次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、遊技媒体としてパチンコ球(遊技球)を用いて遊技が行われるパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。なお、各図において符号Pはパチンコ球を示している。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前方へ開口するよう形成されて遊技店の図示しない設置枠台に設置される基体11,12と、前記基体11,12の前側開口を覆うよう当該基体11,12に対して開閉可能に支持され遊技機前面を形成する前面部材13とを備えており、当該基体11,12や前面部材13を設置基材として各種部材を設置することで遊技機が構成されるようになっている。具体的に、パチンコ機10の基体は、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、本体枠としての中枠12を開閉および着脱可能に組み付けて構成されており、当該中枠12に遊技盤20が着脱可能に配設されている。また、前記遊技盤20の裏側には、所定の始動条件の成立(後述する各始動口32,132へのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置(図柄表示手段)17が着脱可能に配設されている。なお、実施例では、前記図柄表示装置17としては、液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているがこれに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置17やドットマトリックス式の表示装置等の各種飾図を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。
そして、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20の遊技領域21と対応する位置に前後に開口する窓口13aが形成された前記前面部材としての前枠13が開閉可能に組み付けられている。そして、前枠13には、ガラス板や透明な合成樹脂材で形成された透視保護板が窓口13aを覆うよう配設されており、遊技盤20を前側から目視可能な状態で保護している。また、前記前枠13における窓口13aの下方位置には、パチンコ球を貯留可能な球受け皿14,15が設けられており、当該前枠13と一体的に球受け皿14,15を開閉し得るようになっている。実施例の前枠13には、上球受け皿14および下球受け皿15が上下の位置関係で組み付けられている。なお、前記上下の球受け皿14,15の一方および両方を、前枠13とは個別に中枠12に組み付けるようにしてもよい。また、1つの球受け皿14,15のみを備える構成とすることもできる。
また、前記パチンコ機10(実施例では前枠13)の前面右部方位置には、打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域21に向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域21においてパチンコ球が到達可能な位置(発射位置)を任意に変更し得るようになっている。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された板状の部材であって、遊技盤20の裏面側に前記図柄表示装置17が配置されている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール22が配設されており、該案内レール22によりパチンコ球が流下可能な遊技領域21が画成されている。なお、前記打球発射装置により発射されたパチンコ球が遊技領域21内に打ち出される発射口24は、当該遊技領域21の左上部位置において右上方へ向けて開口するよう形成されている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品が取り付けられると共に、遊技領域21の最下部位置には、該遊技領域21に打ち出されたパチンコ球を遊技盤20の外部に排出するアウト口23が開設されている。ここで、実施例の遊技盤20には、図柄表示装置17の表示部が前面側から視認可能に臨む装飾部材25や、遊技領域21を流下するパチンコ球が入球可能な入球部等が前記遊技盤設置部品として配設されている。ここで、実施例の遊技盤20には、複数の入球部31,34/110,125,130を備えた複合入球部30,100を配設するよう構成されており、各入球部31,34/110,125,130を個別に配設する構成に比べて、遊技盤20に対する装着口の開設作業性や部材の配設作業性を高めている、なお、実施例では、第1の複合入球部30および第2の複合入球部100が遊技盤20に配設されている。ここで、遊技領域21内で開口する球入口にパチンコ球が入ることを総称して「入球」と指称し、球入口にパチンコ球が入ること(入球すること)により、所定の遊技条件(例えば、賞球の払出条件や後述する特図当り判定条件、普図当り判定条件)が成立する場合に特に「入賞」と指称する場合がある。
前記装飾部材25は、図2に示すように、前記案内レール22で囲まれた遊技領域21の略中央に配設されたセンター役とも称される部材であって、前後に開口する表示窓口25aを有する枠状に形成されている。そして、前記装飾部材25の表示窓口25aの後方に表示部が位置するよう前記図柄表示装置17が遊技盤20の裏側に配設されて、当該表示窓口25aを介して遊技盤20の前側から図柄表示装置17の表示部を視認し得るよう構成される。なお、以下の説明では、図柄表示装置17の表示部が臨む前記装飾部材を枠状装飾体25と指称するものとする。具体的に、前記枠状装飾体25は、前記遊技盤20の前面より前方に突出すると共に表示窓口25aを囲むよう延在し、前記遊技領域21と図柄表示装置17の表示部17aを区切る区画壁部26と、該区画壁部26の後縁から外方に延出する薄板状の台板部27とを備える。そして、前記台板部27を遊技盤20の前面に当接した状態で、ネジ等の固定手段により前側から台板部27を遊技盤20に固定することで、枠状装飾体25が遊技盤20に取り付けられて、該枠状装飾体25の外側(具体的には区画壁部26と案内レール22との間)に、パチンコ球が流下する遊技領域21が画成されるようになっている。なお、前記台板部27は、枠状装飾体25を遊技盤20に取り付けた状態で前面側をパチンコ球が通過可能な厚みで形成されている。なお、前記枠状装飾体25の区画壁部26は、枠状装飾体25(台板部27)の左側縁の略中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するよう設けられており、前記図柄表示装置17における表示部17aの前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。なお、枠状装飾体25は、前後に表示窓口25aが開口する形態に限らず、当該表示窓口25aの全部または一部を透明板等で塞ぐ形態とすることも可能である。
すなわち、実施例の遊技盤20に画成される遊技領域21は、打ち出されたパチンコ球が前記枠状装飾体25の左側部を流下してアウト口23に至る第1球流下経路21aと、当該打ち出されたパチンコ球が枠状装飾体25の右側部を流下してアウト口23に至る第2球流下経路21bとに区画されている。これにより、操作ハンドル16の操作レバー16aを回動操作して打球力を調節することで、発射口24から打ち出されたパチンコ球が第1球流下経路21aを流下する遊技形態(左打ち)および当該パチンコ球が第2球流下経路21bを流下する遊技形態(右打ち)の何れかを遊技者が任意に選択し得るようになっている。また、前記遊技領域21は、前記枠状装飾体25の下方位置において第1および第2球流下経路21a,21bが合流するようになっており、当該第1および第2球流下経路21a,21bの夫々を流下したパチンコ球を排出し得るよう前記アウト口23が合流する領域に設けられている。
また、前記遊技盤20には、前記遊技領域21内に多数の遊技釘Gが設けられると共に、遊技領域21を流下するパチンコ球の接触に伴って回転する回転案内部材Kが回転自在に支持されており、遊技釘Gや回転案内部材Kとの接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。前記回転案内部材Kは、回転中心から放射状に複数(例えば3つ)の接触片(図示せず)を有する所謂「風車」とも称される部材であって、該接触片に対するパチンコ球の接触に伴って回転案内部材Kが回転することでパチンコ球を弾くように左右方向へ放出するようになっている。実施例では、前記枠状装飾体25の左側方(すなわち第1球流下経路21a)に回転案内部材Kを配設してある。
また、前記枠状装飾体25には、図2、図3に示すように、前記表示窓口25aの下側(枠状装飾体25の内周下縁部)にステージ28が配設されると共に、当該表示窓口25aの左側部(第1球流下経路21a側の側部)を形成する区画壁部26に、前記遊技領域21に開口すると共にステージ28に連通する球導入部29が設けられ、前記遊技領域21(第1球流下経路21a)を流下するパチンコ球を、当該球導入部29の枠状装飾体25の内側(ステージ28)に取り込み得るよう構成されている。そして、前記ステージ28の上面を形成する転動面28aに、前方(遊技領域21)へ向けて下方傾斜する排出部28b〜28cが形成されて、当該転動面28aを転動するパチンコ球を排出部28b〜28cから遊技領域21に排出するよう構成される。ここで、前記ステージ28には、後述する第1の複合入球部30の上方位置に複数の排出部28b〜28cが形成されて、何れかの排出部28b〜28cからパチンコ球が排出されるようになっている。具体的には、前記第1の複合入球部30における固定始動口32(後述)の鉛直上方に位置する第1排出部28bと、当該第1排出部28bの左右側方に位置する2つの第2排出部28c,28cとが設けられており、ステージ28上のパチンコ球が第1排出部28bから排出されることで、第2排出部28c,28cから排出される場合よりも固定始動口32に入賞(入球)し易くなるよう構成されている。すなわち、第1球流下経路21aを流下するパチンコ球をステージ28によりパチンコ球を第1の複合入球部30(固定始動口32)の配設位置上方まで誘導し得るよう構成することで、第2球流下経路21bを流下するパチンコ球よりも第1球流下経路21aを流下するパチンコ球の方が固定始動口32に入賞する確率が高くなるようにしている。
(入球部について)
図2〜図3に示すように、前記遊技盤20には、遊技領域21を流下するパチンコ球が入球可能な複数の入球部が設けられており、パチンコ球が入球した入球部に応じて所定の遊技が進行するようになっている。具体的に、実施例のパチンコ機10では、前記入球部としての固定始動部31(特定の始動部)が前記第1および第2球流下経路21a,21bを流下するパチンコ球が入球可能な位置に設けられると共に、前記入球部としてのゲート部34(所定の入球部)、特別入賞部40、可変入球部110,125,130が、前記第2球流下経路21bを流下するパチンコ球が入球可能な位置に設けられている。なお、実施例の遊技盤20には、前記第1および第2球流下経路21a,21bの夫々に位置するよう入球部としての普通入賞部45が配置されており、第1および第2球流下経路21a,21bを流下させたパチンコ球が普通入賞部45に入賞し得るようになっている。ここで、実施例のパチンコ機10では、前記固定始動部31およびゲート部34が前記第1の複合入球部30に設けられると共に、前記可変入球部110,125,130が前記第2の複合入球部100として遊技盤20に配設されている。
(第1の複合入球部30について)
前記第1の複合入球部30は、図3に示すように、遊技領域21(実施例では第1球流下経路21a,21b)を流下するパチンコ球が入球可能な位置で入球口としての始動口32を有する固定始動部31が設けられると共に、遊技領域21(実施例では第2球流下経路21b)を流下するパチンコ球が入球可能な位置で入球口としてのゲート口35を有するゲート部34が設けられている。固定始動部31は、前記遊技領域21内において始動口32が一定の開口幅で開口するよう設けられており、固定始動部31の配置位置まで遊技領域21を流下したパチンコ球が一定の確率で入球し得るようになっている。また、前記ゲート部34は、前記遊技領域21内においてゲート口35が一定の開口幅で開口するよう設けられており、ゲート部34の配置位置まで遊技領域21を流下したパチンコ球が一定の確率で入球し得るようになっている。
ここで、前記第1の複合入球部30において、前記固定始動部31に入賞したパチンコ球は、メイン制御基板60に配線接続された球検出センサ(球検出手段)75に検出されるよう構成されており(図4参照)、当該球検出センサ75がパチンコ球を検出してメイン制御基板60に検出信号が入力されることを契機として後述する特図当り判定(当り判定)が実行されるよう設定されている。また、前記第1の複合入球部30において、前記ゲート部34に入球したパチンコ球は、メイン制御基板60に配線接続された球検出センサ76に検出されるよう構成されており(図4参照)、当該球検出センサ76がパチンコ球を検出してメイン制御基板60に検出信号が入力されることを契機として後述する普図当り判定(開放作動を許容するか否かの開放判定)が実行されるよう設定されて、当該普図当り判定が当り(普図当り)の判定結果(すなわち開放作動を許容する判定結果)となることで作動入球部110の作動口開閉部材112(作動開閉部材)を開放作動するように第1ソレノイド113(後述)が駆動されるようになっている。そして、作動入球部110の作動口開閉部材112を開放作動することで、前記可変入球部125,130の開閉部材126,131の開放作動が許容される(開放作動が可能になる)ようになっている。このように、第1の複合入球部30は、パチンコ球の入賞(入球)を契機として特図当り遊技を生起させるか否かを判定する特図当り判定条件が成立する入球部(具体的には固定始動部31)と、パチンコ球の入球を契機として普図当り判定条件(可変入球部125,130の開閉部材126,131の開放動作を許容するかを判定する開放判定条件)が成立する入球部(具体的にはゲート部34)とを備えたユニット部材として構成されている。なお、特図当り判定条件は、所定の抽選に基づいて遊技を実行するための始動条件である。
以下の説明では、前記固定始動部31に入賞したパチンコ球を検出する球検出センサを固定始動検出センサ75と指称し、前記ゲート部34に入球したパチンコ球を検出する球検出センサをゲートセンサ76と指称するものとする。なお、前記ゲート部34は、遊技領域21(具体的には第2球流下経路21b)内で出口が常に開口するよう形成されて、ゲート口35に入球したパチンコ球がゲート部34を通過してそのまま遊技領域21(第2球流下経路21b)に排出されるようになっている。また、実施例のパチンコ機10では、前記固定始動部31にパチンコ球が入ること(固定始動検出センサ75によるパチンコ球の検出)を契機として賞球の払出条件が成立するよう設定されており、固定始動検出センサ75からメイン制御基板60への検出信号の入力に伴って所定数(実施例では3個)の賞球が払い出されるようになっている。なお、実施例では、前記ゲート部34にパチンコ球が入ることを契機として賞球の払出条件が成立しないよう設定されているが、賞球の払出条件が併せて成立するようにしてもよい。
(第2の複合入球部100について)
前記第2の複合入球部100は、図3に示すように、前記第1球流下経路21aおよび第2球流下経路21bの何れか一方に偏って位置するよう前記遊技盤20に配設されて、偏って配置された球流下経路を流下するパチンコ球が入球し得るように複数(実施例では3つ)の可変入球部110,125,130を備えている。実施例では、前記第2の複合入球部100が前記第2球流下経路21bに配設されて、当該第2球流下経路21bを流下するパチンコ球のみが可変入球部110,125,130に入球し得るよう構成されている。この可変入球部110,125,130は、パチンコ球が入球可能な入球口111,127,132と、第2球流下経路21bに対する入球口111,127,132の開口幅を可変する開閉部材112,126,131とを備えており、開閉部材112,126,131の作動に伴って対応する入球口111,127,132へのパチンコ球の入球し易さが変化(可変)するよう構成された入球部である。
ここで、図3に示すように、実施例では、可変入球部として、電動式駆動手段としての第1ソレノイド113が開閉部材112に接続されて第1ソレノイド113の駆動に伴い開閉部材112が開閉動作する電動式の可変入球部110と、当該電動式の可変入球部110の入球口111に入球したパチンコ球との物理的な接触に伴い開閉部材126,131が作動する機械式の可変入球部125,130とが設けられている。なお、実施例では、電動式の可変入球部110を1つ備えると共に、機械式の可変入球部125,130を2つ備えている。
ここで、前記機械式の可変入球部125,130は、入球したパチンコ球がメイン制御基板60に配線接続された球検出センサ77,78で検出されるよう構成されている(図4参照)。そして、この球検出センサ77,78がパチンコ球を検出してメイン制御基板60に検出信号が入力されることを契機として賞球の払出条件が成立するよう設定されており、球検出センサ77,78からメイン制御基板60への検出信号の入力に伴って所定数(実施例では3個)の賞球が払い出されるようになっている。そして、機械式の可変入球部125,130の内の一方(可変入球部125)にパチンコ球が入ること(球検出センサ77によるパチンコ球の検出)を契機として特図当り判定が実行されない(始動条件が成立しない)よう構成されると共に、当該機械式の可変入球部125,130の内の一方(可変入球部130)にパチンコ球が入ること(球検出センサ78によるパチンコ球の検出)を契機として特図当り判定が実行される(始動条件が成立する)よう構成されている。なお、パチンコ球が入る可変入球部125,130によって払い出される賞球数を異ならせるようにしてもよい。例えば、始動条件が成立する可変入球部130へのパチンコ球の入球を契機とした場合に、始動条件が成立しない可変入球部125へのパチンコ球の入球を契機とした場合より多数の賞球が払い出されるよう構成してもよい。
以下の説明では、第1ソレノイド113により開閉部材112が開閉作動される可変入球部を作動入球部110と指称し、当該作動入球部110の入球口を作動口111と指称すると共に、当該作動入球部110の開閉部材を作動口開閉部材112と指称する。また、前記作動入球部110(作動口111)への入球を契機として開閉部材126,131が開閉作動される可変入球部の内で、パチンコ球の入球を契機として始動条件が成立しない可変入球部を可変入賞部125(第1の可変入球部)と指称し、当該可変入賞部125の入球口を可変入賞口127と指称すると共に、当該可変入賞部125の開閉部材を入賞口開閉部材126(第1の開閉部材)と指称する。更に、前記作動入球部110(作動口111)への入球を契機として開閉部材126,131が開閉作動される可変入球部の内で、パチンコ球の入球を契機として始動条件が成立する可変入球部を可変始動部130(第2の可変入球部)と指称し、当該可変始動部130の入球口を可変始動口132と指称すると共に、当該可変始動部130の開閉部材を始動口開閉部材131(第2の開閉部材)と指称する。そして、可変入賞部125へ入球したパチンコ球を検出する球検出センサを可変入賞検出センサ77と指称し、可変始動部130へ入球したパチンコ球を検出する球検出センサを可変始動検出センサ78と指称する。実施例では、第2球流下経路21bにおいて可変入賞部125の上方(上流側)に可変始動部130が位置するよう設けられており、可変入賞部125の配設位置までパチンコ球が流下する前に、可変始動部130の開閉状態に応じて可変始動口132に入賞し得るよう構成されている。
(特別入賞部40について)
前記特別入賞部(特別入賞手段)40は、図2に示すように、前記第1球流下経路21aおよび第2球流下経路21bにおいて前記第2の複合入球部100の配設側の経路に偏って位置するよう設けられている。実施例では、前記第2球流下経路21bに位置するよう前記特別入賞部40が設けられて、当該第2球流下経路21bを流下するパチンコ球のみが特別入賞部40に入賞し得るよう構成されている。ここで、前記特別入賞部40は、前記第2の複合入球部100の配設位置より上流側に位置するよう構成されている。従って、前記特別入賞部40に入賞することなく第2球流下経路21bを流下したパチンコ球が第2の複合入球部100に向けて移動することで、前記作動入球部110や可変入賞部125、可変始動部130に入球し得るようになっている。
ここで、前記特別入賞部40は、図2に示すように、遊技領域21(第2球流下経路21b)に開口する入球口としての特別入賞口41を開閉自在に閉成する特別開閉部材43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図4参照)の駆動に伴って特別開閉部材43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記特別開閉部材43が前後方向に延在する軸を中心に揺動することで特別入賞口41を開閉するよう構成されており、該特別開閉部材43により特別入賞口41が閉鎖された状態を図2に実線で示す。また、前記特別入賞部40には、前記特別入賞口41に入球したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ79(図4参照)が設けられて、当該特別入賞検出センサ79が前記メイン制御基板60に配線接続されている。そして前記特別入賞部40にパチンコ球が入ること(特別入賞検出センサ79によるパチンコ球の検出)を契機として賞球の払出条件が成立するよう設定されており、特別入賞検出センサ79からメイン制御基板60への検出信号の入力に伴って所定数(実施例では15個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、前記固定始動部31や可変始動部130の何れかへのパチンコ球の入球を契機として行われる特図当り判定の判定が当り(大当りまたは小当り)の判定結果となることで、特別入賞部40を開放する当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が付与されるようになっており、当り遊技の種類に応じた所定の開閉条件に従って特別入賞ソレノイド42がメイン制御基板60によって駆動制御されるようになっている。
