<第1の実施の形態>
以下、本発明に係る遊技機の第1の実施の形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図1ないし図6に沿って説明する。
なお、図1は本発明の第1実施形態におけるパチンコ機の外部構造を示す正面図、図2は本パチンコ機から遊技盤を単体で分離した状態で示す正面図、図3はセンター飾りに設けられる遊技球演出用ユニットの例を示す正面図、図4は図3に示した遊技球演出用ユニットを同図B-B線に沿って切断して矢視方向に見た状態で示す側面断面図、図5は第1実施形態におけるパチンコ機の制御系を示すブロック図、図6は第1実施形態におけるパチンコ機による作動を説明するためのフローチャートである。なお、後述する遊技盤の遊技領域には多数の障害釘や複数の風車等が植設されているが、図1及び図2においてそれらは便宜上図示を省略している。
本パチンコ機(遊技機)1は、発射ハンドル9の操作による発射装置(図示せず)の作動で遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤7の遊技領域7aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当たりが発生した状態でアタッカー部17に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成されている。上記確率変動当たり(「確変当たり」とも言う)とは、抽選の結果、確変モードの大当たりが当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当たりとして「通常当たり」がある。
図1に示すように、本パチンコ機1は、筐体2と、筐体2に開閉可能に装着された前扉3とを有しており、前扉3の前面には、透明ガラス6を有するガラス枠5が開閉可能に取付けられており、透明ガラス6の奥側には遊技盤7が配置されている。前扉3における遊技盤7の左右及び上部には演出用照明装置23が配置されており、前扉3における上部左右及び下部には夫々、スピーカ(図示せず)を有する放音装置8が配置されている。また、ガラス枠5における中央部右方には、前扉3を筐体2側に施錠又は解放するための施錠装置4が配置されている。
前扉3における下部中央には皿ユニット13が設けられており、皿ユニット13における右上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口18が設けられ、皿ユニット13における左上部壁面には、球貸ボタン14a及びプリペイドカード返却ボタン14bが設けられている。皿ユニット13の中央部には、該皿ユニット13上の遊技球を発射装置付近から皿ユニット13下部の球排出口(図示せず)を通して下方に排出するための第1球抜きボタン22aと、皿ユニット13上の遊技球を球供給口18付近から上記球排出口を通して下方に排出するための第2球抜きボタン22bとが配置されている。また、前扉3における皿ユニット13の右側下方には、上記球発射装置を操作して遊技球を遊技盤7に向けて打ち出すための発射ハンドル9が設けられている。更に、皿ユニット13の下部左方には、灰皿24が配置されている。
遊技領域7aには、遊技球ステージ(ステージ)Sを有するセンター飾り(ユニット役物)12が中央部分に配設されている。このセンター飾り12の中央部分には開口11が形成されており、遊技盤7には、この開口11から露出するように図柄表示装置47が設けられている。センター飾り12は、図柄表示装置47の左右に遊技球演出用ユニット52を備えており、この遊技球演出用ユニット52は、図柄表示装置47を挟んで互いに略向かい合うように配置されており、図2の手前側に向かってやや左右方向に開放するように、遊技者の着座位置から視認し易い角度に配設されている。
センター飾り12の左右下方には、大当たり抽選に寄与しない一般の入賞が行われる入賞口29,30が配設されており、センター飾り12の直下方には、始動入賞口としての始動チャッカー16と、アタッカー17とが順次配設されている。この始動チャッカー16は、開放位置と閉止位置とに開閉動作するように、図5に後述する始動チャッカー開閉ソレノイド45によって作動させられる。なお、始動チャッカー16の直上方には、所謂命釘としての一対の障害釘70が打ち込まれている。
