次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、遊技媒体としてパチンコ球(遊技球)を用いて遊技が行われるパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前方へ開口するよう形成されて遊技店の図示しない設置枠台に設置される基体11,12と、前記基体11,12の前側開口を覆うよう当該基体11,12に対して開閉可能に支持され遊技機前面を形成する前面部材13とを備えており、当該基体11,12や前面部材13を設置基材として各種部材を設置することで遊技機が構成されるようになっている。具体的に、パチンコ機10の基体は、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、本体枠としての中枠12を開閉および着脱可能に組み付けて構成されており、当該中枠12に遊技盤20が着脱可能に配設されている。また、前記遊技盤20の裏側には、所定条件の成立(後述する各可変始動口102,103またはゲート部34へのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄を変動させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての表示装置(表示手段)17が着脱可能に配設されている。なお、実施例では、前記表示装置17としては、液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているが、これに限られるものではなく、ドラム式の表示装置17やドットマトリックス式の表示装置等の各種演出用の図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。なお、実施例では、表示装置17で変動表示する演出用の図柄について、可変始動口102,103へのパチンコ球の入賞を契機として変動表示させる演出用の図柄と、ゲート部34へのパチンコ球の入賞を契機として変動表示させる演出用の図柄とを区別する場合には、前者を特別飾図と指称すると共に後者を普通飾図と指称し、両者を区別しない場合は単に飾図と指称する場合がある。
そして、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20の遊技領域21と対応する位置に前後に開口する窓口13aが形成された前記前面部材としての前枠13が開閉可能に組み付けられている。そして、前枠13には、ガラス板や透明な合成樹脂材で形成された透視保護板13bが窓口13aを覆うよう配設されており、遊技盤20を前側から目視可能な状態で保護している。また、前記前枠13における窓口13aの下方位置には、パチンコ球を貯留可能な球受け皿14,15が設けられており、当該前枠13と一体的に球受け皿14,15を開閉し得るようになっている。実施例の前枠13には、上球受け皿14および下球受け皿15が上下の位置関係で組み付けられている。なお、前記上下の球受け皿14,15の一方および両方を、前枠13とは個別に中枠12に組み付けるようにしてもよい。また、1つの球受け皿14,15のみを備える構成とすることもできる。
また、前記パチンコ機10(実施例では前枠13)の前面右側部位置には、打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル(変更操作手段)16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域21に向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域21においてパチンコ球が到達可能な位置(発射位置)を任意に変更し得るようになっている。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された板状の部材であって、遊技盤20の裏面側に前記表示装置17が配置されている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール22が配設されており、該案内レール22によりパチンコ球が流下可能な遊技領域21が画成されている。前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品が取り付けられると共に、遊技領域21の最下部位置には、該遊技領域21に打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口23が開設されている。ここで、実施例の遊技盤20には、表示装置17の表示部17aが前面側から視認可能に臨む装飾部材25や、遊技領域21を流下するパチンコ球が入球可能な入球部等が前記遊技盤設置部品として配設されている。ここで、実施例の遊技盤20には、複数の入球部110,131,132を備えた複合入球部100を配設するよう構成されており、各入球部110,131,132を個別に配設する構成に比べて、遊技盤20に対する装着口の開設作業性や部材の配設作業性を高めている。ここで、遊技領域21内で開口する球入口にパチンコ球が入ることを総称して「入球」と指称し、球入口にパチンコ球が入ること(入球すること)により、所定の遊技条件(例えば、賞球の払出条件や後述する特図当り判定条件、普図当り判定条件)が成立する場合に特に「入賞」と指称する場合がある。
前記装飾部材25は、図2に示すように、前記案内レール22で囲まれた遊技領域21の略中央に配設されたセンター役とも称される部材であって、前後に開口する表示窓口25aを有する枠状に形成されている。そして、前記装飾部材25の表示窓口25aの後方に表示部17aが位置するよう前記表示装置17が遊技盤20の裏側に配設されて、当該表示窓口25aを介して遊技盤20の前側から表示装置17の表示部17aを視認し得るよう構成される。なお、以下の説明では、表示装置17の表示部17aが臨む前記装飾部材を枠状装飾体25と指称するものとする。具体的に、前記枠状装飾体25は、前記遊技盤20の前面より前方に突出すると共に表示窓口25aを囲むよう延在し、前記遊技領域21と表示装置17の表示部17aを区切る区画壁部26と、該区画壁部26の後縁から外方に延出する薄板状の台板部27とを備える。そして、前記台板部27を遊技盤20の前面に当接した状態で、ネジ等の固定手段により前側から台板部27を遊技盤20に固定することで、枠状装飾体25が遊技盤20に取り付けられて、該枠状装飾体25の外側(具体的には区画壁部26と案内レール22との間)に、パチンコ球が流下する遊技領域21が画成されるようになっている。なお、前記台板部27は、枠状装飾体25を遊技盤20に取り付けた状態で前面側をパチンコ球が通過可能な厚みで形成されている。なお、前記枠状装飾体25の区画壁部26は、枠状装飾体25(台板部27)の左側縁の略中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するよう設けられており、前記表示装置17における表示部17aの前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。なお、枠状装飾体25は、前後に表示窓口25aが開口する形態に限らず、当該表示窓口25aの全部または一部を透明板等で塞ぐ形態とすることも可能である。
すなわち、実施例の遊技盤20に画成される遊技領域21は、打ち出されたパチンコ球が前記枠状装飾体25の左側部を流下してアウト口23に至る第1球流下領域21aと、当該打ち出されたパチンコ球が枠状装飾体25の右側部を流下してアウト口23に至る第2球流下領域21bとに区画されている。これにより、操作ハンドル16の操作レバー16aを回動操作して打球力を調節することで、打球発射装置で発射されたパチンコ球が第1球流下領域21aを流下する遊技形態(左打ち)および当該パチンコ球が第2球流下領域21bを流下する遊技形態(右打ち)の何れかを遊技者が任意に選択し得るようになっている。実施例では、パチンコ球が第1球流下領域21aを流下するように操作ハンドル16の操作レバー16aを回動操作した状態である所謂左打ち状態が第1打出し状態であり、パチンコ球が第2球流下領域21bを流下するように操作ハンドル16の操作レバー16aを回動操作した状態である所謂右打ち状態が第1打出し状態よりも強い打出し力の第2打出し状態である。また、前記遊技領域21は、前記枠状装飾体25の下方位置において第1および第2球流下領域21a,21bが合流するようになっており、当該第1および第2球流下領域21a,21bの夫々を流下したパチンコ球を排出し得るよう前記アウト口23が合流する領域に設けられている。
また、前記遊技盤20には、前記遊技領域21内に多数の遊技釘Gが設けられており、該遊技釘Gとの接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。なお、遊技盤20に、所謂「風車」とも称される回転案内部材を回転自在に配設し、該回転案内部材との接触によりパチンコ球の流下方向を不規則に変化させるようにすることができる。
前記枠状装飾体25には、図2、図3に示すように、前記表示窓口25aの下側(枠状装飾体25の内周下縁部)にステージ28が配設されると共に、当該表示窓口25aの左側部(第1球流下領域21a側の側部)を形成する区画壁部26に、前記遊技領域21に開口すると共にステージ28に連通する球導入部29が設けられ、前記遊技領域21(第1球流下領域21a)を流下するパチンコ球を、当該球導入部29から枠状装飾体25の内側(ステージ28)に取り込み得るよう構成されている。そして、前記ステージ28の上面を形成する転動面に、前方(遊技領域21)へ向けて下方傾斜する排出部が形成されて、当該転動面を転動するパチンコ球を排出部から遊技領域21に排出するよう構成される。ここで、前記ステージ28には、後述する特定入賞部34の上方位置に複数の排出部が形成されており、各排出部からパチンコ球が排出されるようになっている。そして、特定入賞部34の上方に位置する特定の排出部からパチンコ球が排出されることで、特定入賞口35に入賞(入球)し易くなるよう構成されている。すなわち、ステージ28によりパチンコ球を特定入賞部34(特定入賞口35)の配設位置上方まで誘導することで、球導入部29に取り込まれずに第1球流下領域21aを流下したパチンコ球よりも、球導入部29に取り込まれたパチンコ球の方が特定入賞口35に入賞する確率が高くなるようにしている。
(入球部について)
図2〜図3に示すように、前記遊技盤20には、遊技領域21を流下するパチンコ球が入球可能(入賞可能)な複数の入球部(具体的には、後述するゲート部34、特別入賞部40、普通入賞部45、作動入球部110、可変始動部131,132)が設けられており、パチンコ球が入球した入球部に応じた制御が実行されることで所定の遊技を行い得るようになっている。具体的に、実施例のパチンコ機10では、前記入球部としてのゲート部34、特別入賞部40、作動入球部110および可変始動部131,132が、前記第1球流下領域21aを流下するパチンコ球が入球可能な位置に設けられている。なお、実施例の遊技盤20には、前記第1および第2球流下領域21a,21bの夫々に位置するよう入球部としての普通入賞部45が配置されており、第1および第2球流下領域21a,21bを流下させたパチンコ球が普通入賞部45に入賞し得るようになっている。ここで、実施例のパチンコ機10では、前記作動入球部110および可変始動部131,132が前記複合入球部100として遊技盤20に配設されている。
(ゲート部34について)
前記遊技盤20には、遊技領域21を流下するパチンコ球が入賞可能なゲート部34が、特定入賞部として設けられている。このゲート部34は、前記遊技領域21内においてゲート口(特定入賞口)35が一定の開口幅で開口するよう設けられており、ゲート部34の配置位置まで遊技領域21(具体的には第1球流下領域21aおよび第2球流下領域21b)を流下したパチンコ球が常時開口するゲート口35に一定の確率で入賞し得るようになっている。実施例のゲート部34は、前記枠状装飾体25の下側における第1球流下領域21aと第2球流下領域21bとの合流部において、両球流下領域21a,21bを流下するパチンコ球および前記ステージ28から遊技領域21に排出されたパチンコ球が入賞可能な位置に設けられている。
ここで、前記ゲート部34に入賞したパチンコ球は、メイン制御基板60に配線接続された球検出センサ76に検出されるよう構成されており(図4参照)、当該球検出センサ76がパチンコ球を検出してメイン制御基板60に検出信号が入力されることを契機として後述する普図当り判定(開放作動を許容するか否かの開放判定)が実行されるよう設定されて、当該普図当り判定が普図当りの判定結果(開放作動を許容する判定結果)となることで作動入球部110の普通開閉部材111を開放作動するように第1ソレノイド112(後述)が駆動されるようになっている。具体的には、球検出センサ76によるパチンコ球の検出に伴って各種入賞情報(後述する各種乱数情報)がメイン制御CPU60aに取得され、この取得した情報に基づいて普図当り判定が行われる。球検出センサ76の検出に伴って取得された各種入賞情報がメイン制御RAM60cに普図始動保留情報として一時的に記憶されて、所定の普図当り判定を実行するタイミングでメイン制御RAM60cに記憶された普図始動保留情報が読み出されて判定が行われるよう構成されている。そして、普図当り判定の結果に基づいて普図表示部55(後述)において普図変動表示が実行されると共に、前記表示装置17において図柄変動演出が実行されるようになっている。そして、普図表示部55での普図変動表示の結果、所定の普図当り表示となる図柄が確定停止表示されると共に、前記表示装置17での図柄変動演出の結果として、該表示装置17に所定の普図当り表示となる図柄組み合わせ(例えば同一普通飾図の3つ揃い等)で普通飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な普通当り遊技が付与され、普通当り遊技の発生に伴って前記作動入球部110の普通開閉部材111を所定の開放パターンで開放作動してパチンコ球の入球を許容するよう構成されている。そして、作動入球部110の普通開閉部材111を開放作動することで、前記可変始動部131,132の始動開閉部材135,136の開放作動が許容される(開放作動が可能になる)ようになっている。
以下の説明では、前記ゲート部34に入賞したパチンコ球を検出する球検出センサをゲートセンサ76と指称するものとする。実施例のパチンコ機10では、前記ゲート部34にパチンコ球が入ること(ゲートセンサ76によるパチンコ球の検出)を契機として賞球の払出条件が成立するよう設定されており、ゲートセンサ76からメイン制御基板60への検出信号の入力に伴って所定数(実施例では3個)の賞球が払い出されるようになっている。
(複合入球部100について)
前記複合入球部100は、図3に示すように、前記第1球流下領域21aおよび第2球流下領域21bの何れか一方に偏って位置するよう前記遊技盤20に配設されて、当該第1および第2球流下領域21a,21bの何れかを流下するパチンコ球が入球可能な位置で作動口(入球口)101および可変始動口(入球口)102,103が開口するよう前記作動入球部(作動入賞部)110および可変始動部131,132が設けられている。実施例では、前記遊技盤20における前記ゲート部34の左側方に位置するよう前記複合入球部100が前記第1球流下領域21aに配置されて、当該第1球流下領域21aを流下するパチンコ球のみが作動入球部110および可変始動部131,132に入球し得るよう構成されている。
ここで、図3に示すように、前記作動入球部110および可変始動部131,132の夫々は、パチンコ球が入球可能な入球口101,102,103を開閉部材111,135,136により開閉可能に構成されており、開閉部材111,135,136の開閉に伴ってパチンコ球の入賞確率が変化(可変)する可変入球部として構成されている。ここで、前記作動入球部110は、普通開閉部材111に第1ソレノイド(電動式駆動手段)112が接続されて、当該第1ソレノイド112の駆動に伴い普通開閉部材111が開閉動作(開放動作および閉鎖動作)する可変入球部として構成されている。また、前記作動入球部110の可変始動部131,132は、当該作動入球部110の入球口101に入球したパチンコ球との物理的な接触に伴い作動して始動開閉部材135,136の開閉状態を切り替え可能な可変入球部として構成されており、各対応の開閉部材111,135,136の開閉状態に応じて、第1球流下領域21aを流下するパチンコ球が作動入球部110や可変始動部131,132に入球し得るようになっている。すなわち、実施例の遊技盤20には、電気的に作動される作動入球部110と、該電気的に作動する作動入球部110に入球したパチンコ球により機械的に作動される可変始動部131,132とが設けられている。
ここで、前記可変始動部131,132に入球したパチンコ球は、メイン制御基板60に配線接続された球検出センサ77,78に検出されるよう構成されており(図4参照)、当該球検出センサ77,78がパチンコ球を検出してメイン制御基板60に検出信号が入力されることを契機として特図当り判定が実行されるよう設定されている。また、実施例のパチンコ機10では、前記可変始動部131,132にパチンコ球が入ること(球検出センサ77,78によるパチンコ球の検出)を契機として賞球の払出条件が成立するよう設定されており、球検出センサ77,78からメイン制御基板60への検出信号の入力に伴って所定数(実施例では3個)の賞球が払い出されるようになっている。なお、パチンコ球が入る可変始動部131,132によって払い出される賞球数を異ならせるようにしてもよい。
そこで、以下の説明では、複合入球部100において前記可変始動部131,132の開放作動契機となる作動入球部110の入球口を作動口101と指称するものとする。また、複合入球部100において前記可変始動部131,132の入球口を可変始動口102,103と指称し、当該可変始動部131,132に入球したパチンコ球を検出する球検出センサを可変始動検出センサ77,78と指称する。ここで、前記複合入球部100には、上下に離間する位置に複数(実施例では2つ)の可変始動部131,132が設けられており、下側に位置する可変始動部を第1可変始動部131と指称すると共に、上側に位置する可変始動部を第2可変始動部132と指称して、可変始動部131,132を区別する場合がある。すなわち、複合入球部100は、前記第1球流下領域21aにおいて、第1可変始動部131よりも上流側に第2可変始動部132が位置するよう配置されて、当該第1可変始動部131の配設位置までパチンコ球が流下する前に、第2可変始動部132の開閉状態に応じて第2可変始動口103に入賞し得るよう構成されている。
(特別入賞部40について)
前記特別入賞部(特別入賞手段)40は、図2に示すように、前記第1球流下領域21aおよび第2球流下領域21bの合流部に位置するよう設けられている。実施例では、前記ゲート部34の下側に位置するよう前記特別入賞部40が設けられて、第1球流下領域21aおよび第2球流下領域21bを流下するパチンコ球の何れも特別入賞部40に入賞し得るよう構成されている。なお、特別入賞部40は、第1球流下領域21aおよび第2球流下領域21bにおいて複合入球部100の配設側の経路に偏って位置するように設ける構成を採用し得る。
ここで、前記特別入賞部40は、図2に示すように、遊技領域21に開口する入球口としての特別入賞口41を開閉自在に閉成する特別開閉部材(特別開閉手段)43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図4参照)の駆動に伴って特別開閉部材43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。実施例の特別開閉部材43は、特別入賞ソレノイド42によって前後方向にスライドするよう構成されて、遊技盤20の前面より突出した位置(閉鎖位置)において特別入賞口41へのパチンコ球の入賞を阻止するのに対し、遊技盤20の前面より後退した位置(開放位置)において特別入賞口41へのパチンコ球の入賞を許容するよう構成される。なお、特別開閉部材43が遊技盤20の前面より突出した閉鎖位置では、後述する球滞留手段38によって該特別開閉部材43の上縁に複数のパチンコ球を滞留させ得るようになっている。
また、前記特別入賞部40には、前記特別入賞口41に入球したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ79(図4参照)が設けられて、当該特別入賞検出センサ79が前記メイン制御基板60に配線接続されている。そして前記特別入賞部40にパチンコ球が入ること(特別入賞検出センサ79によるパチンコ球の検出)を契機として賞球の払出条件が成立するよう設定されており、特別入賞検出センサ79からメイン制御基板60への検出信号の入力に伴って所定数(実施例では15個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、前記可変始動部131,132の何れかへのパチンコ球の入球を契機として行われる特図当り判定の判定が当りの判定結果となることで、特別入賞部40を開放する当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が付与されるようになっており、当り遊技の種類に応じた所定の開閉条件に従って特別入賞ソレノイド42がメイン制御基板60によって駆動制御されるようになっている。すなわち、実施例では、メイン制御基板60における特図当り判定の判定結果が当りであることによって、特別開閉部材43を開放するための所定条件が成立するよう設定されている。
前記特別入賞部40の内部に、特別入賞口41に入賞したパチンコ球が入球可能な特定領域36が設けられると共に、該特別入賞部40は、該特定領域36に入球したパチンコ球を検出する特定領域入球検出手段としての特定領域入球検出センサ37を備えている。特定領域入球検出センサ37は、前記メイン制御基板60に配線接続されており(図4参照)、該特定領域入球検出センサ37によるパチンコ球の検出(すなわち特定領域36へのパチンコ球の入球)を契機として、該メイン制御基板60の制御下に後述する大当り遊技が実行されるように構成されている。
ここで、実施例では、後述する特図当り判定で当りに当選して小当り遊技が付与された場合に、前記特別入賞口41に入賞したパチンコ球が、予め設定された後述する特定有効期間(特定有効時間)中に前記特定領域入球検出センサ37で検出されるか否か(特定領域36にパチンコ球が入球したか否か)により、大当り遊技を付与するか否かを決定するよう構成されている。また、前記特定有効期間中に前記特定領域入球検出センサ37がパチンコ球を検出しない場合(すなわち特定領域36にパチンコ球が入球しなかった場合)は、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)が大当り遊技の付与を決定しないよう構成されている。すなわち、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、小当り遊技における特定有効期間中に特定領域入球検出センサ37がパチンコ球を検出した場合に、大当り遊技を付与することを決定する特定状態付与決定手段としての機能を有している。
(球滞留手段38について)
前記遊技盤20には、前記特別入賞口41の上流側に、前記特別開閉部材43が閉鎖位置の状態で複数のパチンコ球を滞留可能な球滞留手段38が設けられている。実施例の球滞留手段38は、図2に示す如く、閉鎖位置の特別開閉部材43の上側に臨む複数のリブ38aから構成され、これら複数のリブ38aが特別入賞口41の幅方向に所定間隔離間して遊技盤20に突設されている。そして、各リブ38a間に位置するパチンコ球は、特別開閉部材43の上面に載った状態で滞留されて、該特別開閉部材43が開放動作することでパチンコ球が落下して特別入賞口41に入賞可能に構成されている。すなわち、後述する小当り遊技(第1の当り遊技)に際して特別開閉部材43が閉鎖位置から開放位置に変位した場合には、球滞留手段38で滞留されていた複数のパチンコ球が特別入賞口41に入賞することで、短時間の間に前記特定領域36にパチンコ球が入球可能に構成されている。言い換えると、特別開閉部材43の一回の開放動作の時間が短い小当り遊技であっても、該小当り遊技中にパチンコ球を特定領域36に確実に入球させ得るようになっている。なお、球滞留手段38では、遊技領域21を流下してくるパチンコ球を数個(4〜5個)のみ滞留可能で、それ以上のパチンコ球は滞留されることなく流下して前記アウト口23に至るように構成されて、該球滞留手段38で滞留されているパチンコ球によって遊技が阻害されることがないようになっている。また、図2では、球滞留手段38で滞留されているパチンコ球に符号Pを付して示している。
ここで、前記ゲート部34、特別入賞部40および複合入球部100を前述したように配置した実施例に係るパチンコ機10では、前記第1球流下領域21aをパチンコ球が流下する場合(左打ち遊技の場合)に、パチンコ球が第2球流下領域21bを流下する場合(右打ち遊技の場合)に較べて、ゲート部34(ゲート口35)や特別入賞部40(特別入賞口41)にパチンコ球が入賞(入球)する可能性が高くなるよう構成されている。また、前記第1球流下領域21aをパチンコ球が流下する場合(左打ち遊技の場合)に、パチンコ球が第2球流下領域21bを流下する場合(右打ち遊技の場合)に較べて、複合入球部100の作動入球部110(作動口101)、可変始動部131,132(可変始動口102,103)にパチンコ球が入球(入賞)する可能性が高くなるよう構成されている。具体的には、実施例のパチンコ機10では、前記枠状装飾体25の形状や遊技釘Gの配置等により、前記第2球流下領域21bを流下したパチンコ球が可変始動部131,132(可変始動口102,103)に略入賞し得ないよう構成されている。
(普通入賞部45について)
図2に示すように、前記普通入賞部45は、前記遊技領域21の左右下部位置において、パチンコ球が入賞(入球)可能な普通入賞口46が開口するよう前記遊技盤20に設けられている。前記普通入賞部45は、前記遊技領域21内において普通入賞口46が一定の開口幅で開口するよう設けられており、普通入賞部45の配置位置まで遊技領域21(具体的には第1または第2球流下領域21a,21b)を流下したパチンコ球が常時開口する普通入賞口46に一定の確率で入球し得るようになっている。実施例では、遊技盤20の第1球流下領域21a(具体的には複合入球部100)に1つの普通入賞部45が設けられ、第2球流下領域21bに3つの普通入賞部45が設けられている。ここで、各普通入賞部45は、普通入賞口46に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての普通入賞検出センサ48(図4参照)を備えており、当該普通入賞検出センサ48がメイン制御基板60に配線接続されている。そして、前記普通入賞部45にパチンコ球が入ること(普通入賞検出センサ48によるパチンコ球の検出)を契機として賞球の払出条件が成立するよう設定されており、普通入賞検出センサ48からメイン制御基板60への検出信号の入力に伴って所定数(実施例では4個)の賞球が払い出されるようになっている。
すなわち、実施例のパチンコ機10では、前記第1および第2可変始動検出センサ77,78の何れかがパチンコ球を検出した検出信号がメイン制御基板60へ入力されることを契機として賞球の払出条件が成立するよう設定されており、所定数の賞球を払い出させるようメイン制御基板60に設けられたメイン制御CPU60aが図示しない球払出装置を制御するよう設定されている。また、前記第1および第2可変始動検出センサ77,78によるパチンコ球の検出に伴って各種入賞情報(後述する各種乱数情報)がメイン制御CPU60aに取得され、この取得した情報に基づいて特図当り判定(当り判定)が行われる。具体的には、センサ77,78の検出に伴って取得された各種入賞情報がメイン制御RAM60cに第1特図始動保留情報または第2特図始動保留情報として一時的に記憶されて、所定の特図当り判定を実行するタイミングでメイン制御RAM60cに記憶された第1特図始動保留情報または第2特図始動保留情報が読み出されて判定が行われるよう構成されている。そして、特図当り判定の結果に基づいて特図表示部50A,50B(後述)において特図変動表示が実行されると共に、前記表示装置17において図柄変動演出が実行されるようになっている。そして、特図表示部50A,50Bでの特図変動表示の結果、所定の当り表示となる図柄が確定停止表示されると共に、前記表示装置17での図柄変動演出の結果として、該表示装置17に所定の当り表示となる図柄組み合わせ(例えば同一特別飾図の3つ揃い等)で特別飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞部40を所定の開放条件で開放して、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
