JP2008119326A - 遊技機 - Google Patents

Abstract

【課題】所謂１００％ルートのような部位をセンター役物に設け、かつ該部位に他の機能も持たせるようにし、センター役物での遊技を多様化できるようにした遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機では、ワープ導入口から導入されステージＳ上で転動した遊技球が遊技球流路６５に導入されると、それを契機としてセンター飾り２３の始動チャッカー２８が開放する。このため、遊技者は、遊技球流路６５に導入された遊技球の、遊技領域に配置された始動チャッカーへの入賞に期待すると同時に、当該遊技球によって開放された始動チャッカー２８への入賞に期待を寄せることになる。これにより、二重の期待感、楽しみを遊技者に与え、センター飾り２３での遊技を多様化させ、興趣を高めることができる。
【選択図】図６

Description

本発明は、パチンコ機等の遊技機に係り、詳しくは、遊技領域にセンター役物を備えた遊技機に関する。

一般に、遊技機、例えばパチンコ機として、球受け皿に滞留している遊技球が、発射ハンドルの操作に応じて遊技盤の遊技領域に打ち出された後、遊技領域の障害釘や風車等に導かれつつ盤面を流下して、各種入賞口に入球し、或いは入球せずに遊技領域下部のアウト口に流入するように構成されたものが知られている。

このようなパチンコ機では、一般入賞口に入球した際にはそれに対応した個数の遊技球が払い出され、また始動チャッカーに入球した際にはこれに基づいて当たり外れや演出パターンの抽選が行われると共に所定数の遊技球が払い出される。この抽選結果に基づき選定された演出パターンに応じて、例えば遊技盤の中央部分に設けられた液晶表示画面や各種の照明装置を介した視覚的表現、スピーカを介した聴覚的表現などを用い、様々な演出が行われる。なお、当たり（以下、「大当たり」ともいう）の発生時（つまり、特別遊技状態の抽選に当選した時）には、アタッカーと呼ばれる大入賞口が開放し、入球に対応して多量の遊技球が払い出される遊技者に有利な特別遊技状態となる。

上述した従来のパチンコ機では、遊技領域の中央部分にセンター飾り（センター役物）を備え、このセンター飾りの側部にワープ導入口を備え、このワープ導入口から入球した遊技球を始動チャッカー側に導くように転動させるステージを備えたものが存在する（特許文献１参照）。

ところで、上記特許文献１に記載されるようにセンター飾りを備えたパチンコ機では、該センター飾りのステージ中央部に落下孔を設け、この落下孔に落下した遊技球を、通路を介して上記始動チャッカーに案内するように構成し、当該ルートを、始動チャッカーに高確率（略１００％）で入賞させ得る所謂１００％ルートとしたものがある。

特開２００１−３２７６７２号公報

しかし、センター飾りに上記１００％ルートを備えたパチンコ機では、ワープ導入口から導入された遊技球をステージ上で転動させ、落下孔に落下した遊技球を始動チャッカーに導くだけの単調な遊技上の演出を行うだけであったため、遊技者は、そのような演出に特に興味を示すことなく単に大当たりの発生のみを望んで遊技を進めることもあった。このように、遊技者に、ステージ上での遊技球の動きそのものを楽しませることは難しく、従って、遊技性をより高め、興趣を向上させるような構成を備えることが切望される。

そこで本発明は、所謂１００％ルートのような部位をセンター役物に設けると共に、当該部位に他の機能も持たせるようにして、センター役物での遊技を多様化し得るように構成し、もって上述した課題を解決した遊技機を提供することを目的とするものである。

請求項１に係る本発明は（例えば図１ないし図８参照）、遊技領域（３ａ）に、ワープ導入口（３６，３７）及び該ワープ導入口から導入された遊技球を転動させるステージ（Ｓ）を有するセンター役物（２３）と、特別遊技状態の抽選の契機となる入賞が行われる第１始動口（３０）と、を備え、前記遊技領域（３ａ）に遊技球を打ち出して遊技してなる遊技機（１）において、
前記センター役物（２３）は、
前記ステージ（Ｓ）を転動する遊技球を導入して前記第１始動口（３０）に高確率で入賞させ得る遊技球流路（６５）と、
該遊技球流路（６５）に遊技球が導入されたことを契機として開放し、前記特別遊技状態の抽選の契機となる入賞が行われる第２始動口（２８）と、を備えてなる、
ことを特徴とする遊技機（１）にある。

なお、本発明における「ワープ導入」という語句は、遊技領域に打ち出された遊技球を、当該遊技領域の比較的下側に位置する道釘等を経ることなく、第１始動口の上に導くことを意味する概念である。また、上記「道釘」とは、遊技領域において第１始動口の左右に打ち込まれた複数本の障害釘の列を意味するもので、上方から転動落下してきた遊技球を第１始動口方向に導く役割を担っている。

請求項２に係る本発明は（例えば図６参照）、前記第２始動口（２８）が、前記遊技球流路（６５）への遊技球導入を契機として開放する開閉部（２８ａ）を有し、かつ該開閉部の開放状態にあっては、前記遊技球流路（６５）に導入されずに前記ステージ（Ｓ）上を転がり移動する遊技球のうちの一部を入賞させると共に、所定数の遊技球が入賞した時点で前記開閉部（２８ａ）を閉止してなる、
請求項１記載の遊技機（１）にある。

請求項３に係る本発明は（例えば図６参照）、前記第２始動口（２８）の前記開閉部（２８ａ）を開閉制御する開閉制御機構（６８）を有し、
該開閉制御機構（６８）は、前記遊技球流路（６５）内に突出するレバー部（６７ｂ）を有し、かつ該遊技球流路（６５）に導入された遊技球が前記レバー部（６７ｂ）に当接した際に、閉止状態の前記開閉部（２８ａ）を開放させる解除レバー（６７）を有してなる、
請求項２記載の遊技機（１）にある。

なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の記載に何等影響を及ぼすものではない。

請求項１に係る本発明によると、ワープ導入口から導入されステージ上で転動した遊技球が遊技球流路に導入されると、それを契機としてセンター役物の第２始動口が開放するので、遊技者は、遊技球流路に導入された遊技球の第１始動口への入賞に期待すると同時に、当該遊技球によって開放された第２始動口への入賞に期待を寄せることになり、従って、二重の期待感、楽しみを遊技者に与え、センター役物での遊技を多様化させ、興趣を高めることができる。

