以下、図面を用いて、本発明の実施例1に係るパチンコ機(遊技台)について詳細に説明する。
まず、図1を用いて、本発明の実施例1に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面(遊技者側)から見た状態を示す略示正面図である。
パチンコ機100は、ガラスおよびガラス枠からなる前面扉(図示省略)の奥側にガラスを通して視認可能に配設した遊技盤(盤面)102を備えている。この遊技盤102には、遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある。)を遊技盤102の中央に位置する遊技領域104に案内するための外レール106と内レール108を配設している。
遊技領域104の中央上側には、演出装置200を配設している。この演出装置200には、略中央に横長の装飾図柄表示装置110を配設し、右下に、普通図柄表示装置112と、特別図柄表示装置114と、普通図柄保留ランプ116と、特別図柄保留ランプ118と、高確中ランプ120を設けている。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
演出装置200は、可動部を動作して演出を行うものであり、遊技状態に応じて、様々な演出を行う。
装飾図柄表示装置110は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な画像を表示するための表示装置であり、本実施例では液晶表示装置によって構成する。この装飾図柄表示装置110は、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110c(後述する遮蔽手段によって隠れている)および演出表示領域110dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110bおよび左図柄表示領域110cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域110dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域110a、110b、110c、110dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置110の表示画面内で自由に変更することを可能としている。装飾図柄としては、例えば、1から10までの数字や、種々のキャラクタ画像などを用いることが一般的である。
普図表示装置112は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。特図変動装置114は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。遮蔽手段250は、選択された演出パターンに応じて扉部材が開閉動作を行い、装飾図柄表示装置110の表示を物理的に隠す演出に用いられる。
普図保留ランプ116は、保留している普図の変動の数を示すためのランプであり、本実施例では、普図変動遊技を2つまで保留することを可能としている。特図保留ランプ118は、保留している特図の変動の数を示すためのランプであり、本実施例では、特図変動遊技を4つまで保留することを可能としている。高確中ランプ120は、遊技状態が高確率状態(いわゆる確変状態)であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、この演出装置200の周囲には、一般入賞口122と、普図始動口124と、特図始動口128と、可変入賞口130を配設している。
一般入賞口122は、本実施例では左右に2つずつ配設しており、この一般入賞口122への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口122に入賞した場合)、後述する払出装置402を駆動し、所定の個数(本実施例では10個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。貯留皿144に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口122に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施例では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口124は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域104の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施例では左右に1つずつ配設している。普図始動口124を通過した球は一般入賞口122に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口124を通過したことを所定の玉検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置112による普図変動遊技を開始する。
特図始動口128は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施例では盤面中央部に1つだけ配設している。この特図始動口128は、左右に開閉自在な羽根部材を備え、羽根部材の閉鎖中は球の入球が困難であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置112が当たり図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。特図始動口128への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置402を駆動し、所定の個数(本実施例では5個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。特図始動口128に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施例では、上記羽根部材に移動式のトラックベルトを設けている。詳細は後述する。
可変入賞口130は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施例では遊技領域104の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口130は、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選し、特図表示装置114が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口130への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置402を駆動し、所定の個数(本実施例では15球)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。なお、可変入賞口130に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材132や、釘134を複数個、配設していると共に、内レール108の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口136を設けている。
遊技盤102の下方には、後述する発射モータ452によって回動する発射杆138と、この発射杆138の先端部に取り付けて球を遊技領域104に向けて打ち出す発射槌140と、この発射槌140によって打ち出す球を外レール106に導くための発射レール142と、球を一時的に貯留すると共に、貯留している球を順次、発射レール142に供給するための貯留皿144と、遊技者による押下操作が可能であり、所定の時期にその操作を検出した場合に上記装飾図柄表示装置110等による演出表示を変化させるためのチャンスボタン146を配設している。
また、発射杆138および発射槌140の下方には、発射杆138を制御して遊技領域104に向けて球の発射強度の操作を行うための操作ハンドル148が設けられていると共に、貯留皿144の下方には、貯留皿144に貯留できない溢れ球を貯留するための下皿150を設けている。
このパチンコ機100は、遊技者が貯留皿144に貯留している球を発射レール142の発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドル148の操作量に応じた強度で発射モータ452を駆動し、発射杆138および発射槌140によって外レール106、内レール108を通過させて遊技領域104に打ち出す。そして、遊技領域104の上部に到達した球は、打球方向変換部材132や釘134等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口122、可変入賞口130)や特図始動口128に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口124を通過するのみでアウト口136に到達する。
次に、図2(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図表示装置114、装飾図柄表示装置110、普図表示装置112が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