(複合入球部100の具体的構成について)
前記複合入球部100は、図3に示すように、遊技盤20に固定される本体部材105の裏側に、前記作動入球部110、第1および第2可変始動部131,132の夫々が配設されて、当該本体部材105が遊技盤20の前面から固定される。また、前記複合入球部100は、前記第1球流下領域21aにおいて前記作動入球部110が第1および第2可変始動部131,132より上流側に配置されると共に、当該作動入球部110の作動口101に入球したパチンコ球を、複数の球通路(具体的には第1および第2分岐通路115,116)に振り分けて通出させる通路振分部(振分手段)120が設けられている。ここで、実施例の通路振分部120は、第1可変始動部131に連通する前記第1分岐通路115および第2可変始動部132に連通する前記第2分岐通路116の何れかに作動口101に入球したパチンコ球を振り分けるよう構成されており、当該通路振分部120での通路振分により、作動口101に入球したパチンコ球が第1または第2可変始動部131,132の何れかへ誘導されるようになっている。すなわち、複合入球部100は、作動入球部110、第1および第2の可変始動部131,132、通路振分部120を備えた単一のユニット部材として遊技盤20に着脱し得るよう構成されている。
(作動入球部110について)
前記作動入球部110は、前記作動口101を閉鎖する閉鎖位置および該作動口101を開放する開放位置に変位可能な普通開閉部材111と、該普通開閉部材111に連繋接続する電動式駆動手段としての第1ソレノイド112とを備え、第1ソレノイド112が駆動制御されることで普通開閉部材111が開放位置および閉鎖位置に変位するよう構成されている。すなわち、前記第1ソレノイド112の駆動に伴って前記普通開閉部材111を閉鎖位置および開放位置に変位させることで、作動口101へのパチンコ球の入球(入賞)が許容された状態と、入球(入賞)が阻止された状態とに切り替わるよう構成されている。ここで、普通開閉部材111が作動口101を閉鎖する状態としては、当該普通開閉部材111により作動口101が完全に塞がれた状態である必要はなく、当該作動口101をパチンコ球が入球不能な程度に塞ぐ状態であれば、作動口101が部分的に開口していてもよい。ここで、実施例の普通開閉部材111は、第1ソレノイド112の駆動に伴って作動口101を介して遊技盤20の前面側に出没するよう前後に進退移動されることにより、前記閉鎖位置および開放位置に変位するよう構成されている。なお、作動口101の開口内側に普通開閉部材111が退避する位置が前記閉鎖位置となり、作動口101を介して遊技盤20の前面から普通開閉部材111が突出するよう前進した位置が前記開放位置となっている。
ここで、前記作動入球部110は、前記ゲート部34にパチンコ球が入賞したこと(具体的にはゲートセンサ49がパチンコ球を検出したこと)を契機としてメイン制御CPU60aで実行される普図当り判定において普図当りとなること、すなわち普通開閉部材111の開放作動を許容する判定結果となることを契機に該普通開閉部材111が開放作動されるように、前記第1ソレノイド112がメイン制御CPU60aによって制御されるようになっている。そして、普通開閉部材111の開放作動によって開放した作動口101に、遊技領域21(第1球流下領域21a)を流下するパチンコ球が入賞可能に構成されている。
(通路振分部120について)
前記通路振分部120は、図5に示すように、前記作動入球部110の作動口101に入球(入賞)したパチンコ球を第1および第2分岐通路115,116の何れかに振り分けて通出させる振分部材121と、該振分部材121に連繋接続する電動式駆動手段としての第2ソレノイド122とを備えている。前記振分部材121は、前記作動口101に入球したパチンコ球を第1分岐通路115へ通出させる第1振分位置(図5(a)参照)と、当該作動口101に入球したパチンコ球を第2分岐通路116へ通出させる第2振分位置(図5(b)参照)との間を移動し得るよう設けられており、第2ソレノイド122を駆動制御することで振分部材121が第1および第2振分位置に移動するようになっている。なお、実施例では、前記振分部材121によるパチンコ球の振分領域から前記第1分岐通路115が側方(実施例では右側方)へ延在するよう形成されると共に、前記第2分岐通路116は、振分領域から下方へ延在するよう形成されている。すなわち、第1振分位置において前記振分部材121が前記第2分岐通路116の球入口をパチンコ球が通過不能に閉塞すると共に、第2振分位置において前記振分部材121が前記第2分岐通路116の球入口から側方に退避して、当該第2分岐通路116の球入口をパチンコ球が通過可能に開放するようになっている。
(第1および第2可変始動部131,132について)
前記第1可変始動部131は、図3に示すように、前記第1可変始動口102を閉鎖する閉鎖位置(図3参照)および該第1可変始動口102を開放する開放位置に変位可能な前記第1始動開閉部材135と、前記作動口101に連通する第1分岐通路115を通過するパチンコ球が接触し得るように設けられてパチンコ球の接触に伴い作動する第1作動部材138と、前記第1可変始動口102に入賞したパチンコ球が接触し得るように設けられてパチンコ球の接触に伴い作動する第2作動部材139とを備えている。具体的には、第1始動開閉部材135が閉鎖位置にある状態で、前記作動口101に入球したパチンコ球との接触に伴い作動した第1作動部材138が、当該第1始動開閉部材135を閉鎖位置から開放位置に変位させ、第1始動開閉部材135が開放位置にある状態で、第1可変始動口102に入賞したパチンコ球との接触に伴い作動した第2作動部材139が、当該第1始動開閉部材135を開放位置から閉鎖位置に変位させるよう構成されている。すなわち、前記第1可変始動部131の第1作動部材138は、普図当り判定(開放作動を許容するか否かの開放判定)が普図当り(開放作動を許容する判定結果)となることを契機として開放作動が許容される普通開閉部材111の開放中に作動口101に入球することで作動する始動条件契機手段として機能している。また、前記第1可変始動部131の第2作動部材139は、第1始動開閉部材135の開放中に第1可変始動口102に入球することで作動する閉鎖条件契機手段として機能している。
前記第1始動開閉部材135の開放中に第1可変始動口102に入球(入賞)したパチンコ球が後述する第1可変始動検出センサ77で検出され、該第1可変始動検出センサ77の球検出信号が前記メイン制御CPU60aに入力されることで、該メイン制御CPU60aにおいて後述する特図当り判定が実行されるよう構成される。すなわち、第1可変始動部131へのパチンコ球の入賞により、メイン制御CPU60aが特図当り判定(第1の当り遊技を生起させるかの判定)を実行するための当り判定条成が成立するようになっている。
同様に、前記第2可変始動部132は、図3に示すように、前記第2可変始動口103を閉鎖する閉鎖位置(図3参照)および該第2可変始動口103を開放する開放位置に変位可能な前記第2始動開閉部材136と、前記作動口101に連通する第2分岐通路116を通過するパチンコ球が接触し得るように設けられてパチンコ球の接触に伴い作動する第1作動部材138と、前記第2可変始動口103に入賞したパチンコ球が接触し得るように設けられてパチンコ球の接触に伴い作動する第2作動部材139とを備えている。そして、第2始動開閉部材136が閉鎖位置にある状態で、前記作動口101に入球したパチンコ球との接触に伴い作動した第1作動部材138が、当該第2始動開閉部材136を閉鎖位置から開放位置に変位させ、第2始動開閉部材136が開放位置にある状態で、第2可変始動口103に入賞したパチンコ球との接触に伴い作動した第2作動部材139が、当該第2始動開閉部材136を開放位置から閉鎖位置に変位させるよう構成されている。すなわち、前記第2可変始動部132の第1作動部材138は、普図当り判定(開放作動を許容するか否かの開放判定)が普図当り(開放作動を許容する判定結果)となることを契機として開放作動が許容される普通開閉部材111の開放中に作動口101に入球することで作動する始動条件契機手段として機能している。また、前記第2可変始動部132の第2作動部材139は、第2始動開閉部材136の開放中に第2可変始動口103に入球することで作動する閉鎖条件契機手段として機能している。
前記第2始動開閉部材136の開放中に第2可変始動口103に入球(入賞)したパチンコ球が後述する第2可変始動検出センサ78で検出され、該第2可変始動検出センサ78の球検出信号が前記メイン制御CPU60aに入力されることで、該メイン制御CPU60aにおいて後述する特図当り判定が実行されるよう構成される。すなわち、第2可変始動部132へのパチンコ球の入賞により、メイン制御CPU60aが特図当り判定(第1の当り遊技を生起させるかの判定)を実行するための当り判定条成が成立するようになっている。
(第1始動開閉部材135および第2始動開閉部材136について)
ここで、第1および第2始動開閉部材135,136をパチンコ球の接触により開閉する構造の一例を説明する。前記各始動開閉部材135,136は、図6に示すように、上方に向かって徐々に薄肉となる所謂フラップ状に形成されると共に下端部側が図示しない回転軸に支持されており、先端部(端部)を上方に指向させた閉鎖位置(図6(a)参照)と、該先端部を斜め右上方に指向させた開放位置(図6(b)参照)との間で各始動開閉部材135,136が揺動するように構成される。また、前記各始動開閉部材135,136には、回転中心から径方向へ突出する係合片137が形成されている。
また、前記第2作動部材139は、図6に示すように、前記係合片137に係合する係合位置および係合片137との係合が解除された解除位置に回転変位可能に構成されている。そして、各可変始動部131,132が閉鎖位置にある状態において、係合位置の第2作動部材139が各可変始動部131,132の回転方向で前記係合片137に当接係合するよう構成されて、当該係合片137および第2作動部材139の当接作用により、閉鎖位置から開放位置への始動開閉部材135,136の回転が規制されるようになっている。そして、対応する分岐通路115,116を通過するパチンコ球の接触により揺動した第1作動部材138が前記第2作動部材139を作動して解除位置に変位させるよう構成されており、係合片137と第2作動部材139との係合が解除されることで、各始動開閉部材135,136が閉鎖位置から開放位置へ自重で回転するようになっている。また、前記開放位置では、前記第2作動部材139の回転軌跡に対応する始動開閉部材135,136の係合片137が位置するよう構成されて、パチンコ球の接触により解除位置から係合位置に回転作動された第2作動部材139が係合片137を押し下げることにより、各始動開閉部材135,136が開放位置から閉鎖位置へ向けて回転するよう構成されている。なお、これに限られるものではなく、各種の構成を採用できる。例えば、ラッチ機構を設けて、所定個数(例えば2個)のパチンコ球が第2作動部材139に接触することで、始動開閉部材135,136の係合片137を押し下げるように第2作動部材139が作動するよう構成することができる。
(遊技情報表示部Mについて)
前記遊技盤20の所定位置(実施例では、遊技領域21の外側右下部位置)には、前記メイン制御CPU60aにより決定された各種の遊技情報を表示する遊技情報表示部Mが設けられており、当該遊技情報表示部Mを確認することで、遊技に必要な遊技情報を適宜に確認し得るようになっている。ここで、実施例の遊技情報表示部Mには、前記遊技情報を表示する各遊技状態表示部として、特図表示部50A,50B、特図保留表示部52,53、普図表示部55や普図保留表示部56等が設けられている。なお、前記遊技情報表示部Mの前面は、光透過性のカバー体Maにより覆蓋保護されており、カバー体Maを介して遊技状態表示部Mに表示された各種の遊技情報を確認し得るよう構成されている。
(特図表示部50A,50Bについて)
図2に示すように、前記特図表示部50A,50Bは、前記第1または第2可変始動部131,132への入賞を契機として作動して特図当り判定(特図当り抽選)の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、特図表示部50A,50Bは、前記第1可変始動部131への入賞を契機として特図の変動表示を開始する第1特図表示部50Aと、第2可変始動部132への入賞を契機として特図の変動表示を開始する第2特図表示部50Bとからなり、各特図表示部50A,50Bの何れも複数個(実施例では8個ずつ)のLEDランプにより構成されている。そして、前記第1可変始動口102へのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部50AのLEDランプが順次点灯・消灯する点滅変動する特図変動表示が行われ、最終的にLEDランプの点灯が確定停止した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するようになっている。また、第2可変始動部132へのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部50BのLEDランプが点灯・消灯する点滅変動する変動表示が行われて、最終的にLEDランプの点灯が確定停止した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するよう構成されている。なお、実施例の特図表示部50A,50BはLEDの点灯位置により特図を表示するよう構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更して最終的に点灯表示し得る形態であればよく、また7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他の特図を表示可能な表示手段を採用できる。
具体的には、各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、特図当り判定の当選を認識し得る当り表示(特図当り図柄)としての200種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(特図はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示部50A,50Bに対応して夫々設定されており、特図当り判定の判定結果に応じて決定された1つの特図が特図変動表示の結果として特図表示部50A,50Bに確定停止表示される。なお、前述した各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る特図当り図柄や特図はずれ図柄としての特図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記特図表示部50A,50Bの何れかに、当り表示としての特図(特図当り図柄)が表示されることで、当り表示に対応した当り遊技が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。すなわち、実施例の特図表示部50A,50Bは、可変始動検出センサ77,78の検出に伴い変動表示を行うと共に、特図当り判定の判定結果を表示する変動表示手段として機能するものである。
なお「確定停止」とは、特図表示部50A,50Bが所定の特図変動インターバル時間(特図変動待機時間)に亘って継続して同じ点灯位置で表示(点灯)する状態である。すなわち、特図表示部50A,50Bに特図が特図インターバル時間に亘って点灯表示して確定停止表示された後に、次回の特図変動表示を実行し得るようになっている。実施例では、第1特図始動保留情報に基づいて行われる図柄変動演出(第1特図変動表示)の特図変動インターバル時間(特図変動待機時間)として1000ms(ミリ秒)が設定され、第2特図始動保留情報に基づいて行われる図柄変動演出(第2特図変動表示)の特図変動インターバル時間(特図変動待機時間)として1000ms(ミリ秒)が設定されている。なお、特図変動インターバル時間は、前述した時間に限られるものではなく特図が停止したことを識別可能な時間であればよく、また第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報の夫々に基づいて特図変動表示が行われる場合の特図変動インターバル時間を異なる時間とすることも可能である。例えば、第1特図始動保留情報に基づいて特図変動表示が行われる場合よりも第2特図始動保留情報に基づいて特図変動表示が行われる場合の特図変動インターバル時間を短くすることで、第2特図始動保留情報に基づいて行われる図柄変動演出を小気味よく進行させることができる。
(特図保留表示部52,53について)
前記特図保留表示部52,53は、前記可変始動口102,103にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(特図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に特図始動保留情報として記憶する場合に、当該特図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、前記特図保留表示部52,53は、前記第1可変始動口102にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第1特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第1特図保留表示部52と、第2可変始動口103にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第2特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第2特図保留表示部53とからなり、各特図保留表示部52,53の何れも複数個(実施例では2個ずつ)の発光表示部により構成されている。この第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(保留されている特図当り判定の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1可変始動口102へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、当該第1特図始動保留情報に基づいた特図当り判定(すなわち第1特図変動表示(図柄変動演出))が行われる毎に1減算される。また、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2可変始動口103へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、当該第2特図始動保留情報に基づいた特図当り判定(すなわち第2特図変動表示(図柄変動演出))が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、隣接した複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が所定の順序(例えば左側から右側)で順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が所定の順序(例えば左側から右側)で順に点滅することで、各特図始動保留情報の保留数を遊技者が把握し得るようになっている。
ここで、実施例のパチンコ機10では、第2可変始動口103への入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1可変始動口102への入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく特図当り判定をメイン制御CPU60aが優先的に実行して、当該特図当り判定の判定結果に基づく図柄変動演出(特図変動表示)が表示装置17で実行されるよう構成される。
(普図表示部55について)
前記普図表示部55は、前記ゲートセンサ76のパチンコ球の検出(ゲート部34へのパチンコ球の入賞)を契機として行われる普図当り判定(開放判定)の結果を示す報知用の普通図柄(以下、普図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、普図表示部55は、複数個(実施例では3個)のLEDランプにより構成されており、ゲートセンサ76のパチンコ球の検出(ゲート部34へのパチンコ球の入賞)を契機として、普図表示部55のLEDランプが順次点灯・消灯する点滅変動する普図の変動表示が行われ、最終的にLEDランプが確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の普図の内の1つを表示するようになっている。なお、実施例の普図表示部55はLEDの点灯位置により普図を表示するよう構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更して表示態様を可変して最終的に点灯表示し得る形態であればよく、また7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他の普図を表示可能な表示手段を採用できる。
具体的には、普図表示部55において表示し得る普図としては、普図当り判定の当選(普図当り)を認識し得る当り表示(普図当り図柄)としての4種類の普図と、はずれを認識し得るはずれ表示(普図はずれ図柄)としての1種類の普図とが設定されており、普図当り判定の判定結果に応じて決定された1つの普図が普図変動表示の結果として普図表示部55に確定停止表示される。なお、前述した普図表示部55おいて表示し得る普図当り図柄や普図はずれ図柄としての普図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記普図表示部55に当り表示としての普図が表示されることで、前記作動入球部110の開放制御(普通当り遊技という場合もある)が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。すなわち、実施例の普図表示部55は、ゲートセンサ76の検出に伴い変動表示を行うと共に、普図当り判定の判定結果を表示する変動表示手段として機能するものであって、当該普図表示部55で複数種類の普図を変動させて1つの普図を導出する変動表示(以下普図変動表示という場合がある)が行われるようになっている。実施例では、3つのLEDの発光態様にて複数種類(実施例では5種類)の普図を表示するようになっている。具体的には、普図当り判定の結果が普図はずれ(すなわち開放作動を許容しない判定結果)を示す1種類の普図はずれ図柄と、普図当り判定の結果が普図当りであることを示す4種類の普図当り図柄(図柄1〜図柄4)を表示し得るよう構成されている。すなわち、実施例の普図表示部55は、ゲートセンサ76(球入賞検出手段)の検出に伴い図柄変動を行うと共に、普図当り判定(開放判定)の判定結果を表示する表示手段として機能するものである。
なお「確定停止」とは、普図表示部55が所定の普図変動インターバル時間(普図変動待機時間)に亘って継続して同じ点灯位置で表示(点灯)する状態である。すなわち、普図表示部55に普図が普図変動インターバル時間に亘って点灯表示して確定停止表示された後に、次回の普図変動表示を実行し得るようになっている。実施例では、普図変動インターバル時間として500ms(ミリ秒)が設定されている。なお、普図変動インターバル時間は、前述した時間に限られるものではなく普図が停止したことを識別可能な時間であればよい。
(普図保留表示部56について)
前記普図保留表示部56は、前記ゲート部34にパチンコ球が入賞(入球)した際に取得される開放判定情報(普図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に普図始動保留情報として記憶する場合に、当該普図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、前記普図保留表示部56は、図2に示すように、複数個(実施例では2個)の発光表示部により構成されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、ゲート部34にパチンコ球が入賞すると1加算され、当該普図始動保留情報に基づく普図当り判定(普図変動表示)が行われる毎に1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。
(表示装置17について)
前記表示装置17には、図2に示す如く、前記特図(特図1または特図2)に対応する特別飾図または前記普図に対応する普通飾図を変動表示可能な第1表示領域S1および第2表示領域S2が設けられている。第1表示領域S1は、第2表示領域S2に比べて大きな領域に設定されており、第1表示領域S1で変動表示される特別飾図または普通飾図を、第2表示領域S2で変動表示される普通飾図または特別飾図に比べて目立たせ得るように構成されている。実施例では、第2表示領域S2は、表示装置17における表示部17aの右下隅部に設けているが、該第2表示領域S2の位置については、その他の部位であってもよい。
前記表示装置17における第1表示領域S1および第2表示領域S2には、特別飾図または普通飾図を変動表示可能な図柄列(図示省略)が複数列設定されており、前記可変始動部131,132またはゲート部34への入賞を契機として、各図柄列の特別飾図または普通飾図を変動開始させるようになっている。実施例の表示装置17には、図柄変動演出の結果として1つの特別飾図または普通飾図を停止表示可能な複数の有効停止位置が夫々設定されており、図柄変動演出により、各図柄列の有効停止位置を組み合わせた停止図柄有効ラインに確定停止表示される特別飾図または普通飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。なお、実施例の表示装置17には、3列の図柄列が左右横並び状に設定されると共に、各図柄列毎に特別飾図または普通飾図の有効停止位置が1箇所ずつ定められており、3個の特別飾図または普通飾図を同時に停止表示可能な状態で図柄変動演出が行われるようになっている。すなわち、実施例の表示装置17には、各図柄列の有効停止位置を組み合わせた1つの停止図柄有効ラインが設定されている。以下の説明では、左側から順に左図柄列、中図柄列、右図柄列と指称する場合がある。
また、前記表示装置17の第1表示領域S1において各図柄列の特別飾図または普通飾図が表示される領域は、特図表示部50A,50Bおよび普図表示部55に比較して大きな領域で構成されて、特図および普図に比較して特別飾図および普通飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、表示装置17の停止図柄有効ラインに停止表示された図柄組み合わせから当り(特図当り,普図当り)かはずれかを認識できる。
前記表示装置17は、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に移動するよう特別飾図および普通飾図が変動表示されて、変動表示されている特別飾図および普通飾図が予め定められた停止順序で各図柄列に確定停止するようになっている。なお、実施例では、図柄変動演出の開始時に、左図柄列、中図柄列、右図柄列の順で特別飾図および普通飾図が変動開始し、左図柄列、右図柄列、中図柄列の順で確定停止する特別飾図および普通飾図の変動タイミングを基本として、表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容、特図始動保留情報や普図始動保留情報の記憶数等に応じて各図柄列の特別飾図および普通飾図の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。
なお、「変動表示」とは、前記各図柄列において、有効停止位置に表示される特別飾図および普通飾図が所定順序で変化している状態である。また「確定停止」とは、前記各図柄列の有効停止位置に特別飾図および普通飾図が所定の変動インターバル時間に亘って継続して停止した状態で表示された状態である。また、実施例の表示装置17では、特図変動インターバル時間や普図変動インターバル時間だけ継続して停止していない「仮停止」の状態で前記各図柄列の有効停止位置に特別飾図や普通飾図を停止表示し得るよう構成されており、表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容等に応じて、特別飾図や普通飾図を仮停止表示させて、変動表示を再度開始する表示態様を行い得るようになっている。すなわち、特別飾図や普通飾図の仮停止には、有効停止位置において特別飾図や普通飾図が僅かに揺れるよう変動する揺れ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間や普図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。