始動チャッカー16には、大当たり抽選実行の契機となり得る入賞が行われる。また、アタッカー17には、大当たり発生時に開放され、遊技盤7の遊技領域7aに打ち出されて転動落下する遊技球を入賞させる。アタッカー17は、大当たり発生中、1回の開放で10個の入球を完了した時点で閉じ、当該開閉動作を15回繰り返すように構成される。なお、これらの入球数並びに開閉動作の回数は、10個や15回に限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。
更に、図柄表示装置47の下方における始動チャッカー16の左右下方には、スルーゲート61a,61bが配設されている。これらスルーゲート61a,61bは、始動チャッカー16を開閉動作させるための抽選の契機となる遊技球通過が行われる役物である。
そして、遊技領域7aにおけるスルーゲート61a,61b、入賞口29,30及び始動チャッカー16等の周囲には、遊技球ステージSから零れた遊技球や、発射されてから遊技球ステージSに関与せずに落下してくる遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための多数の障害釘が打ち込まれている。また、遊技球ステージSにおけるワープ導入部材50(図2参照)の周囲及びその上方側にも、遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための多数の障害釘が打ち込まれている。このような本パチンコ機1では、遊技領域7aに打ち出された遊技球を始動チャッカー16等に、センター飾り12を介して入球させ又はセンター飾り12を介さず直接入球させ得るように遊技が進められる。
なお、本実施形態における「ワープ通路」とは、遊技領域7aに打ち出された遊技球を、遊技領域7aの比較的下側に位置する不図示の道釘等を経ることなく、始動チャッカー16の上に導く際に通過させる案内路等をいう。そして、上記「道釘」とは、遊技領域7aにおいて始動チャッカー16の上部左右に打ち込まれた複数本の障害釘の列を意味するもので、上方から転動落下してきた遊技球を始動チャッカー16方向に導く役割を担っている。
次に、センター飾り12について図2ないし図4を参照して説明する。
すなわち、図2ないし図4に示すように、センター飾り12は、その上部中央に壺を模ったフィギュアをなすワープ導入部材50を有している。このワープ導入部材50は、後述する演出制御手段43によって駆動されるセンター飾り12の背面側に設置されたワープ導入部材駆動モータ75に、減速機構79と、減速機構79から突出する駆動軸80とを介して連動連結されている。そして、ワープ導入部材50は、上記モータ75が演出制御手段43によって駆動制御される際、その回転が上記減速機構79を介して伝達されることによって、ワープ導入部材50胴体の略中央部に位置する回転軸ax(図2及び図3参照)を中心として矢印A1の向きに交互に一定周期(例えば、4〜5秒で左右に1往復運動)で揺動されるように構成されている。また、このワープ導入部材50の左右側部には、該ワープ導入部材50からの遊技球Ba(図3参照)の案内路として形成されたワープルート(ワープ通路)51a,51bが、センター飾り12の左右端部まで夫々延在し、この左右端部には遊技球Baを放出するための開口部49が夫々に形成されている。
ワープ導入部材50上部の壺口に当たる開口部50aは、その中に遊技球が1つ入球した際にその遊技球Baの頭頂部が前方(図3の手前側)から視認できる程度の深さに形成されている。このため、遊技球Baが入球した状態でワープ導入部材50が左右に揺動し、その傾斜角度が最大(例えば60°)に近づいた範囲において該遊技球Baは左右のワープルート51a,51bの何れかへと導入される。このワープルート51a,51bは、ワープ導入部材50から遊技球が導入された際に、遊技球が転動する様子を遊技者が視認し得る程度の速度となるような、適度な傾斜を有した管形状の透明な案内路として形成されている。そして、ワープルート51a,51bの各終端に当たる開口部49の下方であって、図柄表示装置47の左右側部には、遊技球演出用ユニット(サブ遊技領域)52が配設されている。
遊技球演出用ユニット52は、図2に示すように、図柄表示装置47の左右側部に互いに対向するように配設され、センター飾り12の前面側(図2の手前側)に向かってやや開口するように設けられている。また、図4に示すように、2つの遊技球演出用ユニット52は夫々、その背面側を支持する基板53と、該基板53の前面側を覆う透明なカバー部材54とを、遊技球が通過自在な程度の間隙(例えば12〜13[mm])を相互間に有する形で対向して配置されており、この間隙をなす遊技球落下領域(遊技球流下部)48によって遊技球Baの転動或いは落下動作が演出される。