請求項２に係る本発明によると、第２始動口が、遊技球流路に遊技球が導入されると開放し、かつ開放状態で遊技球が入賞すると閉止する開閉部を有するので、極めて簡単な構成からなるものでありながら、ステージ上での遊技球の動きのみで開閉する第２始動口を実現することができ、従って、装置構成をコンパクト化し、コストダウンも期待することができる。

請求項３に係る本発明によると、第２始動口の開閉部を開閉制御する開閉制御機構が、遊技球流路内に突出するレバー部を有し、かつ該遊技球流路に導入された遊技球がレバー部に当接した際に、閉止状態の開閉部を開放させる解除レバーを有するので、遊技球流路に導入された遊技球を活用して開閉部を確実に開放できる構成を実現することができ、従って、装置構成をコンパクト化し、コストダウンも期待することができる。

以下、本発明に係る遊技機の実施の形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図面に沿って説明する。図１は、本実施形態におけるパチンコ機の外部構造を示す正面図である。なお、後述する実施の形態では、本発明の遊技機を、始動チャッカーを３箇所有する所謂１種１種１種のパチンコ機として述べるが、本発明はこれに限らず、所謂１種１種など、所謂１種機能を有するパチンコ機であれば適用可能である。

本実施形態のパチンコ機１は、図１に示すように、発射ハンドル２の操作による発射装置（図示せず）の作動で遊技球（所謂パチンコ玉）を遊技盤３の遊技領域３ａに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当たり（特別遊技状態）が発生した状態でアタッカー５に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成されている。上記確率変動当たり（「確変当たり」ともいう）とは、抽選の結果、確変モードの大当たりが当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当たりとして「通常当たり」がある。

本パチンコ機１は、開口を有する枠体状の筐体６と、この筐体６に開閉可能に装着された前扉７とを有しており、前扉７の前面には、透明ガラス９を有するガラス枠１０が開閉可能に取り付けられている。透明ガラス９の奥側には、遊技盤３が配設されている。前扉７における遊技盤３の左右には演出用照明装置１１が配設されており、前扉７における遊技盤３の上方左右及び下方左右にはスピーカー（図示せず）を有する放音装置１２が配設されている。また、ガラス枠１０における右側部には、前扉７を筐体６側に施錠し解放する施錠装置１３が配設されている。なお、筐体６及び前扉７等から遊技機本体が構成されている。

前扉７における遊技盤３の下方には皿ユニット１６が設けられており、皿ユニット１６における右上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口１７が設けられ、皿ユニット１６における右上部壁面には、球貸ボタン１９ａ及びプリペイドカード返却ボタン１９ｂが設けられている。皿ユニット１６には、該皿ユニット１６上の遊技球を発射装置（図示せず）付近から皿ユニット下部の球排出口（図示せず）を通して下方に排出するための第１球抜きボタン２０ａと、皿ユニット１６上の遊技球を球供給口１７付近から上記球排出口を通して下方に排出するための第２球抜きボタン２０ｂとが設けられている。

また、皿ユニット１６の右部には、発射装置（図示せず）を操作して遊技球を遊技領域３ａに向けて打ち出すための発射ハンドル２が配設されており、皿ユニット１６の左下方には灰皿２１が配設されている。なお、図１中の符号１４は、発射ハンドル２の操作で発射された遊技球を遊技領域３ａに導くガイドレールを示している。

遊技領域３ａの中央部にはセンター飾り（センター役物）２３が配置されており、該センター飾り２３の中央部には開口部２７が形成され、該開口部２７の下側にはステージＳが形成されている。センター飾り２３は、ステージＳの中央部に、後に詳述する始動チャッカー（第２始動口）２８を有している。

遊技盤３には、画像表示装置３４が、開口部２７から画面を露出させた状態で遊技盤裏側から装着されている。センター飾り２３の下部左右には、大当たり抽選に寄与しない一般の入賞が行われる入賞口２５ａ，２５ｂと入賞口２６ａ，２６ｂが配設されており、センター飾り２３の下方には、始動チャッカー（第１始動口）３０、始動チャッカー３３、及びアタッカー５が順次配設されている。始動チャッカー３０の直上方には、所謂命釘としての一対の障害釘３５が打ち込まれている。始動チャッカー３３の左下方には、普通図柄抽選の契機となる入球が行われる普通図柄作動ゲート３２が配設されている。アタッカー５の下方には、発射ハンドル２の操作で遊技領域３ａに打ち出された遊技球を遊技盤３の裏面に排出するための不図示のアウト口が設けられている。

始動チャッカー２８，３０，３３は、それぞれ大当たり抽選実行の契機となり得る入賞が行われるものであり、始動チャッカー３３は、始動チャッカー開閉ソレノイド７０（図１１参照）によって、開放位置と閉止位置とに開閉動作するように作動させられる。始動チャッカー３３は開閉式作動入賞部（所謂チューリップ）として形成されており、始動チャッカー３０は、開閉式作動入賞部ではない非作動な入賞口として形成されている。始動チャッカー３３は、直上方に位置する始動チャッカー３０の存在により、開放時にのみ入賞し得るように構成されている。始動チャッカー２８は、センター飾り２３の前後方向に開閉する所謂アタッカー状に構成されている。

アタッカー５は、大当たり抽選で当選した際に入賞が行われるものであり、アタッカー５はアタッカー開閉ソレノイド７１（図１１参照）によって、開放位置と閉止位置とに開閉動作するように作動させられる。アタッカー５は、始動チャッカー３０への入賞に基づいて第１抽選手段８３（図１１参照）で行われた大当たり抽選（特別遊技状態の抽選）で当選した際、始動チャッカー３３への入賞に基づいて第２抽選手段８４（図１１参照）で行われた大当たり抽選で当選した際、始動チャッカー２８への入賞に基づいて第３抽選手段８５（図１１参照）で行われた大当たり抽選で当選した際に上記開閉動作を行う。アタッカー５は、大当たり中、遊技球を入賞させる際、１回の開放で例えば９個の入球（即ち９カウント）を完了した時点で閉じ、この開閉動作を例えば１５回（即ち１５ラウンド）繰り返すように構成される。なお、これらカウント数及びラウンド数は、これらに限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。

遊技領域３ａにおけるセンター飾り２３の下方には、ステージＳから零れた遊技球や、発射されてからステージＳに関与せずに落下してくる遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘３５を含む多数の障害釘が打ち込まれている。また、ワープ導入口３６，３７の周囲及びその上方側にも、遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための多数の障害釘が打ち込まれている。

