<全体構成>
まず、図1および図2を用いて、本発明の実施例1に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、図1はパチンコ機100の外観斜視図であり、図2はパチンコ機100の遊技盤102を正面(遊技者側)から見た状態を示す略示正面図である。
図1に示されるように、パチンコ機100は、遊技領域104を覆う閉状態および該遊技領域104を開放する開状態のうちの一方から他方に開閉状態を変化可能なガラス枠151と、このガラス枠151の奥側に視認可能に配設された遊技盤(盤面)102を備えている。
遊技盤102の下方には、遊技球(以下、単に球と称する場合がある。)を遊技領域104に向けて打ち出す発射装置(図示省略)と、この発射装置によって打ち出す球を、後述する外レール106に導くための発射レール(図示省略)と、球を一時的に貯留すると共に、貯留している球を順次、発射レールに供給するための貯留皿144と、遊技者による押下操作が可能であり、所定の時期にその操作を検出した場合に後述する装飾図柄表示装置110などによる演出表示を変化させるためのチャンスボタン146を配設している。
また、発射装置の下方には、発射装置を制御して遊技領域104に向けて球の発射強度の操作を行うための操作ハンドル148を配設していると共に、貯留皿144の下方には、貯留皿144に貯留できない溢れ球を貯留するための下皿150を設けている。
また、図示は省略するが、装飾用のランプとして、遊技盤102の所定箇所(例えば、遊技領域の外周に沿った箇所)には複数種類の盤ランプを配設し、遊技盤102上方の外側や貯留皿144には複数種類の枠ランプを配設している。
図2に示されるように、遊技盤102の略中央には、略円形の遊技領域104が設けられている。この遊技領域104の中央やや上側には、装飾図柄表示装置110および演出装置200を配設している。また、装飾図柄表示装置110の上方には、普通図柄表示装置112と、特別図柄表示装置114と、普通図柄保留ランプ116と、特別図柄保留ランプ118と、高確中ランプ120を配設している。なお、以下、普通図柄を普図、特別図柄を特図と称する場合がある。また、遊技盤102には、遊技球を遊技盤102の中央に位置する遊技領域104に案内するための外レール106と内レール108を配設している。
装飾図柄表示装置110は、装飾図柄(図12(b)参照)を表示するための表示装置であり、本実施例では液晶表示装置によって構成している。この装飾図柄表示装置110は、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cの3つの表示領域に分割し、各々の表示領域110a、110b、110cに異なった装飾図柄を表示することを可能としている。また、装飾図柄表示装置110は、遊技に関する情報や演出画像等の表示も行う。
演出装置200は、遊技の演出を行うための装置であり、防護レール201に囲まれた領域に配設している。演出装置200は、枠体202と、第1ワープ通路210と、前面ステージ220と、第2ワープ通路230と、第1造形物240と、第2造形物250と、可動人形260から構成している。演出装置200の詳細については後述する。
普図表示装置112は、普図(図12(c)参照)の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成している。特図表示装置114は、特図(図12(a)参照)の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成している。
普図保留ランプ116は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、普図変動遊技の開始を2つまで保留することを可能としている。特図保留ランプ118は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、特図変動遊技の開始を4つまで保留することを可能としている。高確中ランプ120は、遊技状態が高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、これらの表示装置等の周囲には、一般入賞口122と、普図始動口124と、第1特図始動口126と、第2特図始動口128と、可変入賞口130を配設している。
一般入賞口122は、本実施例では左右に2つずつ配設しており、この一般入賞口122への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口122に入賞した場合)、後述する払出装置を駆動し、所定の個数(本実施例では10個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。貯留皿144に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口122に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施例では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を賞球、遊技者に貸し出す球を貸球と区別して呼ぶ場合があり、賞球と貸球を総称して球(遊技球)と呼ぶ。
普図始動口124は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域104の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施例では左右に1つずつ配設している。普図始動口124を通過した球は一般入賞口122に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口124を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置112による普図変動遊技を開始する。本実施例では、普図始動口124は魚を模した形状としている。
第1特図始動口126は、本実施例では中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口126への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置を駆動し、所定の個数(本実施例では3個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口126に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口128は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施例では第1特図始動口126の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口128は、左右に開閉自在な羽根を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置112が当たり図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口128への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置を駆動し、所定の個数(本実施例では5個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口128に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口130は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施例では遊技領域104の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口130は、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選し、特図表示装置114が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口130への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置を駆動し、所定の個数(本実施例では15球)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。なお、可変入賞口130に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材132や、遊技釘134を複数個、配設していると共に、内レール108の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口136を設けている。
このパチンコ機100は、遊技者が貯留皿144に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドル148の操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射装置によって外レール106、内レール108を通過させて遊技領域104に打ち出す。そして、遊技領域104の上部に到達した球は、打球方向変換部材132や遊技釘134などによって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口122、可変入賞口130)や始動口(第1特図始動口126、第2特図始動口128)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口124を通過するのみでアウト口136に到達する。
また、本実施例に係るパチンコ機100は、「釣り」をテーマにした装飾がパチンコ機全体に施されている。すなわち、図示は省略しているが、遊技盤102の表面には、海の風景や魚等の背景絵が描かれ、遊技盤102やガラス枠151等の各所には、「釣り」や「海」をモチーフにした装飾物が配設されている。また、図1に示されるように、装飾図柄表示装置110には、演出画像として海や魚の画像等が表示されるようになっている。
<演出装置>
次に図2〜8を用いて、演出装置200について説明する。まず、演出装置200は、上述したように、枠体202と、第1ワープ通路210と、前面ステージ220と、第2ワープ通路230と、第1造形物240と、第2造形物250と、可動人形260からなる。
