における溝に挿入され、表示板103の位置決め突起117とレンズ体104の位置決め孔118とが互いに嵌め合わされ、レンズ体104が表示ケース102に取り付けられる。これによって、定形表示部材101が図8に示すように遊技盤150の裏面に取り付けられ、表示板103の逃孔114と表示ケース102を遊技盤150に固定した止ねじ112の頭部とが図9に示すように対向する。定形表示部材101が遊技盤150の裏面に取り付けられた場合、逃孔114が、図8に示すように、レンズ体104で覆われていないので、人が、止ねじ112を工具で弛緩操作することによって、定形表示部材101を遊技盤150から取り外すことができるという利点がある。定形表示部材101が遊技盤150の裏面に取り付けられた状態において、人が、位置決め突起117と位置決め孔118との嵌合が外れる力で、レンズ体104を右側に引くと、レンズ体104を表示ケース102から取り外すことができるという利点がある。そして、レンズ体104が取り外された状態において、人が、係合片115を表示体係合孔110から裏側に引き出し、表示板103を右側に引くと、表示板103を表示ケース102から取り外すことができるという利点がある。
図10を参照し、パチンコ機における遊技機枠1の構造について説明する。遊技機枠1は、固定枠2の前側に可動枠3を左側に位置するヒンジ4で前側の横方向に片開き可能に取り付け、可動枠3の前側に、パネル枠5および球皿構造体6を左側に位置するヒンジ7で前側の横方向に片開き可能に取り付けた、構造である。固定枠2は、パチンコ遊技機設置構造体に取り付けるための外枠と呼ばれ、前後方向に開放された縦長な長方形の空間を囲む額縁形状である。可動枠3は、前枠または中枠と呼ばれる。球皿構造体6の前面には、球受皿部10と球発射操作機構11とを備える。球皿構造体6の裏面には、球取入口12、球供給口13を備える。
可動枠3が、閉じられた場合、ロック機構24によって、固定枠2に、開閉不能に支持される。パネル枠5が、閉じられた場合、ロック機構25によって、可動枠3に、開閉不能に支持される。球皿構造体6が、閉じられた場合、ロック機構26によって、可動枠3に、開閉不能に支持される。可動枠3やパネル枠5および球皿構造体6が、閉じられ、ロック機構24乃至26で、可動枠3に開閉不能に支持された状態において、遊技店の店員が、図外のキープレート(鍵)を遊技機枠1の前側から施錠機構28の鍵穴28aに挿入し、当該キープレートを例えば右側に90度回転操作すると、固定枠2と可動枠3とのロック機構24による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が、可動枠3を前側に引くことによって、可動枠3は、ヒンジ4を中心として前側に片開きされる。
上記施錠機構28の鍵穴28aに挿入されたキープレートが、人によって例えば左側に90度回転操作されると、可動枠3とパネル枠5とのロック機構25による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が、パネル枠5を前側に引くことによって、パネル枠5は、ヒンジ7を中心として前側に片開きされる。このように、パネル枠5が、前側に開かれた状態において、店員が、可動枠3の前面のロック解除機構27を操作すると、可動枠3と球皿構造体6とのロック機構26による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が、球皿構造体6を前側に引くことによって、球皿構造体6は、ヒンジ7を中心として前側に片開きされる。
見切り構造体71が可動枠3に取り付けられ、球皿構造体6が少なくとも開けられた状態において、遊技盤150の遊技領域162が前側に向けられ、遊技盤150の裏面が可動枠3の方向に向けられ、遊技盤150が遊技機枠1の前側から遊技主体収納室29に挿入され、遊技盤150の下部が遊技主体棚39の上に載せられ、遊技盤150の左側部が遊技主体押圧部31と遊技主体受止部32との間に挿入されて前後方向から挟まれた後、遊技盤150の右側部が作業者によって後側に押され、遊技主体ロック部材33のロック操作部37が取付部160のロック挿入孔161に後側から挿入されて前側に突出した状態において、作業者がロック操作部37を例えば右方向に90度回転操作すると、ロック操作部37がロック挿入孔161の周りにおける取付部160と係合し、遊技盤150が可動枠3に取り付けられる。
