次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、遊技媒体としてパチンコ球(遊技球)を用いて遊技が行われるパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。なお、各図において符号Pはパチンコ球を示している。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前方へ開口するよう形成されて遊技店の図示しない設置枠台に設置される基体11,12と、前記基体11,12の前側開口を覆うよう当該基体11,12に対して開閉可能に支持され遊技機前面を形成する前面部材13とを備えており、当該基体11,12や装飾体13を設置基材として各種部材を設置することで遊技機が構成されるようになっている。具体的に、パチンコ機10の基体は、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、本体枠としての中枠12を開閉および着脱可能に組み付けて構成されており、当該中枠12に遊技盤20が着脱可能に配設されている。また、前記遊技盤20の裏側には、所定条件の成立(後述する第1の複合入球部30の入球口(以下固定始動口)32または第2の複合入球部100の入球口(以下各可変始動口)102,103へのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置(図柄表示手段)17が着脱可能に配設されている。なお、実施例では、前記図柄表示装置17としては、液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているがこれに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置17やドットマトリックス式の表示装置等の各種飾図を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。
そして、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20の遊技領域21と対応する位置に前後に開口する窓口13aが形成された前記前面部材としての前枠13が開閉可能に組み付けられている。そして、前枠13には、ガラス板や透明な合成樹脂材で形成された透視保護板18が窓口13aを覆うよう配設されており、遊技盤20を前側から目視可能な状態で保護している。また、前記前枠13における窓口13aの下方位置には、パチンコ球を貯留可能な球受け皿14,15が設けられており、当該前枠13と一体的に球受け皿14,15を開閉し得るようになっている。実施例の前枠13には、上球受け皿14および下球受け皿15が上下の位置関係で組み付けられている。なお、前記上下の球受け皿14,15の一方および両方を、前枠13とは個別に中枠12に組み付けるようにしてもよい。また、1つの球受け皿14,15のみを備える構成とすることもできる。
また、前記パチンコ機10(実施例では前枠13)の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置(図示せず)が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域21に向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域21においてパチンコ球が到達可能な位置(発射位置)を任意に変更し得るようになっている。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された板状の部材であって、遊技盤20の裏面側に前記図柄表示装置17が配置されている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール22が配設されており、該案内レール22によりパチンコ球が流下可能な遊技領域21が画成されている。なお、前記打球発射装置により発射されたパチンコ球が遊技領域21内に打ち出される発射口24は、当該遊技領域21の左上部位置において右上方へ向けて開口するよう形成されている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品が取り付けられると共に、遊技領域21の最下部位置には、該遊技領域21に打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口23が開設されている。ここで、実施例の遊技盤20には、図柄表示装置17の表示部が前面側から視認可能に臨む装飾部材25や、遊技領域21を流下するパチンコ球が入球可能な入球部等が前記遊技盤設置部品として配設されている。ここで、実施例の遊技盤20には、複数の入球部31,34/240,161,162を備えた複合入球部30,100を配設するよう構成されており、各入球部31,34/240,161,162を個別に配設する構成に比べて、遊技盤20に対する装着口の開設作業性や部材の配設作業性を高めている、なお、実施例では、第1の複合入球部30および第2の複合入球部100が遊技盤20に配設されている。
前記装飾部材25は、図2に示すように、前記案内レール22で囲まれた遊技領域21の略中央に配設されたセンター役とも称される部材であって、前後に開口する表示窓口25aを有する枠状に形成されている。そして、前記装飾部材25の表示窓口25aの後方に表示部が位置するよう前記図柄表示装置17が遊技盤20の裏側に配設されて、当該表示窓口25aを介して遊技盤20の前側から図柄表示装置17の表示部を視認し得るよう構成される。なお、以下の説明では、図柄表示装置17の表示部が臨む前記装飾部材を枠状装飾体25と指称するものとする。具体的に、前記枠状装飾体25は、前記遊技盤20の前面より前方に突出すると共に表示窓口25aを囲むよう延在し、前記遊技領域21と図柄表示装置17の表示部17aを区切る区画壁部26と、該区画壁部26の後縁から外方に延出する薄板状の台板部27とを備える。そして、前記台板部27を遊技盤20の前面に当接した状態で、ネジ等の固定手段により前側から台板部27を遊技盤20に固定することで、枠状装飾体25が遊技盤20に取り付けられて、該枠状装飾体25の外側(具体的には区画壁部26と案内レール22との間)に、パチンコ球が流下する遊技領域21が画成されるようになっている。なお、前記台板部27は、枠状装飾体25を遊技盤20に取り付けた状態で前面側をパチンコ球が通過可能な厚みで形成されている。なお、前記枠状装飾体25の区画壁部26は、枠状装飾体25(台板部27)の左側縁の略中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するよう設けられており、前記図柄表示装置17における表示部17aの前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。なお、枠状装飾体25は、前後に表示窓口25aが開口する形態に限らず、当該表示窓口25aの全部または一部を透明板等で塞ぐ形態とすることも可能である。
すなわち、実施例の遊技盤20に画成される遊技領域21は、打ち出されたパチンコ球が前記枠状装飾体25の左側部を流下してアウト口23に至る第1球流下経路21aと、当該打ち出されたパチンコ球が枠状装飾体25の右側部を流下してアウト口23に至る第2球流下経路21bとに区画されている。これにより、操作ハンドル16の操作レバー16aを回動操作して打球力を調節することで、発射口24から打ち出されたパチンコ球が第1球流下経路21aを流下する遊技形態(左打ち)および当該パチンコ球が第2球流下経路21bを流下する遊技形態(右打ち)の何れかを遊技者が任意に選択し得るようになっている。また、前記遊技領域21は、前記枠状装飾体25の下方位置において第1および第2球流下経路21a,21bが合流するようになっており、当該第1および第2球流下経路21a,21bが合流する領域に位置するよう前記アウト口23が設けられている。
また、前記遊技盤20には、前記遊技領域21内に多数の遊技釘Gが設けられると共に、遊技領域212を流下するパチンコ球の接触に伴って回転する回転案内部材Kが回転自在に支持されており、遊技釘Gや回転案内部材Kとの接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。前記回転案内部材Kは、回転中心から放射状に複数(例えば3つ)の接触片(図示せず)を有する所謂「風車」とも称される部材であって、該接触片に対するパチンコ球の接触に伴って回転案内部材Kが回転することでパチンコ球を弾くように左右方向へ放出するようになっている。実施例では、前記枠状装飾体25の左側方(すなわち第1球流下経路21a)に回転案内部材Kを配設してある。
ここで、前記枠状装飾体25は、図2に示すように、当該枠状装飾体25の上部から右側部の間で前記案内レール22に近接するよう構成されている。すなわち、前記第2球流下経路21bは、前記枠状装飾体25の上方位置で前記第1球流下経路21aに接続する上側流路RAと、当該上側流路RAの下端部に接続すると共に上側流路RAより幅広な通路幅に形成された下側流路RBとに分けられて、当該下側流路RBに複数の入球部(実施例では第1の複合入球部30のゲート部34や、第2の複合入球部100の可変始動入賞部161,162、可変作動入球部240、普通入賞部220等)が配置されている。ここで、前記上側流路RAは、前記枠状装飾体25の区画壁部26と案内レール22との間にパチンコ球が一列で通過し得る通路幅で形成された整列流路RA1と、当該整列流路RA1の下流部に設けられて区画壁部26と案内レール22との間に通路幅が拡大した拡大流路RA2とから構成されており、当該拡大流路RA2に位置するよう特別入賞部40(後述)が配設されている。具体的には、整列流路RA1は、パチンコ球の直径より大きく、パチンコ球の直径の2倍よりも狭い通路幅に形成され、拡大流路RA2は、パチンコ球の直径の2倍よりも広い通路幅に形成されている。
また、図2、図3に示すように、前記遊技盤20には、前記第2球流下経路21bにおける上側流路RA(拡大流路RA2)の下流端部に、下流側に向かうにつれて案内レール22から離間して枠状装飾体25の区画壁部26に近接するよう湾曲する誘導部25bが設けられている。すなわち、第2球流下経路21bに打ち出されて上側流路RA(拡大流路RA2)を流下するパチンコ球は、前記特別入賞部40に入賞するか、或いは前記誘導部25bと区画壁部26との間の間隙(上側流路RAの球出口)Sを介して下側流路RBに流下するようになっている。ここで、上側流路RAの球出口Sは、1個のパチンコ球が通過可能な開口幅に形成されており、上側流路RA(拡大流路RA2)から下側流路RBへ殆ど同じ位置をパチンコ球が流下するようになっている。具体的には、前記上側流路RAの球出口Sは、パチンコ球の直径より大きく、パチンコ球の直径の2倍よりも狭い開口幅で形成されている。
また、前記枠状装飾体25には、図2、図4に示すように、前記表示窓口25aの下側(枠状装飾体25の内周下縁部)にステージ28が配設されると共に、当該表示窓口25aの左側部(第1球流下経路21a側の側部)を形成する区画壁部26に、前記遊技領域21に開口すると共にステージ28に連通する球導入部29が設けられ、前記遊技領域21(第1球流下経路21a)を流下するパチンコ球を、当該球導入部29の枠状装飾体25の内側(ステージ28)に取り込み得るよう構成されている。そして、前記ステージ28の上面を形成する転動面28aに、前方(遊技領域21)へ向けて下方傾斜する排出部28b〜28cが形成されて、当該転動面28aを転動するパチンコ球を排出部28b〜28cから遊技領域21に排出するよう構成される。ここで、前記ステージ28には、後述する第1の複合入球部30の上方位置に複数の排出部28b〜28cが形成されて、何れかの排出部28b〜28cからパチンコ球が排出されるようになっている。具体的には、前記第1の複合入球部30における固定始動口32(後述)の鉛直上方に位置する1つの第1排出部28bと、当該第1排出部28bの左右側方に位置する2つの第2排出部28c,28cとが設けられており、ステージ28上のパチンコ球が第1排出部28bから排出されることで、第2排出部28c,28cから排出される場合よりも固定始動口32に入賞(入球)し易くなるよう構成されている。すなわち、ステージ28によりパチンコ球を第1の複合入球部30(固定始動口32)の配設位置上方まで誘導することで、球導入部29に取り込まれずに第1球流下経路21aを流下したパチンコ球よりも、球導入部29に取り込まれたパチンコ球の方が固定始動口32に入賞する確率が高くなるようにしている。
(入球部について)
図2〜図4に示すように、前記遊技盤20には、遊技領域21を流下するパチンコ球が入球可能な複数の入球部(具体的には、後述する固定始動入賞部31、ゲート部34、特別入賞部40、普通入賞部48,220、可変作動入球部240、可変始動入賞部161,162)が設けられており、パチンコ球が入球した入球部に応じた制御が実行されることで所定の遊技を行い得るようになっている。具体的に、実施例のパチンコ機10では、前記入球部としての固定始動入賞部31が前記第1球流下経路21aを流下するパチンコ球が入球可能な位置に設けられると共に、前記入球部としてのゲート部34、特別入賞部40、可変作動入球部240および可変始動入賞部161,162が、前記第2球流下経路21bを流下するパチンコ球が入球可能な位置に設けられている。なお、実施例の遊技盤20には、前記第1および第2球流下経路21a,21bの夫々に位置するよう入球部としての普通入賞部45,220が配置されており、第1および第2球流下経路21a,21bを流下させたパチンコ球が普通入賞部45,220に入賞し得るようになっている。ここで、実施例のパチンコ機10では、前記固定始動入賞部31およびゲート部34が前記第1の複合入球部30に設けられると共に、前記可変作動入球部240および可変始動入賞部161,162が前記第2の複合入球部100として遊技盤20に配設されている。
(第1の複合入球部30について)
前記第1の複合入球部30は、図2、図4、図5に示すように、前記遊技盤20に配設される取着部材400に、第1球流下経路21aを流下するパチンコ球が入球可能な位置で入球口としての固定始動口32が常に開口するよう前記固定始動入賞部31が設けられると共に、第2球流下経路21bを流下したパチンコ球が入球可能な位置で入球口としてのゲート入口35が常に開口するよう前記ゲート部34が設けられている。すなわち、第1の複合入球部30の配設位置まで第1球流下経路21aを流下したパチンコ球が常時開口する固定始動入賞部31の固定始動口32に一定の確率で入球し得ると共に、第1の複合入球部30の配設位置まで第2球流下経路21bを流下したパチンコ球が常時開口するゲート部34のゲート入口35に一定の確率で入球し得るようになっている。このように、前記第1の複合入球部30には、パチンコ球の入賞確率が変化しない複数(実施例では2つ)の入球部(記固定始動入賞部31およびゲート部34)が設けられると共に、当該固定始動入賞部31とゲート部34とでパチンコ球が入球し易い球流下経路21a,21bが異なるように配置されている。
ここで、前記第1の複合入球部30において、前記固定始動入賞部31(固定始動口32)に入賞したパチンコ球は、メイン制御基板60に配線接続された球検出センサ75に検出されるよう構成されており(図25参照)、当該球検出センサ75がパチンコ球を検出してメイン制御基板60に検出信号が入力されることを契機として後述する特図当り判定(当り判定)が実行されるよう設定されている。また、前記第1の複合入球部30において、前記ゲート部34(ゲート入口35)に入球したパチンコ球は、メイン制御基板60に配線接続された球検出センサ76に検出されるよう構成されており(図25参照)、当該球検出センサ76がパチンコ球を検出してメイン制御基板60に検出信号が入力されることを契機として後述する普図当り判定(可変作動入球部240の開放判定)が実行されるよう設定されて、当該普図当り判定の結果に基づいて可変作動入球部240の作動口開閉部材260を開放動作するように第1ソレノイド261(後述)が駆動されるようになっている。すなわち、第1の複合入球部30は、前記遊技盤20に配設される取着部材400に、パチンコ球の入賞(入球)を契機として特図当り遊技を生起させるか否かを判定する特図当り判定条件が成立する入球部(具体的には固定始動入賞部31)と、パチンコ球の入球を契機として普図当り判定条件(可変作動入球部240の開閉部材260を開放動作させるかを判定する開放判定条件)が成立する入球部(具体的にはゲート部34)とを備えたユニット部材として構成されている。
以下の説明では、前記固定始動入賞部31に入賞したパチンコ球を検出する球検出センサを固定始動検出センサ75と指称し、前記ゲート部34に入球したパチンコ球を検出する球検出センサをゲートセンサ76と指称するものとする。なお、前記ゲート部34は、遊技領域21(具体的には第2球流下経路21b)内で球出口が常に開口するよう形成されて、当該ゲート部34のゲート入口35に入球したパチンコ球がそのまま遊技領域21(第2球流下経路21b)に排出されるようになっている。また、実施例のパチンコ機10では、前記固定始動入賞部31にパチンコ球が入賞すること(固定始動検出センサ75によるパチンコ球の検出)を契機として賞球の払出条件が成立するよう設定されており、固定始動検出センサ75からメイン制御基板60への検出信号の入力に伴って所定数(実施例では3個)の賞球が払い出されるようになっている。なお、実施例では、前記ゲート部34にパチンコ球が入球することを契機としては賞球の払出条件が成立しないよう設定されているが、当該ゲート部34にパチンコ球が入球することを契機として賞球の払出条件が成立するようにしてもよい。
(第2の複合入球部100について)
前記第2の複合入球部100は、図2、図6に示すように、前記第1球流下経路21aおよび第2球流下経路21bの何れか一方に偏って位置するよう前記遊技盤20に配設されて、当該第1および第2球流下経路21a,21bの何れかを流下するパチンコ球が入球可能な位置で作動口(入球口)101および可変始動口(入球口)102,103が開口するよう前記可変作動入球部240および可変始動入賞部161,162が設けられている。実施例では、前記遊技盤20における前記第1の複合入球部30の右側方に位置するよう前記第2の複合入球部100が前記第2球流下経路21b(具体的には下側流路RB)に配設されて、当該第2球流下経路21bを流下するパチンコ球のみが可変作動入球部240および可変始動入賞部161,162に入球し得るよう構成されている。
ここで、図6に示すように、前記可変作動入球部240および可変始動入賞部161,162の夫々は、パチンコ球が入球可能な入球口101,102,103を開閉部材260,165,166により開閉可能に構成されており、開閉部材260,165,166の開閉に伴ってパチンコ球の入賞確率が変化(可変)する可変入球部として構成されている。前記可変作動入球部240は、開閉部材260にソレノイド(電動式駆動手段)261が接続されて、当該ソレノイド261の駆動に伴い開閉部材260が開閉動作する第1の可変入球部として構成されると共に、前記可変始動入賞部161,162は、当該可変作動入球部(第1の可変入球部)240の入球口101に入球したパチンコ球との接触に伴い作動して開閉部材165,166の開閉状態を切り替え可能な第2の可変入球部として構成されており、各対応の開閉部材260,165,166の開閉状態に応じて、第2球流下経路21bを流下するパチンコ球が可変作動入球部240や可変始動入球部161,162に入球し得るようになっている。すなわち、実施例の遊技盤20には、電気的に作動される第1の可変入球部としての可変作動入球部240のと、該電気的に作動する第1の可変入球部240に入球したパチンコ球により機械的に作動される第2の可変入球部としての可変始動入賞部161,162とが設けられている。
ここで、前記可変始動入賞部161,162に入球したパチンコ球は、メイン制御基板60に配線接続された球検出センサ77,78に検出されるよう構成されており(図25参照)、当該球検出センサ77,78がパチンコ球を検出してメイン制御基板60に検出信号が入力されることを特図変動表示(後述)の開始条件および賞球の払出条件として設定されている。そこで、以下の説明では、第2の複合入球部100において前記可変始動入賞部(第2の可変入球部)161,162の開閉作動条件となる可変作動入球部(第1の可変入球部)240の入球口を作動口101と指称するものとする。また、第2の複合入球部100において前記可変始動入賞部161,162の入球口を可変始動口102,103と指称し、当該可変始動入賞部161,162に入球したパチンコ球を検出する球検出センサを可変始動検出センサ77,78と指称する。ここで、前記第2の複合入球部100には、上下に離間する位置に複数(実施例では2つ)の可変始動入賞部161,162が設けられており、下側に位置する可変始動入賞部を第1可変始動入賞部161と指称すると共に、上側に位置する可変始動入賞部を第2可変始動入賞部162と指称して、可変始動入賞部161,162を区別する場合がある。すなわち、第2の複合入球部100は、前記第2球流下経路21b(下側流路RB)において、第1可変始動入賞部161よりも上流側に第2可変始動入賞部162が位置するよう配置されて、当該第1可変始動入賞部161の配設位置までパチンコ球が流下する前に、第2可変始動入賞部162の開閉状態に応じて第2可変始動口103に入賞し得るよう構成されている。
すなわち、実施例に係るパチンコ機10では、前記第1球流下経路21aをパチンコ球が流下する場合(左打ち遊技の場合)に、パチンコ球が第2球流下経路21bを流下する場合に較べて、第1の複合入球部30の固定始動入賞部31(固定始動口32)にパチンコ球が入球(入賞)する可能性が高くなるよう構成されている。また、前記第2球流下経路21bをパチンコ球が流下する場合(右打ち遊技の場合)に、パチンコ球が第1球流下経路21aを流下する場合に較べて、第1の複合入球部30のゲート部34(ゲート入口35)や第2の複合入球部100の可変作動入球部240(作動口101)、可変始動入賞部161,162(可変始動口102,103)、特別入賞部40(特別入賞口41)にパチンコ球が入球(入賞)する可能性が高くなるよう構成されている。従って、操作レバー16aの回動操作により左打ち遊技および右打ち遊技に遊技者が能動的に切り替えることで、パチンコ球が入賞可能な入賞部を切り替え得るようになっている。具体的には、実施例のパチンコ機10では、前記枠状装飾体25の形状や遊技釘Gの配置等により、前記第2球流下経路21bを流下したパチンコ球が固定始動入賞部31に略入賞し得ないよう構成されると共に、前記第1球流下経路21aを流下したパチンコ球がゲート部34(ゲート入口35)や可変作動入球部240(作動口101)、可変始動入賞部161,162(可変始動口102,103)、特別入賞部40(特別入賞口41)に略入賞し得ないようになっている。
(特別入賞部40について)
前記特別入賞部(特別入賞手段)40は、図3に示すように、前記第1球流下経路21aおよび第2球流下経路21bにおいて前記第2の複合入球部100の配設側に偏って位置するよう設けられている。すなわち、実施例では、前記第2球流下経路21bに位置するよう前記特別入賞部40が設けられて、当該第2球流下経路21bを流下するパチンコ球のみが特別入賞部40に入賞し得るよう構成されている。ここで、前記特別入賞部40は、前記枠状装飾体25の右側部に、前記第2球流下経路21bの上側流路RAにおける拡大流路RA2に位置するよう設けられて、前記第2の複合入球部100の配設位置より上流側に位置するよう構成されている。従って、前記特別入賞部40に入賞することなく第2球流下経路21bの拡大流路RA2を流下したパチンコ球が第2の複合入球部100に向けて移動することで、前記可変作動入球部240や第1および第2可変始動入賞部161,162に入球し得るようになっている。
ここで、前記特別入賞部40は、図3に示すように、遊技領域21(拡大流路RA2)に開口する入球口としての特別入賞口41を開閉自在に閉成する開閉部材(開閉手段)43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図25参照)の駆動に伴って開閉部材43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記開閉部材43が前後方向に延在する軸を中心に揺動することで特別入賞口41を開閉するよう構成されており、該開閉部材43により特別入賞口41が閉鎖された状態を図3に実線で示す。また、前記特別入賞部40には、前記特別入賞口41に入球したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ79(図25参照)が設けられて、当該特別入賞検出センサ79が前記メイン制御基板60に配線接続されている。そして前記特別入賞部40にパチンコ球が入賞すること(特別入賞検出センサ79によるパチンコ球の検出)を契機として賞球の払出条件が成立するよう設定されており、特別入賞検出センサ79からメイン制御基板60への検出信号の入力に伴って所定数(実施例では15個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記固定始動入賞部31および可変始動入賞部161,162の何れかへのパチンコ球の入球を契機として特別入賞部40を開放する大当り遊技が付与される場合に、大当り遊技の種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
(普通入賞部45,220について)
図2に示すように、前記普通入賞部45,220は、前記遊技領域21の左右下部位置において、パチンコ球が入賞(入球)可能な普通入賞口46,221が上方に常時開口するよう前記遊技盤20に設けられており、第1球流下経路21aを流下するパチンコ球および第2球流下経路21bを流下するパチンコ球の夫々が一定の確率で普通入賞口46,220に入賞し得るようになっている。すなわち、普通入賞部45,220は、パチンコ球の入賞確率が変化しない固定入賞部である。実施例では、遊技盤20の第1球流下経路21aに3つの普通入賞部45が設けられ、第2球流下経路21b(具体的には第2の複合入球部100)に1つの普通入賞部220が設けられている。また、第1球流下経路21aに設けられた各普通入賞部45は、各普通入賞口46に入賞したパチンコ球を合流して通過させる排出経路(図示せず)に、当パチンコ球を検出する入賞検出手段としての普通入賞検出センサ48(図25参照)を備えると共に、前記第2の複合入球部100の普通入賞部220は、普通入賞口221に入賞したパチンコ球を通過させる後述の排出経路(図8示参照)に、パチンコ球を検出する入賞検出手段としての普通入賞検出センサ222(図25参照)を備えている。前記普通入賞検出センサ48,222は、パチンコ機10の裏側に配設された制御手段としてのメイン制御基板60に配線接続されている。そして、前記普通入賞部45,220にパチンコ球が入賞すること(普通入賞検出センサ48,222によるパチンコ球の検出)を契機として賞球の払出条件が成立するよう設定されており、普通入賞検出センサ48,222からメイン制御基板60への検出信号の入力に伴って所定数(実施例では10個)の賞球が払い出されるようになっている。
(球通路ユニット80について)
また、前記遊技盤20の裏側には、図7、図8に示すように、前記第2の複合入球部100の後方位置に球通路ユニット80が設けられており、当該第2の複合入球部100の入球口(作動口101や可変始動口102,103、普通入賞口221)に入球したパチンコ球が球通路ユニット80の球排出通路を介して遊技盤20の外部に排出されるよう構成されている。ここで、前記球通路ユニット80は、前記第2の複合入球部100に前記作動口101に連通する作動口排出通路81,83と、前記可変始動口102,103に連通する始動口排出通路88,89とが形成されており、作動口101に入球したパチンコ球が作動口排出通路81,83を介して遊技盤20の外部に排出されると共に、各可変始動口102,103に入賞したパチンコ球が始動口排出通路88,89を介して遊技盤20の外部に排出されるようになっている。また、前記球通路ユニット80には、前記第2の複合入球部100の普通入賞口221に連通する普通入賞口排出通路95が形成されており、普通入賞口221に入球したパチンコ球が普通入賞口排出通路95を介して遊技盤20の外部に排出されるようになっている。
前記作動口排出通路81,83は、図8に示すように、前記第2の複合入球部100に形成された第1の分岐流入通路345(後述)に繋がる第1の分岐排出通路81と、当該第2の複合入球部100に形成された第2の分岐流入通路346(後述)に繋がる第2の分岐排出通路83とが設けられており、各分岐流入通路345,346を通出したパチンコ球が対応する分岐排出通路81,83を介して排出される。すなわち、実施例のパチンコ機10では、前記作動口101に接続する球通路は、前記第2の複合入球部100に設けられた第1の分岐流入通路345および球通路ユニット80に設けられた第1の分岐排出通路81からなる第1分岐通路と、第2の複合入球部100に設けられた第2の分岐流入通路346および球通路ユニット80に設けられた第2の分岐排出通路83からなる第2分岐通路とに分岐するようになっている。そして、前記第1および第2分岐通路の分岐位置に設けられた後述する通路振分部350により、前記作動口101に入球したパチンコ球が何れかの分岐通路に振り分けられるようになっている。