図2(a)は特図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施例の特図の停止表示態様には、大当たり図柄である「特図1」と、外れ図柄である「特図2」の2種類がある。特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として特図変動遊技を開始した場合には、特図表示装置114は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図の変動表示」を行う。そして、特図の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図変動遊技の当選を報知する場合には「特図1」を停止表示し、特図変動遊技の外れを報知する場合には「特図2」を停止表示する。なお、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
図2(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施例の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾8」の8種類がある。特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置110の左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾7」→「装飾8」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。そして、大当たりを報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ(本実施例では、同一の数字の装飾図柄の組合せ(例えば、「装飾2−装飾2−装飾2」))を停止表示し、特別大当たりを報知する場合には、特別大当たりに対応する図柄組合せ(本実施例では、同一の奇数番号数字の装飾図柄の組合せ(例えば、「装飾1−装飾1−装飾1」))を停止表示する。なお、大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、大当たり遊技または特別大当たり遊技を開始し、特別大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、特別大当たり遊技を開始する。また、外れを報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示した後で、保留している装飾図柄の変動表示があれば、その変動表示を開始する。
図2(c)は普図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施例の普図の停止表示態様には、当たり図柄である「普図1」と、外れ図柄である「普図2」の2種類がある。普図始動口124を球が通過したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として普図表示遊技を開始した場合には、普図表示装置112は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図1」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図2」を停止表示する。
次に、図3を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主に演出の制御を行う演出制御部350と、主制御部300が送信するコマンドに応じて、主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部400と、遊技球の発射制御を行う発射制御部450と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部500によって構成している。
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する演出制御部350についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発信器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発信器314が出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路316(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ318が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路316および基本回路302に出力するためのセンサ回路320と、特図表示装置114の表示制御を行うための表示回路322と、普図表示装置112の表示制御を行うための表示回路324と、各種状態表示部326(普図保留ランプ116、特図保留ランプ118、高確中ランプ118等)の表示制御を行うための表示回路328と、特図始動口128や可変入賞口130等を開閉駆動する各種ソレノイドやモータ330を制御するためのソレノイド・モータ回路332を接続している。
なお、特図始動口128に球が入賞したことを球検出センサ318が検出した場合には、センサ回路320は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路316に出力する。この信号を受信したカウンタ回路316は、特図始動口128に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、特図始動口128に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路550にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、演出制御部350にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、演出制御部350および払出制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と演出制御部350および払出制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は演出制御部350および払出制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、演出制御部350および払出制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
次に、パチンコ機100の演出制御部350について説明する。
演出制御部350は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて演出制御部350の全体を制御する基本回路352を備えており、この基本回路352には、CPU354と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM356と、一時的にデータを記憶するためのRAM358と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O360と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ362を搭載している。この基本回路352のCPU354は、水晶発信器364が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路352には、スピーカ366(およびアンプ)の制御を行うための音源IC368と、各種ランプ370の制御を行うための表示回路372と、演出装置200の情報報知用可動体210および演出用可動体220を駆動するソレノイドまたはモータ等が含まれる各種演出用ソレノイド等374の制御を行うためのソレノイド回路376と、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110および遮蔽手段250の制御を行うための液晶制御回路378と、チャンスボタン146を接続している。
次に、パチンコ機100の払出制御部400、発射制御部450、電源制御部500について説明する。
払出制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置402を制御すると共に、払出センサ404が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部406を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット552との通信を行う。
発射制御部450は、払出制御部400が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、操作ハンドル148内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による発射ハンドル148の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆138および発射槌140を駆動する発射モータ452の制御や、貯留皿144から発射レール142に球を供給する球送り装置453の制御を行う。