(普通入賞部45について)
図2に示すように、前記普通入賞部45は、前記遊技領域21の左右下部位置において、パチンコ球が入賞(入球)可能な普通入賞口46が開口するよう前記遊技盤20に設けられている。前記普通入賞部45は、前記遊技領域21内において普通入賞口46が一定の開口幅で開口するよう設けられており、普通入賞部45の配置位置まで遊技領域21(具体的には第1または第2球流下経路21a)を流下したパチンコ球が常時開口する普通入賞口46に一定の確率で入球し得るようになっている。実施例では、遊技盤20の第1球流下経路21aに3つの普通入賞部45が設けられている。ここで、各普通入賞部45には、普通入賞口46に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての普通入賞検出センサ48(図4参照)を備えており、当該普通入賞検出センサ48がメイン制御基板60に配線接続されている。そして、前記普通入賞部45にパチンコ球が入ること(普通入賞検出センサ48によるパチンコ球の検出)を契機として賞球の払出条件が成立するよう設定されており、普通入賞検出センサ48からメイン制御基板60への検出信号の入力に伴って所定数(実施例では4個)の賞球が払い出されるようになっている。
すなわち、実施例のパチンコ機10では、前記固定始動検出センサ75、可変始動検出センサ78の何れかがパチンコ球を検出することを契機として各種入賞情報(後述する各種乱数情報)がメイン制御CPU60aに取得され、この取得した情報に基づいて特図当り判定(当り判定)が行われる。具体的には、センサ75,78の検出に伴って取得された各種入賞情報がメイン制御RAM60cに第1特図始動保留情報または第2特図始動保留情報として一時的に記憶されて、所定の特図当り判定を実行するタイミングでメイン制御RAM60cに記憶された第1特図始動保留情報または第2特図始動保留情報が読み出されて判定が行われるよう構成されている。そして、特図当り判定の結果に基づいて特図表示部50A,50B(後述)において特図変動表示が実行されると共に、前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されるようになっている。そして、特図表示部50A,50Bでの特図変動表示の結果、所定の当り表示となる図柄が確定停止表示されると共に、前記図柄表示装置17での図柄変動演出の結果として、該図柄表示装置17に所定の当り表示となる図柄組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞部40を所定の開放条件で開放して、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
ここで、実施例に係るパチンコ機10では、前記枠状装飾体25の形状(ステージ28の構成等)や遊技釘Gの配置等により、前記第1球流下経路21aをパチンコ球が流下する場合(左打ち遊技の場合)に、パチンコ球が第2球流下経路21bを流下する場合に較べて、第1の複合入球部30の固定始動部31(固定始動口32)にパチンコ球が入球(入賞)する可能性が高くなるよう構成されている。また、前記第2球流下経路21bをパチンコ球が流下する場合(右打ち遊技の場合)に、パチンコ球が第1球流下経路21aを流下する場合に較べて、第1の複合入球部30のゲート部34(ゲート口35)や、第2の複合入球部100の作動入球部110(作動口111)、可変入球部125,130(可変入賞口127,132)、特別入賞部40(特別入賞口41)にパチンコ球が入球(入賞)する可能性が高くなるよう構成されている。従って、操作レバー16aの回動操作により左打ち遊技および右打ち遊技に遊技者が能動的に切り替えることで、パチンコ球が入賞可能な入賞部を切り替え得るようになっている。実施例では、前記第2球流下経路21bを流下したパチンコ球が固定始動部31に入賞し得ないよう構成されると共に、前記第1球流下経路21aを流下したパチンコ球がゲート部34(ゲート口35)や作動入球部110(作動口111)、可変入球部125,130(可変入賞口127,132)、特別入賞部40(特別入賞口41)に入賞し得ないようになっている。このように、実施例のパチンコ機10では、固定始動部31とゲート部34とで入球し易い球流下経路21a,21bが異なるように第1の複合入球部30を遊技盤20に配置することで、遊技状態に応じてパチンコ球を流下させる球流下経路21a,21bを遊技者が能動的に切り替える遊技を実現し得るようになっている。
(第2の複合入球部100の具体的構成について)
前記第2の複合入球部100は、図3に示すように、遊技盤20に固定される本体部材105の裏側に、前記作動入球部110、可変入賞部125、可変始動部130の夫々が配設されて、当該本体部材105が遊技盤20の前面から固定される。また、前記第2の複合入球部100は、前記第2球流下経路21bにおいて前記作動入球部110が可変入賞部125や可変始動部130より上流側に配置されると共に、当該作動入球部110の作動口111に入球したパチンコ球を、複数の球通路(具体的には第1および第2分岐通路116,117)に振り分けて通出させる通路振分部(振分手段)120が設けられている。ここで、実施例の通路振分部120は、可変入賞部125に連通する第1分岐通路116および可変始動部130に連通する第2分岐通路117の何れかに作動口111に入球したパチンコ球を振り分けるよう構成されており、当該通路振分部120での通路振分により、作動口111に入球したパチンコ球が可変入賞部125または可変始動部130の何れかへ誘導されるようになっている。
(作動入球部110について)
前記作動入球部110の作動口開閉部材112は、図3に示すように、前後方向に延在する回転軸112aを中心として回動し得るよう支持されると共に、前記作動口111を挟んで対向するよう左右一対で備えている。この作動口開閉部材112は、パチンコ球が通過可能な間隔で対向する第1位置(図3の実線位置)と、当該第1位置よりもパチンコ球が通過可能な間隔が拡大した第2位置(図3の二点鎖線位置)との間で回動し得るよう構成されており、第1ソレノイド113を駆動していない状態では、当該作動口開閉部材112が第1位置に保持されるようになっている。すなわち、作動口開閉部材112が第1位置にある状態で、遊技領域21(第2球流下経路21b)を流下するパチンコ球が作動入球部110に入球し得るよう構成され、前記第1ソレノイド113の駆動に伴って作動口開閉部材112を第1位置から第2位置に変位させることで、当該遊技領域21(第2球流下経路21b)を流下するパチンコ球が作動入球部110に入球し易くなるよう構成されている。ここで、実施例では、第1位置において一対の作動口開閉部材112がパチンコ球の直径より僅かに広い間隔で対向すると共に、第2位置において一対の作動口開閉部材112の間隔がパチンコ球の直径の3倍程度に拡大するよう構成されている。なお、第1位置にある状態での一対の作動口開閉部材112の間隔は、前述した間隔に限られるものではない。
(通路振分部120について)
前記通路振分部120は、図5に示すように、前記作動口111に連通する連通路115を通過するパチンコ球を第1および第2分岐通路116,117の何れかに振り分けて通出させる振分部材121と、該振分部材121に連繋接続する電動式駆動手段としての第2ソレノイド122とを備えている。前記振分部材121は、前記作動口111に入球して連通路115を通過するパチンコ球を第1分岐通路116へ通出させる第1振分位置(図5(a)参照)と、当該連通路115を通過するパチンコ球を第2分岐通路117へ通出させる第2振分位置(図5(b)参照)との間を移動し得るよう設けられており、第2ソレノイド122を駆動制御することで振分部材121が第1および第2振分位置に移動するようになっている。なお、実施例では、前記振分部材121によるパチンコ球の振分領域から前記第1分岐通路116が側方(実施例では左側方)へ延在するよう形成されると共に、前記第2分岐通路117は、振分領域から下方へ延在するよう形成されている。すなわち、第1振分位置では前記振分部材121が前記第2分岐通路117の入口をパチンコ球が通過不能に閉塞すると共に、第2振分位置では前記振分部材121が前記第2分岐通路117の球入口から側方に退避して、当該第2分岐通路117の入口をパチンコ球が通過可能に開放するようになっている。
(可変入賞部125および可変始動部130について)
前記可変入賞部125は、図3に示すように、前記可変入賞口127を閉鎖する閉鎖位置(図3参照)および該可変入賞口127を開放する開放位置に変位可能な前記入賞口開閉部材126と、前記第1分岐通路116を通過するパチンコ球が接触し得るよう設けられてパチンコ球の接触に伴い作動する作動部として第1作動部材138と、前記可変入賞口127に入賞したパチンコ球が接触し得るよう設けられてパチンコ球の接触に伴い作動する作動部として第2作動部材139とを備えている。具体的には、入賞口開閉部材126が閉鎖位置にある状態で、前記作動口111に入球したパチンコ球との接触に伴い作動した第1作動部材138が、当該入賞口開閉部材126を閉鎖位置から開放位置に変位させ、入賞口開閉部材126が開放位置にある状態で、可変入賞口127に入賞したパチンコ球との接触に伴い作動した第2作動部材139が、当該入賞口開閉部材126を開放位置から閉鎖位置に変位させるよう構成されている。すなわち、前記可変入賞部125の第1作動部材138は、普図当り判定(開放作動を許容するか否かの開放判定)が普図当り(開放作動を許容する判定結果)となることを契機として開放作動が許容される作動口開閉部材112の開放中に作動口111に入球することで作動して、入賞口開閉部材126を開放作動する開放作動手段として機能している。また、前記可変入賞部125の第2作動部材139は、入賞口開閉部材126の開放中に可変入賞口127に入球することで作動して、入賞口開閉部材126を閉鎖作動する閉鎖作動手段として機能している。
同様に、前記可変始動部130は、図3に示すように、前記可変始動口132を閉鎖する閉鎖位置(図3参照)および該可変始動口132を開放する開放位置に変位可能な前記始動口開閉部材131と、前記作動口111に連通する第2分岐通路117を通過するパチンコ球が接触し得るよう設けられてパチンコ球の接触に伴い作動する第1作動部材138と、前記可変始動口132に入賞したパチンコ球が接触し得るよう設けられてパチンコ球の接触に伴い作動する第2作動部材139とを備えている。そして、始動口開閉部材131が閉鎖位置にある状態で、前記作動口111に入球したパチンコ球との接触に伴い作動した第1作動部材138が、当該始動口開閉部材131を閉鎖位置から開放位置に変位させ、始動口開閉部材131が開放位置にある状態で、可変始動口132に入賞したパチンコ球との接触に伴い作動した第2作動部材139が、当該始動口開閉部材131を開放位置から閉鎖位置に変位させるよう構成されている。すなわち、前記可変始動部130の第1作動部材138は、普図当り判定(開放作動を許容するか否かの開放判定)が普図当り(開放作動を許容する判定結果)となることを契機として開放作動が許容される作動口開閉部材112の開放中に作動口111に入球することで作動して、始動口開閉部材131を開放作動する開放作動手段として機能している。また、前記可変始動部130の第2作動部材139は、始動口開閉部材131の開放中に可変始動口132に入球することで作動して、入賞口開閉部材126を閉鎖作動する閉鎖作動手段として機能している。
ここで、前記可変入賞部125および可変始動部130において、入賞口開閉部材126および始動口開閉部材131をパチンコ球の接触により開閉する構造の一例を説明する。前記各開閉部材126,131の夫々は、図6に示すように、上方に向かって徐々に薄肉となる所謂フラップ状に形成されると共に下端部側が図示しない回転軸に支持されており、先端部(端部)を上方に指向させた閉鎖位置(図6(a)参照)と、該先端部を斜め左上方に指向させた開放位置(図6(b)参照)との間で各開閉部材126,131が揺動するように構成される。また、前記各開閉部材126,131には、回転中心から径方向へ突出する係合片137が形成されている。
また、前記可変入賞部125および可変始動部130の夫々が備える前記第2作動部材139は、図6に示すように、対応する開閉部材126,131の係合片137に係合する係合位置および係合片137との係合が解除された解除位置に回転変位可能に構成されている。そして、各開閉部材126,131が閉鎖位置にある状態において、係合位置の第2作動部材139が対応する開閉部材126,131の回転方向で前記係合片137に当接係合するよう構成されて、当該係合片137および第2作動部材139の当接作用により、閉鎖位置から開放位置への開閉部材126,131の回転が規制されるようになっている。そして、対応する分岐通路116,117を通過するパチンコ球の接触により揺動した第1作動部材138が前記第2作動部材139を作動して解除位置に変位させるよう構成されており、係合片137と第2作動部材139との係合が解除されることで、各開閉部材126,131が閉鎖位置から開放位置へ自重で回転するようになっている。また、前記開放位置では、前記第2作動部材139の回転軌跡に対応する開閉部材126,131の係合片137が位置するよう構成されて、パチンコ球と接触により解除位置から係合位置に回転作動された第2作動部材139が係合片137を押し下げることにより、対応の開閉部材126,131が開放位置から閉鎖位置へ向けて回転するよう構成されている。なお、これに限られるものではなく、各種の構成を採用できる。例えば、ラッチ機構を設けて、所定個数(例えば2個)のパチンコ球が第2作動部材139に接触することで、各開閉部材126,131の係合片137を押し下げるように第2作動部材139が作動するよう構成することができる。なお、可変入賞部125および可変始動部130の開閉部材126,131をパチンコ球の接触により開閉作動する構成は、同一構成である必要はなく、可変入賞部125および可変始動部130毎に異なる構成を採用できる。
(遊技情報表示部Mについて)
前記遊技盤20の所定位置(実施例実施例では、遊技領域21の外側右下部位置)には、前記メイン制御CPU60aにより決定された各種の遊技情報を表示する遊技情報表示部Mが設けられており、当該遊技情報表示部Mを確認することで、遊技に必要な遊技情報を適宜に確認し得るようになっている。ここで、実施例の遊技情報表示部Mには、前記遊技情報を表示する各遊技状態表示部として、特図表示部50A,50B、特図保留表示部52,53、普図表示部55や普図保留表示部56等が設けられている。なお前記遊技情報表示部Mの前面は、光透過性のカバー体Maにより覆蓋保護されており、カバー体Maを介して遊技状態表示部Mに表示された各種の遊技情報を確認し得るよう構成されている。
(特図表示部について)
図2に示すように、前記特図表示部50A,50Bは、前記固定始動部31、可変始動部130への入賞を契機として作動して特図当り判定(特図当り抽選)の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、特図表示部50A,50Bは、前記固定始動部31への入賞を契機として特図の変動表示を開始する第1特図表示部50Aと、可変始動部130への入賞を契機として特図の変動表示を開始する第2特図表示部50Bとからなり、各特図表示部50A,50Bの何れも複数個(実施例では8個ずつ)のLEDランプにより構成されている。そして、前記固定始動部31へのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部50AのLEDランプが順次点灯・消灯する点滅変動する特図変動表示が行われ、最終的にLEDランプの点灯が確定停止した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するようになっている。また、可変始動部130へのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部50BのLEDランプが点灯・消灯する点滅変動する変動表示が行われて、最終的にLEDランプの点灯が確定停止した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するよう構成されている。なお、実施例の特図表示部50A,50BはLEDの点灯位置により特図を表示するよう構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更して最終的に点灯表示し得る形態であればよく、また7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他の特図を表示可能な表示手段を採用できる。
ここで、前記特図は、大当りまたは小当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされ、前記各特図表示部50A,50Bでは、発光表示部の点灯位置により複数種類の特図を表示し得るようになっている。具体的には、各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、大当りを認識し得る大当り表示(大当り図柄)としての100種類の特図と、小当りを認識し得る小当り表示(小当り図柄)としての1種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示部50A,50Bに対応して夫々設定されて、特図当り抽選の結果に応じて1つの特図が決定されて、特図変動表示の結果として、決定された特図が各特図表示部50A,50Bに確定停止表示される。なお、前述した各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る大当り図柄、小当り図柄およびはずれ図柄としての特図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記特図表示部50A,50Bの何れかに、当り表示(大当り表示および小当り表示)としての特図が表示されることで、当り表示に対応した当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技および小当り遊技については後で詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留表示部52,53について)
前記特図保留表示部52,53は、前記固定始動部31、可変始動部130にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(特図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に特図始動保留情報として記憶する場合に、当該特図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、前記特図保留表示部52,53は、前記固定始動部31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第1特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第1特図保留表示部52と、可変始動部130にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第2特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第2特図保留表示部53とからなり、各特図保留表示部52,53の何れも複数個(実施例では2個ずつ)の発光表示部により構成されている。この第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(保留されている特図当り判定の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、固定始動部31へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、当該第1特図始動保留情報に基づいた特図当り判定(すなわち第1特図変動表示(図柄変動演出))が行われる毎に1減算される。また、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、可変始動部130へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、当該第2特図始動保留情報に基づいた特図当り判定(第2特図変動表示(図柄変動演出))が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、隣接した複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が所定の順序(例えば左側)で順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が所定の順序(例えば左側)で順に点滅することで、各特図始動保留情報の保留数を遊技者が把握し得るようになっている。
ここで、実施例のパチンコ機10では、可変始動部130への入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、固定始動部31への入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく特図当り判定をメイン制御CPU60aが優先的に実行して、当該特図当り判定の判定結果に基づく図柄変動演出(特図変動表示)が図柄表示装置17で実行されるよう構成される。