遊技盤150が可動枠3に取り付けられ、表示画面90が見切り構造体71を裏側から塞ぎ、パネル枠5および球皿構造体6が閉じられて可動枠3に支持された後、遊技店の従業員が図5の電源装置85の電源スイッチを投入すると、電源装置85が供給された交流電源を直流電源に変換し、変換した直流電源を図5に示す発射払出制御装置86、図4の表示駆動回路装置84、主制御装置82、複合制御装置83、図5の画像制御装置88に供給し、画像制御装置88が主制御装置82からの制御信号により表示画面90に画像を表示させ、複合制御装置83が主制御装置82からの制御信号により表示灯基板47;49を動作させる。そして、遊技者が球皿構造体6の球受皿部10に球を入れて発射操作機構11を操作すると、発射払出制御装置86が球発射機構41を発射操作機構11から出力された操作量に応じた発射力で例えば1分間に1から100発未満までの所定数の間隔で駆動し、球発射機構41が球受皿部10から球供給口13を経由して球発射レール42に供給された球を1個ずつ遊技盤150の球発射通路154に向けて発射する。球発射通路154に発射された球が、球発射通路154から球戻り防止弁157を押し開けて遊技領域162に到達した後に遊技領域162を流下する。これによって、遊技者は、表示画面90に映し出された画像と、表示灯基板47;49からの光で照明された定形表示部材101による定形な意匠的な表示とを、遊技領域162の全域に見ながら、遊技領域162に行き交う球の動きを見ることができる。
球が遊技領域162を流下する過程において、チャッカ163、一般入賞部品164、始動入賞部品165、可変入賞部品166などのいずれかの入賞部品に入賞し、それぞれの入賞に対応する賞球としての球が、球払出機構61から前横樋44と球取入口12を経由して球受皿部10に払い出される。一般入賞部品164、始動入賞部品165、可変入賞部品166に入賞した球は、遊技盤150の裏側に排出される。一般入賞部品164、始動入賞部品165、可変入賞部品166などの入賞部品に入賞しないで遊技領域162の最下部に流れた球は、アウト口170に取り込まれて遊技盤150の裏側に排出される。遊技盤150の裏側に排出された球は、球案内体171から下方の球機外排出樋45に排出される。球発射機構41から球発射通路154に発射された球が、球戻り防止弁157を押し開けることなく球発射通路154を下方に向けて落下すると、当該落下した球は、ファール球取入口部43から前横樋44および球取入口12を経由して球受皿部10に払い出される。
図11を参照し、表示灯基板47;49からの光が定形表示部材101で照明することを説明する。遊技主体収納室29に設けられた表示灯基板49における光源50から出力された光X2と、画像透視開口部36を囲む覆部35の上縁部に設けられた表示灯基板47における上一列の光源48から出力された光X3とが、前側に位置する定形表示部材101のレンズ体104に入射する。このレンズ体104に入射した光が、レンズ体104の内部で拡散されて表示板103を裏側から全体的に照明する。この照明された表示板103における印刷された文字やキャラクタなどの図柄または絵柄が、表示ケース102の透過孔106を裏側から前側に通過して遊技盤150の画像表示不能空間Lに映し出される。よって、人が、画像表示不能空間Lに映し出された表示板103における印刷された文字やキャラクタなどの図柄または絵柄を、遊技盤150の前側から見ることができるという利点がある。また、表示灯基板47における下一列の光源48の前側には、見切り構造体71の光透過孔76が配置される。よって、表示灯基板47における下一列の光源48から出力された光X4が、光透過孔76を裏側から前側に通過し、見切り構造体71における角筒部72の前側の周囲を照明する。このため、人が、遊技盤150の前側から見切り構造体71を見た場合、表示画面90に表示された画像を鮮明に見ることができるという利点がある。また、角筒部72における角形開口部75を囲む面が、クロームまたはニッケルのような金属色の有るメッキまたは白色系塗料で形成された反射被膜で覆われれば、上記光透過孔76を通過した光X4が反射被膜で反射して角形開口部75の前側の周囲を一層明るく照明することができる。
図11における光X2;X3の光拡散は低下するが、レンズ体104は設けなくてもよい。
図12乃至図15は、異なる形態である。図12は、可動枠3および見切り構造体71を分解して前側から示す。図13は、見切り構造体71と表示灯基板125と導光体126とを分解して裏側から示す。図13では、表示灯基板125および導光体126を見切り構造体71に対し拡大して図示してある。図14は、定形表示部材101と遊技盤150とを分解して裏側から示す。図15は、可動枠3と定形表示部材101と遊技盤150とを縦に切断して示す。
図12を参照し、可動枠3および見切り構造体71における最良の形態と異なる構造について説明する。可動枠3には、ねじ締結孔121および光源収容部122が設けられる。ねじ締結孔121は、図4の固定具係合孔38に代わり、遊技主体収容構造体22に、前後方向への貫通孔として形成される。光源収容部122は、遊技主体収容構造体22に、左右の見切り係合孔34の間に位置し、前方および下方に開口し、中央開口部30から上部および裏側への窪みとして形成される。見切り構造体71には、ねじ取付部123、除去部124、表示灯基板125、導光体126が設けられる。ねじ取付部123は、図4の固定具取付部74に代わり、角筒部72の下部に設けられる。ねじ取付部123には、ねじ挿入孔127が前後方向への貫通孔として形成される。見切り構造体71には、図4の光透過孔76が設けられていない。そして、見切り構造体71が可動枠3の前側から中央開口部30に挿入され、表示灯基板125および導光体126が光源収容部122に収容され、支持部73が見切り係合孔34に挿入されて係合し、タッピングスクリューのような止ねじ128が見切り構造体71の前側からねじ挿入孔127を経由してねじ挿入孔121に締結されることによって、見切り構造体71が可動枠3に固定的に取り付けられる。表示灯基板125および導光体126の見切り構造体71への取付構造については、図13で後述する。