電源制御部500は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、演出制御部350等の各制御部や払出装置402等の各装置に供給する。さらに、電源制御部500は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
次に、図4を用いて、パチンコ機100の主制御部300のROM306が記憶しているデータテーブルについて説明する。なお、同図(a)は大当たり判定テーブルの一例を、同図(b)は高確率状態移行判定テーブルの一例を、同図(c)はタイマ番号決定テーブルの一例を、それぞれ示した図である。
図4(a)に示す大当たり判定テーブルは、RAM308に設けた遊技状態格納領域に記憶している情報(以下、単に「遊技情報」と称する。)の種類と、特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合に使用する抽選データを対応付けて記憶したデータテーブルである。主制御部300の基本回路302は、これらの情報を用いて特図変動遊技を当選(大当たり)とするか、不当選(外れ)とするかの決定、すなわち「大当たり判定」を行う。なお、「遊技情報」は、特図変動遊技を所定の低確率で当選と判定する低確率状態を示す情報、および低確率よりも高い高確率で特図変動遊技を当選と判定する高確率状態を示す情報等を含むが、以下、これらを単に「低確率状態」および「高確率状態」と称する。
特図始動口用抽選データは、特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合に開始する特図変動遊技の結果を決定するために使用する抽選データである。例えば、遊技状態が低確率状態の場合、取得した特図当選乱数値(乱数値については後述する)が10001〜10187であるときは、特図変動遊技の当選と判定する。一方、取得した特図当選乱数値が10001〜10187以外の数値である場合には、特図変動遊技の外れと判定する。なお、本実施例では、特図当選乱数値の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)、低確率状態における特図始動口用抽選データが示す数値範囲は10001〜10187(数値範囲の大きさは187)であるから、低確率状態の特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は、約1/350.4(=187/65536)である。これに対して、高確率状態における特図始動口用抽選データが示す数値範囲は30001〜31310(数値範囲の大きさは1310)であるから、高確率状態の特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は約1/50.0(=1310/65536)であり、特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は、低確率状態よりも高確率状態の方が高くなるように設定している。
図4(c)に示すタイマ番号決定テーブルは、特図表示装置114による特図の変動表示を開始してから停止表示をするまでの変動時間を示すタイマ番号を決定するための抽選に使用する抽選データを記憶したデータテーブルである。主制御部300の基本回路302は、これらの情報と、上記の大当たり判定結果および後述するタイマ乱数の値に基づいて、タイマ番号を決定する。なお、本実施例では、特図タイマ乱数値の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)、上記の大当たり判定結果が不当選の場合は、タイマ1のタイマ乱数の範囲は0〜60235(数値範囲の大きさは60236)であるから、タイマ番号としてタイマ1(変動時間5秒、リーチなし)を選択する確率は60236/65536である。また、タイマ番号として、タイマ2(変動時間10秒、ノーマルリーチ)を選択する確率は4250/65536、タイマ3(変動時間20秒、ロングリーチ)を選択する確率は800/65536、タイマ3(変動時間40秒、マルチラインリーチ)を選択する確率は250/65536である。一方、大当たり判定結果が当選の場合は、タイマ2のタイマ乱数の範囲は0〜15535(数値範囲の大きさは15536)であるから、タイマ番号としてタイマ2(変動時間10秒、ノーマルリーチ)を選択する確率は15535/65536である。また、タイマ番号として、タイマ3(変動時間20秒、ロングリーチ、ノーマルリーチ(再変動))を選択する確率は9000/65536、タイマ4(変動時間40秒、マルチラインリーチ)を選択する確率は38000/65536、タイマ5(変動時間50秒、全回転リーチ)を選択する確率は3000/65536である。
次に、図5〜図8を用いて、パチンコ機100の演出制御部350のROM356が記憶しているデータテーブルについて説明する。
図5(a)は上記の大当たり判定の結果が不当選(後述する大当たりフラグがオフ)の場合に使用する変動番号選択テーブルの一例を示したものであり、同図(b)は上記の大当たり判定の結果が当選(大当たりフラグがオン)の場合に使用する変動番号選択テーブルの一例を示したものである。
同図(a)および(b)に示す変動番号選択テーブルは、装飾図柄表示装置110における演出表示態様を決定するためのデータテーブルであり、タイマ番号、上記の確変移行判定の結果(後述する確変フラグの値)、および後述する変動決定用乱数の値に基づいた変動番号の決定に使用する。なお、変動番号選択テーブルの「変動態様」の項目に対応する列には、変動番号に対応する変動態様を参考までに記載しており、例えば、変動番号の変動11を選択した場合には、後述する変動態様「ロングリーチ」で装飾図柄表示装置110の表示制御を行い、変動番号の変動19を選択した場合には、後述する変動態様「全回転リーチ」で装飾図柄表示装置110の表示制御を行うことを示している。
例えば、上記の大当たり判定の結果が不当選、タイマ番号がタイマ1、確変フラグがオン(またはオフ)の場合には、図5(a)に示す、大当たりフラグがオフの場合の変動番号選択テーブルを参照する。この場合、タイマ番号=タイマ1に対応する変動決定用乱数値の数値範囲は0〜127(数値範囲の大きさは128)であるから、変動番号として、100%(=128/128)の確率で、すなわち取得した変動決定用乱数値に関わらず変動1を選択し、RAM358に設けている変動番号記憶領域に、選択結果が変動1であることを示す情報を記憶する。また、大当たり判定の結果に当選し、タイマ番号がタイマ2、確変フラグがオフの場合には、図5(b)に示す、大当たりフラグがオンの場合の変動番号選択テーブルを参照する。この場合、タイマ番号=タイマ2、確変フラグ=オフに対応する変動決定用乱数値の数値範囲は0〜47(数値範囲の大きさは48)と48〜127(数値範囲の大きさは80)の2種類があるから、変動番号として、48/128の確率で変動6を選択し、80/128の確率で変動7を選択する。
図6〜図8は、図5を用いて決定した変動番号、及び図柄決定用乱数の値に基づいて装飾図柄表示装置110に仮停止させる仮停止図柄の組合せ、および停止表示させる停止図柄の組合せを決定するための図柄決定テーブルの一例を示した図であり、図6(a)は変動番号が変動1である場合に使用し、仮停止および停止させる装飾図柄の組合せの種類を決定するための図柄決定テーブルの一例を、同図(b)は変動2〜変動5に対応する図柄決定テーブルの一例を、同図(c)は変動6、10、13、14、18に対応する図柄決定テーブルの一例を示したものである。また、図7(a)は変動7に対応する図柄決定テーブルの一例を、同図(b)は変動9に対応する図柄決定テーブルの一例を、同図(c)は変動11、15、16、19に対応する図柄決定テーブルの一例を、図8(a)は変動8、17、20に対応する図柄決定テーブルの一例を、同図(b)は変動12に対応する図柄決定テーブルの一例を、それぞれ示したものである。なお、仮停止図柄の組合せは、図柄が停止図柄の組合せとなる前に一時的に停止する仮の停止図柄の組合せを示しており、停止図柄の組合せは、最終的に停止する停止図柄の組合せを示している。
また、図6(a)および(b)に示す、変動1〜変動5に対応する図柄決定テーブルは、大当たり判定が不当選の場合(外れの場合)に選択するテーブルであり、図6(c)、図7(a)に示す、変動6、10、13、14、18、7に対応する図柄決定テーブルは、大当たり判定が当選で確変移行判定が不当選の場合(大当たりの場合)に選択するテーブルであり、図7(b)および(c)、図8(a)および(b)に示す、変動9、11、15、16、19、8、17、20、12に対応する図柄決定テーブルは、大当たり判定が当選で確変移行判定も当選の場合(特別大当たりの場合)に選択するテーブルである。ここで、図7(b)および(c)、図8(a)および(b)に示すテーブルは特別大当たりの場合にのみ選択するように構成しているが、このテーブルを用いて停止図柄の組合せを選択した場合には、図柄表示領域110a〜110cに特別大当たりに対応する図柄組合せではなく、大当たりに対応する図柄組合せを停止表示する場合を含んでいる。もちろん停止表示後には特別大当たり遊技を開始し、大当たり動作の終了後には高確率状態に設定する。
演出制御部350は、例えば、変動番号が変動6である場合には、図6(c)に示す図柄決定テーブルを参照する。この場合、変動6に対応する図柄決定用乱数値(乱数値については後述する)の数値範囲は、0〜31(数値範囲の大きさは32)、32〜63(数値範囲の大きさは32)、64〜95(数値範囲の大きさは32)、96〜127(数値範囲の大きさは32)の4種類があるから、停止図柄の組合せとして、それぞれ1/4(=32/128)の確率で、「装飾2−装飾2−装飾2」、「装飾4−装飾4−装飾4」、「装飾6−装飾6−装飾6」、または、「装飾8−装飾8−装飾8」のいずれかを選択する。
