以下、本発明の実施形態に係るパチンコ機について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態](パチンコ機の構成)
図1には本発明の第1の実施形態に係るパチンコ機が示され、図2には本実施形態に係るパチンコ機に搭載される遊技盤が示されている。
図1に示されるように、パチンコ機10は、機器の外郭を構成するとともにパチンコホールの島設備に設置される矩形状の外枠12を備えている。外枠12の前面には矩形額縁状の内枠14が配置され、内枠14は、外枠12に設けられた一対のヒンジ部16、18に左側端部が軸支されて開閉可能に取り付けられている。また、外枠12の前面下部には、装飾部材としての下飾り20が取り付けられている。
内枠14の前面上部には、円形状の窓部24にガラス板22が装着されたガラス枠26が配置されている。ガラス枠26は、左側端部が内枠14に軸支されて開閉可能に取り付けられており、このガラス枠26の窓部24に装着されたガラス板22は、図1の紙面奥行き方向に所定の間隔で互いに平行に配置された一対のガラス板からなる二重構造となっている。
ガラス枠26の裏面側となる内枠14の上部には、矩形状の開口部(図示省略)が形成されている。この開口部には、図2に示される遊技盤100がセットされており、遊技盤100は、ガラス枠26を内枠14に閉塞した状態でガラス枠26(ガラス板22)に覆われている。
ガラス枠26の前面には、賞球表示灯や完了表示灯等としての機能を有する複数の表示灯80と、賞球払出エラー表示灯82及び払出状態エラー表示灯84とがガラス板22(遊技盤100の遊技領域)を取り囲むように配列されており、さらに左上隅近傍と右側端上部には、遊技の効果音をステレオ出力するスピーカー86、88が配設されている。
内枠14の前面下部には、遊技球を貯える球皿28が前方へ突設されるとともに、一般的な上皿及び下皿の機能を兼ね備える打球供給皿としての一体皿ユニット30が配置されている。一体皿ユニット30は、左側端部が内枠14に軸支されて開閉可能に取り付けられており、前面の左側下部に灰皿32が設けられ、右側下部に打球の発射力(飛距離)を調整するための発射ハンドル34が取り付けられている。
また、内枠14裏面の右側端部には、上下方向に延出された図示しない施錠装置が取り付けられており、施錠装置のシリンダー錠(錠前)54は内枠14前面の右側端部から露出されている。この施錠装置によって、内枠14は外枠12に、ガラス枠26は内枠14にそれぞれ施錠されるとともに、一体皿30は内枠14にロックされて、それぞれ閉塞状態に固定される。また、シリンダー錠54の鍵孔56に図示しない鍵を差し込んで所定方向に回すことにより、内枠14と外枠12、及び、ガラス枠26と内枠14がそれぞれ解錠され、ガラス枠26を開放すると、一体皿ユニット30と内枠14とのロック状態が解除可能となる。
一体皿ユニット30に設けられた球皿28の底面は、図1に示されるパチンコ機10の正面視にて右側から左側へ下り傾斜している。その傾斜方向の上流側となる右側の球皿奥壁面には、パチンコ機10内に設けられた賞球払出装置180(図14参照)から払い出された賞球や貸し球が排出される球排出口46が形成されており、傾斜方向の下流側となる左側の球皿底面上には、上流側から流下する遊技球を1列に整列して一体皿ユニット30の裏面に配置された球送り装置(図示省略)に送り込むための整列通路が設けられている。この一体皿ユニット30の球皿28に、上記の球排出口46から遊技球(賞球又は貸し球)が排出されると、遊技球は球皿28内を左方向へ流下し整列通路により1列に整列されて球送り装置に送り込まれる。ここで、遊技者により、発射ハンドル34が回動操作されると、球送り装置から、内枠14の左下部に設けられた発射装置40(図14参照)に遊技球が送り込まれ、発射装置40から遊技盤100の遊技領域101へ向けて遊技球PBが発射される(図2参照)。
(遊技盤の構成)
図2に示される遊技盤100は、基板となるベニヤ板に樹脂製シート状のセルが貼着されてそのセルの表面が盤面100Aとなっており、盤面100Aの外周端部付近に、円弧状の外レール102及び内レール104が取り付けられている。これらの外レール102及び内レール104によって囲まれた円形状の領域は、発射装置40から発射されて打ち込まれた遊技球PBが自重落下により移動可能とされ、この領域が遊技を行う遊技領域101とされている。
図2に示されるように、遊技盤100における遊技領域101のほぼ中央には、図示のように大型で矩形状とされたセンター飾り130が配置されている。図2及び図3に示されるように、センター飾り130は、中央が矩形状に開口された枠状とされており、その開口131内における上側に、液晶表示器(LCD)108の表示画面に特別図柄の抽選や各種演出等の映像を表示する特別図柄表示装置106が配置され、開口131内における下側に、詳細については後述する遊技球の振分装置200が配置されている(図10及び図11参照)。
センター飾り130の前面における開口131の上縁部と左右の側縁部には、前方へ突出された周壁132が設けられている。また、センター飾り130の前面には、周壁132における左側壁部132Lの上部寄りから左斜め上方へ向けて延出されたリブ状の球受け部134Lと、右側壁部132Rの上部寄りから右斜め上方へ向けて延出されたリブ状の球受け部134Rとが設けられており、これらの球受け部134L、134Rの各基端部(下流側端部)の上側には、球受け部134L、134R上に落下して下流側へ転動する遊技球をセンター飾り130の内側へ取り入れるための球入口136L、136Rが形成されている。