ここで、図8に示すように、前記第1の分岐排出通路81(詳細には上流側分岐排出通路82a)および第2の複合入球部100に設けられた第2の分岐流入通路346には、対応する第1および第2分岐通路を通過するパチンコ球を検出する球検出センサ85,86が設置されている。以下の説明では、第1の分岐排出通路81に設けられた球検出センサを第1通過検出センサ85と指称し、第2の分岐流入通路346に設けられた球検出センサを第2通過検出センサ86と指称する。そして、この第1および第2通過検出センサ85,86の夫々は、メイン制御基板60に配線接続されており(図25参照)、当該各通過検出センサ85,86がパチンコ球を検出してメイン制御基板60に検出信号が入力されることで、各通過検出センサ85,86に対応した分岐排出通路81,83の可変始動入賞部161,162の作動を、メイン制御基板60が把握し得るようになっている。
また、前記第1の分岐排出通路81は、前記第1の分岐流入通路345の球出口および前記第1可変始動入賞部161(より具体的には後述する機構設置ケース170の作動球入口170a)に連通接続させてパチンコ球を第1可変始動入賞部161(具体的には球受け部179)へ案内する上流側分岐排出通路82aと、当該第2可変始動入賞部162(具体的には後述する機構設置ケース170の作動球出口170b)に連通接続して遊技盤20の下端部で開口する下流側分岐排出通路82bとから構成されており、前記作動口101から離れた第1可変始動入賞部161(球受け部179)へパチンコ球を誘導しつつ、当該第1可変始動入賞部161(球受け部179)に誘導されたパチンコ球を遊技盤20の外部へ排出するようになっている。一方で、前記第2の分岐排出通路83は、第2可変始動入賞部162(具体的には後述する機構設置ケース170の作動球出口170b)に接続すると共に遊技盤20の下端部で開口するよう形成されており、第2の分岐流入通路346を介して第2可変始動入賞部162(球受け部179)に誘導されたパチンコ球を遊技盤20の外部へ排出するようになっている。
前記始動口排出通路88,89は、図8に示すように、前記第1可変始動入賞部161の第1可変始動口102(具体的には第2の複合入球部100に形成された第1取込口115a)に繋がる第1の始動口排出通路88と、前記第2可変始動入賞部162の第2可変始動口103(具体的には第2の複合入球部100に形成された第2取込口116a)に繋がる第2の始動口排出通路89とが設けられており、各可変始動口102,103に入賞したパチンコ球が対応する始動口排出通路88,89を介して排出されるようになっている。そして、前記第1可変始動入賞部161に対応した第1可変始動検出センサ77が前記第1の始動口排出通路88に設置されると共に、前記第2可変始動入賞部162に対応した第2可変始動検出センサ78が前記第2の始動口排出通路89に設置されている。なお、前記球通路ユニット80には、後述するアウト球取込通路119に連通するアウト通路93が設けられており、当該アウト通路93に対して、第1および第2の始動口排出通路88,89が合流するようになっている。
図7に示すように、前記球通路ユニット80および前記第2の複合入球部100を遊技盤20に設置した状態で、前記第1可変始動入賞部161の配設位置に対応して、前後に開口する第1設置窓部90が開設されるようになっている。前記球通路ユニット80には、前記第2可変始動入賞部162の配設位置に対応して、前後に開口する第2設置窓部91が開設されている。また、前記第1設置窓部90および第2設置窓部91は、対応する可変始動入賞部161,162(具体的に後述する機構設置ケース170)の外形よりも一回り大きな形状に形成されており、当該設置窓部90,91を介して可変始動入賞部161,162の後部が球通路ユニット80の後方に露出するようになっている。
ここで、実施例のパチンコ機10では、前記固定始動検出センサ75、第1および第2可変始動検出センサ77,78の何れかがパチンコ球を検出した検出信号がメイン制御基板60へ入力されることを契機として賞球の払出条件が成立するよう設定されており、所定数(実施例では3個)の賞球を払い出させるようメイン制御基板60に設けられたメイン制御CPU60aが図示しない球払出装置を制御するよう設定されている。また、前記固定始動検出センサ75、第1および第2可変始動検出センサ77,78によるパチンコ球の検出に伴って各種入賞情報(入球情報、後述する各種乱数情報)がメイン制御CPU60aに取得され、この取得した情報に基づいて特図当り判定(当り判定)が行われるよう構成されている。具体的には、センサ75,77,78の検出に伴って取得された各種入賞情報がメイン制御RAM60cに第1特図始動保留情報または第2特図始動保留情報として一時的に記憶されて、所定の特図変動表示を開始するタイミングでメイン制御RAM60cに記憶された第1特図始動保留情報または第2特図始動保留情報に基づいて特図当り判定(当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り判定の結果に基づいて特図表示部50A,50B(後述)において特図変動表示が実行されると共に、前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されるようになっている。そして、特図表示部50A,50Bでの特図変動表示の結果、所定の当り表示となる図柄が確定停止表示されると共に、前記図柄表示装置17での図柄変動演出の結果として、該図柄表示装置17に所定の当り表示となる図柄組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な大当り遊技が付与され、大当り遊技の発生に伴って前記特別入賞部40を所定の開放条件で開放して、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
(第1の複合入球部30の具体的構成について)
次に、前記第1の複合入球部30の具体的な構成につて説明する。前記前記第1の複合入球部30の取着部材400は、図4、図5に示すように、前記遊技盤20の前面側に取り付けられる台板部401と、当該台板部401の前面側に配設された前側部材405とを備えており、当該取着部材400の上部位置に前記固定始動口32が設けられると共に、当該取着部材400の右下部位置に前記ゲート部34が設けられている。そして、前記台板部401の上部位置に、前後および上方に開口する樋状の後側球樋部402が形成されると共に、前記前側部材405において前記台板部401に対向する前面板406の上部位置に、後方および上方に開口する前側球樋部407が形成されており、台板部401と前側部材405とを組み付けた際に、後側球樋部402の前方開口と前側球樋部407の後方開口とが整列することで前記固定始動入賞部31を形成するようになっている。そして、前記遊技盤20の前面側で前記前側球樋部407が上方に開口するよう構成されており、当該前側球樋部407における上方開口が前記固定始動口32を形成するようになっている。なお、前記台板部401は、前記遊技盤20に取り付けた状態で、前面側をパチンコ球が通過可能な薄板状に形成されている。
また、前記台板部401の右下部位置には、図4、図5に示すように、前後に開口する横長矩形状の貫通孔401aが形成されると共に、当該貫通孔401aの開口縁から後方へ延在する筒状の支持筒部403が形成されており、当該支持筒部403の後方開口を介して後方から差し込んだ前記ゲートセンサ76の後側部分を支持筒部403で支持するよう構成されている。更に、前記前側部材405には、前記貫通孔401aの前側位置に、前記台板部401から前方へ突出する前記ゲートセンサ76の前側左右側縁部を支持する支持受け部408が形成されている。前記左右の支持受け部408は、前後に延在するガイド凹部408a(図5(b)に一方のみ図示)が各対向面側に形成されており、当該ガイド凹部408aにゲートセンサ76の前側左右側縁部が嵌合することで、前記ゲートセンサ76の前側部分を左右の支持受け部408で支持するよう構成されている。
また、前記左右の支持受け部408には、後方へ突出する係止爪部408aが形成されて、前記台板部401の貫通孔401aの前側から各係止爪部408bが挿入されて、前記支持筒部403の後端部に形成された係止部403aに係止爪部408bが係合することで、支持筒部403および左右の支持受け部408が位置決めされるようになっている。ここで、前記係止爪部408bの間の間隔は、前記ゲートセンサ76の幅と一致するよう設定されて、当該ゲートセンサ76の左右位置を位置決めするようになっている。なお、前記支持筒部403には、ゲートセンサ76の後端部に係合する抜け止め部403bが形成されて、当該抜け止め部403bの係合によりパチンコ球が通過する球通過孔75aが台板部401の前側に位置する状態で前記ゲートセンサ76が位置決めされるよう構成されている。
また、図4、図5に示すように、前記取着部材400には、前記左右の支持受け部408の上端部から取着部材400の外縁部の間に延在する左右の第1通路壁部410,411が形成されている。前記第1通路壁部410,411は、1個のパチンコ球が通過可能な間隔(パチンコ球の直径より大きく2倍より小さい間隔)で対向するよう形成されて、両第1通路壁部410,411の間にパチンコ球が通過可能な第1球通路412が画成されると共に、当該第1球通路412の入口(上方開口)35が遊技領域21(第2球流下経路21b)内で開口するよう形成されている。従って、遊技領域21(第2球流下経路21b)を流下するパチンコ球が第1球通路412の入口35に流入することで、前記ゲートセンサ76まで導かれるよう構成されている。すなわち、前記取着部材400において、前記台板部401、前側部材402および左右の第1通路壁部410,411により前記ゲート部34が形成されると共に、当該左右の第1通路壁部410,411間の第1球通路412の入口が前記ゲート入口35を形成するようになっている。このように、実施例のパチンコ機10では、前記第1の複合入球部30における前記取着部材400の上部に前記固定始動入賞部31が配置されると共に、当該固定始動口32の下側に、前記ゲート部34にパチンコ球が入球し易い第2球流下経路21b側に偏倚する位置に当該ゲート部34が配置されている。すなわち、実施例の第1の複合入球部30は、第1球流下経路21aおよび第2球流下経路21bの一方の球流下経路21bの下流に位置するようゲート部34が配置されると共に、当該ゲート部34が位置する第2球流下経路21bから外れた位置に固定始動入賞部31が配置されている。
ここで、前記左右の第1通路壁部410,411は、上方へ向かうにつれて第2の複合入球部100の配設側(実施例では右側)に湾曲するよう形成されて、前記ゲート入口35が第2球流下経路21bの上流側に傾いて開口するよう構成されている。すなわち、前記第2球流下経路21bを流下したパチンコ球がゲート部34のゲート入口35に入球し易くなるよう構成されている。また、図4、図5に示すように、左側の第1通路壁部410には、前記左側の支持受け部408の上方位置に、当該第1通路壁部410から突出する突起部410aが形成されており、第1球通路412を通過するパチンコ球が支持受け部408に接触するのを防ぐよう構成されている。具体的に、前記突起部410aは、左側の支持受け部408の右端部と上下に整列する位置に設けられて、第1球通路412を通過するパチンコ球を突起部410aがゲートセンサ76の球通過孔75aへ向けて誘導するようになっており、当該第1球通路412を通過するパチンコ球が支持受け部408に接触することによりゲートセンサ76が損傷するのを防止している。
また、図4、図5に示すように、前記第1の複合入球部30(取着部材400)には、前記固定始動口32の固定始動口32より一方(第2球流下経路21b側となる右側)に偏った位置に、前記左側の第1通路壁部410に対して1個のパチンコ球が通過可能な間隔(パチンコ球の直径より大きく2倍より小さい間隔)で対向する第2通路壁部415が設けられており、当該左側の第1通路壁部410および第2通路壁部415の間にパチンコ球が通過可能な第2球通路416が画成されている。前記第2球通路416は、入口(上方開口)417が前記遊技領域21(第2球流下経路21b)内で開口すると共に、出口(下方開口)418が前記アウト口23の上方において遊技領域21内で開口するよう形成されており、当該第2球通路416の入口417に入球したパチンコ球をアウト口23(ゲート部34とは異なる位置)に向けて誘導するようになっている。すなわち、前記第2球通路416の入口417は、前記ゲート部34のゲート入口35に隣接するよう第1の複合入球部30に設けられて、当該第2球通路416の入口417およびゲート部34のゲート入口35が同じ球流下経路21b内で開口するよう構成されており、第2球流下経路21bを第1の複合入球部30に向けて流下するパチンコ球がゲート入口35や第2球通路416の入口417に入球し得るようになっている。このように、実施例の遊技盤20には、前記ゲート部34にパチンコ球が入球し易い第2球流下経路21bを流下して前記前記第1の複合入球部30(取着部材400)に到来するパチンコ球を、当該ゲート部34へ向けて案内する第1球通路412およびゲート部34とは異なる位置へ案内する第2球通路416が設けられている。
また、前記第1の複合入球部30には、図4、図5に示すように、前記固定始動入賞部31の下方において前記ゲート部34の配置側と反対側となる左側部に、当該ゲート部34の配置側へのパチンコ球の移動を規制する規制壁部420が設けられている。すなわち、前記固定始動入賞部31に入賞することなく第1の複合入球部30の左側を流下したパチンコ球がゲート部34側に移動するのを前記規制壁部420が防止するようになっている。このように、第1球流下経路21aを流下するよう打ち出されたパチンコ球がゲート部34に入球し難くすることで、ゲート部34にパチンコ球を入球させることで所定の遊技が実現される変短状態において第1球流下経路21aにパチンコ球を打ち出して遊技が行われた場合に所定の遊技が実現されないようにすることにより、前記左打ちから右打ちへ遊技形態を変更することを間接的に促すようにしている。
また、図5に示すように、前記遊技盤20には、前記第2の複合入球部100に形成された第4の球転動面124の傾斜下端から前記ゲート入口35の右側開口端部(第2の複合入球部100側の開口端部)に向けて連続する複数の遊技釘Gからなる第1案内連釘G1と、当該第4の球転動面124および第1案内連釘G1の上方に位置するよう設けられ、前記ゲート入口35の左側開口端部(第2球通路416の入口417)に向けて連続する複数の遊技釘Gからなる第2案内連釘G2とが設けられている。すなわち、前記第2の複合入球部100に形成された入球部(可変作動入球部240、可変始動入賞部161,162等)に入球することなく第2球流下経路21bを流下したパチンコ球を、前記第1案内連釘G1により前記第1の複合入球部30のゲート部34(ゲート入口35)へ向けて誘導することで、当該ゲート部34に入球する機会を高めている。また、前記第1球流下経路21aを流下して第1の複合入球部30の右側に流下したパチンコ球が前記第2案内連釘G2に接触することで、当該パチンコ球がゲート部34よりも第2球通路416に誘導される割合を高めるようになっており、第1球流下経路21aを流下したパチンコ球がゲート部34に入球し難くしている。
また、前記遊技盤20には、前記枠状装飾体25における表示窓口25aの右側の開口縁を形成する区画壁部26の下端部から前記固定始動入賞部31の下方へ向けて連続する複数の遊技釘Gからなる第3案内連釘G3が設けられている。すなわち、前記第2球流下経路21bを流下するパチンコ球が固定始動入賞部31に向かうのを第3案内連釘G3により規制することで、当該第2球流下経路21bを流下したパチンコ球が固定始動入賞部31に入球し難くなるようにしてある。なお、前記第1〜第3案内連釘G1〜G3には、各案内連釘G1〜G3の適宜位置に、パチンコ球が通過可能な隙間を形成するよう複数の遊技釘Gが設けられて、各案内連釘G1〜G3により案内されるパチンコ球が下方へ流下し得るようになっている。
このように、前記第1球流下経路21aを流下するパチンコ球が固定始動口32に入球し得る一方で、遊技盤20に設けられた前記枠状装飾体25や遊技釘Gにより、第1球流下経路21aを流下するパチンコ球が固定始動口32に入球する割合よりも、前記第2球流下経路21bを流下するパチンコ球が固定始動口32へ入球する割合が低くなるよう構成されている。実施例では、前記第3案内連釘G3により第2球流下経路21bを流下するパチンコ球の固定始動口32への入球が略不可能となっている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、固定始動入賞部31とゲート部34とで入球し易い球流下経路21a,21bが異なるように第1の複合入球部30を遊技盤20に配置することで、遊技状態に応じてパチンコ球を流下させる球流下経路21a,21bを遊技者が能動的に切り替える遊技を実現し得るようになっている。なお、前記枠状装飾体25の区画壁部26の下端部と第3案内連釘G3との間をパチンコ球が通過し得るよう構成することで、第2球流下経路21bを流下するパチンコ球が固定始動口32へ入球し得るようにすることができる。
なお、前記固定始動入賞部31の固定始動口32は、遊技盤20の裏側に設けられた球排出通路(図示せず)に連通するよう構成されており、当該固定始動口32に入球したパチンコ球が球排出通路を介して遊技盤20の外部に排出されるよう構成されている。そして、この球排出通路に固定始動検出センサ75が配設されており、球排出通路を介して排出される過程で固定始動検出センサ75がパチンコ球を検出し得るようになっている。
(第2の複合入球部100の具体的構成について)
前記第2の複合入球部100は、図6〜図8に示すように、遊技盤20に固定される本体部材105の裏側に、前記可変作動入球部240、第1および第2可変始動入賞部161,162の夫々が配設されて、当該本体部材105が遊技盤20の前面から固定される。また、前記第2の複合入球部100は、前記第2球流下経路21bにおいて前記可変作動入球部240が第1および第2可変始動入賞部161,162より上流側に配置されると共に、当該可変作動入球部240の作動口101に入球したパチンコ球を、複数の球通路(具体的には第1および第2の分岐流入通路345,346)に振り分けて通出させる通路振分部(振分手段)350が設けられている。ここで、実施例の通路振分部350は、第1可変始動入賞部161に連通する前記第1分岐通路および第2可変始動入賞部162に連通する前記第2分岐通路の何れかにパチンコ球を振り分けるよう構成されており、当該通路振分部350での通路振分により、作動口101に入球したパチンコ球が第1または第2可変始動入賞部161,162の何れかへ誘導されるようになっている。すなわち、第2の複合入球部100は、可変作動入球部240、第1および第2の可変始動入賞部161,162、通路振分部350を備えた単一のユニット部材として遊技盤20に着脱し得るよう構成されている。
(本体部材105について)
前記本体部材105は、図6〜図8に示すように、前記遊技盤20の前面側に取り付けられる取付ベース部106と、該取付ベース部106の前面側に配設されたカバー部108とから形成されている。そして、本体部材105の上部位置に可変作動入球部240および通路振分部350が配置され、本体部材105の下部位置に第1可変始動入賞部161が配置され、該可変作動入球部240および第1可変始動入賞部162の間に位置するよう第2可変始動入賞部162が配置されている。ここで、実施例の第2の複合入球部100では、前記可変作動入球部240および通路振分部350をケース体241,340に組み付けてユニット化した作動入球振分ユニット230が前記本体部材105の上部裏側に配設されている。
また、前記本体部材105は、後方を透視可能な部材により形成されており、前記作動口101や固定始動口32、可変始動口102,103を介して装置内部に流入したパチンコ球を前側(遊技者側)から目視し得るよう構成されている。なお、前記本体部材105の全体が透視可能に形成されている必要はなく、パチンコ球の通過経路を透視可能に構成するようにしてもよい。また、パチンコ球の流通経路の全体を透視可能に形成されている必要はなく、作動口101に入球したパチンコ球が前記通路振分部350により第1および第2の分岐流入通路345,346に振り分けられる様子を透視し得る構成であってもよい。このように、作動口101に入球したパチンコ球の第1および第2の分岐流入通路345,346への振分態様を視認し得るようにすることで、作動口101に入球したパチンコ球の通過経路に対する関心を高めることができる。
図6〜図8に示すように、前記本体部材105には、パチンコ球が通過可能な大きさで遊技領域21内に開口する開口部(具体的には球流入口110a、球流出口110b、第1可変始動口102、第2可変始動口103、第2のアウト口104)が外周の複数箇所に開設されると共に、前記取付ベース部106の適宜位置には、パチンコ球が通過可能な大きさで前後に貫通する通孔(具体的には作動口101、第1取込口115a、第2取込口116a)が複数箇所に開設されている。そして、前記本体部材105に、外周面に設けた開口部102,103と取付ベース部106の通孔115a,116aとを連通させた球通路(以下、取込通路115,116という)や、外周面に設けた開口部110a,110bを連通させた球通路(以下、通出通路110という)が画成されている。ここで、実施例の第2の複合入球部100には、本体部材105の上部に上下に開口する1つの開口部110aが形成されると共に、遊技領域21(第2球流下経路21b)に露出する左側部に左右に開口する4つの開口部102,103,104,110bが形成され、前記取付ベース部106には、前記可変作動入球部240、第1および第2可変始動入賞部161,162の配設位置に合わせて、前後に貫通する通孔101,115a,116aが夫々形成されている。なお、実施例の第2の複合入球部100では、後述するように前記可変作動入球部240の配設位置に対応して形成された通孔が前記作動口101となっている。また以下の説明において、第1可変始動入賞部162の配設位置に対応して形成された通孔を第1取込口115aと指称し、第2可変始動入賞部161の配設位置に対応して形成された通孔を第2取込口116aと指称する場合がある。
(通出通路110について)
前記通出通路110は、図6に示すように、前記本体部材105の上部に形成された開口部110aと、当該本体部材105の左側部の上部位置に形成された開口部110bとを連通するよう構成されており、遊技領域21(第2球流下経路21b)を流下するパチンコ球が、当該開口部110aから通出通路110に流入して、開口部110bから遊技領域21(第2球流下経路21b)に通出し得るようになっている。ここで、前記通出通路110は、開口部110aから下方に延在する縦通路111と、当該縦通路111の下端部に連通すると共に左側面の開口部110bへ向けて下方傾斜する傾斜通路112とから構成されて、当該通出通路110(具体的には縦通路111)に開口するよう前記取付ベース部106に通孔101が形成されている。この通出通路110に開口する通孔は、前記可変作動入球部240の作動口開閉部材(開閉部材)260の作動により開閉されるようになっている。すなわち、通出通路110に開口するよう設けられた通孔が、前記可変作動入球部240の作動口101となっており、可変作動入球部240の作動口開閉部材260の開放に伴って、パチンコ球が作動口101に入球し得るようになっている。なお、以下の説明において、本体部材105の上面に形成された開口部を球流入口110aと指称し、本体部材105の左側面の上部位置に形成された開口部を球流出口110bと指称して区別する場合がある。
ここで、図3に示すように、前記球流入口110aは、前記第2球流下経路21bにおける上側流路RAの球出口Sの下方に整列する位置に設けられており、当該上側流路RAの球出口Sを通過したパチンコ球が、球流入口110aに通入して通出通路110に導入されるようになっている。すなわち、第2球流下経路21bに打ち出されて上側流路RAの球出口Sを通過し、下側流路RBに移動したパチンコ球が高確率で球流入口110aに通入するよう構成されている。また、前記通出通路110における縦通路111の側面を画成する左右の側壁部111aは、上端面111bが球流入口110aへ向けて下方傾斜する傾斜状に形成されており、前記上側流路RAの球出口Sを通出した際に縦通路111から左右に逸れたパチンコ球を、当該左右の側壁部111aにおける上端面111bの傾斜により略確実に球流入口110aへ誘導するようになっている。すなわち、前記通出通路110における縦通路111の側面を画成する左右の側壁部111aの上端面111bを傾斜状に形成することで、可変作動入球部240の作動口開閉部材260が開放した際における遊技領域21(第2球流下経路21b)を流下するパチンコ球の作動口101への入球割合を高めている。
また、図3に示すように、前記縦通路111の側面を画成する左右の側壁部111aは、前記作動口101の左右の開口縁に沿って延在するよう形成されており、作動口101の開放時に縦通路111を通過するパチンコ球が入球し易くしている。なお、実施例の本体部材105では、前記作動口101の左右の開口縁から前方へ突出するよう前記左右の側壁部111aが取付ベース部106に形成されているが、当該縦通路111における左右の側壁部111aを前記カバー部108の裏面に形成することも可能である。
(取込通路115,116について)
また前記本体部材105には、図6に示すように、本体部材105の左側面に形成された開口部102と、取付ベース部106の第1可変始動入賞部161の配設位置に形成された第1取込口115aとを連通する第1取込通路115が設けられていると共に、本体部材105の左側面に形成された開口部103と前記取付ベース部106の第2可変始動入賞部162の配設位置に形成された第2取込口116aとを連通する第2取込通路116が設けられる。すなわち、遊技領域21(第2球流下経路21b)を流下する過程で、前記本体部材105の左側面に形成された開口部102,103から第1または第2取込通路115,116に流入したパチンコ球を、各取込通路115,116に対応する第1取込口115aまたは第2取込口116aから取り込み得るようになっている。なお、実施例では、前記本体部材105の左側面の最下方に位置する開口部103に前記第1取込通路115が連通し、前記球流出口110bの下方に隣接して位置する開口部102に前記第2取込通路116が連通するよう構成されている。
ここで、前記第1取込通路115に対応する開口部102は、前記第1可変始動入賞部161の第1始動口開閉部材(開閉部材)165により開閉されるよう構成されており、当該第1取込通路115に対応した開口部が第1可変始動入賞部161の第1可変始動口102として機能するようになっている。そして、前記第2取込通路116に対応する開口部103は、前記第2可変始動入賞部162の第2始動口開閉部材(開閉部材)166により開閉されるよう構成されており、当該第2取込通路116に対応した開口部が第2可変始動入賞部162の第2可変始動口103として機能するようになっている。すなわち、第1可変始動入賞部161の第1始動口開閉部材165の開放に伴ってパチンコ球が第1取込通路115に流入し得ると共に、第2可変始動入賞部162の第2始動口開閉部材166の開放に伴ってパチンコ球が第2取込通路116に流入し得るようになっている。換言すれば、前記第1取込通路115は、第1可変始動入賞部161の第1可変始動口102に入賞したパチンコ球が流下する入賞経路を構成すると共に、前記第2取込通路116は、第2可変始動入賞部162の第2可変始動口103に入賞したパチンコ球が流下する入賞経路を構成している。なお、実施例の第1取込通路115および第2取込通路116は、基本的に同一形態に形成されていることから、同一の機能を有する構成に関しては同じ符号を付して説明する。
ここで、前記第1および第2可変始動入賞部161,162を構成する後述の機構設置ケース170の前方開口部171が対応する取込口115a,116aに突出するよう構成されており、各取込通路115,116をパチンコ球が通過する過程で、対応する可変始動入賞部161,162の入球作動部206,207にパチンコ球が接触するようになっている。