(普図表示部55について)
前記普図表示部55は、前記ゲートセンサ76のパチンコ球の検出(ゲート部34のパチンコ球の通過)を契機として行われる普図当り判定(開放判定)の結果を示す報知用の普通図柄(以下、普図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、普図表示部55は、複数個(実施例では3個)のLEDランプにより構成されており、ゲートセンサ76のパチンコ球の検出(ゲート部34のパチンコ球の通過)を契機として、普図表示部55のLEDランプが順次点灯・消灯する点滅変動する普図の変動表示が行われ、最終的にLEDランプが確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の普図の内の1つを表示するようになっている。なお、実施例の普図表示部55はLEDの点灯位置により普図を表示するよう構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更して表示態様を可変して最終的に点灯表示し得る形態であればよく、また7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他の普図を表示可能な表示手段を採用できる。
具体的には、普図表示部55において表示し得る普図としては、普図当り判定の当選(普図当り)を認識し得る当り表示(普図当り図柄)としての1種類の普図と、はずれを認識し得るはずれ表示(普図はずれ図柄)としての1種類の普図とが設定されており、普図当り判定の判定結果に応じて決定された1つの普図が普図変動表示の結果として普図表示部55に確定停止表示される。なお、前述した普図表示部55おいて表示し得る普図当り図柄や普図はずれ図柄としての普図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記普図表示部55に当り表示としての普図が表示されることで、前記作動入球部110の開放制御が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。すなわち、実施例の普図表示部55は、ゲートセンサ76の検出に伴い変動表示(以下普図変動表示という場合がある)を行うと共に、普図当り判定の判定結果を表示する変動表示手段として機能するものである。すなわち、実施例の普図表示部55は、ゲートセンサ76(球通過検出手段)の検出に伴い図柄変動を行うと共に、普図当り判定(開放判定)の判定結果を表示する表示手段として機能するものである。
(普図保留表示部56について)
前記普図保留表示部56は、前記ゲート部34をパチンコ球が通過した際に取得される開放判定情報(普図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に普図始動保留情報として記憶する場合に、当該普図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、前記普図保留表示部56は、図2に示すように、複数個(実施例では2個)の発光表示部により構成されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、ゲート部34をパチンコ球が通過すると1加算され、当該普図始動保留情報に基づく普図当り判定(普図変動表示)が行われる毎に1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。
(右打ち表示部58について)
前記右打ち表示部58は、前記第2球流下経路21bへパチンコ球を打ち出す右打ち遊技が予定された特定遊技状態であることを特定可能に表示する表示部である。実施例では、第2球流下経路21bに特別入賞部40が配置されたパチンコ機10において当り遊技(大当り遊技および小当り遊技)が付与された遊技状態や、作動入球部110への入球を契機として可変始動部130の開放作動が許容される第2の非変短状態が付与された遊技状態が特定遊技状態に該当する。なお、この右打ち表示部58は、1個のLEDランプから構成されている。そして、特定遊技状態の場合に右打ち表示部58を点灯することで報知し、特定遊技状態でない非特定遊技状態の場合に右打ち表示部58を消灯することで報知するようになっている。また、前記右打ち表示部58は、前記特定遊技状態に移行すると同時に点灯し、特定遊技状態が終了すると同時に消灯するようになっている。また、特定遊技状態(第2の非変短状態、大当り遊技または小当り遊技)の間は右打ち表示部58を継続して点灯すると共に、非特定遊技状態(第1の非変短状態および変短状態)の間は右打ち表示部58を継続して消灯するようメイン制御CPU60aが右打ち表示部58の発光を制御している。
(図柄表示装置17について)
前記図柄表示装置17には、図2に示すように、前記飾図を変動表示可能な図柄列(図示省略)が複数列設定されており、前記始動部(固定始動部31、可変始動部130)への入賞を契機として、各図柄列の飾図を変動開始させるようになっている。実施例の図柄表示装置17には、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な複数の有効停止位置が夫々設定されており、図柄変動演出により、各図柄列の有効停止位置を組み合わせた停止図柄有効ラインに確定停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。なお、実施例の図柄表示装置17には、3列の図柄列が左右横並び状に設定されると共に、各図柄列毎に飾図の有効停止位置が1箇所ずつ定められており、3個の飾図を同時に停止表示可能な状態で図柄変動演出が行われるようになっている。すなわち、実施例の図柄表示装置17には、各図柄列の有効停止位置を組み合わせた1つの停止図柄有効ラインが設定されている。以下の説明では、左側から順に左図柄列、中図柄列、右図柄列と指称する場合がある。
また、前記図柄表示装置17の各図柄列における飾図の表示領域は、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、図柄表示装置17の停止図柄有効ラインに停止表示された図柄組み合わせから当りかずれかを認識できる。
前記図柄表示装置17は、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に移動するよう飾図が変動表示されて、変動表示されている飾図が予め定められた停止順序で各図柄列に確定停止するようになっている。なお、実施例では、図柄変動演出の開始時に、左図柄列、中図柄列、右図柄列の順で飾図が変動開始し、左図柄列、右図柄列、中図柄列の順で確定停止する飾図の変動タイミングを基本として、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容や特図始動保留情報の記憶数等に応じて各図柄列の飾図の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。
なお、「変動表示」とは、前記各図柄列において、有効停止位置に表示される飾図が所定順序で変化している状態である。また「確定停止」とは、前記各図柄列の有効停止位置に飾図が所定の特図変動インターバル時間に亘って継続して停止した状態で表示された状態である。また、実施例の図柄表示装置17では、特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない「仮停止」の状態で前記各図柄列の有効停止位置に飾図を停止表示し得るよう構成されており、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容等に応じて、飾図を仮停止表示させて、変動表示を再度開始する表示態様を行い得るようになっている。すなわち、飾図の仮停止には、有効停止位置において飾図が僅かに揺れるよう変動する揺れ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。
ここで、第1特図表示部50Aと図柄表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示部50Bと図柄表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、実施例では、第1および第2特図表示部50A,50Bにおいて特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。また、第1および第2特図表示部50A,50Bにおいて特図変動表示を独立して同時に行われるようにすることもできる。
ここで、実施例に係る図柄表示装置17には、各図柄列に「0」〜「9」の10種類の数字が基本の飾図として設定されており、該基本の飾図が各図柄列で順番に変動表示されるようになっている。なお、飾図としては、これに限られるものではなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。また前記飾図には、大当り遊技の終了後に確変状態(後述)を付与することを確定的に遊技者が認識可能な第1の識別図柄と、大当り遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な第2の識別図柄に分類されている。なお、本実施形態において大当り遊技終了後に付与可能な確変状態については後で詳細に説明する。ここで、第1の識別図柄としては、基本となる飾図の中から適宜に設定しても、基本となる飾図以外に定めた特別な飾図を用いることもできる。なお、実施例においては、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数図柄を第1の識別図柄とし、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数図柄を第2の識別図柄とした例で説明する。
そして、前記図柄表示装置17における各図柄列の有効停止位置(停止図柄有効ライン)に確定停止表示された各図柄列の飾図が当りの図柄組み合わせであった場合に、当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの図柄組み合わせとして、各図柄列の有効停止位置に同じ飾図が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「222」、「777」等)が設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17に表示される大当り表示となり、該大当り表示が表示された図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。また、実施例では、図柄表示装置17で変動表示される前述した基本の飾図とは別に、特殊飾図(特殊図柄)を表示し得るよう設定されており、各図柄列の有効停止位置の何れか(例えば中図柄列の有効停止位置)に特殊飾図が確定停止表示されることで、所定の大当り遊技または小当り遊技が付与されることを認識できるよう構成されている。この大当り遊技や小当り遊技が発生する可能性を認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17に表示される当り示唆表示となる。一方で、図柄表示装置17の有効停止位置に確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ(例えば「123」、「734」、「171」等)から、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17のはずれ表示となる。但し、このような3列の飾図が全て同一でない図柄組み合わせのうち、特定の図柄組み合わせを所定の演出(例えば、所定の大当り遊技や小当り遊技)が実行される契機として用いることも可能である。特定の図柄組み合わせとは、当該図柄組み合わせから遊技者が何らかの法則性や意味を認識または連想し得るものである。特定の図柄組み合わせの具体例としては、3列の飾図が連続した昇順または降順で並ぶ図柄組み合わせ(例えば、「123」、「321」)や、左の図柄列26a,44aおよび中の図柄列26b,44bの飾図が同一で、右の図柄列26c,44cの飾図の値が1つずれた図柄組み合わせ(例えば、「778」)、3列の飾図が所定の語呂合わせとなる図柄組み合わせ(例えば、「758」(名古屋))等が挙げられる。このように、特定の図柄組み合わせは、はずれ表示結果としてだけでなく当り表示結果(大当り表示結果や小当り表示結果)としても選択され得る飾図の図柄組み合わせとされる。
また、図柄変動演出において、複数の図柄列の内で、特定の図柄列(実施例では、左図柄列および右図柄列)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例では、中図柄列)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチが生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄列および右図柄列に同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせとなる(「1↓1」、「4↓4」等)。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄列(左図柄列および右図柄列)の飾図は、仮停止の状態とされ、残りの図柄列(中図柄列)に飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄列の飾図が確定停止表示されるようになっている。
また、前記図柄表示装置17には、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに表示される特図と、図柄表示装置17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに特図が確定停止されると共に、図柄表示装置17の各図柄列に飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、第1特図表示部50Aや第2特図表示部50Bに表示される特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
(確変状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口41へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り判定に当選する確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞部40の作動契機(当別入賞部へのパチンコ球の入賞契機)の発生割合を高くすることができる。以下の説明では、第1特典遊技状態が付与された遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとし、第1特典遊技状態が付与されていない遊技状態を、便宜的に「非確変状態」というものとする。
確変機能は、確定停止表示された特図当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技(当り遊技)の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)を低確率(実施例では、1/19.56)から高確率(実施例では、1/7.53)に変動させる確変状態を付与可能とする機能である(図7(b)参照)。なお、確変状態が付与されていない遊技状態を非確変状態というものとする。実施例では、当り遊技終了後に確変状態が付与される特図当りが確変当りであり、確変状態が付与されない特図当りが非確変当りとなる。このように、確変状態が付与されると、特図当り判定が当りの判定結果となる確率が高確率に変動して特図当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変当りになることを期待しつつ遊技を行っている。ここで、変短状態を付与するか否かは、後述するように特図当り図柄の種類に応じて定められている。実施例では、確変状態が付与される場合には、大当り遊技終了後、所定回数の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が付与される。実施例では、大当り遊技終了後、1000回の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が付与されるよう設定してある。なお、確変状態が付与される期間(以下、確変状態が継続する図柄変動演出(特図変動表示)の変動回数を確変回数という)としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもでき、また次回の大当り遊技が生起されるまでの間継続して確変状態が付与されるようにすることもできる。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、作動口開閉部材112により開閉される前記作動口111へのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない遊技状態と較べて増加する入賞容易状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての作動口111を開放する作動口開閉部材112の開放時間を増やすこと、により作動口111へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお普図当り1回についての作動口111を開放する作動口開閉部材112の開放時間を増やすに際しては、作動口開閉部材112の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また作動口開閉部材112の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態として上記(1)〜(3)を組み合わせており、以下の説明では、これら(1)〜(3)を組み合わせた状態を便宜的に「変短状態」というものとし、第2特典遊技状態が付与されていない遊技状態を、便宜的に「非変短状態」というものとする。すなわち、実施例のパチンコ機10には、所定の開閉態様で作動入球部110(作動口開閉部材112)を開閉作動する第1の特定遊技状態として非変短状態が設定されると共に、当該非変短状態よりも第2位置となる頻度が高い開閉態様で作動入球部110(作動口開閉部材112が)を開閉作動する第2の特定遊技状態として変短状態が設定されている。
実施例では、非変短状態において普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間が後述のように第1の普図変動時間(この実施例では5000ミリ秒)に設定され、変短状態において普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間が非変短状態よりも短い第2の普図変動時間(この実施例では1400ミリ秒)に設定されており、変短状態の付与に伴い普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間が短縮されるようになっている。また、非変短状態における普図当り判定の当選確率が低確率(実施例では、11000/65536)に設定されると共に、変短状態における普図当り判定の当選確率が高確率(実施例では、11100/65536)に設定されており、変短状態の付与に伴い普図当り判定の当選確率が低確率から高確率に変動するようになっている(図7(c)参照)。なお、実施例において、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの時間(普図変動インターバル)は、500ミリ秒に設定されている。
また、変短状態および変短状態では、後述のように、遊技状態に応じて定めた開放パターンに基づいて作動口開閉部材112が開閉動作される。具体的には、非変短状態では、後述する第1開放パターンP1および第2開放パターンP2の何れかに基づいて作動口開閉部材112が開閉動作され、変短状態では、後述する第1開放パターンP1に基づいて作動口開閉部材112が開閉動作されるようになっている。以下の説明では、非変短状態の内で、第1開放パターンP1に基づいて作動口開閉部材112が開閉動作される状態を第1の非変短状態(第1の作動状態)と指称し、第2開放パターンP2に基づいて作動口開閉部材112が開閉動作される状態を第2の非変短状態(第2の作動状態)と指称して区別する場合がある。ここで、後述のように、第1の非変短状態(第1の作動状態)は、作動入球部110に入球したパチンコ球により可変始動部130よりも可変入賞部125が開閉作動される頻度が高くなるように作動口開閉部材112が作動されるよう構成された状態であり、第2の非変短状態(第2の作動状態)は、作動入球部110に入球したパチンコ球により可変入賞部125よりも可変始動部130が開閉作動される頻度が高くなるように作動口開閉部材112が作動されるよう構成された状態である。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示部50A,50Bに大当りの特図当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、大当り遊技の開始を示すオープニング演出と、オープニング演出終了後に行われる規定ラウンド数(実施例では2ラウンド)だけラウンド間インターバル時間を挟んで繰り返されるラウンド遊技と、大当り遊技の終了を示すエンディング演出とにより構成されている。前記ラウンド遊技では、発生した大当り遊技の種類に応じた開閉動作で特別入賞部40の特別開閉部材43が開閉動作して、1回のラウンド遊技において特別入賞口41に規定個数(実施例では2個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで1回のラウンド遊技が終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ特別開閉部材43が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。