<主制御部メイン処理>
次に、図9を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300には、電源が投入されるとリセット信号を出力するリセット信号出力回路を設けている。このリセット信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って処理を実行し、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定、各種変数の初期化、後述する主制御部タイマ割り込み処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理等を行う。
ステップS102では、復帰データ(前回、電源が遮断された時点における制御状態を復帰させるための情報を保存したデータ)をRAM308が記憶しているか否かを判断する。そして、復帰データをRAM308に記憶していた場合にはステップS103に進み、記憶していなかった場合にはステップS104に進む。
ステップS103では、復帰データを用いて、電源の遮断前の状態に復帰する。例えば、電源の遮断前に行っていた処理が後述するステップS104における所定の乱数カウンタの更新を行う直前の処理の場合は、その所定の乱数カウンタの更新から開始する。
ステップS104では、ソフトウェア乱数カウンタの更新を行う。ここでは、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、特図タイマ乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜20とすると、RAM308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始する定期割り込み処理を行っている間を除いて、このステップS104の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割り込み処理>
次に、図10を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割り込み処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割り込みを発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割り込みを契機として主制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、I/O310の入力ポートの値を取得して、各種センサ318の状態を検出する。例えば、特図始動口128に球が入球していることを検出した場合にオン信号を出力する球検出センサからの信号を入力する。他の入賞口、ゲート等についてもそれぞれ対応する球検出センサを設けており、これら球検出センサからの信号を入力している。入力した結果は、RAM308に各種センサごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶しておく。
ステップS202では、ソフトウェア乱数カウンタの更新を行う。ここでは、主制御部300で使用する普図当選乱数値および特図乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタと、上記の普図当選乱数値、および特図乱数値の初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上記の初期値記憶領域に記憶しておく。これらの処理の後でステップS104で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行う。なお、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上記の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。
ステップS203では、上記ステップS201で各種センサから入力した信号の状態に基づいて入賞検出を行う。この入賞検出では、入賞口(一般入賞口122、特図始動口128、および可変入賞口130)に入賞(入球)があった場合には、RAM308に設けた賞球数記憶領域の値に入賞口ごとに予め定めた賞球数を加算したり、特図始動口128に入賞があり、且つ、保留している特図変動遊技の数が4未満である場合には、カウンタ回路316のカウンタ値記憶用レジスタから値を特図当選乱数値として取得する。また、上記の特図乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図乱数値として取得し、RAM308に設けた乱数値記憶領域に特図当選乱数値と共に記憶する。また、普図始動口124を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が2未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図当選乱数値として取得し、RAM308に設けた上記特図用とは別の乱数値記憶領域に記憶する。
ステップS204では、特図変動遊技に関する処理(特図関連処理)を行う。この特図関連処理では、特図変動遊技および可変入賞口130の開閉制御を行っておらず、且つ、保留している特図変動遊技の数が1以上である場合に、上記図4(a)の大当たり判定テーブル、同図(b)の高確率状態移行判定テーブル、同図(c)のタイマ番号決定テーブル等を使用した各種抽選のうち、最初に大当たり判定を行う。具体的には、ステップS203で乱数値記憶領域に記憶した特図当選乱数値が、図4(a)に示す大当たり判定テーブルの特図始動口用抽選データの数値範囲であるか否かを判定し、特図当選乱数値が特図始動口用抽選データの数値範囲である場合には、特図変動遊技の当選と判定してRAM308に設けた大当たりフラグの格納領域に大当たりとなることを示す情報を設定する(以下、大当たりの情報をRAM308に設定することを「大当たりフラグをオンに設定する」という)。一方、特図当選乱数値が特図始動口用抽選データの数値範囲以外である場合には、特図変動遊技の外れと判定してRAM308に設けた大当たりフラグの格納領域に外れとなることを示す情報を設定する(以下、外れの情報をRAM308に設定することを「大当たりフラグをオフに設定する」という)。
具体例としては、遊技状態が低確率状態であり、特図始動口128への球入賞の検出に基づいて取得した特図当選乱数値が10100の場合は大当たりフラグをオンに設定し、特図当選乱数値が10200の場合は大当たりフラグをオフに設定する。
大当たりフラグにオンを設定した場合には、次に確変移行判定を行う。具体的には、ステップS203で乱数値記憶領域に記憶した特図乱数値が、図4(b)に示す移行判定乱数の数値範囲であるか否かを判定し、特図乱数値が抽選データの数値範囲である場合には、RAM308に設けた確変(確率変動)フラグの格納領域に、特別大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する。(以下、特別大当たり遊技開始の情報をRAM308に設定することを「確変フラグをオンに設定する」という)。一方、特図乱数値が抽選データの数値範囲以外である場合には、上記の確変フラグの格納領域に、大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(以下、大当たり遊技開始の情報をRAM308に設定することを「確変フラグをオフに設定する」という)。例えば、取得した特図乱数値が20の場合には確変フラグをオンに設定する。一方、取得した特図乱数値が80の場合には確変フラグをオフに設定する。
大当たり判定の結果に関わらず、次にタイマ番号を決定する処理を行う。具体的には、上記特図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を特図タイマ乱数値として取得する。大当たりフラグの値、および取得した特図タイマ乱数値を含む図4(c)に示すタイマ乱数の数値範囲に対応するタイマ番号を選択し、RAM308に設けた所定のタイマ番号格納領域に記憶する。さらに、そのタイマ番号に対応する変動時間をRAM308に設けた所定の変動時間格納領域に記憶して処理を終了する。
例えば、大当たりフラグがオフで、取得した特図タイマ乱数値が50000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜60235の範囲であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する1行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ1、および変動時間を示す5を選択し、RAM308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。一方、大当たりフラグがオンで、取得した特図タイマ乱数値が64000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜15535の範囲ではないことからタイマ2は選択せず、15536〜24535ではないことからタイマ3は選択せず、24536〜62535ではないことからタイマ4は選択しないが、62536〜65535の範囲内であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する8行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ5、および変動時間を示す50を選択し、RAM308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。なお、割り込み処理の開始周期である2msを考慮して、選択した変動時間の値に2000を掛けた値を変動時間記憶領域にセットする。例えば、変動時間が5秒の場合には、変動時間記憶領域には10000の値を初期値としてセットし、後述するタイマ更新処理(ステップS208)を実行する度に、この変動時間記憶領域の値を1だけ減算するようにすることで、割り込み処理の実行回数により時間の経過を計測できるようにしている。