また、前記本体部材105には、図6に示すように、前記第1可変始動口102と第2可変始動口103との間に位置する開口部としての第2アウト口104と、前記取付ベース部106における第2取込口116a(第2可変始動入賞部162)の下方に形成された通孔(アウト球取込口119a)とを連通するアウト球取込通路119が設けられている。ここで、前記アウト球取込口119aは、遊技盤20(本体部材105)の裏側において前記球通路ユニット80に形成されたアウト通路93に連通するよう構成されており、前記遊技領域21(第2球流下経路21b)を流下する過程で第2アウト口104に通入したパチンコ球が遊技盤20の外部へ排出されるようになっている。
ここで、前記第2の複合入球部100には、図6に示すように、前記通出通路110における傾斜通路112を形成する第1の球転動面121の傾斜下端の下方で前記第2可変始動口103が開口し、当該第2可変始動口103の開口縁から左方向に下方傾斜する第2の球転動面122の傾斜下端の下方で前記アウト球取込口119aが開口すると共に、当該アウト球取込口119aの開口縁から左方向に下方傾斜する第3の球転動面123の傾斜下端の下方で前記第1可変始動口102が開口するよう構成されている。すなわち、前記作動口101に入球することなく流下したパチンコ球が前記第2可変始動入賞部162の開閉態様に応じて第2可変始動口103に入賞し得ると共に、当該第2可変始動入賞部162入賞することなく流下したパチンコ球が前記第1可変始動入賞部161の開閉態様に応じて第1可変始動口102に入賞し得るようになっている。このように、第2の複合入球部100は、前記作動口101、第2可変始動口103および第1可変始動口102の形成位置の順で前記上側流路RAの球出口Sを通過したパチンコ球が辿るように流下するよう構成されて、上流側に位置する入球口(作動口101、第2可変始動口103および第1可変始動口102)への入球機会を高めている。
また、前記第1可変始動口102の開口縁から左方向に下方傾斜する第4の球転動面124の傾斜下端に、パチンコ球が通過不能な間隔で前記第1案内連釘G1の傾斜上端が連なるよう構成されており、第1可変始動入賞部161に入賞することなく第4の球転動面124を流下したパチンコ球を前記第1の複合入球部30のゲート部34に向けて誘導し得るようになっている。すなわち、前記第2球流下経路21bに打ち出されたパチンコ球は、前記特別入賞部40、第2の複合入球部100の可変作動入球部240(作動口101)、第2可変始動入賞部162(第2可変始動口103)、第1可変始動入賞部161(第1可変始動口102)およびゲート部34(ゲート入口35)の順で辿るように流下するよう構成されて、各入球部への入球機会を高めている。なお、前記第3の球転動面123は、前記アウト球取込口119aの開口縁側の端部(すなわち右端部)において傾斜角度が大きくなるよう構成されており、第3の球転動面123上のパチンコ球がアウト球取込口119aに入球する割合を低減させて、第1可変始動口102へ向けて流下するよう構成されている。なお、前記第2の複合入球部100には、前記第1可変始動口102(第3の球転動面123)の上方位置に、上方および後方へ開口する樋状の普通入賞部220が形成されており、当該普通入賞部220の上方開口がパチンコ球の入賞口(普通入賞口221)となっている。
(作動入球振分ユニット230について)
前記作動入球振分ユニット230は、図9に示すように、前記可変作動入球部240が配設される第1の本体ケース241と、前記通路振分部350が配設される第2の本体ケース340とを備え、両本体ケース241,340を組み付けることで、可変作動入球部240および通路振分部350を単一のユニットとして取り扱い可能に構成されている。具体的に、前記第2の本体ケース340の後方上部位置に前記第1の本体ケース241を固定した状態で、前記第2の複合入球部100の本体部材105の裏側上部位置に、当該第2の本体ケース340が取り付けられる。
(第1の本体ケース241について)
前記第1の本体ケース241は、図9に示すように、前記第2の本体ケース340に固定される第1の前側ケース体122と、該第1の前側ケース体122の裏側に固定される第1の後側ケース体123とから構成されいる。そして、前記第1の本体ケース241を取り付けた第2の本体ケース340を前記第2の複合入球部100の本体部材105(取付ベース部106)に固定することで、作動入球振分ユニット230が本体部材105に配設されるよう構成されている。
図11に示すように、第1の本体ケース241には、可変作動入球部240の構成部材が収容される収容部250,251,252が画成されている。すなわち、第1の本体ケース241内には、駆動手段としての第1ソレノイド261を収容する第1収容部250と、作動部材(リンク手段)264および規制部材(規制手段)263を収容する第2収容部251と、作動口開閉部材260の後部分を収容する第3収容部252とが画成されている。ここで、第1の後側ケース体245は、前方へ開口する矩形箱状に形成され、該第1の後側ケース体245の内部上側に第1収容部250が画成されると共に、該第1の後側ケース体245の内部下側に第3収容部252が画成されている。また、第1の前側ケース体244は、上側部分が矩形筒状に形成され、この上側部分に第2収容部251が画成されている。そして、第1の前側ケース体244における矩形筒状部分の下側には、作動口101に整合する空間248を画成する壁部253,253が、左右に離間すると共に前後に延在している。この壁部253,253の下縁は、該第3収容部252に配設される作動口開閉部材260における側壁272の上縁と上下方向に対向するようになっている(図13(b)参照)。なお、第1の後側ケース体245は、第1の前側ケース体244に画成された第3収容部252の前側部分を塞がないように構成される(図13(b)参照)。
そして、図11〜図13(b)に示すように、取付ベース106における作動口101の上側に、上下方向に延在すると共に前後に開口して該作動口101に連通する第1スリット部257が設けられている。この第1スリット部257には、規制部材263に設けられた球当て部313が収容可能となっている(図14(b)参照)。また、第1の前側ケース体244における矩形筒状部分の底部に、規制部材263が上下方向に通過可能な第2スリット部258が形成されている。規制部材263は、後述する規制位置および許容位置の間を姿勢変して規制状態および許容状態に切り替わる際に、第2スリット部258を通過するようになっている(図13(b)参照)。また、第1の前側ケース体244における矩形筒状部分の上部に、規制部材263の上縁部が収容可能な第3スリット部259が形成されている。規制部材263は、後述する許容位置に姿勢変位した際に、上縁部が第3スリット部259へ収容されるようになっている(図13(b)参照)。
(可変作動入球部240について)
前記可変作動入球部240は、前記作動口101を閉鎖する閉鎖位置(図10(a)参照)および該作動口101を開放する開放位置(図10(b)参照)に変位可能な作動口開閉部材260と、該作動口開閉部材260を駆動する電動式駆動手段としての第1ソレノイド261と、当該第1ソレノイド261を作動口開閉部材260に連繋接続する第1連繋部(連繋部)262とを備え、第1ソレノイド261が駆動制御することで作動口開閉部材260が開放位置および閉鎖位置に変位するよう構成されている。すなわち、前記第1ソレノイド261の駆動に伴って前記作動口開閉部材260を閉鎖位置および開放位置に変位させることで、前記通出通路110(縦通路111)を流下するパチンコ球の作動口101への入球が許容された状態と、入球が阻止された状態と切り替わるよう構成されている。ここで、作動口開閉部材260が作動口101を閉鎖する状態としては、当該作動口開閉部材260により作動口101が完全に塞がれて前記通出通路110(縦通路111)に開口しない状態である必要はなく、当該作動口101をパチンコ球が入球不能な程度に塞ぐ状態であれば、作動口101が通出通路110(縦通路111)に開口している状態であってもよい。
前記可変作動入球部240は、図12に示すように、作動口101へのパチンコ球の入賞を規制する規制位置(規制状態;図13(b)参照)および該作動口101へのパチンコ球の入賞を許容する許容位置(許容状態;図13(b)参照)に変位可能な規制部材(規制手段)263を備えている。この規制部材263は、リンク手段としての作動部材264を介して第1連繋部262に連係しており、第1ソレノイド261が駆動制御することで規制位置および許容位置に変位するよう構成されている。すなわち、可変作動入球部240は、第1ソレノイド261の作動に伴って変位する第1連繋部262および作動部材264により規制部材263を規制位置および許容位置に変位させることで、パチンコ球が作動口101へ入賞するのを許容する許容状態と、入賞するのを規制する規制状態と切り替わるよう構成されている。ここで、規制部材263が作動口101へのパチンコ球の入賞を規制する状態としては、当該規制部材263により作動口101が完全に塞がれて第2球流下経路21bに開口しない状態である必要はなく、当該作動口101をパチンコ球が入賞不能な程度に塞ぐ状態であれば、作動口101が遊技領域21に開口している状態であってもよい。
(作動口開閉部材260について)
作動口開閉部材260は、図10〜図14に示すように、前後方向に長尺な平板状に形成されている。作動口開閉部材260は、前側部分270と該前側部分270の後側に連設される後側部分271とを備え、第1の後側ケース体245に形成された第3収容部252に後側部分271が摺動可能に挿入され、当該第3収容部252の前方開口から前側部分270が延出するよう構成されている。すなわち、作動口開閉部材260は、前側部分270が第3収容部252から前方へ突出した状態で、前後方向に往復移動し得るよう構成されている。そして、作動口開閉部材260の後側部分271に、第1連繋部262の第1リンク係合部295と係合する開閉係合部280が設けられている。
作動口開閉部材260の前側部分270は、図10〜図14に示すように、前後に長い矩形枠状に形成されている。前側部分270は、パチンコ球の直径より大きい間隔で左右に離間すると共に前後に延在する左右一対の側壁272,272を備えている。また、前側部分270の前端部は、後方へ向かうにつれて下方傾斜する傾斜状に形成された球誘導片(球受け部)273が上方へ突出するよう形成されている。この球誘導片273は、左右中央が前方へ尖っていて、左右中央から左側部分が後方に向かうにつれて後方へ変位して左の側壁272に連設されると共に、左右中央から右側部分が後方へ向かうにつれて後方へ変位して右の側壁272に連設されている。また、前側部分270の底部は、前述した球誘導片273に連設する前部が、後方に向かうにつれて僅かに下方へ傾斜する傾斜状に形成された球受け面(球受け部)274が設けられると共に、底部における球受け面274の後方は、パチンコ球の下方への通過を許容する球通過孔275が形成されている。更に、前側部分270の底部後端における左右には、下方へ突出した支持突部276,276が形成されており、第1の後側ケース体245の第3収容部252における底部上面に該支持突部276,276が摺接すると共に、前側部分の球誘導片273および球受け面274にパチンコ球が落下した際に、該支持突部276,276および後述するガイド部277により、パチンコ球の衝突による衝撃を支持するようになっている(図13(b)および図14(b)参照)。また、球通過孔275は、左右幅がパチンコ球の直径より僅かに大きく、前後幅がパチンコ球の直径の2倍程度とした矩形状とされているが、球通過孔275の開口形状は、パチンコ球の通過を許容するものであれば円形、楕円形、多角形であってもよい。
作動口開閉部材260の前側部分270は、該作動口開閉部材260が開放位置に移動した状態(図14(b)参照)では、球誘導片273および球受け面274が作動口101を介して遊技盤20の前側(通出通路110の内側)に突出するようになっている。すなわち、作動口開閉部材260が開放位置に移動した状態では、通出通路110(縦通路111)を流下するパチンコ球が球誘導片273および球受け面274で受け止められて、該球誘導片273および球受け面274の傾斜により該パチンコ球が後方(すなわち作動口101側)へ案内されるようになっている。また、作動口開閉部材260が閉鎖位置に移動した状態(図13(b)参照)では、球誘導片273および球受け面274が作動口101を介して遊技盤20の裏側(通出通路110の外側)に退避すると共に、当該作動口開閉部材260により作動口101の下部側が塞がれて、作動口101の上下幅がパチンコ球の直径より小さくなることで、当該作動口101へのパチンコ球の入賞を阻止するよう構成されている。そして、作動口開閉部材260が閉鎖位置にある状態では、作動口101から空間248へ入ったパチンコ球が、球通過孔275を介して後述する連絡通路344へ移動して入球検出センサ247で検出され、該入球検出センサ247で検出された後に通路振分部350へ移動するようになっている。
作動口開閉部材260の後側部分271は、図10〜図12に示すように、前後に長い矩形ブロック状に形成されている。後側部分271の上部に、第1の後側ケース体245の第3収容部252に形成されたガイドレール254に係合するガイド部277が形成されている。ガイド部277は、前後方向に延在すると共に後側部分271の上面から下方へ凹んでおり、下方へ突出したガイドレール254に嵌合した状態で摺接可能となっている。後側部分271の底部には、前後に細長に延在すると共に下方に突出した当接縁部278が、該底部における左縁および右縁の夫々に設けられており、第1の後側ケース体245の第3収容部252に収容された当該後側部分271は、夫々の当接縁部278,278が該第3収容部252の底部に接触して摺動するようになっている。なお、当接縁部278は、その短手方向での断面形状が下方へ凸となる半円形状となっていて、第3収容部252の底部に線状に接触するようになり、第3収容部252の底部との摩擦が軽減されるようになっている。また、後側部分271の後端部には、後方に突出したストッパ279が該後端部における左縁および右縁の夫々に設けられており、夫々のストッパ279,279が第3収容部252の後部に当接することで(図13(b)参照)、作動口開閉部材260の閉成位置が規定されると共に、該作動口開閉部材260が閉成位置より後方へ移動することが規制されるようになっている。
図10〜図14に示すように、作動口開閉部材260の後側部分271における前部両側に、第1連繋部262における第1リンク係合部295,295が係合する開閉係合部280,280が設けられている。各開閉係合部280,280は、作動口開閉部材260の側方および上下に開口した凹状に形成されている。これにより各開閉係合部280,280は、第1連繋部262の姿勢変位に伴う第1リンク係合部295,295の上下方向の移動を許容すると共に、該第1リンク係合部295,295が上下方向へ移動しても常に係合状態を維持し得るよう構成されている。
(第1ソレノイド)
第1ソレノイド261は、図5〜図14に示すように、前側にプランジャ286を位置させた姿勢でソレノイド本体285が第1の本体ケース241の第1収容部250に設置され、該プランジャ286は第2収容部251に向けて前方へ延出している。第1ソレノイド261は、前記メイン制御基板60のメイン制御CPU60aの制御に基づいて励磁・非励磁が制御されると共にプランジャ286にスプリング287が配設されており、励磁時にはプランジャ286がソレノイド本体285内に後退移動し、非励磁時にはプランジャ286がスプリング287の付勢によりソレノイド本体285から前進移動するよう構成されている。
(第1連繋部262)
前記第1連繋部262は、図5〜図14に示すように、第1の本体ケース241に揺動可能に支持されて、第1ソレノイド261により揺動変位するようになっている。第1連繋部262は、第1ソレノイド261のプランジャ286に連繋接続されて当該プランジャ286と一体的に前後移動する連結部290と、該連結部290の左右両端部に設けられ、作動口開閉部材260および作動部材264の夫々に連係接続される揺動アーム291,291とを備えている。ここで、各揺動アーム291,291は、作動口開閉部材260に連係接続される第1アーム部292と、作動部材264に連係接続される第2アーム部293とを備えると共に、第1の本体ケース241の左右側壁に設けられた支持部255,255に係合される軸部294,294を備えている。第1アーム部292は、揺動アーム291における軸部294の形成位置から下方へ延出した部分であると共に、第2アーム部293は、該揺動アーム291における軸部294の形成位置から上方へ延出した部分であり、第2アーム部293,293の間に連結部290が一体に設けられている。そして、第1連繋部262は、各軸部294,294と支持部255,255との係合により第1の本体ケース241に揺動可能に支持されると共に、連結部290が第1ソレノイド261のプランジャ286に連係接続されていることで、該第1ソレノイド261の励磁時には、各第1アーム部292,292が前方へ移動すると共に各第2アーム部293,293が後方へ移動するように揺動変位する一方、該第1ソレノイド261の非励磁時には、各第1アーム部292,292が後方へ移動すると共に各第2アーム部293,293が前方へ移動するように揺動変位する。
図13および図14に示すように、各第1アーム部292,292の下端部には、作動口開閉部材260に設けられた前述の開閉係合部280に係合する第1リンク係合部295が形成されている。第1リンク係合部295,295は、第1アーム部292の下端部内側から棒状に延出しており、開閉係合部280に対して横方向から係合して摺動可能となっている。また、各第2アーム部293,293の上端部には、作動部材264に設けられた作動係合部303が係合する第2リンク係合部296が形成されている。第2リンク係合部296,296は、第2アーム部293の上端部外側に、側外方へ開口した長溝状に形成され、作動係合部303が横方向から係合すると共に摺動が可能となっている。
(作動部材)
前記作動部材264は、図10〜図14に示すように、第1の本体ケース241における第2収容部251内を前後方向へ往復移動可能に配設されている。作動部材264は、前後方向に延在する左右一対の板状をなす側体部300,300と、両側体部300,300の上縁に夫々連設され、該側体部300,300を左右に離間させた連結板部301とを備えた部材である。作動部材264は、下方および前後に開口する収容部302が両側体部300,300間に画成されており、該収容部302には、規制部材263の上部分および第1連繋部262の上部分が下方から収容可能に構成されている。各側体部300,300の後端部には、第1連繋部262の第2アーム部293に設けられた第2リンク係合部296に係合する作動係合部303が設けられている。各作動係合部303,303は、各側体部300,300の後端部内側から突出したピン状に形成され、溝状に形成された第2リンク係合部296に対して側方から係合すると共に、該第2リンク係合部296に摺動可能となっている。
また、図10〜図14に示すように、作動部材264における各側体部300,300の前側部分には、規制部材263に設けられた規制係合部312が摺接するガイド部305が設けられている。この規制係合部312は、作動部材264の往復移動時にガイド部305の上面に沿って摺動するようになっており、ガイド部305の形状によって該規制係合部312が上下方向に移動することで、第1の本体ケース241に揺動可能に支持された規制部材263の規制位置および許容位置の間の姿勢変位を規定するようになっている。各ガイド部305は、図11、図13および図14に示すように、側体部300の前端部に隣接して位置する第1ガイド面306と、該第1ガイド面306の後縁から後方へ延在する第2ガイド面307と、該第2ガイド面307の後縁から後方へ延在する第3ガイド面308とから構成されている。ここで、第1ガイド面306は、前後方向に水平な平坦面であり、第2ガイド面307は、後方に向かうにつれて下方傾斜した平坦面に形成され、第3ガイド面308は、前後方向に水平な平坦面である。すなわち、第1ガイド面306は、第3ガイド面308より上方に位置している。
(規制部材)
前記規制部材263は、図11〜図14に示すように、第1の本体ケース241における第2収容部251内に設けられた規制部材支持部256に後部が枢支され、前部が上下方向に往復移動するように該第1の本体ケース241に配設されている。規制部材263は、作動口101に延出してパチンコ球が該作動口101に入賞するのを規制する規制部310と、該規制部310から後方へ延出して規制部材支持部256に連結される連結部311と、ガイド部305に摺接する規制係合部312とを備えている。実施例の規制部材263は、左右幅より上下幅が大きい板状に形成された部材である。但し、規制部材263の形状はこれに限定されるものではなく、規制位置において作動口101へのパチンコ球の入賞を規制し得るよう構成されていれば様々な形状とすることができる。
前記規制部310は、図13(b)および図14(b)に示すように、前端から後方に向かうにつれて上下幅が徐々に小さくなる扇形状に形成されている。規制部310の前端は、上下方向において前方へ凸となる湾曲状に形成されていると共に、該規制部310の上端314および下端315は直線状に形成されている。そして、規制部310の前端は、上下方向の略中間から下側部分が上側部分より前方へ突出しており、該下側部分が、作動口101へ延出してパチンコ球に接触する球当て部313となっている。ここで、規制部310は、規制部材263が許容位置となると作動口101および空間248から退避し、下端315が第2スリット部258に位置すると共に上端314が第3スリット部259に位置し、球当て部313が第1スリット部257に位置するようになる(図14(b)参照)。一方、規制部310は、規制部材263が規制位置となると、球当て部313が作動口101へ延出すると共に下端315が空間248内へ延出する(図13(b)参照)。
図11および図12に示すように、連結部311の後端部には、左右方向に貫通する連結孔316が形成され、左右方向に軸心が向いた状態で規制部材支持部256に支持される支持軸317が、該連結孔316に貫通するようになっている(図14(a)参照)。従って、規制部材263は、支持軸317に回転自在に支持された規制部310が支持軸317を中心として上下方向へ移動することで、許容位置および規制位置の間を姿勢変位可能となる。また、規制部材263は、連結部311の後端部で支持軸317に支持されているので、当該規制部材263の自重により許容位置側から規制位置側に向けて常に付勢されている。
規制係合部312は、図10、図13、図14に示すように、規制部310の後上部から左右方向へ延出している。すなわち、規制係合部312は、規制部材263の回転中心である支持軸317から前方へ離間した位置に、規制部材263の左右方向へ延出したピン状の突出部である。規制係合部312は、規制部材263から左方へ延出した部分が、作動部材264の左側体部300に設けられたガイド部305に上方から係合するようになり、規制部材263から右方へ延出した部分が、作動部材264の右側体部300に設けられたガイド部305に上方から係合するようになっている。
(規制部材と作動部材との関係について)
図13および図14に示すように、第1の本体ケース241における第2収容部251内に配設された規制部材263は、該第2収容部251内に配設された作動部材264の収容部302内に規制部310および連結孔316が位置している。そして、規制部材263における規制係合部312の下方に、作動部材264に設けられたガイド部305,305が位置しており、第1ソレノイド261の励磁制御によるプランジャ286の前進・後退変位に伴って作動部材264が第2収容部251内を前後に往復移動する際に、ガイド部305,305が規制係合部312の下方を前後に移動するように構成されている。そして、規制部材263は、前述したように自重により規制位置側へ付勢されていることで、規制係合部312はガイド部305,305のガイド面に常に上方から押し付けられるようになっている。
ここで、第1ソレノイド261が非励磁によりプランジャ286が最前進位置となっている場合では、図13に示すように、作動部材264が第2収容部251内で最前進位置となっており、規制係合部312の下方にはガイド部305の第3ガイド面308が位置するように構成されている。そして、第1ソレノイド261が非励磁状態から励磁されて、プランジャ286が最前進位置から最後退位置に向けて後退移動する際には、作動部材264が第2収容部251内を後方へ移動することでガイド部305,305が後退移動するため、規制部材263の規制係合部312は、第3ガイド面308,308から第2ガイド面307,307に移動し、該第2ガイド面307,307を摺動することに伴って徐々に上方へ移動するようになる。更に作動部材264が第2収容部251内を後方へ移動すると、規制部材263の規制係合部312は、第2ガイド面307,307から第1ガイド面306,306に移動し、該第1ガイド面306,306を摺動するようになる。そして、プランジャ286が最後退位置まで移動して作動部材264が最後退位置まで移動した場合には、規制部材263の規制係合部312は、ガイド部305の第1ガイド面306,306上に位置している(図14参照)。
すなわち、実施例の規制部材263は、規制係合部312がガイド部305の第3ガイド面308,308上に位置している際に、規制部材263が規制位置に保持されるよう構成されている。また、規制部材263は、規制係合部312がガイド部305の第1ガイド面306,306上に位置している際に、規制部材263が許容位置に保持されるよう構成されている。
(作動口開閉部材260と規制部材263との動作タイミングについて)
実施例の可変作動入球部240は、開閉係合部280と第1リンク係合部295とが、前後方向におけるがたつきを最小限に設定してある(13(b)参照)。従って、第1ソレノイド261が励磁制御されてプランジャ286が最先進位置から最後退位置に向けて移動開始すると同時に作動口開閉部材260が閉鎖位置から開放位置に向けて移動開始すると共に、第1ソレノイド261の励磁制御が停止されてプランジャ286が最後退位置から最前進位置に向けて移動開始すると同時に作動口開閉部材260が開放位置から閉鎖位置に向けて移動開始するようになっている。
(第2の本体ケース340について)
前記第2の本体ケース340は、図9に示すように、前記第2の複合入球部100の本体部材105(取付ベース部106)に固定される第2の前側ケース体341と、該第2の前側ケース体341の裏側に固定される第2の後側ケース体342とから構成され、当該第2の本体ケース340に、パチンコ球が通過可能な球通路(導入通路343、連絡通路344、第1および第2の分岐流入通路345,346)が画成されている。前記第2の前側ケース体341には、前後および上方へ開口する導入通路343が形成され、該第2の前側ケース体341を本体部材105に固定した際に、当該導入通路343が作動口101に連通するよう構成されている。なお、前記可変作動入球部240の作動口開閉部材260は、前記第1の本体ケース241と第2の本体ケース340とを組み付けた状態において、当該作動口開閉部材260の前側部分が前記導入通路343内に位置して、当該導入通路343に沿って前後に移動するよう構成される。
また、前記第2の前側ケース体341には、図9、図16に示すように、前記導入通路343の後端位置に、下方へ延在すると共に上方および後方へ開口する前記連絡通路344が画成されて、導入通路343を通過したパチンコ球が連絡通路344の後方開口を介して第2の前側ケース体341の裏側に通出するようになっている。そして、前記連絡通路344の上流端に、当該連絡通路344を通過するパチンコ球を検出する球検出センサ247が配設されている。前記連絡通路344の上流端に設けられた球検出センサ247は、前記メイン制御基板60に電気的に配線接続されており、当該球検出センサ247からの検出信号が入力されることで、作動口101へのパチンコ球の入球が発生したことをメイン制御CPU60aが認識し得るようになっている。なお、以下の説明では、前記連絡通路344に配設された球検出センサを入球検出センサ247と指称する場合がある。すなわち、前記連絡通路344を通過するパチンコ球の通出口344aは、入球検出センサ247の下方位置で後方に開口している。また、前記作動口101にパチンコ球が入賞すること(入球検出センサ247によるパチンコ球の検出)を契機として賞球の払出条件が成立するよう設定されており、入球検出センサ247からメイン制御基板60への検出信号の入力に伴って所定数(実施例では2個)の賞球が払い出されるようになっている。