ここで、前記当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞部40の特別開閉部材43の開放動作は、パチンコ球を所定の発射間隔(実施例では0.6秒間隔)で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作、および該長時間開放動作よりも特別開閉部材43の開放時間が短く設定された短時間開放動作の何れかにより構成したり、当該長時間開放動作および短時間開放動作を適宜に組み合わせて構成することができる。この短時間開放動作としては、パチンコ球を所定の発射間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作においてパチンコ球の入賞が実質的に不可能な時間に設定したり、或いはパチンコ球が入賞可能な開放時間であっても前記規定個数のパチンコ球の入賞は実質的に不可能な時間に設定することができる。なお、実施例では、長時間開放動作において特別開閉部材43が最大で25秒間開放するよう設定されると共に、後述する第1短時間開放動作において特別開閉部材43が最大で0.06秒間開放するよう設定され、第2短時間開放動作において特別開閉部材43が最大で1.5秒間開放するよう設定される。また、大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「2.0(秒)」に設定されている。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、特図当り判定で大当りに当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類(実施例では2種類)の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、2種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、図7に示すように、特図当り判定で大当りに当選した際に決定される大当りの特図当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示部50Aに表示可能な大当りの特図当り図柄としての特図1(実施例では100種類の特図1)は、図柄A、図柄B、図柄Cの3つのグループに分類されており、第1特図表示部50Aに確定停止表示された特図1が大当りの特図当り図柄の場合に、その図柄の種類(図柄A,B,C)に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。また、実施例において第2特図表示部50Bに表示可能な大当りの特図当り図柄としての特図2(実施例では100種類の特図2)は、図柄a、図柄b、図柄cの3つのグループに分類されており、第2特図表示部50Bに確定停止表示された特図2が大当りの特図当り図柄の場合に、その図柄の種類(図柄a,b,c)に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。なお、100種類の大当りの特図当り図柄としての特図1は、図柄Aに80種類、図柄Bに10種類、図柄Cに10種類が夫々振り分けられ、100種類の大当りの特図当り図柄としての特図2は、図柄aに80種類、図柄bに10種類、図柄cに10種類が夫々振り分けられている。
(第1の大当り遊技について)
メイン制御CPU60aが特図当り図柄Aまたは特図当り図柄aを決定した場合に、第1の大当り遊技を付与することが決定されるよう設定されている。また、特図当り図柄Aおよび特図当り図柄aは、第1の大当り遊技終了後に、予め設定された回数の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間(実施例では1000回)、確変状態を付与する一方で変短状態を付与しない特図当り図柄として設定されている。ここで、特図当り図柄Aまたは特図当り図柄a(第1の大当り遊技)が決定された場合には、第1の大当り遊技の終了後に次回の大当りが生起されるまでの間、非変短状態の内で第2の非変短状態に移行するよう設定されて、第1の大当り遊技の終了後に普図当り判定に当選した際に、後述する第2開放パターンP2に基づいて作動口開閉部材112が開閉作動するよう構成されている。なお、確変状態での大当り確率が高確率(1/7.53)に設定されている実施例のパチンコ機10では、確変回数(変短回数)を1000回に設定した場合、実質的に次回の大当りが生起されるまでの間、確変状態(変短状態)が付与されることと同等となる。
この第1の大当り遊技は、規定ラウンド数が「2回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「2個」に設定されている。第1の大当り遊技は、全てのラウンドでの1回のラウンド時間として「25.00(秒)」が設定されており、各ラウンドにおいて前記特別開閉部材43最大で「25.00(秒)」の長時間に亘って開放動作(長時間開放動作)するように設定されている。すなわち、第1の大当り遊技は、各ラウンドにおいて特別入賞部40の特別開閉部材43が長時間開放動作するよう設定される。
(第2の大当り遊技について)
メイン制御CPU60aが特図当り図柄Bまたは特図当り図柄bを決定した場合に、第2の大当り遊技を付与することが決定されるよう設定されている。また、特図当り図柄Bおよび特図当り図柄bは、第2の当り遊技の終了後に、予め設定された回数の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間(実施例では1000回)、確変状態を付与する特図当り図柄として設定されている。また、特図当り図柄Bまたは特図当り図柄b(第2の大当り遊技)が決定された場合には、第2の大当り遊技の終了後に、1000回の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間(すなわち確変状態の間)、継続して変短状態が付与されるよう設定されて、第2の大当り遊技の終了後に普図当り判定に当選した際に、後述する第1開放パターンP1に基づいて作動口開閉部材112が開閉作動するよう構成されている。
この第2の大当り遊技は、規定ラウンド数が「2回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「2個」に設定されている。また、第2の大当り遊技では、1回目のラウンド(特定ラウンド)では、特別入賞部40の特別開閉部材43が第1短時間開放動作し、2回目のラウンドでは、特別入賞部40の特別開閉部材43が長時間開放動作するよう設定される。すなわち、第2の大当り遊技では、1回目のラウンドでのラウンド時間として「0.06(秒)」が設定されて、該1回目のラウンドにおいて特別開閉部材43が最大で「0.06(秒)」の短時間に亘って開放動作(第1短時間開放動作)する一方で、2回目のラウンドでのラウンド時間として「25.00(秒)」が設定されて、該2回目のラウンドにおいて特別開閉部材43が最大で「25.00(秒)」の長時間に亘って開放動作(長時間開放動作)するよう設定されている。すなわち、第2の大当り遊技は、1回目のラウンドでは殆ど入賞球が期待できず、第1の大当り遊技よりも獲得可能な賞球数が少ない大当り遊技として設定される。
(第3の大当り遊技について)
メイン制御CPU60aが特図当り図柄Cまたは特図当り図柄cを決定した場合に、第3の大当り遊技を付与することが決定されるよう設定されている。また、特図当り図柄Cおよび特図当り図柄cは、第3の当り遊技の終了後に、確変状態および変短状態の何れも付与しない特図当り図柄として設定されている。ここで、特図当り図柄Cまたは特図当り図柄c(第3の大当り遊技)が決定された場合には、第3の大当り遊技の終了後に次回の大当りが生起されるまでの間、非変短状態の内で第1の非変短状態に移行するよう設定されて、第3の大当り遊技の終了後に普図当り判定に当選した際に、後述する第1開放パターンP1に基づいて作動口開閉部材112が開閉作動するよう構成されている。
この第3の大当り遊技は、規定ラウンド数および入賞上限個数が前記第2の大当り遊技と同じになるよう設定されると共に、当該第3の大当り遊技において、第2の大当り遊技と同じ開閉態様で特別入賞部40の特別開閉部材43が開閉作動するよう構成されている。すなわち、第3の大当り遊技では、1回目のラウンドでのラウンド時間として「0.06(秒)」が設定される一方で、2回目のラウンドでのラウンド時間として「25.00(秒)」が設定されている。すなわち、第3の大当り遊技は、第2の大当り遊技と同様に、1回目のラウンドでは殆ど入賞球が期待できず、第1の大当り遊技よりも獲得可能な賞球数が少ない大当り遊技として設定される。
このように、実施例のパチンコ機10は、特図当り判定が大当りの判定結果となる場合に成立する移行条件(実施例では特図当り図柄の種類)に応じて、大当り遊技の後に非確変状態および確変状態の何れかの遊技状態に移行し得るよう構成されている。また、特図当り判定が当りの判定結果となる場合に成立する移行条件に応じて、大当り遊技の後に非変短状態としての第1の非変短状態、第2の非変短状態および変短状態の何れかの遊技状態に移行し得るようになっている。
(小当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される小当り遊技について説明する。小当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示部50A,50Bに小当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、発生した小当り遊技の種類に応じた開閉動作で特別入賞部40の特別開閉部材43が開閉動作した後に、小当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われるよう設定されている。ここで、小当り遊技では、パチンコ球を連続的に発射する条件において、数個のパチンコ球が入賞可能な時間だけ特別入賞部40の特別開閉部材43が開放する開閉動作が行われるよう構成される。すなわち、前記小当り遊技は、前記長時間開放動作よりも開放時間が短く設定された第2短時間開放動作(短時間開放)を含んだ開放動作を特別入賞部40の特別開閉部材43に行わせる当り遊技を構成している。そして、小当り遊技では、当該小当り遊技終了後の遊技状態(確変状態および変短状態の付与状態)を、特図当り判定で小当りの当選時における遊技状態のまま継続させるようになっている。すなわち、特図当り判定の当選時に確変状態である場合には小当り遊技終了後に確変状態に移行すると共に、非変短状態である場合には小当り遊技終了後に非確変状態に移行するよう構成されている。また、特図当り判定で小当りの当選時に変短状態である場合には小当り遊技終了後に変短状態に移行し、第1の非変短状態である場合には小当り遊技終了後に第1の非変短状態に移行し、第2の非変短状態である場合には小当り遊技終了後に第2の非変短状態に移行するよう構成されている。言い換えると、特図当り判定で小当りに当選した場合には、等が当選時におる確変フラグや変短フラグ(何れも後述)の値が、小当り遊技終了後に維持される(変更されない)ようになっている。なお、特図当り判定で小当り遊技に当選する小当り確率は、確変状態が付与されているか否か、および変短状態が付与されているか否かに関わらず同じに設定されている。
実施例のパチンコ機10では、特図当り判定で小当りに当選した場合に、所定の種類(実施例では1種類)の小当り遊技が決定され、その決定された小当り遊技が付与される。ここで、実施例では小当り遊技が1種類定められており、特図当り判定で大当りに当選した際に決定される小当りの特図当り図柄(特図1および特図2)に基づいて、当該1つの小当り遊技が決定される。実施例では、第1特図表示部50Aに表示可能な小当りの特図当り図柄(特図1)として図柄Dが定められ、第2特図表示部50Bに表示可能な小当りの特図当り図柄(特図2)として図柄dが定められており、小当りの当選に伴って図柄D,dが決定されることで、所定の小当り遊技が行われる。ここで、実施例の小当り遊技は、1回の開放時間が「1.5(秒)」に設定された開放動作を特別入賞部40の特別開閉部材43に1回行わせるよう設定されている。なお、実施例では1種類の小当り遊技を設定したが、特別開閉部材43の開放動作態様(時間や開放回数)が異なる複数種類の小当り遊技を設定してもよく、このように複数種類の小当り遊技を設定した場合は、前述した大当りと同様に、特図表示部50A,50Bに停止表示された小当りの特図当り図柄の種類に応じて小当り遊技の種類が決定されるようになっていればよい。
(可変入球部125,130の開閉制御について)
次に、前記ゲート部34をパチンコ球が通過することを契機として開放作動が許容される前記可変入球部125,130の開閉制御について説明する。
実施例のパチンコ機10は、前記ゲート部34をパチンコ球が通過することを契機として行われる普図当り判定において普図当りの判定結果(すなわち開放作動を許容する判定結果)となる(すなわち普図当りとなる)のに伴って前記作動口111を開放した場合に、当該作動口111に入球したパチンコ球が第1分岐通路116および第2分岐通路117の何れを通過するかによって開放作動する可変入球部125,130が変化する。そこで、実施例では、普図当り判定で当りの判定結果(すなわち開放作動を許容する判定結果)となることを契機として、作動口111に入球したパチンコ球を通出させる分岐通路116,117を前記メイン制御CPU60aが決定するようになっている。なお、以下の説明では、前記ゲート部34をパチンコ球が通過することを契機として開放作動を許容する判定結果となることを普図当りと指称する場合がある。具体的には、普図当りに伴って作動入球部110の作動口開閉部材112を開放作動する態様(開閉動作パターンP1〜P2)をメイン制御CPU60aが決定することで、前記作動口111に入球したパチンコ球が第1分岐通路116および第2分岐通路117の何れかに振り分けられるよう構成されている。ここで、作動口111に入球したパチンコ球が第1分岐通路116および第2分岐通路117の何れの通路に振り分けられるかは、前記作動口111に入球したパチンコ球が前記振分部材121による振分領域に到来するタイミングと、そのタイミングにおける振分部材121の動作位置とにより定まるようになっている。そこで、振分部材121の作動態様、およびメイン制御CPU60aが決定する作動入球部110の作動口開閉部材112の作動態様の夫々について説明する。
(振分部材121の振分動作パターンについて)
前記メイン制御ROM60bには、振分部材121を第1振分位置および第2振分位置に変位させるタイミングを定めると共に、当該第1振分位置および第2振分位置で振分部材121を保持する時間(振分時間)を定めた振分動作パターンが設定されている。そして、普図当り判定が当りの判定結果となることを契機として、振分動作パターンに定められたタイミングおよび振分時間で振分部材121を第1振分位置および第2振分位置に変位するよう前記メイン制御CPU60aが第2ソレノイド122を駆動制御するよう構成されている。ここで、前記振分動作パターンは、メイン制御ROM60bに1種類だけ設定されており、普図当り判定が当りの判定結果となることを契機として一定の態様で振分部材121が第1振分位置および第2振分位置に変位するようになっている。
具体的に、前記振分動作パターンは、図8に示すように、第1振分位置に保持された振分部材121を、所定の作動開始タイミングにおいて第1振分位置から第2振分位置に変位させ、第2振分位置に変位させてから所定の時間(第1振分時間TZ1)の経過後に振分部材121を第2振分位置から第1振分位置に変位させ、当該第1振分位置に変位させてから更に所定の時間(第2振分時間TZ2)の経過後に振分部材121を第1振分位置から第2振分位置に変位させ、当該第2振分位置に変位させてから更に所定の時間(第3振分時間TZ3)の経過後に振分部材121を第2振分位置から第1振分位置に変位するよう設定されている。すなわち、振分部材121が第1振分位置にある状態(第2振分時間TZ2の間)でパチンコ球が分岐領域に到来することで、パチンコ球が第1分岐通路116へ振り分けられて可変入賞部125の入賞口開閉部材126が開放作動し得ると共に、通路振分部120の振分部材121が第2振分位置にある状態(第1または第3振分時間TZ1,TZ3の間)でパチンコ球が分岐領域に到来することで、パチンコ球が第2分岐通路117へ振り分けられて可変始動部130の入賞口開閉部材126を開放作動し得るようになっている。ここで、実施例では、普図当り判定に当選した場合に普図変動表示が終了してから所定の時間(例えば500ミリ秒)が経過したタイミングが、作動開始タイミングに設定されている。そして、後述のように、前記作動タイミングにおいて前記作動口開閉部材112が開放作動されて、作動口111への入球が許容されるようになっている。
また、前記第1振分時間TZ1は、第1振分位置から第2振分位置への振分部材121の変位(すなわち前記作動開始タイミング)と同時に作動口111に入球したパチンコ球が振分部材121による振分領域まで移動するのに必要な時間よりも短い時間に設定されて、当該パチンコ球が振分領域まで移動したタイミングにおいて振分部材121が第1振分位置に位置するようになっている。なお、実施例では、前記第1振分時間TZ1を0.1ミリ秒に設定してある。また、前記第2振分時間TZ2は、後述する第1の開放パターンP1に基づいて前記作動口開閉部材112を開放作動する際に作動口111に入球したパチンコ球が振分部材121による振分領域に到来する最も遅い時間よりも長い時間に設定される。すなわち、記第2振分時間TZ2は、第1の開放パターンP1で前記作動口開閉部材112が開放作動された場合に前記作動口111が開口する開放時間(実施例では、後述する第2作動口開放時間TA2となっている)が終了する間際に当該作動口111に入球したパチンコ球が振分部材121による振分領域に移動する最も遅い時間よりも長い時間に設定され、実施例では第2振分時間TZ2を2.0秒に設定してある。言い換えると、第1の開放パターンP1に基づいて前記作動口開閉部材112を開放作動する場合には、作動口111に入球したパチンコ球が振分部材121による振分領域に到来した際に、当該振分部材121が第1振分位置に位置するよう構成される。
また、前記第3振分時間TZ3は、後述する第2の開放パターンP2で前記作動口開閉部材112が開放作動された際に最終の開放作動に伴い作動口111に入球したパチンコ球が振分部材121による振分領域に移動する最大時間よりも長い時間に設定される。すなわち、記第3振分時間TZ3は、第2の開放パターンP2で前記作動口開閉部材112が開放作動された場合に前記作動口111が開口する最も遅いタイミングの開放時間(実施例では、後述する第4作動口開放時間TA4となっている)の間に当該作動口111に入球したパチンコ球が振分部材121による振分領域に移動可能な最大時間よりも長い時間に設定され、実施例では第3振分時間TZ3を1.5ミリ秒に設定してある。言い換えると、第2の開放パターンP2に基づいて前記作動口開閉部材112を開放作動する場合には、作動口111に入球したパチンコ球が振分部材121による振分領域に到来した際に、当該振分部材121が第1振分位置に位置するよう構成される。
すなわち、実施例では、普図当り判定に当選するのに伴って、実質的に第1分岐通路116へのパチンコ球の振分動作を行った後に、第2分岐通路117へのパチンコ球の振分動作を振分部材121が行うよう前記メイン制御CPU60aにより第2ソレノイド122が駆動制御される。すなわち、振分部材121の作動タイミングと同時に作動口111に入球したパチンコ球は、実質的に前記第2分岐通路117へ移動不能となっており、第1振分時間TZ1の経過に伴って第1位置に変位した振分部材121により第1分岐通路116へ振り分けられるよう構成されている。
(作動入球部110の開放作動について)
次に、前記ゲート部34をパチンコ球が通過することを契機とした作動入球部110の開放作動について説明する。
(開放パターンについて)
前記メイン制御ROM60bには、前記作動入球部110の作動口開閉部材112を開放位置および閉鎖位置に変位させるタイミングを定めると共に、当該開放位置および閉鎖位置で作動口開閉部材112を保持する時間(開放時間)を定めた開放パターンP1〜P2が設定されている。そして、普図当り判定が当りの判定結果となることを契機として、開放パターンP1〜P2に定められたタイミングおよび開放時間で作動口開閉部材112を開放位置および閉鎖位置に変位するよう前記メイン制御CPU60aが第1ソレノイド113を駆動制御するよう構成されている。すなわち、前記メイン制御CPU60aが開放パターンP1〜P2に基づいて第1ソレノイド113を駆動制御することで、前記作動口開閉部材112が閉鎖位置から開放位置に変位して作動口111へのパチンコ球の入球を許容する開放作動と、開放位置から閉鎖位置に変位して作動口111への入球を規制する閉鎖作動とを行うようになっている。
(普図当り図柄と開放パターンの関係について)
ここで、実施例のパチンコ機10では、前記作動口開閉部材112の作動態様が異なる複数の開放パターンP1〜P2が設定されており、普図当り判定で普図当りの判定結果(すなわち開放作動を許容する判定結果)となることを契機として複数の開放パターンP1〜P2の中から1つの開放パターンをメイン制御CPU60aが決定し、その決定された開放パターンP1〜P2に基づいて前記作動入球部110の作動口開閉部材112を開閉作動するよう構成される。なお、実施例では、メイン制御CPU60aが決定可能な開放パターンとして2種類の開放パターンが設定されており、以下の説明において、第1開放パターンP1、第2開放パターンP2として区別する場合がある。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、普図当り判定の判定が普図当りとなる判定結果の場合に、1回の普図当りに伴う作動口開閉部材112の作動態様を定めた複数の開放パターンから開放パターンを決定する開放パターン決定手段としての機能を備えている。