上記基板53の表面には、デザイン等の装飾が施されると共に、複数の障害釘55が植設されている。また、カバー部材54は、透明なアクリルやガラス等から形成されている。そして、基板53の下部には、ワープ導入部材50を縮小したような略同形状(略相似形状)の壺状演出部材(立体造形物)56が設置されている。
壺状演出部材56は、後述する演出制御手段43によって駆動制御される基板53の背面側に設置された後述する壺状部材駆動モータ76に、減速機構78と、減速機構78から突出する駆動軸77とを介して連動連結されている。そして、壺状演出部材56は、該モータ76が演出制御手段43によって駆動制御される際、その回転が上記減速機構78を介して伝達されることで、壺状演出部材56胴体の略中央部に位置する回転軸bx(図3参照)を中心として矢印A2の向きに交互に一定周期(例えば、4〜5秒で左右に1往復運動)で揺動されるように構成されている。この壺状演出部材56上部の壺口の部分には開口部(開口)56aが設けられ、この開口部56aからは同時に1つの遊技球だけが通過可能な内径(例えば12〜13[mm])を有する案内路57が形成されている。そして、この案内路57は、壺状演出部材56底部に設けられた放出口58に連通している。
遊技球演出用ユニット52は、その上部にワープルート51a,51bからの遊技球を遊技球演出用ユニット52内へと導入させるユニット導入口59が、上方に向かって開口している。また、遊技球演出用ユニット52の下部には、壺状演出部材56からの遊技球を放出する放出口58が設けられ、案内路57から連通している。
一方、図4に示すように、遊技球ステージSの下方には、壺状演出部材56から導入された遊技球を始動チャッカー16へと優位に導く案内路(遊技球誘導部)60及び該案内路60に連通した落下孔81(図1及び図2参照)が設けられている。この落下孔81は、遊技球ステージSと始動チャッカー16との間であって、始動チャッカー16の直上方に設けられており、上記案内路60へと案内された遊技球は、この落下孔81から落下することにより、一対の障害釘70の間を通って始動チャッカー16へと略確実に(つまり、97〜99%の確率で)入賞し得る。
なお、上記カバー部材54の「透明」という語句は、濁りなく完全に透き通る状態のみならず、着色されていてかつ透明であるような場合であってもよく、遊技者が無理なく遊技球演出用ユニット52内部を視認できる状態全てを含む概念である。
次に、本実施形態におけるパチンコ機1の制御系を図5に沿って説明する。すなわち、本制御系は、主基板41と、この主基板41に接続されたサブ基板42とを備えている。主基板41は、本パチンコ機1の動作全体を統括的に管理するものであり、当該パチンコ機1の動作全体を管理するシステムプログラム及び遊技用の実行プログラムが予め記憶された半導体メモリ等からなる記憶部(図示せず)と、これらのプログラムを実行する不図示のマイクロプロセッサ(MPU)とを備えている。
主基板41は、入賞判定手段31、入賞信号出力手段32、第1抽選手段33、第2抽選手段34、遊技制御手段35、保留手段36、作動制御手段37、作動判定手段38、及び作動決定手段39を備えている。また主基板41には、始動チャッカー開閉ソレノイド45及びアタッカー開閉ソレノイド40が接続されている。
入賞判定手段31は、発射ハンドル9の操作で作動する発射装置(図示せず)によって遊技領域7aに打ち出された遊技球が始動チャッカー16、入賞口29,30、アタッカー17の何れかに入賞したとき、当該入賞があった旨を判定する。
入賞信号出力手段32は、入賞判定手段31によって入賞が判定されたとき、対応する始動チャッカー16、入賞口29,30、アタッカー17に入賞した旨の入賞信号を出力する。
第1抽選手段33は、入賞信号出力手段32からの入賞信号の入力時、最大保留球数(例えば4個)未満での入賞を契機として、次なる大当たりを当選させるまで遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態となる確率変動当たり、及び上記特殊状態とならない通常当たりのうちの何れか一方に当選するように、不図示の抽選用メモリから当たり当選乱数値を取得して、大当たり抽選を実行する。