なお、本実施形態における「ワープ導入」という語句は、遊技領域３ａに打ち出された遊技球を、該遊技領域３ａの比較的下側に位置する不図示の道釘等を経ることなく、始動チャッカー３０の上に導くことを意味する概念である。また、上記「道釘」とは、遊技領域３ａにおいて始動チャッカー３０の左右に打ち込まれた複数本の障害釘（図示せず）の列を意味するもので、上方から転動落下してきた遊技球を始動チャッカー３０方向に導く役割を担っている。

次に、センター飾り２３の構造について、図２ないし図５を参照して説明する。なお、図２は、センター飾り２３のステージＳ及びその周辺を示す正面図、図３はステージＳを示す斜視図、図４はステージＳを示す平面図、図５はステージＳを図３とは異なる角度で見た状態で示す斜視図である。

すなわち、図２に示すように、センター飾り２３は、開口部２７の下方にステージＳを有しており、該ステージＳの下方に始動チャッカー２８を有し、該始動チャッカー２８の下方に球放出口２９を有している。

そして、図２ないし図５に示すように、ステージＳは、ワープ導入口３６，３７にそれぞれ連通する球放出口３９ａ，３９ｂからなる球放出部３９と、球放出口３９ａから放出された遊技球を転動させる第１転動路４８と、球放出口３９ｂから放出された遊技球を転動させる第２転動路４９と、該第２転動路４９の中央部分から前方に張り出すように形成された第３転動路５０と、を有している。

更に、この第３転動路５０の下方には、第２転動路４９の奥側下部に配置された始動チャッカー２８に対してその左右から遊技球を入賞させるようにジャンプさせるジャンプ台５７，５９が配置されており、これらジャンプ台５７，５９にそれぞれ遊技球を導く案内路５６，５８が配置されている。案内路５６は、その中央部分からステージＳの左右方向にそれぞれ上昇する湾曲状の傾斜面として形成されており、案内路５８は、その中央部分からステージＳの左右方向にそれぞれ上昇する湾曲状の傾斜面として形成されている。また、転動路４８，４９，５０は、いずれもセンター飾り２３の手前側（図２の紙面手前側）から奥側（図２の紙面奥側）に向かって遊技球を送り返すように緩く傾斜して形成されている。ジャンプ台５７，５９の奥側には、それぞれ、勢いが足りずにジャンプ台５７，５９を飛び越えることができなかった遊技球を開口５５ｂ，５５ｃの下方の転動部６０に導く開口７６，７７が形成されている。

第１転動路４８は、ステージＳの左方から右方に向けて低い位置から一旦高くなって再び低くなるような波型状に構成されると共に、背面側に壁面部４４が形成されている。壁面部４４の中央部分には、第１転動路４８に沿って転動する遊技球を導入して落下させる落下孔５４が形成されており、第１転動路４８には、該落下孔５４に対向するように凹部４８ａが形成されている。第１転動路４８における凹部４８ａから左右に最も低くなる部位には凹部４８ｂ，４８ｃがそれぞれ形成され、凹部４８ａが位置する中央部分の手前側には、遊技球を第２転動路４９側に落下させないようにするための前壁部６１が形成されている。

凹部４８ａは、第１転動路４８を転動する遊技球を落下孔５４に落下し易いように落下孔５４側にやや傾斜して形成されており、凹部４８ｂ，４８ｃは、第１転動路４８を転動して落下孔５４に落下しなかった遊技球を第２転動路４９側に流下させるように第２転動路４９側にやや傾斜して形成されている。前壁部６１は、第１転動路４８に沿ってステージＳの左右方向に延在するように形成されるが、上縁部における凹部４８ｂ，４８ｃにそれぞれ対向する部位は、凹部４８ｂ，４８ｃに進入して勢い（慣性力等）が弱まった遊技球を第２転動路４９側に導き得るようにそれぞれ切り欠かれている。また、第１転動路４８の右端部には、到達した遊技球を反転させる湾曲部４８ｄが形成されている。

第２転動路４９には、ステージＳ左右方向の中央部に凹部４９ａが形成され、該凹部４９ａから左右にそれぞれ等しい距離離れた位置には、山型の分岐部４９ｂ，４９ｃが形成されており、これら分岐部４９ｂ，４９ｃの各左右部分には、凹部４９ｄ，４９ｅと凹部４９ｆ，４９ｇとがそれぞれ形成されている。凹部４９ｅと凹部４９ｆは、第２転動路４９の中央部左右から逆コ字状に膨出して延在する第３転動路５０に向けて遊技球を案内するように傾斜して形成されている。これにより、第２転動路４９を転動して下方に落下することなく勢いが弱った状態で凹部４９ｅや凹部４９ｆに至った遊技球は、第３転動路５０に向けて転動移動することになる。

また、凹部４９ｄと凹部４９ｇは、それぞれ案内路５６，５８に遊技球を流下させ得るようにやや傾斜して形成されている。凹部４９ａが位置する中央部分の手前側には、遊技球を第２転動路４９と第３転動路５０との間の開口５５ａ，５５ｂ，５５ｃに落下させないようにするための前壁部６２が形成されている。前壁部６２は、第２転動路４９に沿ってステージＳの左右方向に延在するように形成されるが、上縁部における凹部４９ａ，４９ｅ，４９ｆにそれぞれ対向する部位は、凹部４９ａ，４９ｅ，４９ｆに進入して勢いが弱まった遊技球を開口５５ａ，５５ｂ，５５ｃ側や第３転動路５０側に導き得るようにそれぞれ切り欠かれている。また、第２転動路４９の右端部には、到達した遊技球を反転させる湾曲部４９ｈが形成されている。

第３転動路５０と第２転動路４９との間には、上記開口５５ａ，５５ｂ，５５ｃが形成されており、第３転動路５０における開口５５ａに対向する各部位には凸部５０ａが形成されている。第３転動路５０における凸部５０ａの左右には、凸部５０ａより位置が低い凹部５０ｅ，５０ｆが形成されている。凹部５０ｅ，５０ｆの隣接部から前壁部６２に向かって延びるようにブリッジ部５０ｂ，５０ｃが形成されている。これらブリッジ部５０ｂ，５０ｃは、それぞれの端部が前壁部６２に接合されている。ブリッジ部５０ｂ，５０ｃは、凹部５０ｅ，５０ｆより位置が高く、かつ、ブリッジ部５０ｂの凹部４９ｅ寄りに形成された凹部５０ｄ及びブリッジ部５０ｃの凹部４９ｆ寄りに形成された凹部５０ｇよりも位置が高くなるように形成されている。