枠体202は、中央に開口部を備える枠状の部材であり、遊技領域104の中央やや上側に配設されている。枠体202には、第1ワープ通路210と、前面ステージ220と、第2ワープ通路230と、第1造形物240と、第2造形物250と、可動人形260が配設されている。また、枠体202の開口部の後方には、装飾図柄表示装置110が前方から表示画面を視認可能に配設され、枠体202の上部には、普図表示装置112等が配設されている。
図3は、演出装置200の一部を省略した斜視図である。同図に示されるように、第1ワープ通路210は、遊技球が内部を通過可能な略四角形断面のトンネル状の通路であり、装飾図柄表示装置110の左側に配設されている。第1ワープ通路210は、左上方に向けて開口する入口212、および右方の前面ステージ220に向けて開口する出口214を備えている。第1ワープ通路210は、防護レール201部分に設けられた入口212からまず右斜め下方に向かった後に、後方、下方、右方へと曲がり、前面ステージ220の左端後部の出口214へと続く通路となっている。すなわち、第1ワープ通路は、遊技領域104の左側の領域を流下して入口212に入球した遊技球を前面ステージ220上へ導く通路となっている。
この第1ワープ通路210の断面は、遊技球が2つ並列して通過することが不可能な大きさ(幅)に形成されている。また、第1ワープ通路212は、外部から内部の様子を視認可能な程度に透明な材質から構成されている。従って、後述するように、第1ワープ通路210内に配設された第2造形物250は、外部から視認可能となっている。
前面ステージ220は、遊技球が水平方向に転動可能な横長の長方形状の上面を備えるステージであり、装飾図柄表示装置110の前下方に設けられている。前面ステージ220の上面は、それぞれ左右両端を高く中央部を低く形成された第1領域222、第2領域224、第3領域226の3つの領域から構成されている。
図4は、演出装置200の一部を省略した側断面図である。同図に示されるように、第1領域222および第3領域223は、前方が低くなるように傾斜が付けられており、第2領域224は、後方が低くなるように傾斜が付けられている。また、前面ステージ220上面の中央部後方には、第2領域224の略後半分を占める大きさの四角形状の開口部が形成されており、これが第2ワープ通路230の入口232となっている。
図3に戻って、第1ワープ通路210の出口214から前面ステージ220の第1領域222に排出された遊技球は、第1領域222から第2領域224および第3領域226の方に向けて水平方向に転動することとなる。
第1ワープ通路210の出口212から第1領域222に進入した遊技球は、転動に勢いがなく、第1領域222と第2領域224の間の凸状の部分を乗り越えることができなかった場合には、第1領域222傾斜によって下方の遊技領域104へ落下することとなる。一方、転動に適度な勢いがあり、第1領域222と第2領域224の間の凸状の部分を乗り越えて第2領域224に進入し、そのまま第2領域内に留まることができた場合には、遊技球は第2領域224の傾斜によって第2ワープ通路230の入口232へと導かれ、入口232の正面から第2ワープ通路230内に進入することができる。そして、転動の勢いが強すぎ、第2領域224を超えて第3領域226に進入した場合には、遊技球は第3領域226の傾斜によって下方の遊技領域104へ落下することとなる。
また、第1領域222において、傾斜に逆らって第2ワープ通路230の入口232に向けて転動することができた場合には、遊技球は、入口232の左側から第2ワープ通路230内に進入することができる。
図3に戻って、第2ワープ通路230は、遊技球が内部を通過可能なトンネル状の通路であり、前面ステージ220の下方に設けられている。第2ワープ通路230は、前面ステージ220上面の中央部後方において上方に向けて四角形状に開口する入口232、および、前面ステージ220の正面において前方に向けて開口する出口234を備えている。第2ワープ通路230は、四角形状に大きく開口する入口234からまず下方に向かい、遊技球の外径より少し大きい内径の円形断面に縮小された後に前方へ曲がり、前面ステージ220正面の出口234へと続く通路となっている。この出口234は、第1特図始動口126の略真上に設けられている。
すなわち、第2ワープ通路230は、前面ステージを転動して入口232に入球した遊技球を、下方の第1特図始動口126または第2特図始動口128に向けて導く通路となっている。そして、この第2ワープ通路230を通過した遊技球は、第1特図始動口126または第2特図始動口128に高い確率で入球するようになっている。本実施例では、第2ワープ通路230は、その内部を視認可能に構成されている。すなわち、前面ステージ220は、少なくとも第2ワープ通路230の周辺を透明な材質にして構成されている。これにより、後述するように、第2ワープ通路230内に一部を収容されて配設される第1造形物240は、前方から明確に視認されるようになっている。
第1造形物240は、魚を模した形状の造形物であり、第2ワープ通路230の入口232近傍に頭を上方に向けて配設されている。本実施例では、このように魚を模した第1造形物240を第2ワープ通路230の入口232近傍に配設することによって第2ワープ通路230の存在を目立たせ、遊技者が第2ワープ通路230の存在に気が付きやすいようにしている。さらに、本実施例では、後述する待機位置において、第1造形物240の下部が第2ワープ通路内に収容されるようにすると共に、第1造形物240と第2ワープ通路230の入口の周縁との間に隙間を有するようにして、第1造形物を配設している。この隙間の大きさは特に限定されるものではないが、遊技者が視認可能な程度の隙間であることが望ましい。このように、第1造形物240と第2ワープ通路230の入口の周縁との間に隙間を設定することによって、第2ワープ通路230が遊技球の通過可能な通路であることを、遊技者は容易に認識することができる。
また、第1造形物240は、上下方向に往復動作可能に構成されている。図5は、第1造形物240およびその駆動手段の分解斜視図である。同図に示されるように、第1造形物240の背面下部には棒状の支持部材242が後方に向けて突設されている。すなわち、支持部材242は、第2ワープ通路230の向かう方向に対して略直角に配設されている。この支持部材242は枠体202に形成された縦長の長孔203内に挿通され、枠体202の後方に突出した支持部材242の先端には、ベルト244の一端に設けられた把持部材246が接続されている。そして、このベルト244の他端は、モータ248の駆動軸248aの外周面に固定されている。
すなわち、第1造形物240は、モータ248を駆動して駆動軸248aを回転させ、ベルト244を巻き上げることで上昇し、駆動軸248aを逆回転させてベルト244を巻きほどくことで下降するように構成されている。これにより、第1造形物240は、モータ248により駆動されて待機位置である最下点と最上点の間を動作する。本実施例では、モータ248にステッピングモータを採用しているため、駆動パルスを制御することによって、例えば第1造形物240を任意の高さまで上昇させて停止させる等、第1造形物240の位置制御が可能となっている。
なお、モータ248にはステッピングモータ以外のモータを採用してもよく、また、ベルト244の巻き上げ機構の代わりにラックアンドピニオン機構等を採用してもよいのはいうまでもない。さらに、ソレノイド等により第1造形物240を駆動するようにしてもよい。
図3に戻って、第2造形物250は、魚を模した形状の造形物であり、第1ワープ通路210の内部に頭を前方に向けて配設されている。この第2造形物250は、第1造形物240とは色彩、模様、形状または大きさが異なるように構成されており、演出装置200の外観に変化をつけるようにしている。
また、第2造形物250と第1ワープ通路210の内面との間には、遊技球が1つだけ通過可能な隙間を設けている。本実施例では、このように魚を模した第2造形物250を第1ワープ通路210の入口212近傍に配設することによって第1ワープ通路210の存在を目立たせ、遊技者が第1ワープ通路210の存在に気が付きやすいようにしている。
さらに、図示は省略するが、第2造形物250は、第1造形物240と同様の機構によりモータ等により駆動されて、待機位置である最上点と最下点の間を上下方向に往復動作可能に構成されている。
可動人形260は、図2に示されるように、体を左方に向けて岩場に腰掛けた状態の釣り人を模した人形であり、装飾図柄表示装置110の右側に配設されている。可動人形260の腕部262は、ひじをやや曲げて左方に差し出された状態であり、モータ等(図示省略)により駆動されて肩の部分を中心に上下方向に揺動可能に構成されている。
このように、演出装置200は、パチンコ機100全体の装飾のテーマである「釣り」をモチーフにして構成されている。すなわち、上述のように、魚を模した第1造形物240および第2造形物250ならびに釣り人を模した可動人形260は、遊技盤102に描かれた背景絵、遊技盤102等に配設された装飾物もしくは装飾図柄表示装置110に表示された演出画像と関連があるもの、または遊技盤102に描かれた背景絵、遊技盤102等に配設された装飾物もしくは装飾図柄表示装置110に表示された演出画像を立体化したものとなっている。
<第1造形物の動作>
次に、図3、図6および図7を用いて第1造形物240の動作について説明する。図6および図7は、演出装置200の一部を省略した斜視図である。第1造形物240は、遊技状態の変化や演出内容等に応じて、最下点の待機位置から上昇、または往復動するようになっている。本実施例では、例えば、第1造形物240が所定のタイミングで最上点まで上昇または往復動することによって遊技者に第2ワープ通路230の存在を示唆している。また、第1造形物240を振動するように細かく往復動させることによって第1造形物240の表面に付着した埃を除去している。さらに、本実施例では、第1造形物240が上昇することによって、前面ステージ220上の遊技球が第2ワープ通路230内に入球する確率を変化させている。
まず、図3に示されるように、第1造形物240が待機位置にある場合には、第1造形物240は、第1領域222から第2ワープ通路230の入口232に進入しようとする遊技球の全てを弾き返すようになっている。すなわち、第1造形物240の背中の部分と入口232の左縁の間には遊技球が通過可能な隙間とはなっておらず、第1領域222から転動してきた遊技球は、全て第1造形物240の背中の部分と衝突して第1領域222に弾き返されることとなる。