ここで、図8に示すように、複数の開放パターンP1〜P2の内で何れの開放パターンで作動口開閉部材112を開放動作させるかは、普図当り判定に当選した際の遊技状態に応じて定められている。実施例では、普図当り判定を行う時点での遊技状態が第1の非変短状態であるか、第2の非変短状態であるか、変短状態であるかに応じて定められている。具体的に、第1の非変短状態の場合には第1の開放パターンP1で作動口開閉部材112を開放動作させ、第2の非変短状態の場合には第2の開放パターンP2で作動口開閉部材112を開放動作させ、変短状態の場合には第1の開放パターンP1で作動口開閉部材112を開放動作させるよう構成されている。
(第1開放パターンP1について)
前記第1開放パターンP1は、前記振分部材121の動作タイミングとの関係で、作動入球部110の作動口111に入球して分岐領域まで移動したパチンコ球が第1分岐通路116へ振り分けられるように作動口開閉部材112を作動させるよう第1ソレノイド113の動作タイミングが定められている。すなわち、第1開放パターンP1に基づいて作動入球部110の作動口開閉部材112が作動する際に、作動口111に入球したパチンコ球が前記可変入賞部125の第1作動部材138を作動して入賞口開閉部材126を開放作動するよう構成される。すなわち、第1開放パターンP1に基づいて作動口開閉部材112が作動される状態(すなわち第1の非変短状態および変短状態)では、可変始動部130が開放せず、固定始動部31への入賞によってのみ始動条件(特図当り判定条件)が成立するようになっている。
具体的に、前記第1開放パターンP1は、図8に示すように、普図当り判定に当選した場合に、普図当り判定に当選してから所定の作動開始タイミングにおいて作動口開閉部材112を開放作動(1回目)して閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第1の作動口開放時間TA1の経過後に作動口開閉部材112を閉鎖作動(1回目)して開放位置から閉鎖位置に変位させ、閉鎖位置への変位から第1の作動口閉鎖時間TB1の経過後に作動口開閉部材112を開放作動(2回目)して閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第2の作動口開放時間TA2の経過後に作動口開閉部材112を閉鎖作動(2回目)して開放位置から閉鎖位置に変位させ、その後第2の作動口閉鎖時間TB2の間、作動口開閉部材112を閉鎖位置に維持するようメイン制御CPU60aが第1ソレノイド113を駆動制御(励磁制御)するよう設定される。ここで、第1の作動口開放時間TA1は、前記第1振分時間TZ1と同じ時間(実施例では0.1秒)に設定され、第1の作動口閉鎖時間TB1は0.1秒に設定され、第2の作動口開放時間TA2は1.0秒に設定され、第2の作動口閉鎖時間TB2は2.0秒に設定されており、第1または第2の作動口開放時間TA1,TA2の間に作動口111に入球したパチンコ球が分岐領域まで移動した際に、振分部材121が第1振分位置に位置することで、当該パチンコ球により可変入賞部125の第1作動部材138を作動して入賞口開閉部材126を開放作動させ得るようになっている。なお、第1開放パターンP1における前記作動開始タイミングは、普図当り判定に当選してから前記振分部材121を最初に第1振分位置から第2振分位置に変位させるタイミングと同じタイミングに設定されている。
(第2開放パターンP2について)
前記第2開放パターンP2は、前記振分部材121の動作タイミングとの関係で、作動入球部110の作動口111に入球して分岐領域まで移動したパチンコ球が第2分岐通路117へ振り分けられるように作動口開閉部材112を作動させるよう第1ソレノイド113の動作タイミングが定められている。すなわち、第2開放パターンP2に基づいて作動入球部110の作動口開閉部材112が作動する際に、作動口111に入球したパチンコ球が前記可変始動部130の第1作動部材138を作動して始動口開閉部材131を開放作動するよう構成される。すなわち、第2開放パターンP2に基づいて作動口開閉部材112が作動される状態(すなわち第2の非変短状態)では、可変始動部130の開放が許容されて、固定始動部31および可変始動部130の何れかへの入賞によって始動条件(特図当り判定条件)が成立するようになっている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第1開放パターンP1により作動口開閉部材112を開放作動することで、前記可変入賞部125の入賞口開閉部材126の開放作動が許容され、第2開放パターンP2により作動口開閉部材112を開放作動することで、前記可変始動部130の始動口開閉部材131の開放作動が許容されるよう構成されている。
具体的に、前記第2開放パターンP2は、図8に示すように、普図当り判定に当選した場合に、普図当り判定に当選してから所定の作動開始タイミングにおいて前記作動口開閉部材112を開放作動(1回目)して閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第3の作動口開放時間TA3の経過後に作動口開閉部材112を閉鎖作動(1回目)して開放位置から閉鎖位置に変位させ、閉鎖位置への変位から第3の作動口閉鎖時間TB3の経過後に作動口開閉部材112を開放作動(2回目)して閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第4の作動口開放時間TA4の経過後に作動口開閉部材112を閉鎖作動(2回目)して開放位置から閉鎖位置に変位させ、その後第4の作動口閉鎖時間TB4の間、作動口開閉部材112を閉鎖位置に維持するようメイン制御CPU60aが第1ソレノイド113を駆動制御(励磁制御)するよう設定される。ここで、第3の作動口開放時間TA3は、前記第1振分時間TZ1と同じ時間(実施例では0.1秒)に設定され、第3の作動口閉鎖時間TB3は2.0秒に設定され、第4の作動口開放時間TA4は1.0秒に設定され、第4の作動口閉鎖時間TB4は0.1秒に設定されており、第4の作動口開放時間TA4の間に作動口111に入球したパチンコ球が分岐領域まで移動した際に、振分部材121が第2振分位置に位置することで、当該パチンコ球により可変始動部130の第1作動部材138を作動して始動口開閉部材131を開放作動させ得るようになっている。なお、第2開放パターンP2における前記作動開始タイミングは、普図当り判定に当選してから前記振分部材121を最初に第1振分位置から第2振分位置に変位させるタイミングと同じタイミングに設定されている。このように、第1開放パターンP1および第2開放パターンP2の夫々に基づいてメイン制御CPU60aが第1ソレノイド113を駆動制御する駆動制御時間は、何れも3.2秒(「TA1+TB1+TA2+TB2」および「TA3+TB3+TA4+TB4」)に設定されている。
ここで、実施例では、1回の普図当りに伴って第1開放パターンP1および第2開放パターンP2の夫々に基づいて作動口開閉部材112を作動する場合に、当該作動口開閉部材112を第2位置に保持する合計作動時間(すなわち作動口111の総開放時間)は、何れも1.1秒(「TA1+TA2」および「TA3+TA4」)に設定されている。すなわち、第1の非変短状態および第2の非変短状態では、前記普図当り判定が開放作動を許容する判定結果となることを契機とした前記作動口111へのパチンコ球の入球期待度が変わらないようにメイン制御CPU60aにより第1ソレノイド113が駆動制御される。一方で、変短状態では、第1の非変短状態および第2の非変短状態の場合より普図変動時間が短く設定されており、普図当り判定が行われる頻度が多く、また普図当り確率が高く設定される。このため、変短状態では、前記普図当り判定が開放作動を許容する判定結果となることを契機とした前記作動口111へのパチンコ球の入球期待度が第1の非変短状態および第2の非変短状態の場合より高くなるようイン制御CPU60aにより第1ソレノイド113が駆動制御されている。
そして、第1の非変短状態および第2の非変短状態では、普図当り判定に当選した際に作動口111へのパチンコ球の入賞契機が変化しない一方で、作動口開閉部材112が作動される開放パターンP1〜P2の種類によって、可変入賞部125の入賞口開閉部材126が開放作動するか、可変始動部130の始動口開閉部材131が開放作動するかが異なり、作動口開閉部材112の作動態様に対する遊技者の関心を高めている。なお、最終的に各可変入球部125,130の開閉部材126,131を開放作動するには、作動口開閉部材112を開放作動して作動口111を開放している間に、当該作動口111へ入球することが必要となる。
すなわち実施例のパチンコ機10では、第1の開放パターンP1で作動口開閉部材112が開閉作動する第1の非変短状態および変短状態は、普図当り判定に当選(開放判定に当選)した際に、前記作動口111への入球を契機として前記可変入賞部125の開放作動が許容される割合が高く、第2の開放パターンP2で作動口開閉部材112が開閉作動する第2の非変短状態では、普図当り判定に当選(開放判定に当選)した際に、前記作動口111への入球を契機として前記可変始動部130の開放作動が許容される割合が高い遊技状態として設定されている。すなわち、第1の非変短状態および変短状態は、固定始動部31へパチンコ球を入賞させることにより始動条件(特図当り判定条件)を成立させて遊技を行う遊技状態とされる一方で、第2の非変短状態は、可変始動部130へパチンコ球を入賞させることにより始動条件(特図当り判定条件)を成立させて遊技を行う遊技状態とされている。ここで、実施例のパチンコ機10では、可変始動部130へのパチンコ球の入賞を契機として特図当り判定が行われる場合に、固定始動部31へのパチンコ球の入賞を契機として特図当り判定が行われる場合よりも、小当り遊技に当選する確率が高くなるよう構成されている。すなわち、第2の非変短状態では、第1の非変短状態や変短状態と比べて次の大当り遊技が生起されるまでの間に小当り遊技が生起される割合が高く、当該小当り遊技を契機とした賞球を獲得可能な遊技状態となっている。このため、非変短状態の内で、第1の非変短状態となる遊技状態よりも第2の非変短状態となる遊技状態の方が遊技者に有利な遊技状態となっている。このように、実施例のパチンコ機10では、第3の当り遊技後の遊技状態(非確変状態かつ第1の非変短状態)、第2の当り遊技後の遊技状態(確変状態かつ変短状態)、第1の当り遊技後の遊技状態(確変状態かつ第2の非変短状態)の順で、遊技者に有利な遊技状態となっている。すなわち、前記作動入球部110へのパチンコ球の入球に伴って前記可変始動部130が開放作動する頻度および前記可変始動部130が開放作動する頻度を遊技状態(第2の非変短状態か否か)に応じて異ならせるよう構成されている。
(パチンコ機10の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図4に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板60(メイン制御手段)と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する演出制御基板65と、図柄表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10の前枠13や遊技盤20が備える各種発光装置18の発光制御を行う発光制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記演出制御基板65が表示制御基板70、発光制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、発光制御基板72は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光装置18の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや大きさ等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図4に示に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記固定始動検出センサ75、可変入賞検出センサ77、可変始動検出センサ78、特別入賞検出センサ79、ゲートセンサ76等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、第1および第2特図表示部50A,50B、普図表示部55等の各表示部が接続されて、各センサの検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示部の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU60a(開放制御手段)には、前記可変作動入球部110の第1ソレノイド113、通路振分部120の第2ソレノイド122および特別入賞部40に設けられた特別入賞ソレノイド42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイドの駆動制御が行われるようになっている。
(始動部への入賞に伴う入賞情報について)
メイン制御CPU60aは、始動部(固定始動部31または可変始動部130へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には始動検出センサ(固定始動検出センサ75、可変始動検出センサ78)がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが始動検出センサ75,78の検出を契機として取得する乱数としては、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、特図変動パターン決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ミリ秒)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、何れかの始動検出センサ75,78の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記固定始動部31および可変始動部130にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)は、対応する第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の始動保留領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する始動保留領域が定まっており、各特図始動保留情報に基づいて図柄変動演出(特図変動表示)を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で特図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。実施例では、第1特図始動保留情報か第2特図始動保留情報かを区別可能に個別にメイン制御RAM60cに記憶されており、第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1特図始動保留情報よりも第2特図始動保留情報をメイン制御CPU60aが優先して読み出して、当該第2始動保留情報に基づく特図当り判定(図柄変動演出)を優先して実行するよう構成されている。
具体的に、メイン制御RAM60cには、第1始動保留情報を記憶可能な第1始動保留領域と、第2始動保留情報を記憶可能な第2始動保留領域とが設けられており、固定始動検出センサ75の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第1始動保留領域に記憶され、可変始動検出センサ78の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第2始動保留領域に記憶されるようになっている。また、第1始動保留領域および第2始動保留領域の夫々は、第1特図記憶領域〜第4特図記憶領域の4つの記憶領域から構成されており、始動検出センサ75,78の1回の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が対応する始動保留領域の第1領域〜第4領域に順に記憶されると共に、特図当り判定を行う場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で第1始動保留情報に優先して第2特図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。
前記特図当り判定用乱数は、特図変動表示(図柄変動演出)の結果として当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)を発生するか否かの当り判定(大当り判定および小当り判定)で用いる乱数である。実施例では、特図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ミリ秒)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、大当り判定の結果に応じて第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「111」の全102通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ミリ秒)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図表示に対応する乱数と、小当りの当選を示す1種類の特図表示に対応する乱数と、大当りの当選を示す100種類の特図表示に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。すなわち、固定始動検出センサ75の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1が特定され、可変始動検出センサ78の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定される。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に付与される大当り遊技の種類が特定されるようになっている。実施例では、前述したように小当り遊技は1種類が設定されていることから、前記小当り図柄としての特図1および特図2が特定されることで図柄変動演出の終了後に付与される小当り遊技も一義的に特定される。すなわち、特図決定用乱数が当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)の種類を決定する乱数としての機能を有している。また、前述したように、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に確変状態および変短状態が付与される可能性が定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与することが可能な乱数としての機能も有している。
前記特図変動パターン決定用乱数は、前記特図変動パターン決定用乱数は、図柄変動演出における演出内容を特定する複数の特図変動パターンから1つの特図変動パターンを決定する際に用いられる乱数である。実施例では、一次振分用乱数として、「0」〜「253」の全254通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ミリ秒)で1ずつ更新されるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数、特図変動パターン決定用乱数は、固定始動部31または可変始動部130へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には固定始動検出センサ75、可変入賞検出センサ77または可変始動検出センサ78がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、固定始動部31へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、可変始動部130へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動口31,132への入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(特図当り判定に関わる判定値について)
一方、前記メイン制御ROM60bには、特図変動表示(図柄変動演出)の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記特図当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(大当り判定)で用いる判定値であり、特図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、特図当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、図7(b)に示すように、確変状態のときに設定される大当り判定値の数(実施例では、大当りの当選確率が1/7.53となる数)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では、大当りの当選確率が1/19.56となる数)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態における大当り判定値の設定数を多くすることで、大当りが発生し易くなっている。