図2に示されるように、遊技領域101の左右側部には、盤面飾り137L、137Rが取り付けられており、右側に配置された盤面飾り137Rには、2桁表示が可能な7セグメント表示器を備える普通図柄表示装置107が設けられている。
センター飾り130の真下には、特別図柄始動入賞口(スタート・チャッカー)としての電動チューリップ110が配置され、センター飾り130の左右側方には、普通図柄始動入賞口としての通過ゲート(スルー・チャッカー)118L、118Rが配置されている。
電動チューリップ110(以下「始動口110」という場合もある)の下方には、遊技領域101の下端部付近に位置して変動入賞装置(特別電動役物)112が配置されている。変動入賞装置112は、左右幅方向を長手とした矩形状の大入賞口(アタッカー)114を備え、大入賞口114内には通称「Vゾーン」と呼ばれる連続役物作動口(図示省略)が設けられている。大入賞口114は、開閉扉116が開放又は閉塞することによって開口又は閉口するようになっており、開閉扉116の開放時には、開閉扉116上に落下した遊技球が開閉扉116に案内されて大入賞口114へ入賞する。
また、遊技領域101には、遊技領域101内を自重落下する遊技球を所定の経路に誘導する多数の遊技釘(図示省略)が設けられており、最下位置に、外れ球を遊技盤100の裏側へ排出するアウト口120が設けられている。
(振分装置の構成)
次に、本実施形態に係る遊技盤100のセンター飾り130に取り付けられて開口131内に配置された振分装置200について説明する。
図3及び図4には、特別図柄表示装置106の液晶表示器108及び振分装置200がセンターベース202にユニット化されてセンター飾り130の裏面に取り付けられた状態が示されており、図5及び図6には、そのセンターベース202に液晶表示器108及び振分装置200がユニット化された状態が示されている。また図7には、本実施形態に係る振分装置200の主要構成部品が示されている。
図4に示されるように、センター飾り130の裏面には、後方へ突出された矩形状の周壁138が設けられている。この周壁138は、上下左右の各壁部がセンター飾り130の外周縁に近接して、前面に設けられた周壁132よりも大きくされており、この周壁138内にセンターベース202が取り付けられ、センターベース202にユニット化された特別図柄表示装置106の液晶表示器108及び振分装置200が周壁138の内側に配置されている。
図5に示されるように、センターベース202は、略中央に矩形状の開口204が形成された矩形枠状とされており、その開口204は、センター飾り130の開口131と幅寸法が略同一とされ、高さ寸法が少し小さくされている(図3参照)。
図5及び図6に示されるように、センターベース202の裏面における略下端部には、後方へ略水平に突出された矩形平板状の基台部206が設けられている。特別図柄表示装置106の液晶表示器108は、この基台部206上に載置され、左右方向の位置が合わせられてセンターベース202の裏面に図示しないネジで取り付けられている。
センターベース202の前面には、開口204の上縁部と左右の側縁部に、前方へ突出された周壁208が設けられ、さらに、周壁208における左側壁部208Lの上端部近傍から左方へ延出された左上壁部210Lと、右側壁部208Rの上端部近傍から右方へ延出された右上壁部210Rとが設けられている。
センターベース202の下端部には、前方へ断面L字形に突出されたステージ212が設けられている。ステージ212の中央には、所定幅寸法の切欠部214が形成されており、この切り切欠部214を挟んで左右に配置されているステージ212の左上面部216L及び右上面部216Rは、それぞれ外側から内側(切欠部214側)へ向けて緩やかに下り傾斜している。
また、本実施形態の振分装置200は、このセンターベース202の下部に設けられた基台部206及びステージ212の下面に取り付けられている。
図7に示されるように、振分装置200は、遊技球を振り分ける5個の振分部材220A、220B、220C、220D、220Eと、振分部材220A〜220Eの振り分け動作を規制及び規制解除するストッパー部材222、及び、ストッパー部材222を移動させるための駆動源となるステッピングモータ224を備えている。
図8に示されるように、振分部材220A〜220Eは前後方向に延出された鍵盤状に形成されており、幅寸法Wが遊技球の直径よりも少し大きくされている。この振分部材220A〜220Eの前部は、下面が開口した中空の球振分部230とされ(図9及び図12参照)、後部は、上面が開口した矩形箱状の錘搭載部232とされており、これらの球振分部230と錘搭載部232との間には回動支持部234が設けられている。また、錘搭載部232上面の後端部には、上方へ突出された縦壁部235が設けられている。
錘搭載部232には、鋼製で球状に形成された錘236が嵌め入れられて固着されている。この球形の錘236として、本実施形態では遊技球を使用している。