また、待機位置にある第1造形物240は、第2領域224から第2ワープ通路230の入口232に進入しようとする遊技球の一部を弾き返すようになっている。すなわち、第1造形物240のわき腹の部分と入口232の前縁の間には、遊技球が通過可能な部分と通過不可能な部分の両方が形成されており、第2領域224から転動してきた遊技球の一部は第1造形物240のわき腹の部分と衝突して第2領域224に弾き返され、残りの一部は第2ワープ通路230内に進入することとなる。
本実施例では、第1造形物240は、待機位置から上昇して自身と第2ワープ通路230の入口232の周縁との間の隙間の形状および大きさを変更することによって、前面ステージ220上の遊技球が第2ワープ通路230内に入球する確率を変化させている。
例えば、図6に示すように、第1造形物240が待機位置からやや上昇した場合には、第1造形物240の背中の部分と入口232の左縁の間の隙間が広がり、その一部に遊技球が通過可能な隙間が形成されるため、遊技球が第1領域222から第2ワープ通路230内に進入する確率が上昇している。また、第1造形物240のわき腹の部分と入口232の前縁の間の隙間も広がるため、遊技球が通過可能な部分が拡大し、第1造形物240が待機位置にある場合と比べて遊技球が第2領域224から第2ワープ通路230内に進入する確率が高くなっている。
また、図7に示すように、第1造形物240が最上点まで上昇した場合には、第1造形物240は第2ワープ通路230内から完全に抜け出して、第1造形物240と入口232の周縁との間の隙間の大きさが最大となる。この場合には、遊技球は、第1造形物240と衝突することなく第1領域222または第2領域224から第2ワープ通路230内に進入することが可能であり、前面ステージ220上の遊技球が第2ワープ通路230内に進入する確率は最高となる。
<第2造形物の動作>
次に、図8を用いて第2造形物250の動作について説明する。図8は、演出装置200の一部を省略した斜視図である。同図に示されるように、第2造形物250は、遊技状態の変化や演出内容等に応じて、最上点の待機位置から下降するようになっている。本実施例では、第1造形物240と同様の動作によって遊技者に第1ワープ通路210の存在を示唆したり、表面に付着した埃を除去したりしている。
また、本実施例では、第2造形物250を最下点まで下降させることによって、第1ワープ通路210内に進入した遊技球の進路を遮断し、遊技球を第1ワープ通路210内に滞留させることが可能である。これにより、例えば、遊技状態に応じて、第1造形物240が待機位置にある場合は遊技球を第1ワープ通路210内に滞留させ、第1造形物240が最上点に上昇して第2ワープ通路230内に遊技球が入球しやすくなった後に遊技球を第1ワープ通路210から前面ステージ220に排出するといった演出を行うことができる。
なお、第1造形物240および第2造形物250を、上下方向以外の方向に動作可能に構成してもよい。図9(a)および(b)は、第1造形物240および第2造形物250を水平方向に動作するように構成した例を示す図であり、図10(a)および(b)は、第1造形物240および第2造形物250を回動するように構成した例を示す図である。
図9(a)および(b)に示す例では、第1造形物240および第2造形物250は、右端と左端の間を往復動作可能であり、中央が待機位置となっている。この例では、第1造形物240および第2造形物250は、遊技状態の変化や演出内容等に応じて動作することによって、遊技者に第1ワープ通路210の存在を示唆したり、表面に付着した埃を除去したりしている。また、第1造形物240は、右端と左端の間を移動することによって、自身と第2ワープ通路230の入口232の周縁との間の隙間の形状および大きさを変更することによって、前面ステージ220上の遊技球が第2ワープ通路230内に入球する確率を変化させている。
図10(a)および(b)に示す例では、第1造形物240および第2造形物250は、上下方向の動作に加えて、モータ等(図示省略)により駆動されることで、それぞれ支持部材242、252を中心に揺動または回動可能に構成されている。このように、上下方向の動作と揺動または回動を組み合わせることによって、第1造形物240および第2造形物250により多彩な動作をさせることで、遊技者の注意を引き付けることが可能となる。また、第1造形物240においては、第1造形物240と第2ワープ通路230の入口232の周縁との間の隙間の形状および大きさをより多彩に変更することが可能となる。
<演出装置による演出例>
本実施例に係る演出装置200は、装飾図柄表示装置110の表示と、第1造形物240および可動人形260とを連動させた演出を行う。図11は、演出装置200による演出の一例を示す図である。
同図に示されるように、この例では、装飾図柄表示装置110に海の風景画像を表示している。さらに、装飾図柄表示装置110には釣竿および釣糸の画像を、釣竿の持ち手の部分が可動人形260の腕部262の先端と重なるように表示し、可動人形260が海で釣りをしている様子を表現している。釣竿および釣糸の画像は、可動人形260の腕部262が揺動するのに応じて表示位置および形状が変更される。
そして、この状態から、例えば、後述する大当たりが確定したことを遊技者に報知する演出を行う場合には、可動人形260の腕部262を上方に移動させると共に、第1造形物240を待機位置から最上点に上昇させることで、釣り人を模した可動人形260が魚を模した第1造形物240を釣り上げたように演出装置200を動作させる。
また、大当たりに外れたことを遊技者に報知する場合には、可動人形260の腕部262を上方に移動させると共に第1造形物240を待機位置から少し上昇させ、その直後に第1造形物240待機位置に下降させることで、釣り人を模した可動人形260が魚を模した第1造形物240を一旦釣り上げたものの取り逃がしてしまったように演出装置200を動作させる。
このように、本実施例に係る演出装置200は、装飾図柄表示装置110の表示と、第1造形物240および可動人形260とを連動させた面白みのある演出を行うことを可能としている。
演出装置200は、上記の例以外にも様々な演出を行う。例えば、演出装置200は、後述する高確率状態に移行する場合に、第1造形物240または第2造形物250を動作させて、高確率状態への移行を遊技者に報知したり、装飾図柄表示装置110にデモ画像を表示しているときに、第1造形物240または第2造形物250を動作させて、第1ワープ通路210または第2ワープ通路230の存在を遊技者に示したり、といった演出を行う。また、このように第1造形物240または第2造形物250を動作させる場合に、装飾図柄表示装置110に魚が泳いでいる画像の表示を連動させて、あたかも第1造形物240または第2造形物250が装飾図柄表示装置110から飛び出したような演出を行うようにすることも可能である。
なお、第1造形物240は、第2ワープ通路230の入口232と略同一の幅のものであり、待機位置から上昇する(遊技球が流下する方向と逆方向に飛び出すように動作する)ことで入口232を全閉状態(遊技球が入球不可能な状態)から全開状態(遊技球が第1造形物240に邪魔されずに入球可能な状態)に変更するものであってもよい。すなわち、第1造形物240を可能な限り大きく、目立ちやすいものとして、待機位置における第1造形物240と入口232の周縁との間の隙間を遊技球が通過不可能となるように構成してもよい。第1造形物をこのように構成することで、遊技者の注意を最大限に引くことができる。また、今までにない斬新な演出を行うことができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
このようにした場合、待機位置における第1造形物240と入口232の周縁との間に隙間がなくなるように第1造形物240を構成すると、通路に球が入球するイメージを遊技者は掴めず、第1造形物240が待機位置にある際に遊技を開始した遊技者は第2ワープ通路230の存在に気がつかない可能性があるが、待機位置における第1造形物240と入口232の周縁との間に隙間を設けることによって、このようなことを防ぐことができる。また、第1造形物240が遊技球の流下方向に逃げることで入口232を全開状態にすると、再び全閉状態にする際に流入してくる遊技球を弾き飛ばしてしまい、入球しようとした球が入らなくなってしまうことで遊技者の遊技の意欲を低下させてしまう可能性があるが、遊技球の流下方向と逆方向に移動して入口232を全開状態にすることで、このようなことを避けることができる。
また、第1造形物240の支持部材242は、第1造形物240の底面から下方に向けて突設され、第2ワープ通路230内に挿入されるものであってもよい。すなわち、指示部材242は、第2ワープ通路230内において第2ワープ通路230に沿って配設されるものであってもよい。このようにした場合、支持部材242を外部から視認し難くすることが可能となり、演出装置200の外観をすっきりと見栄えよくすることができる。
また、第2造形物250は、動作することによって、第1ワープ通路210の内部から外部に飛び出すものであってもよい。この場合、第1ワープ通路210の入口212または出口214から第2造形物250を外部に飛び出させてもよいし、その他の開口部または扉等から第2造形物250を飛び出させてもよい。また、第2造形物250を遊技球の流下方向と逆方向に第1ワープ通路210に沿って移動させて、入口212から飛び出させるようにしてもよく、この場合、第1ワープ通路210の経路を第2造形物250の動きで遊技者に示すと共に、入口212の存在を明確に遊技者に示すことができる。
また、第2造形物250は、動作することによって第1ワープ通路210内を通過する遊技球と衝突し、遊技球の排出される方向を変化させるものであってもよい。この場合、例えば、第1ワープ通路210に複数の出口を備えるようにして、第2造形物250を動作させることによってどの出口から遊技球が排出されるかを変更する(振分ける)ようにしてもよい。
また、第1造形物240または第2造形物250が配設される通路は、入賞口(例えば、一般入賞口122等)の入口から排出口へと続く通路や、遊技領域外から遊技領域内へ遊技球を導く通路(例えば、発射レール等)や、右打ちした場合にアウト口136へそのまま向かう通路や、入賞口の排出口からパチンコ機の後方まで遊技球を導く通路であってもよい。