第２転動路４９の左右端付近、並びに第３転動路５０の全域部における手前側には、遊技球を手前側に落下させないようにするための前壁部６３が形成されている。前壁部６３は、第２転動路４９及び第３転動路５０に沿ってステージＳの左右方向に延在するように形成されるが、凹部４９ｄ，４９ｇにそれぞれ対向する部位は、第２転動路４９に進入して勢い（慣性力等）が弱まった遊技球を案内路５６，５８側に導き得るようにそれぞれ切り欠かれている。

開口５５ａの下方には始動チャッカー２８が位置しており、該始動チャッカー２８が開放した状態にあっては、開口５５ａを臨む位置にある凹部４９ａ、凸部５０ａ、凹部５０ｅ，５０ｆから落下した遊技球は、ほぼ確実に始動チャッカー２８に入賞することができる。開口５５ｂは始動チャッカー２８のほぼ左端部から左方に形成され、開口５５ｃは始動チャッカー２８のほぼ右端部から右方に形成されている。このため、第３転動路５０に導かれて凹部５０ｄや凹部５０ｇから落下した遊技球は、始動チャッカー２８が開放していたとしても該チャッカー２８に入賞できなかったり、或いは、落下する方向が始動チャッカー２８寄りである際には上手く入賞できたりする。また、第３転動路５０側からブリッジ部５０ｂ，５０ｃ上を転がり移動する遊技球は、そのときの勢いや転動する方向によって、開口５５ａ側に落下したり、開口５５ｂ，５５ｃ側に落下したりする。

第３転動路５０の下方における左右には、上述した案内路５６，５８が形成されており、これら案内路５６，５８の間には、ジャンプ台５７，５９がそれぞれ対向して形成されている。案内路５６において、凹部４９ｄから流下する遊技球は、案内路５６の前側にて上方に突出形成される前壁部６９に転接しつつ案内路５６に沿ってジャンプ台５７に進み、勢いが弱まっていなければ始動チャッカー２８に向かってジャンプする。これは案内路５８側においても同様に進行するが、ジャンプした際に始動チャッカー２８がタイミング良く開放していれば遊技球は入賞することができる。

ジャンプ台５７，５９間には、ステージＳ上の転動路４８，５９，５０、案内路５６，５８、或いはジャンプ台５７，５９の部位のいずれかを流下した結果、始動チャッカー２８に入賞し得なかった遊技球が導かれる転動部６０が形成されている。この転動部６０は、球放出口２９の上部に位置する凹部２４を有すると共に、ジャンプ台５７，５９から該凹部２４に向かって緩い角度で傾斜するように形成されている。

転動部６０には、案内路５６，５８からジャンプ台５７，５９に転動する際の勢い（慣性力等）が足りずに開口７６，７７側に導かれた遊技球も転がり移動してくる。そして、転動部６０を転動して該凹部２４から落下する遊技球は、その落下の方向が始動チャッカー３０に適切に向かい、或いは、障害釘（命釘）３５，３５に絡んで該釘３５，３５間を上手く通過した場合には、始動チャッカー３０に入賞する。なお、図２〜図５における符号４は、センター飾り２３を遊技盤３に固定する際に使用されるブラケット部を示している。

ブラケット部４の上縁部は、ステージＳの左右方向に延在する前壁部を形成しており、この前壁部の凹部２４に対向する位置には、下方の始動チャッカー３０側に遊技球を落下させるように、比較的広く切り欠いた切欠き６０ａが形成されている。この切欠き６０ａは障害釘３５，３５の間隔より広く形成されており、従って、該切欠き６０ａから落下する遊技球は、始動チャッカー３０に向かう方向に上手く落下した場合や、障害釘３５，３５に上手く絡んで該釘３５，３５間に落下した場合にのみ始動チャッカー３０に入賞でき、従って、球放出口２９から放出される遊技球に比して低い入賞確率となる。

ついで、本実施形態における開閉制御機構に関して、図６ないし図９を参照して説明する。なお、図６はステージＳにおける始動チャッカー２８の開閉制御機構を視認できるように切断した断面図、図７は、センター飾り２３の下側を分離した状態で示す斜視図、図８及び図９は開閉制御機構の要部を拡大して示す斜視図である。

図６に示すように、ステージＳの奥側中央部には、落下孔５４と、該落下孔５４に連通して球放出口２９から始動チャッカー３０の上部に連通する遊技球流路６５とが形成されている。この遊技球流路６５は、ステージＳを転動する遊技球を導入して始動チャッカー３０に高確率（略１００％）で入賞させるように案内する。遊技球流路６５の上下方向の中央部分には、遊技球流路６５内を落下する遊技球を検知する近接センサ６４が配置されている。この近接センサ６４は、通過孔６４ａを有しており、この通過孔６４ａを遊技球が通過する際の磁界の変化を検出することで遊技球を検出する。その検出結果は、画像表示装置３４の画面上の演出内容に反映することが可能である。

解除レバー（解除部材）６７は、遊技球流路６５内にレバー部６７ｂを突出した状態で回動軸６７ａを中心とする上方と下方に自在に回動するように支持されている。ステージＳの第１転動路４８を転動する遊技球が落下孔５４から遊技球流路６５に導入されると、自重で勢い良く流下する金属製の当該遊技球の当接を契機として開閉制御機構６８が作動させられ、開閉部材（開閉部）２８ａが開放位置に移動して始動チャッカー２８を開放させる。この際、開放位置にある該始動チャッカー２８に遊技球が入賞すると、該遊技球の押圧力に基づき開閉部材２８ａが閉止位置に戻されると共に、第３抽選手段８５（図１１参照）による大当たり抽選（特別遊技状態の抽選）が行われる。始動チャッカー２８の開閉部材２８ａは、ステージＳの左右方向に延びる回動軸６６を中心としてステージＳの前後方向（図６の左右方向）に自在に回動するように構成されている。

次に、図７ないし図９を参照して、上記開閉制御機構６８の構成を詳細に説明する。なお、図７において、落下孔５４及び遊技球流路６５等は図示を省略している。

すなわち、開閉制御機構６８は、図７ないし図９に示すように、回動軸６６（図６参照）により回動自在に支持された始動チャッカー２８の開閉部材２８ａを開閉制御するものであり、開閉部材２８ａの背面側にて回動軸７２ａにより回動自在に支持され且つ係止爪７２ｂを有する係止部材７２と、該係止部材７２の背面側下方にて回動軸６７ａにより回動自在に支持された解除レバー６７と、を有している。開閉制御機構６８の下方には、開放した始動チャッカー２８に入賞した遊技球を通過させる通過孔７５ａを有する近接センサ７５が配置されている。この近接センサ７５は、通過孔７５ａを遊技球が通過する際の磁界の変化を検出することで遊技球を検出する。なお、図８における符号７８は、係止部材７２の背面中央部に設けられ、該係止部材７２に回転モーメントを生じさせる重りを示している。