ここで、前記第1特図表示部50Aと表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と特別飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示部50Bと表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と特別飾図とが確定停止表示される。なお、実施例では、第1および第2特図表示部50A,50Bにおいて特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。また、第1および第2特図表示部50A,50Bにおいて、特図変動表示を独立して同時に行わせるようにすることもできる。また、前記普図表示部55と表示装置17では、普図変動表示と該普図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、普図と普通飾図とが確定停止表示される。
実施例に係る表示装置17には、各図柄列において変動表示される特別飾図や普通飾図が複数種類設定されており、該基本の特別飾図や普通飾図が各図柄列で順番に変動表示されるようになっている。なお、特別飾図や普通飾図は、任意の数字や文字、絵柄等により遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態で表示される。また、特別飾図に用いられる数字や文字、絵柄等と、普通飾図に用いられる数字や文字、絵柄等とでは異なる種類のものが用いられ、遊技者が特別飾図と普通飾図とを区別して識別し得るようになっている。
そして、前記表示装置17における各図柄列の有効停止位置(停止図柄有効ライン)に確定停止表示された各図柄列の特別飾図または普通飾図が当りの図柄組み合わせであった場合に、当り遊技が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、当りとなる図柄組み合わせとして、何れかの停止図柄有効ラインに同じ特別飾図または普通飾図が確定停止表示される図柄組み合わせが設定されている。この当りを認識できる特別飾図または普通飾図の図柄組み合わせが、表示装置17に表示される当り表示となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な当り遊技(実施例では小当り遊技や普通当り遊技)が付与される。一方で、表示装置17の有効停止位置に確定停止表示された全列の特別飾図または普通飾図の内の1つでも異なる種類の場合には、その図柄組み合わせから、原則的には当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる特別飾図または普通飾図の図柄組み合わせが、表示装置17のはずれ表示となる。
また、図柄変動演出において、複数の図柄列の内で、特定の図柄列(実施例では、左図柄列および右図柄列)に同じ特別飾図が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例では、中図柄列)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチが生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄列および右図柄列に同じ特別飾図が停止表示された図柄組み合わせとなる(「1↓1」、「4↓4」等)。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄列(左図柄列および右図柄列)の特別飾図は、仮停止の状態とされ、残りの図柄列(中図柄列)に特別飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄列の特別飾図が確定停止表示されるようになっている。
また、前記表示装置17には、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示の結果、表示される特図に応じた特別飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに表示される特図と、表示装置17に表示される特別飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに特図が確定停止されると共に、表示装置17の各図柄列に特別飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、第1特図表示部50Aや第2特図表示部50Bに表示される特図に対する特別飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の特別飾図による図柄組み合わせの中から1つの特別飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
また、前記表示装置17には、普図表示部55で行われる普図変動表示の結果、表示される普図に応じた普通飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、普図表示部55に表示される普図と、表示装置17に表示される普通飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、普図表示部55に普図が確定停止されると共に、表示装置17の各図柄列に普通飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、普図表示部55に表示される普図に対する普通飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの普図に対して複数の普通飾図による図柄組み合わせの中から1つの普通飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
(変短状態について)
実施例のパチンコ機10は、当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、特典遊技状態としては、普通開閉部材111により開閉される前記作動口101へのパチンコ球の入賞契機が、当該特典遊技状態が付与されていない遊技状態と較べて増加する入賞率向上状態である。具体的には、特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての作動口101を開放する普通開閉部材111の開放時間を増やすこと、により作動口101へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお、普図当り1回についての作動口101を開放する普通開閉部材111の開放時間を増やすに際しては、普通開閉部材111の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また普通開閉部材111の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、特典遊技状態として上記(1)〜(3)を組み合わせており、以下の説明では、これら(1)〜(3)を組み合わせた状態を便宜的に「変短状態」というものとする。すなわち、変短状態は、作動口101へのパチンコ球の入賞率が向上した入賞率向上状態である。
実施例の変短状態では、当り遊技終了後の前記普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間を短縮すると共に、普図当り確率を低確率(実施例では、16384/65536)から高確率(実施例では、65535/65536)に変動させるよう設定してある。なお、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、500msに設定されている。また、1回の普図当りにおいて作動入球部110(作動口101)への入賞を許容する入賞上限個数(実施例では1個)が設定されており、前記普通開閉部材111を開放してからの入賞数が入賞上限個数に達した場合には、普通開閉部材111の開閉動作を強制的に終了して閉鎖させるようになっている。なお、前記普図当り確率や入賞上限個数は一例であって、任意に設定することができるものである。
ここで、実施例では、変短状態が付与される期間(以下、変短回数という)は、当りに当選した当り図柄(特図1または特図2)の種類に関係なく同一(実施例では15回)に設定されているが(後述)、当り遊技(特図当り図柄)の種類によって異なるように設定することができる。また、後述するように大当り遊技の終了後に変短状態が付与される場合は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された変短フラグに、付与される変短状態の種類に応じて「1」または「2」が設定されると共に、変短状態が付与されない場合は該変短フラグは「0」に設定される。なお、前記変短回数は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された変短回数カウンタに設定され、該カウンタの値は、図柄変動演出毎(特図変動表示毎)に1減算され、「0」になった場合は変短フラグが「0」に設定されるようになっている。
(当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与可能な当り遊技について説明する。実施例のパチンコ機10では、当り遊技として、前記特図当り判定で当りに当選した際に決定された当り図柄が小当り図柄の場合に付与される小当り遊技(第1の当り遊技)と、該小当り遊技中において所定条件が成立した場合に付与される大当り遊技(第2の当り遊技)とが設定されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、前記複合入球部100における可変始動口102,103への入球を契機とした特図当り判定では、小当りかはずれかを判定し、小当りに当選した場合に付与される小当り遊技において前記特別入賞部40に設けた特定領域36へのパチンコ球の入球を所定条件の成立として、該小当り遊技に引き続いて大当り遊技が付与されるよう構成されている。
(小当り遊技について)
前記小当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示部50A,50Bに小当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、小当り遊技の開始を示すオープニング演出と、オープニング演出終了後に行われる開放遊技と、小当り遊技の終了を示すエンディング演出とにより構成されている。前記開放遊技では、小当り遊技に設定された開放態様で前記特別入賞部40の特別開閉部材43が開閉動作される(図7(a)参照)。なお、小当り遊技は、特図当り判定で当りに当選した際に決定された当り図柄が小当り図柄の場合に付与される当り遊技であることから、特図当り判定で当りに当選した際に決定された当り図柄が小当り図柄であることについて、単に特図当り判定で小当りに当選したという場合がある。
前記小当り遊技の開放遊技では、パチンコ球を連続的に発射する条件において、数個のパチンコ球が入賞可能な時間だけ特別入賞部40の特別開閉部材43が開放する開閉動作が行われるよう構成される。すなわち、前記小当り遊技は、後述する長時間開放動作よりも開放時間が短く設定された短時間開放動作を含んだ開放動作を特別入賞部40の特別開閉部材43に行わせる当り遊技を構成している。具体的には、図7(a)に示す如く、小当り遊技における開放遊技では、前記特別開閉部材43が、開放時間が「0.5(秒)」に設定された短時間開放動作を3回行うと共に、各開放動作の間のインターバル時間として「0.8(秒)」が設定されている。より具体的には、小当り遊技は、特別開閉部材43の開放動作に長時間開放動作を含まない第1の当り遊技である。そして、実施例のパチンコ機10では、特別開閉部材43の1回目の開放開始から3回目に開放した特別開閉部材43が閉鎖するまでの特定有効期間中に前記特定入賞口41に入賞したパチンコ球が、前記特定領域36に入球(具体的には前記特定領域入球検出センサ37がパチンコ球を検出した)場合に、前記メイン制御CPU60aが大当り遊技を付与することを決定し、小当り遊技終了後に引き続いて大当り遊技が付与されるよう構成されている。
(第1可変始動部131への入賞に基づく特図当り図柄について)
前記第1可変始動部131へのパチンコ球の入賞に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の特図当り図柄の中から1つの特図当り図柄を決定するよう設定されている。ここで、複数種類の特図当り遊技の内で何れの特図当り遊技が付与されるかは、第1特図始動保留情報に基づく特図当り判定に当選した際に決定される特図当り図柄(特図1)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示部50Aに表示可能な100種類の特図当り図柄としての特図1は、1種類の特図当り図柄(図柄A)に分類されており、第1特図表示部50Aに確定停止表示された特図当り図柄としての特図1に応じた当り遊技が付与可能に構成されている。具体的に、実施例では、第1可変始動口102へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、特図1として1種類の特図当り図柄(図柄A)を決定するようになっている。
(第2可変始動部132への入賞に基づく特図当り図柄について)
同様に、前記第2可変始動口103へのパチンコ球の入賞に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の特図当り図柄の中から1つの特図当り図柄を決定するよう設定されている。ここで、複数種類の特図当り遊技の内で何れの特図当り遊技が付与されるかは、第2特図始動保留情報に基づく特図当り判定に当選した際に決定される特図当り図柄(特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第2特図表示部50Bに表示可能な100種類の特図当り図柄としての特図2は、1種類の特図当り図柄(図柄a)に分類されており、第2特図表示部50Bに確定停止表示された特図当り図柄としての特図2に応じた当り遊技が付与可能に構成されている。具体的に、実施例では、第2可変始動部132へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、特図2として1種類の特図当り図柄(図柄a)を決定するようになっている。
(小当り確率について)
実施例のパチンコ機10では、前記第1可変始動口102への入球を契機とした特図当り判定における小当りに当選する小当り確率と、前記第2可変始動口103への入球を契機とした特図当り判定における小当りに当選する小当り確率とが異なるよう設定に設定されている。すなわち、第1可変始動口102への入球を契機とした特図当り判定では、1/10の確率で小当りに当選し、9/10の確率ではずれとなり、第2可変始動口103への入球を契機とした特図当り判定では、1/5の確率で小当り当選し、4/5の確率ではずれとなるよう設定される(図7(a)参照)。このように実施例では、第1可変始動口102への入球を契機とした特図当り判定の場合より第2可変始動口103への入球を契機とした特図当り判定の場合の方が小当りに当選し易くなるよう設定されている。なお、前記小当り確率は一例であって、任意に設定することができる。また、第2可変始動口103への入球を契機とした特図当り判定の場合より第1可変始動口102への入球を契機とした特図当り判定の場合の方が小当りに当選し易くなるよう設定することができる。
ここで、前記可変始動口102,103が開放するために前記ゲート部34への入賞を契機とする普図当り判定において普図当りとなる確率は、通常遊技状態では前述したように、16384/65536(1/40)の確率(普図当り確率)となっている。そして、実施例のように小当り遊技を経て大当り遊技が付与される構成において、前記球滞留手段38によって小当り遊技中に大当り遊技が付与される条件が略100%の確率で成立するようなっていることから、小当り確率の違いによって、第1可変始動口102に入賞した場合に大当り遊技が付与される大当り確率と、第2可変始動口103に入賞した場合に大当り遊技が付与される大当り確率とが異なるようになっている。言い換えると、前記第1特図始動保留情報に基づいて第1特図変動表示が行われた場合に大当り遊技が付与される確率と、第2特図始動保留情報に基づいて第2特図変動表示が行われた場合に大当り遊技が付与される確率とが、小当り確率によって異なるようになっている。なお、変短状態(第1の変短状態および第2の変短状態)の場合においても、普図当り確率が通常遊技状態とは変化(65536/65536)するものの、小当り確率は入賞した可変始動口102,103の種類によって異なるので、該変短状態においても、小当り確率の違いによって、第1可変始動口102に入賞した場合に大当り遊技が付与される大当り確率と、第2可変始動口103に入賞した場合に大当り遊技が付与される大当り確率とが異なる。
(大当り遊技について)
実施例のパチンコ機10では、前記大当り遊技として、前記特図当り図柄Aが決定されることで、小当り遊技に引き続いて付与することが決定可能な第1大当り遊技と、前記特図当り図柄aが決定されることで、小当り遊技に引き続いて付与することが決定可能な第2大当り遊技とが設定されている。言い換えると、特図当り図柄Aは、当該特図当り図柄Aが決定されることで、小当り遊技に引き続いて第1大当り遊技を付与することが決定可能な特図当り図柄であり、前記特図当り図柄aは、当該特図当り図柄aが決定されることで、小当り遊技に引き続いて第2大当り遊技を付与することが決定可能な特図当り図柄である。また、特図当り図柄Aおよび特図当り図柄aは、何れも対応する大当り遊技の終了後に変短状態が付与される特図当り図柄として設定されている。なお、特図当り図柄Aが決定された場合には、変短状態の内の後述する第1の変短状態が付与され、特図当り図柄aが決定された場合には、変短状態の内の後述する第2の変短状態が付与される(図7(b)参照)。すなわち、特図当り図柄Aおよび特図当り図柄aは、大当り遊技の終了後に異なる種類の変短状態が付与特典として付与される特図当り図柄として設定されて、大当り遊技の終了後において、普図当りの当選に伴う前記作動入球部110の普通開閉部材111の動作態様が異なるようになっている。
前記第1大当り遊技と第2大当り遊技とは、当該大当り遊技の終了後に付与される変短状態の種類が異なるのみであるので、両大当り遊技について纏めて説明する。すなわち、大当り遊技は、図7(b)に示す如く、前記特別入賞部40の特別開閉部材43を開放するラウンド遊技を、大当り遊技に定められた規定ラウンド数だけ実行することで、大当り遊技が終了するようになっている。1回のラウンド遊技は、特別入賞口41に規定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞(特別入賞検出センサ79が規定個数のパチンコ球を検出)するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間(実施例では1秒)だけ特別開閉部材43が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間(閉鎖待機時間)が設定されている。
ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞部40の特別開閉部材43の開放動作は、パチンコ球を所定の発射間隔(実施例では0.6秒間隔)で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作により構成したり、長時間開放動作および該長時間開放動作よりも特別開閉部材43の開放時間が短く設定された短時間開放動作を適宜に組み合わせて構成することができる。実施例の大当り遊技は、各ラウンド遊技において長時間開放動作のみを行うよう設定されている。すなわち、大当り遊技は、特別開閉部材43の開放動作に長時間開放動作を含む第2の当り遊技であり、特別開閉部材43の開放動作が前記短時間開放動作のみから構成された小当り遊技(第1の当り遊技)とは、特別開閉部材43の開閉態様が異なる当り遊技である。なお、大当り遊技では、1回のラウンド遊技において長時間開放動作や短時間開放動作を複数回行うよう設定することも可能である。
実施例の大当り遊技は、長時間開放動作において特別開閉部材43が最大で20秒間開放するよう設定される。また、大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「10.0(秒)」に設定されると共に、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が夫々設定されている(図7(b)参照)。また、規定ラウンド数が「15回」に設定されると共に、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「10個」に設定されている。実施例では、大当り遊技が付与されることが決定された場合に変短状態を付与する付与期間は、当該大当り遊技の終了後に15回の変動回数の図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数)が実行されるまでの期間に設定されている。そして、大当り遊技(特図当り図柄A,a)に定められた変短状態の付与期間が経過した場合には、変短状態が付与されない通常遊技状態(非変短状態)に移行するようになっている。
なお、実施例では、小当り遊技および大当り遊技として、特別開閉部材43の開閉態様等が同じ1種類のみを設定したが、特図当り判定に当選した場合に決定される特図当り図柄(特図1および特図2)の種類によって、遊技者に与える価値(遊技価値、例えばラウンド数や変短回数)が異なる複数種類の小当り遊技や大当り遊技を設定してもよい。すなわち、特図当り図柄を決定する際に用いられる特図決定用判定値を複数種類の特図当り図柄の夫々に割り当て、可変始動口102,103へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数と特図決定用判定値とを比較することで特図当り図柄を決定するようにすればよい。
ここで、前記第1の変短状態では、後述するように普図当り判定に当選(開放判定に当選)した際に、前記作動口101への入球を契機として前記第1可変始動部131の開放作動が許容される割合が高く、前記第2の変短状態では、普図当り判定に当選(開放判定に当選)した際に、前記作動口101への入球を契機として前記第2可変始動部132の開放作動が許容される割合が高い遊技状態として設定されている。従って、第1の変短状態が付与された遊技状態では、特図当り判定が行われた結果として前記第1大当り遊技が生起される可能性が高く、第2の変短状態が付与された遊技状態では、特図当り判定が行われた結果として前記第2大当り遊技が生起される可能性が高くなる。実施例では、第1大当り遊技および第2大当り遊技における獲得可能な賞球数の期待値は同じであるものの、第2可変始動部132への入賞を契機とする特図当り判定における小当り確率が第1可変始動部131への入賞を契機とする特図当り判定における小当り確率より高く設定されていることで、第1の変短状態が付与された遊技状態よりも第2の変短状態が付与された遊技状態の方が遊技者に有利な遊技状態とされている。
このように、第2の変短状態において特図当り判定が行われる契機となる前記第2可変始動部132の第2可変始動口103へパチンコ球が入賞する機会が、第1の変短状態において特図当り判定が行われる契機となる第2可変始動部132の第2可変始動口103へパチンコ球が入賞する機会より増加し、第1の変短状態の場合より第2の変短状態の場合の方が小当り遊技に当選し易く設定されている。そして、小当り遊技に当選した場合は、略100%の確率で大当り遊技が引き続いて付与されるので、第1の変短状態が付与された遊技状態よりも第2の変短状態が付与された遊技状態の方が遊技者に有利な遊技状態(大当り遊技が付与され易い遊技状態)である。
(可変始動部の開閉制御について)
次に、前記ゲート部34にパチンコ球が入賞することを契機として開放作動が許容される前記可変始動部131,132の開閉制御について説明する。
実施例のパチンコ機10は、前記ゲート部34にパチンコ球が入賞することを契機として行われる普図当り判定において普図当りの判定結果(すなわち開放作動を許容する判定結果)となる(すなわち普図当りとなる)のに伴って前記作動口101を開放した場合に、当該作動口101に入球したパチンコ球が第1分岐通路115および第2分岐通路116の何れを通過するかによって開放作動する可変始動部131,132が変化する。そこで、実施例では、普図当り判定で当りの判定結果(すなわち開放作動を許容する判定結果)となることを契機として、作動口101に入球したパチンコ球を通出させる分岐通路115,116を前記メイン制御CPU60aが決定するようになっている。なお、以下の説明では、前記ゲート部34にパチンコ球が入賞することを契機として開放作動を許容する判定結果となることを普図当りと指称する場合がある。具体的には、普図当りに伴って作動入球部110の普通開閉部材111を開放作動する態様(開閉動作パターンP1〜P5)をメイン制御CPU60aが決定することで、前記作動口101に入球したパチンコ球が第1分岐通路115および第2分岐通路116の何れかに振り分けられるよう構成されている。ここで、作動口101に入球したパチンコ球が第1分岐通路115および第2分岐通路116の何れの通路に振り分けられるかは、前記作動口101に入球したパチンコ球が前記振分部材121による振分領域に到来するタイミングと、そのタイミングにおける振分部材121の動作位置とにより定まるようになっている。そこで、振分部材121の作動態様、およびメイン制御CPU60aが決定する作動入球部110の普通開閉部材111の作動態様の夫々について説明する。
(振分部材121の振分動作パターンについて)
前記メイン制御ROM60bには、振分部材121を第1振分位置および第2振分位置に変位させるタイミングを定めると共に、当該第1振分位置および第2振分位置で振分部材121を保持する時間(振分時間)を定めた振分動作パターンが設定されている。そして、普図当り判定が当りの判定結果となることを契機として、振分動作パターンに定められたタイミングおよび振分時間で振分部材121を第1振分位置および第2振分位置に変位するよう前記メイン制御CPU60aが第2ソレノイド122を駆動制御するよう構成されている。ここで、前記振分動作パターンは、メイン制御ROM60bに1種類だけ設定されており、普図当り判定が当りの判定結果となるのに伴って一定の態様で振分部材121が第1振分位置および第2振分位置に変位するようになっている。
具体的に、前記振分動作パターンは、図8に示すように、第1振分位置に保持された振分部材121を、所定の作動開始タイミングにおいて第1振分位置から第2振分位置に変位させ、第2振分位置に変位させてから所定の時間(第1振分時間TZ1)の経過後に振分部材121を第2振分位置から第1振分位置に変位させ、当該第1振分位置に変位させてから更に所定の時間(第2振分時間TZ2)の経過後に振分部材121を第1振分位置から第2振分位置に変位させ、当該第2振分位置に変位させてから更に所定の時間(第3振分時間TZ3)の経過後に振分部材121を第2振分位置から第1振分位置に変位するよう設定されている。すなわち、振分部材121が第1振分位置にある状態(第2振分時間TZ2の間)でパチンコ球が振分領域に到来することで、パチンコ球が第1分岐通路115へ振り分けられて第1可変始動部131の第1始動開閉部材135が開放作動し得ると共に、通路振分部120の振分部材121が第2振分位置にある状態(第1または第3振分時間TZ1,TZ3の間)でパチンコ球が振分領域に到来することで、パチンコ球が第2分岐通路116へ振り分けられて第2可変始動部132の第2始動開閉部材136を開放作動し得るようになっている。ここで、実施例では、普図当り判定に当選した場合に普図変動表示が終了してから所定の時間(例えば500ミリ秒)が経過したタイミングが、作動開始タイミングに設定されている。そして、後述のように、前記作動開始タイミングにおいて前記普通開閉部材111が開放作動されて、作動口101への入球が許容されるようになっている。