また、上記したような複数の通路にそれぞれ第1造形物240または第2造形物250を配設してもよく、この場合に、複数の第1造形物240または第2造形物250の色彩模様、形状または大きさを異ならせて、各通路を区別できるようにしてもよい。さらに、1つの通路の入口近傍に複数の第1造形物240を配設してもよいし、1つの通路の内部に複数の第2造形物250を配設してもよい。
<図柄の種類>
次に、図12(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図表示装置114、装飾図柄表示装置110、普図表示装置112が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
図12(a)は特図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施例の特図の停止表示態様には、大当たり図柄である特図1と、特別大当たり図柄である特図2と、外れ図柄である特図3の3種類がある。第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として特図変動遊技を開始した場合には、特図表示装置114は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す特図の変動表示を行う。そして、特図の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図変動遊技(大当たり遊技)の当選を報知する場合には特図1を停止表示し、特図変動遊技(特別大当たり遊技)の当選を報知する場合には特図2を停止表示し、特図変動遊技の外れを報知する場合には特図3を停止表示する。なお、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
図12(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施例の装飾図柄には、装飾1〜装飾8の8種類がある。第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置110の左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cの各図柄表示領域に、装飾1→装飾2→装飾3→・・・・装飾7→装飾8→装飾1→・・・の順番で表示を切り替える装飾図柄の変動表示を行う。そして、特図変動遊技(大当たり遊技)の当選を報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ(本実施例では、同一の数字の装飾図柄の組合せ(例えば、装飾2−装飾2−装飾2))を停止表示し、特図変動遊技(特別大当たり遊技)の当選を報知する場合には、特別大当たりに対応する図柄組合せ(本実施例では、同一の奇数番号数字の装飾図柄の組合せ(例えば、装飾1−装飾1−装飾1))を停止表示する。なお、大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、大当たり遊技、または特別大当たり遊技を開始し、特別大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、特別大当たり遊技を開始する。また、外れを報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示した後で、保留している装飾図柄の変動表示があれば、その変動表示を開始する。
図12(c)は普図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施例の普図の停止表示態様には、当たり図柄である普図1と、外れ図柄である普図2の2種類がある。普図始動口124を球が通過したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として普図表示遊技を開始した場合には、普図表示装置112は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す普図の変動表示を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には普図1を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には普図2を停止表示する。
<制御部>
次に、図13を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は主制御部300、演出制御部350、払出制御部400、発射制御部450、および電源管理部500の回路ブロック図である。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単にコマンドと呼ぶ)に応じて、主に演出の制御を行う演出制御部350と、主制御部300が送信するコマンドに応じて、主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部400と、遊技球の発射制御を行う発射制御部450と、パチンコ機100に供給される電源を、パチンコ機100に搭載した電気部品に送電するための所定の電力を生成する電源管理部500によって構成している。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数などを計測するためのカウンタタイマ312と、を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する演出制御部350や払出制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発信器314bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発信器314aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路316(この回路には2つのカウンタを内臓しているものとする)と、ガラス枠151の開放/閉鎖を検出するガラス枠開放センサ、前枠の開放/閉鎖を検出する前枠開放センサ、下皿150が球で一杯になったことを検出する下皿満タンセンサ、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサなどを含む各種センサ318が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路316および基本回路302に出力するためのセンサ回路320と、特図表示装置114の表示制御を行うための表示回路322と、普図表示装置112の表示制御を行うための表示回路324と、各種状態表示部326(普図保留ランプ116、特図保留ランプ118など)の表示制御を行うための表示回路328と、第2特図始動口128や可変入賞口130などを開閉駆動する各種ソレノイド330を制御するためのソレノイド回路332を接続している。
なお、第1特図始動口126に球が入賞したことを球検出センサ318が検出した場合には、センサ回路320は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路316に出力する。この信号を受信したカウンタ回路316は、第1特図始動口126に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口126に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路316は、第2特図始動口128に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口128に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口128に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路550にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300には、電源管理部500から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路(図示省略)を設けており、この電圧監視回路は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号を出力する起動信号出力回路(図示省略)を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300には、演出制御部350にコマンドを送信するための出力インターフェースと、払出制御部400にコマンドを送信するための出力インターフェースをそれぞれ設けており、演出制御部350には、主制御部300からコマンドを受信するための入力インターフェースを設け、払出制御部400には、主制御部300からコマンドを受信するための入力インターフェースを設けている。この構成により、主制御部300と、演出制御部350および払出制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と演出制御部350および払出制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は演出制御部350および払出制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、演出制御部350および払出制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<演出制御部>
次に、パチンコ機100の演出制御部350について説明する。