また、前記メイン制御ROM60bには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、大当り判定の結果が肯定の場合に、第1特図表示部50Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した102種類の特図決定用乱数に対応した数の整数値が設定されており、特図決定用判定値の夫々に個別に特図1および特図2が対応付けられている。
また、前記メイン制御ROM60bには、特図変動表示(図柄変動演出)の結果、小当りを発生させることを示す小当り判定値が記憶されている。小当り判定値は、特図当り判定において、前記特図当り判定用乱数を用いて小当りか否かの判定(小当り判定)で用いる判定値であり、特図当り判定用乱数の取り得る数値(実施例では「0」〜「65535」までの全65536通りの整数)の中から所定数の判定値が定められている。すなわち、特図当り判定用乱数は、大当り遊技および小当り遊技を生起するか否かの判定に使用される乱数である。ここで、小当り判定値は、固定始動検出センサ75の検出を契機として入賞情報(特図当り判定用乱数)が取得されたか、可変始動検出センサ78の検出を契機として入賞情報(特図当り判定用乱数)が取得されたかに応じて判定値の設定数が異なっている。
実施例では、可変始動部130への入賞(可変始動検出センサ78の検出)を契機とした特図当り判定が行われる場合に、大当りに当選しない場合の多くで小当りに当選するようになっている。言い換えると、可変始動部130への入賞(可変始動検出センサ78の検出)を契機とした特図当り判定が行われる場合(すなわち第2の非変短状態の場合)は、小当りに当選して小当り遊技において賞球を獲得し得るようにすることで、固定始動部31への入賞(固定始動検出センサ75の検出)を契機とした特図当り判定が行われる場合(すなわち第1の非変短状態または変短状態の場合)よりも遊技者が所持するパチンコ球(所謂持ち球)が減少し難くしてある。具体的には、固定始動検出センサ75の検出を契機として入賞情報(特図当り判定用乱数)が取得された場合に設定される小当り判定値の数(実施例では、小当り確率が1/19.56となる数)は、可変始動検出センサ78の検出を契機として入賞情報(特図当り判定用乱数)が取得された場合に設定される小当り判定値の数(実施例では、小当り確率が1/1.15となる数)よりも少なく設定されている。このように、固定始動部31への入賞(固定始動検出センサ75の検出)を契機とした特図当り判定よりも、可変始動部130への入賞(可変始動検出センサ78の検出)を契機とした特図当り判定の方が、小当り遊技が発生し易く(小当り確率が高く)なっている。
また、メイン制御ROM60bには、特図変動パターン決定用判定値が記憶されている。特図変動パターン振分判定値は、前記特図変動パターン決定用乱数を用いて複数種類の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンの決定に用いる判定値であり、特図変動パターン毎に所定の所定数の判定値が割当てられており、取得された特図変動パターン決定用乱数に対応する判定値が割り当てられた特図変動パターンがメイン制御CPU60aにより選択されるようになっている。
(特図変動パターンについて)
メイン制御ROM60bには、複数種類の特図変動パターンが記憶されている。前記特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから飾図が確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄変動演出および特図変動表示の時間)を特定している。
ここで、前記特図変動パターンとして、複数種類の特図当り用の特図変動パターンと、リーチ演出が行われる複数種類のリーチはずれ用の特図変動パターンと、リーチ演出が行われないリーチなしはずれ用の特図変動パターンとが設けられている。なお、特図当り用の特図変動パターンは、特図当り判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、リーチはずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、リーチなしリーチなしはずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が否定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンである。なお、リーチ演出は、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出においてリーチ表示が表示されてから、特図当りまたは特図はずれとなる飾図の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。
(ゲート部への入賞に伴う開放判定情報について)
メイン制御CPU60aは、ゲート部34をパチンコ球が通過したこと(具体的にはゲートセンサ76がパチンコ球を検出したこと)を契機として開放判定情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aがゲートセンサ76の検出を契機に取得する乱数としては、普図当り判定用乱数、普図変動パターン決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ミリ秒)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、ゲートセンサ76の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている開放判定情報を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記ゲート部34に入球(ゲートセンサ76をパチンコ球が検出)した際に取得される開放判定情報(各種乱数値)は、普図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の普図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。普図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する保留領域が定まっており、メイン制御RAM60cに記憶した順序で普図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。具体的に、メイン制御RAM60cには、普図始動保留情報を記憶可能な保留領域は、第1普図記憶領域〜第4普図記憶領域の4つの記憶領域から構成されており、ゲートセンサ76の1回の検出を契機に取得される開放判定情報(各種乱数値)が第1領域〜第4領域に順に記憶されると共に、普図変動表示を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で第1領域〜第4領域から普図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。
前記普図当り判定用乱数は、普図変動表示の結果として可変始動部130の開放(普図当り)を許容するか否かの普図当り判定(普図当り抽選)で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ミリ秒)で1ずつ更新されるようになっている。また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出表示が行われた結果として普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。そして、取得した普図当り判定用乱数が普図当り判定値と一致する場合に、メイン制御CPU60aが普図当りと判定して、普図変動表示が行われた後に作動口開閉部材112を開閉させるようになっている。
ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かにより判定値の設定数が異なっている。具体的には、図7(c)に示すように、変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では11100個)は、非変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では11000個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態(第1の変短状態または第2の変短状態)における普図当り判定値の設定数を多くすることで、非変短状態よりも普図当りが発生し易くなるよう構成される。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、ゲートセンサ76の検出を契機として作動入球部110の開放作動を許容する開放判定手段としての機能を備えている。
前記普図変動パターン振分用乱数は、普図表示部55において行われる普図変動表示の変動時間(普図変動時間)を定めた普図変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、普図変動パターン振分用乱数として、「0」〜「22」の全23通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ミリ秒)で1ずつ更新されるようになっている。
(普図変動パターンについて)
実施例では、異なる普図変動時間を定めた複数種類の普図変動パターンがメイン制御ROM60bに設定されており、ゲート部34をパチンコ球が通過した際に(より具体的にはゲートセンサ76がパチンコ球を検出した際に)取得される普図変動パターン決定用乱数に基づいて、メイン制御CPU60aが普図変動時間を決定するようになっている。実施例では、第1の普図変動時間(実施例では5000ミリ秒)に設定された第1の普図変動パターン、第2の普図変動時間(実施例では1400ミリ秒)に設定された第2の普図変動パターンが設定されている。
メイン制御ROM60bには、普図当り判定を行う際に特定される遊技状態(具体的には第1の非変短状態であるか、第2の非変短状態であるか、変短状態であるか)に応じて、普図変動パターン毎の普図変動パターン決定用判定値が設定されており、前記ゲート部34にパチンコ球が通過した際に取得された普図変動パターン決定用乱数に基づいて1つの普図変動パターン(変動時間)が決定されるようになっている。実施例では、普図当り判定を行う際の遊技状態が第1および第2の非変短状態の場合にメイン制御CPU60aが第1の普図変動パターンを決定するよう普図決定用判定値が割り当てられており、普図当り判定を行う際の遊技状態が変短状態の場合にメイン制御CPU60aが第2の普図変動パターンを決定するよう普図決定用判定値が割り当てられている。このように、実施例のメイン制御CPU60aは、普図当り判定が行われてから前記作動口開閉部材112を開放作動するまでの時間(許容待機時間)を決定する許容待機時間決定手段として機能するよう構成されている。ここで、実施例では、普図変動パターン決定用判定値には、普図変動パターン決定用乱数に対応した「0」〜「22」の23個の整数値が設定されている。
(メイン制御基板での処理について)
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する処理について説明する。メイン制御CPU60aは、パチンコ機10への電源投入に伴いセキュリティーチェック等の初期設定処理を実行した後に、パチンコ機10での遊技が可能な状態に移行する。この状態では、通常処理を所定の制御周期(4ミリ秒毎)に実行するようになっている。ここで、メイン制御CPU60aが実行する通常処理では、各種乱数を更新する乱数更新処理や、時間を計測するタイマ更新処理や、各種のコマンドを入出力するコマンド入出力処理や、遊技情報表示部Mでの表示内容に関する処理、フラグの設定処理、当り遊技の実行に関する処理等を実行すると共に、始動部への入賞に関する特図入力処理や、特図当り判定に関する特図開始処理を実行するようになっている。以下、特図入力処理および特図開始処理について具体的に説明する。
(特図入力処理について)
特図入力処理では、図9に示すように、固定始動部31にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、固定始動部31に対応する固定始動検出センサ75、可変入賞検出センサ77がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、一次振分用乱数の値および二次振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第1入賞時始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cにおける第1始動保留領域の第1〜第4領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、可変始動部130にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、可変始動部130に対応する可変始動検出センサ78がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、一次振分用乱数の値および二次振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第2入賞時始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの第2始動保留領域の第1〜第4領域に設定し(ステップA18)、特図入力処理を終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図10に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の制御周期(実施例では4ミリ秒)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU60aは、特図表示部50A,50Bおよび図柄表示装置17において特図1または特図2が変動表示中であるか、または当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB14)、保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当該第2特図始動保留情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン決定用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第2特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の保留数に対応するように第2特図保留表示部53の表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により第2特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図11に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値または小当り判定値と一致するか否かを判定する特図当り判定(当り抽選)を行う(ステップB22)。そして、ステップB22における特図当り判定の判定結果が大当りの場合には(大当り遊技が発生する場合には)、特図当りフラグに大当りに当選した変動であることを示す「1」が設定される(ステップB23)。また、特図当り判定の判定結果が小当りの場合には(小当り遊技が発生する場合には)、特図当りフラグに小当りに当選した変動であることを示す「2」が設定される。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図決定用乱数の値には、特図2の特図当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで特図当り図柄を決定することになる。そして、特図当り図柄(特図2)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいて特図当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB25)。
一方、ステップB22の特図当り判定の判定結果が否定の場合には(特図当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB27の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB28)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB29)。
また、ステップB27での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB30)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB31)。
ここで、ステップB25,B29,B31において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図2)を決定したメイン制御CPU60aは、所定の制御コマンドを設定する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、決定した特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドや、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを設定する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン決定用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、可変始動部130への入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、固定始動部31への入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第1特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の保留数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
前記ステップB19の処理により第1特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図12に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値または小当り判定値と一致するか否かを判定する特図当り判定(当り抽選)を行う(ステップB32)。そして、ステップB32における特図当り判定の判定結果が大当りの場合には(大当り遊技が発生する場合には)、特図当りフラグに大当りに当選した変動であることを示す「1」が設定される(ステップB33)。また、特図当り判定の判定結果が小当りの場合には(小当り遊技が発生する場合には)、特図当りフラグに小当りに当選した変動であることを示す「2」が設定される。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB34)。ここで、特図決定用乱数の値には、特図1の特図当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで特図当り図柄を決定することになる。そして、特図当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいて特図当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB35)。
一方、ステップB32の特図当り判定の判定結果が否定の場合には(特図当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB37)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB37の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB38)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB39)。
また、ステップB37での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB40)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB41)。
ここで、ステップB35,B39,B41において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図1)を決定したメイン制御CPU60aは、所定の制御コマンドを設定する(ステップB36)。具体的には、メイン制御CPU60aは、決定した特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドや、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを設定する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
ここで、特図開始処理において設定された各制御コマンドは、前述した通常処理におけるコマンド入出力処理においてメイン制御CPU60aが演出制御基板65に対して出力すると共に、タイマ更新処理において特図変動パターンで特定された変動時間の計測をメイン制御CPU60aが開始し、これと同時に、メイン制御CPU60aが特図変動表示を開始させるように対応する特図表示部50A,50Bを制御する。そして、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを演出制御基板65に出力する。