回動支持部234には、左右方向に沿って貫通する貫通孔238が形成されている。この貫通孔238には支軸240が回転可能に挿通され、これにより、振分部材220A〜220Eは図示のように幅方向に並んで配列されるとともに、支軸240を中心に個別に回動(傾動)可能とされている。
図6に示されるように、センターベース202の基台部206下面における前寄りには、切欠部214の幅寸法よりも少し広い間隔で配置された一対の軸受け支柱242L、242Rが立設されている。この一対の軸受け支柱242L、242Rの各先端部には図示しない軸受け溝が形成されており、その軸受け溝は、各軸受け支柱242の先端部に跨って取り付けられた支軸固定板244によって塞がれている。
振分部材220A〜220Eに挿通された支軸240は、両端部が一対の軸受け支柱242L、242Rの各軸受け溝に嵌め入れられて軸受け支柱242L、242R間に架設され、支軸固定板244に押さえられて固定されている。また、支軸240を一対の軸受け軸受け支柱242L、242Rに取り付けると、図5に示されるように、振分部材220A〜220Eの球振分部230がセンターベース202の切欠部214内に配置され、振分部材220A〜220Eは支軸240を中心に傾動可能とされる。
図7に示されるように、ストッパー部材222は幅方向に延出された矩形板状に形成されている。このストッパー部材222の前面における左上角部及び右上角部には、前方へ突出された突起部246L、246Rが設けられており、後面における左上角部及び右上角部には、後方へ突出された突起部248L、248Rがそれぞれ設けられている。
また、図6に示されるように、センターベース202の基台部206下面には、一対の軸受け支柱242L、242Rの後側に位置して、前後方向に所定の間隔で配置されるとともに幅方向に沿って延出された断面L字形の一対のガイドレール250A、250Bが設けられている。
ストッパー部材222は、前側に配置されたガイドレール250Aに突起部246L、246Rが嵌め込まれ、後側に配置されたガイドレール250Bに突起部248L、248Rが嵌め込まれることにより、センターベース202の基台部206下面に取り付けられ、各突起部が各ガイドレールにガイドされて、左右方向(図9の矢印L/R方向)へスライド可能とされている。
このストッパー部材222の下面には、振分部材220A〜220Eの縦壁部235と対応する位置に、幅方向に沿って延出されたストッパー壁部252が設けられ、下面における後端部近傍に、幅方向に沿って延出されたラック部256が設けられている。
ストッパー壁部252は、下面が後側から前側へ向けて上り傾斜している。また、図9に示されるように、ストッパー壁部252の中央部には台形状の凹部254が形成されており、この凹部254は、上面部254Aの幅方向寸法が、振分部材220A〜220Eの幅寸法(W)よりも少し長くされ、底辺部の長さ寸法が、振分部材220A〜220Eの幅寸法(W)の3倍よりも少し長くされている。
また、図6に示されるように、センターベース202の基台部206下面における後端部中央には、下方へ略垂直に延出されたモータ取付板258が設けられている。モータ取付板258の後面には、2本のボス260が立設されており、ステッピングモータ224は、これら2本のボス260に2個のフランジ部262がネジにより固定されてモータ取付板258に取り付けられている。
ステッピングモータ224のモータ軸264は、モータ取付板258に形成されたU溝266を通して前方へ突出されており、このモータ軸264の先端部に固着された駆動ギア268は、ストッパー部材222のラック部256に噛み合っている。また、ステッピングモータ224の電源ハーネス270は、後述する主制御基板150に接続されている。
これにより、ステッピングモータ224が作動してモータ軸264及び駆動ギア268を回転駆動させると、ストッパー部材222はガイドレール250A、250Bにガイドされて左右方向へスライドし、振分部材220A〜220Eに対するストッパー壁部252及び凹部254の位置を変更する。
以上により、本実施形態の振分装置200がセンターベース202の下部に組み付けられており、このセンターベース202は、前述したように、センター飾り130裏面の周壁138内に取り付けられている。
図4に示されるように、センターベース202をセンター飾り130裏面の周壁138内に嵌め込み図示しないネジで取り付けると、センターベース202の左上壁部210L、右上壁部210R、及び、ステージ212の各外側端部が周壁138の内壁面にそれぞれ当接して左右方の位置決めがなされ、図10及び図11に示されるように、周壁208とステージ212の各前端部、及び、左上壁部210L、右上壁部210Rの各前端部がセンター飾り130の裏面にそれぞれ当接して前後方向の位置決めがなされる。
また、この取付状態では、周壁208がセンター飾り130の開口131の上縁部及び左右側縁部に当接配置され(図3参照)、左上壁部210L及び右上壁部210Rがセンター飾り130の球入口136L、136Rの上縁部にそれぞれ当接配置される(図示省略)。これにより、センター飾り130とセンターベース202との間における左右側部には、球入口136L、136Rからステージ212へと通じる上下方向に沿って延出された誘導通路218L、218Rが形成される。さらに、ステージ212の左上面部216L、右上面部216R、及び切欠部214と、切欠部214内に配置された振分部材220A〜220Eの各球振分部230は、センター飾り130の開口131の下側に位置して露出され、パチンコ機10の正面から視認することができる。