図16に示すように、前記第2の本体ケース340には、前記第1および第2の分岐流入通路345,346が前記連絡通路344の通出口344aから分岐するよう形成されている。すなわち、実施例では連絡通路344の通出口344aが前記第1および第2の分岐流入通路345,346が分岐して振分体351が何れかの通路に振り分ける振分位置となっている。前記第1の分岐流入通路345は、前記連絡通路344の通出口344aから側方(実施例では左側方)へ延在するよう形成されると共に、前記第2の分岐流入通路346は、連絡通路344の通出口344aから下方へ延在するよう形成されている。すなわち、連絡通路344の通出口344aを通出した領域が、第1および第2の分岐流入通路345,346にパチンコ球が振り分けられる振分位置となっている。なお、図16において通出口344aの開口位置を二点鎖線で示してある。
(通路振分部350について)
前記通路振分部350は、図16に示すように、前記連絡通路344を通過したパチンコ球を第1および第2の分岐流入通路345,346の何れかに振り分けて通出させる振分体(振分手段)351と、該振分体351を駆動する電動式駆動手段としての第2ソレノイド352と、当該第2ソレノイド352を振分体351に連繋接続する第2連繋部356,357,358とを備えている。前記振分体351は、前記連絡通路344を通過したパチンコ球を第1の分岐流入通路345へ通出させる第1振分位置(図16(a)参照)と、該連絡通路344を通過したパチンコ球を第2の分岐流入通路346へ通出させる第2振分位置(図16(b)参照)との間を移動し得るよう設けられており、第2ソレノイド352を駆動制御することで振分体351が第1および第2振分位置に移動するようになっている。
(振分体351について)
前記振分体351は、前記第2の分岐流入通路346の球入口を閉塞可能な大きさに形成された板状に形成されて、前記第2の本体ケース340に形成された第2ガイド凹部348に左右方向に摺動可能に配設されている。また、前記振分体351には、後方へ突出する軸部351aが後端部に形成されており、前記第2の後側ケース体342に形成された挿通孔342aを介して当該軸部351aが第2の本体ケース340の裏側に突出するようになっている。そして、前記挿通孔342aから突出した振分体351の軸部351aに前記第2連繋部356,357,358が接続されて、第2ガイド凹部348から振分体351が突出して第2の分岐流入通路346の球入口を閉塞する位置(第1振分位置)と、前記第2ガイド凹部348に振分体351が収容された位置(第2振分位置)との間を移動するようになっている。振分体351が第2振分位置にある状態では、第2の分岐流入通路346の球入口が振分体351により閉塞されることなく上方に開口するよう構成され、連絡通路344の通出口344aを通出したパチンコ球がそのまま落下して第2の分岐流入通路346へ振り分けられるようになっている。そして、第2の分岐流入通路346の球入口に位置するよう前記第2通過検出センサ86が配置されており、当該第2の分岐流入通路346に流入したパチンコ球を第2通過検出センサ86で検出し得るようになっている。
前記第2ソレノイド352は、図9に示すように、下側にプランジャ352aを位置させた下向き姿勢で前記第2の本体ケース340(第2の前側ケース体341)の前面に配設されている。すなわち、第2ソレノイド352を励磁駆動することで、プランジャ352aが上下に進退移動するようになっている。また、前記第2ソレノイド352の前側には、当該第2ソレノイド352を第2の前側ケース体341との間で挟持する前側保護部材353が配置されており、当該前側保護部材353と第2の前側ケース体341により第2ソレノイド352が挟持固定されている。なお、第2ソレノイド352のプランジャ352aは、図示しないバネ等の付勢手段により下方へ付勢されており、第2ソレノイド352を励磁することによりプランジャ352aが引き込まれて上方移動し、励磁停止することによりプランジャ352aが下方移動するようになっている。
前記第2連繋部356,357,358は、前記第2ソレノイド352のプランジャ352aに取り付けられて当該プランジャ352aと一体的に上下移動するスライダ356と、前記第2の本体ケース340に揺動可能に支持されると共にスライダ356に接続するアーム部357と、第2の本体ケース340に揺動可能に支持されると共にアーム部357の後端に接続する揺動部材358とから構成されて、当該揺動部材358と振分体351が連繋接続されており、スライダ356の上下移動に伴ってアーム部357が揺動すると共に揺動部材358が揺動することにより、当該振分体351が前記第1振分位置および第2振分位置に変位するようになっている。
(第1および第2可変始動入賞部161,162について)
前記第1可変始動入賞部161は、図6、図7に示すように、前記第1可変始動口102を閉鎖する閉鎖位置(図6の実線参照)および該第1可変始動口102を開放する開放位置(図6の二点鎖線参照)に変位可能な前記第1始動口開閉部材165(開閉部材)と、前記作動口101に連通した第1分岐通路を通過するパチンコ球が接触し得るよう設けられてパチンコ球の接触に伴い作動する第1作動機構175と、前記第1可変始動口102に連通した前記第1取込通路115を通過するパチンコ球が接触し得るよう設けられてパチンコ球の接触に伴い作動する第2作動機構200とを備えている。そして、第1始動口開閉部材165が閉鎖位置にある状態で、前記作動口101に入球したパチンコ球との接触に伴い作動した第1作動機構175が、当該第1始動口開閉部材165を閉鎖位置から開放位置に変位させ、第1始動口開閉部材165が開放位置にある状態で、第1可変始動口102に入賞したパチンコ球との接触に伴い作動した第2作動機構200が、当該第1始動口開閉部材165を開放位置から閉鎖位置に変位させるよう構成されている。
同様に、前記第2可変始動入賞部162は、図6、図7に示すように、前記第2可変始動口103を閉鎖する閉鎖位置(図6の実線参照)および該第2可変始動口103を開放する開放位置(図6の二点鎖線参照)に変位可能な前記第2始動口開閉部材166と、前記作動口101に連通した第2分岐通路を通過するパチンコ球が接触し得るよう設けられてパチンコ球の接触に伴い作動する第1作動機構175と、前記第2可変始動口103に連通した前記第2取込通路116を通過するパチンコ球が接触し得るよう設けられてパチンコ球の接触に伴い作動する第2作動機構200とを備えている。そして、第2始動口開閉部材166が閉鎖位置にある状態で、前記作動口101に入球したパチンコ球との接触に伴い作動した第1作動機構175が、当該第2始動口開閉部材166を閉鎖位置から開放位置に変位させ、第2始動口開閉部材166が開放位置にある状態で、第2可変始動口103に入賞したパチンコ球との接触に伴い作動した第2作動機構200が、当該第2始動口開閉部材166を開放位置から閉鎖位置に変位させるよう構成されている。
ここで、第1および第2可変始動入賞部161,162における第1および第2始動口開閉部材165,166、第1作動機構175および第2作動機構200の夫々は、基本的に同一構成とされており、以下の説明では、主として第1可変始動入賞部161に関して詳細に説明し、必要に応じて第2可変始動入賞部162の説明を補足する。
(第1始動口開閉部材165および第2始動口開閉部材166について)
前記第1および第2始動口開閉部材165,166は、図6、図9に示すように、上方に向かって徐々に薄肉となる所謂フラップ状に形成されおり、各始動口開閉部材165,166の下部に形成された軸孔165a,166aに挿通された支軸105aが、前記第2の複合入球部100の本体部材105に支持されている。すなわち、各支軸105aを中心にして、先端部(端部)を上方に指向させた閉鎖位置(図9参照)と、該先端部を斜め左上方に指向させた開放位置(図22、図23参照)との間で各始動口開閉部材165,166が揺動するように構成される。また、前記各始動口開閉部材165,166は、前記閉鎖位置において前記支軸105aよりも左側方(対応する第1取込口115aおよび第2取込口116aから離間する方向)に錘部材168が設けられており、当該錘部材168により閉鎖位置から開放位置へ向けて自重により回転する方向へ付勢されている。
また、前記各始動口開閉部材165,166の後端部には、図22に示すように、対応する第1取込口115aおよび第2取込口116a側の下端部に、揺動中心から径方向へ突出する係合片167が形成されている。前記各始動口開閉部材165,166の係合片167は、閉鎖位置においては対応する第1取込口115aおよび第2取込口116aの開口側縁(実施例では開口左側縁)の左側方に位置して当該取込口115a,116aから離間すると共に、開放位置においては対応する第1取込口115aおよび第2取込口116aの開口前側に臨む大きさおよび形状で形成されている。そして、前記閉鎖位置では、対応の可変始動入賞部161,162の第2作動機構200に設けられた閉鎖保持部204(後述)に係合片167が当接するよう構成されており(図21参照)、当該係合片167および閉鎖保持部204の当接作用により、自重による閉鎖位置から開放位置への始動口開閉部材165,166の回転が規制されるようになっている。また、前記開放位置では、対応する可変始動入賞部161,162の第2作動機構200における閉鎖作動部205(後述)の移動軌跡に各始動口開閉部材165,166の係合片167が位置するようになっており(図22〜図23参照)、当該第2作動機構200の作動に伴って移動する閉鎖作動部205と係合片167との当接作用により、各始動口開閉部材165,166が開放位置から閉鎖位置へ向けて回転付勢されるよう構成されている。
(ケース体170について)
前記第1作動機構175および第2作動機構200は、図18に示すように、前記本体部材105の裏側に配設されるケース体170に組み付けられている。ケース体170は、前方および下方へ開口する矩形箱状に形成されており、当該ケース体170の内部空間に、前記第1作動機構175および第2作動機構200が配設されるようになっている。また、前記各ケース体170は、前記取付ベース部106(本体部材105)に形成された前記第1取込口115aおよび第2取込口116aにケース体170の前方開口部171が連通すると共に、ケース体170の下方開口部172が前記球通路ユニット80の始動口排出通路88,89に連通する状態で、当該取付ベース部106の裏側に取り付けられている。すなわち、前記第1可変始動入賞部161のケース体170の下方開口部172が球通路ユニット80の第1の始動口排出通路88の球入口に連通し、前記第2可変始動入賞部162のケース体170の下方開口部172が球通路ユニット80の第2の始動口排出通路89の球入口に連通するよう構成され、前記第1および第2可変始動口102,103に入賞したパチンコ球は、対応する第1取込口115aおよび第2取込口116aから始動口排出通路88,89へ誘導されるようになっている。
また、図18に示すように、前記各ケース体170の上面には、上方へ開口する開口部170aが形成されて、前記第1または第2の分岐流入通路345,346と連通するようになっている(図8参照)。なお、以下の説明において、各ケース体170において上方開口を作動球入口170aと指称するものとする。すなわち、第1可変始動入賞部161におけるケース体170の作動球入口170aに第1の分岐流入通路345(より正確には、上流側分岐排出通路82a)が連通して、第1の分岐流入通路345に振り分けられたパチンコ球が当該第1可変始動入賞部161のケース体170の内部空間に流入すると共に、第2可変始動入賞部162におけるケース体170の作動球入口170aに、第2の分岐流入通路346が連通して、第2の分岐流入通路346に振り分けられたパチンコ球が当該第2可変始動入賞部162のケース体170の内部空間に流入して、各ケース体170に収容された第1作動機構175と接触するよう構成されている。
更に、前記各ケース体170の左側面には、図17に示すように、左右方向へ開口する開口部170bが形成されており、前記作動球入口170aを介して流入して第1作動機構175と接触したパチンコ球が、当該ケース体170の左側面の開口部170bから排出されるようになっている。なお、以下の説明において、各ケース体170において、パチンコ球が排出される開口部を作動球出口170bと指称するものとする。ここで、前記各ケース体170の作動球出口170bは、前記球通路ユニット80に形成された第1または第2の分岐排出通路81,83の球入口と左右方向に略整列するよう構成されており、各ケース体170の第1作動機構175と接触して作動球出口170bから排出されたパチンコ球が、整列した第1または第2の分岐排出通路81,83に流入し得るようになっている。具体的には、第1可変始動入賞部161におけるケース体170の作動球出口170bに第1の分岐排出通路81(正確には下流側分岐排出通路82b)の球入口が整列し、第2可変始動入賞部162におけるケース体170の作動球出口170bに第2の分岐排出通路83の球入口が整列するようになっている。
(第1作動機構175について)
前記可変始動入賞部161,162の第1作動機構175は、図22に示すように、前記作動口101に連通した対応する分岐通路(分岐流入通路345,346)を通過するパチンコ球が接触し得るよう設けられてパチンコ球の接触に伴い基準位置から作動位置に変位可能な第1の作動部材176と、当該第1の作動部材176の基準位置から作動位置への変位を制止する制止部材190とを備えている。そして、前記第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ変位することで、第2作動機構200を作動させて始動口開閉部材165,166を閉鎖位置から開放位置へ変位させ得るよう構成されている。
(第1の作動部材176)
前記第1の作動部材176は、図18に示すように、前記ケース体170に揺動可能に支持される第1基体部177と、該第1基体部177に設けられて前記分岐流入通路345,346を通過するパチンコ球が接触する球受け部179と、当該第1基体部177に設けられ、基準位置から作動位置への変位に伴って前記第2作動機構200を作動させる第1の押上げ部183とを備えており、球受け部179へのパチンコ球の接触に伴って第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ変位することにより、始動口開閉部材165,166を閉鎖位置から開放位置へ変位させ得るようになっている。そして、前記第1基体部177の端部に偏った位置に左右に貫通するよう形成された軸孔177aに、前記ケース体170の左右側壁に支持される支軸177cが挿通されて、当該支軸177cを中心に第1の作動部材176が枢支されている。また、前記第1基体部177の略中央位置に形成された嵌合孔177bに、当該第1基体部177より比重の大きな錘部材178が嵌め込まれて、当該第1基体部177の重心が支軸177cから偏るよう構成されている。すなわち、前記第1の作動部材176(第1基体部177)は、静止状態において揺動中心が上側に位置する姿勢で前記ケース体170に揺動自在に支持されている。また、静止状態は、前記球受け部179にパチンコ球が接触していない状態を基準としている。
(球受け部179)
前記球受け部179は、図8、図21〜図23に示すように、前記第1の作動部材176が静止状態にある状態で、前記第1基体部177の上端部から後方へ延出する球受け片180と、当該球受け片180の後部から側方(左側方)へ延出する第1誘導片181と、当該球受け片180および第1誘導片181の後端部から上方へ延出する第2誘導片182とを備えており、前記ケース体170の作動球入口170aの下方に、当該球受け片180が臨むようになっている。すなわち、前記第1および第2の分岐流入通路345,346を通出したパチンコ球が、ケース体170の作動球入口170aを介して対応する可変始動入賞部161,162の球受け片180上に落下するようになっており、当該球受け部179(球受け片180)上に落下したパチンコ球の重みにより、前記第1の作動部材176が揺動するようになっている。また、前記第1の作動部材176は、パチンコ球の重みにより揺動した際に、前記第2誘導片182の下端部が前記ケース体170の下壁部173に当接して揺動規制されるようになっている。これにより、前記第1の作動部材176は、前記球受け部179(球受け片180)にパチンコ球が接触していない静止状態にある基準位置(図21参照)と、球受け部179(球受け片180)上に落下したパチンコ球の重みにより揺動した作動位置(図22参照)との間で変位するようになっている。そして、前記第1の作動部材176が作動位置に変位した状態では、前記第1および第2誘導片181,182の端縁部によりパチンコ球が支持されるよう構成されている。
ここで、前記第2誘導片182は、図21、図22に示すように、前記第1誘導片181の延出端部(球受け片180から離間する端部)に向かうにつれて、当該第1誘導片181に近接する傾斜状に形成されており、作動位置に第1の作動部材176が変位した際に第1および第2誘導片181,182の端縁部で支持されたパチンコ球が、当該第2誘導片182の傾斜によって第1誘導片181の延出端部へ向けて移動するようになっている。そして、前記第1誘導片181の延出端部(第1および第2誘導片181,182により案内されるパチンコ球の下流端部)が、前記排出通路ユニットに設けられた第1または第2の分岐排出通路81,83の球入口に臨むよう構成されて、第2誘導片182の傾斜によって第1誘導片181の延出端部へ向けて移動したパチンコ球が、対応する第1または第2の分岐排出通路81,83に流入して遊技盤20の外部に排出されるようになっている。すなわち、前記第1および第2誘導片181,182は、前記第1の作動部材176を作動位置に変位させたパチンコ球を対応する分岐排出通路へ案内するガイド部として機能している。
また、前記第1の作動部材176には、図21、図22に示すように、前記球受け部179の右端面から側方(右側方)へ突出する操作部179aが形成されて、前記ケース体170に開設された操作口170cを介して当該操作部179aがケース体170の外部に突出するよう構成されている。すなわち、前記操作口170cを介してケース体170の外部に突出した操作部179aが、前記第2の複合入球部100(本体部材105)の裏側に露出している。また、前記第2の複合入球部100(本体部材105)の裏側に露出した前記操作部179aは、前記球通路ユニット80に形成された各可変始動入賞部161,162に対応する設置窓部90,91に臨んでおり、当該設置窓部90,91を介して球通路ユニット80(すなわち遊技盤20)の裏側から操作可能に露出するようになっている。すなわち、前記設置窓部90,91を介して操作部179aを操作することで、第1および第2可変始動入賞部161,162の第1の作動部材176を手動で操作して確認検査等を容易に行い得るよう構成されている。
(第1の押上げ部183について)
前記第1の押上げ部183は、図18、図21に示すように、前記第1の作動部材176が基準位置にある状態で、前記第1基体部177の前側下部位置から前方へ突出するよう形成されており、該第1の作動部材176が基準位置から作動位置に揺動するのに伴い第1の押上げ部183が上方へ変位するよう構成されている。そして、前記第1の作動部材176の基準位置から作動位置への揺動に伴う前記第1の押上げ部183の移動軌跡L(図24参照)に、前記第2作動機構200における第2の作動部材201の開放作動部203(何れも後述)が位置する場合に、当該第1の押上げ部183が第2の作動部材201(開放作動部203)を上方へ押し上げて、当該第2の作動部材201が後述する閉鎖保持位置から第1入球作動位置へ回転変位されて、各可変始動入賞部161,162に対応の始動口開閉部材165,166が閉鎖位置から開放位置に変位するようになっている。すなわち、前記第1の作動部材176における第1の押上げ部183は、始動口開閉部材165,166を閉鎖位置から開放位置に変位させる作動部として機能する。
(第2の押上げ部184について)
前記第1の作動部材176には、図18、図24に示すように、前記第1の押上げ部183から上方に離間した位置に、上方へ突出する第2の押上げ部184が形成されている。前記第2の押上げ部184は、前記第1の作動部材176の基準位置と作動位置の間の位置(以下、制止位置という)において前記制止部材190(具体的には後述の揺動制止部192)と当接するよう構成されており、当該第2の押上げ部184が制止部材190に接触することで、制止位置から作動位置への第1の作動部材176の揺動を抑制させるようになっている。ここで、前記第1の押上げ部183が第2作動機構200の第2の作動部材201(開放作動部203)を押し上げる前(閉鎖保持位置から第1入球作動位置へ変位する前)に、前記第2の押上げ部184が制止位置まで移動して制止部材190に当接するよう構成され、当該制止部材190との当接により第1の作動部材176の揺動を抑制するようになっている。具体的には、前記第1の押上げ部183が第2作動機構200の第2の作動部材201(開放作動部203)に当接する前に、前記第2の押上げ部184が制止位置に移動して制止部材190と当接するよう構成されている。
(制止部材190について)
前記制止部材190は、図18、図19、図21〜図23に示すように、前記ケース体170に揺動可能に支持された揺動板191と、前記第1の作動部材176に形成された第2の押上げ部184に当接する揺動制止部192とを備えており、当接した第2の押上げ部184が揺動制止部192を押し上げることで、制止部材190が強制的に揺動されるよう構成される。前記揺動板191は、左右側端面の前端部に、前記ケース体170に枢支される軸部191aが形成されている。
そして、図19、図21に示すように、前記揺動板191の後端部が前記第1の作動部材176における第1基体部177の上面に載置されると共に、当該揺動板191の右端部に下方へ向けて突出するよう前記揺動制止部192が形成されて、前記第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ揺動する際に前記第2の押上げ部184が移動する移動軌跡に揺動制止部192が臨むよう構成されている。前記揺動制止部192は、前記第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ揺動する過程において当該第1の作動部材176が制止位置まで揺動した際に、前記第2の押上げ部184が当接するよう構成されており、第2の押上げ部184が揺動制止部192に当接することで、制止位置から第2作動位置へ向けての第1の作動部材176の揺動を抑制するようになっている。
すなわち、パチンコ機10に発生する振動等により前記第1の作動部材176が自然に揺動した場合に、前記制止位置において第2の押上げ部184が制止部材190の揺動制止部192に当接することで、当該制止部材190の重みが当該第1の作動部材176が揺動する抵抗となり、制止位置から第2作動位置への第1の作動部材176の揺動が規制されて、前記第2の作動部材201(開放作動部203)の作動を防止するようになっている。一方で、前記球受け部179に落下したパチンコ球により前記第1の作動部材176が強制的に揺動された場合には、前記制止位置において第2の押上げ部184が制止部材190の揺動制止部192に当接した後も第1の作動部材176が作動位置へ向けて揺動を継続し、第2の押上げ部184が揺動制止部192を押し上げて揺動板191(制止部材190)を揺動させることで、当該第1の作動部材176が作動位置に揺動することにより、前記第2の作動部材201(開放作動部203)を作動させ得るようになっている。なお、前記第1の作動部材176が基準位置にある状態では、前記第2の押上げ部184と揺動制止部192とが離間しており、パチンコ機10に発生する振動等による第1の作動部材176の自然な揺動を許容している。
また、前記制止部材190には、前記揺動板191の後端上部位置に、ネジやピン等の錘部材の錘取付部194が設けられている(図18参照)。すなわち、前記揺動板191の錘取付部194に錘部材を取り付けることで、前記第2の押上げ部184が揺動制止部192に当接してから作動位置まで第1の作動部材176が揺動するための抵抗が高まり、パチンコ機10の設置環境等によって大きな振動の発生が懸念される場合でも、前記第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ自然に揺動するのを抑制し得る。
また、前記制止部材190には、図18、図21〜図23に示すように、前記揺動板191の下面に下方へ向けて突出するよう回転制止部193が設けられている。そして、前記第2作動機構200の第2の作動部材201が回転変位する際に、前記制止部材190の回転制止部193に対して、当該第2の作動部材201に設けた入球作動部206,207(何れも後述)が当接し得るようになっており、当該第2の作動部材201(入球作動部206,207)と回転制止部193とが当接することで、第2の作動部材201の回転変位を抑制するようになっている。すなわち、実施例の制止部材190は、前記第1および第2の作動部材176,201の作動を制止する機能を備えている。
ここで、前記回転制止部193は、図19に示すように、前記第2作動機構200の第2の作動部材201が回転する際に入球作動部206,207が移動する移動軌跡に臨むよう前記揺動板191の下面に設けられている。すなわち、前記第2作動機構200の第2の作動部材201が順回転方向(閉鎖保持位置から第1入球作動位置へ向かう回転方向)へ回転する過程において、前記入球作動部206,207が前記回転制止部193に対して下方から当接し得るよう構成されており、当該入球作動部206,207が回転制止部193に当接することで、当該制止部材190の重みが当該第2の作動部材201の回転抵抗となるようになっている。また、前記回転制止部193の前面下部は、下方へ向かうにつれて後方へ退避するよう湾曲した曲面形状に形成されており、当該曲面形状をなす回転制止部193の曲面部に、前記第2の作動部材201の入球作動部206,207が下方から当接するよう構成される。すなわち、前記第2作動機構200の第2の作動部材201が順回転方向に強制的に回転した場合には、前記入球作動部206,207が回転制止部193を押し上げて揺動板191を揺動させることにより、当該第2の作動部材201の順回転方向への回転を継続し得るようになっている。
(第2作動機構200について)
前記第2作動機構200は、図18、図19、図21〜図23に示すように、各可変始動入賞部161,162に対応する始動口開閉部材165,166を閉鎖位置に保持する閉鎖保持位置(基準位置、図21参照)と、当該始動口開閉部材165,166の閉鎖位置での保持を解除して開放位置への変位を許容する入球作動位置(作動位置、図22、図23参照))との間で変位可能な第2の作動部材201を備えている。そして、前記第1作動機構175の第1の作動部材176により第2の作動部材201が作動されると共に、各可変始動入賞部161,162に対応する可変始動口102,103に連通した取込通路115,116を通過するパチンコ球との接触に伴って第2の作動部材201が作動されるようになっている。
具体的に、前記第2の作動部材201は、前記閉鎖保持位置において、前記第1の作動部材176により作動可能で、かつ対応する取込通路115,116を通過するパチンコ球と非接触(作動不能)となるよう構成され、当該第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ変位するのに伴って、当該第2の作動部材201を閉鎖保持位置から入球作動位置に変位させるよう構成されている。また、前記第2の作動部材201は、前記入球作動位置において、前記第1の作動部材176により作動不能で、かつ対応する取込通路115,116を通過するパチンコ球と接触可能(作動可能)となるよう構成され、当該第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ変位した際には第2の作動部材201が作動されることなく入球作動位置に保持されると共に、対応する取込通路115,116を通過するパチンコ球との接触に伴って、当該第2の作動部材201を入球作動位置から閉鎖保持位置に変位させ得るよう構成されている。
ここで、前記第2の作動部材201は、対応する取込通路115,116を通過するパチンコ球との接触可能な複数(実施例では2つ)の入球作動位置に変位し得るよう構成されている。すなわち、前記閉鎖保持位置において前記第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ変位するのに伴って、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置から第1入球作動位置(図22参照)に変位され、当該第1入球作動位置において、対応する取込通路115,116を通過するパチンコ球との接触に伴って、第2の作動部材201が第1入球作動位置から第2入球作動位置(図23参照)に変位されると共に、当該第2入球作動位置において、対応する取込通路115,116を通過するパチンコ球との接触に伴って、第2の作動部材201が第2入球作動位置から閉鎖保持位置(図21参照)に変位されるようになっている。このように、前記第2作動機構200(第2の作動部材201)は、前記第1作動機構175(第1の作動部材176)の作動および各可変始動入賞部161,162に対応する可変始動口102,103へ入賞したパチンコ球との接触に伴って、閉鎖保持位置、第1および第2入球作動位置に順次切り替えられるよう構成されている。言い換えると、第1および第2可変始動入賞部161,162は、前記第1ソレノイド261の駆動に伴い開放した前記作動口101に入球したパチンコ球との接触に伴い入球作動位置に変位された前記第1の作動部材176が対応する始動口開閉部材165,166の開閉状態を切り替えるようになっている。ここで、第2の作動部材201は、ケース体170に回転可能に配設されており、閉鎖保持位置から第1入球作動位置へ向けて変位する第2の作動部材201の変位方向(図20における右回転方向)を順回転方向(順方向)と指称し、第1入球作動位置から閉鎖保持位置へ向けて回転する第2の作動部材201の回転方向(図20における左回転方向)を逆回転方向(逆方向)と指称している。