演出制御部350は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて演出制御部350の全体を制御する基本回路352を備えており、この基本回路352には、CPU354と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM356と、一時的にデータを記憶するためのRAM358と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O360と、時間や回数などを計測するためのカウンタタイマ362を搭載している。この基本回路352のCPU354は、水晶発信器364が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路352には、スピーカ366(およびアンプ)の制御を行うための音源IC368と、枠ランプ、盤ランプなどの各種ランプ370の制御を行うための表示回路372と、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110の制御を行うための液晶制御回路374と、演出装置200が備えるモータ248等の各種モータ等376の制御を行うための駆動回路378と、チャンスボタン146の操作を検出した場合に基本回路352に検出信号を出力するチャンスボタン検出回路364を接続している。
また、演出制御部350には、電源が投入されると起動信号を出力する起動信号出力回路(図示省略)を設けており、CPU354は、この起動信号出力回路から起動信号を入力した場合に、演出制御を開始する。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部400、発射制御部450、および電源管理部500について説明する。
払出制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置402を制御すると共に、払出センサ404が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インターフェース部406を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット552との通信を行う。
発射制御部450は、払出制御部400が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、操作ハンドル148内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による発射ハンドル148の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射装置を駆動する発射モータ452の制御や、貯留皿144から発射レールに球を供給する球送り装置454の制御を行う。
電源管理部500は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、払出制御部400などの各制御部や払出装置402などの各装置に供給する。さらに、電源管理部500は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308など)に所定の期間(例えば10日間)電力を供給するための蓄電装置(例えばコンデンサ)と、この蓄電装置よりも静電容量が小さく、所定の部品(例えば主制御部300の基本回路302全体)に供給している電力が、静電気ノイズ、人的なミス、遊技台に供給される電力の低下などが原因で変動し、低下している場合に、ある程度の電力を補うための蓄電装置(例えばコンデンサ)をさらに備えている。この蓄電装置により、所定の部品(例えば主制御部300)に供給される電力が電断時、復電時などに不安定になっても、ある程度安定してその所定の部品は動作できるように構成している。また、電源管理部500を構成する電源基板には遊技店の店員などが操作可能な操作部(RAMクリアスイッチ)を備えており、電源投入時にこの操作部が操作されていることを検出した場合には、各制御部の基本回路302、352および402に、RAM308および358を初期化することを指令するRAMクリア信号を出力するようにしている。
<主制御部のデータテーブル>
次に、パチンコ機100の主制御部300のROM306が記憶しているデータテーブルについて説明する。図14(a)に示す大当たり判定テーブルは、RAM308に設けた遊技状態格納領域に記憶している特図抽選状態の種類と、抽選データと、を対応付けして記憶したデータテーブルである。
主制御部300の基本回路302は、この大当たり判定テーブルを用いて特図変動遊技を当選(大当たり)とするか、不当選(外れ)とするかの決定、すなわち大当たり判定を行う。なお、特図抽選状態の情報は、特図変動遊技を所定の低確率で当選と判定する低確率状態を示す情報、および低確率よりも高い高確率で特図変動遊技を当選と判定する高確率状態を示す情報などを含むが、以下、これらを単に低確率状態および高確率状態と称する。また、遊技状態格納領域に記憶する情報には別の情報もあるが、これらの情報については後述する。
大当たり判定テーブルの抽選データは、第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合に開始する特図変動遊技の結果を決定するために使用する抽選データである。例えば、特図抽選状態が低確率状態の場合、取得した特図当選乱数値(乱数値については後述する)が10001〜10187であるときは、特図変動遊技の当選と判定してRAM308に設けた大当たりフラグの格納領域に大当たりとなることを示す情報を設定する(以下、大当たりフラグの格納領域に大当たりの情報を設定することを「大当たりフラグをオンに設定する」という)。一方、取得した特図当選乱数値が10001〜10187以外の数値である場合には、特図変動遊技の外れと判定して上述の大当たりフラグの格納領域に外れとなることを示す情報を設定する(以下、大当たりフラグの格納領域に外れの情報を設定することを「大当たりフラグをオフに設定する」という)。なお、本実施例では、特図当選乱数値の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)、低確率状態における抽選データが示す数値範囲は10001〜10187(数値範囲の大きさは187)であるから、低確率状態の第1特図始動口126または第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は、約1/350.4(=187/65536)である。これに対して、高確率状態における抽選データが示す数値範囲は20001〜21871(数値範囲の大きさは1871)であるから、高確率状態の第1特図始動口126または第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は約1/35.0(=1871/65536)であり、特図変動遊技の当選確率は、低確率状態よりも高確率状態の方が高くなるように設定している。
図14(b)に示す高確率状態移行判定テーブルは、上述の大当たり判定の結果、大当たりと判定した場合に使用する抽選データを記憶したデータテーブルである。
主制御部300の基本回路302は、この高確率状態移行判定テーブルを用いて、特図変動遊技の終了後に大当たり遊技を開始するか、または特別大当たり遊技を開始するかの判定、すなわち確変移行判定を行う。例えば、取得した特図乱数値(乱数値については後述する)が11〜74の数値である場合には、RAM308に設けた確変(確率変動)フラグの格納領域に、特図変動遊技の終了後に特別大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、確変フラグの格納領域に特別大当たり遊技開始の情報を設定することを確変フラグをオンに設定するという)。一方、取得した特図乱数値が11〜74の数値以外である場合には、上述の確変フラグの格納領域に、大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、確変フラグの格納領域に大当たり遊技開始の情報を設定することを確変フラグをオフに設定するという)。なお、本実施例では、特図乱数値の取り得る数値範囲は0〜127(数値範囲の大きさは128)、抽選データの移行判定乱数の範囲は11〜74(数値範囲の大きさは64)であるから、大当たり判定の結果が当選である場合に確変移行判定の結果を当選にする確率、すなわち特別大当たりを開始する確率は1/2(=64/128)である。
図14(c)に示すタイマ番号決定テーブルは、上述の大当たりフラグと、抽選データと、特図表示装置114による特図の変動表示を開始してから停止表示をするまでの変動時間を示すタイマ番号と、を対応付けして記憶したデータテーブルである。
主制御部300の基本回路302は、このタイマ番号決定テーブルと、上述の大当たり判定結果(大当たりフラグの値)および後述する特図タイマ乱数値(乱数値については後述する)に基づいて、タイマ番号を選択する。例えば、大当たりフラグがオフで、取得した特図タイマ乱数値が0〜60235の数値である場合には、タイマ番号としてタイマ1(変動時間5秒)を選択し、大当たりフラグがオンで、取得した特図タイマ乱数値が0〜15535の数値である場合には、タイマ番号としてタイマ2(変動時間10秒)を選択する。なお、本実施例では、特図タイマ乱数値の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)、上述の大当たり判定結果が不当選の場合は、タイマ1のタイマ乱数の範囲は0〜60235(数値範囲の大きさは60236)であるから、タイマ番号としてタイマ1(変動時間5秒)を選択する確率は60236/65536である。また、タイマ番号として、タイマ2(変動時間10秒)を選択する確率は4250/65536、タイマ3(変動時間20秒)を選択する確率は800/65536、タイマ3(変動時間40秒)を選択する確率は250/65536である。一方、大当たり判定結果が当選の場合は、タイマ2のタイマ乱数の範囲は0〜15535(数値範囲の大きさは15536)であるから、タイマ番号としてタイマ2(変動時間10秒)を選択する確率は15535/65536である。また、タイマ番号として、タイマ3(変動時間20秒)を選択する確率は9000/65536、タイマ4(変動時間40秒)を選択する確率は38000/65536、タイマ5(変動時間50秒)を選択する確率は3000/65536である。
<主制御部リセット割り込み処理>
次に、図15を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部リセット割り込み処理について説明する。なお、同図は主制御部リセット割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号を出力する起動信号出力回路を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って処理を実行し、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定、各種変数の初期化、後述する主制御部タイマ割り込み処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理などを行う。