ここで、センター飾り130の球入口136L、136Rから内部へ取り入れられた遊技球は、誘導通路218L、218R内を自重落下しつつ下方へ誘導されて、ステージ212の左上面部216L、右上面部216Rにおける傾斜方向上流端部に落下する。そして、この遊技球は、左上面部216L、右上面部216Rを傾斜方向下流側へ転動して切欠部214内に導かれ、振分部材220A、220Eの球振分部230上に乗り上げる。
また、振分装置200がセンター飾り130に取り付けられると、振分部材220A〜220Eは、図12に示されるように、錘236の重量によって支軸240を中心に錘搭載部232が下降し球振分部230が上昇する方向(図12の矢印A方向)へ傾動される。このとき、球振分部230の前壁下端部に設けられたストッパー部231の前面がセンター飾り130の裏面に当接し、振分部材220A〜220Eは傾動が規制されてその位置に停止される。この停止状態では、球振分部230の上面は前側から後側へ下り傾斜されている。また、図8に示されるように、振分部材220A〜220Eの球振分部230の上面は、左右側方(外側)に配置された振分部材220A、220Eから中央に配置された振分部材220Cに向けて段階的に低くされている。詳細には、振分部材220A、220Eの球振分部230の上面高さが同一高さで最も高く、その内側に隣接配置された振分部材220B、220Dの球振分部230の上面高さは振分部材220A、220EよりもΔH1だけ低くされ、中央に位置する振分部材220Cの球振分部230の上面高さは最も低く、振分部材220A、220EよりもΔH2(>ΔH1)だけ低くされている。
また、この振分部材220A〜220Eは、上記の姿勢で例えば図12に示されるように、遊技球PBが球振分部230上面の傾斜方向下流側(後側)に寄せられセンターベース202の前面202Aに接触する位置で乗り上げた場合に、すなわち、遊技球PBが振分部材220A〜220Eの回動中心O(支軸240の軸心)に最も接近した位置で球振分部230の上面に乗り上げた場合に、その回動中心Oから錘236の重心G1までの距離L1よりも、回動中心Oから遊技球PBの重心G2までの距離L2の方が長くなるように設定されている(L1<L2)。
ここで、本実施形態では、錘236に遊技球を使用しているため、錘236の重量M1と遊技球PBの重量M2とは等しく(M1=M2)、これにより、球振分部230に遊技球PBが乗り上げた振分部材220A〜220Eは、図13に示されるように、遊技球PBの重量によって支軸240を中心に球振分部230が下降する方向へ(図13の矢印B方向)傾動する。
また、図4に示されるように、センター飾り130の裏面には、周壁138の下壁部138Aの上部における振分部材220A〜220Eとの対応位置に、5個のストッパーリブ139A、139B、139C、139D、139Eが設けられている。このストッパーリブ139A〜139Eの高さは、左右側方(外側)に配置されたストッパーリブ139A、139Eから中央に配置されたストッパーリブ139Cに向けて段階的に低くされている。
これにより、図13に示されるように、球振分部230に乗り上げた遊技球PBの重量によって傾いた振分部材220A〜220Eは、ストッパー部231の下端部がストッパーリブ139A〜139Eに当接することにより傾動が規制される。この傾動動作で、球振分部230の上面が後側から前側へ下り傾斜され、球振分部230上の遊技球PBは、その傾斜方向下流側へ転動されて球振分部230上から脱落し、センター飾り130の前面に沿って落下する。
また、このときの傾動角度は、最も低いストッパーリブ139Cに当接する中央の振分部材220Cが最も大きくされ、次に低いストッパーリブ139B、139Dに当接する振分部材220B、220Dが次に大きくされ、最も高いストッパーリブ139A、139Eに当接する振分部材220A、220Eが最も小さくされる。したがって、この傾動動作時における振分部材220A〜220Eの球振分部230上面の傾斜角度は、振分部材220Cが最も大きく、振分部材220B、220Dが次に大きく、振分部材220A、220Eが最も小さくされ、振分部材220A〜220Eによって前方へ誘導される遊技球PBの移動速度には差が生じる。そして、遊技球PBの落下後は、振分部材220A〜220Eは錘236の重量によって後側に傾き、図12に示される元の位置に戻って停止する。
また、この振分部材220A〜220Eの傾動は、その可能/不能がストッパー部材222によって切り替えられ、さらに傾動角度も可変される。
例えば、図9に示されるように、ストッパー部材222の凹部254の上面部254Aが振分部材220C上に位置する場合には、振分部材220Cは傾動可能な状態となり、傾動に伴って縦壁部235が凹部254内へ進入し、上述したようにストッパー部231がストッパーリブ139Cに当接するまで傾動可能となる(傾動角度が最大)。
また、振分部材220B、220Dも傾動可能な状態となるが、その傾動では縦壁部235が凹部254内へ進入しつつ途中で斜面部254Bに当接する。そのため、上述したようにストッパー部231がストッパーリブ139B、139Dに当接するまでは傾動できず、傾動角度は小さくなり、ここでは、図3及び図5に示されるように、球振分部230の上面が略水平面となる位置で傾動が規制される。