ここで、メイン制御CPU60aは、特図当り図柄が確変状態を付与する種類の特図当り図柄(特図当り図柄A,B,O)の場合には、フラグ設定処理において当り遊技の終了後に確変状態を示す確変フラグを「1」に設定する。この確変フラグは、確変状態の終了条件が満たされることで、フラグ設定処理においてメイン制御CPU60aが確変フラグを「0」に設定するようになっている。実施例では、確変状態の終了条件は、次の特図当り遊技が開始することで成立するようになっており、メイン制御CPU60aが当り遊技を開始するタイミングで確変フラグを「0」に設定するようになっている。すなわち、遊技状態特定情報としての確変フラグを参照することでメイン制御CPU60aが遊技状態を特定し得るようになっている。
また、実施例では、メイン制御CPU60aは、特図当り図柄が大当り遊技後に第1の非変短状態に移行する特図当り図柄(図柄C,図柄c)の場合には、フラグ設定処理において変短フラグを第1の非変短状態を示す「1」に設定し、大当り遊技後に第2の非変短状態に移行する特図当り図柄(図柄A,図柄a)の場合には、変短フラグを第2の非変短状態を示す「2」に設定し、大当り遊技後に変短状態に移行する特図当り図柄(図柄B,図柄b)の場合には、変短フラグを第2の非変短状態を示す「3」に設定する。この変短フラグは、変短状態の終了条件が満たされることで、フラグ設定処理においてメイン制御CPU60aが変短フラグを「1」に設定するようになっている。すなわち、遊技状態特定情報としての変短フラグを参照することでメイン制御CPU60aが遊技状態を特定し得るようになっている。実施例では、変短状態の終了条件は、次の特図当り遊技が開始するか、特図当り(第2の大当り遊技)に当選した際に決定された変短状態の付与期間(変短回数)の図柄変動演出(特図変動表示)を実行することで成立するようになっており、メイン制御CPU60aが当り遊技を開始するタイミングまたは変短回数の次の図柄変動演出(特図変動表示)が行われる前に変短フラグを「1」に設定する。
すなわち、確変フラグの値を参照することで、確変状態が付与された遊技状態か確変状態が付与されていない非確変の遊技状態かをメイン制御CPU60aが特定し得るよう構成されている。また、遊技状態特定情報(確変フラグや変短フラグの値)を参照することで、第1の非変短状態の遊技状態か、第2の非変短状態の遊技状態か、変短状態の遊技状態かをメイン制御CPU60aが特定し得るようになっている。このように、メイン制御CPU60aは、複数の遊技状態を特定可能な遊技状態判定手段として機能するよう構成されている。また、変短状態の付与期間の経過に伴い変短状態の終了条件を満たした場合には、コマンド入出力処理においてメイン制御CPU60aが変短終了コマンドを演出制御基板65に出力するようになっている。
(ゲート部34への入球に伴う制御処理について)
また、メイン制御CPU60aが実行する通常処理では、ゲート部34への入賞に関する普図入力処理や、普図当り判定に関する特図開始処理を実行するようになっている。以下、普図入力処理および普図開始処理について具体的に説明する。
(普図入力処理について)
普図入力処理では、図13に示すように、ゲート部34をパチンコ球が通過したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップF11)。すなわち、ステップF11においてメイン制御CPU60aは、ゲート部34に対応するゲートセンサ76がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップF11の判定結果が否定の場合には、普図入力処理を終了する。ステップF11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている普図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップF12)。ステップF12の判定結果が否定(すなわち普図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、普図入力処理を終了する。
ステップF12の判定結果が肯定(普図始動保留情報の保留数<4)の場合には、普図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1普図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップF13)。続いて、メイン制御RAM60cから普図当り判定用乱数の値、普図変動パターン決定用乱数の値をメイン制御CPU60aが読み出して、当該乱数の値を普図始動保留情報の保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップF14)。これにより、普図入力処理が終了する。
(普図開始処理について)
次に、普図開始処理について図14に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、普図開始処理を所定の周期(実施例では4ミリ秒)毎に実行している。普図開始処理では、メイン制御CPU60aは、普図表示部55において普図が変動表示中であるか、または普図当り中であるか否かを判定する(ステップG11)。そして、ステップG11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、普図開始処理を終了する。一方、ステップG11の判定結果が否定の場合には、普図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップG12)、普図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップG13)。ステップG13の判定結果が否定の場合には(普図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、普図開始処理を終了する。またメイン制御CPU60aは、ステップG13の判定結果が肯定の場合には(普図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される普図変動処理フラグに普図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが普図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップG14)、当該普図始動保留情報の保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている普図当り判定用乱数の値、普図変動パターン決定用乱数をメイン制御CPU60aが取得する(ステップG15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した普図始動保留情報が記憶される第1普図記憶領域から乱数を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2普図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した普図始動保留情報が記憶されている第2普図記憶領域の情報(乱数)を、前記第1普図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した普図始動保留情報が記憶されている第3普図記憶領域の情報(乱数)を前記第2普図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)普図始動保留情報が記憶されている第4普図記憶領域の情報(乱数)を前記第3普図記憶領域に記憶させる。すなわち、普図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の普図始動保留情報の保留数に対応するように普図保留表示部56の表示を変更させる。
前記ステップG15の処理により各種乱数が取得されると、メイン制御CPU60aは、取得した普図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている普図当り判定値と一致するか否かを判定する普図当り判定(当り抽選)を行う(ステップG16)。すなわち、メイン制御CPU60aは、変短フラグにより特定される遊技状態に基づいて普図当り判定を行うことで、開放作動を許容するか否かを決定している。
次いで、メイン制御CPU60aは、普図当りに伴う作動口開閉部材112の開閉条件(第1〜第2開放パターンP1〜P2および普図変動パターン)を決定する(ステップG18)。すなわち、ステップG18では、作動口開閉部材112の開閉条件として、第1〜第2開放パターンP1〜P2を決定する。すなわち、変短フラグが「1」または「3」の場合(第1の非変短状態または変短状態)には、普図当り図柄を決定することで第1開放パターンP1を決定すると共に第1の普図変動パターンを決定して普図当りの変動であることを示す普図当りフラグに「1」を設定する。また、変短フラグが「2」の場合(第2の非変短状態の場合)には、普図当り図柄を決定することで第2開放パターンP2を決定すると共に第2の普図変動パターンを決定して普図当りの変動であることを示す普図当りフラグに「2」を設定する。
また、ステップG16での普図当り判定の判定結果が否定の場合には(普図当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、普図表示部55にて確定停止表示される普図はずれを示す普図を最終停止図柄として決定すると共に、普図表示部55で実行する普図変動の変動時間を決定する(ステップG19)。なお、普図はずれの場合における普図変動パターンの決定は、前述した普図当りにおける普図変動パターンの決定と同じであるため、詳細な説明は省略する。そして、ステップG18,G19において普図変動パターンおよび最終停止図柄が決定されると、普図変動に関する処理を実行する(ステップG20)。具体的には、メイン制御CPU60aは、決定した普図変動パターンを指定すると共に普図変動の開始を指示する普図変動パターン指定コマンドや、開放パターンP1〜P2を指示するための開放パターン指定コマンドを設定する。そして、メイン制御CPU60aは、普図開始処理を終了する。
ここで、普図開始処理において設定された各制御コマンドは、前述した通常処理におけるコマンド入出力処理においてメイン制御CPU60aが演出制御基板65に対して出力すると共に、タイマ更新処理において普図変動パターンで特定された普図変動時間の計測をメイン制御CPU60aが開始し、これと同時に、メイン制御CPU60aが普図変動表示を開始させるよう普図表示部55を制御する。そして、メイン制御CPU60aは、前記指定した普図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、普図変動の停止を指示し、普図を確定停止表示させるための普図停止コマンドを演出制御基板65に出力する。そして、普図表示部55に普図当り図柄を表示した後に、普図開始処理とは別の処理で、前記普図当りフラグで特定される開放パターンP1〜P2で作動口開閉部材112を開放作動するようメイン制御CPU60aが第1ソレノイド113を駆動制御すると共に、所定の振分動作パターンで振分部材121を第1振分位置および第2振分位置に変位するよう第2ソレノイド122を駆動制御して、入賞口開閉部材126または始動口開閉部材131の開放作動を許容するようになっている。
(演出制御基板について)
前記演出制御基板65には、演出制御CPU65aが備えられている。該演出制御CPU65aには、図4に示す如く、演出制御ROM65bおよび演出制御RAM65cが接続されている。また、演出制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
ここで、前記演出制御ROM65bには、図柄変動演出において実行する図柄変動演出の具体的な演出内容を特定する演出パターンが記憶されている。各演出パターンは前記特図変動パターンに対応付けられており、メイン制御CPU60aにより決定された特図変動パターンに基づいて対応する演出パターンを演出制御CPU65aが決定するようになっている。すなわち、演出制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aが取得した入賞情報(乱数値)に基づいて、前記図柄表示装置17で行わせる図柄変動演出の演出内容を決定する演出内容決定手段として機能するよう構成されている。なお、前記演出パターンは、前記特図変動パターンに対して一対一の関係で対応付けられたものではなく、1つの特図変動パターンに対して複数の演出パターンが対応付けられており、特図変動パターンに対応付けられた演出パターンの中から1つの演出パターンを演出制御CPU65aが決定するようになっている。また、演出パターンには、図柄変動演出において各図柄列の飾図の停止タイミングが定められており、該演出パターンで定められる停止タイミングに従って各列に飾図が停止されると共に、該飾図の停止に合わせてスピーカ19から適宜の効果音が出力されたり、発光装置18が適宜の発光を行ったりするようになっている。
また、演出制御ROM65bには、発光制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
(演出制御基板での処理について)
次に、演出制御基板65の演出制御CPU65aが制御プログラムに基づき実行する処理について説明する。演出制御CPU65aは、パチンコ機10への電源投入に伴いセキュリティーチェック等の初期設定処理を実行した後に、パチンコ機10での遊技が可能な状態に移行する。この状態では、通常処理を所定の制御周期(4ミリ秒毎)に実行するようになっている。ここで、演出制御CPU65aが実行する通常処理では、演出制御用の各種乱数を更新する乱数更新処理や、時間を計測するタイマ更新処理や、各種のコマンドを入出力するコマンド入出力処理や、図柄変動時の演出実行に関する処理、フラグの設定処理、当り遊技時の演出実行に関する処理等を実行する。
すなわち、演出制御基板65の演出制御CPU65aは、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)から入力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70や発光制御基板72、音制御基板73等に出力する。演出制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置17に最終停止表示させる各図柄列の飾図を決定する。すなわち、演出制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が特図当り図柄の場合には、特図当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列の飾図が決定される。
また、メイン制御CPU60aから出力される特図1指定コマンドおよび特図2指定コマンドに基づいて、確変情報フラグおよび変短情報フラグを演出制御CPU65aが設定するようになっている。具体的には、特図1指定または特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、確変状態を付与する特図当り図柄に対応する場合に確変状態を示す確変情報フラグを「1」に設定し、確変状態を付与しない特図当り図柄に対応する場合に確変情報フラグを「0」に設定する。また、特図1指定または特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、第1の非変短状態または変短状態を付与する特図当り図柄に対応する場合に変短情報フラグを「1」に設定し、第2の非変短状態を付与する特図当り図柄に対応する場合に変短情報フラグを「2」に設定する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、演出制御CPU65aが遊技状態を特定し得るよう構成されている。
そして、前記演出パターンで特定される各図柄列の飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを表示制御基板70や発光制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、演出制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄列の飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄列の飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄列の飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
また、前記演出制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、演出制御CPU65aは、はずれリーチ演出用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。一方、演出制御CPU65aは、はずれ演出用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、演出制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板70や発光制御基板72、音制御基板73等に出力する。
(演出制御について)
次に、演出制御基板65で実行される処理について説明する。演出制御基板65では、前記変動開始制御コマンドが入力された際に、図柄変動演出の変動開始に関わる処理が行われる。演出制御基板65の演出制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを発光制御基板72や音制御基板73等に出力する。すなわち、演出制御CPU65aは、決定された変動パターンに基づいた図柄変動演出を実行させる演出実行制御制御手段として機能する。
ここで、演出制御CPU65aが選択可能な演出パターンは、特図変動パターン毎に分類されており、特図変動パターンに対応する演出パターンが選択される。また、演出制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置17に最終停止表示させる各図柄列の飾図を決定する。すなわち、演出制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が特図当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列の飾図が決定される。
そして、前記演出パターンで特定される各図柄列の飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを発光制御基板72や音制御基板73等に出力する。具体的には、演出制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄列の飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄列の飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄列の飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
(表示制御基板70について)
表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、図柄表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、図柄表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
このように、メイン制御CPU60aや演出制御CPU65aは、制御プログラムに基づいて制御処理を実行することで、各種の機能を発揮するようになっている。すなわち、始動部31,132への入賞(何れかの始動検出手段による検出を契機として)を契機として入賞情報を取得する入賞情報取得手段、入賞情報取得手段による入賞情報の取得を契機として当りか否か(大当り遊技または小当り遊技を生起するか否か)を判定する当り判定手段、当り判定手段が当りの判定結果の場合に、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)を決定する当り遊技決定手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。またメイン制御CPU60aは、決定した種類の当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)を特図変動表示終了後(図柄変動演出の終了後)に付与する当り遊技付与手段としての機能を備えている。すなわち、実施例では、当り遊技として大当り遊技および小当り遊技が設定されており、当り判定手段が大当りの判定結果の場合に大当り遊技を付与する大当り遊技付与手段、および当り判定手段が小当りの判定結果の場合に小当り遊技を付与する小当り遊技付与手段として機能する。更にメイン制御CPU60aは、前記入賞情報取得手段が取得した入賞情報に基づいて、前記図柄表示手段で行わせる図柄変動演出の変動時間を特定する変動パターンを複数から決定する変動パターン決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、第1特典遊技状態(確変状態)を付与するか否かを決定する第1特典遊技状態決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に第1特典遊技状態を付与する第1特典遊技状態付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)にのみ、確変状態を付与するか否かを判定するようになっている。