開閉部材２８ａは、左右側部に固定されたプレート部７３，７４を有しており、これらプレート部７３，７４は、ステージＳ左右方向に延びる回動軸６６，６６によって下部側を支持されている。プレート部７３は、ステージＳ奥側に突出するアーム部７３ａと、回動軸６６の下方に突出する突出部７３ｃとを有している。アーム部７３ａの下縁部は、緩くカーブする湾曲部７３ｂとして形成されている。またプレート部７４は、回動軸６６の後方側に、切欠き形成された鈎状部７４ａと、回動軸６６から直線状に延びるように形成された鈎状部７４ｂとを有している。

係止部材７２は、上部左右を回動軸７２ａ，７２ａにより回動自在に支持されて、下方に円弧状に湾曲して延びる形状を呈しており、係止爪７２ｂは、前方に位置するプレート部７４の鈎状部７４ａ，７４ｂの双方に順次係合し得る形状を呈している。

解除レバー６７は、回動軸６７ａの後方に延びるレバー部６７ｂと、このレバー部６７ｂの前側やや下方に傾斜するように延びる操作部６７ｃと、を有している。解除レバー６７は、上記レバー部６７ｂを遊技球流路６５内に突出させ、該遊技球流路６５に導入された遊技球が上記レバー部６７ｂに当接した際に、閉止状態の開閉部材２８ａを開放させるように構成されている。

また、操作部６７ｃの先端は、湾曲した丸みのある形状とされており、プレート部７３の湾曲部７３ｂに対して良好に摺接できるように構成されている。従って、解除レバー６７は、落下孔５４から導入されて自重落下する遊技球と当接した際にレバー部６７ｂが回動軸６７ａを中心に回動すると、操作部６７ｃの先端を湾曲部７３ｂに摺接させることにより、アーム部７３ａを押し上げる。これにより、プレート部７３と一体の開閉部材２８ａが、回動軸６６を中心として図９の時計回り方向に回動する。このとき、プレート部７４は、開閉部材２８ａ側に回動している係止爪７２ｂに鈎状部７４ａを上側から当接させているが、鈎状部７４ａを係止爪７２ｂから離反させて図８の反時計回り方向に回動し、一定角度を越えた時点で、今度は鈎状部７４ｂが係止爪７２ｂに係合する。これにより、開閉部材２８ａは、開放した状態（開放位置）にロックされる。

そして、始動チャッカー２８は、遊技球流路６５への遊技球導入を契機として開放する開閉部材２８ａを有し、かつ該開閉部材２８ａの開放状態にあっては、遊技球流路６５に導入されずにステージＳ上を転がり移動する遊技球のうちの一部を入賞させると共に、所定数の遊技球が入賞した時点で開閉部材２８ａを閉止して図８に示す状態に復帰するように構成されている。開閉部材２８ａを閉止する遊技球数（所定数）は、本実施形態では１個であるが、これに限らず、２個或いはそれ以上の個数など、設計に応じて適宜設定することができる。

なお、開閉部材２８ａでは、回動軸６６から上方に最も離れた部分に、他の部位に比して重い材質（例えば金属）を使用し、開閉部材２８ａに、回動軸６６を中心とした開放位置への回転モーメントが作用するように構成されている。これにより、解除レバー６７の回動時に操作部６７ｃでアーム部７３ａを押し上げる際の押圧力が軽減されている。そして、上記閉止状態の開閉部材２８ａは、不図示の係止部材によって、上記回転モーメントに抗して閉止位置に保持されるようにロックされる。このロックは、解除レバー６７のレバー部６７ｂが遊技球によって回動される瞬間に解除される。

なお、本実施形態では、始動チャッカー２８は所謂アタッカー状に構成されるが、これに限らず、開閉作動式の所謂チューリップとして構成することも可能である。また、所謂アタッカー状の始動チャッカーであっても、本実施形態のような左右幅方向の全域に入賞可能な形状に限定されることはなく、当該幅方向の左右にそれぞれ分割して設けられ且つ遊技球を１個ずつ入賞可能な複数の入賞部を有する始動チャッカーとして構成しても良いことは勿論である。

ついで、本パチンコ機１の背面構造について図１０を参照して説明する。同図は、本パチンコ機１の背面構造を示す背面図である。

すなわち、図１０に示すように、パチンコ機１の前扉背面における上部左方には、賞球タンク４３が取り付けられており、この賞球タンク４３の下方に、サブ制御基板３８、主制御基板４０、及び払出し制御基板５１がこの順に配設されている。また、前扉背面における上部右方には、外部端子板５２が取り付けられており、この外部端子板５２の下方に、整列待機通路４５、賞球装置４６、賞球排出通路４７、電源ユニット４１、及び発射装置（図示せず）用の発射制御基板５３がこの順に配設されている。パチンコ機１の前扉背面における左側部には、施錠装置１３が配設されている。

次に、本実施形態におけるパチンコ機１の制御系を図１１に沿って説明する。なお、同図は本パチンコ機の制御系を示すブロック図である。

すなわち、本制御系は、遊技制御装置８０と、該遊技制御装置８０に電気的に接続された、始動チャッカー開閉ソレノイド７０、アタッカー開閉ソレノイド７１、放音装置１２、演出用照明装置１１及び画像表示装置３４と、を備えている。

遊技制御装置８０は、図１０に示した主制御基板４０やサブ制御基板３８等から構成されている。主制御基板４０は、本パチンコ機１の動作全体を統括的に管理するものであり、当該パチンコ機１の動作全体を管理するシステムプログラム及び遊技用の実行プログラムが予め記憶された半導体メモリ等からなる記憶部（図示せず）と、これらのプログラムを実行する不図示のマイクロプロセッサ（ＭＰＵ）とを備えている。また、サブ制御基板３８は、主に画像表示、効果音等の演出、効果光等の表示制御を行うように構成されている。

遊技制御装置８０は、入賞判定手段８１、入賞信号出力手段８２、第１抽選手段８３、第２抽選手段８４、第３抽選手段８５、普通図柄抽選手段９４、遊技制御手段８６、保留手段８７、作動制御手段８８、作動判定手段８９、作動決定手段９０、演出制御手段９１、及び表示制御手段９２を備えている。

入賞判定手段８１は、発射ハンドル２の操作で作動する発射装置（図示せず）によって遊技領域３ａに打ち出された遊技球が始動チャッカー２８，３０，３３、入賞口２５ａ，２５ｂ、入賞口２６ａ，２６ｂ、アタッカー５等の何れかに入賞したとき、当該入賞があった旨を判定する。