また、振分部材220A、220Eは、縦壁部235がストッパー壁部252に当接して傾動不能な状態となる。
このように、振分部材220A〜220Eは、ストッパー部材222によって個別に傾動可能/不能とされるとともに傾動角度も変更され、このストッパー部材222が左右方向へスライドして凹部254の位置が変更されることにより、傾動可能/不能の切り替えと傾動角度の可変が行われる。
(制御系の構成)
次に、図14を用いてパチンコ機10の制御系について説明する。図14に示されるように、本実施形態に係るパチンコ機10の制御系は、主制御基板150を中心として、払出制御基板152、音声制御基板154、ランプ制御基板156、発射制御基板158、表示制御基板160等、機能毎に分類されており、各基板は主制御基板150にそれぞれ接続されている。なお、以下これらを総称する場合、副制御基板151という。
主制御基板150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されている。この主制御基板150からの命令信号に基づいて、副制御基板151は独自に各部を制御し、このように、主制御基板150は基本的に命令信号を出力するのみで、その結果等のフィードバックは受けない構成となっている。
また、主制御基板150並びに副制御基板151は、管理制御基板170を介してパチンコ店側のホールコンピュータ172に接続することができ、これにより、パチンコ機10の稼動状況を管理することも可能となっている。
以下、副制御基板151の制御内容について説明すると、払出制御基板152は、パチンコ機10内に設けられた賞球払出装置180を作動させて、賞球又は貸し球の払い出し及び停止動作と払出数を制御する。音声制御基板154は、ガラス枠26前面に設けられたスピーカー86、88を作動させて効果音等の出力を制御し、ランプ制御基板156は、ガラス枠26の表示灯80、賞球払出エラー表示灯82、払出状態エラー表示灯84、並びに、遊技盤100に設けられた各種表示灯の点灯・消灯を制御する。発射制御基板158は、遊技者による発射ハンドル34の操作により発射装置40を作動させて遊技球の発射を制御する。表示制御基板160は、表示ドライバ182を介して特別図柄表示装置106に表示する特別図柄抽選や各種演出等の映像の表示内容を制御し、さらに、普通図柄表示装置107に表示する普通図柄抽選の表示内容を制御する。
また、特別図柄と普通図柄の抽選では、主制御基板150において、乱数カウンタを用い所定確率のもとに当たり/外れを決定する抽選処理が各々実行され、主制御基板150はその抽選結果に基づく判定信号を表示制御基板160へ出力する。表示制御基板160では、予め記憶されている複数種類の図柄変動パターン等の表示内容データの中から、入力された判定信号に対応する表示内容データが選択される。特別図柄表示装置106及び普通図柄表示装置107は、その表示内容データに基づく信号が表示制御基板160から各々入力されて作動するようになっている。
また、主制御基板150には、遊技盤100に設けられた各種遊技部品の駆動源や入賞球を検出するセンサ類が接続されている。
駆動源としては、電動チューリップ(始動口)110を作動させるソレノイド184、大入賞口114の開閉扉116を開放/閉塞させるソレノイド186、振分装置200のストッパー部材222をスライドさせるステッピングモータ224がそれぞれ接続されており、これらのソレノイド184、186及びステッピングモータ224は、主制御基板150からそれぞれ制御信号が入力され駆動制御される。
また、入賞検出センサとしては、始動口110への入賞球を検出する始動口入賞センサ(第1種始動口入賞センサ)190、通過ゲート118L、118Rへの入賞を検出する通過ゲート入賞センサ191、大入賞口114への入賞球を検出する大入賞口センサ192、大入賞口114内のVゾーンへの入賞球を検出するVゾーンセンサ194がそれぞれ接続されており、これらの各センサは、入賞球の検出時にその検出信号を主制御基板150へ出力する。そしてこれらの検出信号に基づき、主制御基板150が副制御基板151及び上記駆動源へ各種信号を出力することにより、パチンコ機10は所定の動作をするようになっている。
(パチンコ機の遊技仕様)
パチンコ機10による遊技では、遊技者が発射ハンドル34を操作すると、球皿28に貯えられている遊技球は球送り装置により一球づつ発射装置40に供給され、発射装置40によって上方へ発射される(図2参照)。発射された遊技球PBは、外レール102に沿って遊技盤100の遊技領域101に打ち込まれ、遊技釘に当たり方向を変えながら遊技領域101内を落下する。そして、入賞せずに遊技領域101の下端部に至った遊技球はアウト口120からパチンコ機10内に回収される。
また、遊技球が通過ゲート118L、118Rを通過すると、主制御基板150において当たり/外れの抽選処理が実行され、その抽選結果は、普通図柄表示装置107に、2桁の普通図柄が変動されその変動後に停止図柄の組み合わせによって表示される。
この抽選結果が「当たり」となった場合は、電動チューリップ110が所定時間開放され、遊技球が電動チューリップ110に入賞しやすい状態となる。