(第2の作動部材201について)
前記第2の作動部材201は、図18に示すように、前記ケース体170に回転可能に支持される第2基体部202と、前記閉鎖保持位置において前記第1作動機構175(第1の作動部材176)の作動に伴って第2の作動部材201を入球作動位置へ向けて順回転方向に変位させる開放作動部203と、閉鎖保持位置において対応する始動口開閉部材165,166を閉鎖位置に保持すると共に閉鎖保持位置から変位することで始動口開閉部材165,166の開放位置への変位を許容する閉鎖保持部204と、第2入球作動位置から閉鎖保持位置へ向けて順回転方向に変位する際に始動口開閉部材165,166を開放位置から閉鎖位置に変位させる閉鎖作動部205と、前記第1または第2入球作動位置において前記可変始動口102,103に連通した取込通路115,116を通過するパチンコ球と接触し得るよう設けられ、当該パチンコ球との接触に伴い第2の作動部材201を閉鎖保持位置へ向けて順回転方向に変位させる入球作動部206,207とを備えている。なお、実施例では、前記第2基体部202、開放作動部203、入球作動部206,207、閉鎖保持部204および閉鎖作動部205の夫々が合成樹脂材により一体形成されている。
図18に示すように、前記第2基体部202には、貫通する軸孔202aが形成されて、当該軸孔202aに挿通された支軸202bが前記ケース体170の左右側壁に支持されている。そして、前記第2基体部202の軸方向の一方端部(実施例では右側端部)に偏った位置に、当該第2基体部202から径方向外方へ突出するよう前記開放作動部203が形成されている。前記開放作動部203は、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置にある状態で、前記第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ変位する際に前記第1の押上げ部183が移動する移動軌跡に延出して、当該第1の押上げ部183の上方に位置するようになっている。すなわち、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置にある状態では、前記第1の作動部材176の基準位置から作動位置への変位に伴って、前記開放作動部203の下側から当接する前記第1の押上げ部183が開放作動部203を押し上げることにより、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置から第1入球作動位置へ強制的に変位されるようになっている。また、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置以外にある状態(すなわち第1または第2入球作動位置にある状態)では、前記第1の押上げ部183の移動軌跡から開放作動部203が離脱して、開放作動部203に対して第1の押上げ部183が当接しないよう構成されている。すなわち、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置以外にある状態では、前記第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ変位した際に、第2の作動部材201が第1または第2入球作動位置で保持されるようになっている。
また、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置にある状態では、図24に示すように、前記基準位置にある第1の作動部材176の第1の押上げ部183と、前記開放作動部203が所定間隔で離間するようになっている。この第1の押上げ部183と開放作動部203との離間間隔は、前記第1の作動部材176が基準位置から制止位置へ変位する間、第1の押上げ部183と開放作動部203との非当接状態が保たれる間隔に設定されており、パチンコ機10の振動等により第1の作動部材176が基準位置および制止位置の間で自然に揺動した際に、前記第1の押上げ部183が開放作動部203を押し上げることなく第2の作動部材201を閉鎖保持位置で保持し得るよう構成されている。
(閉鎖保持部204)
前記閉鎖保持部204は、図18、図19、図21〜図23に示すように、前記第2基体部202の軸方向の端部に、当該第2基体部202から径方向外方へ突出するよう形成されている。実施例では、第2基体部202の軸方向の左右両端部に閉鎖保持部204が左右対称に形成されているが、当該第2基体部202の軸方向の左端部に設けられた閉鎖保持部204が対応する始動口開閉部材165,166を閉鎖位置に保持するよう構成され、第2基体部202の軸方向の右端部に設けられた閉鎖保持部204は始動口開閉部材165,166の閉鎖位置への保持に対して実質的に寄与していない。なお実施例では、第2基体部202の軸方向の両端部に前記閉鎖保持部204が左右対称に形成されているが、対応の始動口開閉部材165,166側に位置する端部だけに閉鎖保持部204を形成してもよく、また閉鎖保持部204の形成位置としては、第2基体部202の軸方向端部である必要はない。
前記閉鎖保持部204は、図18、図19、図21〜図23に示すように、前記第2の作動部材201(第2基体部202)の回転方向(周方向)へ所定角度範囲に亘って延在する平板状に形成されている。そして、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置にある状態では、各可変始動入賞部161,162に対応する取込口115a,116aを介して取込通路115,116へ閉鎖保持部204が突出し、第2の作動部材201が第1または第2入球作動位置にある状態では、各可変始動入賞部161,162に対応する取込口115a,116aの後方に退避して取込通路115,116へ閉鎖保持部204が突出しないようよう構成されている。ここで、前記閉鎖保持部204は、対応する取込口115a,116aの開口側縁(開口左側縁)に近接位置するよう形成されて、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置にある状態において、前記閉鎖位置および開放位置の間で始動口開閉部材165,166が変位する際に係合片167が移動する移動軌跡内に、各始動口開閉部材165,166に対応した可変始動入賞部161,162の閉鎖保持部204が臨むよう形成される。
すなわち、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置にある状態では、前記閉鎖保持部204の側面(左側面)に対応の始動口開閉部材165,166の係合片167が当接して、当該各始動口開閉部材165,166の自重による開放位置への揺動が規制され、これにより始動口開閉部材165,166が閉鎖位置に保持されるようになっている。そして、前記第2の作動部材201が第1入球作動位置に変位した状態では、前記各始動口開閉部材165,166の開閉変位に伴う係合片167の移動軌跡から各対応の閉鎖保持部204が離脱して閉鎖保持部204による係合片167の当接規制が解除され、第1入球作動位置へ変位した第2の作動部材201に対応した始動口開閉部材165,166が、自重により閉鎖位置から開放位置へ開放変位するようになっている。
(閉鎖作動部205について)
図18、図19、図21〜図23に示すように、前記閉鎖保持部204における前記第2の作動部材201の順回転方向の前側に位置する端部に、前記閉鎖作動部205が設けられている。すなわち、第2の作動部材201が第2入球作動位置から閉鎖保持位置へ回転変位する際に、当該第2の作動部材201に対応した始動口開閉部材165,166の係合片167に対して閉鎖作動部205が上方から当接して押し下げることにより、当該始動口開閉部材165,166を強制的に開放位置から閉鎖位置へ変位させるようになっている。そして、前記第2の作動部材201が第2入球作動位置から閉鎖保持位置に変位した際には、前述のように当該閉鎖保持位置に保持された第2の作動部材201の閉鎖保持部204により係合片167が当接規制されて、対応する始動口開閉部材165,166が閉鎖位置に保持されるようになっている。ここで、前記閉鎖作動部205は、前記第2の作動部材201の第2基体部202から径方向外方に離間する端部が前記第2の作動部材201の順回転方向前側へ延出する鉤状に屈曲形成されており、第2入球作動位置から閉鎖保持位置に第2の作動部材201が回転変位した際に、閉鎖作動部205の屈曲部が対応の始動口開閉部材165,166の係合片167に引っ掛かることで、閉鎖作動部205と係合片167との係合が解除されるのを防止するようになっている。
(入球作動部206,207について)
前記入球作動部206,207は、図18、図19、図21〜図23に示すように、前記第2基体部202から径方向外方へ突出するよう形成されている。実施例の第2の作動部材201には、前記第2基体部202の周方向に離間する複数箇所(実施例では2箇所)に前記入球作動部206,207が突出するよう形成され、当該第2の作動部材201の回転変位位置(第1または第2入球作動位置)に応じて、各可変始動入賞部161,162に対応する可変始動口102,103に連通した取込通路115,116に入球作動部206,207が突出するようになっている。また、前記各入球作動部206,207は、前記第2基体部202の軸方向の中間位置に設けられて、対応する取込口115a,116aの取込通路115,116に対して左右幅方向の略中央に位置するようになっており、前記第1または第2入球作動位置に第2の作動部材201がある状態で、当該取込通路115,116を通過するパチンコ球が入球作動部206,207に対して確実に接触し得るようになっている。
具体的に、前記第2の作動部材201には、前記第2の作動部材201が第1入球作動位置に回転変位した状態で対応する取込口115a,116aを介して取込通路115,116に突出する第1入球作動部206と、第2の作動部材201が第2入球作動位置に回転変位した状態で対応する取込口115a,116aを介して取込通路115,116に突出する第2入球作動部207とが設けられている。すなわち、第1入球作動位置では、前記第1入球作動部206に接触したパチンコ球が第2の作動部材201を順回転方向へ付勢して、当該第2の作動部材201を第2入球作動位置へ回転変位させ、第2入球作動位置では、前記第2入球作動部207に接触したパチンコ球が第2の作動部材201を順回転方向へ付勢して、当該第2の作動部材201を閉鎖保持位置へ回転変位させるようになっている。
また、図21〜図24に示すように、前記第2の作動部材201の回転変位に伴う前記第1および入球作動部206,207の移動軌跡に、前記制止部材190の回転制止部193が延出するよう構成されている。具体的に、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置にある状態で、当該第2の作動部材201が順回転方向に変位する際に前記第2入球作動部207が移動する移動方向前側に回転制止部193が位置している(図24参照)。また、前記第2の作動部材201が第2入球作動位置にある状態で、第2の作動部材201が順回転方向に変位する際に前記第1入球作動部206が移動する移動方向前側に回転制止部193が位置するようになっている(図24参照)。すなわち、パチンコ機10に発生する振動等により、前記第2の作動部材201が自然に揺動した場合に、前記第1入球作動部206や第2入球作動部207が制止部材190の回転制止部193に当接することで、当該制止部材190の重みが第2の作動部材201の回転抵抗となり、第2の作動部材201の順回転方向への回転変位を防止し得るようになっている。一方で、前記第1の作動部材176の球受け部179にパチンコ球が落下して作動位置に変位した第1の作動部材176が前記制止部材190を強制的に揺動させた際に、前記第2の作動部材201の回転変位に伴う第1および入球作動部206,207の移動軌跡から回転制止部193が退避するよう構成されている。従って、前記第1の作動部材176の作動位置への変位に伴って前記第1の押上げ部183が開放作動部203を押し上げることで、第2入球作動部207が制止部材190の回転制止部193に当接することなく前記第2の作動部材201の順回転方向への回転変位が許容されるようになっている。
このように、可変始動入賞部161,162は、閉鎖位置にある始動口開閉部材165,166に対して対応する第1の作動部材176が間接的に接続(すなわち第2の作動部材201を介して接続)し得るよう構成されると共に、始動口開閉部材165,166および第1の作動部材176の接続状態において第1ソレノイド261の駆動に伴い開放した作動口101に入球したパチンコ球との接触に伴い作動位置に変位された第1の作動部材176が、当該始動口開閉部材165,166を閉鎖位置から開放位置に変位させるよう構成されている。そして、開放位置にある始動口開閉部材165,166に対して対応の第2の作動部材176が接続し得るよう構成され、始動口開閉部材165,166との接続状態において可変始動口102,102に入賞したパチンコ球との接触に伴い閉鎖保持位置に変位した第2の作動部材176が、当該始動口開閉部材165,166を開放位置から閉鎖位置に変位させるようになっている。
(回転規制部210について)
前記回転規制部210は、前記ケース体170に枢支された係止アーム211と、前記第2の作動部材201に設けられて係止アーム211と係脱可能に係合する係止受け部213とから構成され、当該係止アーム211と係止受け部213との係合により第2の作動部材201の逆回転方向への回転変位を規制するようになっている。前記係止アーム211は、前後方向に長尺な棒状に形成されて、当該係止アーム211の一端部(実施例では後端部)が前記ケース体170の左壁部に揺動可能に枢支されている。そして、前記係止アーム211の他端部(実施例では前端部)に、第2作動部材側へ向けて突出する係止突部211aが設けられており、当該係止突部211aが前記係止受け部213に係脱可能に係合するようになっている。また、前記係止アーム211は、付勢手段212により前記係止突部211aを下方へ向けて付勢されている。なお、実施例では、付勢手段として係止アーム211の軸部191aにねじりバネ212を巻き掛けて係止突部211aを下方へ向けて付勢するよう構成されているが、付勢手段としては従来公知の各種手段を採用可能である。
前記係止受け部213は、図18に示すように、前記第2の作動部材201における第2基体部202の左端部に設けられている。前記係止受け部213は、前記ケース体170の左壁部側に開口する筒状に形成され、当該係止受け部213の内部に、前記係止アーム211の係止突部211aが挿入されている。すなわち、前記ねじりバネ212の付勢により常には前記係止アーム211の係止突部211aが前記係止受け部213の内周面を摺動するよう構成されている。そして、前記係止受け部213には、前記内周面から内方に突出する係止爪213aが第2の作動部材201の回転方向へ離間する複数箇所(実施例では3箇所)に形成されており、当該係止受け部213の内周面を摺動する前記係止突部211aが係止爪213aに係合することで、当該第2の作動部材201の回転が規制されるようになっている。ここで、前記係止爪213aは、前記第2の作動部材201が順回転方向に回転した際に前記係止突部211aが係合することなく摺動し得るよう形成される一方、第2の作動部材201が逆回転方向に回転した際に係止突部211aが係合して第2の作動部材201の回転を規制するよう傾斜状に形成されている。すなわち、前記係止受け部213に設けた係止爪213aの傾斜により、前記第2の作動部材201の順回転方向への回転が許容される一方で、逆回転方向への回転を規制している。
ここで、前記係止受け部213の各係止爪213aは、図20に示すように、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置、第1および第2入球作動位置にある状態で、前記係止アーム211の係止突部211aと係合するよう形成されている。従って、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置にある状態では、前記球受け部179へのパチンコ球の落下により前記第1の作動部材176が作動された場合に、第2の作動部材201が逆回転方向に回転変位することなく閉鎖保持位置から第1入球作動位置に回転変位され、第2の作動部材201が第1入球作動位置にある状態では、各可変始動入賞部161,162に対応する可変始動口102,103に入賞したパチンコ球との接触により第1入球作動部206が作動された場合に、第2の作動部材201が逆回転方向に回転変位することなく第1入球作動位置から第2入球作動位置に回転変位され、第2の作動部材201が第2入球作動位置にある状態では、各可変始動入賞部161,162に対応する可変始動口102,103に入賞したパチンコ球との接触により第2入球作動部207が作動された場合に、第2の作動部材201が逆回転方向に回転変位することなく第2入球作動位置から閉鎖保持位置に回転変位されるようになっている。
(特図表示部について)
図2に示すように、前記遊技盤20の所定位置(実施例では、遊技領域21の外側右下部位置)には、前記固定始動口32、第1または第2可変始動口102,103への入賞(各始動口に対応の検出センサ75,77,78による球検出)を契機として作動する特図表示部(特図表示手段)50A,50Bが設けられている。ここで、特図表示部50A,50Bは、前記固定始動口32または第1可変始動口102への入賞を契機として変動表示を開始する第1特図表示部50Aと、第2可変始動口103への入賞を契機として変動表示を開始する第2特図表示部50Bとからなり、各特図表示部50A,50Bの何れも複数個(実施例では8個ずつ)のLEDランプにより構成されている。そして、前記固定始動口32または第1可変始動口102へのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部50AのLEDランプが順次点灯・消灯する点滅変動する特図変動表示が行われ、最終的にLEDランプが確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特別図柄(以下、特図という)を表示するようになっている。また、第2可変始動口103へのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部50BのLEDランプが点灯・消灯する点滅変動する変動表示が行われて、最終的に発光部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により特図を表示するよう構成されている。
ここで、前記特図は、特図当り判定の結果が当り(大当り)か否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされて、前記各特図表示部では、LEDランプの点灯位置により大当りを認識し得る当り表示(大当り図柄)としての特図と、はずれを認識し得るはずれ表示結果としての特図とが表示可能に構成されて、特図当り判定の結果に応じて1つの特図が特図表示部50A,50Bに確定停止表示される。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留表示部52,53について)
前記特図保留表示部52,53は、前記固定始動口32、可変始動口102,103にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に特図始動保留情報として記憶する場合に、当該特図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、前記特図保留表示部52,53は、前記固定始動口32または第1可変始動口102にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第1特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第1特図保留表示部52と、第2可変始動口103にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第2特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第2特図保留表示部53とからなり、各特図保留表示部52,53の何れも複数個(実施例では2個ずつ)の発光表示部により構成されている。この第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄組合せ演出の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、固定始動口32または第1可変始動口102へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄組合せ演出)が行われる毎に1減算される。また、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2可変始動口103の何れかへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄組合せ演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、左右に並んだ複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点滅することで、保留情報の保留数を遊技者が把握し得るようになっている。
ここで、実施例のパチンコ機10では、第2可変始動口103への入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、固定始動口32または第1可変始動口102への入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく特図当り判定をメイン制御CPU60aが優先的に実行して、当該特図当り判定の判定結果に基づく図柄変動演出(特図変動表示)が図柄表示装置17で実行されるよう構成される。
(普図表示部55について)
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域21の外側右下部位置に、複数のLED(実施例では2個)からLEDランプが構成された普図表示部55が配設されている。この普図表示部55では、ゲートセンサ76のパチンコ球の検出(ゲート部34のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて普図当り判定の結果を表示するようになっている。そして、前記普図表示部55の最終的な表示結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。
(普図保留表示部56について)
前記普図保留表示部56は、前記ゲート部34をパチンコ球が通過した際に取得される通過検出情報(普図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に普図始動保留情報として記憶する場合に、当該普図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、前記普図保留表示部56は、図2に示すように、複数個(実施例では2個)の発光表示部により構成されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、ゲート部34をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。
(確変について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口41へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り判定に当選する確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口41へのパチンコ球の入賞契機の発生割合を高くすることができる。以下の説明では、第1特典遊技状態が付与された遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に特図当り判定が当りの結果となる確率(大当り確率)が低確率(例えば、1/399)から高確率(例えば、1/60)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない遊技状態を非確変状態というものとする。実施例では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。このように、確変状態が付与されると、特図当り判定が当りの結果となる確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。また、実施例では、確変状態が付与される大当りの場合には、大当り遊技終了後、次回の大当り遊技に当選するまでの間継続して確変状態が付与される。なお、確変状態が付与される図柄変動演出(特図変動)の実行回数(変動回数)を所定回数(例えば70回等)に区切ることも可能である。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、作動口開閉部材260により開閉される前記作動口101へのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞容易状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての作動口101を開放する作動口開閉部材260の開放時間を増やすこと、により作動口101へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお普図当り1回についての作動口101を開放する作動口開閉部材260の開放時間を増やすに際しては、作動口開閉部材260の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また作動口開閉部材260の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態として上記(1)〜(3)を組み合わせており、以下の説明では、これら(1)〜(3)を組み合わせた状態を便宜的に「変短状態」というものとする。すなわち、変短状態は、作動口101へのパチンコ球の入賞率が向上した入賞容易状態である。なお、実施例の変短状態では、大当り遊技終了後の前記普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間を短縮すると共に、普図当り確率を低確率低確率(実施例では、1/65536)から高確率(実施例では、65535/65536)に変動させるよう設定してある。ここで、変短状態の付与条件は、後述するように大当り図柄の種類に応じて定められている。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示部に大当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、当選した大当り図柄の種類に応じて特別入賞部40の開閉部材43が開閉動作される。なお実施例の大当り遊技では、特別入賞部40の開閉部材43を開放するラウンド遊技を規定ラウンド数実行することで、大当り遊技が終了するようになっている。1回のラウンド遊技は、特別入賞口41に規定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞(特別入賞検出センサ79が規定個数のパチンコ球を検出)するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間(実施例では1秒)だけ開閉部材43が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、図26、図27に示すように、特図当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値(遊技価値)が異なる複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、複数種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、特図当り判定が当りの結果になることを契機として決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。