入賞信号出力手段８２は、入賞判定手段８１によって入賞が判定されたとき、対応する始動チャッカー２８，３０，３３、入賞口２５ａ，２５ｂ、入賞口２６ａ，２６ｂ、アタッカー５等に入賞した旨の入賞信号を出力する。

第１抽選手段８３は、入賞信号出力手段８２からの始動チャッカー３０に対応する入賞信号の入力時、第２及び第３抽選手段８４，８５側との合計の最大保留球数（例えば９個）未満での入賞を契機として、不図示の抽選用メモリから当たり当選乱数値を取得して大当たり抽選（特別遊技状態の抽選）を実行する。第２抽選手段８４は、入賞信号出力手段８２からの始動チャッカー３３に対応する入賞信号の入力時、第１及び第３抽選手段８３，８５側との合計の最大保留球数（例えば９個）未満での入賞を契機として、不図示の抽選用メモリから当たり当選乱数値を取得して大当たり抽選を実行する。第３抽選手段８５は、入賞信号出力手段８２からの始動チャッカー２８に対応する入賞信号の入力時、第１及び第２抽選手段８３，８４側との合計の最大保留球数（例えば９個）未満での入賞を契機として、不図示の抽選用メモリから当たり当選乱数値を取得して大当たり抽選を実行する。

本実施形態では、第１〜第３抽選手段８３，８４，８５のいずれかで大当たりに当選した場合、作動制御手段８８の制御で作動するアタッカー開閉ソレノイド７１によってアタッカー５が、１回の開放で９個の入球（即ち９カウント）を完了した時点で閉じ、この開閉を１５回（１５ラウンド）繰り返すように動作させられる。

そして、第１〜第３抽選手段８３，８４，８５は、それぞれ、大当たり抽選で確率変動当たりに当選した場合には、不図示の演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、「３３３」や「７７７」等の図柄が画像表示装置３４の画面上の大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。なお、上記「大当たり有効ライン」は、大当たりを得るため図柄が一列に並ぶべき位置（ライン）を意味する。また、第１〜第３抽選手段８３，８４，８５は、それぞれ、大当たり抽選で通常当たりに当選した場合には、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、「２２２」や「４４４」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。更に、第１〜第３抽選手段８３，８４，８５は、それぞれ、大当たり抽選で外れた場合には、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する「２５８」や「１８６」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。

普通図柄抽選手段９４は、始動チャッカー３３を開閉動作させるか否かの普通図柄抽選を、この普通図柄抽選の保留球数（例えば４個）の範囲内で、普通図柄作動ゲート３２への入球を契機として実行する。

遊技制御手段８６は、放音装置１２、演出用照明装置１１に放音、発光駆動等の演出をさせる契機となる指令を、演出制御手段９１に送る。また、遊技制御手段８６は、予め設定された演出データや、第１〜第３抽選手段８３，８４，８５での抽選結果に応じて、画像表示装置３４の画面に表示すべき大当たり抽選に関連する演出内容に関する信号を表示制御手段９２に送る。

保留手段８７は、第１〜第３抽選手段８３，８４，８５のいずれかから出力された変動パターン信号を入力し、変動パターンを、始動チャッカー２８，３０，３３への入賞の都度に行われた抽選の結果となる保留球として順次記憶する。当該記憶状況は、不図示の大当たり抽選保留表示装置に、始動チャッカー２８，３０，３３での合計が最大例えば９個の保留球となるように点灯表示される。この場合、保留手段８７は、合計の保留球数が９個になっているか否かを常時判定し、保留球数が９個表示されている間は、始動チャッカー２８，３０，３３への入賞に拘わらず大当たり抽選は行わない。なお、保留球として点灯表示される保留球数は、例として挙げた「最大９個」に限らず、他の個数であってもよいことは勿論である。

そして保留手段８７は、保留（記憶）している変動パターンに係る信号を順次出力し、その変動パターン信号に基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターン信号を出力しないようにするための図柄変動禁止フラグを立てる（オンする）と共に、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマ（図示せず）をセットし、変動パターン信号の出力に応じて保留球数を１デクリメントする。また保留手段８７は、保留球の消費に応じて保留球数が例えば９個未満となった場合、第１〜第３抽選手段８３，８４，８５で行われる始動チャッカー２８，３０，３３への入賞に応答した大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を１インクリメントする。

作動制御手段８８は、作動決定手段９０の作動開始決定の旨の信号に基づき、始動チャッカー開閉ソレノイド７０に駆動信号を送って該ソレノイド７０を作動させ、始動チャッカー３３を開閉動作させる。作動制御手段８８は、大当たりに当選した場合、アタッカー開閉ソレノイド７１に駆動信号を送り、例えば１５ラウンドだけ開閉動作させるように制御する。

作動判定手段８９は、始動チャッカー開閉ソレノイド７０、アタッカー開閉ソレノイド７１を作動させるための条件を満たすか否かを判定する。つまり、始動チャッカー開閉ソレノイド７０にあって、始動チャッカー３３の開閉の「条件を満たす」時とは、普通図柄抽選手段９４での普通図柄抽選で当選した場合である。アタッカー開閉ソレノイド７１のそれぞれにあって、アタッカー５の開放の「条件を満たす」時とは、所謂リーチ（所謂スーパーリーチ、ノーマルリーチを含む）の状態から３つの同じ図柄が大当たり有効ライン上で揃って大当たりが発生した場合であり、閉塞の「条件を満たす」時とは、大当たり発生時の全てのラウンドにおける入賞を完了した場合である。

作動決定手段９０は、作動判定手段８９からの判定信号を受けて、始動チャッカー開閉ソレノイド７０、アタッカー開閉ソレノイド７１の作動開始をそれぞれに決定する。

演出制御手段９１は、遊技制御手段８６の指令に応答して、放音装置１２を放音駆動し、演出用照明装置１１を発光駆動して遊技者の聴覚や視覚に訴える演出を行う。

表示制御手段９２は、遊技制御手段８６からの信号に従って、画像表示装置３４を駆動し、大当たり抽選結果を中心とした内容等の演出を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示する。その際、表示制御手段９２は、第１〜第３抽選手段８３，８４，８５それぞれによる各抽選結果を、遊技制御手段８６からの信号に従い、画像表示装置３４の画面を例えば３分割した形で各表示領域にそれぞれ時系列的に演出表示したり、表示領域全体を一体に使用した形で時系列的に演出表示したりする。