また、前記第1振分時間TZ1は、第1振分位置から第2振分位置への振分部材121の変位(すなわち前記作動開始タイミング)と同時に作動口101に入球したパチンコ球が振分部材121による振分領域まで移動するのに必要な時間よりも短い時間に設定されて、当該パチンコ球が振分領域まで移動したタイミングにおいて振分部材121が第1振分位置に位置するようになっている。従って、実施例では、前記第1振分時間TZ1を40ミリ秒に設定してある。また、前記第2振分時間TZ2は、後述する第1の許容態様(後述の開放パターンP1,P2)で前記普通開閉部材111が開放作動された際に作動口101に入球したパチンコ球が振分部材121による振分領域に移動する最大時間よりも長い時間に設定される。すなわち、前記第2振分時間TZ2は、第1の許容態様(開放パターンP1,P2)で前記普通開閉部材111が開放作動された場合に前記作動口101が開口する最長の開口時間(実施例では、後述する第2作動口開放時間TA2となっている)の間に当該作動口101に入球したパチンコ球が振分部材121による振分領域に移動可能な最大時間よりも長い時間に設定され、実施例では第2振分時間TZ2を700ミリ秒に設定してある。また、前記第3振分時間TZ3は、後述する第2の許容態様(開放パターンP3〜P5)で前記普通開閉部材111が開放作動された際に最終の開放作動に伴い作動口101に入球したパチンコ球が振分部材121による振分領域に移動する最大時間よりも長い時間に設定される。すなわち、前記第3振分時間TZ3は、第2の許容態様(開放パターンP3〜P5)で前記普通開閉部材111が開放作動された場合に前記作動口101が開口する最も遅いタイミングの開口時間(実施例では、後述する第9作動口開放時間TA9となっている)の間に当該作動口101に入球したパチンコ球が振分部材121による振分領域に移動可能な最大時間よりも長い時間に設定され、実施例では第3振分時間TZ3を4224ミリ秒に設定してある。
すなわち、実施例では、普図当り判定に当選するのに伴って、実質的に第1分岐通路115へのパチンコ球の振分動作を行った後に、第2分岐通路116へのパチンコ球の振分動作を振分部材121が行うよう前記メイン制御CPU60aにより第2ソレノイド122が駆動制御される。すなわち、振分部材121の作動タイミングと同時に作動口101に入球したパチンコ球は、実質的に前記第2分岐通路116へ移動不能となっており、第1振分時間TZ1の経過に伴って第1振位置に変位した振分部材121により第1分岐通路115へ振り分けられるよう構成されている。
(作動入球部110の開放作動について)
次に、前記ゲート部34にパチンコ球が入賞することを契機とした作動入球部110の開放作動について説明する。
(開放パターンについて)
前記メイン制御ROM60bには、前記作動入球部110の普通開閉部材111を開放位置および閉鎖位置に変位させるタイミングを定めると共に、当該開放位置および閉鎖位置で普通開閉部材111を保持する時間(開放時間)を定めた開放パターンP1〜P5が設定されている。そして、普図当り判定が当りの判定結果となることを契機として、開放パターンP1〜P5に定められたタイミングおよび開放時間で普通開閉部材111を開放位置および閉鎖位置に変位するよう前記メイン制御CPU60aが第1ソレノイド112を駆動制御するよう構成されている。すなわち、前記メイン制御CPU60aが開放パターンP1〜P5に基づいて第1ソレノイド112を駆動制御することで、前記普通開閉部材111が閉鎖位置から開放位置に変位して作動口101へのパチンコ球の入球を許容する開放作動と、開放位置から閉鎖位置に変位して作動口101への入球を規制する閉鎖作動とを行うようになっている。
(普図当り図柄と開放パターンの関係について)
ここで、実施例のパチンコ機10では、前記普通開閉部材111の作動態様が異なる複数の開放パターンP1〜P5が設定されており、普図当り判定で普図当りの判定結果(すなわち開放作動を許容する判定結果)となることを契機として複数の開放パターンP1〜P5の中から1つの開放パターンをメイン制御CPU60aが決定し、その決定された開放パターンP1〜P5に基づいて前記作動入球部110の普通開閉部材111を開閉作動するよう構成される。なお、実施例では、メイン制御CPU60aが決定可能な開放パターンとして5種類の開放パターンが設定されており、以下の説明において、第1開放パターンP1、第2開放パターンP2、第3開放パターンP3、第4開放パターンP4、第5開放パターンP5として区別する場合がある。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、普図当り判定の判定が普図当りとなる判定結果の場合に、1回の普図当りに伴う普通開閉部材111の作動態様を定めた複数の開放パターンから開放パターンを決定する開放パターン決定手段としての機能を備えている。
ここで、図9に示すように、複数の開放パターンP1〜P5の内で何れの開放パターンで普通開閉部材111を開放動作させるかは、普図当り判定に当選した際に決定される普図当り図柄の種類に応じて決定されるようになっている。前述のように、実施例では、普図当り判定の結果が普図はずれ(すなわち開放作動を許容しない判定結果)の場合に決定可能な1種類の普図はずれ図柄と、普図当り判定の結果が普図当りの場合に決定可能な複数種類の普図当り図柄が設定されており、普図当り図柄が決定された場合に、決定された普図当り図柄に応じた開放パターンで普通開閉部材111が開閉動作するようになっている。ここで、実施例では、前述のように4種類の普図当り図柄(図柄1〜図柄4)が設定されており、ゲート部34にパチンコ球が入賞した際(ゲートセンサ76が検出した際)に取得された普図決定用乱数に基づいて1つの普図当り図柄をメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
また、前記メイン制御CPU60aが決定可能な開放パターンは、普図当り判定を行う時点で特定される遊技状態に応じて定められており、普図決定用乱数に基づいて決定した普図当り図柄に基づいて遊技状態に応じて定められた開放パターンをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。実施例では、普図当り判定を行う時点での遊技状態が第1の変短状態であるか、第2の変短状態であるか、第1および第2の変短状態の何れでもない通常遊技状態(非変短状態)であるかにより、決定可能な開放パターンの種類が定められている。
具体的に、遊技状態が非変短状態の場合には、普図当り図柄1〜普図当り図柄4に対して第1開放パターンP1が対応づけられており、第1開放パターンP1をメイン制御CPU60aが決定し得るよう設定されている。また、遊技状態が第1の変短状態の場合には、普図当り図柄1、普図当り図柄3および普図当り図柄4に対して第2開放パターンP2が対応づけられ、普図当り図柄2に対して第3開放パターンP3が対応づけられており、第2開放パターンP2または第3開放パターンP3の何れかをメイン制御CPU60aが決定し得るよう設定されている。そして、遊技状態が第2の変短状態の場合には、普図当り図柄1に対して第4開放パターンP4が対応づけられ、普図当り図柄2および普図当り図柄4に対して第3開放パターンP3が対応づけられ、普図当り図柄3に対して第5開放パターンP5が対応づけられており、第3〜第5開放パターンP3〜P5の何れかをメイン制御CPU60aが決定し得るよう設定されている。すなわち、第1の変短状態および第2の変短状態の夫々の場合において、複数の開放パターンの内の所定の開放パターン(実施例では第3開放パターンP3)をメイン制御CPU60aが共通して決定し得るよう設定されている。
ここで、第1〜第5開放パターンP1〜P5は、1回の普図当りに伴って普通開閉部材111を開放作動した際の作動口101の総開放時間が異なるよう設定されており、第1〜第5開放パターンP1〜P5の何れの開放パターンに基づいて普通開閉部材111が作動するかによって作動口101へのパチンコ球の入球期待度が異なるようになっている。言い換えると、前記普図当り判定が開放作動を許容する判定結果となることを契機として前記作動口101へパチンコ球が入球して、前記可変始動部(第1可変始動部131や第2可変始動部132)の第1作動部材138を作動する割合が異なっている。従って、普通開閉部材111が作動される開放パターンP1〜P5の種類によって、前記可変始動部(第1可変始動部131や第2可変始動部132)の始動開閉部材(第1始動開閉部材135や第2始動開閉部材136)が開放作動する割合が異なり、普通開閉部材111の作動態様に対する遊技者の関心を高めている。ここで、実施例では、第1の許容態様(実施例では第1または第2開放パターンP1,P2)で普通開閉部材111が開放作動される場合よりも第2の許容態様(実施例では第3〜第5開放パターンP3〜P5)で普通開閉部材111が開放作動される場合の方が、第1作動部材138が作動する割合が高くなるように構成されている。
(第1開放パターンP1について)
前記第1開放パターンP1は、図8に示すように、普図当り判定に当選した場合に、普図当り判定に当選してから所定の作動開始タイミングにおいて前記普通開閉部材111を開放作動して閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第1の作動口開放時間TA1の経過後に普通開閉部材111を閉鎖作動して開放位置から閉鎖位置に変位させる動作をメイン制御CPU60aが行わせるよう設定されている。すなわち、第1開放パターンP1では、普図当りに当選した際に、第1の作動口開放時間TA1の開放動作を普通開閉部材111に1回行わせるよう設定されている。なお、第1開放パターンP1における前記作動タイミングは、普図当り判定に当選してから前記振分部材121を最初に第1振分位置から第2振分位置に変位させるタイミングと同じタイミングに設定されている。ここで、前記第1の作動口開放時間TA1は、前記第1振分時間TZ1と同じ時間(すなわち実施例では40ミリ秒)に設定されている。すなわち、実施例では、第1開放パターンP1に基づいて作動入球部110の普通開閉部材111を作動する際に、作動口101に入球したパチンコ球が振分領域まで移動した時点で前記振分部材121が第1振分位置に位置し、第1分岐通路115へ振り分けられたパチンコ球が前記第1可変始動部131の第1作動部材138を作動して第1始動開閉部材135を開放作動するようになっている。
(第2開放パターンP2について)
前記第2開放パターンP2は、図8に示すように、普図当り判定に当選した場合に、普図当り判定に当選してから所定の作動開始タイミングにおいて前記普通開閉部材111を開放作動して閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第2の作動口開放時間TA2の経過後に普通開閉部材111を閉鎖作動して開放位置から閉鎖位置に変位させる動作をメイン制御CPU60aが行わせるよう設定されている。なお実施例では、第2の作動口開放時間TA2を300ミリ秒に設定してある。また、第2開放パターンP2における前記作動開始タイミングは、普図当り判定に当選してから前記振分部材121を最初に第1振分位置から第2振分位置に変位させるタイミングと同じタイミングに設定されている。
ここで、前記第3の作動口開放時間TA3は、前記第1振分時間TZ1よりも長く、かつ第1振分時間TZ1および第2振分時間TZ2の合計時間(実施例では740ミリ秒)よりも短く設定されて、第2の作動口開放時間TA2が経過するまでの間、当該振分部材121が第1振分位置に変位しているようになっている。そして、第2の作動口開放時間TA2が経過してから、第1振分位置から第2振分位置への2回目の動作を振分部材121が開始するまでの時間差TR((第1振分時間TZ1)+(第2振分時間TZ2)−(第2の作動口開放時間TA2))は、作動口101に入球したパチンコ球が振分領域まで移動するのに必要な時間よりも長い時間に設定されている。すなわち、実施例では、第2開放パターンP2に基づいて作動入球部110の普通開閉部材111を作動する際に、作動口101に入球したパチンコ球が振分領域まで移動した時点で前記振分部材121が第1振分位置に位置して、第1分岐通路115へ振り分けられたパチンコ球が前記第1可変始動部131の第1作動部材138を作動して第1始動開閉部材135を開放作動するようになっている。
(第3開放パターンP3について)
前記第3開放パターンP3は、図8に示すように、普図当り判定に当選した場合に、普図当り判定に当選してから所定の作動開始タイミングにおいて前記普通開閉部材111を開放作動(1回目)して閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第3の作動口開放時間TA3の経過後に普通開閉部材111を閉鎖作動(1回目)して開放位置から閉鎖位置に変位させ、閉鎖位置への変位から第1の作動口閉鎖時間TB1の経過後に普通開閉部材111を開放作動(2回目)して閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第4の作動口開放時間TA4の経過後に普通開閉部材111を閉鎖作動(2回目)して開放位置から閉鎖位置に変位させる動作をメイン制御CPU60aが行わせるよう設定される。更に、第3開放パターンP3では、2回目の閉鎖作動に伴う閉鎖位置への変位から第2の作動口閉鎖時間TB2の経過後に普通開閉部材111を開放作動(3回目)して閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第5の作動口開放時間TA5の経過後に普通開閉部材111を閉鎖作動(3回目)して開放位置から閉鎖位置に変位させる動作をメイン制御CPU60aが行わせるよう設定されている。すなわち、第3開放パターンP3では、普図当りに当選した際に、3回の開放作動を普通開閉部材111に行わせるよう設定されている。なお実施例では、第3および第4の作動口開放時間TA3,TA4を24ミリ秒に設定し、第5の作動口開放時間TA5を660ミリ秒に設定し、第1の作動口閉鎖時間TB1を660ミリ秒に設定し、第2の作動口閉鎖時間TB2を1200ミリ秒に設定してある。また、第3開放パターンP3における前記作動開始タイミングは、普図当り判定に当選してから前記振分部材121を最初に第1振分位置から第2振分位置に変位させるタイミングと同じタイミングに設定されている。
ここで、前記第3の作動口開放時間TA3および第4の作動口開放時間TA4は、作動口101へのパチンコ球の入球が実質的に不可能な時間に設定されると共に、第5の作動口開放時間TA5は、作動口101へのパチンコ球の入球が可能な時間に設定される。なお、第3開放パターンP3に基づく普通開閉部材111の2回目以降の開放作動は、当該普通開閉部材111の開放作動と同時に作動口101に入球したパチンコ球が振分領域まで移動した時点で前記振分部材121が第2振分位置に位置するよう設定される。すなわち、普通開閉部材111の3回目の開放作動に伴う第5の作動口開放時間TA5の間に作動口101に入球したパチンコ球は、前記第1分岐通路115へ振り分けられることなく実質的に第2分岐通路116へ振り分けられるようになっている。すなわち、実施例では、第3開放パターンP3に基づいて作動入球部110の普通開閉部材111を作動する際に、作動口101に入球したパチンコ球が振分領域まで移動した時点で前記振分部材121が第2振分位置に位置して、第2分岐通路116へ振り分けられたパチンコ球が前記第2可変始動部132の第1作動部材138を作動して第2始動開閉部材136を開放作動するようになっている。
(第4開放パターンP4について)
前記第4開放パターンP4は、図8に示すように、普図当り判定に当選した場合に、普図当り判定に当選してから所定の作動開始タイミングにおいて前記普通開閉部材111を開放作動(1回目)して閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第6の作動口開放時間TA6の経過後に普通開閉部材111を閉鎖作動(1回目)して開放位置から閉鎖位置に変位させ、閉鎖位置への変位から第3の作動口閉鎖時間TB3の経過後に普通開閉部材111を開放作動(2回目)して閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第7の作動口開放時間TA7の経過後に普通開閉部材111を閉鎖作動(2回目)して開放位置から閉鎖位置に変位させる動作をメイン制御CPU60aが行わせるよう設定される。更に、第4開放パターンP4では、2回目の閉鎖作動に伴う閉鎖位置への変位から第4の作動口閉鎖時間TB4の経過後に普通開閉部材111を開放作動(3回目)して閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第8の作動口開放時間TA8の経過後に普通開閉部材111を閉鎖作動(3回目)して開放位置から閉鎖位置に変位させ、閉鎖位置への変位から第5の作動口閉鎖時間TB5の経過後に普通開閉部材111を開放作動(4回目)して閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第9の作動口開放時間TA9の経過後に普通開閉部材111を閉鎖作動(4回目)して開放位置から閉鎖位置に変位させる動作をメイン制御CPU60aが行わせるよう設定される。すなわち、第4開放パターンP4では、普図当りに当選した際に、4回の開放作動を普通開閉部材111に行わせるよう設定されている。なお実施例で、第6〜第8の作動口開放時間TA6〜TA8を24ミリ秒に設定し、第9の作動口開放時間TA9を800ミリ秒に設定し、第3の作動口閉鎖時間TB3を660ミリ秒に設定し、第4および第5の作動口閉鎖時間TB4,TB5を1200ミリ秒に設定してある。また、第4開放パターンP4における前記作動開始タイミングは、普図当り判定に当選してから前記振分部材121を最初に第1振分位置から第2振分位置に変位させるタイミングと同じタイミングに設定されている。
ここで、前記第6〜第8の作動口開放時間TA6〜TA8は、作動口101へのパチンコ球の入球が実質的に不可能な時間に設定されると共に、第9の作動口開放時間TA9は、作動口101へのパチンコ球の入球が可能な時間に設定される。なお、第4開放パターンP4に基づく普通開閉部材111の2回目以降の開放作動は、当該普通開閉部材111の開放作動と同時に作動口101に入球したパチンコ球が振分領域まで移動した時点で前記振分部材121が第2振分位置に位置するよう設定される。すなわち、普通開閉部材111の4回目の開放作動に伴う第9の作動口開放時間TA9の間に作動口101に入球したパチンコ球は、前記第1分岐通路115へ振り分けられることなく第2分岐通路116へ振り分けられるようになっている。すなわち、実施例では、第4開放パターンP4に基づいて作動入球部110の普通開閉部材111を作動する際に、作動口101に入球したパチンコ球が振分領域まで移動した時点で前記振分部材121が第2振分位置に位置して、第2分岐通路116へ振り分けられたパチンコ球が前記第2可変始動部132の第1作動部材138を作動して第2始動開閉部材136を開放作動するようになっている。
(第5開放パターンP5について)
前記第5開放パターンP5は、図8に示すように、普図当り判定に当選した場合に、普図当り判定に当選してから所定の作動開始タイミングにおいて前記普通開閉部材111を開放作動(1回目)して閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第10の作動口開放時間TA10の経過後に普通開閉部材111を閉鎖作動(1回目)して開放位置から閉鎖位置に変位させ、閉鎖位置への変位から第6の作動口閉鎖時間TB6の経過後に普通開閉部材111を開放作動(2回目)して閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第11の作動口開放時間TA11の経過後に普通開閉部材111を閉鎖作動(2回目)して開放位置から閉鎖位置に変位させる動作をメイン制御CPU60aが行わせるよう設定される。すなわち、第5開放パターンP5では、普図当りに当選した際に、2回の開放作動を普通開閉部材111に行わせるよう設定されている。なお実施例では、第10の作動口開放時間TA10を24ミリ秒に設定し、第11の作動口開放時間TA11を360ミリ秒に設定し、第6の作動口閉鎖時間TB6を660ミリ秒に設定してある。また、第5開放パターンP5における前記作動開始タイミングは、普図当り判定に当選してから前記振分部材121を最初に第1振分位置から第2振分位置に変位させるタイミングと同じタイミングに設定されている。
ここで、前記第10の作動口開放時間TA10は、作動口101へのパチンコ球の入球が実質的に不可能な時間に設定されると共に、第11の作動口開放時間TA11は、作動口101へのパチンコ球の入球が可能な時間に設定される。なお、第5開放パターンP5に基づく普通開閉部材111の2回目以降の開放作動は、当該普通開閉部材111の開放作動と同時に作動口101に入球したパチンコ球が振分領域まで移動した時点で前記振分部材121が第2振分位置に位置するよう設定される。すなわち、普通開閉部材111の2回目の開放作動に伴う第11の作動口開放時間TA11の間に作動口101に入球したパチンコ球は、前記第1分岐通路115へ振り分けられることなく実質的に第2分岐通路116へ振り分けられるようになっている。すなわち、実施例では、第5開放パターンP5に基づいて作動入球部110の普通開閉部材111を作動する際に、作動口101に入球したパチンコ球が振分領域まで移動した時点で前記振分部材121が第2振分位置に位置して、第2分岐通路116へ振り分けられたパチンコ球が前記第2可変始動部132の第1作動部材138を作動して第2始動開閉部材136を開放作動するようになっている。
このように、実施例のパチンコ機10では、第1および第2開放パターンP1,P2は、前記作動口101に入球したパチンコ球を第1分岐通路115に振り分ける態様で普通開閉部材111を開放および閉鎖作動するよう設定され、第3〜第5開放パターンP3〜P5は、前記作動口101に入球したパチンコ球を第2分岐通路116に振り分ける態様で普通開閉部材111を開放および閉鎖作動するよう設定されている。すなわち、普図当り判定において当りの判定結果(開放判定手段が開放作動を許容する判定結果)となることを契機として、第1の許容態様(第1および第2開放パターンP1,P2)および第2の許容態様(第3〜第5開放パターンP3〜P5)の何れかで普通開閉部材111を開放作動し得るよう構成されている。そして、第1の許容態様(第1および第2開放パターンP1,P2)により普通開閉部材111を開放作動することで、前記第1可変始動部131の第1始動開閉部材135の開放作動が許容され、第2の許容態様(第3〜第5開放パターンP3〜P5)により普通開閉部材111を開放作動することで、前記第2可変始動部132の第2始動開閉部材136の開放作動が許容されるよう構成されている。なお、最終的に各可変始動部131,132の始動開閉部材135,136を開放作動するには、各許容態様で普通開閉部材111を開放作動して作動口101を開放している間に、当該作動口101へ入球することが必要となる。
また、前記第2の許容態様(第3〜第5開放パターンP3〜P5)に伴う普通開閉部材111の開放作動(実施例では2回目以降の開放作動)が、前記第1の許容態様(第1および第2開放パターンP1,P2)に伴う普通開閉部材111の開放作動よりも後に生起されるよう設定されている。すなわち、前記第1可変始動部131の第1始動開閉部材135の開放作動が許容されるタイミングよりも後に、前記第2可変始動部132の第2始動開閉部材136の開放作動が許容され得るようにすることで、普通開閉部材111の開放作動に対する関心を高めている。
また、第1の許容態様(第1および第2開放パターンP1,P2)により普通開閉部材111が開放作動される場合に作動口101にパチンコ球が入球可能な時間よりも、第2の許容態様(第3〜第5開放パターンP3〜P5)により普通開閉部材111が開放作動される場合に作動口101にパチンコ球が入球可能な時間の方が長い時間に設定されている。すなわち、第2の許容態様(第3〜第5開放パターンP3〜P5)により普通開閉部材111が開放作動されることで、第1の許容態様(第1および第2開放パターンP1,P2)により普通開閉部材111が開放作動される場合よりも作動口101にパチンコ球が入球し易くなっている。すなわち、始動開閉部材135,136の開放作動が許容される可能性が異なる第1の許容態様および第2の許容態様により普通開閉部材111を開放作動し得るよう構成され、普通開閉部材111が作動する態様(開放パターンP1〜P5)に対する遊技者の関心を高めている。
また、第2の許容態様により普通開閉部材111を開放作動する開放パターンとして第3〜第5開放パターンP3〜P5を設定し、当該第3〜第5開放パターンP3〜P5において作動口101へのパチンコ球の入球が可能となる時間(第5、第9および第11の作動口開放時間TA5,TA9,TA11)を異ならせるよう設定してある。すなわち、第2の許容態様(第3〜第5開放パターンP3〜P5)により普通開閉部材111が開放作動される場合に、普通開閉部材111を作動する開放パターンに応じて始動開閉部材135,136の開放作動が許容される可能性を異ならせるよう構成されていることで、普通開閉部材111が開放作動する態様(開放パターンP3〜P5)に対する遊技者の関心を高めている。また、第3〜第5開放パターンP3〜P5において普通開閉部材111が2回目に開放作動されるタイミングを一致させることで、2回目に普通開閉部材111が開放作動されるタイミングまで第3〜第5開放パターンP3〜P5の何れに基づいて開放作動されるかを秘匿する(区別を困難にする)ことができる。同様に、第3〜第4開放パターンP3〜P4において普通開閉部材111が3回目に開放作動されるタイミングを一致させることで、3回目に普通開閉部材111が開放作動されるタイミングまで第3〜第4開放パターンP3〜P4の何れに基づいて開放作動されるかを秘匿する(区別を困難にする)ことができる。このように、特定の許容態様(実施例では第2の許容態様)により普通開閉部材111を開放作動する場合に、作動口101へのパチンコ球の入球が可能となる時間(第5、第9および第11の作動口開放時間TA5,TA9,TA11)を秘匿する(区別を困難にする)ことで、普通開閉部材111が開放作動する態様(開放パターンP3〜P5)に対する遊技者の関心を一層高めることが可能となる。また、作動口101へのパチンコ球の入球が可能となるタイミングを秘匿することで、変則的な遊技を抑制することが可能なる。
ここで、実施例のパチンコ機10では、特図当り判定が特図当りの判定結果となることに伴って特図当り図柄Aが決定され、小当り遊技に引き続いて付与された第1大当り遊技後の遊技において第1の変短状態が付与されている間(第1大当り遊技の終了後の15回の図柄変動演出が行われるまでの間)は、普通開閉部材111の開放パターンとして第2または第3開放パターンP2,P3が選択されることから、第1可変始動口102または第2可変始動口103へのパチンコ球の入賞に基づく小当り遊技が発生する場合がある。これに対し、特図当り判定が特図当りの判定結果となることに伴って特図当り図柄aが決定され、小当り遊技に引き続いて付与された第2大当り遊技後の遊技において第2の変短状態が付与されている間(第2大当り遊技の終了後の15回の図柄変動演出が行われるまでの間)は、普通開閉部材111の開放パターンとして第3〜第5開放パターンP3〜P5が選択されることから、第2可変始動口103へのパチンコ球の入賞に基づく小当り遊技のみが発生する。
(パチンコ機10の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図4に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板60(メイン制御手段)と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する演出制御基板65と、表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10の前枠13や遊技盤20が備える各種発光装置18の発光制御を行う発光制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記演出制御基板65が表示制御基板70、発光制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、発光制御基板72は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光装置18の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音出力のタイミングや大きさ等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図4に示に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記第1可変始動検出センサ77、第2可変始動検出センサ78、特別入賞検出センサ79、特定領域入球検出センサ37、ゲートセンサ76等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、第1および第2特図表示部50A,50B、普図表示部55等の各表示部が接続されて、各センサの検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示部の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU60a(開放制御手段)には、前記作動入球部110の第1ソレノイド112、通路振分部120の第2ソレノイド122および特別入賞部40に設けられた特別入賞ソレノイド42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイドの駆動制御が行われるようになっている。