ステップS102では、復帰データ(前回、電源が遮断された時点における制御状態を復帰させるための情報を保存したデータ)をRAM308が記憶しているか否かを判断する。そして、復帰データをRAM308に記憶していた場合にはステップS103に進み、記憶していなかった場合にはステップS104に進む。
ステップS103では、復帰データを用いて、電源の遮断前の状態に復帰する。
ステップS104では、ソフトウェア乱数カウンタの更新を行う。ここでは、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、特図タイマ乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜20とすると、RAM308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始する主制御部タイマ割り込み処理を行っている間を除いて、このステップS104の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割り込み処理>
次に、図16を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割り込み処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割り込みを発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割り込みを契機として主制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、I/O310の入力ポートの値を取得して、各種センサ318の状態を検出する。例えば、第1、第2特図始動口126、128に球が入球していることを検出した場合にオン信号を出力する球検出センサからの信号を入力する。他の入賞口、始動口などについても対応する球検出センサからの信号を入力する。このステップS201において入力した結果は、RAM308に各種センサごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS202では、ソフトウェア乱数カウンタの更新を行う。ここでは、主制御部300で使用する普図当選乱数値および特図乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタと、上述の普図当選乱数値、および特図乱数値の初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。これらの処理の後でステップS104で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行う。なお、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。
ステップS203では、上述のステップS201で各種センサから入力した信号の状態に基づいて入賞検出を行う。この入賞検出では、入賞口や始動口(一般入賞口122、第1、第2特図始動口126、128および可変入賞口130)に入賞(入球)があった場合には、RAM308に設けた賞球数記憶領域の値に入賞口ごとに予め定めた賞球数を加算したり、第1特図始動口126または第2特図始動口128に入賞があり、且つ、保留している特図変動遊技数が4未満である場合には、入賞した始動口に対応するカウンタ回路316bのカウンタ値記憶用レジスタから値を特図当選乱数値として取得する。また、上述の特図乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図乱数値として取得し、RAM308に設けた乱数値記憶領域に特図当選乱数値と共に記憶する。また、普図始動口124を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が2未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図当選乱数値として取得し、RAM308に設けた上記特図用とは別の乱数値記憶領域に記憶する。
ステップS204では、特図変動遊技に関する処理(特図関連処理)を行う。この特図関連処理では、特図変動遊技および可変入賞口130の開閉制御を行っておらず、且つ、保留している特図変動遊技の数が1以上である場合に、主制御部300が記憶する上述の各種データテーブルを使用した各種抽選のうち、最初に大当たり判定を行う。
具体的には、ステップS203で乱数値記憶領域に記憶した特図当選乱数値が、図14(a)に示す大当たり判定テーブルの抽選データの数値範囲であるか否かを判定し、特図当選乱数値が抽選データの数値範囲である場合には、特図変動遊技の当選と判定して大当たりフラグをオンに設定する。一方、特図当選乱数値が抽選データの数値範囲外である場合には、特図変動遊技の外れと判定して大当たりフラグをオフに設定する。例えば、特図抽選状態が低確率状態で、第1特図始動口126または第2特図始動口128への球入賞の検出に基づいて取得した特図当選乱数値が10100の場合は、特図当選乱数値が10001〜10187の範囲であることから大当たりフラグをオンに設定し、特図当選乱数値が10300の場合は、特図当選乱数値が10001〜10187の範囲外であることから大当たりフラグをオフに設定する。
大当たりフラグにオンを設定した場合には、次に確変移行判定を行う。具体的には、ステップS203で乱数値記憶領域に記憶した特図乱数値が、図14(b)に示す移行判定乱数の数値範囲であるか否かを判定し、特図乱数値が抽選データの数値範囲である場合には、上述の確変フラグをオンに設定し、特図乱数値が抽選データの数値範囲以外である場合には、上述の確変フラグをオフに設定する。例えば、取得した特図乱数値が20の場合には、特図乱数値が11〜74の範囲であることから確変フラグをオンに設定する。一方、取得した特図乱数値が80の場合には、特図乱数値が11〜74の範囲外であることから確変フラグをオフに設定する。
大当たり判定の結果に関わらず、次にタイマ番号を決定する処理を行う。具体的には、上述の特図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を特図タイマ乱数値として取得する。そして、大当たりフラグの値、および取得した特図タイマ乱数値に基づいて、図14(c)に示すタイマ選択乱数の数値範囲に対応するタイマ番号を選択し、RAM308に設けたタイマ番号記憶領域に記憶する。また、そのタイマ番号に対応する変動時間をRAM308に設けた変動時間記憶領域に記憶して処理を終了する。例えば、大当たりフラグがオフで、取得した特図タイマ乱数値が50000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜60235の範囲であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する1行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ1、および変動時間を示す5を選択し、RAM308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。一方、大当たりフラグがオンで、取得した特図タイマ乱数値が64000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜15535の範囲ではないことからタイマ2は選択せず、15536〜24535ではないことからタイマ3は選択せず、24536〜62535ではないことからタイマ4は選択しないが、62536〜65535の範囲内であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する8行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ5、および変動時間を示す50を選択し、RAM308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。なお、主制御部タイマ割り込み処理の開始周期である2msを考慮して、選択した変動時間の値に500(1000ms/2ms)を掛けた値を変動時間記憶領域にセットする。例えば、変動時間として5秒を選択した場合には、変動時間記憶領域には2500の値を初期値としてセットし、後述するタイマ更新処理(ステップS208)を実行する度に、この変動時間記憶領域の値を1だけ減算するようにすることで、主制御部タイマ割り込み処理の実行回数により時間の経過を計測できるようにしている。
また、上述の変動時間記憶領域の値が1から0になったタイミングで開始する特図変動関連処理では、大当たりフラグがオンの場合には、特図表示装置114に特図1または特図2、大当たりフラグがオフの場合には、特図3を表示するように設定すると共に、その後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するように設定する。この設定により特図の停止表示を行い、特図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。