図13を参照し、見切り構造体71の表示灯基板125および導光体126を取り付けるための構造、表示灯基板125の構造、導光体126の構造について説明する。見切り構造体71には、導光係合部129、導光取付部130、基板収容部131、基板取付部132、配線孔133が設けられる。導光係合部129は、見切り構造体71の間に位置し、見切り構造体71の上フランジ134から上方に突出した一対の突起に、導光体126を見切り構造体71の裏側から嵌め込む、裏側および左右方向に開口した溝として形成される。導光取付部130は、基板収容部131に位置し、上フランジ134に、ねじ締結孔として形成される。基板収容部131は、上フランジ134の後端面から内部に窪むとともに上下方向に開口した溝として形成される。基板取付部132は、基板収容部131の内部で左右に位置し、見切り構造体71にねじ締結孔として形成される。配線孔133は、基板収容部131よりも右側に位置し、上フランジ134の後端面から内部に窪むとともに上下方向に開口した溝として形成される。
表示灯基板125は、基板収容部131に取り込まれる左右に長い帯板状の回路基板により形成され、前面にLEDのような複数の光源135を左右方向に一列に備え、裏面の一隅部に1個の図外のコネクタを備える。複数の光源135およびコネクタは、表示灯基板125に設けられた箔状電線で相互に接続される。コネクタには、図12の複合制御装置83が図外の被覆電線に結線されたコネクタが接続される。表示灯基板125には、複数のねじ挿入孔136が、表示灯基板125への前後方向への貫通孔として形成される。
導光体126は、表示灯基板125に対応する左右に長い帯板状であって、上下方向の寸法である板厚が後側から前側に行くにしたがって徐々に薄くなっている。導光体126の前部には、一対の係合溝137が、導光体126の前方および上下方向に開口し、導光体126の前面から内部への窪みとして形成される。導光体126の後部には、取付部138が、導光体126の後部から下方に突出して設けられる。取付部138には、ねじ挿入孔139が、取付部138の下方および前後方向に開口し、取付部138の下面から内部に経の窪みとして形成される。導光体126の後端面は、光源135からの光を導光体126の内部に導入するための導入面140として構成される。導光体126の前端面は、導光体126の内部から光を放出する導出面141として構成される。導入面140の上下方向の寸法である厚さは、導出面141の上下方向の寸法である厚さよりも大きい。
表示灯基板125および導光体126は、見切り構造体71に次のように取り付けられる。光源135が見切り構造体71の裏側に向けられ、表示灯基板125が見切り構造体71の裏側から基板収容部131に挿入され、光源135の発光部が上フランジ134よりも上方に配置され、タッピングスクリューのような止ねじ142が表示灯基板125の裏側からねじ挿入孔136を経由して基板取付部132に締結されることによって、表示灯基板125が見切り構造体71に取り付けられる。また、導光体126の導出面141が見切り構造体71の裏側に向けられ、導光体126の係合溝137が見切り構造体71の裏側から導光係合部129に挿入され、タッピングスクリューのような止ねじ143が取付部138の裏側からねじ挿入孔139を経由して導光取付部130に締結されることによって、導光体126が見切り構造体71に取り付けられる。これによって、光源135の発光部が導入面140と対向する。配線孔133には、図12の複合制御装置83を表示灯基板125に接続する図外の被覆電線が通される。
図14を参照し、定形表示部材101の構造について説明する。定形表示部材101は、表示板181、レンズ体182、反射体183を備える。表示板181、レンズ体182、反射体183は、互いに別々に形成される。そして、表示板181、レンズ体182、反射体183が、互いに組み合わせられることによって、定形表示部材101を構成する。これによって、表示板181よりも光の乱射のための表面処理の施された高価なレンズ体182、表示板181よりも光の乱射のための表面処理の施された高価な反射体183を再使用し、レンズ体182および反射体183よりも安価な表示板181だけを新しい物に交換することによって、定形表示部材101で表示する照明表示を新しい物に交換できるという利点がある。