その他、変動時間記憶領域の値が1から0になったタイミングで開始する特図変動関連処理で、大当たりフラグがオンの場合には特図表示装置114に図2(a)に示す特図1、大当たりフラグがオフの場合には、図2(a)に示す特図2を表示するように設定すると共に、その後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するように設定する。この設定により特図の停止表示を行い、特図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミングで開始する特図変動関連処理では、大当たりフラグがオンの場合には、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置110による大当たりを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定する。大当たりフラグがオフの場合に、保留している特図変動遊技の数が1以上であれば、上記大当たり判定等特図変動遊技を開始する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミングで開始する特図変動関連処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口130に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド330に、扉部材を開放状態に保持する信号を出力ように設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミングで開始する特図変動関連処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド330に、扉部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するように設定する。
この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(例えば15ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図変動関連処理で、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置110による大当たりを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミングで開始する特図変動関連処理では、保留している特図変動遊技の数が1以上であれば、上記大当たり判定等特図変動遊技を開始する。なお、保留している特図変動遊技の数は、RAM308に設けた特図保留数記憶領域に記憶するようにしており、大当たり判定をするたびに、保留している特図変動遊技の数から1を減算した値を、この特図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。
ステップS205では、普図変動遊技に関する処理(普図関連処理)を行う。この普図関連処理では、普図変動遊技および特図始動口128の開閉制御を行っておらず、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上記乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定を行い、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。
次に、上記普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置112に普図を変動表示する時間を1つ選択し、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶し、普図表示装置112による普図の変動表示の開始の設定を行い、処理を終了する。普図を変動表示する時間が経過したタイミングにおける普図関連処理では、当りフラグがオンの場合には、図2(c)に示す普図1を普図表示装置112に表示する設定をし、当りフラグがオフの場合には、図2(c)に示す普図2を表示する設定をすると共に、その後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するように設定する。この設定により普図の停止表示を行い、普図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミングで開始する普図変動関連処理では、当りフラグがオンの場合には、所定の開放期間(例えば2秒間)特図始動口128の羽根部材の開閉駆動用のソレノイド330に、羽根部材を開放状態に保持する信号を出力ように設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミングで開始する普図変動関連処理では、特図始動口128の羽根部材の開閉駆動用のソレノイド330に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するように設定すると共に、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)開閉駆動用のソレノイド330に、羽根部材の閉鎖状態の保持するように設定する。
また、所定の閉鎖期間を経過したタイミングで開始する普図変動関連処理では、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上記当り判定処理等普図変動遊技を開始する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。
ステップS206では、演出制御部350に対して制御コマンド(演出コマンド)を送信する。なお、この制御コマンドには、上記ステップS204で大当たり判定を行った場合に送信する変動開始コマンド、上記変動時間記憶領域の値が1から0になったタイミングで送信する変動停止コマンド、上記所定の開放期間の開始毎に送信するラウンド開始情報等があり、上記変動開始コマンドには、変動時間(例えば選択したタイマ番号)、確変フラグのオン/オフの情報、大当たりフラグのオン/オフの情報等を含み、ラウンド開始コマンドには大当たりを開始してから可変入賞口130を開放させた回数を示す情報(例えばラウンド数)等を含めるようにしている。また、払出制御部400に対して払出コマンドを送信する。なお、この払出コマンドには、上記賞球数記憶領域の値に基づく賞球数等を含めるようにしている。
ステップS207では、各種ソレノイド330を駆動して特図始動口128や、可変入賞口130の開閉を制御したり、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路550に出力する。また、表示回路322、324、328を介して普図表示装置112、特図表示装置114、各種状態表示部326等に出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。
ステップS208では、普通図柄表示装置112や特別図柄表示装置114に図柄を変動・停止表示する時間、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間等を計時するためのタイマ等を含む各種タイマを更新する。
ステップS209では、電源制御部500から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路が、所定の値以下である場合に電圧が低下したことを示す電圧低下信号を出力しているか否か、すなわち電源の遮断を検知したか否かを監視し、電源の遮断を検知した場合には、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行う。
<演出制御メイン処理>
次に、図11(a)を用いて、演出制御部350のCPU354が実行する演出制御部メイン処理について説明する。なお、同図は演出制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
演出制御部350には、電源が投入されるとリセット信号を出力するリセット信号出力回路を設けている。このリセット信号を入力した基本回路352のCPU354は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM356に予め記憶した制御プログラムに従って処理を実行し、まず、ステップS301で各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定や、各種変数の初期化等を行う。
ステップS302では、コマンド入力処理を行う。