(固定始動口32または第1可変始動口102への入賞に基づく大当り図柄について)
前記固定始動口32または第1可変始動口102へのパチンコ球の入賞に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、固定始動口32または第1可変始動口102へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、5種類の大当り図柄(図柄A〜図柄D、図柄X)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機10では、固定始動口32または第1可変始動口102へのパチンコ球の入賞に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、49%の割合で大当り図柄としての図柄Aが選択され、22%の割合で大当り図柄としての図柄Bが選択され、6%の割合で大当り図柄としての図柄Cが選択され、5%の割合で大当り図柄としての図柄Dが選択され、18%の割合で大当り図柄としての図柄Cが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分割合は一例であり、これに限られるものではない。
前記図柄Aに対応した第1の大当り遊技は、第1の大当り遊技の終了後に次の大当り遊技に当選するまで確変状態が継続して付与されると共に、該確変状態が継続する間、変短状態が付与される大当り図柄として設定されている。また、前記図柄Aに対応した第1の大当り遊技は、第1の大当り遊技の終了後に次の大当り遊技に当選するまでの間、普図当りに当選した際に前記可変作動入球部240の作動口開閉部材260を第1開閉動作パターンP1で動作させる大当り図柄として設定される。また、前記第1の大当り遊技は、規定ラウンド数が「13回」に設定された大当り遊技である。この第1の大当り遊技では、1ラウンド目〜4ラウンド目のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉部材43に行わせるよう設定されている。一方で、第1の大当り遊技における5ラウンド目〜13ラウンド目のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口41を開放させるものの、4ラウンド目までに開閉部材43に行わせる前記長時間開放動作よりも特別入賞口41の開放時間が短くなる短時間開放動作を開閉部材43に行わせるよう設定されている。ここで、第1の大当り遊技における1ラウンド目〜4ラウンド目のラウンド遊技は、1回のラウンド遊技において入賞が許容される規定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞可能な開放時間で開閉部材43が開放動作するよう設定され、5ラウンド目〜13ラウンド目のラウンド遊技は、パチンコ球が略入賞不能な開放時間で開閉部材43が開放動作するよう設定されている。
具体的に、第1の大当り遊技では、図26に示すように、1ラウンド目(1R)〜4ラウンド目(4R)の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉部材43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。一方で、5ラウンド目(5R)〜12ラウンド目(12R)の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.4(秒)」が設定されている。なお、第1の大当り遊技では、ラウンド間インターバル時間(Int)が「1.0(秒)」に設定されている。すなわち実施例において、第1の大当り遊技は、1ラウンド目〜4ラウンド目のラウンド遊技におけるパチンコ球の入賞により500個前後の賞球を獲得し得る形態で特別入賞部40の開閉部材43を開閉させるよう構成されている。
前記図柄Bに対応した第2の大当り遊技、図柄Cに対応した第3の大当り遊技および図柄Dに対応した第4の大当り遊技は、各第2〜第4の大当り遊技の終了後に次の大当り遊技に当選するまで確変状態が継続して付与されると共に、該確変状態が継続する間、変短状態が付与される大当り図柄として設定されている。また、第2〜第4の大当り遊技は、各第2〜第4の大当り遊技の終了後に次の大当り遊技に当選するまでの間、普図当りに当選した際に前記可変作動入球部240の作動口開閉部材260を第2開閉動作パターンP2で動作させる大当り図柄として設定される。また、第2〜第4の大当り遊技は、規定ラウンド数が「12回」に設定されたラウンド大当り遊技である。この第2〜第4の大当り遊技の各ラウンド遊技における開閉部材43の開閉動作は、前述した第1の大当り遊技と同じに設定されていることから、その詳細は省略する。すなわち、第2〜第4の大当り遊技は、1ラウンド目〜4ラウンド目のラウンド遊技は、1回のラウンド遊技において入賞が許容される規定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞可能な開放時間で開閉部材43が開放動作するよう設定され、5ラウンド目〜12ラウンド目のラウンド遊技は、パチンコ球が略入賞不能な開放時間で開閉部材43が開放動作するよう設定されている。このように、実施例の第2〜第4の大当り遊技は、第1の大当り遊技と同様に500個前後の賞球を獲得し得る形態で前記特別入賞部40の開閉部材43を開閉させるよう構成されている。このように、図柄Aと図柄B〜図柄Dは、対応する大当り遊技終了後の普図当りの当選に伴う前記可変作動入球部240の作動口開閉部材260の開閉動作態様が異なった大当り図柄として設定されている。
前記図柄Xに対応した第5の大当り遊技は、第5の大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない一方で変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図柄X(第5の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間として、当該第5の大当り遊技終了後に7回の図柄変動演出(第1特図変動表示または第2特図変動表示)が実行される期間に設定されている。また、前記図柄Xに対応した第5の大当り遊技は、第5の大当り遊技の終了後に7回の図柄変動演出(第1特図変動表示または第2特図変動表示)が実行されるまでの間、普図当りに当選した際に前記可変作動入球部240の作動口開閉部材260を第2開閉動作パターンP2で動作させるよう設定される。なお、前記図柄Xに対応した第5の大当り遊技は、第5の大当り遊技の終了後に8回目以降の図柄変動演出(第1特図変動表示または第2特図変動表示)が実行される際に、普図当りに当選した際に前記可変作動入球部240の作動口開閉部材260を第3開閉動作パターンP3で動作させるよう設定される。また、前記第5の大当り遊技は、規定ラウンド数が「12回」に設定されたラウンド大当り遊技である。この第5の大当り遊技の各ラウンド遊技における開閉部材43の開閉動作は、前述した第1の大当り遊技と同じに設定されていることから、その詳細は省略する。すなわち、第5の大当り遊技は、1ラウンド目〜4ラウンド目のラウンド遊技は、1回のラウンド遊技において入賞が許容される規定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞可能な開放時間で開閉部材43が開放動作するよう設定され、5ラウンド目〜12ラウンド目のラウンド遊技は、パチンコ球が略入賞不能な開放時間で開閉部材43が開放動作するよう設定されている。このように、実施例の第5の大当り遊技は、第1の大当り遊技と同様に当該第5の大当り遊技において500個前後の賞球を獲得し得る形態で前記特別入賞部40の開閉部材43を開閉させるよう構成されている。
(第2可変始動口103への入賞に基づく大当り図柄について)
前記第2可変始動口103へのパチンコ球の入賞に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、第2可変始動口103へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、3種類の大当り図柄(図柄O〜図柄Y)の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定される。更に、実施例のパチンコ機10では、77%の割合で大当り図柄としての図柄Oが選択され、3%の割合で大当り図柄としての図柄Pが選択され、2%の割合で大当り図柄としての図柄Qが選択され、18%の割合で大当り図柄としての図柄Yが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分割合は一例であり、これに限られるものではない。
前記図柄Oに対応した第6の大当り遊技は、第6の大当り遊技の終了後に次の大当り遊技に当選するまで確変状態が継続して付与されると共に、該確変状態が継続する間、変短状態が付与される大当り図柄として設定されている。また、図柄Oに対応した第6の大当り遊技は、第6の大当り遊技の終了後に次の大当り遊技に当選するまでの間、普図当りに当選した際に前記可変作動入球部240の作動口開閉部材260を第2開閉動作パターンP2で動作させる大当り図柄として設定される。また、前記第6の大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されたラウンド大当り遊技である。この第6の大当り遊技では、1ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技はラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉部材43に行わせるよう設定されている。ここで、第6の大当り遊技における1ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技は、1回のラウンド遊技に定められた規定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞可能な開放時間で開閉部材43が開放動作するよう設定されている。
具体的に、第6の大当り遊技では、図27に示すように、1ラウンド目(1R)〜15ラウンド目(15R)の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉部材43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。すなわち実施例において、第6の大当り遊技は、1ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技におけるパチンコ球の入賞により2000個前後の賞球を獲得し得る形態で特別入賞部40の開閉部材43を開閉させるよう構成されている。
前記図柄Pに対応した第7の大当り遊技および図柄Qに対応した第8の大当り遊技は、第7〜第8の大当り遊技の終了後に次の大当り遊技に当選するまで確変状態が継続して付与されると共に、該確変状態が継続する間、変短状態が付与される大当り図柄として設定されている。また、第7〜第8の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に次の大当り遊技に当選するまでの間、普図当りに当選した際に前記可変作動入球部240の作動口開閉部材260を第2開閉動作パターンP2で動作させる大当り図柄として設定される。また、前記第7〜第8の大当り遊技は、規定ラウンド数が「2回」に設定されたラウンド大当り遊技である。この第7〜第8の大当り遊技では、1ラウンド目〜2ラウンド目のラウンド遊技はラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する短時間開放動作を開閉部材43に行わせるよう設定されている。第7〜第8の大当り遊技における1ラウンド目〜2ラウンド目のラウンド遊技は、パチンコ球が略入賞不能な開放時間で開閉部材43が開放動作するよう設定されている。具体的に、第7〜第8の大当り遊技では、図27に示すように、1ラウンド目(1R)〜2ラウンド目(2R)の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.4(秒)」が設定されている。すなわち実施例において、第7〜第8の大当り遊技は、各ラウンド遊技においてパチンコ球が略入賞が不可能で賞球を殆ど獲得し得ない形態(例えば0〜50個程度)で特別入賞部40の開閉部材43を開閉させるよう構成される。
前記図柄Yに対応した第9の大当り遊技は、第9の大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない一方で変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図柄Y(第9の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間として、当該第9の大当り遊技終了後に7回の図柄変動演出(第1特図変動表示または第2特図変動表示)が実行される期間に設定されている。また、前記図柄Yに対応した第9の大当り遊技は、第9の大当り遊技の終了後に7回の図柄変動演出(第1特図変動表示または第2特図変動表示)が実行されるまでの間、普図当りに当選した際に前記可変作動入球部240の作動口開閉部材260を第2開閉動作パターンP2で動作させるよう設定される。なお、前記図柄Yに対応した第9の大当り遊技は、第9の大当り遊技の終了後に8回目以降の図柄変動演出(第1特図変動表示または第2特図変動表示)が実行される際に、普図当りに当選した際に前記可変作動入球部240の作動口開閉部材260を第3開閉動作パターンP3で動作させるよう設定される。また、前記第9の大当り遊技は、規定ラウンド数が「2回」に設定されたラウンド大当り遊技である。この第9の大当り遊技の各ラウンド遊技における開閉部材43の開閉動作は、前述した第7〜第8の大当り遊技と同じに設定されていることから、その詳細は省略する。すなわち、第9の大当り遊技は、1ラウンド目〜2ラウンド目のラウンド遊技は、パチンコ球が略入賞不能な開放時間で開閉部材43が開放動作するよう設定されている。このように、実施例の第9の大当り遊技は、第7〜第8の大当り遊技と同様に当該第9の大当り遊技において賞球を殆ど獲得し得ない形態(例えば0〜50個程度)で特別入賞部40の開閉部材43を開閉させるよう構成される。
ここで、前記第1開閉動作パターンP1および第3開閉動作パターンP3は、後述するように、普図当り判定が普図当りの結果となることを条件に当該開閉動作パターンP1,P3に基づいて可変作動入球部240の作動口開閉部材260が動作された際に前記作動口101に入球したパチンコ球が前記第1分岐通路(第1の分岐流入通路345)に振り分けられて、前記第1可変始動入賞部161の第1始動口開閉部材165を開放すると共に、前記第2開閉動作パターンP2は、後述するように、当該開閉動作パターンP2に基づいて可変作動入球部240の作動口開閉部材260が動作された際に前記作動口101に入球したパチンコ球が前記第2分岐通路(第2の分岐流入通路346)に振り分けられて、前記第2可変始動入賞部162の第2始動口開閉部材166を開放するよう構成される。すなわち、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技に当選することを契機に、大当り遊技後の遊技状態として、前記第1可変始動入賞部161の第1始動口開閉部材165を開放する第1遊技状態および前記第2可変始動入賞部162の第2始動口開閉部材166を開放する第2遊技状態の何れかを付与し得るよう構成されている。より具体的には、前記第1可変始動入賞部161の第1可変始動口102への入賞を契機とした特図当り判定で当りの判定結果となる場合に、大当り遊技後の遊技状態として前記第1遊技状態または第2遊技状態の何れかを付与し得るよう構成され、前記第2可変始動入賞部162の第2可変始動口103への入賞を契機とした特図当り判定で当りの判定結果となる場合に、大当り遊技後の遊技状態として前記第2遊技状態を付与し得るよう構成されている。
このように、前記第2可変始動入賞部162の第2可変始動口103への入賞を契機とした特図当り判定で当りとなる場合に、前記第1可変始動入賞部161の第1可変始動口102への入賞を契機とした特図当り判定で当りとなる場合に比べて、大当り遊技で獲得可能な賞球数が多い大当り遊技(遊技価値の高い当り遊技)を決定し易く設定されている。また、前記第2可変始動入賞部162の第2可変始動口103への入賞を契機とした特図当り判定で当りとなる場合に、前記第1可変始動入賞部161の第1可変始動口102への入賞を契機とした特図当り判定で当りとなる場合に比べて、大当り遊技後に第2遊技状態に移行し易い大当り遊技(遊技価値の高い当り遊技)を決定し易く設定されている。
(大当り遊技演出について)
また、前記第1の大当り遊技がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)により決定された場合には、図柄表示装置17において大当り遊技中に実行する大当り遊技演出として、大当り遊技後に第1遊技状態に移行することを識別可能な演出を後述する演出制御基板65が決定するよう構成される。前記第2または第6の大当り遊技がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)により決定された場合には、図柄表示装置17において大当り遊技中に実行する大当り遊技演出として、大当り遊技後に第2遊技状態に移行すると共に次の大当り遊技に当選するまでの間第2遊技状態が継続することを識別可能な演出を演出制御基板65が決定するよう構成される。すなわち、第1の大当り遊技、第2の大当り遊技および第6の大当り遊技では、大当り遊技中に行われる大当り遊技演出において、大当り遊技後の遊技状態を確定的に遊技者が識別し得るようになっている。
また、前記第3〜第5の大当り遊技および第7〜第9の大当り遊技がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)により決定された場合には、大当り遊技中に図柄表示装置17において実行する大当り遊技演出として、大当り遊技後に第2遊技状態に移行する共に次の大当り遊技に当選するまでの間第2遊技状態が継続することを識別不能な演出を演出制御基板65が決定するよう構成される。そして、第3または第7の大当り遊技がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)により決定された場合には、大当り遊技後に行われる所定変動回数目(例えば3変動目)の図柄変動演出において、次の大当り遊技に当選するまでの間第2遊技状態が継続することを識別可能な演出の実行を演出制御基板65が決定するよう構成される。また、第4または第8の大当り遊技がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)により決定された場合には、大当り遊技後に行われる所定変動回数目(例えば7変動目)の図柄変動演出において、次の大当り遊技に当選するまでの間第2遊技状態が継続することを識別可能な演出の実行を演出制御基板65が決定するよう構成される。一方で、第5または第9の大当り遊技がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)により決定された場合には、大当り遊技後に変短状態が付与される最終の変動回数目(実施例では7変動目)の図柄変動演出において、第2遊技状態が終了する(第1遊技状態に移行する)ことを識別可能な演出の実行を演出制御基板65が決定するよう構成される。このように、前記第3〜第5の大当り遊技および第7〜第9の大当り遊技がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)により決定された場合には、大当り遊技後の図柄変動演出において、遊技価値の高い第2遊技状態が継続する続くか否かを報知するよう構成されて、大当り遊技後の図柄変動演出に対する遊技者の関心を高めるようになっている。
(可変作動入球部240および通路振分部350の駆動制御について)
前記メイン制御CPU60aは、普図当りに伴って作動口101に入球したパチンコ球を通出させる分岐通路(第1または第2の分岐流入通路345,346)を決定するよう構成されている。具体的には、普図当りに伴う可変作動入球部240の作動口開閉部材260の動作態様(開閉動作パターンP1〜P3)をメイン制御CPU60aが決定することで、前記作動口101に入球したパチンコ球が第1分岐通路(第1の分岐流入通路345)または第2分岐通路(第2の分岐流入通路346)の何れかに振り分けられるよう構成されている。ここで、作動口101に入球したパチンコ球が第1分岐通路(第1の分岐流入通路345)または第2分岐通路(第2の分岐流入通路346)の何れの通路に振り分けられるかは、前記第2の複合入球部100の前記振分位置にパチンコ球が到来するタイミングと、そのタイミングにおける通路振分部350の振分体351の動作位置とにより定まる。そこで、通路振分部350の振分体351の動作態様と、メイン制御CPU60aが決定する可変作動入球部240の作動口開閉部材260の動作態様との関係について、説明する。
(通路振分部350における振分体351の動作について)
前記通路振分部350は、普図当り判定が当りの判定結果(当選)となるのに伴って一定の動作パターンで第1振分位置および第2振分位置に振分体351が変位するよう前記メイン制御CPU60aにより駆動制御される。具体的に、図28に示すように、普図当り判定に当選した場合には、普図当り判定に当選してから所定の作動タイミングにおいて振分体351を第1振分位置から第2振分位置に変位させ、第2振分位置への変位から所定の時間(第1振分時間TZ1)の経過後に、当該振分体351を第2振分位置から第1振分位置に変位させ、普図当り判定に当選してから所定の時間(第2振分時間TZ2)の経過後に、当該振分体351を第1振分位置から第2振分位置に変位させると共に、普図当り判定に当選してから所定の時間(第3振分時間TZ3)の経過後に、当該振分体351を第2振分位置から第1振分位置に変位させる前記第2ソレノイド352が駆動制御されるようになっている。すなわち、振分体351が第1振分位置にある状態で分岐領域に到来したパチンコ球が、第1分岐通路(第1の分岐流入通路345)へ振り分けられて第1可変始動入賞部161の第1作動機構175へ向けて移動し、通路振分部350の振分体351が第2振分位置にある状態で第2の複合入球部100の分岐領域に到来したパチンコ球が、第2分岐通路(第2の分岐流入通路346)へ振り分けられて第2可変始動入賞部162の第1作動機構175へ向けて移動するようになっている。ここで、実施例では、普図当り判定に当選した場合に普図変動表示が終了してから所定の開放待機時間(例えば500ミリ秒)が経過したタイミングが、作動タイミングに設定されている。
また、前記第1振分時間TZ1は、第1振分位置から第2振分位置への振分体351の変位(作動タイミング)と同時に作動口101に入球したパチンコ球が振分体351による振分位置まで移動するのに必要な時間よりも短い時間に設定されている。このように、実施例の通路振分部350は、実質的に、普図当り判定に当選するのに伴って第1分岐通路(第1の分岐流入通路345)へのパチンコ球の振分動作を行った後に、第2分岐通路(第2の分岐流入通路346)へのパチンコ球の振分動作を行うよう前記メイン制御CPU60aにより駆動制御される。すなわち、振分体351の作動タイミングと同時に作動口101に入球したパチンコ球は、実質的に前記第2分岐通路(第2の分岐流入通路346)へ移動不能となっており、第1振分時間TZ1の経過に伴って第1位置に変位した振分体351により第1分岐通路(第2の分岐流入通路345)へ振り分けられるよう構成されている。
(可変作動入球部240における作動口開閉部材260の動作について)
前記メイン制御CPU60aは、前述のように、決定された大当り図柄の種類(大当り遊技の種類)に応じて、可変作動入球部240の作動口開閉部材260の動作態様を定めた開閉動作パターンP1〜P3を決定するよう構成されている。すなわち、大当り遊技後に普図当り判定に当選した際には、前回大当り時に決定された開閉動作パターンP1〜P3に基づいて可変作動入球部240の作動口開閉部材260が動作されるようになっている。ここで、前記可変作動入球部240の作動口開閉部材260を開閉動作させる開閉動作パターンP1〜P3として、作動口101に入球したパチンコ球が前記第1分岐通路(具体的には第1の分岐流入通路345)および第2分岐通路(具体的には第2の分岐流入通路346)に振り分けられる割合(可能性)が異なる複数種類の開閉動作パターンP1〜P3が設定されている。
実施例では、作動口開閉部材260の開放動作に伴い作動口101に入球したパチンコ球が第1の分岐流入通路345に振り分けられる割合の高い第1開閉動作パターンP1および第3開閉動作パターンP3と、作動口開閉部材260の開放動作に伴い作動口101に入球したパチンコ球が第2の分岐流入通路346に振り分けられる割合の高い第2開閉動作パターンP2とが設定されている。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、作動口101に入球したパチンコ球を通出させる分岐通路を決定する通出通路決定手段としての機能を備えている。なお、第1開閉動作パターンP1および第3開閉動作パターンP3に基づいて作動口開閉部材260が開閉動作した場合に作動口101に入球した全てのパチンコ球が、第1の分岐流入通路345に振り分けられるようにしてもよく、また作動口101へのパチンコ球の入球タイミングによって第1および第2の分岐流入通路345,346の何れかに振り分けられると共に第1の分岐流入通路345へ振り分けられる可能性が高くなるようにしてもよい。同様に、第2開閉動作パターンP2に基づいて作動口開閉部材260が開閉動作した場合に作動口101に入球した全てのパチンコ球が、第2の分岐流入通路346に振り分けられるようにしてもよく、また作動口101へのパチンコ球の入球タイミングによって第1および第2の分岐流入通路345,346の何れかに振り分けられると共に第2の分岐流入通路346へ振り分けられる可能性が高くなるようにしてもよい。
(第1開閉動作パターンP1について)
前記第1開閉動作パターンP1は、図28に示すように、普図当り判定に当選した場合には、普図当り判定に当選してから所定の作動タイミングにおいて前記作動口開閉部材131を閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第1作動口開放時間TA1の経過後に作動口開閉部材131を開放位置から閉鎖位置に変位させる動作をメイン制御CPU60aが行わせるよう設定されている。ここで、第1開閉動作パターンP1における前記作動タイミングは、普図当り判定に当選してから前記通路振分部350の振分体351を、第1振分位置から第2振分位置に変位させるタイミングと同じタイミングに設定されている。
前記第1作動口開放時間TA1は、前記第1振分時間TZ1よりも長く、かつ第2振分時間TZ2よりも短く設定されて、第1作動口開放時間TA1の経過した時点において、当該振分体351が第1振分位置に変位しているようになっている。そして、第2振分時間TZ2と第1作動口開放時間TA1との時間差TRは、第1作動口開放時間TA1が経過する直前に作動口101に入球したパチンコ球が分岐領域まで移動するのに必要な時間よりも長い時間に設定されている。すなわち、実施例では、第1開閉動作パターンP1に基づいて可変作動入球部240の作動口開閉部材260が開閉動作した際に、作動口101に入球したパチンコ球が分岐領域まで移動した時点で前記振分体351が第1振分位置に位置するよう可変作動入球部240および通路振分部350が駆動制御される。このように、第1開閉動作パターンP1は、前記作動口101に入球したパチンコ球が前記第1分岐通路および第2分岐通路の振分位置まで移動した際に前記振分体351を第1振分位置に位置させて、当該作動口101に入球したパチンコ球を第1の分岐流入通路345に振り分けるよう作動口開閉部材260を作動させる第1の開放動作態様となっている。なお、第1作動口開放時間TA1は、所定の打ち出し間隔で連続して遊技領域21(第2球流下経路21b)に打ち出されたパチンコ球が作動口101に入球可能な時間に設定され、実施例では第1作動口開放時間TA1を「2.0秒」に設定してある。