第2抽選手段34は、第1抽選手段33での大当たり抽選で確変当たりに当選した場合、不図示の演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、確変当たりに対応する「111」、「333」や「777」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターンコマンドを出力する。なお、上記「大当たり有効ライン」は、大当たりを得るため図柄が一列に並ぶべき位置(ライン)を意味する。第2抽選手段34はまた、第1抽選手段33での大当たり抽選で通常当たりが当選した場合、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、通常当たりに対応する「222」、「444」や「888」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、この変動パターンコマンドを出力する。第2抽選手段34はまた、第1抽選手段33での大当たり抽選で外れた場合、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する「252」、「464」や「838」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、この変動パターンコマンドを出力する。
遊技制御手段35は、予め設定された演出データや第2抽選手段34での抽選結果に応じて、図柄表示装置47に表示すべき演出内容に関する信号を、制御コマンドと共にサブ基板42の表示制御手段46に送信する。
保留手段36は、第2抽選手段34から出力された変動パターンコマンドを入力し、始動チャッカー16への入賞の都度に行われた抽選の結果となる保留球として順次記憶する。当該記憶状況は、図柄表示装置47に備えた保留球表示部(図示せず)に、例えば最大4個の保留球として点灯表示される。保留手段36は、例えば保留球数Hが0<H<5であるか否かを常時判定し、保留球数Hが4個表示されている間は、始動チャッカー16への入賞に拘わらず大当たり抽選は行わない。なお、保留球として点灯表示される保留球数は上記「最大4個」に限らず、例えば3個以下、又は5個以上として適宜設定することも可能である。
そして保留手段36は、保留(記憶)している変動パターンコマンドを順次表示制御手段46に送信し、この送信した変動パターンコマンドに基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターンコマンドを送信しないようにするための図柄変動禁止フラグを立てる(オンする)と共に、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマ(図示せず)をセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段36は、保留球の消費に応じて保留球数HがH<4となった場合、第1抽選手段33で行われる始動チャッカー16への入賞に応答した大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
作動制御手段37は、作動決定手段39の作動開始決定の旨の信号に基づき、始動チャッカー開閉ソレノイド45に駆動信号を送って該ソレノイド45を作動させて始動チャッカー16を開放又は閉塞動作させる。更に作動制御手段37は、アタッカー開閉ソレノイド40に駆動信号を送って該ソレノイド40を作動させ、第1抽選手段33での抽選による大当たり発生時にアタッカー17を開放して所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返すように制御する。
作動判定手段38は、始動チャッカー開閉ソレノイド45及びアタッカー開閉ソレノイド40を作動させるための条件を満たすか否かを判定する。つまり、始動チャッカー開閉ソレノイド45にあって、始動チャッカー16の開閉の「条件を満たす」時とは、主基板41において第1抽選手段33の大当たり抽選とは別途行われる抽選で当選した場合である。アタッカー開閉ソレノイド40にあって、アタッカー17の開放の「条件を満たす」時とは、所謂リーチ(所謂スーパーリーチ、ノーマルリーチを含む)の状態から3つの同じ図柄が大当たり有効ライン上で揃って大当たりが発生した場合であり、アタッカー17の閉塞の「条件を満たす」時とは、大当たり発生時における全ての入賞を完了した場合である。
作動決定手段39は、作動判定手段38からの判定信号を受けて、始動チャッカー開閉ソレノイド45、アタッカー開閉ソレノイド40の作動開始をそれぞれに決定する。
また、始動チャッカー開閉ソレノイド45は、作動制御手段37から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、始動チャッカー16を開閉動作させる。
アタッカー開閉ソレノイド40は、作動制御手段37から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、アタッカー17を開閉動作させる。