また、電動チューリップ(始動口)110へ入賞すると、主制御基板150において当たり/外れの抽選処理が実行され、その抽選結果は、特別図柄表示装置106の表示画面に、配列された複数の特別図柄が所定のパターンで変動されその変動パターンを経た停止図柄の組み合わせによって表示される。なお、この特別図柄の変動パターンには、例えば、リーチを経た当たり図柄の表示又は外れ図柄の表示、あるいはリーチなしの外れ図柄表示など、様々な演出や趣向を加味した数多くのパターンが用意されており、遊技者は、それらの演出を受け特別図柄の抽選結果を期待感も持って観察する。
そして、抽選結果が「大当たり」となった場合は、特別図柄表示装置106の表示画面に、例えば、リーチ・アクションを経て「555」等の予め定められた所定の当たり図柄の組み合わせが表示されるとともに、表示灯80の点滅やスピーカー86、88からの効果音出力などによる演出を加えて、大当たりが発生したことを遊技者に報知し、所定の大当たり動作を実行する。
大当たり動作としては、開閉扉116の開閉動作によって大入賞口114が例えば10カウント(入賞個数)又は最大30秒間(1回の開放時間)/最高16ラウンド(継続回数)開放されるとともに、1回の大入賞口114開放時に大入賞口114内のVゾーンへの入賞を果たすことで次ラウンドを継続するといった動作が行われる。これにより、遊技者は、発射した遊技球を大入賞口114へ容易に入賞させ、例えば入賞1個当たり15個の払い出しを受けるなどして、大量の賞球を獲得できるようになる。またこのときは、賞球払出装置180が作動して所定数の賞球を払い出し、その払い出された賞球は、球排出口46から球皿28に排出される。
また、当たり図柄が、例えば「777」等の予め定められた特定の図柄の組み合わせとなった場合には、上述した大当たり動作の終了後に、次の大当たり確率がアップする「確率変動機能」、あるいは大当たり確率は変わらないが普通図柄表示装置107の変動時間が短縮され始動口110が開放し易くなって球持ちをよくする「時短機能」といった付加機能が作動して、遊技者にとって有利な遊技状態が展開される。
次に、以上説明した本実施形態に係るパチンコ機10の振分装置200による遊技球の振り分け動作及び作用について説明する。
本実施形態のパチンコ機10では、遊技が開始されると、主制御基板150はステッピングモータ224を制御してモータ軸264及び駆動ギア268が例えば所定の回転速度及び回転角度で正転/逆転を繰り返すよう回転駆動させる。これにより、ストッパー部材222は、所定の移動速度及び移動距離で左右方向に往復移動を繰り返す。
そして、遊技中に、遊技盤100の遊技領域101を落下移動し、センター飾り130の球受け部134L、134R上に落下して受け止められた遊技球は、球入口136L、136Rからセンター飾り130の内部に取り入れられて誘導通路218L、218R内を落下し、図15に示されるように、ステージ212の左上面部216L、右上面部216Rを転動してステージ212の中央に配置された振分装置200に導かれ、振分部材220A、220Eの球振分部230に乗り上げる。
ここで、上記のように左右へ往復移動を繰り返すストッパー部材222が、例えば図9に示される位置にあると、振分部材220A、220Eは傾動しないため、遊技球PBは、球振分部230上面の傾斜方向下流側である後側に寄せられセンターベース202の前面202Aに接触しつつ(図12参照)、振分装置200に導かれたときの慣性力によって内側に隣接配置された振分部材220B、220Dへ乗り移る。
この振分部材220B、220Dの球振分部230上面に遊技球PBが乗り上げると、振分部材220B、220Dは、遊技球PBの重量によって球振分部230上面を略水平にする位置まで傾動する。ここで、遊技球PBは慣性力による転動を継続し、中央に配置された振分部材220Cへ乗り移る。あるいは、遊技球PBが連続して送り込まれたり、慣性力のバラツキなどの条件によって、なかには振分部材220Cへ乗り移らずに、振分部材220B、220D上を前方へ転動してそのまま落下するものも出てくる。
振分部材220Cの球振分部230上面に遊技球PBが乗り上げると、振分部材220Cは、図16に示されるように、遊技球PBの重量によって球振分部230上面を前側に下り傾斜させるよう最大角度まで傾動する。これにより、遊技球PBは、その傾いた球振分部230上面の下流側へ誘導され、ステージ212の中央から真下に落下し、高い確率で電動チューリップ110へ入賞するようになる。
また、遊技球PBが振分装置200へ導かれたときに、ストッパー部材222の凹部254の上面部254Aが振分部材220Bの上方に位置する、又は、振分部材220Dの上方に位置する場合には、振分部材220A、220Eは、遊技球PBに乗られることで球振分部230の上面が略水平になる位置まで傾動する。ここで、遊技球PBは振分部材220B、220Dへ乗り移る、あるいは振分部材220A、220E上を前方へ転動してそのまま落下するものも出てくる。
次に、遊技球PBが振分部材220B、220Dへ乗り移った場合には、振分部材220B、220Dは最大角度まで傾動する。これにより、この遊技球PBは振分部材220B、220Dによって前方へ誘導され、そのまま振分部材220B、220D上から落下し、電動チューリップ110が開いている場合には高い確率で入賞するようになり、閉じている場合には入賞しにくくなる。