(第2開閉動作パターンP2について)
前記第2開閉動作パターンP2は、図28に示すように、普図当り判定に当選した場合には、普図当り判定に当選してから所定の作動タイミングにおいて前記作動口開閉部材260を閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第2作動口開放時間TB1の経過後に作動口開閉部材260を開放位置から閉鎖位置に変位させ、普図当りに当選してから第2作動口開放時間TB2の経過後に作動口開閉部材260を閉鎖位置から開放位置に変位させ、普図当りに当選してから第3作動口開放時間TB3の経過後に作動口開閉部材260を閉鎖位置から開放位置に変位させる動作をメイン制御CPU60aが行わせるよう設定されている。ここで、実施例では、普図当りに当選してから第2作動口開放時間TB2の経過後に、所定の打ち出し間隔で連続して遊技領域21(第2球流下経路21b)に打ち出されたパチンコ球が作動口101に入球可能な第4作動口開放時間TB4となる複数回(実施例では3回)の開閉動作を作動口開閉部材260に行わせるようになっている。すなわち、第2開閉動作パターンP2では、普図当りに当選した際に、第2作動口開放時間TB1の開放動作を作動口開閉部材260が1回行うと共に、第4作動口開放時間TB4の開放動作を作動口開閉部材260が3回行うよう設定されている。ここで、第2開閉動作パターンP2における前記作動タイミングは、普図当りに当選してから前記通路振分部350の振分体351を、第1振分位置から第2振分位置に変位させるタイミングと同じタイミングに設定されている。
前記第2作動口開放時間TB1は、前記第1振分時間TZ1と同じ時間に設定されており、作動口101の開放と同時に入球したパチンコ球は、実質的に前記第2の分岐流入通路346へ振り分けられることなく第1の分岐流入通路345へ振り分けられるようになっている。また、第2作動口開放時間TB2は、前記第2振分時間TZ2と同じ時間に設定されており、第2作動口開放時間TB2の経過に伴う作動口101の開放と同時に入球したパチンコ球が、前記第2の分岐流入通路346へ振り分けられるようになっている。すなわち、実施例では、第2開閉動作パターンP2に基づいて可変作動入球部240の作動口開閉部材260が開閉動作した際に、作動口101に入球したパチンコ球が分岐領域まで移動した時点の多くで前記振分体351が第2振分位置に位置するよう可変作動入球部240および通路振分部350が駆動制御され、作動口101に入球した殆どのパチンコ球が、第2の分岐流入通路346に振り分けられるようになっている。なお、第4作動口開放時間TB4は、所定の打ち出し間隔で連続して遊技領域21(第2球流下経路21b)に打ち出されたパチンコ球が作動口101に入球可能な時間に設定され、実施例では第4作動口開放時間TB4を「1.6秒」に設定してある。すなわち、第2開閉動作パターンP2は、前記作動口101に入球したパチンコ球が前記振分位置まで移動した際に前記振分体351を第2振分位置に位置させて、当該作動口101に入球したパチンコ球を第2の分岐流入通路346に振り分けるよう作動口開閉部材260を作動させる第2の開放動作態様とされている。
(第3開閉動作パターンP3について)
前記第3開閉動作パターンP3は、図28に示すように、普図当り判定に当選した場合には、普図当り判定に当選してから所定の作動タイミングにおいて前記作動口開閉部材260を閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第5作動口開放時間TC1の経過後に作動口開閉部材260を開放位置から閉鎖位置に変位させる動作をメイン制御CPU60aが行わせるよう設定されている。すなわち、第3開閉動作パターンP3では、普図当りに当選した際に、第5作動口開放時間TC1の開放動作を作動口開閉部材260に1回行わせるよう設定されている。ここで、第3開閉動作パターンP3における前記作動タイミングは、普図当り判定に当選してから前記通路振分部350の振分体351を、第1振分位置から第2振分位置に変位させるタイミングと同じタイミングに設定されている。ここで、前記第5作動口開放時間TC1は、前記第1振分時間TZ1(第2作動口開放時間TB1)と同じ時間に設定されている。従って、作動口101の開放と同時に入球したパチンコ球は、実質的に前記第2の分岐流入通路346へ振り分けられることなく第1の分岐流入通路345へ振り分けられるようになっている。すなわち、第3開閉動作パターンP3は、前記作動口101に入球したパチンコ球が前記第1分岐通路および第2分岐通路の振分位置まで移動した際に前記振分体351を第1振分位置に位置させて、当該作動口101に入球したパチンコ球を第1の分岐流入通路345に振り分けるよう作動口開閉部材260を作動させる第1の開放動作態様となっている。
すなわち、実施例のパチンコ機10では、大当り判定の肯定判定(大当りの当選)に伴って大当り図柄として図柄Aが決定された場合には、前記第1の大当り遊技後の遊技において第1可変始動口102へのパチンコ球の入賞に基づく大当り遊技(すなわち第1〜第5の大当り遊技)が発生する可能性が高く、大当り図柄として図柄B〜図柄Dが決定された場合には、前記第2の大当り遊技後の遊技において第2可変始動口103へのパチンコ球の入賞に基づく大当り遊技(すなわち第6〜第9の大当り遊技)が発生する可能性が高くなるよう構成されている。また、大当り判定の肯定判定(大当りの当選)に伴って大当り図柄として図柄Xが決定された場合には、前記第5の大当り遊技後の遊技において変短状態が付与されている間(第5の大当り遊技の終了後の7回の図柄変動演出が行われるまでの間)は、第2可変始動口103へのパチンコ球の入賞に基づく大当り遊技(すなわち第6〜第9の大当り遊技)が発生する可能性が高く、変短状態の付与が終了した後は、固定始動口32へのパチンコ球の入賞に基づく大当り遊技(すなわち第1〜第5の大当り遊技)が発生する可能性が高くなるようになっている。
更に、大当り判定の肯定判定(大当りの当選)に伴って大当り図柄として図柄O〜図柄Qが決定された場合には、前記第6〜第8の大当り遊技後の遊技において第2可変始動口103へのパチンコ球の入賞に基づく大当り遊技(すなわち第6〜第9の大当り遊技)が発生する可能性が高くなるよう構成されている。また、大当り判定の肯定判定(大当りの当選)に伴って大当り図柄として図柄Yが決定された場合には、前記第9の大当り遊技後の遊技において変短状態が付与されている間(第5の大当り遊技の終了後の7回の図柄変動演出が行われるまでの間)は、第2可変始動口103へのパチンコ球の入賞に基づく大当り遊技(すなわち第6〜第9の大当り遊技)が発生する可能性が高く、変短状態の付与が終了した後は、固定始動口32へのパチンコ球の入賞に基づく大当り遊技(すなわち第1〜第5の大当り遊技)が発生する可能性が高くなるようになっている。すなわち、大当り判定の肯定判定(大当りの当選)に伴って決定される大当り図柄の種類によって、当該大当り遊技後の遊技においてパチンコ球が固定始動口32、第1および第2可変始動口102,103へ入賞する入賞割合を変化させることで、次に発生する大当り遊技の種類が変動するようになっている。
(パチンコ機10の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図25に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板60(メイン制御手段)と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する演出制御基板65と、図柄表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカの音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記演出制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカからの音声出力のタイミングや大きさ等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図25に示に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記固定始動検出センサ75、第1可変始動検出センサ77、第2可変始動検出センサ78、特別入賞検出センサ79、ゲートセンサ76等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、入球検出センサ247、第1通過検出センサ85、第2通過検出センサ86の各センサも接続されている。また、メイン制御CPU60aには、第1および第2特図表示部50A,50B、普図表示部55等の各表示部が接続されて、各センサの検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示部の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU60a(開放制御手段)には、前記可変作動入球部240の第1ソレノイド261、通路振分部350の第2ソレノイド352および特別入賞部40に設けられた特別入賞ソレノイド42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイドの駆動制御が行われるようになっている。
メイン制御CPU60aは、固定始動口32、第1可変始動口102、第2可変始動口103へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には固定始動検出センサ75、第1または可変始動検出センサ77,78がパチンコ球を検出したこと)を契機として取得する判定用乱数(入賞情報)としての大当り判定用乱数、特図決定用乱数等の各種乱数の値や、ゲート部34をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ76がパチンコ球を検出したこと)を契機として取得する判定用乱数(通過検出情報)としての普図当り判定用乱数、普図決定用乱数等の各種乱数の値を、所定の周期(実施例では4ミリ秒)で更新し、更新後の値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種入賞情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
大当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として大当りを発生するか否かの大当り判定(当り判定)で用いる乱数である。実施例では、大当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ミリ秒)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、大当り判定の結果に応じて第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「200」の全201通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ミリ秒)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図表示に対応する乱数と、大当りを示す200種類の特図表示に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。また、前記大当り図柄としての特図1および特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される大当りの種類が特定されるようになっている。また、大当りの種類毎に大当り遊技後に確変状態および変短状態が付与されるか否かが対応して定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与するか否かを決定する乱数としての機能も有している。また、大当りの種類毎に、大当り遊技後の可変作動入球部240の作動口開閉部材260の開閉動作パターンP1〜P3が対応して定められており、特図決定用乱数が開閉動作パターンP1〜P3を決定する乱数としても機能する。
実施例のパチンコ機10では、大当り判定用乱数および特図決定用乱数は、固定始動口32、第1および第2可変始動口102,103の何れかにパチンコ球が入賞したこと(より具体的には固定始動検出センサ75、第1および第2可変始動検出センサ77,78の何れかがパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得し、取得した各種入賞情報をメイン制御RAM60cに第1特図始動保留情報または第2特図始動保留情報として記憶するようになっている。そして、所定の特図変動表示を開始するタイミングで、メイン制御RAM60cに記憶した第1特図始動保留情報または第2特図始動保留情報に基づいてメイン制御CPU60aが特図当り判定(当り判定)を実行するよう構成されている
普図当り判定用乱数は、作動口101を開放(普図当り)するか否かの普図当り判定(開放判定)で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ミリ秒)で1ずつ更新されるようになっている。また、普図決定用乱数は、普図当り判定の結果に応じて普図表示部55に確定停止表示させる普図を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、普図決定用乱数として、「0」〜「100」の全101通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ミリ秒)で1ずつ更新されるようになっている。普図決定用乱数の各値には、普図はずれを示す1種類の普図表示に対応する乱数と、普図当りを示す100種類の普図表示に対応する乱数とが設定されており、該普図決定用乱数の値により、普図表示部55に確定停止表示される普図が特定されるようになっている。そして、ゲート部34をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ76がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている通過検出情報(普図当り判定用乱数および普図決定用乱数等)を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得し、取得した各種通過検出情報をメイン制御RAM60cに普図保留情報として記憶するようになっている。そして、所定の普図変動表示を開始するタイミングでメイン制御RAM60cに記憶した普図保留情報に基づいてメイン制御CPU60aが普図当り判定を実行するよう構成されている
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記大当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(特図当り判定)で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。そして、特図当り判定において、固定始動口32または第1可変始動口102、第2可変始動口103の何れかにパチンコ球が入賞した際に取得した大当り判定用乱数が大当り判定値と一致した場合に、図柄変動演出の終了後に大当り遊技を付与することが決定される一方、大当り判定用乱数が大当り判定値と一致しない場合に、図柄変動演出の終了後に大当り遊技を付与しないことが決定される。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっており、非確変状態よりも確変状態の場合の大当り確率(大当り判定用乱数と大当り判定値との一致確率)が高くなるよう設定される。
また、メイン制御ROM60bには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、特図当り判定の結果が肯定の場合に、第1特図表示部50Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した大当りを示す200種類の特図決定用乱数に対応した「1」〜「200」の整数値が設定されており、特図決定用判定値の夫々に個別に特図1および特図2が対応付けられている(図26、図27参照)。
また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。そして、普図当り判定において、ゲート部34をパチンコ球が通過した際に取得した普図当り判定用乱数が普図当り判定値と一致した場合に、普図変動表示の終了後に普図当りを付与(大当り遊技に伴い決定された開放動作パターンP1〜P3で作動入球部240を作動して作動口101を開放することおよび通路振分部350を作動すること)が決定される一方、普図当り判定用乱数が普図当り判定値と一致しない場合に、普図変動表示の終了後に普図当りを付与しない(作動口101を開放しない)ことが決定される。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、非変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では1個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態における普図当り判定値の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。また、メイン制御ROM60bには、普図決定用判定値が記憶されている。普図決定用判定値は、普図当り判定の結果が肯定の場合に、普図表示部55に確定停止表示させる普図を、普図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、普図決定用判定値には、前述した普図当りを示す100種類の普図決定用乱数に対応した「0」〜「100」の整数値が設定されており、普図決定用判定値の夫々に個別に普図が対応付けられている。
すなわち、固定始動口32、第1または第2可変始動口102,103への入賞を契機として当りか否かを判定する当り判定手段、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技の種類を決定する当り遊技決定手段および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、決定した当り遊技の種類に応じて、大当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与することを決定する確変付与決定手段として機能するよう構成されている。
更に、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、決定した当り遊技の種類に応じて、作動口101へパチンコ球が入賞する確率が高確率となる変短状態(入賞容易状態)を付与することを決定する入賞容易状態付与決定手段として機能し、入賞容易状態を付与する場合に変短状態を付与する期間を決定する入賞容易状態付与期間決定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に決定された入賞容易状態を付与する期間だけ変短状態を付与する変短状態付与手段としても機能している。このように、前記メイン制御CPU60aは、当り判定が肯定判定の場合に、始動入賞装置への入賞に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するか否かを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。更に、前記メイン制御CPU60aは、可変入球部(可変作動入球部240)の開閉部材(作動口開閉部材260を開放する契機となる所定条件が成立したかの条件成立判定を実行する条件成立判定手段としての機能を有している。また、前記メイン制御RAM60cは、固定始動口32または第1可変始動口102への入賞を契機として取得した入賞情報を第1始動保留情報として記憶する第1記憶手段および前記第2可変始動口103への入賞を契機として取得した入賞情報を第2始動保留情報として記憶する第2記憶手段として機能する。また、実施例のメイン制御CPU60aは、前記記憶手段(メイン制御RAM60c)に記憶されている入賞情報(入球情報)に基づいて図柄変動を表示手段で実行させる変動表示実行制御手段として機能している。更に、メイン制御CPU60aは、前記可変作動入球部240の開閉部材260の動作態様を特定する複数種類の開閉動作パターンから開閉動作パターンを決定する動作パターン決定手段としての機能を有している。
(実施例の作用)
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用について説明する。
前記遊技盤20の遊技領域21(第1球流下経路21a)に打ち出されたパチンコ球が固定始動入賞部31の固定始動口32へ入賞することを契機とした特図当り判定の当選、および遊技盤20の遊技領域21(第2球流下経路21a)に打ち出されたパチンコ球が第1可変始動入賞部161の第1可変始動口102へ入賞することを契機とした特図当り判定の当選に伴って、第1〜第5の大当り遊技の何れかがメイン制御CPU60aにより決定され、大当り遊技の終了後に、決定された大当り遊技(第1〜第5の大当り遊技)の種類に応じて変短状態が付与される。また、遊技盤20の遊技領域21(第2球流下経路21b)に打ち出されたパチンコ球が第2可変始動入賞部162の第2可変始動口103へ入賞することを契機とした特図当り判定の当選に伴って、第6〜第9の大当り遊技の何れかがメイン制御CPU60aにより決定され、大当り遊技の終了後に、決定された大当り遊技(第6〜第9の大当り遊技)の種類に応じて変短状態が付与される。そして、この大当り遊技の種類に応じて、大当り遊技後の遊技において普図当り判定に当選した場合に可変作動入球部240の作動口開閉部材260を開閉動作させる開閉動作パターンP1〜P3が決定される。遊技盤20の遊技領域21(第2球流下経路21b)に打ち出されたパチンコ球がゲート部34を通過すると、ゲートセンサ76によるパチンコ球の検出を契機として通過検出情報としての各種乱数がメイン制御CPU60aにより取得される。そして、取得した普図当り判定用乱数に基づいて普図当りを生起するか否かをメイン制御CPU60aが決定すると共に、普図変動表示が行われた結果、当該普図当り判定の結果に応じた普図が普図表示部55に確定停止表示される。普図当り判定が肯定判定の場合には、通路振分部350の振分体351が作動されると共に、大当り遊技の当選に伴って決定された開閉動作パターンP1〜P3に基づいて前記第2の複合入球部100の可変作動入球部240の作動口開閉部材260が開閉動作される。
ここで、パチンコ球の入球を契機として特図当り判定条件が成立する固定始動入賞部31およびパチンコ球の入球を契機として開放判定条件が成立するゲート部34を第1の複合入球部30に設けたから、当該固定始動入賞部31およびゲート部34の設置スペースを省スペース化し得る。また、第1球流下経路21aをパチンコ球が流下することで固定始動入賞部31に対してパチンコ球を入賞させ得ると共に、第2球流下経路21bをパチンコ球が流下することでゲート部34に対してパチンコ球を入球させ得るよう構成されている。すなわち、固定始動入賞部31とゲート部34とで入球し易い球流下経路21a,21bが異なるように第1の複合入球部30を遊技盤20に配置することで、第1の複合入球部30に固定始動入賞部31およびゲート部34を設けながらも、パチンコ球を流下させる球流下経路21a,21bを切り替える遊技を実現できる。
更に、実施例でのパチンコ機10では、前記第2球流下経路21bの下流に位置するよう前記ゲート部34が配置されると共に、前記ゲート部34が位置する第2球流下経路21bから外れた位置(第1球流下経路21a)に前記固定始動入賞部31を配置することで、パチンコ球を打ち出す球流下経路21a,21bによって固定始動入賞部31に対するパチンコ球の入賞割合(入賞率)およびゲート部34へのパチンコ球の入球割合(入球率)を変えることができ、遊技状態に合致するパチンコ球の打ち出しを行うよう遊技者に強く促すことができるから、受動的になりがちな遊技に対して遊技者を積極的に遊技参加させて遊技の興趣を高めることが可能となる。また、前記第1の複合入球部30には、前記ゲート部34の配置側と反対側に、ゲート部34の配置位置へのパチンコ球の移動を規制する規制壁部420を設けることで、第1球流下経路21aを流下するパチンコ球がゲート部34に入球するのを防止することで、ゲート部34に入球可能な球流下経路を制限することができる。これにより、パチンコ球を打ち出す球流下経路21a,21bによる固定始動入賞部31およびゲート部34への入賞割合(入球割合)を顕著に異ならせることができ、遊技者の能動的な遊技参加をより強く促し遊技の興趣を高めることが可能となる。また、実施例のように、左打ちの遊技形態の場合にゲート部34への入球がほぼ期待できず、同様に右打ちの遊技形態の場合に固定始動入賞部31への入賞がほぼ期待できないようにすることで、遊技状態に合致するパチンコ球の打ち出しか否かを遊技者に早期に気づかせることができる。
また、第1の複合入球部30には、前記ゲート部34へ向けて案内する第1球通路412および当該ゲート部34とは異なる位置へ案内する第2球通路416が設けられて、当該第1球通路412の入口(ゲート入口35)および第2案内通路416の入口417が、同じ第2球流下経路21b内で開口するよう形成してあるから、第2球流下経路21bを流下するパチンコ球がゲート部34へ集中するのを防ぐことができ、該ゲート部34に対する所定の入球率を維持できる。
そして、同じ第1の複合入球部30に固定始動入賞部31およびゲート部34を設けたので、各入球部31,34を配設するための加工を遊技盤20に個別に施す必要はなく、遊技盤20に施す加工工数を低減して製造コストを低廉に抑えることができる。また、第1の複合入球部30を配設するだけで固定始動入賞部31およびゲート部34を遊技盤20に設けることができるので、各入球部31,34を個別に配設する構成よりも組み立て工数を低減して手間を軽減し得る利点がある。このように、第1の複合入球部30に固定始動入賞部31およびゲート部34設けることにより、遊技盤20に対する固定始動入賞部31およびゲート部34の配置を改善することが可能になる。
ここで、前記第2の複合入球部100の可変作動入球部240は、開閉動作パターンP1〜P3に基づいて第1ソレノイド261が励磁制御されてプランジャ286が最前進位置から最後退位置へ移動することにより、第1連繋部262の姿勢変位に伴って作動口開閉部材260が図13に示す閉鎖位置から図14に示す開放位置へ移動する。また、第1連繋部262の姿勢変位に伴って作動部材264が最前進位置から最後退位置に向けて移動することで、規制部材263が図13に示す規制位置から図14に示す許容位置へ姿勢変位する。これにより、作動口開閉部材260が作動口101から遊技領域21(第2球流下経路21b)に突出すると共に、該作動口101がパチンコ球の入賞が可能な開口サイズとなる。
従って、第1ソレノイド261の励磁に伴って作動口開閉部材260が開放位置に停止することで、第2球流下経路21bを流下して側壁部311a,311a間へ案内されたパチンコ球が、作動口開閉部材260の球誘導片273および球受け面274で受け止められる(図14(b))。そして、球受け面274で受け止められたパチンコ球は、球誘導片273に接触することで、該球受け面274上を作動口101側へ移動して該作動口101へ入賞し、空間248内へ案内される。空間248内へ案内されたパチンコ球は、作動口開閉部材260の球通過孔275から下方へ移動して、入球検出センサ247で検出された後に通路振分部350へ導かれる。そして、入球検出センサ247の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されることで賞球の払出条件が成立して、所定数(実施例では2個)の賞球が払い出される。
メイン制御基板60が第1ソレノイド261の励磁を停止すると、該第1ソレノイド261のプランジャ286が最後退位置から最前進位置へ移動し、これに伴って第1連繋部262が姿勢変位することで、作動口開閉部材260が図14に示す開放位置から図13に示す閉鎖位置へ移動する。一方、第1連繋部262の姿勢変位に伴って作動部材264が最後退位置から最前進位置に向けて移動し、作動口開閉部材260が閉鎖位置に向けて移動開始してから所定のタイミングで、規制部材263が許容位置から規制位置に向けて姿勢変位するようになる。従って、開放位置から移動位置に向けて移動途中の作動口開閉部材260にパチンコ球が受け止められた場合(図15(a)参照)には、規制位置に向けて姿勢変位する規制部材263の球当て部313が当該パチンコ球に当たるようになり(図15(b)参照)、このパチンコ球は作動口101側への入賞が規制されて、作動口開閉部材260の球誘導片273と作動口101の開口上縁との間にパチンコ球が挟まれることが防止される。