表示板181は、光を透過する性質の有る合成樹脂により板状に形成される。表示板181の裏面には、隔壁184が、図15の画像表示不能空間Lにおける上に凸となる半月形の縁取りとして、表示板181から裏側に突出する。表示板181の裏面における隔壁184と表示板181の下縁部とで囲まれた半月形の面部が、定形照明表示領域185を構成する。定形照明表示領域185には、照明表示するための定形な図柄やキャラクタなどの装飾的な画像が印刷される。表示板181の隔壁184よりも外側の部分には、一対のばね逃孔186、一対のねじ挿入孔187が、前後方向への貫通孔として形成される。表示板181の左右端部には、挿入片188が設けられる。レンズ体182は、光を拡散する性質の有る無色な合成樹脂からなる、定形照明表示領域185と対応する半月形の板状であって、左右方向に直線的に延びる下縁部から半月形の上縁部に行くにしたがって前後方向の寸法である厚さが徐々に薄くなっている。レンズ体182の下縁部には、導入部189が、レンズ体182から裏側の斜め下方に突出する。
反射体183は、レンズ体182の裏面から裏側に抜けようとする光をレンズ体182の方に反射する性質の有る無色な合成樹脂により、表示板181と対応する形状の板状に形成される。反射体183の前面には、隔壁190が、上に凸となる半月形の縁取りとして、反射体183から前側に突出する。反射体183が表示板181の裏側に合わせられた場合、隔壁190が隔壁184の下側で隔壁184に接触する。表示板181の隔壁184よりも外側の部分には、一対のばね片191、一対のねじ挿入孔192、一対の挿入係合部193が設けられる。ばね片191は、一端部および上下部が反射体183から前側に突出し、他端部が反射体183に連接する、片持ち梁のような形状である。ねじ挿入孔192は、前後方向への貫通孔として表示板181に形成される。挿入係合部193は、表示板181の前面から前側に突出し、挿入片188を嵌め込む形状に表示板181に設けられる。表示板181の左右方向に直線的に延びる下縁部には、導入部189が前後方向への貫通孔として形成される。
表示板181とレンズ体182および反射体183からなる定形表示部材101は、遊技盤150に次のように取り付けられる。導入部189が反射体183の前側から導入部189に挿入され、レンズ体182の前面が表示板181の裏側から定形照明表示領域185に重ね合わされるように、表示板181と反射体183とがレンズ体182を間に挟むように互いに前後方向で重ね合わされると、一対のばね片191の他端部がばね逃孔186を経由して表示板181よりも前側に突出する。また、表示板181の中央が前側に突出し、表示板181の左右端部が後側となるように、作業者が表示板181の左右方向の寸法が縮む表示板181を弧状に撓ませ、一対の挿入片188が挿入係合部193に内側から挿入された後、上記作業者による表示板181への撓ませを作業者が解除すると、表示板181が左右方向に延びて板状となるように復元し、一対の挿入片188が挿入係合部193に装着される。これによって、表示板181とレンズ体182および反射体183が一体となって定形表示部材101を構成する。そして、表示板181の前面が遊技盤150の板状構造体152の裏面に接触され、タッピングスクリューのような止ねじ194が反射体183の裏側からねじ挿入孔192およびねじ挿入孔187を経由してねじ締結孔175に締結される。これによって、上記のように構成された定形表示部材101が遊技盤150の裏面に取り付けられる。
図15を参照し、定形表示部材101を備えた遊技盤150が、表示灯基板125と導光体126および見切り構造体71を備えた可動枠3に組みつけられた構造について説明する。図12の支持部73が見切り係合孔34に嵌め込まれ、図12の止ねじ128がねじ挿入孔127からねじ締結孔121に締結されることによって、表示灯基板125および導光体126を備えた見切り構造体71が、可動枠3に取り付けられる。その後、図15に示すように、定形表示部材101を備えた遊技盤150が、可動枠3の遊技主体収納室29に取り付けられることによって、導入部189の裏面が導光体126の導出面141と離れて向き合う。この場合、導出面141の厚さが、導入部189の裏面の上下方向の寸法である厚さよりも小さい寸法に設定されているので、導出面141が全面的に導入部189の裏面と向き合う。また、導入面140の厚さが、光源135の発光部の上下方向の寸法である厚さよりも小さい寸法に設定されているので、導入面140が全面的に光源135の発光部の前面と向き合う。よって、光源135から放出された光が導光体126から導入部189を経由してレンズ体182の下部から上方に拡散し、レンズ体182の裏面から裏側に抜けようとする光が反射体183で前側に反射され、定形照明表示領域185が光源135からの光で鮮明に照明表示されるという利点がある。
導入部189の上面とレンズ体182の裏面との成す挟角が鈍角に設定されているので、光源135から導入部189に入射した光がレンズ体182の内部を上方に向けて適切に進行する。レンズ体182は下縁部から上縁部に行くにしたがって厚さが徐々に薄くなっているので、導入部189からレンズ体182の内部に入射した光がレンズ体182の上部に行くにしたがって反射回数が多くなって収束するので、定形照明表示領域185が全体的に一様に照明表示されるという利点がある。