ステップS303では、I/O360の出力ポートを介して液晶制御回路378にコマンドを出力する。演出制御部350は、後述するストローブ処理または演出制御部タイマ割り込み処理による中断を除いて、以降、ステップS302およびS303の処理を繰り返し実行する。
<コマンド入力処理>
次に、図11(b)を用いて、上記演出制御部メイン処理におけるコマンド入力処理(ステップS302)について説明する。同図はコマンド入力処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS401では、後述するコマンド記憶領域の内容を確認し、未処理のコマンドが残っているか否かを判断する。そして、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っている場合にはステップS402に進み、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っていない場合には処理を終了して演出制御部メイン処理に復帰する。
図11(f)は変動パターン選択処理の流れを示すフローチャートであり、同図(g)は図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。ステップS402では、コマンド記憶領域に記憶している未処理コマンドのうちの次に処理するべき未処理コマンドの種類に基づいて、図11(f)に示す変動パターン選択処理(例えば未処理コマンドが上記変動開始コマンドに基づいて実行する)や、同図(g)に示す図柄停止処理等を行う。未処理コマンドに基づく処理は他にも備えている。例えば、大当たり中に可変入賞口130の開放制御を開始するたびに主制御部300が出力し、大当たり開始後の可変入賞口130の開放回数を示す情報を含むラウンド開始コマンドが未処理コマンドである場合に行うラウンド開始処理等である。その他の処理は、ここでは割愛する。
変動パターン選択処理のステップS501では、未処理コマンドに含まれている上記大当たりフラグの値、確変フラグの値、およびタイマ番号を抽出し、RAM358のそれぞれの記憶領域に記憶する。また、上記図5(a)または(b)の変動番号選択テーブル、図6〜図8に示す図柄決定テーブル、を参照して演出データを選択し、これをRAM358に設けた記憶領域に記憶した後、処理を終了する。
具体的には、演出制御部350は、所定の乱数生成部により生成した0〜127の数値範囲のうちのいずれかの値を取る乱数値を変動決定用乱数値として取得し、RAM358に設けている変動決定用乱数値記憶領域に記憶する。そして、大当たりフラグに基づいて、図5(a)および(b)のいずれか一方の変動番号テーブルを参照すると共に、タイマ番号、確変フラグ、取得した変動決定用乱数値に基づいて、対応する変動番号を選択し、選択した変動番号をRAM358に設けている変動番号記憶領域に記憶する。例えば、大当たりフラグがオフ、タイマ番号がタイマ4、取得した変動決定用乱数値が100の場合には、図5(a)に示すテーブルを参照し、変動決定用乱数値が0〜95の数値範囲に無いことから変動4を選択せず、変動決定用乱数値が96〜127の数値範囲に含まれることから変動5を選択して変動番号記憶領域に記憶する。一方、大当たりフラグがオン、確変フラグがオン、タイマ番号がタイマ5、取得した変動決定用乱数値が100の場合には、図5(b)に示すテーブルを参照し、変動決定用乱数値が0〜79の数値範囲に無いことから変動19を選択せず、変動決定用乱数値が80〜127の数値範囲に含まれることから変動20を選択して変動番号記憶領域に記憶する。
次に、演出制御部350は、所定の乱数生成部により生成した0〜127の数値範囲のうちのいずれかの値を取る乱数値を図柄決定用乱数値として取得し、RAM358に設けている図柄決定用乱数値記憶領域に記憶する。そして、変動番号、取得した図柄決定用乱数値に基づいて仮停止図柄の組合せ、および停止図柄の組合せをRAM358に設けたそれぞれの図柄記憶領域に記憶する。例えば、変動番号記憶領域に記憶している変動番号が3で、取得した図柄決定用乱数値が50の場合には、図6(b)に示す図柄決定テーブルを参照し、図柄決定用乱数値が0〜21の範囲に無いことから「装飾1-装飾8-装飾1」を選択せず、図柄決定用乱数値が変動決定用乱数値が22〜31の範囲にも無いことから「装飾2-装飾1-装飾2」を選択せず、図柄決定用乱数値が変動決定用乱数値が32〜53の範囲に含まれることから「装飾3-装飾2-装飾3」を選択し、RAM358に設けている図柄記憶領域に記憶する。一方、変動番号記憶領域に記憶している変動番号が9で、取得した図柄決定用乱数値が30の場合には、図7(b)に示す図柄決定テーブルを参照し、図柄決定用乱数値が0〜15の範囲に無いことから仮停止図柄の組合せとして「装飾1-装飾8-装飾1」、停止図柄の組合せとして「装飾1-装飾1-装飾1」を選択せず、図柄決定用乱数値が変動決定用乱数値が16〜31の範囲に含まれることから仮停止図柄の組合せとして「装飾2-装飾1-装飾2」、停止図柄の組合せとして「装飾2-装飾2-装飾2」を選択し、選択した仮停止図柄の組合せ、および停止図柄の組合せをRAM358に設けている図柄記憶領域に記憶する。
図柄停止処理のステップS601では、上記図柄記憶領域に記憶している停止図柄の組合せを構成する3つの装飾図柄を装飾図柄表示装置110の左、中、右図柄表示領域110a〜110cの3つの表示領域に表示するように設定して処理を終了する。また、上記ラウンド開始処理では未処理コマンドに含まれている上記大当たり開始後の可変入賞口130の開放回数を示す情報を抽出し、RAM358の記憶領域に記憶する。
次に、図11(c)を用いて、演出制御部350のストローブ割り込み処理について説明する。なお、同図はストローブ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
このストローブ割り込み処理は、演出制御部350が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ割り込み処理のステップS701では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM358に設けた上記コマンド記憶領域に記憶する。
次に、図11(d)を用いて、演出制御部350のチャンスボタン割り込み処理について説明する。なお、同図はチャンスボタン割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
このチャンスボタン割り込み処理は、演出制御部350がチャンスボタン検出回路によってチャンスボタン146の操作を検出した場合に実行する処理である。
チャンスボタン割り込み処理のステップS901では、RAM358の検知カウンタ記憶領域に記憶している、チャンスボタン146の押下回数を計測するための検知カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の検知カウンタ記憶領域に記憶する。
<演出制御部タイマ割り込み処理>
次に、図11(e)を用いて、演出制御部350のCPU354によって実行する演出制御部タイマ割り込み処理について説明する。なお、同図は演出制御部タイマ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
演出制御部350は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割り込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割り込みを契機として、演出制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で実行する。
ステップS801では、演出データ更新処理を行う。この演出データ更新処理では、上記ステップS501で記憶した変動番号、仮停止図柄の組合せ、停止図柄の組合せ、ステージ番号、地震予告の動作パターン、ステップアップ予告の動作パターン、および特殊変動の種別の更新を行うと共に、装飾図柄の変動表示を開始してからの経過時間に基づいて装飾図柄表示装置110、演出装置200の情報報知用可動体210、演出用可動体220および遮蔽手段250、スピーカ366ならびに各種ランプ370による演出を制御するための動作制御データの更新を行う。
ステップS801では、決定された演出情報が示している態様で装飾図柄変動表示を行うように次回実行する上記ステップS303の処理で液晶制御回路378に出力するコマンド(例えば左に装飾7を停止することを指示するコマンドや遮蔽手段250を動作させるコマンド等)をRAM358に設けた液晶コマンド格納領域に格納する等、後述するステップS802、S803、S804によるスピーカ366、各種ランプ370、情報報知用可動体210、および演出用可動体220を制御する準備を行う。また、所定の条件が成立している場合には所定の演出を実行するか否か、例えばチャンスボタンを用いた演出を行うか否か等の抽選を行う。
ステップS802では、音出力処理を行う。この音出力処理では、上記ステップS801で取得したスピーカ制御用の情報に含まれるスピーカ366に出力する音声データをI/O360の出力ポートに設定し、スピーカ366の出力制御を音源IC368に行わせる。
ステップS803では、ランプ制御処理を行う。このランプ制御処理では、上記ステップS801で取得した各種ランプ制御用の情報に含まれる各種ランプ370に出力するランプの点灯・消灯を示すデータ等をI/O360の出力ポートに設定し、各種ランプ370の点灯や消灯の制御を表示回路372に行わせる。