すなわち、本実施例における「特別図柄(特図)変動遊技」は、第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合に、ステップS203の入賞検出処理で、特図当選乱数値および特図乱数値を取得し、取得した値をRAM308の所定の記憶領域にそれぞれ記憶するところから開始し、ステップS204の特図関連処理でRAM308の所定の記憶領域に記憶している乱数カウンタの値を特図タイマ乱数値として取得し、RAM308の所定の記憶領域に記憶してある特図当選乱数値に基づいて大当たり判定し、RAM308の所定の記憶領域に記憶してある特図乱数値に基づいて確率変動の判定を行い、大当たり判定結果および取得した特図タイマ乱数値などに基づいて特図変動時間を決定し、その変動時間の間に亘って特図を変動表示し、さらに上述の大当たり判定結果および確率変動の判定に基づいて決定した特図1、特図2または特図3の停止表示を行って終了する。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミングで開始する特図変動関連処理では、大当たりフラグがオンの場合には、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置110による大当たりを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミングで開始する特図変動関連処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口130に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド330に、扉部材を開放状態に保持する信号を出力するように設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミングで開始する特図変動関連処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド330に、扉部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するように設定する。
この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(例えば15ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図変動関連処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置110による大当たりを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミングで開始する特図変動関連処理では、保留している特図変動遊技の数が1以上であれば、上述の大当たり判定など次の特図変動遊技を開始する。なお、保留している特図変動遊技の数は、RAM308に設けた特図保留数記憶領域に記憶するようにしており、大当り判定をするたびに、保留している特図変動遊技の数から1を減算した値を、この特図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。
ステップS205では、普図変動遊技に関する処理(普図関連処理)を行う。この普図関連処理では、普図変動遊技および第2特図始動口128の開閉制御を行っておらず、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合には、最初に当たり判定を行う。
具体的には、ステップS203で乱数値記憶領域に記憶した普図当選乱数値が、所定の判定テーブルの抽選データの数値範囲であるか否かを判定し、普図当選乱数値が抽選データの数値範囲である場合には、普図変動遊技の当選と判定して当たりフラグをオンに設定する。一方、普図当選乱数値が抽選データの数値範囲外である場合には、普図変動遊技の外れと判定して当たりフラグをオフに設定する。
当たり判定の結果に関わらず、次にタイマ番号を決定する処理を行う。具体的には、上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得する。そして、普図変動遊技の保留球数、および取得した普図タイマ乱数値に基づいてタイマ番号を選択し、RAM308に設けたタイマ番号記憶領域に記憶する。また、そのタイマ番号に対応する変動時間をRAM308に設けた変動時間記憶領域に記憶して処理を終了する。
また、上述の普図用の変動時間記憶領域の値が1から0になったタイミングで開始する普図関連処理では、当たりフラグがオンの場合には、普図表示装置112に上述の普図1、当たりフラグがオフの場合には上述の普図2を表示するように設定すると共に、その後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するように設定する。この設定により普図の停止表示を行い、普図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。
すなわち、本実施例における「普通図柄(普図)変動遊技」は、普図始動口124に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合に、ステップS203の入賞検出処理で、普図当選乱数値を取得し、取得した値をRAM308の所定の記憶領域に記憶するところから開始し、ステップS205の普図関連処理でRAM308の所定の記憶領域に記憶している乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、RAM308の所定の記憶領域に記憶してある普図当選乱数値に基づいて当り判定し、その判定結果と取得した普図タイマ乱数値に基づいて普図変動時間の決定を行い、その変動時間の間に亘って普図を変動表示し、さらに上述の当り判定結果に基づいて決定した普図1または普図2の停止表示を行って終了する。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミングで開始する普図関連処理では、当りフラグがオンの場合には、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口128の羽根の開閉駆動用のソレノイド330に、羽根を開放状態に保持する信号を出力するように設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミングで開始する普図関連処理では、第2特図始動口128の羽根の開閉駆動用のソレノイド330に、羽根を閉鎖状態に保持する信号を出力するように設定すると共に、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)開閉駆動用のソレノイド330に、羽根の閉鎖状態を保持するように設定する。
また、所定の閉鎖期間を経過したタイミングで開始する普図関連処理では、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上記当り判定処理など次の普図変動遊技を開始する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。
ステップS206では、演出制御部350に対して制御コマンド(演出コマンド)を送信する。なお、この制御コマンドには、上述のステップS204で大当たり判定をおこなった場合に送信する変動開始コマンド、上述の変動時間記憶領域の値が1から0になった場合に送信する変動停止コマンド、大当たり判定で大当たりフラグを設定した場合に送信する大当たり開始コマンド、上述の所定の開放期間の開始毎に送信するラウンド開始情報などがあり、上述の変動開始コマンドには、変動時間(例えば選択したタイマ番号)、確変フラグのオン/オフの情報、大当たりフラグのオン/オフの情報などを含み、ラウンド開始コマンドには大当たりを開始してから可変入賞口130を開放させた回数を示す情報(例えばラウンド数)などを含めるようにしている。また、払出制御部400に対して払出コマンドを送信する。なお、この払出コマンドには、上述の賞球数記憶領域の値に基づく賞球数などを含めるようにしている。
ステップS207では、各種ソレノイド330を駆動して、第2特図始動口128、可変入賞口130の開閉を制御したり、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路550に出力する。また、表示回路322、324、328を介して普図表示装置112、特図表示装置114、各種状態表示部326などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。
ステップS208では、普通図柄表示装置112、特図表示装置114に図柄を変動・停止表示する時間、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS209では、電源管理部500から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路が、所定の値以下である場合に電圧が低下したことを示す電圧低下信号を出力しているか否か、すなわち電源の遮断を検知したか否かを監視し、電源の遮断を検知した場合には、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化などの電断処理を行う。
<演出制御部メイン処理>
次に、図17(a)を用いて、演出制御部350のCPU354が実行する演出制御部メイン処理について説明する。なお、同図は演出制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
演出制御部350には、電源が投入されるとリセット信号を出力するリセット信号出力回路を設けている。このリセット信号を入力した基本回路352のCPU354は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM356に予め記憶した制御プログラムに従って処理を実行し、まず、ステップS301で各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定や、各種変数の初期化などを行う。
ステップS302では、コマンド入力処理(詳細は後述)を行う。
ステップS303では、I/O360の出力ポートを介して液晶制御回路374にコマンドを出力する。演出制御部350は、後述するストローブ処理または演出制御部タイマ割り込み処理による中断を除いて、以降、ステップS302およびS303の処理を繰り返し実行する。
<コマンド入力処理>
次に、図17(b)を用いて、上記演出制御部メイン処理におけるコマンド入力処理(ステップS302)について説明する。同図はコマンド入力処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS401では、後述するコマンド記憶領域の内容を確認し、未処理のコマンドが残っているか否かを判断する。そして、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っている場合にはステップS402に進み、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っていない場合には処理を終了して演出制御部メイン処理に復帰する。