また、始動チャッカー開閉ソレノイド７０は、作動制御手段８８から送信された駆動信号に応答してプランジャ（図示せず）を進退動作させて、始動チャッカー３３を開閉動作させる。アタッカー開閉ソレノイド７１は、作動制御手段８８から送信された駆動信号に応答してプランジャ（図示せず）を進退動作させて、アタッカー５を開閉動作させる。

次に、本パチンコ機１による作用について、図１２のフローチャートを併せて参照しつつ説明する。すなわち、本パチンコ機１に対面して着座した遊技者が発射ハンドル２を握り、適宜の角度に回動操作すると（ステップＳ１）、発射装置の作動で遊技球が所定の時間間隔で遊技領域３ａに向けて連続的に発射される。すると、遊技領域３ａに打ち出されて転動落下する多数の遊技球は、始動チャッカー２８，３０，３３、入賞口２５ａ，２５ｂ、入賞口２６ａ，２６ｂ等に適時入賞し、或いは、これらに関与せずに転動落下して、遊技領域３ａ最下部のアウト口（図示せず）から遊技盤３背面側に排出される。

遊技領域３ａに打ち出された多数の遊技球のうちの一部がワープ導入口３６，３７のいずれかに入球すると、その遊技球は、球放出口３９ａ又は３９ｂからステージＳ上に放出された後、以下のように転動動作する。

例えば、球放出口３９ａから放出された遊技球は、第１転動路４８に放出されるが、放出直後の勢い（慣性力等）のある時点では、凹部４８ｂ，４８ａを乗り越えて凹部４８ｃ側に転動し、該凹部４８ｃを乗り越えた後、第１転動路４８の右端部の湾曲部４８ｄで折り返し、凹部４８ｃを再び乗り越え、凹部４８ａの近傍に転動する。この際、適度な勢いで該凹部４８ａに差し掛かると、該凹部４８ａに進入した際に該凹部４８ａの傾斜に従って落下孔５４に落下する。

すると、落下孔５４に自重落下した金属製の遊技球は、近接センサ６４の通過孔６４ａを通過する際に検出されると共に、解除レバー６７のレバー部６７ｂを瞬間的に下方に押し下げた後、球放出口２９から放出され、高い入賞確率（略１００％）で始動チャッカー３０に入賞する。この際、開閉部材２８ａは、図８に示すように、鈎状部７４ａを係止爪７２ｂにその上側から係合させた閉止位置にあるが、解除レバー６７のレバー部６７ｂが押し下げられることで操作部６７ｃが回動軸６７ａを中心に図９の上方に回動するので、操作部６７ｃの先端によってプレート部７３がその湾曲部７３ｂを押し上げられる。これにより、プレート部７３、つまり開閉部材２８ａが図９の時計回り方向に回動する。更に、この開閉部材２８ａは、一定角度回動すると、鈎状部７４ｂが係止爪７２ｂに係合することで、開放位置にロックされる。

一方、落下孔５４に落下せずに凹部４８ｂ側に転動した場合、その遊技球は、この凹部４８ｂから直接、或いは球放出口３９ａ側に転動して折り返してから分岐部４９ｂ側に転動し、該分岐部４９ｂにて凹部４９ｄ側に又は凹部４９ｅ側に振り分けられる。この振り分けは、遊技球が分岐部４９ｂに進入したときの勢いやその方向等の違いで決まる。これらの動作は、凹部４８ｃ側から分岐部４９ｃへの進入時においても同様である。

そして、例えば、分岐部４９ｂから凹部４９ｅ側に振り分けられた場合、遊技球は、凹部４８ｂからの進入状況に応じて第３転動路５０に向けて転動することがある。その場合、この遊技球は、勢いに応じて凹部５０ｄから開口５５ｂに落下し、ブリッジ部５０ｂを前壁部６２側に渡りつつ開口５５ｂ側か開口５５ａに落下し、或いは、凹部５０ｅ、凸部５０ａ、凹部５０ｆのいずれかから開口５５ａに落下することになる。その際、始動チャッカー２８の開閉部材２８ａがタイミング良く開放していれば、該始動チャッカー２８に入賞することになる。また、遊技球がこれらの部位で落下しない場合には、更にブリッジ部５０ｃ側に転動し、該ブリッジ部５０ｃを前壁部６２側に渡りつつ開口５５ａ側か開口５５ｃに落下し、或いは、ブリッジ部５０ｃを凹部５０ｇ側に乗り越えれば該凹部５０ｇから開口５５ｃに落下する。これらの場合にも、開閉部材２８ａがタイミング良く開放していれば始動チャッカー２８に入賞することになる。

他方、球放出口３９ｂから遊技球が放出されると、この遊技球は、第２転動路４９を転がり移動するが、放出直後の勢いのある時点では、凹部４９ｄ、分岐部４９ｂ、凹部４９ｅを乗り越えて凹部４９ａ側に転動し、該凹部４９ａを乗り越えた後、第２転動路４９の右端部の湾曲部４９ｈで折り返し、凹部４９ｇ、分岐部４９ｃを再び乗り越え、凹部４９ａの近傍に転動する。この際、適度な勢いで該凹部４９ａに差し掛かると、該凹部４９ａに進入した際に該凹部４９ａの開口５５ａへの傾斜に従って該開口５５ａに落下する。この際、開閉部材２８ａが開放していれば始動チャッカー２８に入賞することになる。

そして、第２転動路４９を転動する遊技球が、凹部４９ｄや凹部４９ｇから案内路５６や案内路５８側に流下した場合、当該遊技球は、ジャンプ台５７又はジャンプ台５９を介して始動チャッカー２８側にジャンプする。その際、開閉部材２８ａが開放していれば始動チャッカー２８に入賞することになる。

また、凹部４９ｄから案内路５６に流下した遊技球の勢いが弱い場合や、前壁部６９に強く当接して勢いが弱まった場合等には、当該遊技球は、開口７６から開口５５ｂの下方の転動部６０に進入した後、転動部６０の前面のブラケット４上縁部の切欠き６０ａから落下する。その際、落下の方向が適切であれば、障害釘３５，３５間を上手く通過して始動チャッカー３０に入賞することとなる。

ところで、始動チャッカー２８，３０，３３や入賞口２５ａ，２５ｂ，２６ａ，２６ｂの何れかに遊技球が入賞した場合には、入賞判定手段８１が当該入賞を判定し、且つ入賞信号出力手段８２が入賞信号を出力する（ステップＳ２）。この際、保留手段８７は、保留している変動パターンに係る信号を、遊技制御手段８６を介して表示制御手段９２に順次送信し、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を１デクリメントする。また保留手段８７は、当該保留球の消費に応じて、第１〜第３抽選手段８３，８４，８５で行われる始動チャッカー３０，３３，２８への入賞に応じた大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を１インクリメントする。