ステップS804では、ソレノイド制御処理を行う。このソレノイド制御処理では、上記ステップS801で取得した情報報知用可動体210、演出用可動体220の制御用の情報に含まれる動作タイミングを示すデータ等をI/O360の出力ポートに設定し、情報報知用可動体210等を駆動する各種演出用ソレノイド等374の制御をソレノイド回路376に行わせる。
<特図変動遊技中に装飾図柄表示装置で行う変動態様の種類>
次に、パチンコ機100の特図変動遊技中に装飾図柄表示装置110で行う各変動態様(演出表示)について説明する。
本実施例の装飾図柄表示装置110による変動態様は、リーチなし、とリーチの2種類に大別され、リーチはさらに、ノーマルリーチ、ロングリーチ、ノーマル逆転リーチ、ダブルラインリーチ、トリプルラインリーチ、特別マルチラインリーチ、ノーマル再変動リーチ、全回転リーチ、特別全回転リーチの9種類に分けられる。
ここで、リーチ(ノーマルリーチ)とは、一般に2つの図柄表示領域(例えば、左右図柄表示領域110a、110c)が等しい装飾図柄を停止表示し、残りの1つの図柄表示領域(例えば中図柄表示領域110b)が変動表示している状態のこと、すなわち、変動表示している図柄表示領域が特定の図柄(停止表示している図柄表示領域と等しい図柄)を停止表示すれば大当たりまたは特別大当たりを報知することとなる状態のことである。なお、本実施例のように、このノーマルリーチとこのノーマルリーチにさらに特殊な変動表示等を加味して演出効果を向上させたもの(ロングリーチ、ノーマル逆転リーチ等)を含めてリーチと称してもよいし、ノーマルリーチさらに特殊な変動表示を加味したものだけをリーチと称してもよい。
リーチなしでは、全ての図柄表示領域110a〜110cの装飾図柄を変動表示した後、左図柄表示領域110a、右図柄表示領域110c、中図柄表示領域110bの順に装飾図柄を停止表示する。本実施例では、リーチなしの演出表示では、停止表示する装飾図柄の組合せを大当たりまたは特別大当たりとなる図柄組合せとすることはない。
ノーマルリーチでは、全ての図柄表示領域110a〜110cの装飾図柄を変動表示した後、左図柄表示領域110aと右図柄表示領域110cにそれぞれ等しい装飾図柄を停止表示し、中図柄表示領域110bの装飾図柄だけ変動表示を継続する。そして、装飾図柄の変動表示の開始時点から時間を計測し、変動表示の開始時から所定の変動時間が経過した場合、中図柄表示領域110bの装飾図柄を停止表示する。この時に、中図柄表示領域110bに停止表示した装飾図柄が左右図柄表示領域110a、110bと等しい場合は、大当たりまたは特別大当たりを遊技者に報知し、中図柄表示領域110bに停止表示した装飾図柄が左右図柄表示領域110a、110bと異なる場合は、外れを遊技者に報知することとなる。
ロングリーチでは、全ての図柄表示領域110a〜110cの装飾図柄を変動表示した後、左図柄表示領域110aと右図柄表示領域110cにそれぞれ等しい装飾図柄を停止表示し、ノーマルリーチよりも長い時間、中図柄表示領域110bの装飾図柄だけ変動表示を継続する。そして、装飾図柄の変動表示の開始時から所定の変動時間が経過した場合、中図柄表示領域110bの装飾図柄を停止表示する。
ノーマル逆転リーチでは、全ての図柄表示領域110a〜110cの装飾図柄を変動表示した後、左図柄表示領域110aと右図柄表示領域110cにそれぞれ等しい装飾図柄を停止表示し、中図柄表示領域110bの装飾図柄だけ変動表示を継続する。そして、装飾図柄の変動表示の開始時から所定の変動時間が経過する前に、左右図柄表示領域110a、110cと異なる装飾図柄を、中図柄表示領域110bに一時的に停止表示(この左、中、右図柄表示領域110a〜110cに停止表示している図柄組合せを「仮停止図柄の組合せ」と呼び、この「仮停止図柄の組合せ」を表示するために装飾図柄を停止することを「仮停止」と呼ぶ。)した後、再度、中図柄表示領域110bを変動表示した上で、左右図柄表示領域110a、110cと等しい装飾図柄を、中図柄表示領域110bに停止表示する。
ダブルラインリーチでは、全ての図柄表示領域110a〜110cの装飾図柄を変動表示した後、左右図柄表示領域110a、110cにそれぞれ等しい装飾図柄を停止表示し、中図柄表示領域110bの装飾図柄だけ変動表示を継続する。そして、装飾図柄の変動表示の開始時から所定の変動時間が経過する前に、2種類の装飾図柄を上下2段に表示するように、左右図柄表示領域110a、110cの表示をそれぞれ変更し、中図柄表示領域110bにこれら2種類の図柄のいずれかが停止すれば大当たりとなるといった期待感を遊技者に持たせる演出を行った後で、中図柄表示領域110bに装飾図柄を停止表示する。そして、変動表示の開始時から所定の変動時間が経過した後に、左右図柄表示領域110a、110cを1つの装飾図柄の停止表示に戻す。
トリプルラインリーチでは、全ての図柄表示領域110a〜110cの装飾図柄を変動表示した後、左右図柄表示領域110a、110cにそれぞれ等しい装飾図柄を停止表示し、中図柄表示領域110bの装飾図柄だけ変動表示を継続する。そして、装飾図柄の変動表示の開始時から所定の変動時間が経過する前に、3種類の装飾図柄を上下3段に表示するように、左右図柄表示領域110a、110cの表示をそれぞれ変更し、中図柄表示領域110bにこれら3種類の図柄のいずれかが停止すれば大当たりとなるといった期待感を遊技者に持たせる演出を行った後で、中図柄表示領域110bに装飾図柄を停止表示する。そして、変動表示の開始時から所定の変動時間が経過した後に、左右図柄表示領域110a、110cを1つの装飾図柄の停止表示に戻す。
特別マルチラインリーチでは、全ての図柄表示領域110a〜110cの装飾図柄を変動表示した後、左右図柄表示領域110a、110cにそれぞれ等しい装飾図柄を停止表示し、中図柄表示領域110bの装飾図柄だけ変動表示を継続する。そして、装飾図柄の変動表示の開始時から所定の変動時間が経過する前に、全ての種類の装飾図柄を上下4段左右2列に表示するように、左右図柄表示領域110a、110cの表示をそれぞれ変更し、中図柄表示領域110bにどの装飾図柄が停止しても大当たりとなるといった期待感を遊技者に持たせる演出を行った後で、中図柄表示領域110bに1つの装飾図柄を停止表示する。そして、変動表示の開始時から所定の変動時間が経過した後に、大当たりとなる図柄の組合せとなるように、左右図柄表示領域110a、110cを1つの装飾図柄の停止表示に戻す。
ノーマル再変動リーチでは、全ての図柄表示領域110a〜110cの装飾図柄を変動表示した後、左右図柄表示領域110a、110cにそれぞれ等しい装飾図柄を停止表示し、中図柄表示領域110bの装飾図柄だけ変動表示を継続する。そして、装飾図柄の変動表示の開始時から所定の変動時間が経過する前に、大当たりに対応する装飾図柄を、中図柄表示領域110bに一時的に停止表示(「仮停止」によって「仮停止図柄の組合せ」を表示)した後、再度、全ての図柄表示領域110a〜110cの装飾図柄を変動表示した上で、特別大当たりとなる組合せの装飾図柄を停止表示する。
全回転リーチでは、全ての図柄表示領域110a〜110cの装飾図柄を変動表示した後、大当たりとなる組合せの装飾図柄を所定の回数だけ停止表示する演出を行った上で、大当たりとなる組合せの装飾図柄を停止表示する。
特別全回転リーチでは、全ての図柄表示領域110a〜110cの装飾図柄を変動表示した後、特別大当たりとなる組合せの装飾図柄を所定の回数だけ停止表示する演出を行った上で、特別大当たりとなる組合せの装飾図柄を停止表示する。
なお、この装飾図柄表示装置110を停止表示して大当たり、特別大当たりまたは外れを遊技者に報知するタイミングは、特別図柄表示装置114を停止表示して大当たりまたは外れを遊技者に報知するタイミングと略同時である。
<演出装置を使用して行う演出>
次に、図12を用いて、演出装置200を使用した演出の一例を説明する。図12は、装飾図柄表示装置110および演出装置200を正面から見た概略図であり、装飾図柄表示装置110、情報報知用可動体210、演出用可動体220、および遮蔽手段250のみを示す図である。
本実施例では、装飾図柄表示装置110は、表示画面の上半分に左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cを水平方向に並べて配置し、その背景および下方を演出表示領域110dとする構成としている。各図柄表示領域110a〜110cは、上述の演出表示において装飾図柄の変動表示および停止表示を行うが、以下の図中では装飾図柄の変動表示を示している。また、演出表示領域110dは、小屋の中で老夫婦が囲炉裏を挟んで左右に並び、笑顔で座っている画像を表示する。
同図(a)は、特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出して特図変動遊技を開始した状態であり、各図柄表示領域110a〜110cは、装飾図柄の変動表示を行っている。所定の条件で選択された動作パターン選択テーブルを参照して、選択した動作パターンに従って、情報報知用可動体210が、全ての図柄表示装置110a〜110cが装飾図柄の変動表示を開始するのに伴って、待機位置から上方の突出位置まで突出する。そして、右図柄表示領域110cが装飾図柄の停止表示を行うのと略同時に、突出している全ての情報報知用可動体210が待機位置に退避する。
<可動手段の構成>
以下、図面を用いて本発明の特徴部分である特図始動口128について詳述する。
図13は特図始動口128の分解斜視図である。特図始動口は可動片として左右一対の羽根部材を有する電動チューリップ型入賞装置であり、大きく分けて役物部600と駆動部650より構成される。