一方、サブ基板42は、演出制御手段43及び表示制御手段46を有しており、サブ基板42には、放音装置8、演出用照明装置23、図柄表示装置47、ワープ導入部材駆動モータ75、及び壺状部材駆動モータ76が接続されている。なお、壺状部材駆動モータ76は、実際には2個の壺状演出部材56に対応して2個用意されているが、いずれも同種のモータであるため、図5には1個のみを図示している。
演出制御手段43は、主基板41中の上記マイクロプロセッサから供給される信号に従って、放音装置8、演出用照明装置23を適時駆動して、遊技者の聴覚及び視覚に訴える演出表示を行う。更に、演出制御手段43は、パチンコ機1の主電源がオン状態となった際に、ワープ導入部50を揺動させるワープ導入部材駆動モータ75、及び壺状演出部材56を揺動させる壺状部材駆動モータ76、に対し夫々駆動信号を送り、これらのモータを回転駆動することでワープ導入部50及び壺状演出部材56を、主電源がオフされるまで連続的に揺動動作させるように制御する。
表示制御手段46は、遊技制御手段35から送信された演出内容に関する信号に従って図柄表示装置47を適時駆動し、大当たり抽選の結果等を遊技者の視覚に訴えるように演出表示する。
放音装置8、演出用照明装置23、及び図柄表示装置47は、上述したように各制御に応答して音、光、及び画像表示等の発生により、通常時の演出や大当たり時における特別な演出等を行う。また、ワープ導入部材駆動モータ75及び壺状部材駆動モータ76は、上述したような制御に応じた回転駆動による各種演出を行う。
次に、本パチンコ機1による作用について、図6のフローチャートを併せて参照しつつ説明する。
すなわち、本パチンコ機1を備えた遊技場の営業開始に伴い主電源がオンされると、演出制御手段43は、ワープ導入部材駆動モータ75及び壺状部材駆動モータ76を駆動制御することにより、ワープ導入部材50及び壺状演出部材56を左右に揺動させる。
この状態において、本パチンコ機1に対面して着座した遊技者が発射ハンドル9を握り、適宜の角度に回動操作すると(ステップS1)、発射装置(図示せず)の作動によって遊技球が所定の時間間隔で遊技領域7aに向けて連続的に発射される。すると、ガイドレール62から遊技領域7a上に放出された多数の遊技球のうちの1つが、センター飾り12の上部にて矢印A1方向に交互に揺動しているワープ導入部材50の開口部50aへと入球する。
ここで、ワープ導入部材50は、一定周期で揺動しており、その傾斜角度が最大に近い範囲にまで傾いた際には、開口部50aに入球した遊技球が該開口部50aから零れ落ち、ワープルート51a又はワープルート51bへと導入される。ここで、ワープルート51aから遊技球演出用ユニット52へ至るルートと、ワープルート51bから遊技球演出用ユニット52へ至るルートとは、設置位置等に違いはあるものの、ステージ中央に関して互いに線対称の関係を有しているため、これらのルートを通過する際の遊技球の動作内容については略同様のものとなる。従って、以下の説明では、ワープルート51aからのルートの説明のみを行い、ワープルート51bからのルートの説明は省略する。
ワープルート51aへと導入された遊技球は、該ワープルート51aの形状と傾斜に沿ってセンター飾り12の右方へと適度な速度で転動していく。そして、遊技球は、ワープルート51aの終端部である開口部49から放出されると、遊技球演出用ユニット52上部に設けられたユニット導入口59から遊技球演出用ユニット52内へと導入される。遊技球演出用ユニット52内へと導入された遊技球は、基板53上に配設された複数の障害釘55に対して頻繁に当接しながら流下する。これにより、遊技者は、上記したような障害釘55に当接しながら落下していく遊技球を、遊技球演出用ユニット52を覆う透明なカバー部材54越しに視認することができるようになり、遊技球の落下動作(或いは転動動作)を視覚で楽しみながら遊技を継続することができる。このように、上記した落下する遊技球は、その進行方向や進行角度が障害釘55に当接することで次々に変化するため、その落下位置が分散される。
上記のように落下してくる遊技球のうち、その落下位置が、矢印A2の向きに交互に揺動している壺状演出部材56の開口部56aの位置と時機良く合致した遊技球は、開口部56aから壺状演出部材56内へと導入される。この壺状演出部材56内へと選択的に導入された遊技球は、案内路57を介して放出口58へと転動落下し、該放出口58から続く始動チャッカー16へ略確実に入賞可能に誘導する案内路60へと流下する。一方、障害釘55に当接しながら落下してくる遊技球のうちで、壺状演出部材56内に導入されなかった遊技球は、上記案内路60以外であって、始動チャッカー16への入賞確率が低い他の不図示のルートや排出口等を介してセンター飾り12の外部へと排出される。