ステップＳ３において、大当たり抽選で当選した場合、第１〜第３抽選手段８３，８４，８５のうち該当する側が当たりフラグをオンすると、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、確率変動当たりか通常当たりのいずれかに対応する変動パターンが決定される。

これにより、ステップＳ４において、画像表示装置３４に表示されるべき当たり図柄がセットされ、第１〜第３抽選手段８３，８４，８５の対応するものは、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、当該変動パターン信号に基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターン信号を送信しないようにするために図柄変動禁止フラグをオンし、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を１デクリメントする。一方、大当たり抽選で外れた場合には、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する図柄が最終的に揃う旨の変動パターンが決定される。これにより、画像表示装置３４に表示される外れ図柄がセットされ、第１〜第３抽選手段８３，８４，８５の対応するものは、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、図柄変動禁止フラグをオンし、図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を１デクリメントする。

以上のようにして、遊技制御手段８６が、画像表示装置３４に表示すべき演出内容に関する信号を、表示制御手段９２に送信することに基づき、表示制御手段９２は、画像表示装置３４を適時駆動し、大当たり抽選結果に関する内容等を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示することとなる（ステップＳ５）。

そして、上記演出表示を視認しながら弾球遊技する中で、画像表示装置３４の画面上に表れた抽選結果が大当たり決定である場合、作動制御手段８８は、作動決定手段９０の作動開始決定の旨の信号に基づき、所定のタイミングでアタッカー開閉ソレノイド７１に駆動信号を送り、当該ソレノイド７１を作動させてアタッカー５を開放し、所定数入賞が終了する（又は所定時間が経過する）毎に閉塞する動作を所定ラウンドだけ繰り返させる。これにより、アタッカー５に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が、球供給口１７から皿ユニット１６に払い出されることとなる（ステップＳ６）。

以上説明したように本実施形態によれば、ワープ導入口３６，３７から導入されステージＳ上で転動した遊技球が遊技球流路６５に導入されると、それを契機としてセンター飾り２３の始動チャッカー２８が開放するので、遊技者は、遊技球流路６５に導入された遊技球の始動チャッカー３０への入賞に期待すると同時に、当該遊技球によって開放された始動チャッカー２８への入賞に期待を寄せることになり、二重の期待感、楽しみを遊技者に与え、センター飾り２３での遊技を多様化させ、興趣を高めることができる。

また、始動チャッカー２８が、遊技球流路６５に遊技球が導入されると開放し、かつ開放状態で遊技球が入賞すると閉止する開閉部材２８ａを有するので、極めて簡単な構成からなるものでありながら、ステージＳ上での遊技球の動きのみで開閉する始動チャッカー２８を実現することができる。従って、装置構成をコンパクト化し、コストダウンも期待することができる。更に、始動チャッカー２８の開閉部材２８ａを開閉制御する開閉制御機構６８が、遊技球流路６５内に突出するレバー部６７ｂを有し、かつ該遊技球流路６５に導入された遊技球がレバー部６７ｂに当接した際に、閉止状態の開閉部材２８ａを開放させる解除レバー６７を有するので、遊技球流路６５に導入された遊技球を活用して開閉部材２８ａを確実に開放できる構成を実現することができる。これにより、装置構成をコンパクト化し、コストダウンも期待することができる。

なお、本実施の形態では、始動チャッカー３０，３３，２８への入賞を契機として抽選を行うように第１、第２、第３抽選手段８３，８４，８５を設けたが、これに限らず、始動チャッカー３３，２８への入賞を検知するセンサを共通とし、第１抽選手段８３を始動チャッカー３０に対応させ、第２抽選手段８４を始動チャッカー２８，３３に対応させて第３抽選手段８５を省略する構成とすることも可能であり、本発明はそのような構成のパチンコ機１にも適用可能であることは勿論である。

以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機も、本発明の範囲に含まれる。

本発明に係る実施形態におけるパチンコ機の外部構造を示す正面図である。 センター飾りのステージ及びその周辺を示す正面図である。 ステージを示す斜視図である。 ステージを示す平面図である。 ステージを図３とは異なる角度で見た状態で示す斜視図である。 ステージにおける始動チャッカーの開閉制御機構を視認できるように切断した断面図である。 センター飾りの下側を分離した状態で示す斜視図である。 開閉制御機構の要部を拡大して示す斜視図である。 開閉制御機構の要部を拡大して示す斜視図である。 本パチンコ機の背面構造を示す背面図である。 本パチンコ機の制御系を示すブロック図である。 本パチンコ機による作用を説明するためのフローチャートである。

符号の説明

１ 遊技機（パチンコ機）
３ａ 遊技領域
２３ センター役物（センター飾り）
２８ 第２始動口（始動チャッカー）
２８ａ 開閉部（開閉部材）
３０ 第１始動口（始動チャッカー）
３６，３７ ワープ導入口
６５ 遊技球流路
６７ 解除レバー
６７ｂ レバー部
６８ 開閉制御機構
Ｓ ステージ

Claims (3)

1. 遊技領域に、ワープ導入口及び該ワープ導入口から導入された遊技球を転動させるステージを有するセンター役物と、特別遊技状態の抽選の契機となる入賞が行われる第１始動口と、を備え、前記遊技領域に遊技球を打ち出して遊技してなる遊技機において、
   前記センター役物は、
   前記ステージを転動する遊技球を導入して前記第１始動口に高確率で入賞させ得る遊技球流路と、
   該遊技球流路に遊技球が導入されたことを契機として開放し、前記特別遊技状態の抽選の契機となる入賞が行われる第２始動口と、を備えてなる、
   ことを特徴とする遊技機。
2. 前記第２始動口は、前記遊技球流路への遊技球導入を契機として開放する開閉部を有し、かつ該開閉部の開放状態にあっては、前記遊技球流路に導入されずに前記ステージ上を転がり移動する遊技球のうちの一部を入賞させると共に、所定数の遊技球が入賞した時点で前記開閉部を閉止してなる、
   請求項１記載の遊技機。
3. 前記第２始動口の前記開閉部を開閉制御する開閉制御機構を有し、
   該開閉制御機構は、前記遊技球流路内に突出するレバー部を有し、かつ該遊技球流路に導入された遊技球が前記レバー部に当接した際に、閉止状態の前記開閉部を開放させる解除レバーを有してなる、
   請求項２記載の遊技機。

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