役物部600は、化粧カバー620と役物ベース601の間に左右一対の羽根部材610を挟持しており、化粧カバー620及び役物ベース601に設けられた支持凸部の外周に羽根部材610の穴部が係合し、支持凸部を軸心に羽根部材610が一定の角度まで開放可能に構成されている。また駆動軸630は、羽根部材610の穴部を貫通して化粧カバー620の支持凸部の内周に支持されている。尚、駆動軸630の回転駆動は、後述するトラックベルトの駆動にのみ用いられ、羽根部材610の開放動作には影響を与ない。役物ベースは上下に2つの遊技球の流入口を備え、中央部には後述するソレノイドの可動部が移動できるように開口部602が設けられている。羽根部材610は、羽根部材ベース611と羽根部材カバー613の間に、磁性を持つトラックベルト612が移動可能に挟持されている。トラックベルト612の内面側は、駆動軸630の先端部に設けられた羽根部材側ピニオンギヤ631と歯合するラック歯614が形成されており、ベルト回転支軸615及び羽根部材側ピニオンギヤ631に張設された状態で、駆動軸630の回転に合わせて、トラックベルト612も回転移動する。
駆動部650は、上述した駆動軸630の駆動力となる左右一対のモータ652と、羽根部材610の開閉動作の駆動力となるプランジャ式ソレノイド651から構成される。モータ652は、モータ歯車654を介して駆動軸630に設けられたモータ側ピニオンギヤ632と歯合する。プランジャ式ソレノイド651は、プランジャ部653が伝達部材660の伝達棒661に当接しており、プランジャ部653の突出/埋没に応じて揺動支軸662を軸心に揺動する。一方、切欠部663は羽根部材610の開閉支軸616に係合しており、伝達部材660の揺動に応じて開閉動作が行われる。具体的に説明すると、プランジャ部653が突出している場合は、伝達部材661が遊技者側に押し出され、切欠部663が下方に揺動するので、それに合わせて開閉支軸616も下方に駆動され、羽根部材610は閉鎖状態となる。プランジャ部653が埋没している場合には、伝達部材661がパチンコ機内部側に引っ込み、切欠部663が上方に揺動するので、それに合わせて開閉支軸616も上方に駆動され、羽根部材610は開放状態となる。
図14は、特図入賞口128に流入する遊技球の動作を示した図である。図14(a)は、特図始動口128が開放状態となったとき、左側から遊技球の流入があった状態を示しており、従来の遊技球の移動パターンであれば、流下の勢いを保ちながら羽根部材610上を滑って入賞口645に入賞するのであるが、本実施例においては、羽根部材610に磁性部材で構成されたトラックベルト612が設けられているので、遊技球がトラックベルト612に触れた地点で吸着して流下移動を停止した後、トラックベルト612の回転動作に伴って横方向に移動して入賞口645に入賞する。
このように、勢いよく流下していた遊技球が突然停止し、そのまま横方向にスライド移動するという緩急を伴った移動態様を提供することができるので、遊技の興趣が高まる。
尚、本実施例では、トラックベルト612が左右の羽根部材610の両方に設けられているので、従来から問題とされてきた遊技球の飛び出し、すなわち遊技領域104を特図入賞口128の左上部から流下してきた遊技球が、本来であれば入賞口645入賞すべきにもかかわらず、勢い余って羽根部材上を超えて特図入賞口128の右側に飛び出て行ってしまう現象を、図に示すように遊技球が右側の羽根部材610のトラックベルト612に吸着することによって防止することができ、羽根部材の開放状態における入賞率を設計値に近づけることができると共に、遊技球の飛び出しが発生することによって生じていた遊技者のイライラ感を防止することができる。
以上のように、第2可動手段の一例である電動チューリップの羽根部材610に第1可動手段の一例であるトラックベルト612を設けたので、移動体の一例である遊技球の移動態様は羽根部材610によって変化し、トラックベルト612によって所定の方向に更に変化する。従って、遊技球の移動態様に従来にない変化を与えることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、トラックベルト612の一部を磁性部材で構成したため、羽根部材610上の遊技球を入賞口へ流入させ易くすることができると共に、遊技球の移動態様にも変化を与えることができるので、更に遊技の興趣が高まる。またトラックベルトに吸着した遊技球は、上記羽根部材が開放状態となったとき、トラックベルトに吸着した遊技球は相対的に横方向に移動し、また羽根部材が閉鎖状態となった場合は、相対的に下方向に移動するので、従来にない目新しい遊技球の移動態様を提供でき、遊技の興趣を高めることができる。
また、電動役物(チューリップ)の羽根部材610にトラックベルト612を設けた構成であるため、羽根部材610が開放状態であるときに羽根部材610上に遊技球が移動してきた場合、遊技球はトラックベルトによって入賞口の方向に誘導される。すなわち、羽根部材上の遊技球を入賞口へ流入させ易くすることができると共に、遊技球の移動態様に変化を与えることができ、さらに遊技の興趣が高まる。
また、トラックベルト612に駆動力を与える駆動軸630と、羽根部材610の開閉動作の軸心とを同一軸心上に構成し、軸受けとなる支持凸部に、駆動軸の軸受けと、羽根部材の回転軸となる機能を持たせたので、駆動軸の軸受けとしての機能と羽根部材の回転軸としての機能を、役物に設けられた1つの成形部分によって実現しているので、全体の構造を簡素化することができ、コストを削減することができる。
なお、本実施例に係るパチンコ機100は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、入賞装置は始動入賞口に限定されることはなく、一般入賞口であっても大入賞口であってもよい。
また、上記実施例においては、第1可動手段と第2可動手段とを同一の部材内に設けたが、別々の部品で構成してもよい。
また、電動チューリップの羽根部材610にトラックベルト612を設けたが、トラックベルト612に替えて、図15に示すように複数の歯車でもって構成してもよい。この複数の歯車617も磁性部材で構成されており、駆動軸630の先端部に設けられた羽根部材側ピニオンギヤ631が羽根部材610の一番根元側の歯車618と歯合することで回転駆動力が伝達される。歯車618とそれぞれの歯車617は相互に歯合しており、入賞口に遊技球を導く方向に回転駆動する。
また、電動チューリップ以外にも、図16に示すように、遊技領域102内に設けられた遊技球の落下方向を変化させる役物に、第1可動手段及び第2可動手段を設けてもよい。例えば、一定方向に回転駆動する風車170を、左下と右上に一定周期で移動させることで、遊技領域102に発射された遊技球の流下開始位置にランダム性を持たせることが可能となる。
また特図入賞口128の上流側に、磁性部材から構成されるトラックベルトを有し上下に移動する移動障害役物160を設けてもよい。トラックベルトは右側に回転駆動、遊技球が移動障害役物160の右端に達するとトラックベルトから解放される。この場合、移動障害役物160が上端側に位置するタイミングで遊技球が開放されると、遊技球は特図入賞口128の羽根部材が解放されたときに入賞できる上側の流路に流れ、下端側に位置するタイミングで遊技球が解放されると入賞が不可能な下側の流路に流れる。
よって、本来であれば流下してきた遊技球が下側の流路に流れるタイミングで移動障害役物160に吸着された場合であっても、遊技球が移動障害役物160から解放されない限り、吸着されたまま移動障害役物160と供に上方に移動し、運良く上端で解放されれば、特図入賞口128に入賞可能な上側の流路を流れることが可能になる。逆に、上側の流路に流れることが可能なタイミングで移動障害役物160に吸着しても、解放されるタイミングが悪ければ下側の流路を流れることになる。
このように、単に遊技球の流下方向を変化させる障害役物を上下に移動させるだけではなく、その役物内部に可動手段を設けたので、遊技球の移動態様に更なる変化を与えることが可能となり遊技の興趣が高まる。
またこれらの移動障害役物は、図16の右上に示すように遊技領域以外の所定位置に設けても良い。図中では、演出用の遊技球が放出口181から一定のタイミングで放出され、左右に移動する移動障害役物160によって落下タイミングにランダム性を与えられながら、下方に設けられた複数の演出用入賞口182に入賞する。そして入賞した演出用入賞口の種別によって、演出用の装飾装置の発光態様を変化させたり、演出音に変化をさせたりするように構成される。この際、遊技領域102の設けられた移動障害役物160と、その他の領域に設けられた移動障害役物160の動作に関連性を持たせてもよい。
なお、上記実施例においては、遊技台として、遊技球を遊技媒体としたパチンコ機の例を示したが、本発明に係る遊技台は、パチンコ機に限定されるものではなく、例えば、遊技球(例えばパチンコ球)またはメダル(コイン)を遊戯媒体としたスロットマシン(いわゆるパチロットやパチスロ等)にも適用可能である。
さらに、本発明は、前述のスロットマシンやパチンコ機等の実機の他、これら実機の動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、DVD−ROM、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
以上、本発明の実施例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。