一方、遊技盤7の遊技領域7aに打ち出されて転動落下する多数の遊技球の中には、上記始動チャッカー部16に入賞する以外にも、入賞口29,30に適時入賞し、或いは、これらに関与せずに転動落下して、遊技領域7a最下部のアウト口10から遊技盤7背面側に排出されるものもある。
始動チャッカー16や入賞口29,30の何れかに入賞した場合には、入賞判定手段31が当該入賞を判定し、且つ入賞信号出力手段32が入賞信号を出力する(ステップS2)。この際、保留手段36は、保留球Hが0<H<5であるか否かを常時判定しており、0<H<5を満たすと判定したときには、保留している変動パターンコマンドを、遊技制御手段35を介して表示制御手段46に順次送信し、図柄変動禁止フラグをオンすると共に、図柄変動タイマをセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段36は、当該保留球の消費に応じて保留球数HがH<4となった場合、第1抽選手段33で行われる始動チャッカー16への入賞に応じた大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする
そして、大当たり抽選で当選した場合(ステップS3)、第1抽選手段33が当たりフラグをオンすると、第2抽選手段34が、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、大当たりの種別、つまり確変当たり又は通常当たりに対応する変動パターンを決定する。
これにより、ステップS4において、図柄表示装置47に表示されるべき当たり図柄がセットされ、第2抽選手段34は、その旨の変動パターンコマンドを出力すると共に、当該変動パターンコマンドに基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターンコマンドを送信しないようにするために図柄変動禁止フラグをオンし、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマをセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。一方、大当たり抽選で外れた場合には、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する図柄が最終的に揃う旨の変動パターンが決定される。これにより、図柄表示装置47に表示される外れ図柄がセットされ、第2抽選手段34は、その旨の変動パターンコマンドを出力すると共に、図柄変動禁止フラグをオンし、図柄変動タイマをセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。
以上のようにして、遊技制御手段35が、図柄表示装置47に表示すべき演出内容に関する信号を制御コマンドと共にサブ基板42の表示制御手段46に送信することに基づき、表示制御手段46が、図柄表示装置47を適時駆動し、大当たり抽選結果に関する内容等を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示することとなる(ステップS5)。
そして、第1抽選手段33での抽選結果が図柄表示装置47の画面上に表れると、作動制御手段37が、作動決定手段39の作動開始決定の旨の信号に基づき、所定のタイミングでアタッカー開閉ソレノイド40に駆動信号を送り、当該ソレノイド40を作動させてアタッカー17を開放し、所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返させる。これにより、アタッカー17に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が球供給口18から皿ユニット13に払い出されることとなる(ステップS6)。