また、開放位置から閉鎖位置に向けて移動途中の作動口開閉部材260の球受け面274に受け止められ、該球受け面274上に載った状態で作動口101を通過したパチンコ球は、規制位置に向けて姿勢変位する規制部材263における規制部310の下端315が前方から当たることで空間248の後方に向けて押され、入球検出センサ247で迅速に検出される。従って、規制部材263は、規制位置に姿勢変位することで空間248内に留まるパチンコ球を迅速に取り込むよう機能する。
従って、実施例の可変作動入球部240によれば、ゲート部34をパチンコ球が通過することを契機として普図表示部55の最終的な表示結果が普図当りとなった場合には、作動口101の下縁を進退移動可能に配設された作動口開閉部材260が開放位置に変位すると共に規制部材263が許容位置に切り換わるので、遊技領域21の第2球流下経路21bを流下したパチンコ球が作動口101へ入賞することが許容される。また、作動口開閉部材260が開放位置から閉鎖位置へ変位する際に、規制部材263が許容位置から規制位置へ切り換わることで、作動口101へのパチンコ球の入賞が該規制部材263により規制される。これにより、作動口開閉部材260と作動口101との間にパチンコ球が噛み込まれることが防止され、作動口開閉部材260を作動させる第1ソレノイド261に負荷がかかることが回避されると共に、第1連繋部262が破損することも防止され、可変作動入球部240が故障することを防止し得る。また、作動口開閉部材260が開放位置から閉鎖位置へ移動する際にパチンコ球が作動口101へ入賞することが防止されるので、作動口101に規定数以上のパチンコ球が入賞することも防止し得る。
そして、作動口開閉部材260が開放位置に移動した際には、規制部材263が許容位置に切り換わっているので、開放位置に停止した直後の開閉部材の球受け面で受け止められた遊技球を、作動口101へ適切に入賞するようにし得る。また、作動口開閉部材260が開放位置から閉鎖位置に向けて移動途中に、第1連繋部262および作動部材264を介して規制部材263が許容位置から規制位置へ切り換わるようになるので、作動口開閉部材260の球受け面274に受け止められたパチンコ球が該作動口開閉部材260の球誘導片273の上縁と作動口101の開口上縁との間に挟まれることを確実に防止し得る。
また、作動口101を挟んで設けられた左右一対の側壁部311a,311aにより、複数のパチンコ球が該作動口101(通出通路110の球流入口100a)へ同時に集まることを防止でき、該パチンコ球が作動口101に引っ掛かって球詰まりが発生することを防止し得る。また、側壁部311a,311aの上面311aaが作動口101に向けて下方傾斜しているので、パチンコ球を作動口101へ円滑に案内することが可能である。また、前記第2の複合入球部100は、前記第2球流下経路21bにおける上側流路RAの球出口Sの鉛直下方に、前記通出通路110の球流入口100aが位置するよう配置されているから、第2球流下経路21bに打ち出されて上側流路RAを流下したパチンコ球が通出通路110の球流入口100aに集まり、作動口開閉部材260の作動に伴って作動口101にパチンコ球を高い割合で入球させることができる。このため、第2球流下経路21bに打ち出して遊技が行われる変短状態において、作動口101にパチンコ球を連続的に入球させて前記第2の複合入球部100に設けた第1可変始動入賞部161や第2可変始動入賞部162を作動することができ、遊技の進行速度を高めることができる。
ここで、第1の可変入球部より下流側に特定入球部を配置したので、可変作動入球部240の作動口101に入球することなく流下したパチンコ球をゲート部34に入球させることができる。このため、パチンコ球を打ち出す球流下経路21a,21bを変更することなくゲート部34にパチンコ球を入球させつつ、作動口開閉部材260の開放に伴って可変作動入球部240の作動口101にパチンコ球を入球させることができる。また、第1および第2可変始動入賞部161,162より下流側にゲート部34を配置してあるから、前記可変作動入球部240が開放する契機となるゲート部34にパチンコ球を入球させる場合に、可変始動入賞部161,162へパチンコ球が入賞(入球)することを回避することができない。このため、ゲート部34へのパチンコ球の入球を契機として開放される可変作動入球部240への入球だけを狙った変則的な遊技が行われることを防止できる。すなわち、ゲート部34へのパチンコ球の入球に伴って開放する可変作動入球部240にパチンコ球を入球させて、当該可変作動入球部240への入球による賞球獲得だけを狙った変則遊技を効果的に防止できる。
第1の大当り遊技後の遊技では、前記可変作動入球部240の作動口開閉部材260が第1開閉動作パターンP1に基づいて開閉動作するようメイン制御CPU60aにより駆動制御されるから、作動口101に入球したパチンコ球が通路振分部350の振分体351により第1の分岐流入通路345に振り分けられる。なお、第5および第9の大当り遊技後の変短状態が終了した後(7回の図柄変動演出が行われた後)の遊技では、変短状態が付与されておらず作動口101は開放され難いものの、前記可変作動入球部240の作動口開閉部材260が第3開閉動作パターンP3に基づいて開閉動作するようメイン制御CPU60aにより駆動制御されるから、第1開閉動作パターンP1で動作される場合と同様に作動口101に入球したパチンコ球が通路振分部350の振分体351により第1の分岐流入通路345に振り分けられる。
そして、第1の分岐流入通路345に振り分けられて前記第1可変始動入賞部161へ導かれたパチンコ球が第1可変始動入賞部161が備える第1の作動部材176に接触することで、第1始動口開閉部材165が閉鎖位置から開放位置へ自重により揺動して第1可変始動口102が開放され、第1可変始動口102に入賞した2個のパチンコ球が第1可変始動入賞部161における第2の作動部材201にパチンコ球が接触することで、当該第1始動口開閉部材165が閉鎖位置に変位される。このように、第1可変始動入賞部161は、前記作動口101に入球して第1分岐通路を通過するパチンコ球との物理的な接触により作動されることで第1始動口開閉部材165が閉鎖位置から開放位置へ変位すると共に、第1可変始動口102に入賞して第1取込通路115を通過する所定個数(実施例では2個)のパチンコ球との物理的な接触により作動されることにより第1始動口開閉部材165が開放位置から閉鎖位置へ変位される。
また、第2〜第9の大当り遊技後の変短状態が付与された遊技では、前記可変作動入球部240の作動口開閉部材260が第2開閉動作パターンP2に基づいて開閉動作するようメイン制御CPU60aにより駆動制御されて、作動口101に入球した殆どのパチンコ球が通路振分部350の振分体351により第2の分岐流入通路346に振り分けられる。そして、前述した第1可変始動入賞部161と同様に、第2の分岐流入通路346に振り分けられて前記第2可変始動入賞部162へ導かれたパチンコ球が、当該第2可変始動入賞部162における第1の作動部材176に接触することで、記第2始動口開閉部材166が閉鎖位置から開放位置へ自重により揺動して第2可変始動口103が開放され、第2可変始動口103に入賞した2個のパチンコ球が第2可変始動入賞部162における第2の作動部材201にパチンコ球が接触することで、当該第2始動口開閉部材166が閉鎖位置に変位される。
このように、普図当りに際して、第1ソレノイド261の駆動により可変作動入球部240の作動口開閉部材260が開放動作するのに伴って作動口101に入球したパチンコ球が、当該作動口101に連通する第1分岐通路または第2分岐通路を通過する過程で、各分岐通路に対応する可変始動入賞部161,162の第1の作動部材176に接触することにより、当該可変始動入賞部161,162の始動口開閉部材165,166の開閉状態が閉鎖状態から開放状態に切り替わる。そして、第1始動口開閉部材165や第2始動口開閉部材166が開放位置にある状態では、所定数(実施例では2個)のパチンコ球が開放した第1可変始動口102や第2可変始動口103に入賞することで、当該始動口開閉部材165,166を閉鎖動作することにより、可変作動入球部130や第1可変始動入賞部161、第2可変始動入賞部162に対する遊技者の関心を高めることができる。すなわち、前記第1始動口開閉部材165や第2始動口開閉部材166が閉鎖位置にある状態では、普図当りに伴って開放した作動口101にパチンコ球が入球した際に、当該作動口101に入球したパチンコ球が振り分けられる経路に応じて、第1始動口開閉部材165や第2始動口開閉部材166を開放動作させ得るから、当該可変作動入球部130と、当該可変作動入球部130の開閉動作に関連して作動される可変始動入賞部161,162とによって新たな遊技性を創出して、遊技の興趣を高めることが可能となる。
そして、第1ソレノイド261により作動される作動口開閉部材260により開閉される作動口101に入球した後のパチンコ球をそのまま排出するだけでなく、第1または第2可変始動入賞部161,162の始動口開閉部材165,166の開閉状態を切り替え得るようにすることで、可変作動入球部240および各可変始動入賞部161,162に対する遊技者の関心を高められる。
また、実施例の可変入球装置では、複数の分岐通路(第1および第2分岐通路)の夫々に、複数の可変始動入賞部(第1および第2可変始動入賞部161,162)の何れかの第1の作動部材176を臨ませるよう構成したから、可変作動入球部130の作動に伴い作動口101に入球したパチンコ球により、少なくとも何れかの可変始動入賞部161,162の始動口開閉部材165,166を開放させることができる。また、作動口101に入球したパチンコ球が通過する分岐通路(第1および第2分岐通路)に応じて作動する可変始動入賞部161,162が変化し、作動口101に入球したパチンコ球に対する関心を高めることができる。作動口101にパチンコ球が入球した際に、当該パチンコ球により開放される可変始動口102,103(作動する可変始動入賞部161,162)によって、その後の遊技において発生し得る大当り遊技の価値に差が生ずることで、作動口101に入球したパチンコ球に対する関心をより一層高めることができる。
また、実施例では、大当り遊技の種類に応じて可変作動入球部240を駆動制御する開閉動作パターンP1〜P2を決定することで、大当り遊技後に作動口101に入球したパチンコ球が通過する分岐通路が切り替わるよう構成したことで、発生する大当り遊技の種類に対する遊技者の関心を一段と高めて、遊技の興趣を向上することに繋がる。このように、大当り遊技の種類に応じて、作動口開閉部材260を第1開閉動作パターンP1(第1の開放動作態様)および第2開閉動作パターンP2(第2の開放動作態様)により動作させることで、作動口101に入球したパチンコ球が通出する分岐通路を適宜に調整することができる。
ここで、実施例の第2の複合入球部100に設けた桁第1可変始動入賞部161の第1可変始動口102への入賞を契機とした特図当り判定で当りの判定結果となる場合に、大当り遊技後の遊技状態として第1遊技状態または第2遊技状態の何れかを付与し得るよう構成され、第2可変始動入賞部162の第2可変始動口103への入球を契機とした特図当り判定で当りの判定結果となる場合に、大当り遊技後の遊技状態として第2遊技状態を付与し得るようになっている。実施例において、前記第1遊技状態は、前記ゲート部34へのパチンコ球の入球を契機として行われる普図当り判定が普図当りの結果となることを開放条件として、前記第1可変始動入賞部161の第1始動口開閉部材165が開放される遊技状態として設定され、前記第2遊技状態は、ゲート部34へのパチンコ球の入球を契機として行われる普図当り判定が普図当りの結果となることを開放条件として、前記第2可変始動入賞部162の第2始動口開閉部材166が開放される遊技状態として設定されている。すなわち、第1可変始動入賞部161への入賞を契機として大当り遊技が生起される場合は、当該大当り遊技後に普図当り判定に当選することで第1可変始動入賞部161または第2可変始動入賞部162が開放されるのに対し、第2可変始動入賞部162への入賞を契機として大当り遊技が生起される場合は、当該大当り遊技後に普図当り判定に当選することで第2可変始動入賞部162が開放される。このように、特図当り判定が行われる契機となる可変始動入賞部161,162の種類によって、大当り遊技の変短状態で開放され得る可変始動入賞部161,162が変化することで、従来にない新たな遊技性を創出して遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、第2の複合入球部100には、第1可変始動入賞部161の上流側に第2可変始動入賞部162を配置して、第2球流下経路21bを流下するパチンコ球が第1可変始動入賞部161に至る前に第2可変始動入賞部162の配設位置を通過するよう構成してある。すなわち、第1可変始動入賞部161よりも優先して第2可変始動入賞部162にパチンコ球が入賞し得るから、第1可変始動入賞部161が開放した状態でも第2可変始動入賞部162にパチンコ球を入賞させることが可能となるから、第2可変始動入賞部162への入賞を契機とした特図当り判定に基づいて大当り遊技を継続して生起することが可能となり、第2遊技状態に移行した後は第2遊技状態が継続する期待感を高めることができる。言い換えると、第1可変始動入賞部161が開放した状態で第2遊技状態に移行した場合でも、第2可変始動入賞部162への入賞を契機とした特図当り判定を優先して実行させ得るようにすることができる。また、第2遊技状態から第1遊技状態に移行した場合でも、第2可変始動入賞部162への入賞可能な状態(2個のパチンコ球が入賞する前の状態)では第2可変始動入賞部162への入賞を契機とした特図当り判定を優先して生起させ得るから、当該特図当り判定に伴って第2遊技状態に復帰する期待感を持たせることができる。
特に、実施例のように、開放した可変始動入賞部161,162の可変始動口102,103に複数個(実施例では2個)のパチンコ球が入賞することで、当該可変始動入賞部161,162の始動口開閉部材165,166が閉鎖位置に変位するよう構成することで、第1遊技状態および第2遊技状態の間で状態が遷移する際に、可変始動入賞部161,162が開放した状態で保持され得るから、第2球流下経路21bを流下するパチンコ球が入賞する可変始動入賞部161,162に対する関心を一層高めることができる。また、実施例では、第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報の夫々がメイン制御RAM60cに記憶されている状態で、第1特図始動保留情報よりも第2特図始動保留情報に基づいて特図当り判定が優先して実行されるようにすることで、第2遊技状態が生起されること(第2遊技状態が継続すること)への期待感を高めることができる。特に、実施例のように第2特図始動保留情報に基づいて行われる特図当り判定当りの判定結果となる場合に、第1特図始動保留情報に基づいて行われる特図当り判定当りの判定結果となる場合よりも、遊技価値(獲得可能な賞球数の期待値や第2遊技状態が決定される割合等)が高い大当り遊技を決定し易く設定すると共に、遊技者に与える遊技価値が高い大当り遊技が付与され易い第2可変始動入賞部162を第1可変始動入賞部161より上流側に配置し、当該第2可変始動入賞部162への入賞する機会を高めるようにすることで、遊技の興趣を向上し得る。
ここで、大当り遊技後に第1遊技状態が付与される第1当り遊技(第1の大当り遊技)が決定された際には、前作動口101に入球したパチンコ球が第1分岐通路および第2分岐通路の振分位置まで移動した際に通路振分部350の振分体351が第1振分位置に位置するよう可変作動入球部240の作動口開閉部材260を開放動作する第1開閉動作パターンP1を決定すると共に、大当り遊技後に第2遊技状態が付与される第2当り遊技(第2〜第9の大当り遊技)が決定された際には、作動口101に入球したパチンコ球が振分位置まで移動した際に当該振分体351が第2振分位置に位置するよう可変作動入球部240の作動口開閉部材260を開放動作する第2開閉動作パターンP2を決定するよう構成したことで、大当り遊技の種類に応じた開閉動作パターンP1,P2で作動口開閉部材260を動作させて作動口101に入球したパチンコ球を適切な分岐通路に確実に振り分けることができる。
また、実施例のパチンコ機10は、始動口32,102,103への入賞を契機として大当り遊技が付与された際に開放する特別入賞部40を、前記遊技盤20において第2の複合入球部100(第2可変始動入賞部162)より上流側に配置することで、大当り遊技が付与された場合には第2の複合入球部100(可変始動入球部161,162)よりも特別入賞部40に対してパチンコ球を優先的に入賞させ得るようになり、大当り遊技の進行を速めることができる。そして、パチンコ球が一列で通過し得る通路幅で形成された整列流路RA1の下流部に設けた拡大流路RA2に位置するよう特別入賞部40を配置したから、第2球流下経路21bに打ち出されたパチンコ球を特別入賞部40に連続的に入賞させることができる。また、第1可変始動入賞部161、第2可変始動入賞部162および特別入賞部40を同じ球流下経路21bに設けたので、パチンコ球を打ち出す球流下経路を変えることなく第1可変始動口102、第2可変始動口103および特別入賞口41にパチンコ球を入賞させることができる。そして、前述のように、同じ第2球流下経路21bに可変作動入球部240が配置されるから、変短状態および大当り遊技の夫々においてパチンコ球を打ち出す球流下経路を変える必要がなく、可変作動入球部130と、当該可変作動入球部130の開閉動作に関連して作動される可変始動入賞部161,162と、可変始動入賞部161,162の入賞を契機として作動される特別入賞部40とによる遊技の変化に対して遊技者の関心を高めることができる。
また、前記第2の複合入球部100は、可変作動入球部240、第1および第2の可変始動入賞部161,162、通路振分部350を本体部材105に備えた単一のユニット部材として遊技盤20に着脱し得るよう構成したから、遊技盤20に対する可変作動入球部240、第1および第2の可変始動入賞部161,162、通路振分部350の組み付け工数を減らすことができ、作業性向上を図り得る。また、可変作動入球部240や各可変始動入賞部161,162、通路振分部350、普通入賞部220を個別に遊技盤20に設置する構成に比べて、これらの各構成を相対的な配置関係を一定に保つことができ、遊技盤20毎の個体差がなくなるから、可変作動入球部240や可変始動入賞部161,162を利用した遊技性を適切に維持することができる。また、可変作動入球部240、第1および第2の可変始動入賞部161,162、通路振分部350をユニット化した第2の複合入球部100と、作動口101や可変始動口102,103へ入球したパチンコ球の通路が形成された球通路ユニット80を別構成として遊技盤20に個別に配設するよう構成したことで、可動機構を有し損傷し易い可変作動入球部240、第1および第2の可変始動入賞部161,162、通路振分部350に不具合が生じた際には、第2の複合入球部100のみを単独で交換することができる。
(変更例)
なお、遊技機としては、前述したものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 遊技領域に対して入球口(作動口)を閉鎖する閉鎖位置および該入球口(作動口)を開放する開放位置に変位可能な開閉部材を有する可変入球部(可変作動入球部)を1つ備える構成を示したが、これに限られるものではなく、当該可変入球部(可変作動入球部)を2つ以上備えるよう構成してもよい。
(2) 遊技領域に対して入球口(始動口)を閉鎖する閉鎖位置および該入球口(始動口)を開放する開放位置に変位可能な開閉部材を有する可変入球部(可変始動入賞部)を2つ備える構成を示したが、これに限られるものではなく、当該可変入球部(可変始動入賞部)を1つ或いは3つ以上備えるようにしてもよい。
(3) 電動式駆動手段の駆動に伴い開放した入球口(作動口)に入球した遊技球との接触に伴い作動位置に変位された作動部材(第1の作動部材)が、可変入球部(可変始動入賞部)の開閉部材を開放させるよう構成したが、作動位置に変位された作動部材(第1の作動部材)が可変入球部(可変始動入賞部)の開閉部材を閉鎖するよう構成することも可能である。
(4) 実施例では、入球口(作動口)に連通した球通路を2つの分岐通路に分岐させたが、3つ以上に分岐させてもよい。また、実施例では、分岐通路の夫々に、可変入球部(可変始動入賞部)の作動部材(第1の作動部材)が臨んで、各分岐通路を通過する遊技球との接触により作動されるよう構成したが、少なくとも1つの分岐通路に作動部材(第1の作動部材)を臨ませるようにことも可能である。
(5) 実施例では、入球口(作動口)に入球した遊技球を何れかの分岐通路に振り分ける振分手段として、電動式駆動手段の駆動により振分体が作動する通路振分部を設けたが、これに限られるものではなく、球転動部を転動する遊技球の勢いや転動方向により自然に何れかの分岐通路に振り分けられる構成を採用することもできる。例えば、すり鉢状に形成した球転動部の底面に複数の通孔を形成した所謂クルーンとも称される球転動部を振分手段として採用したり、一定方向に延在すると共に延在方向に離間する複数箇所に球排出部を設けた所謂ステージ状の球転動部を振分手段として採用することも可能であり、その他遊技球の流下方向を複数に振分可能な従来公知の振分手段を採用可能である。
(6) 実施例では、複数の可変入球部(第1および第2可変始動入賞部)に遊技球が入球した際に付与され得る遊技価値(具体的には大当り遊技における賞球数の期待値)を異ならせたが、複数の可変入球部(可変始動入賞部)に遊技球が入球した際に同じ遊技価値を付与することも可能である。
(7) 実施例では、可変入球部(可変作動入球部)および可変入球部(可変始動入賞部)を備えたユニット(第2の複合入球部)を遊技盤に配設するようにしたが、各可変入球部を個別に遊技盤に配設するようにしてもよい。
(8) また実施例の可変入球装置において、下流側に位置する可変始動入賞部を第1可変始動入賞部とし、上流側に位置する可変始動入賞部を第2可変始動入賞部としたが、これに限られるものではない。すなわち、実施例の可変入球装置において、上流側に位置する可変始動入賞部を第1可変始動入賞部とし、下流側に位置する可変始動入賞部を第2可変始動入賞部としてもよい。
(9) 実施例では、可変入球部(可変作動入球部)の開閉部材(作動口開閉部材)を動作させる作動手段により規制部材(規制手段)を規制状態および許容状態に切り換えるよう構成したが、開閉部材を動作させる作動手段とは別の作動手段によって規制部材を規制状態および許容状態に切り換えるよう構成してもよい。
(10) 規制部材(規制手段)は、実施例のように入球口(作動口)の上側に配設した形態に限らず、入球口(作動口)の側方(左側、右側)、または下側に配設するようにしてもよい。
(11) 規制部材(規制手段)の許容状態および規制状態の姿勢変位は、実施例のような回転によるものに限らず、入球口(作動口)に対して直線状または曲線状にスライドして姿勢変位するものであってもよい。
(12) 実施例では、規制係合部が係合するガイド部の形状(ガイド面の長さや傾斜角度等)を変更することで、可変入球部(可変作動入球部)の開閉部材(作動口開閉部材)の閉鎖状態および開放状態の間の移動に対する規制部材(規制手段)の許容状態および規制状態の間の姿勢変位のタイミングを多様に設定することが可能である。例えば、作動部材の移動方向(実施例では前後方向)における第1ガイド面の長さを短くすることで、開閉部材が開放状態から閉鎖状態に向けた移動開始に対する規制部材の許容状態から規制状態に向けた移動開始のタイミングを早めることが可能となる。また、第2ガイド面の傾斜角度を変えることで、規制部材が許容状態および規制状態の間を姿勢変位する際の速度を変更し得る。またガイド部は、作動部材の移動方向(実施例では前後方向)で湾曲する曲面状とすることで、許容状態および規制状態の間を姿勢変位する際の姿勢変位速度を変化させ得る。
(13) 実施例では、可変入球部(可変作動入球部)の開閉部材(作動口開閉部材)が開放位置から閉鎖位置に向けて動作開始してから所定時間後に規制部材(規制手段)が許容位置から規制位置に向けて姿勢変位を開始するようにしたが、開閉部材が動作を開始する前に規制部材を許容位置から規制位置に向けて姿勢変位を開始するようにしてもよい。
(14) 実施例では、遊技球との接触により開閉部材が開閉作動する可変始動入賞部を設けるようにしたが、可変始動入賞部の開閉部材を電動式駆動手段の駆動に伴い開閉動作するよう構成することも可能である。この場合は、遊技球の入球を契機として可変始動入賞部の開閉部材を開放動作させるかを判定する開放判定条件が成立する入球部を設けることが好ましい。また、各可変始動入賞部の開閉部材を電動式駆動手段の駆動に伴い開閉動作するよう構成する場合には、遊技球の入球を契機として可変始動入賞部の開閉部材を開放動作させるかを判定する開放判定条件が成立する入球部を、各可変始動入賞部毎に設けることが好ましい。
(15) 実施例では、2つの入球部(固定始動部およびゲート部)を有する複合入球部(第1の複合入球部)を枠状装飾体の下方に設けたが、3つ以上の入球部を設けるようにしてもよい。
(16) 実施例では、枠状装飾体の下方に設けた複合入球部(第1の複合入球部)に、当り判定条件が成立する入球部として固定始動部を設けるようにしたが、当該入球部として可変始動入賞部とすることもできる。
(17) 実施例では、2つの入球部(固定始動部およびゲート部)を有する複合入球部(第1の複合入球部)を枠状装飾体の下方に設けたが、各入球部に対して入球し易い球流下経路が異なるよう遊技盤に配設すれば、当該複合入球部(第1の複合入球部)を枠状装飾体の上方や左右側方に排泄することも可能である。また、枠状装飾体に2つの入球部(固定始動部およびゲート部)を設けて複合入球部(第1の複合入球部)とすることもできる。
(18) 実施例では、第2球流下経路の下流に位置するよう入球部としてのゲート部を配置したが、第1球流下経路の下流に位置するようゲート部を配置してもよい。同様に、第1球流下経路に位置するよう入球部としての固定始動部を配置したが、第2球流下経路に位置するよう固定始動部を配置してもよい。また、複合入球部(第1の複合入球部)の2つの入球部(固定始動部およびゲート部)に対して、同じ球流下経路を流下する遊技球が入球し得るよう構成することできる。例えば、複合入球部(第1の複合入球部)の一方の入球部(例えば固定始動部)を第1球流下経路側に偏って配置し、複合入球部(第1の複合入球部)の他方の入球部(例えばゲート部)を第2球流下経路側に偏って配置することで、各入球部に対して入球し易い球流下経路を異ならせることができる。
(19) 実施例では、可変始動入賞部の下流にゲート部を配置したが、可変作動入球部と可変始動入賞部との間にゲート部を配置するようにしてもよい。この場合は、ゲート部を通過した遊技球が可変始動入賞部に入賞し得ることで、変則的な遊技が行われるのを防止できる。
(20) メイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(演出制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、メイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(21) また、演出制御手段(演出制御CPU)が備える機能の全部または一部を、表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段(表示手段CPU)が備える機能の全部または一部を演出制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよい。そして、演出制御手段(演出制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、演出制御基板および表示制御基板の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が兼用するようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、演出制御手段が兼用することができる。
(22) 演出用の図柄(飾図)を表示する図柄表示手段(図柄表示装置)とは独立して、特図を表示する特図表示手段(特図表示器)を設けるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、図柄表示手段において飾図および特図の両方を表示するようにしてもよい。また飾図と特図とを共用して、図柄表示手段に表示するようにしてもよい。
(23) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機等の各種遊技機を採用し得る。すなわち、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口を備えた遊技機に対して好適に適用することができる。