また、遊技球PBが振分装置200へ導かれたときに、ストッパー部材222の凹部254の上面部254Aが振分部材220Aの上方に位置する、又は、振分部材220Eの上方に位置する場合には、振分部材220A、220Eが遊技球PBに乗られることで最大角度まで傾動する。これにより、この遊技球PBは振分部材220A、220Eによって前方へ誘導され、そのまま振分部材220A、220E上から落下し、電動チューリップ110への入賞確率が低くされる。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10では、遊技中に、ステージ212中央に設けられた振分装置200に遊技球PBが導かれると、その遊技球PBは、個別に傾動可能な状態又は傾動不能な状態に切り替えられる振分部材220A〜220Eによって、電動チューリップ110に入賞しやすくなる経路、又は、入賞しにくくなる経路に振り分けられる。また、この振分部材220A〜220Eの傾動可能/不能となる状態は、ストッパー部材222によって所定のタイミングで切り替えられ、その切り替えられた状態は外部から視認不能となる。そのため、遊技者は、振分部材220A〜220Eのうちの何れが傾動可能な状態にあり、また、何れが傾動不能な状態にあるかを識別することができず、この振分部材220A〜220Eによって振り分けられる遊技球PBの振り分け先が予測できなくなる。これにより、この振分装置200を備えるパチンコ機10では、遊技球PBを実際に振り分けられるまで遊技者の興味を長く引き付けられるようになり、遊技性が向上する。さらに、振分装置200の動作に遊技球PBの発射タイミングを合わせるなどの技術介入もできなくなり、また、遊技球PBの振り分け時に、パチンコ機10に衝撃等を与えて遊技球PBの動きを変化させ、遊技球PBを有利な経路に故意に誘導するような不正行為も防止できる。
また、本実施形態では、ストッパー部材222に設けられた凹部254によって、振分部材220A〜220Eの傾動角度が可変され、振分部材220A〜220Eの傾動角度が大きくされる場合には、球振分部230上面の傾斜角度も大きくされて遊技球PBはその傾斜方向下流側へ強く誘導されるようになる。また、振分部材220A〜220Eの傾動角度が小さくされる場合には、球振分部230上面の傾斜角度も小さくされるため(本実施形態では略水平)、遊技球PBは、側方へ転動して隣接する傾動部材に乗り移る場合と、前方へ転動して落下するなど多様な動きをとるようになる。
このように、振分部材220A〜220Eの傾動角度を可変させることで、振分部材220A〜220Eの傾動に伴い誘導される遊技球PBの動きに変化が生まれ、遊技球PBの挙動及び振り分け先が複雑になり、遊技性が更に向上して、遊技球PBの振り分けに対する遊技者の興味をより強く引き付けられるようになる。
また、本実施形態では、外側に配置された2個の振分部材220A、220Eが傾動不能な状態とされ、内側に配置された3個の振分部材220B、220C、220Dが傾動可能な状態とされた場合に、振分部材220A、220E上に乗り上げた遊技球PBは、その振分部材220A、220Eよりも中央寄りに隣接配置された振分部材220B、220Dの球振分部230上面の方が低くされているため、その振分部材220B、220D側へ乗り移りやすくなる。次に、遊技球PBに乗られた振分部材220B、220Dは、球振分部230の上面を略水平にするまで傾くが、その傾動後の球振分部230上面と、停止位置(傾動前)にある中央の振分部材220Cの球振分部230上面との段差は小さいため、遊技球PBはさらに振分部材220C側へ乗り移りやすくなり、最終的には、球振分部230上面が最も低くされた中央の振分部材220Cまで遊技球PBを誘導できるようになる。
これにより、本実施形態のように5個の振分部材220A〜220Eを設けて内側(中央及び中央寄り)に配置された3個の振分部材220B、220C、220Dのみを傾動可能な状態とする場合でも、外側の振分部材220A、220Eに乗り上げた遊技球PBを振分部材220B、220Dを通過させて振分部材220Cまで誘導することが可能となり、振分部材220Cによる遊技球PBの振り分け数が外側の振分部材220A、220Eや振分部材220B、220Dよりも少なくなるような偏りを抑えることができる。
また、本実施形態では、主制御基板150が振分装置200のステッピングモータ224を駆動制御してストッパー部材222をスライドさせることにより、振分部材220A〜220Eのそれぞれの傾動可能/不能が切り替えられ、この切り替えタイミングは例えば一定の周期にしたりランダムにするなど容易に変更することができる。これにより、振分部材220A〜220Eが行う遊技球PBの振り分けに意外性が付与され、遊技性を更に向上させることができる。
[第2の実施形態]
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態は、第1実施形態と同一構成のパチンコ機10において、振分装置200による遊技球の振り分け動作を入賞率に応じて変更するようにしたものである。
図17には、本第2実施形態に係る主制御基板が行う入賞率管理処理及び計数処理のフローが示されている。
本実施形態では、パチンコ機10により遊技が開始されると、主制御基板150は、予め記憶されたプログラムに基づいて入賞率管理処理及び計数処理を実行する。