以上の第1の実施の形態によると、センター飾り12は、遊技球ステージSの左右幅方向の少なくとも一側に遊技球演出用ユニット52を備え、遊技球演出用ユニット52は、ワープルート51a又はワープルート51bから導入された遊技球Baを当接させつつ流下させる複数本の障害釘55を有する遊技球落下領域48と、該遊技球落下領域48を通過した遊技球Baを選択的に入球させる開口部56aを有する壺状演出部材56と、該壺状演出部材56に入球した遊技球Baを始動チャッカー16に誘導する案内路60とを備えるので、従来のパチンコ機において、ワープ通路から導入された遊技球が、遊技球ステージ等へ向かうまでの単なる通過領域とされてきたセンター飾りの左右側部の領域を、本実施の形態におけるパチンコ機1では、遊技球による演出性の高い動きを提供する新奇な領域となる遊技球演出用ユニット52とすることができるようになる。これは、一般に遊技領域中の障害釘等に当接しながら流下していく遊技球の転動或いは落下動作を、センター飾り12内に設けられた遊技球演出用ユニット52内で言わばミニチュア版として再現するようなものである。これによって、遊技者は、遊技球が上記遊技球演出用ユニット52内の障害釘55に対して当接或いは転動しながら落下するといった、派手やかで動きのある、いわゆる「球遊び」の動作を楽しみながら遊技をすることができるようになる。
また、壺状演出部材56は、壺状に形成されたフィギュア等の立体造形物からなり、該壺状演出部材56の上部には遊技球落下領域48からの遊技球を入球する開口部56aが設けられ、かつ該フィギュアの下部には案内路60へと遊技球を放出する放出口58が設けられるので、壺状に形成されたフィギュアによって遊技者の注目を集めることができると共に、遊技球演出用ユニット52内において該フィギュアを用いた演出を施すことによって、本パチンコ機1の意匠性を高め、更に興趣の向上を図ることができるようになる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明に係る遊技機の第2の実施の形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機の例を図7ないし図9に沿って説明する。図7は第2実施形態におけるパチンコ機から遊技盤を単体で分離した状態で示す正面図、図8は第2実施形態におけるパチンコ機の制御系を示すブロック図、図9はセンター飾りに設けられる保留装置を備えた遊技球演出用ユニットの例を示す正面図である。
なお、本実施の形態に係るパチンコ機1において、図1ないし図6と同一の符号は同一又は相当部分を示し、その説明を省略する。また、ワープルート51aから遊技球演出用ユニット52へ至るルートと、ワープルート51bから遊技球演出用ユニット52へ至るルートとは、設置位置等に違いはあるものの互いに対称となっているため、これらのルートを通過する際の遊技球の動作内容については略同様のものとなる。従って、以下の説明では、ワープルート51aからのルートの説明のみを行い、ワープルート51bからのルートの説明は省略する。
本実施の形態におけるパチンコ機1では、図7及び図9に示すように、遊技球演出用ユニット52の上部であって、ワープルート51aの終端である開口部49の直下方近傍に、保留装置70が配置されている。この保留装置70は、財布(いわゆる「ガマ口」)形状を呈した透明な合成樹脂からなり、ワープルート51aを介して導入される遊技球を一時的に保留するものである。
保留装置70の上部には、ワープルート51aからの遊技球を保留装置70内部へと入球する入球口71が設けられている。また、保留装置70の下部には、内部に保留した遊技球を遊技球演出用ユニット52へと放出する保留球放出口72が設けられている。この保留球放出口72は、財布形状の側面を切り取るように形成した可動開閉片72aを備え、該可動開閉片72aは演出制御手段43の制御により後述する保留球放出口ソレノイド77が駆動されることで開閉動作される。そして、上記ワープルート51a終端近傍の内側には、ワープルート51a内を遊技球が通過した際に信号送信する通過検知センサ74が設けられている。
次に、本実施の形態におけるパチンコ機1の制御系を図8に沿って説明する。上述したように、以下の制御系においても、図5と同一の符号は同一又は相当部分を示し、その説明を省略する。
本実施形態では、主基板41には通過検知センサ74が接続され、サブ基板42には保留球放出口ソレノイド77が接続されている。
通過検知センサ74は、ワープルート51a及びワープルート51bにおいて遊技球の通過を検知した際に、その旨を示す検知信号を主基板41に送信する。これを受けて、主基板41は、上記通過検知センサ74からの検知信号が送信された回数値(つまりワープルート51aもしくはワープルート51bの夫々を通過した遊技球の各合計数)を、不図示のカウンタ及びメモリによって夫々計数する。
上記計数された合計数が、所定値(例えば10)を超えた際には、遊技制御手段35は、保留球放出ソレノイド77を開閉駆動させる信号を制御コマンドと共にサブ基板42の演出制御手段43に送信すると共に、再び1から計数が行われるようにカウンタ及びメモリ内の計数された数を0に初期化させる。