図17(f)は変動パターン処理の流れを示すフローチャートであり、同図(g)は図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。コマンド入力処理のステップS402では、コマンド記憶領域に記憶している未処理コマンドのうちの次に処理するべき未処理コマンドの種類に基づいて、図17(f)に示す変動パターン処理(例えば、未処理コマンドが上記変動開始コマンド、大当たりコマンドの場合に実行する)や、同図(g)に示す図柄停止処理(例えば、未処理コマンドが上記変動停止コマンドの場合に実行する)などを行う。なお、未処理コマンドに基づく処理は他にも備えており、例えば、大当たり中に可変入賞口130の開放制御を開始するたびに主制御部300が出力し、大当たり開始後の可変入賞口130の開放回数を示す情報を含むラウンド開始コマンドが未処理コマンドである場合に行うラウンド開始処理などである。その他の処理は、ここでは割愛する。
変動パターン処理のステップS501では、未処理コマンドに含まれている上記大当たりフラグの値、およびタイマ番号を抽出し、RAM358のそれぞれの記憶領域に記憶する。また、演出制御部350が記憶する各種データテーブルを参照して演出データ(例えば、変動番号、仮停止図柄・停止図柄の組合せ、ステージなど)を選択し、これをRAM358に設けた記憶領域に記憶した後、処理を終了する。
図柄停止処理のステップS601では、上述の図柄記憶領域に記憶している停止図柄の組合せを構成する3つの装飾図柄を装飾図柄表示装置110の左、中、右図柄表示領域110a〜110cの3つの表示領域に表示するように設定する。また、上記ラウンド開始処理では未処理コマンドに含まれている上記大当たり開始後の可変入賞口130の開放回数を示す情報を抽出し、RAM358に設けている記憶領域に記憶する。
<ストローブ割り込み処理>
次に、図17(c)を用いて、演出制御部350のストローブ割り込み処理について説明する。なお、同図はストローブ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
このストローブ割り込み処理は、演出制御部350が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ割り込み処理のステップS701では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM358に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
<チャンスボタン割り込み処理>
次に、図17(d)を用いて、演出制御部350のチャンスボタン割り込み処理について説明する。なお、同図はチャンスボタン割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
このチャンスボタン割り込み処理は、演出制御部350がチャンスボタン検出回路364によってチャンスボタン146の操作を検出した場合に実行する処理である。
ステップS801では、RAM358の検知カウンタ記憶領域に記憶している、チャンスボタン146の押下回数を計測するための検知カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の検知カウンタ記憶領域に記憶する。
<演出制御部タイマ割り込み処理>
次に、図17(e)を用いて、演出制御部350のCPU354によって実行する演出制御部タイマ割り込み処理について説明する。なお、同図は演出制御部タイマ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
演出制御部350は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割り込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割り込みを契機として、演出制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で実行する。
ステップS901では、演出データ更新処理を行う。この演出データ更新処理では、上記ステップS501で記憶した変動番号、仮停止図柄の組合せ、停止図柄の組合せ、および装飾図柄表示装置110、第1造形物240、第2造形物250、可動人形260、スピーカ366および各種ランプ370等による演出を制御するための動作制御データの更新を行う。また、所定の条件が成立している場合には所定の演出を実行するか否かの抽選を行う。
ステップS902では、音出力処理を行う。この音出力処理では、上記ステップS801で取得したスピーカ制御用の情報に含まれるスピーカ366に出力する音声データをI/O360の出力ポートに設定し、スピーカ366の出力制御を音源IC368に行わせる。
ステップS903では、ランプ制御処理を行う。このランプ制御処理では、上記ステップS801で取得した各種ランプ制御用の情報に含まれる各種ランプ370に出力するランプの点灯・消灯を示すデータなどをI/O360の出力ポートに設定し、各種ランプ370の点灯や消灯の制御を表示回路372に行わせる。
ステップS904では、モータ等制御処理を行う。この演出処理では、上記ステップS801で取得した第1造形物240、第2造形物250および可動人形260等の制御用の情報に含まれる動作タイミングを示すデータ等をI/O360の出力ポートに設定し、第1造形物240等を駆動する各種モータ等376の制御を駆動回路378に行わせる。
以上説明したように、本実施例に係るパチンコ機100は、遊技球を所定の領域に導くための通路(本実施例では、第1ワープ通路)210と、通路210の内部に配設される造形物(本実施例では、第2造形物)250と、を備え、造形物250には、遊技台(本実施例では、パチンコ機)100に施された装飾と関連する装飾が施されているため、遊技者が装飾された造形物250に注目することにより、通路210の存在に気がつくことを可能とし、通路210の存在に気がつかず遊技を行ってしまい、遊技者が獲得可能な利益を獲得できないといったことを防止することができる。また、装飾された造形物250を通路210内に備えるという斬新な装飾を行うことで、遊技の興趣を高め、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
また、遊技台100を装飾する背景絵が描かれた遊技盤102をさらに備え、造形物250には、背景絵と関連する装飾が施されているため、遊技台全体に施された装飾の調和を乱すことなく、通路210の存在を遊技者に示すことができる。
また、造形物250は、背景絵の一部を立体化したものであるため、背景に描かれた絵の一部があたかも飛び出したような斬新な装飾を遊技台100に施すことができる。
また、遊技台100に配設されて遊技台を装飾する装飾物(本実施例では、普図始動口124や可動人形260等)をさらに備え、造形物250は、装飾物と関連する装飾が施されているため、例えば、可動人形260等と造形物250を関連させた演出を行うことが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
また、各種の情報を表示する表示装置(本実施例では、装飾図柄表示装置)110をさらに備え、造形物250には、表示装置110に表示される画像と関連する装飾が施されているため、表示装置110の画像と造形物250を関連させた演出を行うことが可能となる。
また、造形物250は、表示装置110に表示される画像の一部を立体化したものであるため、表示装置110に表示された画像の一部があたかも飛び出したような斬新な装飾を施すことができる上に、表示装置110の画像と造形物250を関連させた演出を行うことが可能となる。
また、造形物250は、動作可能であるため、造形物250を動作させることによって、より明確に通路210の存在を遊技者に示すことができる。また、造形物250と、表示装置110または可動人形260等の可動物を連動させた多彩な演出を行うことが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
また、造形物250は、通路210の外部へ飛び出すように動作するため、より明確に通路210の存在を遊技者に示すことができる。
また、造形物250は、遊技球の流下方向の逆方向に移動して通路210の外部に飛び出すため、通路210の経路を造形物250の動きで遊技者に示すと共に、通路210の入口212の存在を明確に遊技者に示すことができる。
また、造形物250は、遊技者が視認可能な位置に配設されるため、遊技者は造形物250を見落とすことがなく、通路210の存在を早期に認識することができる。
また、通路210は、造形物250を外部から認識可能な程度に透明な材質からなるため、遊技者は造形物250が通路210内にある場合にも造形物250を視認することが可能となり、通路210の存在を早期に認識することができる。
また、通路210の断面は、2つの遊技球が並列して通過することが不可能な大きさであるため、通路210内に造形物250を配設することで、遊技者がその存在に気が付き易い広い通路内に造形物250を配設した場合よりも効果的に、遊技者がその存在に気が付き難い狭い通路210の存在を遊技者に示すことができる。
また、通路210は、1つの入口と1つの出口を備えるため、造形物250を通路210内に配設したことによって遊技球の進路が変わり、遊技者の獲得する利益に影響を与えるようなことはない。このため、遊技の興趣を低下させずに通路210の存在を遊技者に示すことができる。また、入口と出口が1つで構成された通路の場合、入口に入った時点で出口から球が出てくることが決定されるので、遊技者は通路に入った球に関しては興味を持たない場合が多い。この場合、通路内に他に何もなければ通路自体にも興味を持つことがなく、通路に気がつかない可能性があるので、入口と出口が1つの通路に造形物250を備えることで、より効果的に遊技の興趣を高めることができる。
また、遊技球が入球する入賞口(本実施例では、第1特図始動口および第2特図始動口)126、128をさらに備え、通路210は、遊技球が通路210を通過した場合に、通路210を通過しなかった場合よりも入賞口126、128に入球しやすくなるように構成されるため、遊技球が通過することによって遊技者に利益が与えられる可能性が高まるような重要な通路を遊技者に明確に示すことによって、遊技の興趣を高め、遊技者の遊技意欲を高めることができる。