まず、パチンコ機10で遊技が開始されると、主制御基板150が入賞率管理処理及び計数処理を開始するとともに、パチンコ機10に設けられた入賞センサ(入賞球検出センサ)196は、遊技中に図柄の始動に係る始動口110に入賞した遊技球を検出するとその入賞球検出信号を主制御基板150に送信し、また、アウト球検出センサ197は、遊技中に入賞しなかったアウト球を検出するとそのアウト球検出信号を主制御基板150に送信する。
ここで、主制御基板150は、計数処理によって、入賞球検出信号から入賞球数を計数し、アウト球検出信号からアウト球数を計数し、これらの入賞球数及びアウト球数に基づいて、遊技中における所定の時間間隔(例えば10分間隔)の入賞率(図柄の始動回数)を算出する。なお、この計数処理は遊技中に常時実行されている。
一方、遊技の開始に伴って実行開始された入賞率管理処理では(ステップ300)、まず、上記の計数処理にて算出された所定の時間間隔の実際の入賞率と、このパチンコ機10の固有値として予め設定された入賞率の目標値の比較を行い(ステップ302)、実際の入賞率と目標値との差が小さくなるように、振分装置200のストッパー部材222の変動パターン(振分部材220A〜220Eを傾動可能/不能な状態に切り替えタイミング)を変更するを決定する(ステップ304)。
具体的には、実際の入賞率が目標値よりも高い場合には入賞率を抑えるよう、例えば、ストッパー部材222の凹部254が内側の振分部材220B、220C、220Dよりも外側の振分部材220A、220Eの方に長く滞在するような変動パターンに決定し、また、実際の入賞率が目標値よりも低い場合には入賞率を上げるよう、例えば、上記とは逆にストッパー部材222の凹部254が外側の振分部材220A、220Eよりも内側の振分部材220B、220C、220Dの方に長く滞在するような変動パターンに決定する。
主制御基板150は、この変動パターンに基づいてステッピングモータ224の駆動制御を行い(ステップ306)、ストッパー部材222をその変動パターンでスライドさせる。そして、このストッパー部材222の変動パターン動作は、タイマで計測されて所定時間(例えば20分)継続され(ステップ308)、所定時間経過後に終了する(ステップ310)。
なお、この入賞率管理処理は、遊技中は自動継続で繰り返し実行する、あるいは、所定の時間を置いて定期的に実行されるようにしてもよく、また、計数処理にて実際の入賞率を算出する所定の時間間隔毎(上記例では10分間隔)に実行してもよい。
以上により、本実施形態では、遊技において、パチンコ機10の図柄の始動に係る始動口110への入賞率がその目標値に近づけられるようになり、ホールの経営管理を容易にすることができる。
また、上記の入賞率管理処理及び計数処理は、入賞率の場合を例に説明したが、これに代えてベース(所謂「遊び率」)を用いることもできる。ベースとは、大当りを除いた出玉率のことで、1分間100個のアウト球(遊技者の打ち込み球数)に対する払い出し賞球数の割合で表される(ベース=大当りを除い賞球数/アウト球数)。例えば、1分間100発の打ち込みに対して賞球が35個払い出された場合は「ベース35」となり、このベース値が高いほど遊技者への還元が大きくなる。
このベースを適用する場合、パチンコ機10に設けられた遊技において賞球の払い出しに係る入賞口に入賞された遊技球を検出する賞球検出センサ(一部、入賞口と兼用するものも含む)は、その賞球に係る入賞口に入賞した遊技球を検出してその入賞球検出信号を主制御基板150に送信し、主制御基板150は、計数処理にて上記入賞球検出信号及びアウト球検出信号に基づいて遊技中における所定の時間間隔の実際のベースを算出する。そして、入賞率の場合と同様に、計数処理にて算出された所定の時間間隔の実際のベースと、パチンコ機10の固有値として予め設定されたベースの目標値の比較を行い、実際のベースと目標値との差が小さくなるように、振分装置200のストッパー部材222の変動パターンを決定し、その変動パターンでストッパー部材222を動作させる。これにより、パチンコ機10のベースをその目標値に近づけられることも可能となり、やはり、ホールの運営を容易にできる。
また、上述した入賞率の目標値、あるいはベースの目標値は、図17に示されるように、主制御基板150のメモリ198に予め複数種類の入賞率・ベースの目標値(目標値A/目標値B/目標値C・・・)を記憶させておき、例えば、パチンコ機10の内枠14裏面等に設けた遊技者には操作できない設定変更操作部199によって、その複数種類の入賞率・ベースの目標値の中から1つを選び設定を変更できるようにしてもよい。
この場合、設定変更操作部199によってホール側がそのパチンコ機10の入賞率・ベースの目標値を、複数種類の中から1つを選んで設定変更できるようになるため、例えば、パチンコ機毎に入賞率・ベースの目標値に高低差を設けるなどの設定変更が容易となる。さらに、ベースについては、例えば、大当たりの直後から一定の始動回数の間に電動チューリップ110の羽根が開閉してベースを高く保つ状態(時短機能)や、通常時のベースに対し、ホール側が釘調整を行わなくてもパチンコ機10のベースを容易に設定変更できるようになる。
以上、本発明を上述した第1及び第2の実施形態により詳細に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の形態が実施可能である。