保留球放出口ソレノイド77は、上述したような制御に応じたプランジャの進退動作によって所定の演出動作を行う。なお、保留球放出口ソレノイド77は、実際には2個の可動開閉片72aに対応して2個用意されているが、いずれも同種のソレノイドであるため、図8には1個のみを図示している。
以上のような構成を有するパチンコ機1において、該パチンコ機1を備えた遊技場の営業開始に伴い主電源がオンされると、ワープ導入部材50及び壺状演出部材56は、演出制御手段43の制御によって左右に揺動し始める。この状態において、発射装置(図示せず)の作動によって複数の遊技球が遊技領域7aに向けて発射されると、該遊技球のうちの1つが、揺動するワープ導入部材50の開口部50aへと入球する。
上記開口部50aへ入球した遊技球Baは、ワープ導入部材50が揺動し、傾斜することによって例えばワープルート51aへと導入される。このワープルート51aへと導入された遊技球は、該ワープルート51a内を転動し、遊技球演出用ユニット52上部に設けられた保留装置70へと入球する。このとき、ワープルート51aの終端部に設けられた通過検知センサ74によって、遊技球の通過を知らせる旨の信号が送信されると、主基板41の有する不図示のカウンタによりその時点での保留装置70内に保留された遊技球の合計数が計数される。この合計数が所定値の10を超えた際には、演出制御手段43の駆動制御により保留球放出口ソレノイド77が可動開閉片72aを所定時間(例えば3秒間)だけ開口動作し、保留装置70内に保留された遊技球を遊技球演出用ユニット52の遊技球落下領域48へと放出する。
上記したように、保留装置70に保留された10個の遊技球が、遊技球演出用ユニット52内へ一時に放出されると、複数の遊技球が障害釘55だけでなく、遊技球同士でも当接し合うため、より頻繁に当接動作をすると共に、一層分散されながら流下する。そして、上記放出された10個の遊技球のうち、開口部56aから壺状演出部材56内へと入球した遊技球があった際には、案内路57及び排出口58を介し、案内路60によって誘導されることで始動チャッカー16へと略確実に入賞する。
以上で説明した、第2の実施の形態によると、ワープルート51a,51bと遊技球落下領域48との間に保留装置70を備え、該保留装置70は、ワープルート51a又はワープルート51bから導入された遊技球を保留した後、所定の条件の成立を契機として遊技球落下領域48に放出してなるので、遊技球落下領域48へ一時に放出された遊技球は、障害釘55に対してだけでなく、遊技球同士でも当接し合い、より頻繁に当接動作をすると共に、遊技球落下領域48内で一層分散されながら転動落下するようになる。このため、遊技球演出用ユニット52の見た目の派手やかさが増し、遊技者の注目を引く演出性豊かなものとすることができるようになる。また、本実施の形態においては、一時に10個の遊技球を遊技球演出用ユニット52内に転動落下させることにより、複数の遊技球が多様な位置及び角度を有して分散されて落下してくるので、遊技球を壺状演出部材56内へ入球させる確率を増加させることができるようになる。
また、保留装置70は、がま口状に形成されたフィギュアからなり、該フィギュアの上部にはワープ導入部材50からの遊技球を該フィギュア内に導入する入球口71が設けられ、該フィギュアの下部には入球口71から導入されかつ該フィギュア内部に保留された遊技球を、遊技球落下領域48に放出する保留球放出口72が設けられるので、がま口状に形成されたフィギュアによって遊技者の注目を集めると共に、サブ遊技領域7a内において該フィギュアを用いた演出を施すことによって、本パチンコ機1の意匠性を高め、更に興趣の向上を図ることができるようになる。
なお、以上で説明した第2の実施の形態においては、保留装置70に遊技球が所定数保留された際に、演出制御手段43の駆動制御により可動開閉片72aを開口動作させて遊技球を放出するとして説明を行なったが、前扉3の適宜位置に可動開閉片72aを開閉自在とさせる押しボタン等を設け、遊技者の意思により保留された遊技球を任意に放出自在とさせるようにしてもよい。
なお、以上で説明した第1及び第2の実施の形態においては、ワープ導入部材50は、演出制御手段43によって駆動されるモータによって一定周期で揺動されるとして説明を行なったが、静止或いは他の回動等の動作を行っていてもよく、その動作内容について限定されるものではない。
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機も、本発明の範囲に含まれる。