(始動部への入賞に伴う入賞情報について)
前記メイン制御CPU60aは、可変始動部(第1可変始動部131または第2可変始動部132へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には可変始動検出センサ(第1可変始動検出センサ77または第2可変始動検出センサ78)がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが可変始動検出センサ77,78の検出を契機として取得する乱数としては、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、特図演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、特図変動パターン決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、何れかの可変始動検出センサ77,78の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記第1可変始動部131および第2可変始動部132にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)は、対応する第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の始動保留領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する始動保留領域が定まっており、各特図始動保留情報に基づいて図柄変動演出(特図変動表示)を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で特図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。実施例では、第1特図始動保留情報か第2特図始動保留情報かを区別可能に個別にメイン制御RAM60cに記憶されており、第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1特図始動保留情報よりも第2特図始動保留情報をメイン制御CPU60aが優先して読み出して、当該第2特図始動保留情報に基づく特図当り判定(図柄変動演出)を優先して実行するよう構成されている。
具体的に、メイン制御RAM60cには、第1特図始動保留情報を記憶可能な第1始動保留領域と、第2特図始動保留情報を記憶可能な第2始動保留領域とが設けられており、第1可変始動検出センサ77の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第1始動保留領域に記憶され、第2可変始動検出センサ78の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第2始動保留領域に記憶されるようになっている。また、第1始動保留領域および第2始動保留領域の夫々は、第1特図記憶領域〜第4特図記憶領域の4つの記憶領域から構成されており、可変始動検出センサ77,78の1回の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が対応する始動保留領域の第1特図記憶領域〜第4特図記憶領域に順に記憶されると共に、特図当り判定を行う場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で第1特図始動保留情報に優先して第2特図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。
特図当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として当り遊技を発生するか否か(すなわち特図当りか否か)の特図当り判定で用いる乱数である。実施例では、特図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、特図当り判定の結果に応じて第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「100」の全101通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図に対応する乱数と、特図当りの当選を示す100種類の特図に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。すなわち、第1可変始動検出センサ77の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1が特定され、第2可変始動検出センサ78の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定される。また、前述したように、前記特図当り図柄としての特図1および特図2は、当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される当り遊技の種類が特定されるようになっている。すなわち、特図決定用乱数が当り遊技の種類を決定する乱数としての機能を有している。また、前述したように、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に付与される変短状態の種類が定められており、特図決定用乱数が変短状態の種類を決定する乱数としての機能も有している。更に、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)が定められており、特図決定用乱数が変短状態の付与期間を決定する乱数としての機能も有している。すなわち、実施例において、入賞情報としての特図決定用乱数は、特図当り判定が特図当りの判定結果となることを契機として付与する付与特典の決定に用いる乱数(情報)となっている。なお、実施例では、全ての種類の大当り遊技において付与される変短状態の変短回数は同じに設定されている。
また、特図演出実行判定用乱数は、前述した特図当り判定の判定がはずれの判定結果となった場合に(当り遊技に当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、特図演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。ここで、当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、表示装置17に図柄変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われるリーチ演出や、表示装置17に表示される当り表示される可能性を示唆する予告演出や、発光装置18の発光やスピーカ19から出力される音により当り表示が表示される可能性を遊技者に示唆する予告演出を含むものである。
前記特図変動パターン決定用乱数は、図柄変動演出における演出内容を特定する複数の特図変動パターンから1つの特図変動パターンを決定する際に用いられる乱数である。実施例では、特図変動パターン決定用乱数として、「0」〜「253」の全254通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、特図演出実行判定用乱数、特図変動パターン決定用乱数は、第1可変始動部131または第2可変始動部132へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1可変始動検出センサ77または第2可変始動検出センサ78がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、第1可変始動部131へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2可変始動部132へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動口102,103への入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(特図当り判定に関わる判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、当り遊技を発生することを示す特図当り判定値が記憶されている。特図当り判定値は、前記特図当り判定用乱数を用いて特図当りか否かの判定(特図当り判定)で用いる判定値であり、特図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、特図当り判定値は、特図当り判定を行う契機となるパチンコ球が入賞した可変始動口102,103の種類によって判定値の設定数が異なっている。具体的には、第1可変始動部131の第1可変始動口102にパチンコ球が入賞した場合(具体的には第1可変始動検出センサ77がパチンコ球を検出した場合)に設定される特図当り判定値の数は、1/10の確率で特図当りとなるように設定され、第2可変始動部132の第2可変始動口103にパチンコ球が入賞した場合(具体的には第2可変始動検出センサ78がパチンコ球を検出した場合)に設定される特図当り判定値の数は、1/5の確率で特図当りとなるように設定される。実施例のパチンコ機10は、特図当り判定では小当りかはずれかを判定するよう構成されているので、第1可変始動口102への入賞を契機とした特図当り判定では、1/10の確率で小当りに当選すると共に、第2可変始動口103への入賞を契機とした特図当り判定では、1/5の確率で小当りに当選するように、特図当り判定値の設定数が定められている。すなわち、第1可変始動口102へパチンコ球が入賞した場合より、第2可変始動口103へパチンコ球が入賞した場合の方が、小当りに当選し易くなっている。なお、実施例では、特図当り判定値の設定数によって小当りに当選する小当り確率が変化するものであって、この小当り確率については上記の確率に限らず任意に設定可能である。
また、メイン制御ROM60bには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、特図当り判定の結果が特図当りの判定結果の場合に、第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特図当り図柄としての特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特図当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した100種類の特図決定用乱数に対応した「1」〜「100」の整数値が設定されており、特図決定用判定値の夫々に個別に特図1および特図2が対応付けられている。
また、メイン制御ROM60bには、特図演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。特図演出実行判定値は、当り判定(特図当り判定)の結果が否定の場合に、当り表示が表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出を実行させるか否かの特図演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、特図演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「238」までの全239通りの整数の中から定められている。すなわち、取得された特図演出実行判定用乱数の値が、設定された特図演出実行判定値と一致する場合に、リーチ演出等の演出を実行させることをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
また、メイン制御ROM60bには、特図変動パターン決定用判定値が記憶されている。特図変動パターン振分判定値は、前記特図変動パターン決定用乱数を用いて複数種類の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンの決定に用いる判定値であり、特図変動パターン毎に所定数の判定値が割当てられており、取得された特図変動パターン決定用乱数に対応する判定値が割り当てられた特図変動パターンがメイン制御CPU60aにより選択されるようになっている。
(特図変動パターンについて)
メイン制御ROM60bには、複数種類の特図変動パターンが記憶されている。前記特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特別飾図が確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄変動演出および特図変動表示の時間)を特定している。
ここで、前記特図変動パターンとして、複数種類の特図当り用の特図変動パターンと、リーチ演出が行われる複数種類のリーチはずれ用の特図変動パターンと、リーチ演出が行われないリーチなしはずれ用の特図変動パターンとが設けられている。なお、特図当り用の特図変動パターンは、特図当り判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、リーチはずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、リーチなしはずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が否定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンである。なお、リーチ演出は、表示装置17で行われる図柄変動演出においてリーチ表示が表示されてから、特図当りまたは特図はずれとなる特別飾図の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。
(ゲート部34への入賞に伴う開放判定情報について)
前記メイン制御CPU60aは、ゲート部34にパチンコ球が入賞したこと(具体的にはゲートセンサ76がパチンコ球を検出したこと)を契機として開放判定情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aがゲートセンサ76の検出を契機に取得する乱数としては、普図当り判定用乱数、普図決定用乱数、普図演出実行判定用乱数、普図変動パターン決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、ゲートセンサ76の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている開放判定情報を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記ゲート部34に入賞(ゲートセンサ76がパチンコ球を検出)した際に取得される開放判定情報(各種乱数値)は、普図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の普図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。普図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する保留領域が定まっており、メイン制御RAM60cに記憶した順序で普図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。具体的に、メイン制御RAM60cには、普図始動保留情報を記憶可能な保留領域は、第1普図記憶領域〜第4普図記憶領域の4つの記憶領域から構成されており、ゲートセンサ76の1回の検出を契機に取得される開放判定情報(各種乱数値)が第1普図記憶領域〜第4普図記憶領域に順に記憶されると共に、普図変動表示を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で第1普図記憶領域〜第4普図記憶領域から普図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。
前記普図当り判定用乱数は、普図変動表示の結果として作動入球部110の普通開閉部材111の開放(普図当り)を発生させるか否かの普図当り判定(普図当り抽選)で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出表示が行われた結果として普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。そして、取得した普図当り判定用乱数が普図当り判定値と一致する場合に、メイン制御CPU60aが普図当りと判定して、普図変動表示が行われた後に普通開閉部材111を開閉させるようになっている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かにより判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態(第1の変短状態または第2の変短状態)の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、非変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では16384個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態(第1の変短状態または第2の変短状態)における普図当り判定値の設定数を多くすることで、非変短状態よりも普図当りが発生し易くなるよう構成される。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、ゲートセンサ76の検出を契機として開放作動を許容する開放判定手段としての機能を備えている。
普図決定用乱数は、普図当り判定が普図当りの判定結果定の場合に普図表示部55に確定停止表示させる普図当り図柄1〜普図当り図柄4を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、普図決定用乱数として、「0」〜「196」の全197通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。すなわち、ゲートセンサ76の検出を契機として取得される普図決定用乱数の値により、普図当りの場合に普図表示部55に確定停止表示される普図として前述した普図当り図柄1〜普図当り図柄4が特定される。なお、普図当り判定がはずれの判定結果の場合には、普図表示部55に確定停止表示させる普図として普図はずれ図柄が特定される。
普図演出実行判定用乱数は、前述した普図当り判定の判定がはずれの判定結果となった場合に(普図当りに当選しなかったはずれの場合に)、普図当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの普図演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、普図演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。ここで、普図当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、前記特図演出実行判定用乱数に関連しで説明した場合と同じである。
前記普図変動パターン決定用乱数は、普図表示部55において行われる普図変動表示の変動時間(普図変動時間)を定めた普図変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、普図変動パターン決定用乱数として、「0」〜「22」の全23通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
(普図当り判定に関わる判定値について)
メイン制御ROM60bには、普図決定用判定値が記憶されている。普図決定用判定値は、普図当り判定の結果が肯定の場合に、普図表示部55に確定停止させる普図当り図柄としての普図当り図柄1〜普図当り図柄4を、ゲートセンサ76によるパチンコ球の検出時に取得した普図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、普図決定用判定値には、197個の普図決定用乱数に対応した「0」〜「196」の197個の整数値が設定されており、普図決定用判定値の夫々に普図当り図柄1〜普図当り図柄4が対応付けられている。具体的に、普図当り図柄1に対して61個の普図決定用判定値が割り当てられ、普図当り図柄2に対して2個の普図決定用判定値が割り当てられ、普図当り図柄3に対して77個の普図決定用判定値が割り当てられ、普図当り図柄4に対して57個の普図決定用判定値が割り当てられている。
また、メイン制御ROM60bには、普図演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。普図演出実行判定値は、普図当り判定の結果が否定の場合に、普図当り表示が表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出を実行させるか否かの普図演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、普図演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「238」までの全239通りの整数の中から定められている。すなわち、取得された普図演出実行判定用乱数の値が、設定された普図演出実行判定値と一致する場合に、リーチ演出等の演出を実行させることをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
ここで、図9に示すように、前記普図当り図柄1〜普図当り図柄4には、前述のように普図当り判定を行う時点で特定される遊技状態に応じて対応する第1〜第5開放パターンP1〜P5が定められており、普図当り図柄1〜4が特定されることで、普図変動表示の終了後に普通開閉部材111を開閉動作させる開放パターンが特定されるようになっている。なお、遊技状態が非変短状態(通常遊技状態)の場合には、普図当り図柄1〜普図当り図柄4に対して第1開放パターンP1が対応づけられていることから、決定された普図当り図柄の種類に関わらず第1開放パターンP1をメイン制御CPU60aが決定して第1の許容態様で普通開閉部材111を開放作動するよう構成されている。そして、第1の変短状態では、普図当り図柄1、普図当り図柄3および普図当り図柄4に対して第2開放パターンP2が対応づけられ、普図当り図柄2に対して第3開放パターンP3が対応づけられていることから、195/197の割合で第2開放パターンP2をメイン制御CPU60aが決定して第1の許容態様で普通開閉部材111を開放作動する一方、2/197の割合で第3開放パターンP3をメイン制御CPU60aが決定して第2の許容態様で普通開閉部材111を開放作動するよう構成されている。また、第2の変短状態では、普図当り図柄1に対して第4開放パターンP4が対応づけられ、普図当り図柄2および普図当り図柄4に対して前記第3開放パターンP3が対応づけられ、普図当り図柄3に対して第5開放パターンP5が対応づけられていることから、61/197の割合で第4開放パターンP4をメイン制御CPU60aが決定し、59/197の割合で第3開放パターンP3をメイン制御CPU60aが決定し、77/197の割合で第5開放パターンP5をメイン制御CPU60aが決定して、第2の許容態様で普通開閉部材111を開放作動するよう構成されている。すなわち、普図決定用乱数が普通開閉部材111を作動する許容態様(開放パターン)を決定する情報としての機能を有している。
すなわち、遊技状態特定情報(変短フラグ)に基づいて特定される遊技状態に応じて、メイン制御CPU60aが第1の許容態様(第1または第2開放パターンP1〜P1)を決定する割合と第2の許容態様(第3〜第5開放パターンP3〜P5)を決定する割合とが異なるよう構成されている。従って、遊技状態特定情報(変短フラグ)に基づいて特定される遊技状態に応じて、開放作動を許容する判定結果となることを契機として前記可変始動部131,132の始動開閉部材135,136が開放作動する割合が異なっている。より具体的に、実施例では特定される遊技状態が通常遊技状態の場合に第1の許容態様(第1開放パターンP1)のみが決定され、特定される遊技状態が通常遊技状態以外(第1または第2の変短状態)の場合に第1の許容態様(第2開放パターンP2)が決定される割合と第2の許容態様(第3〜第5開放パターンP3〜P5)が決定される割合とが異なるようにしてある。また、第1の許容態様および第2の許容態様を決定可能な状態において、第1の許容態様(第2開放パターンP2)よりも第2の許容態様(第3開放パターンP3)の方が決定される割合が高くなっている。このように、通常遊技状態の場合と通常遊技状態を特定しない場合(第1または第2の変短状態の場合)とで、開放作動を許容する判定結果となることを契機として可変始動部131,132の始動開閉部材135,136が開放作動する割合を異ならせてある。
ここで、実施例では、通常遊技状態の場合よりも第1または第2の変短状態の場合の方が可変始動部131,132の始動開閉部材135,136が開放作動する割合が高くなると共に、第1の変短状態の場合よりも第2の変短状態の場合の方が可変始動部131,132の始動開閉部材135,136が開放作動する割合が高くなるよう構成されている。より具体的に、実施例では、第1の変短状態の場合よりも第2の変短状態の場合の方が第2の許容態様(第3〜第5開放パターンP3〜P5)が決定される割合が高く、第2可変始動部132の第2始動開閉部材136が開放作動する割合を高くしてある。各遊技状態において開放作動を許容する判定結果となることを契機として可変始動部131,132の始動開閉部材135,136が開放作動する割合は、作動入球部110を開放作動する許容態様(開放パターンP1〜P5)の決定割合や、作動口101の開放時間に応じて変えることができ、各遊技状態での普図変動時間を変更することで始動開閉部材135,136が開放作動する割合を変えること可能である。
(普図変動パターンについて)
実施例では、異なる普図変動時間を定めた複数種類の普図変動パターンがメイン制御ROM60bに設定されており、ゲート部34にパチンコ球が入賞した際に(より具体的にはゲートセンサ76がパチンコ球を検出した際に)取得される普図変動パターン決定用乱数に基づいて、メイン制御CPU60aが普図変動時間を決定するようになっている。実施例では、第1の普図変動時間(実施例では5000ミリ秒)に設定された第1の普図変動パターン、第2の普図変動時間(実施例では560ミリ秒)に設定された第2の普図変動パターン、第3の普図変動時間(実施例では1200ミリ秒)に設定された第3の普図変動パターン、第4の普図変動時間(実施例では700ミリ秒)に設定された第4の普図変動パターン、第5の普図変動時間(実施例では1400ミリ秒)に設定された第5の普図変動パターンが設定されている。
メイン制御ROM60bには、普図当り判定を行う際に特定される遊技状態が非変短状態であるか、第1の変短状態であるか、第2の変短状態であるかに応じて、普図変動パターン毎の普図変動パターン決定用判定値が設定されており、前記ゲート部34にパチンコ球が入賞した際に取得された普図変動パターン決定用乱数に基づいて1つの普図変動パターン(変動時間)が決定されるようになっている。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、普図当り判定が行われてから前記普通開閉部材111を開放作動するまでの時間(許容待機時間)を決定する許容待機時間決定手段として機能するよう構成されている。ここで、実施例では、普図変動パターン決定用判定値には、普図変動パターン決定用乱数に対応した「0」〜「22」の23個の整数値が設定されている。