また、前記メイン制御CPU60aは、前記当り判定が当りの判定結果となることを契機として、当り遊技後に所定の開閉態様で作動入球部を開閉作動する第1の特定遊技状態(非変短状態)を付与するか、当り遊技後に第1の特定遊技状態よりも第2位置となる頻度が高い開閉態様で作動入球部を開閉作動する第2の特定遊技状態(変短状態)を付与するかを決定する特定遊技状態決定手段として機能している。更に、メイン制御CPU60aは、第1の特定遊技状態または第2の特定遊技状態を当り遊技終了後に付与する(移行する)特定遊技状態付与手段としても機能している。そして、第2の特定遊技状態(変短状態)を付与する場合に、入球容易状態を付与する期間を決定する付与期間決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に決定された入球容易状態を付与する期間だけ変短状態を付与する第2特典遊技状態付与手段(入球容易状態付与手段)としても機能している。更には、実施例では、第1の特定遊技状態として、作動入球部に入球した遊技球により第2の可変入球部よりも第1の可変入球部が開閉作動される頻度が高くなるように作動開閉部材が作動される第1の作動状態(第1の非変短状態)と、作動入球部に入球した遊技球により第1の可変入球部よりも第2の可変入球部が開閉作動される頻度が高くなるように作動開閉部材が作動される第2の作動状態(第2の非変短状態)が設定されており、メイン制御CPU60aが、前記当り判定が当りの判定結果となることを契機として、第1の作動状態を当り遊技の後に付与する第1の作動状態付与手段として機能すると共に当り判定が当りの判定結果となることを契機として第2の作動状態を当り遊技の後に付与する第2の作動状態付与手段として機能するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、所定の遊技状態特定情報を参照することで遊技状態を特定する遊技状態判定手段として機能する。なお、遊技状態特定情報としては、確変状態の付与状況を特定する情報や、変短状態の付与状況を特定する情報を設定することができ、特定情報の組み合わせにより複数の遊技状態を特定可能である。
また、実施例のメイン制御CPU60aは、前記遊技領域21を流下するパチンコ球が所定の入球部(ゲート部34)に入球することを契機として開放作動を許容する開放判定手段として機能しており、当該開放判定手段が開放作動を許容する判定結果となることを契機に開閉部材126,131が開放作動することで可変入賞口127,132に入賞可能になるよう構成されている。更に、メイン制御CPU60aは、作動入球部110を開放作動する開放パターンを決定する開放パターン決定手段としてメイン制御CPU60aが機能するようになっている。
また、前記メイン制御RAM60cは、第1始動部への遊技球の入球を契機として入球毎に取得した情報および前記第2始動部への遊技球の入球を契機として入球毎に取得した情報の夫々を始動保留情報として個別に複数記憶可能な記憶手段として機能する。具体的に、メイン制御RAM60cは、表示手段(図柄表示装置17や第1特図表示部50A)において変動表示が行われている間に第1始動部(固定始動部31)への入球を契機として取得される入賞情報を第1始動保留情報として記憶する記憶手段として機能し、表示手段(図柄表示装置17や第2特図表示部50B)において変動表示が行われている間に第2始動部(可変始動部130)への入球を契機として取得される入賞情報を第2始動保留情報として記憶する記憶手段として機能する。また、演出制御CPU65aは、前記図柄表示手段等の演出実行手段で行わせる演出内容を決定する演出決定手段としての機能を有すると共に、決定した演出を実行させる演出実行制御手段として機能している。
(実施例の作用)
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用について説明する。
第1の非変状態または変短状態となっている第1の遊技状態では、遊技領域21(第2球流下経路21b)に打ち出されたパチンコ球がゲート部34に入球することを契機として行われる普図当り判定により普図当りに当選した場合に、作動入球部110の作動口開閉部材112が第1の開放パターンP1で開閉作動され、作動口111に入球したパチンコ球が第1分岐通路116に振り分けられる。これにより、可変入賞部125の入賞口開閉部材126の開放作動が許容されて、当該可変入賞部125の可変入賞口127にパチンコ球を入賞させ得るようになる。一方で、第1の非変状態となっている第2の遊技状態では、遊技領域21(第2球流下経路21b)に打ち出されたパチンコ球がゲート部34に入球することを契機として行われる普図当り判定により普図当りに当選した場合に、作動入球部110の作動口開閉部材112が第2の開放パターンP2で開閉作動され、作動口111に入球したパチンコ球が第2分岐通路117に振り分けられる。これにより、可変始動部130の始動口開閉部材131の開放作動が許容されて、当該可変始動部130の可変始動口132にパチンコ球を入賞させ得るようになる。
このように、作動入球部110へのパチンコ球の入球に伴って可変始動部130が開放作動する頻度および前記可変始動部130が開放作動する頻度を遊技状態(すなわち第2の非変短状態か否か)に応じて異ならせたことで、作動入球部110へパチンコ球が入球した際に、開放作動される可変入球部(可変入賞部125および可変始動部130)に対する関心を高めることができる。ここで、可変入賞部125は、パチンコ球の入賞を契機として始動条件(特図当り判定条件)が成立しないよう構成すると共に、可変始動部130は、パチンコ球の入賞を契機として始動条件(特図当り判定条件)が成立するよう構成してあるから、作動入球部110へパチンコ球が入球した際に、開放する可変入球部(可変入賞部125および可変始動部130)に対する関心を一層高めることができる。
また、第1の非変状態または変短状態が付与された遊技状態では、遊技領域21(第2球流下経路21b)に打ち出して作動入球部110に入球させたとしても、可変始動部130への入賞が許容されないため、右打ち遊技が適さない遊技状態(すなわち左打ち遊技が適した遊技状態)であるのに対して、第2の非変状態が付与された遊技状態では、遊技領域21(第2球流下経路21b)に打ち出して作動入球部110に入球させることで、可変始動部130への入賞が許容されることで、右打ち遊技に適した遊技状態となる。このように、第1の非変状態または変短状態であるか、第2の非変短状態であるかに応じて、左打ち遊技と右打ち遊技の何れかを遊技者が任意に選択し得るから、遊技状態に応じて能動的な遊技の実行を遊技者に促すことができる。また、作動入球部110(作動口開閉部材112)が開放作動され難い遊技状態(具体的には第2の非変短状態)の場合に右打ち遊技を行うことで、従来にない斬新な遊技を行うことができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、第2の非変状態が付与された遊技状態では、遊技領域21(第2球流下経路21b)に打ち出して作動入球部110に入球させることで、可変始動部130への入賞が許容されることで、当該可変始動部130への入賞を契機とする始動条件が成立し、第1の非変状態または変短状態が付与された遊技状態よりも小当り遊技が生起され易くできる。
すなわち、第2の非変短状態では、第1の非変状態または変短状態よりも小当り遊技が高い頻度で生起されることで、遊技者が所持するパチンコ球(所謂、持ち球)が減少し難くすることができ、遊技を多様化することができる。また、実施例のパチンコ機10では、第2の非変短状態での可変始動部130への入賞に基づく特図当り判定において、大当りに当選する確率より小当りに当選する確率が高く設定されているので、可変始動部130が開放作動する頻度が高い遊技状態(第2の非変短状態)か否かによって小当り遊技が生起される可能性を変えることができる。このように、第2の非変短状態か否かによって、右打ちを行って可変始動部130へ多くのパチンコ球を入賞させることで、小当り遊技の発生頻度を高くすることができ、小当り遊技で持ち球を徐々に増加させたり、持ち玉が減少する速さを異ならせることが可能となる。すなわち、第2の非変短状態か否かによって異なる遊技性を実現でき、作動入球部110へパチンコ球が入球した際に、開放する可変入球部に対する関心を高めることができる。
また、変短状態では確変状態が付与されるよう構成してあるから、固定始動部31への入賞を契機として行われる特図当り判定が大当りの判定結果となり易く、第1の当り遊技を契機として第2の非変短状態に早期に移行する期待感が高まる。このように、実施例のパチンコ機10では、第3の当り遊技後の遊技状態(非確変状態かつ第1の非変短状態)、第2の当り遊技後の遊技状態(確変状態かつ変短状態)、第1の当り遊技後の遊技状態(確変状態かつ第2の非変短状態)の順で、遊技者に有利な遊技状態となるように設定したことで、第2の非変短状態が付与された遊技状態に移行する期待感を段階的に高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。
このように、大当り遊技の後に第1の非変短状態または変短状態に移行するか、第2の非変短状態に移行に移行するかに応じて、作動入球部110へのパチンコ球の入球を契機として可変入賞部125および可変始動部130の開放頻度を変えることで、大当りに当選することを契機とした遊技状態の移行に対する遊技者の関心を高めて、作動入球部110へ入球したパチンコ球により作動される可変入賞部125および可変始動部130に対する関心を高めることができる。
また、従来のパチンコ機では、作動口開閉部材112が第2位置となる頻度が高い開閉態様で作動入球部110を開閉作動する変短状態の場合に、可変始動部130への入球を契機として始動条件を成立させることが可能となることで遊技者に有利になるよう構成される。これに対して、実施例のパチンコ機10では、作動口開閉部材112が第2位置となる頻度が低い開閉態様で作動入球部110を開閉作動する非変短状態として、第1の非変短状態および第2の非変短状態を設定し、第2の非変短状態に移行することで変短状態よりも可変始動部130への入球を契機として始動条件を成立させることを可能として遊技者に有利になるようにしたことで、従来にない斬新な遊技性を付与することができる。すなわち、作動入球部110へパチンコ球が入球した際に、開放する可変入球部125,130に対する関心を高めることができると共に、従来にない遊技性を実現できる。
また、非変短状態として、第1の非変短状態および第2の非変短状態を設定することで、当該非変短状態の中で作動入球部110へのパチンコ球の入球を契機として可変入賞部125および可変始動部130の開放頻度を変えることができ、作動入球部110へ入球したパチンコ球により作動される可変入球部125,130に対する関心を高めることができる。また、作動口開閉部材112が第1位置にある状態で作動入球部110にパチンコ球が入球し得るようにすることで、非変短状態において作動入球部110へのパチンコ球の入球機会を常に確保することができ、作動入球部110へ入球したパチンコ球により作動される可変入球部125,130に対する関心を高め得る。
また、実施例では、パチンコ球がゲート部34に入球することを契機として行われる普図当り判定に当選した場合に、第1の非変短状態では作動入球部110の作動口開閉部材112が第1の開放パターンP1で開閉作動されることで、作動口111に入球したパチンコ球が第1分岐通路116に振り分けられて、可変入賞部125が開放作動すると共に、第2の非変短状態では作動入球部110の作動口開閉部材112が第2の開放パターンP2で開閉作動されることで、作動口111に入球したパチンコ球が第2分岐通路117に振り分けられて可変始動部130が開放作動されるようにしてある。すなわち、第1の非変短状態および第2の非変短状態の夫々において、普図当り判定に当選した場合に第1ソレノイド113で作動される作動入球部110に対して同等の確率でパチンコ球を入球させつつ、開放作動する可変入球部(可変入賞部125および可変始動部130)を変更することができる。
(変更例)
なお、遊技機としては、前述したものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 開閉部材の開放作動に伴って前記遊技領域を流下する遊技球の入球が容易になる可変入球部として第1の可変入球部(可変入賞部)および第2の可変入球部(可変始動部)を設けるようにしたが、これに限られるものではなく、当該可変入球部を3つ以上備えるようにしてもよい。可変入球部を3つ以上備える場合に、始動条件が成立しない第1の可変入球部を複数設けるようにしてもよく、動条件が成立する第2の可変入球部を複数設けるようにしてもよい。
(2) 実施例では、第1の可変入球部に遊技球が入球することを契機として賞球の払出条件が成立して所定数の賞球が払い出されるよう構成したが、当該第1の可変入球部に遊技球が入球することを契機として賞球の払出条件が成立しないように構成することもできる。すなわち、第1の可変入球部の入球口をアウト口として、当該第1の可変入球部に入球した遊技球をそのまま遊技盤の外部に排出するようにしてもよい。
(3) 実施例では、第2の可変入球部に遊技球が入球することを契機として賞球の払出条件が成立して所定数の賞球が払い出されるよう構成したが、当該第2の可変入球部に遊技球が入球することを契機として始動条件が少なくとも成立するよう構成すればよい。従って、第2の可変入球部に入球して球検出センサ(可変始動検出センサ)に検出された遊技球が遊技領域に戻るように当該第2の可変入球部の通路を形成することもできる。
(4) 実施例では、作動口に入球した遊技球を何れかの分岐通路に振り分ける振分手段として、電動式駆動手段の駆動により振分部材が作動する通路振分部を設けたが、これに限られるものではなく、球転動部を転動する遊技球の勢いや転動方向により自然に何れかの分岐通路に振り分けられる構成を採用することもできる。例えば、すり鉢状に形成した球転動部の底面に複数の通孔を形成した所謂クルーンとも称される球転動部を振分手段として採用したり、一定方向に延在すると共に延在方向に離間する複数箇所に球排出部を設けた所謂ステージ状の球転動部を振分手段として採用することも可能であり、その他遊技球の流下方向を複数に振分可能な従来公知の振分手段を採用可能である。
(5) 実施例では、開閉部材の開放作動により入球口(作動口)が拡大するよう作動入球部を形成して、当該作動入球部に入球した遊技球が第1の可変入球部および第2の可変入球部に振り分けられるよう構成したが、当該作動入球部の開閉部材を省略して入球口(作動口)を常に一定の開口幅で開口するようにしてもよい。すなわち、所定の入球部(ゲート部)に遊技球が入球することを契機として行われる判定(普図当り判定)の結果に基づいて、第1の可変入球部および第2の可変入球部に振り分ける振分部材を作動することで、作動入球部に入球した遊技球が第1の可変入球部および第2の可変入球部に振り分けるようにすることも可能である。
(6) 実施例では、所定の開閉態様で作動入球部の作動開閉部材を開閉作動する第1の特定遊技状態(非変短状態)と、第1の特定遊技状態よりも第2位置となる頻度が高い開閉態様で作動入球部の作動開閉部材を開閉作動する第2の特定遊技状態(変短状態)とを設定したが、第1の特定遊技状態(非変短状態)のみを設定するようにしてもよい。すなわち、第1の特定遊技状態(非変短状態)において、異なる開閉態様(開放パターン)で作動入球部の作動開閉部材を開閉作動しつつ、作動開閉部材が第2位置となる頻度(開放時間)が等しい第1の作動状態(第1の非変短状態)および第2の作動状態(第2の非変短状態)を設定する構成を採用できる。
(7) 実施例では、所定の入球部(ゲート部)に遊技球が入球することを契機として行われる判定(普図当り判定)の結果に基づいて作動開閉部材を第2位置に保持する合計作動時間(開放判定手段が作動入球部の開放作動を許容することを契機とした合計作動時間)を、第1の作動状態(第1の非変短状態)および第2の作動状態(第2の非変短状態)において等しくなるよう構成したが、当該合計作動時間を第1の作動状態および第2の作動状態において異ならせてもよい。例えば、実施例において第1の開放パターンP1に基づいて作動する場合(第1の非変短状態)に作動口開閉部材112を開放位置に変位する時間(「TA1+TA2」)と、第2の開放パターンP2に基づいて作動する場合(第2の非変短状態)に作動口開閉部材112を開放位置に変位する時間(「TA3+TA4」)とを異ならせることで実現できる。
(8) また、第1の作動状態(第1の非変短状態)および第2の作動状態(第2の非変短状態)において作動入球部を駆動制御する制御時間は同じである必要はない。すなわち、実施例における第1開放パターンP1および第2開放パターンP2の夫々に基づいて作動入球部を駆動制御する制御時間(「TA1+TB1+TA2+TB2」および「TA3+TB3+TA4+TB4」)を異ならせてもよい。
(9) 実施例では、作動開閉部材が第1位置にある状態で遊技領域を流下する遊技球が作動入球部に入球可能となるように、当該作動入球部が遊技領域に常に開口するよう構成したが、第1位置にある作動開閉部材が作動入球部への入球が不能となるように入球口(作動口)を閉鎖するようにしてもよい。
(10) 実施例では、第1の特定遊技状態における第1の作動状態(第1の非変短状態)の場合と、第2の特定遊技状態(変短状態)の場合とで、同じ開閉態様(第1の開放パターンP1)で作動入球部が開閉作動されるよう構成したが、当該両状態(第1の非変短状態、変短状態)の夫々において開閉態様で作動入球部が開閉作動されるよう構成することができる。この場合には、第2の特定遊技状態の場合に、第1の特定遊技状態における第2の作動状態(第2の非変短状態)の場合と比べて第2の可変入球部が開閉作動される頻度が低くなるように作動開閉部材が作動されるよう構成することが好ましい。例えば、実施例の第1の開放パターンP1における2回目の開放作動に伴う開放時間(第2の作動口開放時間TA2)が長くなるように設定(例えば2.2秒)して当該開放時間の間に入賞した遊技球の一部により第2の可変入球部を開放作動可能な第3の開放パターンを設定して、第2の特定遊技状態(変短状態)の場合に第3の開放パターンに基づいて作動入球部が開閉作動されるよう構成してもよい。この第3の開放パターンは、2回目の開放作動に伴う開放時間の間に入賞した遊技球のタイミングにより振分部材が第2振分位置に位置することで、第2の開放パターンに基づいて作動入球部が開閉作動される場合よりも低い割合で第2の可変入球部を開放作動可能になるよう構成されている。このような構成では、作動入球部に遊技球が入球し易い状態(第2の特定遊技状態)よりも、当該作動入球部に遊技球が入球し難い状態(第1の特定遊技状態の内の第2の作動状態)において、第2の可変入球部への入球を契機として始動条件を成立させることが可能とすることで、従来にない遊技性を実現できる。
(11) メイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(演出制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、メイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(12) また、演出制御手段(演出制御CPU)が備える機能の全部または一部を、表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段(表示手段CPU)が備える機能の全部または一部を演出制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよい。そして、演出制御手段(演出制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、演出制御基板および表示制御基板の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が兼用するようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、演出制御手段が兼用することができる。
(13) 演出用の図柄(飾図)を表示する図柄表示手段(図柄表示装置)とは独立して、特図を表示する特図表示手段(特図表示部)を設けるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、図柄表示手段において飾図および特図の両方を表示するようにしてもよい。また飾図と特図とを共用して、図柄表示手段に表示するようにしてもよい。
(14) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。
また本願には、次のような技術的思想が含まれている。
(A) 請求項1記載の構成を含む遊技機に関し、
遊技球の入球を契機として前記始動条件が成立する特定の始動部(31)を備え、
前記当り遊技には、前記当り判定手段(60a)が大当りに当選したと判定した場合に付与される大当り遊技と、前記当り判定手段(60a)での当選確率が大当りより高く設定された小当りに当選したと該当り判定手段(60a)が判定した場合に付与される小当り遊技とが設定され、
前記第2の可変入球部(130)への入球を契機とした当り判定で小当りに当選する確率は、前記特定の始動部(31)への入賞を契機とした当り判定で小当りに当選する確率より高く設定されたことを要旨とする。
このように、第2の可変入球部が開放作動する頻度が高い遊技状態か否かによって小当り遊技が生起される可能性を変えることができ、遊技状態に応じて持ち球を増加させたり、持ち玉が減少する速さを異ならせることができる。すなわち、第2の可変入球部が開放作動する頻度が高い遊技状態か否かによって異なる遊技性を実現でき、作動入球部へ遊技球が入球した際に、開放する可変入球部に対する関心を高めることができる。
(B) 請求項3記載の構成を含む遊技機に関し、
前記第2の特定遊技状態の場合に、前記第1の特定遊技状態における前記第2の作動状態の場合と比べて前記第2の可変入球部(130)が開閉作動される頻度が低くなるように前記作動開閉部材(112)が作動されるよう構成されたことを要旨とする。