具体的に、普図当り判定を行う際の遊技状態が非変短状態の場合に、第1の普図変動パターンに対して23個の普図決定用判定値が割り当てられており、メイン制御CPU60aは、普図変動パターンとして普図変動パターン決定用乱数に関わらず第1の普図変動パターンを決定するようになっている。また、普図当り判定を行う際の遊技状態が第1の変短状態の場合に、第2の普図変動パターンに対して8個の普図決定用判定値が割り当てられ、第3の普図変動パターンに対して15個の普図決定用判定値が割り当てられており、メイン制御CPU60aは、普図変動パターンとして普図変動パターン決定用乱数に応じて第2または第3の普図変動パターンを決定するようになっている。また、普図当り判定を行う際の遊技状態が第2の変短状態の場合に、第4の普図変動パターンに対して13個の普図決定用判定値が割り当てられ、第5の普図変動パターンに対して10個の普図決定用判定値が割り当てられており、メイン制御CPU60aは、普図変動パターンとして普図変動パターン決定用乱数に応じて第4または第5の普図変動パターンを決定するようになっている。これにより、遊技状態に応じて普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間がランダムになり普通開閉部材111を作動するタイミングを予測することが困難になる。また、前述のように遊技状態に応じて普通開閉部材111を作動する開放パターンが変化することで、普通開閉部材111を作動するタイミングを予測することがより困難になる。このため、普通開閉部材111が開放するタイミングを狙ってパチンコ球を打ち出す等の変則的な遊技を効果的に防止することが可能になる。
(メイン制御基板での処理について)
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する処理について説明する。メイン制御CPU60aは、パチンコ機10への電源投入に伴いセキュリティーチェック等の初期設定処理を実行した後に、パチンコ機10での遊技が可能な状態に移行する。この状態では、通常処理を所定の制御周期(4ms毎)に実行するようになっている。ここで、メイン制御CPU60aが実行する通常処理では、各種乱数を更新する乱数更新処理や、時間を計測するタイマ更新処理や、各種のコマンドを入出力するコマンド入出力処理や、遊技情報表示部Mでの表示内容に関する処理、フラグの設定処理、当り遊技の実行に関する処理等を実行すると共に、始動部への入賞に関する特図入力処理や、特図当り判定に関する特図開始処理を実行するようになっている。以下、特図入力処理および特図開始処理について具体的に説明する。
(特図入力処理について)
特図入力処理では、図10に示すように、第1可変始動部131(第1可変始動口102)にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1可変始動部131に対応する第1可変始動検出センサ77がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、特図演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン決定用乱数の値等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第1特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cにおける第1始動保留領域の第1〜第4特図記憶領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、第2可変始動部132(第2可変始動口103)にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2可変始動部132に対応する第2可変始動検出センサ78がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、特図演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン決定用乱数の値等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第2特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの第2始動保留領域の第1〜第4特図記憶領域に設定し(ステップA18)、特図入力処理を終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について、図11に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の制御周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU60aは、特図表示部50A,50Bおよび表示装置17において特図1または特図2が変動表示中であるか、または当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB14)、保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当該第2特図始動保留情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、特図演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン決定用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第2特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の保留数に対応するように第2特図保留表示部53の表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により第2特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図12に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている特図当り判定値と一致するか否かを判定する特図当り判定(当り抽選)を行う(ステップB22)。そして、ステップB22における特図当り判定の判定結果が肯定の場合には(当り遊技が発生する場合には)、特図当りとなる変動であることを示す特図当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。実施例では、特図当り判定の判定結果が肯定の場合は、小当りに当選して小当り遊技が付与されることとなるので、特図当りフラグは小当りフラグともいえる。また、前述したように、第2可変始動部132への入賞を契機とした特図当り判定で小当りに当選する確率(すなわち特図当り確率)は、1/5に設定されている。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図決定用乱数の値には、特図2の特図当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで特図当り図柄を決定することになる。そして、特図当り図柄(特図2)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいて特図当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB25)。
一方、ステップB22の特図当り判定の判定結果が否定の場合には(特図当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した特図演出実行判定用乱数の値が、特図演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB27の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB28)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB29)。
また、ステップB27での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB30)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB31)。
ここで、ステップB25,B29,B31において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図2)を決定したメイン制御CPU60aは、所定の制御コマンドを設定する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、決定した特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドや、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを設定する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、特図演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン決定用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2可変始動部132への入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1可変始動部131への入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第1特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の保留数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
前記ステップB19の処理により第1特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図13に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている特図当り判定値と一致するか否かを判定する特図当り判定(当り抽選)を行う(ステップB32)。そして、ステップB32における特図当り判定の判定結果が肯定の場合には(当り遊技が発生する場合には)、特図当りとなる変動であることを示す特図当りフラグに「1」が設定される(ステップB33)。実施例では、特図当り判定の判定結果が肯定の場合は、小当りに当選して小当り遊技が付与されることとなるので、特図当りフラグは小当りフラグともいえる。また、前述したように、第1可変始動部131への入賞を契機とした特図当り判定で小当りに当選する確率(すなわち特図当り確率)は、1/10に設定されている。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB34)。ここで、特図決定用乱数の値には、特図1の特図当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで特図当り図柄を決定することになる。そして、特図当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいて特図当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB35)。
一方、ステップB32の特図当り判定の判定結果が否定の場合には(特図当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB37)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した特図演出実行判定用乱数の値が、特図演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB37の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB38)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB39)。
また、ステップB37での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB40)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB41)。
ここで、ステップB35,B39,B41において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図1)を決定したメイン制御CPU60aは、所定の制御コマンドを設定する(ステップB36)。具体的には、メイン制御CPU60aは、決定した特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドや、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを設定する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
ここで、特図開始処理において設定された各制御コマンドは、前述した通常処理におけるコマンド入出力処理においてメイン制御CPU60aが演出制御基板65に対して出力すると共に、タイマ更新処理において特図変動パターンで特定された変動時間の計測をメイン制御CPU60aが開始し、これと同時に、メイン制御CPU60aが特図変動表示を開始させるように対応する特図表示部50A,50Bを制御する。そして、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、特別飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを演出制御基板65に出力する。
また、メイン制御CPU60aは、特図当り図柄が第1の変短状態を付与する特図当り図柄の場合には、フラグ設定処理において変短フラグを第1の変短状態を示す「1」に設定し、第2の変短状態を付与する特図当り図柄の場合には、変短フラグを第2の変短状態を示す「2」に設定する。この変短フラグは、変短状態(第1の変短状態または第2の変短状態)の終了条件が満たされることで、フラグ設定処理においてメイン制御CPU60aが変短フラグを「0」に設定するようになっている。すなわち、遊技状態特定情報としての変短フラグを参照することでメイン制御CPU60aが遊技状態を特定し得るようになっている。実施例では、変短状態の終了条件は、特図当りに当選した際に決定された変短状態の付与期間(変短回数)の図柄変動演出(特図変動表示)を実行することで成立するようになっており、メイン制御CPU60aが当り遊技を開始するタイミングまたは変短回数の次の図柄変動演出(特図変動表示)が行われる前に変短フラグを「0」に設定する。
すなわち、遊技状態特定情報(変短フラグの値)を参照することで、第1入賞率向上状態(第1の変短状態)が付与された遊技状態か、第2入賞率向上状態(第2の変短状態)が付与された遊技状態か、第1入賞率向上状態(第1の変短状態)および第2入賞率向上状態(第2の変短状態)が付与されていない通常遊技状態かをメイン制御CPU60aが特定し得るようになっている。このように、メイン制御CPU60aは、複数の遊技状態を特定可能な遊技状態判定手段として機能するよう構成されている。また、変短状態の付与期間の経過に伴い変短状態の終了条件を満たした場合には、コマンド入出力処理においてメイン制御CPU60aが変短終了コマンドを演出制御基板65に出力するようになっている。また、前記小当り遊技中において、前記特別入賞部40に設けられた特定領域36に入球しなかった場合(小当り遊技に引き続いて大当り遊技が付与されないことが決定された場合)には、コマンド入出力処理においてメイン制御CPU60aは変短解除コマンドを演出制御基板65に出力するようになっている。
(ゲート部34への入賞に伴う制御処理について)
また、メイン制御CPU60aが実行する通常処理では、ゲート部34への入賞に関する普図入力処理や、普図当り判定に関する普図開始処理を実行するようになっている。以下、普図入力処理および普図開始処理について具体的に説明する。
(普図入力処理について)
普図入力処理では、図14に示すように、ゲート部34にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップF11)。すなわち、ステップF11においてメイン制御CPU60aは、ゲート部34に対応するゲートセンサ76がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップF11の判定結果が否定の場合には、普図入力処理を終了する。ステップF11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている普図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップF12)。ステップF12の判定結果が否定(すなわち普図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、普図入力処理を終了する。
ステップF12の判定結果が肯定(普図始動保留情報の保留数<4)の場合には、普図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する普図始動保留情報を書き換える(ステップF13)。続いて、メイン制御RAM60cから普図当り判定用乱数の値、普図決定用乱数の値、普図演出実行判定用乱数の値、普図変動パターン決定用乱数の値をメイン制御CPU60aが読み出して、当該乱数の値を普図始動保留情報の保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップF14)。これにより、普図入力処理が終了する。
(普図開始処理について)
次に、普図開始処理について、図15に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、普図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。普図開始処理では、メイン制御CPU60aは、普図表示部55において普図が変動表示中であるか、または普図当り中であるか否かを判定する(ステップG11)。そして、ステップG11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、普図開始処理を終了する。一方、ステップG11の判定結果が否定の場合には、普図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップG12)、普図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップG13)。ステップG13の判定結果が否定の場合には(普図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、普図開始処理を終了する。またメイン制御CPU60aは、ステップG13の判定結果が肯定の場合には(普図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される普図変動処理フラグに普図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが普図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップG14)、当該普図始動保留情報の保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている普図当り判定用乱数の値、普図決定用乱数の値、普図演出実行判定用乱数の値、普図変動パターン決定用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得する(ステップG15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した普図始動保留情報が記憶される第1普図記憶領域から乱数を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、普図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した普図始動保留情報が記憶されている第2普図記憶領域の情報(乱数)を、前記第1普図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した普図始動保留情報が記憶されている第3普図記憶領域の情報(乱数)を前記第2普図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)普図始動保留情報が記憶されている第4普図記憶領域の情報(乱数)を前記第3普図記憶領域に記憶させる。すなわち、普図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の普図始動保留情報の保留数に対応するように普図保留表示部56の表示を変更させる。
前記ステップG15の処理により各種乱数が取得されると、メイン制御CPU60aは、取得した普図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている普図当り判定値と一致するか否かを判定する普図当り判定(当り抽選)を行う(ステップG16)。ここで、前述したように、第1または第2の変短状態が付与されていない遊技状態の時(非変短状態の時)に普図当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち普図当り確率)は、16384/65536に設定され、第1または第2の変短状態が付与された遊技状態の時に判定結果が肯定となる確率(普図当り確率)は、65535/65536に設定されている。すなわち、メイン制御CPU60aは、変短フラグにより特定される遊技状態に基づいて普図当り判定を行うことで、開放作動を許容するか否かを決定している。
次いで、メイン制御CPU60aは、普図当りに伴う普通開閉部材111の開閉条件(第1〜第5開放パターンP1〜P5および普図変動パターン)を決定すると共に、普図当りフラグに各開閉条件に応じた普図当りの変動であることを示す値を設定する(ステップG17,G18)。すなわち、ステップG17,G18では、普通開閉部材111の開閉条件として、取得した普図決定用乱数の値に基づいて、普図表示部55に確定停止表示される普図当り図柄1〜普図当り図柄4をメイン制御CPU60aが決定する。そして、メイン制御CPU60aは、変短フラグにより特定される遊技状態に基づいて、決定した普図当り図柄1〜普図当り図柄4に対応する第1〜第5開放パターンP1〜P5を決定する。すなわち、変短フラグが「0」の場合(非変短状態)には、普図当り図柄1〜普図当り図柄4を決定することで第1開放パターンP1を決定して普図当りの変動であることを示す普図当りフラグに「1」を設定する。また、変短フラグが「1」の場合(第1の変短状態の場合)には、普図当り図柄1、普図当り図柄3および普図当り図柄4を決定することで第2開放パターンP2を決定して普図当りの変動であることを示す普図当りフラグに「2」を設定すると共に、普図当り図柄2を決定することで第3開放パターンP3を決定して普図当りの変動であることを示す普図当りフラグに「3」を設定する。更に、変短フラグが「2」の場合(第2の変短状態の場合)には、普図当り図柄1を決定することで第4開放パターンP4を決定して普図当りの変動であることを示す普図当りフラグに「4」を設定し、普図当り図柄2または普図当り図柄4を決定することで第3開放パターンP3を決定して普図当りの変動であることを示す普図当りフラグに「3」を設定し、普図当り図柄3を決定することで第5開放パターンP5を決定して普図当りの変動であることを示す普図当りフラグに「5」を設定する。
また、ステップG17では、普通開閉部材111の開閉条件として、取得した普図変動パターン決定用乱数の値に基づいて、普図表示部55で行われる普図変動の変動時間をメイン制御CPU60aが決定する。ここで、普図変動パターンに対する普図変動パターン決定用判定値の割当て数は、普図当り判定が行われる際の遊技状態に応じて設定されていることから、メイン制御CPU60aは、変短フラグにより特定される遊技状態に基づいて普図変動パターンを決定する。すなわち、変短フラグが「0」の場合(非変短状態の場合)には第1の普図変動パターンを決定し、変短フラグが「1」の場合(第1の変短状態の場合)には普図変動パターン決定用乱数に基づいて第2または第3の普図変動パターンを決定し、変短フラグが「2」の場合(第2の変短状態の場合)には普図変動パターン決定用乱数に基づいて第3、第4または第5の普図変動パターンを決定する。
また、ステップG16での普図当り判定の判定結果が否定の場合には(普図当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップG19)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップG15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した普図演出実行判定用乱数の値が、普図演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップG19の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、普図表示部55にて確定停止表示される普図はずれを示す普図を最終停止図柄として決定すると共に、普図表示部55で実行する普図変動の変動時間を決定する(ステップG20)。また、ステップG19での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、普図表示部55にて確定停止表示される普図はずれを示す普図を最終停止図柄として決定すると共に、普図表示部55で実行する普図変動の変動時間を決定する(ステップG21)。なお、普図はずれの場合における普図変動パターンの決定は、前述した普図当りにおける普図変動パターンの決定と同じであるため、詳細な説明は省略する。そして、ステップG17,G20,G21において普図変動パターンおよび最終停止図柄が決定されると、所定の制御コマンドを設定する(G22)。具体的には、メイン制御CPU60aは、決定した普図変動パターンを指定すると共に普図変動の開始を指示する普図変動パターン指定コマンドや、開放パターンP1〜P5を指示するための開放パターン指定コマンドを設定する。そして、メイン制御CPU60aは、普図開始処理を終了する。
ここで、普図開始処理において設定された各制御コマンドは、前述した通常処理におけるコマンド入出力処理においてメイン制御CPU60aが演出制御基板65に対して出力すると共に、タイマ更新処理において普図変動パターンで特定された普図変動時間の計測をメイン制御CPU60aが開始し、これと同時に、メイン制御CPU60aが普図変動表示を開始させるよう普図表示部55を制御する。そして、メイン制御CPU60aは、前記指定した普図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、普図変動の停止を指示し、普図を確定停止表示させるための普図停止コマンドを演出制御基板65に出力する。そして、普図表示部55に普図当り図柄を表示した後に、普図開始処理とは別の処理で、前記普図当りフラグで特定される開放パターンP1〜P5で普通開閉部材111を開放作動するようメイン制御CPU60aが第1ソレノイド112を駆動制御すると共に、所定の振分動作パターンで振分部材121を第1振分位置および第2振分位置に変位するよう第2ソレノイド122を駆動制御して、始動開閉部材135,136の開放作動を許容するようになっている。
(演出制御基板について)
前記演出制御基板65には、演出制御CPU65aが備えられている。該演出制御CPU65aには、図4に示す如く、演出制御ROM65bおよび演出制御RAM65cが接続されている。また、演出制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
ここで、前記演出制御ROM65bには、図柄変動演出において実行する図柄変動演出の具体的な演出内容を特定する演出パターンが記憶されている。演出パターンとしては、前記特図変動表示に関わる図柄変動演出の特図演出パターンと、前記普図変動表示に関わる図柄変動演出の普図演出パターンとが設定されている。各特図演出パターンは前記特図変動パターンに対応付けられており、メイン制御CPU60aにより決定された特図変動パターンに基づいて対応する特図演出パターンを演出制御CPU65aが決定するようになっている。なお、前記特図演出パターンは、前記特図変動パターンに対して一対一の関係で対応付けられたものではなく、1つの特図変動パターンに対して複数の特図演出パターンが対応付けられており、特図変動パターンに対応付けられた特図演出パターンの中から1つの特図演出パターンを演出制御CPU65aが決定するようになっている。また、特図演出パターンには、図柄変動演出において各図柄列の特別飾図の停止タイミングが定められており、該特図演出パターンで定められる停止タイミングに従って各列に特別飾図が停止されると共に、該特別飾図の停止に合わせてスピーカ19から適宜の効果音が出力されたり、発光装置18が適宜の発光を行ったりするようになっている。
また、各普図演出パターンは前記普図変動パターンに対応付けられており、メイン制御CPU60aにより決定された普図変動パターンに基づいて対応する普図演出パターンを演出制御CPU65aが決定するようになっている。なお、前記普図演出パターンは、前記普図変動パターンに対して一対一の関係で対応付けられたものではなく、1つの普図変動パターンに対して複数の普図演出パターンが対応付けられており、普図変動パターンに対応付けられた普図演出パターンの中から1つの普図演出パターンを演出制御CPU65aが決定するようになっている。また、普図演出パターンには、図柄変動演出において各図柄列の普通飾図の停止タイミングが定められており、該普図演出パターンで定められる停止タイミングに従って各列に普通飾図が停止されると共に、該普通飾図の停止に合わせてスピーカ19から適宜の効果音が出力されたり、発光装置18が適宜の発光を行ったりするようになっている。すなわち、演出制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aが取得した入賞情報(乱数値)に基づいて、前記表示装置17で行わせる図柄変動演出(特別飾図を変動させる演出および普通飾図を変動させる演出)の演出内容を決定する演出内容決定手段として機能するよう構成されている。実施例では、前記ゲート部34への入賞を契機として普通飾図を変動させることが第1の図柄変動であり、前記可変始動部131,132への入賞を契機として表示装置17で特別飾図を変動させることが第2の図柄変動であり、第1および第2の図柄変動は、前記表示装置17の第1表示領域S1および第2表示領域S2の何れかで表示されるようになっている。
また、演出制御ROM65bには、発光制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
(演出制御基板での処理について)
次に、演出制御基板65の演出制御CPU65aが制御プログラムに基づき実行する処理について説明する。演出制御CPU65aは、パチンコ機10への電源投入に伴いセキュリティーチェック等の初期設定処理を実行した後に、パチンコ機10での遊技が可能な状態に移行する。この状態では、通常処理を所定の制御周期(4ms毎)に実行するようになっている。ここで、演出制御CPU65aが実行する通常処理では、演出制御用の各種乱数を更新する乱数更新処理や、時間を計測するタイマ更新処理や、各種のコマンドを入出力するコマンド入出力処理や、図柄変動時の演出実行に関する処理、フラグの設定処理、当り遊技時の演出実行に関する処理等を実行する。
すなわち、演出制御基板65の演出制御CPU65aは、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)から入力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する特図演出パターンを決定し、決定した特図演出パターンを指定する特図演出パターン指定コマンドを表示制御基板70や発光制御基板72、音制御基板73等に出力する。演出制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて表示装置17に最終停止表示させる各図柄列の特別飾図を決定する。すなわち、演出制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が特図当り図柄の場合には、特図当り表示となる特別飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列の特別飾図が決定される。このように、演出制御CPU65aは、決定された特図変動パターンに基づいた図柄変動演出を実行させる演出実行制御手段として機能する。
また、メイン制御CPU60aから出力される特図1指定コマンドおよび特図2指定コマンドに基づいて、変短情報フラグを演出制御CPU65aが設定するようになっている。具体的には、特図1指定または特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、小当り遊技後に第1大当り遊技が付与された場合に第1の変短状態を付与する特図当り図柄に対応する場合に変短状態を示す変短情報フラグを「1」に設定し、小当り遊技後に第2大当り遊技が付与された場合に第2の変短状態を付与する特図当り図柄に対応する場合に変短状態を示す変短情報フラグを「2」に設定し、変短状態を付与しない特図当り図柄に対応する場合に変短情報フラグを「0」に設定する。また、メイン制御基板60から出力される変短終了コマンドに基づいて変短情報フラグを「0」に設定する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、演出制御CPU65aが遊技状態を特定し得るよう構成されている。なお、演出制御CPU65aは、小当り遊技後に第1および第2大当り遊技が付与されないことが決定された場合にメイン制御基板60から出力される変短解除コマンドに基づいて変短情報フラグを「0」に設定する。
そして、前記特図演出パターンで特定される各図柄列の特別飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを表示制御基板70や発光制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、演出制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄列の特別飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄列の特別飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄列の特別飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
また、前記演出制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、演出制御CPU65aは、はずれリーチ演出用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。一方、演出制御CPU65aは、はずれ演出用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、演出制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板70や発光制御基板72、音制御基板73等に出力する。
また、演出制御基板65の演出制御CPU65aは、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)から入力された普図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する普図演出パターンを決定し、決定した普図演出パターンを指定する普図演出パターン指定コマンドを表示制御基板70や発光制御基板72、音制御基板73等に出力する。演出制御CPU65aは、普図指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する普図の停止図柄指定に応じて表示装置17に最終停止表示させる各図柄列の普通飾図を決定する。すなわち、演出制御CPU65aは、普図指定コマンドで指定された図柄が普図当り図柄の場合には、普図当り表示となる普図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列の普通飾図が決定される。このように、演出制御CPU65aは、決定された普図変動パターンに基づいた図柄変動演出を実行させる演出実行制御手段として機能する。
そして、前記普図演出パターンで特定される各図柄列の普通飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを表示制御基板70や発光制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、演出制御CPU65aは、普図変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄列の普通飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄列の普通飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄列の普通飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
また、前記演出制御CPU65aは、普図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、演出制御CPU65aは、はずれリーチ演出用の普図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。一方、演出制御CPU65aは、はずれ演出用の普図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、演出制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板70や発光制御基板72、音制御基板73等に出力する。
また、前記演出制御CPU65aは、通常遊技状態では特図変動表示に関わる図柄変動演出(第2の図柄変動)より普図変動表示に関わる図柄変動演出(第1の図柄変動)を大きく表示すると共に、前記変短状態(第1および第2の変短状態)では普図変動表示に関わる図柄変動演出(第1の図柄変動)より特図変動表示に関わる図柄変動演出(第2の図柄変動)を大きく表示するように前記表示装置17を表示制御基板70を介して制御するよう構成される。具体的に、表示装置17は、通常遊技状態では特図変動表示に関わる図柄変動演出(第2の図柄変動)を第2表示領域S2に表示すると共に普図変動表示に関わる図柄変動演出(第1の図柄変動)を第1表示領域S1に表示し、前記変短状態(第1および第2の変短状態)では普図変動表示に関わる図柄変動演出(第1の図柄変動)を第2表示領域S2に表示すると共に特図変動表示に関わる図柄変動演出(第2の図柄変動)を第1表示領域S1に表示するようになっている。
(表示制御基板70について)
表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
このように、メイン制御CPU60aや演出制御CPU65aは、制御プログラムに基づいて制御処理を実行することで、各種の機能を発揮するようになっている。すなわち、可変始動部131,132への入賞を契機(何れかの可変始動検出手段による検出を契機)として入賞情報を取得する入賞情報取得手段、入賞情報取得手段による入賞情報の取得を契機として当りか否か(小当り遊技を生起するか否か)を判定する当り判定手段、当り判定手段の判定結果が肯定の場合に、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技を決定する当り遊技決定手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。実施例では、可変始動部131,132にパチンコ球が入賞(可変始動検出センサ77,78がパチンコ球を検出)することが当り判定条成の成立として設定されて、該当り判定条件の成立に伴って当り判定手段としてのメイン制御CPU60aが第1の当り遊技としての小当り遊技を生起させるかを判定するようになっている。またメイン制御CPU60aは、決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出の終了後)に付与する当り遊技付与手段としての機能を備えている。メイン制御CPU60aは、前記入賞情報取得手段が取得した入賞情報に基づいて、前記表示手段で行わせる図柄変動演出の変動時間を特定する変動パターンを複数から決定する変動パターン決定手段としての機能を備えている。
更に、前記メイン制御CPU60aは、前記当り判定が当りの判定結果となることを契機として、前記可変始動部131,132にパチンコ球が入賞する確率が通常遊技状態より高確率となる入賞率向上状態としての変短状態を付与するか否かを決定する入賞率向上状態決定手段として機能している。そして、メイン制御CPU60aは、入賞率向上状態を付与する場合に、入賞率向上状態を付与する期間を決定する付与期間決定手段として機能すると共に、第2の当り遊技としての大当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する入賞率向上状態付与手段としても機能している。また、実施例では、入賞率向上状態として第1入賞率向上状態(第1の変短状態)および第2入賞率向上状態(第2の変短状態)が設定されており、メイン制御CPU60aが、前記当り判定が当りの判定結果となることを契機として、可変始動部131,132へのパチンコ球の入賞が容易な第1入賞率向上状態を大当り遊技の後に付与する第1入賞率向上状態付与手段として機能すると共に、当り判定が当りの判定結果となることを契機として、可変始動部131,132へのパチンコ球の入賞が容易な第2入賞率向上状態を前記大当り遊技の後に付与する第2入賞率向上状態付与手段として機能するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、所定の遊技状態特定情報を参照することで遊技状態を特定する遊技状態判定手段として機能する。なお、遊技状態特定情報としては、変短状態の付与状況を特定する情報を設定することができ、特定情報の組み合わせにより複数の遊技状態を特定可能である。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、前記当り判定手段が当りの判定結果となることを契機として当り遊技を含む付与特典を決定する付与特典決定手段として機能する。
実施例のメイン制御CPU60aは、前記遊技領域21を流下するパチンコ球が特定入賞部としてのゲート部34に入賞することを契機として開放作動を許容する開放判定手段として機能しており、当該開放判定手段が開放作動を許容する判定結果となることを契機に始動開閉部材135,136が開放作動することで可変始動口102,103に入賞可能になるよう構成されている。更に、メイン制御CPU60aは、開放作動を許容する判定結果となることを契機として作動入球部110を開放作動する許容態様(開放パターン)を決定するよう構成されており、開放作動を許容する判定結果となることを契機として第1の許容態様および第2の許容態様で作動する態様決定手段としてメイン制御CPU60aが機能するようになっている。
また、前記メイン制御RAM60cは、第1可変始動部131へのパチンコ球の入賞を契機として入賞毎に取得した情報および前記第2可変始動部132へのパチンコ球の入賞を契機として入賞毎に取得した情報の夫々を特図始動保留情報として個別に複数記憶可能な記憶手段として機能する。具体的に、メイン制御RAM60cは、表示手段(表示装置17や第1特図表示部50A)において変動表示が行われている間に第1可変始動部131(第1可変始動検出センサ77)への入賞を契機として取得される入賞情報を第1特図始動保留情報として記憶する記憶手段として機能し、表示手段(表示装置17や第2特図表示部50B)において変動表示が行われている間に第2可変始動部132(第2可変始動検出センサ78)への入賞を契機として取得される入賞情報を第2特図始動保留情報として記憶する記憶手段として機能する。また、前記メイン制御RAM60cは、ゲート部34へのパチンコ球の入賞を契機として入賞毎に取得した情報を普図始動保留情報として複数記憶可能な記憶手段として機能する。具体的に、メイン制御RAM60cは、表示手段(表示装置17や普図表示部55)において変動表示が行われている間にゲート部34(ゲートセンサ76)への入賞を契機として取得される入賞情報を普図始動保留情報として記憶する記憶手段として機能する。また、演出制御CPU65aは、前記表示手段等の演出実行手段で行わせる演出内容を決定する演出決定手段としての機能を有すると共に、決定した演出を実行させる演出実行制御手段として機能している。
(実施例の作用)
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用について説明する。
変短状態(第1または第2の変短状態)が付与されていない通常遊技状態では、前記遊技盤20の遊技領域21(第1球流下領域21aまたは第2球流下領域21b)に打ち出されたパチンコ球がゲート部34に入賞することを契機として記憶された普図始動保留情報に基づいて普図当り判定(開放判定)が行われ、当該普図当り判定が普図当りの判定結果となることで、普図当り図柄1〜4の何れかがメイン制御CPU60aにより決定される。また、通常遊技状態では、ゲート部34への入賞を契機として普図表示部55で実行される普図変動表示に関連して普通飾図を変動する図柄変動演出は、前記表示装置17の第1表示領域S1で実行される。この第1表示領域S1は、表示装置17における表示部17aの大部分を占めているので、遊技者は遊技状態が通常遊技状態であることを認識して遊技を行うことができる。
図16に示すように、通常遊技状態では、普図当り図柄1〜4の何れが決定された場合においても第1開放パターンP1が決定されて、普図変動表示が確定停止した後に、当該第1開放パターンP1に基づいて作動入球部110の普通開閉部材111が開放作動される。そして、第1開放パターンP1に基づいて作動入球部110の普通開閉部材111が開放作動される際にパチンコ球が作動口101に入球することで、前記通路振分部120の振分部材121により第1分岐通路115に振り分けられたパチンコ球が接触するのに伴い第1可変始動部131の第1作動部材138を作動して第1始動開閉部材135を開放作動する。
そして、通常遊技状態において、前記開放作動した第1可変始動部131の第1可変始動口102にパチンコ球が入賞することを契機として記憶された第1特図始動保留情報に基づいて特図当り判定が行われる。前述したように、第1可変始動口102に入賞した場合に実行される特図当り判定では、1/10の確率で小当りに当選する。そして、当該特図当り判定が特図当りの判定結果となることで、特図当り図柄Aがメイン制御CPU60aにより決定され、小当り遊技が付与される。また、小当りに当選すると、前記メイン制御CPU60aが前記特定有効時間を設定すると共に前記特別入賞ソレノイド42を駆動制御することで、前記特別入賞部40の特別開閉部材43が予め設定された開放態様で開閉動作を行う小当り遊技が実行される。この小当り遊技において、前記特定有効時間が経過するまでに前記特定領域入球検出センサ37がパチンコ球を検出しない場合、メイン制御CPU60aは、小当り遊技を終了する。すなわち、小当り遊技に引き続いて第1大当り遊技は付与されない。
ここで、実施例のパチンコ機10では、前記特別入賞口41の上側に、特別開閉部材43の閉鎖位置において複数のパチンコ球を球滞留手段38によって滞留させて、特別開閉部材43の開放位置への移動(開放作動)によって滞留されている複数のパチンコ球が特別入賞口41に入賞するよう構成されている。具体的には、特別開閉部材43の閉鎖位置において遊技領域21を流下するパチンコ球が球滞留手段38によって滞留され、特別開閉部材43の開放作動によって滞留されている複数のパチンコ球が特別入賞口41に入賞する。そして、特別開閉部材43の閉成作動によって再び球滞留手段38によるパチンコ球の滞留が可能な状態で特別入賞口41の上流側に複数のパチンコ球が滞留し、特別開閉部材43の開放作動によって再び滞留されている複数のパチンコ球が特別入賞口41に入賞する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、小当り遊技において特別開閉部材43が3回の短時間開放動作を繰り返すので、球滞留手段38によって滞留された複数のパチンコ球が特別入賞口41に入賞することが3回繰り返される。従って、小当り遊技において特別開閉部材43が短時間開放動作する場合であっても、前記特定領域36にパチンコ球が入球する確率は極めて高く、特定有効時間が経過するまでに前記特定領域入球検出センサ37がパチンコ球を検出しない事態が発生することは極めて少ない。言い換えると、前記特定有効時間が経過するまでには前記特定領域入球検出センサ37がパチンコ球を検出し、前記メイン制御CPU60aは、小当り遊技後に第1大当り遊技を付与することを決定する。すなわち、小当り遊技後には前記特別入賞部40の特別開閉部材43が、付与される第1大当り遊技で特定される開放パターンで開放することで、遊技者は多くの賞球が獲得可能となる。また、第1大当り遊技が付与された場合、当該第1大当り遊技の終了後には15回の第1の変短状態が付与される。
図16に示すように、第1の変短状態が付与された遊技状態では、前記遊技盤20の遊技領域21(第1球流下領域21aまたは第2球流下領域21b)に打ち出されたパチンコ球がゲート部34に入球することを契機として記憶された普図始動保留情報に基づいて普図当り判定(開放判定)が行われ、当該普図当り判定が普図当りの判定結果となることで、普図当り図柄1〜4の何れかがメイン制御CPU60aにより決定される。第1の変短状態では、普図当り図柄1,3,4の何れかが決定された場合には第2開放パターンP2が決定されて、普図変動表示が確定停止した後に、当該第2開放パターンP2に基づいて作動入球部110の普通開閉部材111が開放作動される。そして、第2開放パターンP2に基づいて作動入球部110の普通開閉部材111が開放作動される際にパチンコ球が作動口101に入球することで、前記通路振分部120の振分部材121により第1分岐通路115に振り分けられたパチンコ球が接触するのに伴い第1可変始動部131の第1作動部材138を作動して第1始動開閉部材135を開放作動する。一方で、普図当り図柄2が決定された場合には第3開放パターンP3が決定されて、普図変動表示が確定停止した後に、当該第3開放パターンP3に基づいて作動入球部110の普通開閉部材111が開放作動される。そして、第3開放パターンP3に基づいて作動入球部110の普通開閉部材111が開放作動される際にパチンコ球が作動口101に入球することで、前記通路振分部120の振分部材121により第2分岐通路116に振り分けられたパチンコ球が接触するのに伴い第2可変始動部132の第1作動部材138を作動して第2始動開閉部材136を開放作動する。
そして、第1の変短状態においては、前記開放作動した第1可変始動部131の第1可変始動口102にパチンコ球が入賞することを契機として記憶された第1特図始動保留情報に基づいて特図当り判定が行われ、当該特図当り判定が特図当りの判定結果となることで、特図当り図柄Aがメイン制御CPU60aにより決定される。すなわち、通常遊技状態において特図当り判定が当りの場合と同様に、特図当り図柄Aが決定されることで、小当り遊技が付与され、当該小当り遊技中における前記特定領域36へのパチンコ球の入球を条件として第1大当り遊技が引き続いて付与される。
また、第1の変短状態においては、前記開放作動した第2可変始動部132の第2可変始動口103にパチンコ球が入賞することを契機として記憶された第2特図始動保留情報に基いて特図当り判定が行われる。前述したように、第2可変始動口103に入賞した場合に実行される特図当り判定では、1/5の確率で小当りに当選する。そして、当該特図当り判定が特図当りの判定結果となることで、特図当り図柄aがメイン制御CPU60aにより決定され、小当り遊技が付与される。前述したと同様に、この小当り遊技中において前記特定領域36にパチンコ球が入球した場合は、第2大当り遊技が小当り遊技に引き続いて付与される。また、第2大当り遊技が付与された場合、当該第2大当り遊技の終了後には15回の第2の変短状態が付与される。また、第1の変短状態では、第1および第2可変始動口102,103への入賞を契機として特図表示部50A,50Bで実行される特図変動表示に関連して特別飾図を変動する図柄変動演出は、前記表示装置17の第1表示領域S1で実行される。この第1表示領域S1は、表示装置17における表示部17aの大部分を占めているので、遊技者は遊技状態が変短状態であることを認識して遊技を行うことができる。なお、第1の変短状態において、前記ゲート部34への入賞を契機として普図表示部55で実行される普図変動表示に関連して普通飾図を変動する図柄変動演出は、前記表示装置17の第2表示領域S2で実行される。
図16に示すように、第2の変短状態が付与された遊技状態では、前記遊技盤20の遊技領域21(第1球流下領域21aまたは第2球流下領域21b)に打ち出されたパチンコ球がゲート部34に入球することを契機として記憶された普図始動保留情報に基づいて普図当り判定(開放判定)が行われ、当該普図当り判定が普図当りの判定結果となることで、普図当り図柄1〜4の何れかがメイン制御CPU60aにより決定される。第2の変短状態では、普図当り図柄1が決定された場合には第4開放パターンP4が決定されて、普図変動表示が確定停止した後に、当該第4開放パターンP4に基づいて作動入球部110の普通開閉部材111が開放作動される。また、第2の変短状態では、普図当り図柄2,4が決定された場合には第3開放パターンP3が決定されて、普図変動表示が確定停止した後に、当該第3開放パターンP3に基づいて作動入球部110の普通開閉部材111が開放作動される。更に、第2の変短状態では、普図当り図柄3が決定された場合には第5開放パターンP5が決定されて、普図変動表示が確定停止した後に、当該第5開放パターンP5に基づいて作動入球部110の普通開閉部材111が開放作動される。そして、第3〜第5開放パターンP2〜P5に基づいて作動入球部110の普通開閉部材111が開放作動される際にパチンコ球が作動口101に入球することで、前記通路振分部120の振分部材121により第2分岐通路116に振り分けられたパチンコ球が接触するのに伴い第2可変始動部132の第1作動部材138を作動して第2始動開閉部材136を開放作動する。
また、第2の変短状態においては、前記開放作動した第2可変始動部132の第2可変始動口103にパチンコ球が入賞することを契機として記憶された第2特図始動保留情報に基いて特図当り判定が行われ、当該特図当り判定が特図当りの判定結果となることで、特図当り図柄aがメイン制御CPU60aにより決定される。すなわち前述と同様に、特図当り図柄aが決定された場合には、小当り遊技が付与され、当該小当り遊技中における前記特定領域36へのパチンコ球の入球を条件として第2大当り遊技が小当り遊技に引き続いて付与される。また、第2の変短状態においても、第1の変短状態の場合と同様に、第2可変始動口103への入賞を契機として第2特図表示部50Bで実行される特図変動表示に関連して特別飾図を変動する図柄変動演出が表示装置17の第1表示領域S1で実行されると共に、ゲート部34への入賞を契機として普図表示部55で実行される普図変動表示に関連して普通飾図を変動する図柄変動演出は表示装置17の第2表示領域S2で実行され、遊技者は遊技状態が変短状態であることを認識し得る。
すなわち、第1の変短状態は、パチンコ球がゲート部34に入賞することを契機として普通開閉部材111が開放作動されることでパチンコ球の入賞が容易になると共に、当該普通開閉部材111の開放作動に伴って第1可変始動部131または第2可変始動部132の開放作動が許容され、付与特典の高い第2特図始動保留情報に基いた特図当り判定が行われ得ることから、通常遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となっている。また、第2の変短状態は、パチンコ球がゲート部34に入賞することを契機として普通開閉部材111が開放作動されることでパチンコ球の入賞が容易になると共に、当該普通開閉部材111の開放作動に伴って第2可変始動部132のみの開放作動が許容され、付与特典の高い第2特図始動保留情報に基いた特図当り判定が行われ得ることから、通常遊技状態および第1の変短状態よりも遊技者に有利な遊技状態となっている。
従って、第1可変始動部131への入賞を契機として当り遊技が生起される場合は、当該当り遊技後に普図当り判定に当選することで第1可変始動部131または第2可変始動部132が開放されるのに対し、第2可変始動部132への入賞を契機として当り遊技が生起される場合は、当該当り遊技後に普図当り判定に当選することで第2可変始動部132が開放される。このように、特図当り判定が行われる契機となる可変始動部131,132の種類によって、大当り遊技後の変短状態で開放され得る可変始動部131,132が変化することで、遊技性を変化させて遊技の興趣を高めることが可能となる。
このように、前記メイン制御CPU60aが遊技状態特定情報(具体的には変短フラグ)に基づいて特定する遊技状態(第1の変短状態または第2の変短状態)に応じて、ゲート部34への入賞に伴って作動入球部110の開放作動を許容する判定結果(普図当りの判定結果)となることを契機として可変始動部131,132の始動開閉部材135,136が開放作動する割合を、当該普図当り判定が行われた際の遊技状態(第1の変短状態であるか第2の変短状態であるか)によって異なるようにすることで、遊技状態によって可変始動部131,132の開放作動を変化させることができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。言い換えると、メイン制御CPU60aが変短フラグに基づいて特定する遊技状態(第1の変短状態または第2の変短状態)に応じて、普図当りの判定結果となることを契機として第1の許容態様(第2開放パターンP2)を決定する割合と、第2の許容態様(第3〜第5開放パターンP3〜P5)を決定する割合とを異ならせることで、遊技状態によって可変始動部131,132の開放作動を変化させて遊技の興趣を高めることが可能となり、また遊技状態の変化に対する関心を高めて遊技の興趣を向上することが可能となる。
具体的には、ゲート部34への入賞に伴って普図当りの判定結果となることを契機として、第1可変始動部131における第1始動開閉部材135の開放作動を許容する割合(作動口101に入球したパチンコ球を第1分岐通路115に振り分ける割合)と、第2可変始動部132における第2始動開閉部材136の開放作動を許容する割合(作動口101に入球したパチンコ球を第2分岐通路116に振り分ける割合)とを、当該普図当り判定が行われた際の遊技状態が第1の変短状態か第2の変短状態かによって異なるようにすることで、遊技状態によって遊技性の変化を顕著にすることができる。
また、実施例のパチンコ機10において、第1の許容態様(第2開放パターンP2)で普通開閉部材111が開放作動された場合に、パチンコ球が作動口101に実質的に入球可能な時間は、第2の作動口開放時間TA2に設定され、第2の許容態様(第3〜第5開放パターンP3〜P5)で普通開閉部材111が開放作動された場合に、パチンコ球が作動口101に実質的に入球可能な時間は、第5の作動口開放時間TA5、第9の作動口開放時間TA9、第11の作動口開放時間TA11に設定されている。すなわち、第1の許容態様(第2開放パターンP2)よりも第2の許容態様(第3〜第5開放パターンP3〜P5)で普通開閉部材111が開放作動された場合の方が、作動口101を開放する時間が長く、前記可変始動部131,132の第1作動部材138が作動する確率が高くなっており、普通開閉部材111の開放作動に対する関心を高めることができる。従って、第1の許容態様(第2開放パターンP2)で普通開閉部材111が開放作動され易い第1の変短状態と、第2の許容態様(第3〜第5開放パターンP3〜P5)で普通開閉部材111が開放作動され易い第2の変短状態とで、可変始動部131,132が開放作動される頻度を変化させて遊技の興趣を高めることが可能となると共に、遊技状態の変化に対する関心を高めて遊技の興趣を向上することが可能となる。
更に、前記第2の許容態様に伴う普通開閉部材111の開放作動は、前記第1の許容態様に伴う普通開閉部材111の開放作動よりも後に生起する。言い換えると、前記第2の許容態様により普通開閉部材111を開放作動する場合には、パチンコ球が作動口101に実質的に入球可能な時間が第1の許容態様により普通開閉部材111を開放作動する場合よりも後のタイミングで到来することで、普通開閉部材111の開放作動(すなわち可変始動部131,132の開放作動が許容された状態が到来すること)に対する遊技者の関心を長く惹き付けることができる。
また、通常遊技状態、第1の変短状態、第2の変短状態に変化するのに伴い、普図当りの判定結果となることを契機として可変始動部131,132の始動開閉部材135,136の開放作動が許容される割合が高くなるようにすることで、遊技状態によって可変始動部の開放作動を変化させて遊技の興趣を高めることが可能となると共に、遊技状態の変化に対する関心を高めて遊技の興趣を向上することが可能となる。
また、普図当りに際して、第1ソレノイド112の駆動により作動入球部110の普通開閉部材111が開放動作するのに伴って作動口101に入球したパチンコ球が、当該作動口101に連通する第1分岐通路115または第2分岐通路116を通過する過程で、各分岐通路115,116に対応する可変始動部131,132の第1作動部材138に接触することにより、当該可変始動部131,132の始動開閉部材135,136の開閉状態が閉鎖状態から開放状態に切り替わる。そして、第1始動開閉部材135や第2始動開閉部材136が開放位置にある状態では、開放した第1可変始動口102や第2可変始動口103にパチンコ球が入賞することで、当該始動開閉部材135,136を閉鎖動作することにより、作動入球部130や第1可変始動部131、第2可変始動部132に対する遊技者の関心を高めることができる。すなわち、前記第1始動開閉部材135や第2始動開閉部材136が閉鎖位置にある状態では、普図当りに伴って開放した作動口101にパチンコ球が入球した際に、当該作動口101に入球したパチンコ球が振り分けられる経路に応じて、第1始動開閉部材135や第2始動開閉部材136を開放動作させ得るから、第1ソレノイド112により作動される作動入球部110と、当該作動入球部110の開閉動作に関連して作動される可変始動部131,132とによって、遊技の興趣を高めることが可能となる。
そして、第1ソレノイド112により作動される普通開閉部材111により開閉される作動口101に入球した後のパチンコ球をそのまま排出するだけでなく、該パチンコ球により第1または第2可変始動部131,132における始動開閉部材135,136の開閉状態を切り替え得るようにすることで、作動入球部110および各可変始動部131,132に対する遊技者の関心を高められる。
また、実施例の複合入球部100では、複数の分岐通路(第1および第2分岐通路115,116)の夫々に、複数の可変始動部(第1および第2可変始動部131,132)の何れかの第1作動部材138を臨ませるよう構成したから、作動入球部110の作動に伴い作動口101に入球したパチンコ球により、少なくとも何れかの可変始動部131,132の始動開閉部材135,136を開放させることができる。また、作動口101に入球したパチンコ球が通過する分岐通路(第1および第2分岐通路115,116)に応じて作動する可変始動部131,132が変化し、作動口101に入球したパチンコ球に対する関心を高めることができる。作動口101にパチンコ球が入球した際に、当該パチンコ球により開放される可変始動口102,103(作動する可変始動部131,132)によって、付与される付与特典が異なることで、作動口101に入球したパチンコ球に対する関心をより一層高めることができる。
実施例のパチンコ機10では、大当り遊技が付与されるためには、可変始動部131,132への入賞を契機としたメイン制御CPU60aによる特図当り判定の結果のみでなく、特別入賞部40に設けた特定領域36への入球が必要となる新たな遊技性によって、他の遊技機との差別化を図ると共に遊技の興趣を向上することができる。このように、多くの賞球が獲得可能となる大当り遊技が付与されるまでには、内部的な抽選のみならず、特別開閉部材43の開放時間が短かい小当り遊技中に特定領域36にパチンコ球が入球する必要があるため、該パチンコ球の動きに対する注意を惹き付けることができるという新たな遊技性によって興趣を向上し得る。
また、実施例のパチンコ機10では、第1可変始動部131に入賞した場合における特図当り判定での小当り確率と、第2可変始動部132に入賞した場合における特図当り判定での小当り確率とを異なるようにすることで、実質的に大当り遊技が付与される確率が異なるようにしたので、何れの可変始動部131,132に入賞するのかに対する関心をより高めて遊技の興趣を向上し得る。更にいえば、ゲート部34への入賞を契機としてメイン制御CPU60aで行われる普図当りの判定が普図当りの判定結果となった場合に決定される普図当り図柄の種類、すなわち作動入球部110における普通開閉部材111の開放パターンの種類によって開放作動する始動開閉部材135,136が異なるので、普通開閉部材111の開放パターンに対する関心を高めて遊技の興趣を向上し得る。
また、実施例のパチンコ機10では、前記小当り遊技に伴う特別開閉部材43の開放作動によって球滞留手段38で滞留されている複数のパチンコ球が特別入賞口41に入賞するよう構成してある。従って、ゲート部34への入賞を契機とした普図当り判定の当選を経て開放した作動口101へ入賞させて開放した可変始動口102,103への入賞を契機とした特図当り判定に当選するという、複数の条件をクリアして小当り遊技が付与されたのにも関わらず、前記特別入賞部40に設けられた特定領域36にパチンコ球が入球することなく小当り遊技に引き続いて大当り遊技が付与されないという、所謂パンクが発生して遊技者を落胆させることはなく、遊技の興趣が低下するのを防ぐことができる。すなわち、小当り遊技が付与された場合には、極めて高い確率で大当り遊技が付与されるように構成されているので、小当り遊技に引き続いて大当り遊技が付与されることを期待して遊技を行うことができる。更に、小当り遊技を経て大当り遊技が付与された場合は、作動入賞部110の作動口101にパチンコ球が入賞する確率が通常遊技状態より高確率となる変短状態が付与されるので、より遊技の興趣を向上し得る。
また、通常遊技状態において前記表示装置17には、ゲート部34への入賞を契機として普通飾図を変動する図柄変動演出を第1表示領域S1に大きく表示する一方で、可変始動口102,103への入賞を契機として特別飾図を変動する図柄変動演出を第2表示領域S2に表示することで、遊技状態が通常遊技状態であることを遊技者に認識させることができる。また、変短状態(第1または第2の変短状態)において前記表示装置17には、ゲート部34への入賞を契機として普通飾図を変動する図柄変動演出を第2表示領域S2に表示する一方で、可変始動口102,103への入賞を契機として特別飾図を変動する図柄変動演出を第1表示領域S1に大きく表示することで、遊技状態が変短状態であることを遊技者に認識させることができる。
また、作動入球部110より下流側にゲート部34を配置したので、作動入球部110の作動口101に入球することなく流下したパチンコ球をゲート部34に入賞させることができる。このため、パチンコ球を打ち出す球流下領域21a,21bを変更することなくゲート部34にパチンコ球を入賞させつつ、普通開閉部材111の開放作動に伴って作動入球部110の作動口101にパチンコ球を入球させることができる。更に、第1および第2可変始動部131,132より下流側にゲート部34を配置してあるから、前記作動入球部110が開放する契機となるゲート部34にパチンコ球を入賞させる場合に、可変始動部131,132へパチンコ球が入賞(入球)することを回避することができない。このため、ゲート部34へのパチンコ球の入賞を契機として開放される作動入球部110への入球だけを狙った変則的な遊技が行われることを防止できる。すなわち、ゲート部34へのパチンコ球の入賞に伴って開放する作動入球部110にパチンコ球を入球させて、当該作動入球部110への入球による賞球獲得だけを狙った変則遊技を効果的に防止できる。また、ゲート部34は、前記第1球流下領域21aと第2球流下領域21bとの合流部に配置したので、両球流下領域21a,21bから到来する何れのパチンコ球もゲート部34に入賞可能であり、作動入賞部110の作動口101を開放させる機会を増やすことができ、興趣を向上し得る。
また、複合入球部100には、第1可変始動部131の上流側に第2可変始動部132を配置して、第1球流下領域21aを流下するパチンコ球が第1可変始動部131に至る前に第2可変始動部132の配設位置を通過するよう構成してある。すなわち、第1可変始動部131よりも優先して第2可変始動部132にパチンコ球が入賞し得るから、第1可変始動部131が開放した状態でも第2可変始動部132にパチンコ球を入賞させることが可能となるので、第2可変始動部132への入賞を契機とした特図当り判定に基づいて当り遊技を継続して生起することが可能となり、第2の変短状態に移行した後は第2の変短状態が継続すること(第2特図始動保留情報に基づく特図当りの発生すること)への期待感を高めることができる。言い換えると、第1可変始動部131が開放した状態で第2の変短状態に移行した場合でも、第2可変始動部132への入賞を契機とした特図当り判定を優先して実行させ得るようにすることができる。また、第2の変短状態から通常遊技状態に移行した場合でも、第2可変始動部132が開放して入賞可能な状態が維持されることで、第2可変始動部132への入賞を契機とした特図当り判定を優先して生起させ得るから、当該特図当り判定に伴って第2の変短状態が付与された遊技状態に復帰する期待感を持たせることができる。
また、実施例では、第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報の夫々がメイン制御RAM60cに記憶されている状態で、第1特図始動保留情報よりも第2特図始動保留情報に基づいて特図当り判定が優先して実行されるようにすることで、第2の変短状態が生起されること(第2の変短状態が継続すること)への期待感を高めることができる。特に、実施例のように第2特図始動保留情報に基づいて行われる特図当り判定が当りの判定結果となる割合(小当り遊技が付与される割合)が、第1特図始動保留情報に基づいて行われる特図当り判定が当りの判定結果となる割合(小当り遊技が付与される割合)よりも高くなるよう設定すると共に、小当り遊技が付与され易い第2可変始動部132を第1可変始動部131より上流側に配置し、当該第2可変始動部132へ入賞する機会を高めるようにすることで、遊技の興趣を向上し得る。
(変更例)
なお、遊技機としては、前述したものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 遊技領域に対して始動口を閉鎖する閉鎖位置および該始動口を開放する開放位置に変位可能な始動開閉部材を有する可変始動部を2つ備える構成を示したが、これに限られるものではなく、当該可変始動部を3つ以上備えるようにしてもよい。
(2) 電動式駆動手段の駆動に伴い開放した作動口に入球した遊技球との接触に伴い作動位置に変位された始動条件契機手段としての作動部材が、可変始動部の始動開閉部材を開放させるよう構成したが、作動位置に変位された作動部材が可変始動部の開閉部材を閉鎖するよう構成することも可能である。
(3) 実施例では、作動口に連通した球通路を2つの分岐通路に分岐させたが、3つ以上に分岐させてもよい。また、実施例では、分岐通路の夫々に、可変始動部の作動部材(第1作動部材)が臨んで、各分岐通路を通過する遊技球との接触により作動されるよう構成したが、少なくとも1つの分岐通路に可変始動部の作動部材(始動条件契機手段)を臨ませるようにすることも可能である。
(4) 実施例では、作動口に入球した遊技球を何れかの分岐通路に振り分ける振分手段として、電動式駆動手段の駆動により振分部材が作動する通路振分部を設けたが、これに限られるものではなく、球転動部を転動する遊技球の勢いや転動方向により自然に何れかの分岐通路に振り分けられる構成を採用することもできる。例えば、すり鉢状に形成した球転動部の底面に複数の通孔を形成した所謂クルーンとも称される球転動部を振分手段として採用したり、一定方向に延在すると共に延在方向に離間する複数箇所に球排出部を設けた所謂ステージ状の球転動部を振分手段として採用することも可能であり、その他遊技球の流下方向を複数に振分可能な従来公知の振分手段を採用可能である。
(5) 遊技領域に対して作動口を閉鎖する閉鎖位置および該作動口を開放する開放位置に変位可能な普通開閉部材を有する作動入球部を1つ備える構成を示したが、これに限られるものではなく、当該作動入球部を2つ以上備えるようにしてもよい。作動入球部を複数設ける場合に、開放作動を許容する開放判定を行う契機となる特定入賞部(ゲート部)を各作動入球部毎に設けることができる。例えば、第1作動入球部に対応する第1ゲート部を設けると共に、第2作動入球部に対応する第2ゲート部を設けることができる。
(6) 実施例では、複数の可変入球部(第1および第2可変始動部)に遊技球が入球することを契機として当り(特図当り)となる場合に付与され得る付与特典(具体的には当り遊技後に付与される特典状態)を異ならせたが、同じ付与特典を付与することも可能である。
(7) 実施例では、作動入球部および可変始動部を備えたユニット(複合入球部)を遊技盤に配設するようにしたが、作動入球部および可変始動部の夫々を個別に遊技盤に配設するようにしてもよい。
(8) 実施例の複合入球部において、下流側に位置する可変始動部を第1可変始動部とし、上流側に位置する可変始動部を第2可変始動部としたが、これに限られるものではない。すなわち、実施例の複合入球部において、上流側に位置する可変始動部を第1可変始動部とし、下流側に位置する可変始動部を第2可変始動部としてもよい。
(9) 実施例では、特定入賞部に入賞することを契機として開放作動が許容される作動入球部の開放中に遊技球が入球することで、可変始動部が開放作動されるよう構成したが、作動入球部の作動口に連通する球通路に始動条件契機手段としての球検出手段を設けて、当該作動入球部の開放中に遊技球が入球することで球検出手段が作動(遊技球を検出)するようにしてもよい。この場合に、始動条件契機手段(球検出手段)の作動を契機に当り判定が行われるようにすることができる。また、始動条件契機手段(球検出手段)の作動を契機にして賞球の払出条件を成立させて賞球を払い出すようにすることもできる。
(10) 実施例では、複合入球部を第1球流下領域に設けたが、第2球流下領域に設けるようにしてもよい。
(11) 実施例では、特別入賞部を複合入球部の作動口より下流側(下側)に設けたが、特別入賞部を作動口より上流側(上側)に設けることができる。
(12) 実施例では、遊技状態判定手段としてのメイン制御CPUが特定する遊技状態が通常遊技状態(非変短状態)の場合と、第1入賞率向上状態(第1の変短状態)の場合と、第2入賞率向上状態(第2の変短状態)の場合とにおいて前記開放判定手段により判定が行われることを契機として前記可変始動部の開閉部材の開放作動を許容する割合が異なるように構成したが、これに限られるものではない。例えば、特定される遊技状態が通常遊技状態(非変短状態)の場合と、遊技状態が通常遊技状態でない(変短状態)場合とにおいて、前記開放判定手段により判定が行われることを契機として前記可変始動部の開閉部材の開放作動を許容する割合を異ならせるようにして、その他の遊技状態の場合に開放判定手段により判定が行われることを契機として前記可変始動部の開閉部材の開放作動を許容する割合を、通常遊技状態の場合或いは通常遊技状態でない場合と同じ割合に設定するようにしてもよい。
(13) 同様に、特定される遊技状態が通常遊技状態(非変短状態)の場合と、第1または第2入賞率向上状態(第1または第2の変短状態)の何れか一方の場合とにおいて前記開放判定手段により判定が行われることを契機として前記可変始動部の開閉部材の開放作動を許容する割合を異ならせるようにして、その他の遊技状態の場合に開放判定手段により判定が行われることを契機として前記可変始動部の開閉部材の開放作動を許容する割合を、通常遊技状態の場合或いは第1または第2入賞率向上状態(第1または第2の変短状態)の何れか他方の場合と同じ割合に設定するようにしてもよい。
(14) 実施例では、特定される遊技状態が通常遊技状態の場合に第1の許容態様(第1開放パターンP1)のみが決定されるよう構成したが、当該通常遊技状態を特定する場合において第1の許容態様および第2の許容態様を決定可能に構成することができる。例えば、特定される遊技状態が通常遊技状態の場合に、第1〜第2開放パターンP1〜P2の少なくとも何れかを決定可能に構成する(普図当り図柄に対応付ける)と共に、第3〜第5開放パターンP3〜P5の少なくとも何れかを決定可能に構成する(普図当り図柄に対応付ける)ことで実現できる。この場合には、通常遊技状態を特定する場合に第2の許容態様を決定する割合よりも、通常遊技状態を特定しない場合に第2の許容態様を決定する割合の方が高くなるよう構成することで、遊技状態の変化に対する遊技の興趣を高めることができる。例えば、実施例の構成において、通常遊技状態を特定する場合に第2の許容態様として第2開放パターンP2を決定可能に構成すると共に、当該第2開放パターンP2に対応する普図当り図柄が決定される割合を、第1入賞率向上状態(第1の変短状態)において第2開放パターンP2に対応する普図当り図柄が決定される割合(実施例では2/197)より低く設定(例えば1/197)することで実現できる。なお、通常遊技状態を特定する場合に第2開放パターンP2に対応する普図当り図柄が決定される割合を、第1入賞率向上状態(第1の変短状態)において第2開放パターンP2に対応する普図当り図柄が決定される割合(実施例では2/197)より高くすると共に、第2入賞率向上状態(第2の変短状態)において第2開放パターンP2に対応する普図当り図柄が決定される割合(実施例では2/197+57/197)よりも低く設定(例えば10/197)することも可能である。
(15) 実施例では、遊技状態として第1入賞率向上状態(第1の変短状態)および第2入賞率向上状態(第2の変短状態)を設定して、当り遊技を契機として何れかの状態を付与し得るよう構成したが、入賞率向上状態を1種類だけ設定するようにしてもよい。
(16) 実施例では、前記第2の許容態様に伴う普通開閉部材の開放作動を、前記第1の許容態様に伴う普通開閉部材の開放作動よりも後に生起するよう設定したが、第2の許容態様に伴う普通開閉部材の開放作動を、第1の許容態様に伴う普通開閉部材の開放作動よりも前に生起するようにしてもよい。
(17) 実施例では、入賞した可変始動口の種類毎に付与可能な小当り遊技を1種類とした場合で説明したが、該小当り遊技を経て付与される可能性のある大当り遊技として遊技者に与える価値が異なる(ラウンド数や大当り遊技後に付与する変短回数等が異なる)複数種類を設定し、各大当り遊技に対応する小当り遊技を設定することで、入賞した可変始動口の種類毎に付与可能な小当り遊技の種類が複数となる構成を採用し得る。
(18) 実施例では、小当り遊技における特別開閉部材の開放態様(特別開閉部材の1回の開放時間や特別開閉部材の開放回数)が1種類の場合で説明したが、特別開閉部材の開放態様が異なる複数種類の小当り遊技を設定してもよい。
(19) 実施例では、可変始動口への入賞を契機とした特図当り判定の判定結果が当りの場合に小当り遊技が付与されるよう構成したが、特図当り判定の判定結果が当りの場合に付与可能な当り遊技として大当り遊技と小当り遊技(特定領域への入球により引き続いて大当り遊技が付与される小当り遊技)とを設定し、小当り遊技を経ることなく直接大当り遊技(直撃大当り遊技)が付与可能な構成を採用し得る。この場合において、第1可変始動口への入賞を契機とした特図当り判定で大当り遊技が付与される確率(大当り確率)と、第2可変始動口への入賞を契機とした特図当り判定で大当り遊技が付与される確率(大当り確率)とを同じとしたもとで、第1可変始動口への入賞を契機とした特図当り判定で小当り遊技が付与される確率(小当り確率)と、第2可変始動口への入賞を契機とした特図当り判定で小当り遊技が付与される確率(小当り確率)とを異ならせることで、第1可変始動口への入賞を契機とした特図当り判定で小当り遊技に当選して大当り遊技が付与される確率と、第2可変始動口への入賞を契機とした特図当り判定に当選して大当り遊技が付与される確率とを異ならせることができる。
(20) 実施例では、特別入賞口へ入賞可能な複数のパチンコ球を滞留させる球滞留手段として複数のリブで構成したものを挙げたが、複数のパチンコ球を特別入賞口の上流側で滞留させ得るものであれば、例えばパチンコ球を磁力吸着可能な球滞留部材を特別入賞口の上流側に配置し、特別開閉部材の開放作動に連動してパチンコ球に対する磁力吸着を解除する構成等、その他各種の構成を採用し得る。
(21) また、球滞留手段としては、特別入賞口の上流側にパチンコ球を止めるものに限らず、遊技領域を流下してくるパチンコ球を減勢することで、特別入賞口の上流側においてパチンコ球の流れを滞らせて該特別入賞口の上流側に複数のパチンコ球が在る状態にし得る構成を採用し得る。
(22) 実施例では、通常遊技状態においてゲート部(特定入賞部)への入賞を契機として表示装置で実行される普通飾図を変動する図柄変動演出を第1表示領域に表示して、可変始動口への入賞を契機として表示装置の第2表示領域に表示される特別飾図を変動する図柄変動演出より大きく表示する一方で、変短状態では可変始動口への入賞を契機として表示装置で実行される特別飾図を変動する図柄変動演出を第1表示領域に表示して、ゲート部(特定入賞部)への入賞を契機として表示装置の第2表示部に表示される普通飾図を変動する図柄変動演出より大きく表示するようにしたが、普通飾図を変動する図柄変動演出と特別飾図を変動する図柄変動演出との表示領域の切り替えについては、両図柄変動演出が同時に行われる場合に限る構成を採用し得る。すなわち、各図柄変動演出が単独で実行される場合には、遊技状態に関係なく第1表示部に大きく表示して目立つようにし、両図柄変動演出が同時に実行される場合には遊技状態に応じて優先する図柄変動演出を第1表示部に表示すると共に、他方の図柄変動演出を第2表示部に表示するようにする。
(23) 実施例では、普図当り確率について、変短状態と非変短状態とで変動するようにしたが、変短状態と非変短状態とで普図当り確率が変動しない構成を採用し得る。例えば、変短状態および非変短状態の普図当り確率については、実施例の高確率に設定されるものであってもよい。
(24) メイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(演出制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、メイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(25) また、演出制御手段(演出制御CPU)が備える機能の全部または一部を、表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段(表示制御CPU)が備える機能の全部または一部を演出制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよい。そして、演出制御手段(演出制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、演出制御基板および表示制御基板の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が兼用するようにしてもよい。また、発光制御を行う発光制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、演出制御手段が兼用することができる。
(26) 演出用の図柄(特別飾図)を表示する表示手段(表示装置)とは独立して、特図を表示する特図表示手段(特図表示部)を設けるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、表示手段において特別飾図および特図の両方を表示するようにしてもよい。また特別飾図と特図とを共用して、表示手段に表示するようにしてもよい。
(27) 特図変動に関わる特別飾図および普図変動に関わる普通飾図を表示手段(表示装置)に表示するようにしたが、特別飾図および普通飾図を夫々独立した表示手段に表示するようにしてもよい。
(28) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。なお、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口を備えた遊技機に対して好適に適用することができる。